(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、化粧性向上のために下面がフラット化された風向調節部材を備えた室内機では、特許文献1における風向調節部材のように湾曲した下面を有する場合に比べて、吹出口において風向調節部材よりも内側の隙間から吹き出される空気が、風向調節部材の下面により追随しにくくなる。このため、空気は、風向調節部材の下面から一段と剥離しやすくなり、この下面近傍がさらに負圧となりやすい。その結果、風向調節部材の下面において一段と結露が生じやすくなる。このように下面がフラット化された風向調節部材を備え、冷房運転時に風向調節部材の下面に結露が生じやすい室内機では、特許文献1に開示されている構成では、必ずしも結露の抑制効果が十分とは言えない。
【0008】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱交換器を水平方向に通過した空気が下方に向きを変えて吹出口まで案内される吹出流路を有し、下面がフラット化された風向調節部材が吹出口に配置された空気調和機用室内機において、冷房運転時に風向調節部材の下面に結露が生じるのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の空気調和機用室内機は、送風機(13)と、前記送風機(13)に対して空気の流れの下流側に配置された熱交換器(15)と、前記送風機(13)及び前記熱交換器(15)を収容し、空気の吹出口(28)を下面に有するケース(20)と、前記吹出口(28)に配置され、下面(71)がフラットな風向調節部材(70)と、を備えている。前記ケース(20)内において前記熱交換器(15)よりも空気の流れの下流側には、前記熱交換器(15)を通過しこの熱交換器(15)から水平方向外側に流出した空気が下方に向きを変え、前記吹出口(28)まで案内される吹出流路(40)が形成されている。前記吹出流路(40)は、前記熱交換器(15)に対して水平方向外側に対向し、かつ前記熱交換器(15)から水平方向外側に流出した空気の向きを下方に変える外側壁部(26)と、前記外側壁部(26)に対して水平方向内側に対向する対向壁部(50)とによって区画されている。前記対向壁部(50)は、上縁面(51)と、この上縁面(51)の下方に位置する外側面(52)とを有している。前記上縁面(51)における水平方向外側部分は、下方に向かうにつれて水平方向外側に位置するように滑らかに湾曲する
第1凸曲面(53)であり、
前記外側面(52)は、第1凸曲面(53)の下方に位置するとともに、下方に向かうにつれて水平方向内側に位置するように滑らかに湾曲する第2凸曲面(54)を有し、前記第1凸曲面(53)と前記第2凸曲面(54)は、水平方向外側に凸の湾曲凸面(55)を形成しており、前記外側面(52)は、前記湾曲凸面(55)の下方に位置し、この湾曲凸面(55)に滑らかに連続し、かつ水平方向内側に凹む凹面(57)をさらに有しており、前記風向調節部材(70)は、室内機の運転時において、前記対向壁部(50)との間に隙間を設けて配置されるとともに前記外側壁部(26)との間にも隙間を設けて配置されることによって前記風向調節部材(70)よりも内側と外側の両側から空気が吹き出されるように構成されている。
【0010】
この構成では、熱交換器(15)を水平方向に通過した空気が下方に向きを変えて吹出口(28)まで案内される吹出流路(40)を有し、下面(71)がフラット化された風向調節部材(70)を吹出口(28)に配置した室内機であっても、冷房運転時に風向調節部材(70)の下面(71)に結露が生じるのを抑制することができる。
【0011】
具体的には、この構成では、対向壁部(50)の上縁面(51)における水平方向外側部分は、凸曲面(53)であり、その下方に位置する外側面と滑らかに連続しているので、熱交換器(15)を通過して水平方向に流れる空気が前記凸曲面(53)に沿って外側面に円滑に案内される。すなわち、対向壁部(50)の上縁面(51)における外側部分は、上下方向に延びる吹出流路(40)への入口に相当し、気流が下方に向きを変える重要なポイントであり、この部位が対向壁部(50)の外側面(52)と滑らかに連続する凸曲面(53)であることにより、気流の向きが円滑に下方に変えられるとともに対向壁部(50)の外側面(52)からの気流の剥離が抑制される。
【0012】
これにより、対向壁部(50)の外側面(52)に沿って流れる空気量を増加させることができるので、吹出流路(40)を下方に流れる気流が水平方向外側(外側壁部(26)側)に偏流するのが効果的に抑制される。その結果、吹出口(28)において風向調節部材(70)よりも内側の隙間(吹出口(28)の内縁と風向調節部材(70)との隙間)から吹き出される空気量を増加させることができる。このように吹き出される空気量が増加することにより、室内の高温多湿の空気が風向調節部材(70)の下面(71)の近傍に近づきにくくなるので、冷房運転時に風向調節部材(70)の下面(71)において結露が生じるのを抑制できる。
【0014】
この構成では、上記のような湾曲凸面(55)を備えていることにより、対向壁部(50)の外側面(52)に沿って流れる空気量をさらに増加させることができるので、吹出流路(40)を下方に流れる気流が水平方向外側(外側壁部(26)側)に偏流するのがより効果的に抑制される。
【0015】
(3)前記
(1)又は(2)に記載の空気調和機用室内機において、前記吹出流路(40)における前記湾曲凸面(55)と前記外側壁部(26)との間の流路幅(W1)は、前記吹出口(28)の開口幅(W3)よりも小さい形態であるのが好ましい。
【0016】
この構成では、流路幅(W1)を開口幅(W3)よりも小さくすることにより、いわゆるコアンダ効果によって湾曲凸面(55)側に沿って流れる気流の流量がより多くなる。また、開口幅(W3)が相対的に大きいことにより、気流が吹出口(28)から吹き出る際の騒音を低減できる。
【0018】
この構成では、上記のような凹面(57)を備えていることにより、吹出口(28)に近い領域の流路幅(W2)を大きくできるので、気流が吹出口(28)から吹き出る際の騒音を低減できる。
【0019】
(
4)前記(
1)又は(
2)に記載の空気調和機用室内機において、前記湾曲凸面(55)は、前記吹出口(28)の近傍まで延びている形態であってもよく、この場合において、前記吹出流路(40)は、前記湾曲凸面(55)と前記外側壁部(26)との間の流路幅(W1)が漸減する漸減領域(41)と、前記漸減領域(41)の下方に位置し、前記流路幅(W1)が漸増する漸増領域(42)とを有しているのが好ましい。
【0020】
この構成では、吹出流路(40)が漸減領域(41)と漸増領域(42)とを有しており、より滑らかに流路幅(W1)を変化させることができるので、湾曲凸面(55)における気流の剥離をさらに抑制できる。
【0023】
(
5)前記(
1)〜(
4)のいずれかの空気調和機用室内機において、前記外側壁部(26)には、前記吹出流路(40)において水平方向内側に突出する突起部(60)が設けられており、前記突起部(60)は、前記湾曲凸面(55)に対して水平方向に対向する位置に配置されているのが好ましい。
【0024】
この構成では、突起部(60)が湾曲凸面(55)に対して水平方向に対向する位置に配置されているので、突起部(60)によって気流が湾曲凸面(55)側に流れ、外側壁部(26)側への偏流をさらに抑制できる。
【0025】
(
6)前記(
5)に記載の空気調和機用室内機において、前記突起部(60)は、前記湾曲凸面(55)における水平方向外側の頂部(56)に対して水平方向に対向する位置に配置されているのが好ましい。
【0026】
この構成では、突起部(60)が湾曲凸面(55)に対して水平方向に対向する位置に配置されているので、突起部(60)によって気流が効果的に湾曲凸面(55)側に流れ、外側壁部(26)側への偏流をさらに抑制できる。
【0027】
(
7)前記空気調和機用室内機において、前記熱交換器(15)の結露水を収容するためのドレンパン(30)をさらに備え、前記ドレンパン(30)は、前記熱交換器(15)の下端部に対向する底部(31)、及び前記熱交換器(15)よりも空気の流れの下流側に位置し、上下方向に延びる下流側壁部を有しており、前記下流側壁部は、前記対向壁部(50)の少なくとも一部を構成しており、前記対向壁部(50)の前記上縁面(51)は、前記下流側壁部の上縁面であり、前記外側壁部(26)は、前記ケース(20)の一部であるのが好ましい。
【0028】
この構成では、ドレンパン(30)がドレンパンとしての機能だけでなく、対向壁部(50)としての機能を併せ持っているので、対向壁部(50)として別部材を配設する場合に比べて部材点数の削減ができ、別部材を配設するスペースを削減できる。また、外側壁部(26)が前記ケース(20)の一部であるので、外側壁部(26)として別部材を配設する場合に比べて部材点数の削減ができ、別部材を配設するスペースを削減できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、熱交換器を水平方向に通過した空気が下方に向きを変えて吹出口まで案内される吹出流路を有し、下面がフラット化された風向調節部材が吹出口に配置された空気調和機用室内機において、冷房運転時に風向調節部材の下面に結露が生じるのを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態に係る空気調和機用室内機11について図面を参照して説明する。
図1及び
図2に示すように、この室内機11は、天井Tに埋め込まれた状態で天井Tに設置される2方向吹き出しタイプの室内機である。
【0032】
室内機11は、送風機13と、この送風機13に対して空気の流れの下流側に配置された一対の熱交換器15,15と、これらの熱交換器15,15の結露水を収容するための一対のドレンパン30,30と、送風機13、熱交換器15,15及びドレンパン30,30を収容し、空気の吹出口28,28及び吸込口29,29を下面に有するケース20と、吹出口28,28に配置され、下面71がフラットな風向調節部材70,70とを備えている。
【0033】
ケース20は、天板21と、この天板21の周縁から下方に延びる側板26と、底板とを含む。底板は、化粧パネル27と、外枠部25と、一対の内枠部22,22とを含む。天板21及び側板26は、天井裏に配置されており、前記底板は、天井Tの開口を塞ぐとともに室内に露出している。前記底板の下面は、天井Tの下面とほぼ平行でかつ凹凸が少ないように設計されている。
【0034】
側板26の内側面は、吹出口28の近傍を除いて、重力の方向に対して僅かに傾斜した平面である。この内側面は、下方に向かうにつれて水平方向外側に位置するように重力の方向に対して傾斜している。
図3に示すように、側板26の内側面は、吹出口28の近傍の領域がこれよりも上方の領域よりも大きな傾斜角度で外側に傾斜している。これにより、吹出口28の開口幅W3が大きくなる。
【0035】
外枠部25は、外形が長方形の枠状の部位である。外枠部25は、その上面が天井Tに当接しており、室内機11を天井Tに対して位置決めしている。
【0036】
一方の内枠部22は、外枠部25の長辺に平行でかつこの長辺との間に所定の隙間をあけて配置されている。この隙間は長孔状の空気の吹出口28を構成している。他方の内枠部22は、外枠部25の前記長辺に対向する長辺に平行でかつこの長辺との間に所定の隙間をあけて配置されている。当該隙間も同様に吹出口28を構成している。両端部が外枠部25に支持されている。各内枠部22の両端部は外枠部25の対向する短辺につながっている。
【0037】
各内枠部22は、外側部23と内側部24とを含む。外側部23は、内側部24よりも水平方向外側に位置する領域であり、後述するドレンパン30の下流側壁部33とともに対向壁部50を構成しており、吹出流路40の一部を区画している。内側部24は、ドレンパン30の上流側壁部32とともに、吸込口29から吸い込まれる空気の吸込流路の一部を区画している。各内枠部22は、対応するドレンパン30と一体成形されている。ドレンパン30と内枠部22とは、仕切り部材を構成している。この仕切り部材は、
図1に示すように、熱交換器15とともに吸込側の空間と吹き出し側の空間とを仕切っている。
【0038】
化粧パネル27は、長方形の板状の部材であり、一対の内枠部22,22と外枠部25の一対の短辺とに囲まれる領域に配置され、外枠部25に支持されている。化粧パネル27と各内枠部22との間には隙間が形成されている。各隙間は、長孔状の空気の吸込口29を構成している。
【0039】
各風向調節部材70は、対応する吹出口28に配置されている。各風向調節部材70の下面71はフラットである。各風向調節部材70は、回動中心Cを中心に回動可能に図略の支持部材によってケース20に支持されている(
図3)。
図3において、実線で示す風向調節部材70の位置は、例えば水平吹きに設定された状態を示し、二点鎖線で示す風向調節部材70の位置は、下吹きに設定された状態を示している。水平吹きに設定された場合、風向調節部材70の外側端部74と外枠部25の内縁との隙間に比べて、風向調節部材70の内側端部73と内枠部22の外縁との隙間がかなり小さくなる。
【0040】
各風向調節部材70は、
図2に示すように室内機11の未使用時において吹出口28の開口のほぼ全体を塞ぐことができる大きさを有している。各風向調節部材70の下面71は、フラットであるので、水平方向を向いたときに外枠部25及び内枠部22とほぼ連続する面を形成している。
【0041】
本実施形態の風向調節部材70は、下面71だけでなく上面72もフラットである。下面71は、風向調節部材70の内側端部73と外側端部74とを結ぶ直線70a(
図3)に対して下方に位置し、上面72は直線70aに対して上方に位置している。
図3に示すように、風向調節部材70は、全体として直線70aに沿って延びており、外側端部74に向かうにつれて先細りした形状を有している。
【0042】
ここで、下面71がフラットであるとは、下面71全体が完全な平面である場合だけでなく、
図3に示すように下面71に多少の傾斜や多少の凹凸がある場合も含む。具体的には、例えば本実施形態の風向調節部材70は、上述したように外側端部74に向かうにつれて先細りした形状を有しているので、下面71は直線70aに対して僅かに傾斜している。また、風向調節部材70の内側端部73及び外側端部74は凸曲面であり、下面71の両端部の近傍は、内側端部73及び外側端部74の凸曲面と滑らかに連続するように湾曲している。
【0043】
送風機13としては、例えば遠心送風機、斜流送風機などを用いることができる。遠心送風機としては、ターボファン、シロッコファンなどが挙げられる。送風機13は、例えば、図略の羽根車、この羽根車に図略のシャフトを介して連結された図略のモータなどを含む。本実施形態の送風機13は、前記羽根車の回転軸Aが上下方向に向いており(
図1)、下部に空気の吸引口を有し、回転軸Aに対して半径方向外側(水平方向外側)に空気の吐出口を有している。前記羽根車が回転すると、室内の空気は、ケース20の吸込口29,29からケース20内に吸い込まれて上方に進み、前記羽根車内を通って羽根車から半径方向外側(水平方向外側)に吹き出され、各熱交換器15に至る。
【0044】
ここで、本実施形態において、水平方向は、重力の方向と直角に交わる直角方向だけでなく、
図1に示すように送風機13から吹き出された空気が熱交換器15の上端部側に向かう方向、熱交換器15の下端部側に向かう方向などのように前記直角方向に対して多少傾斜した方向も含む。また、上下方向は、重力の方向に平行なだけでなく、それに対して多少傾斜した方向も含む。
【0045】
各熱交換器15は、厚みの小さな扁平な形状を有しており、内枠部22の上方に位置し、内枠部28の長手方向に沿って配置されている。各熱交換器15は、内枠部28の長さとほぼ同程度の長さを有している。送風機13から水平方向外側に吹き出された空気は、いずれかの熱交換器15を通過した後、対応する吹出口28から室内に吹き出される。
【0046】
ケース20内において各熱交換器15よりも空気の流れの下流側には、熱交換器15を通過し熱交換器15から水平方向外側に流出した空気が下方に向きを変え、吹出口28まで案内される吹出流路40が形成されている。各吹出流路40は、上側吹出流路43と、下側吹出流路44とを含む。
【0047】
各上側吹出流路43は、対応する熱交換器15の外側部と、この外側部に対して水平方向外側に対向するケース20の側板(外側壁部)26の内側面とによって区画されている。各下側吹出流路44は、ケース20の側板26の内側面と、この内側面に対して水平方向内側に対向する対向壁部50とによって区画されている。
【0048】
本実施形態の場合、
図1に示すように送風機13から吹き出された空気のうち、熱交換器15の上端部側に向かう空気及び熱交換器15の高さ方向の中央付近に向かう空気は、熱交換器15を通過して熱交換器15から水平方向外側に流出した後、上側吹出流路43において下方に向きが変わる。また、熱交換器15の下端部側に向かう空気は、熱交換器15を通過して熱交換器15から水平方向外側に流出した後、下側吹出流路44において下方に向きが変わる。
【0049】
各ドレンパン30は、対応する熱交換器15の下端部に沿って延びる皿形状を有している。各ドレンパン30は、熱交換器15において生じる結露水を収容する。収容された水は図略の排水経路を通じて排出される。各ドレンパン30は、熱交換器15の下端部に対向する底部31と、熱交換器15よりも空気の流れの上流側に位置し、上下方向に延びる上流側壁部32と、熱交換器15よりも空気の流れの下流側に位置し、上下方向に延びる下流側壁部33を有している。下流側壁部33の上縁面51は、上流側壁部32の上縁面よりも下方に位置している。上流側壁部32の上縁面における水平方向内側部分は内側に向かうにつれて下方に位置するように傾斜した傾斜面又は湾曲面である。
【0050】
図1及び
図3に示すように、各ドレンパン30の下流側壁部33は、内枠部22の外側部23とともに対向壁部50を構成している。対向壁部50の上縁面51は、下流側壁部33の上縁面である。各対向壁部50は、上縁面51の下方に位置する外側面52を有している。
【0051】
上縁面51における少なくとも水平方向外側部分は凸曲面である。本実施形態では、上縁面51の水平方向外側部分だけでなく、上縁面51における水平方向内側の角部を除く上縁面51のほぼ全体が凸曲面(第1凸曲面53)である。第1凸曲面53は、上縁面51の水平方向内側部分から水平方向外側に向かうにつれて下方に位置するように滑らかに湾曲した凸曲面である。第1凸曲面53は、その下方の外側面52と滑らかに連続している。
【0052】
外側面52は、上縁面51の第1凸曲面53と滑らかに連続する水平方向外側に凸の第2凸曲面54を有している。これらの第1凸曲面53と第2凸曲面54とは水平方向外側に凸の湾曲凸面55を形成している。湾曲凸面55において最も水平方向外側に位置する頂部56は、第1凸曲面53と第2凸曲面54との境界部分である。本実施形態の頂部56は、上下方向に所定の長さを有している。風向調節部材70の水平方向内側端部73は、湾曲凸面55の頂部56よりも水平方向外側に位置している。
【0053】
外側面52は、凹面57をさらに有している。凹面57は、湾曲凸面55の下方に位置し、この湾曲凸面55に滑らかに連続し、かつ水平方向内側に凹んでいる。湾曲凸面55と凹面57とは、境界部P1において滑らかにつながっている。
図3の断面図において境界部P1は変曲点である。
【0054】
また、外側面52は、凹面57の下方に位置し、この凹面57に滑らかに連続し、かつ上下方向に平行な平面58をさらに有している。凹面57と平面58とは、境界部P2において滑らかにつながっている。この平面58の下端部は、延出片22aを介して内枠部22の下面22bにつながっている。延出片22aは、平面58の下端部から水平方向外側に延びており、風向調節部材70の水平方向内側端部73と内枠部22との隙間から吹き出される空気の向きを、下方に対して水平方向外側に傾斜する方向に変える役割を果たす。
【0055】
吹出流路40において、湾曲凸面55とケース20の側板26の内側面との間の流路幅W1は、吹出口28の開口幅W3よりも小さい。吹出流路40において、湾曲凸面55とケース20の側板26の内側面との間の流路幅W1よりも凹面57とケース20の側板26の内側面との間の流路幅W2の方が大きい。また、吹出口28の開口幅W3は、凹面57とケース20の側板26の内側面との間の流路幅W2よりも大きい。開口幅W3は、空気がケース20から吹き出される最下流の位置において、吹出口28の長手方向に直交する方向の開口寸法をいう。したがって、本実施形態では、開口幅W3は、延出片22aの先端部と外枠部25の水平方向内側の縁部との距離である。
【0056】
本実施形態の下側吹出流路44において、頂部56よりも下方でかつ平面58よりも上方(境界部P2よりも上方)の範囲の流路幅は、下方に向かうにつれて漸増している。また、本実施形態では、上述したようにケース20の側板26の内側面は下方に向かうにつれて外側に傾斜しており、対向壁部50は上述した構成を有しているので、下側吹出流路44において、頂部56よりも下方でかつ延出片22aよりも上方の範囲の流路幅は、下方に向かうにつれて漸増している。
【0057】
図4は、本実施形態の室内機11における空気の流れ(風速分布)を示す解析図である。
図9は、比較例1に係る天井埋込型の室内機を示す断面図であり、
図10は、比較例1の室内機における空気の流れ(風速分布)を示す解析図である。
【0058】
図9に示すように、比較例1の室内機では、ドレンパン130の下流側壁部133の上縁面151は、水平方向内側部分及び水平方向外側部分がともに角張った形状を有している。この水平方向外側部分は、凸曲面ではない。そして、この上縁面151の外側部分につながり下方に延びる外側面152は、3つの平面が上下方向に並んでいる。上側の平面と下側の平面とは上下方向に平行であり、真ん中の平面が下方に向かうにつれて内側に傾斜していることにより、凹面157が形成されている。内枠部122は外側部123と内側部124とを含む。
【0059】
図4に示す解析図と
図10に示す解析図とを比較すると次のようなことがわかる。
図4に示す本実施形態の室内機11では、外側面52の上部では気流F12Aの剥離はほとんど生じていない。本実施形態では、凹面57において気流F12Bの剥離が生じている(
図4における色の濃い領域)。このように熱交換器15から水平方向外側に流出して上縁面51に沿って外側に流れる空気が上縁面51の第1凸曲面53において下方に円滑に向きを変えることができ、円滑に外側面52に流れ込んでいるためであると考えられる。また、本実施形態では、水平方向外側に凸の湾曲凸面55が形成されることにより、後述する比較例1に比べて上縁部51の直下における流路幅(湾曲凸面55と側板26の内側面との距離)が小さい。これにより、いわゆるコアンダ効果によって湾曲凸面55側を流れる気流の流量が増加していると考えられる。これにより、比較例1に比べて、外側に向かう気流F11が側板26側に偏流するのが抑制される。このことは、側板26の近傍を流れる流量の多い領域F13の幅(水平方向の幅)が比較例1に比べて大きくなっており、湾曲凸面55側により近づいていることから理解できる。
【0060】
その結果、吹出口28において、風向調節部材70の外側端部74と外枠部25の内縁との隙間を通じて室内に吹き出される気流F14の流量と、風向調節部材70の内側端部73と内枠部22の外縁との隙間を通じて室内に吹き出される気流F15の流量との差が比較例1に比べて小さい。このように風向調節部材70の内側端部と内枠部22の外縁との隙間を流れる気流F15の流量が多くなると、この隙間におけるシール性が維持され、室内の暖気が風向調節部材70の下面71に近づきにくくなるので、この下面71において結露が生じにくくなる。
【0061】
一方、
図10に示す比較例1では、外側面152のほぼ全体において気流F52の剥離が生じている(
図10における色の濃い領域)。すなわち、比較例1では、下流側壁部133の上縁面151の直下から気流F52の剥離が生じている。この剥離は、熱交換器15から水平方向外側に流出して上縁面151に沿って外側に向かう気流F51が上縁面151の外側端部において下方に円滑に向きを変えることができないことが原因であると考えられる。そのため、この外側に向かう気流F51の大半は、ケース20の側板26側に偏流しており、この側板26の近傍の狭い範囲に流量の多い領域F53が形成されている。
【0062】
その結果、吹出口128において、風向調節部材70の外側端部と外枠部25の内縁との隙間を通じて室内に吹き出される気流F54の流量と、風向調節部材70の内側端部と内枠部122の外縁との隙間を通じて室内に吹き出される気流F55の流量との差が大きくなっている。このように風向調節部材70の内側端部と内枠部122の外縁との隙間を流れる気流F55の流量が少なくなると、この隙間におけるシール性が低下し、室内の暖気が風向調節部材70の下面に近づきやすくなるので、この下面において結露が生じやすくなる。
【0063】
図11は、比較例2の室内機における空気の流れ(風速分布)を示す解析図である。この比較例2は、側板26に水平方向内側に突出する突起部160が設けられている。この突起部160は、凹面157に対向する領域あたりに設けられている。突起部160は、下側吹出流路の上下方向の中央よりも下方に配置されている。突起部160の下面は、下側吹出流路44において上下方向の中央よりも下方に位置しており、吹出口128の近くにある。この突起部160の傾斜した側面に沿って気流F53が外側面152側に流れるので、側板26側への偏流が若干抑制され、外側面152における気流F52の剥離が若干抑制されている。しかし、依然として比較例2では、下流側壁部133の上縁面151の直下から気流F52の剥離が生じている。
【0064】
また、突起部160が設けられていることにより、突起部160の直下の領域F56は負圧になっている。このような負圧の領域F56が吹出口128の近傍に形成されると、室内の暖気が吹出口128の近傍に近づきやすくなるので、下吹きの場合(風向調節部材70が
図3や
図9において二点鎖線で示す位置にある場合)に、室内の高温多湿の空気が負圧の領域F56に入り込み、突起部160の下面において結露が生じやすくなる。また、突起部160が吹出口128を通じて目視されやすいという問題もある。
【0065】
図12は、比較例3の室内機における空気の流れ(風速分布)を示す解析図である。この比較例3では、比較例2よりもさらに大きな突起部161が設けられている点が比較例2と異なっており、その他の構成は比較例2と同じである。
【0066】
この比較例3では、突起部161は、凹面157に対向する領域あたりに設けられている。突起部161の下面は、下側吹出流路44において上下方向の中央よりも下方に位置しており、吹出口128のごく近い位置にある。比較例2に比べると、この突起部161の傾斜した大きな側面に沿って気流F53が外側面152側に流れるので、側板26側への偏流がかなり抑制され、外側面152における気流F52の剥離がかなり抑制されている。しかし、依然として比較例3では、下流側壁部133の上縁面151の直下から気流F52の剥離が生じている。
【0067】
また、突起部161が設けられていることにより、突起部161の直下の領域F56は負圧になっている。このような負圧の領域F56が吹出口128のごく近傍に形成されると、比較例2に比べて、室内の暖気が吹出口128の近傍にさらに近づきやすくなるので、下吹きの場合に、室内の高温多湿の空気が負圧の領域F56に入り込み、突起部161の下面において結露が生じやすくなる。また、突起部161が吹出口128を通じてより目視されやすくなる。
図3に示す実施形態の場合、突起部を備えていないので、外観上、比較例3に比べて優れている。
【0068】
図13(A)は、比較例4の室内機における空気の流れ(風速分布)を示す解析図であり、
図13(B)は、この室内機に用いられている風向調節部材170を示す断面図である。この比較例4では、風向調節部材170は、下面171及び上面172がフラットではなく湾曲している。この風向調節部材170は、全体が湾曲した形状を有しており、風向調節部材170の内側端部173と外側端部174とを結ぶ直線170aに対して下面171と上面172が共に下方に位置している。また、この比較例4では、側板26の内側面の下部26aが内側に傾斜している。
【0069】
図13(A)に示す状態では、風向調節部材170は水平吹きに設定されている。このように比較例4では風向調節部材170が湾曲しているので、水平吹きに設定された場合であっても、風向調節部材170の外側端部174と外枠部25の内縁との隙間と、風向調節部材170の内側端部173と内枠部22の外縁との隙間とがほぼ同程度の大きさである。
【0070】
比較例4では、これらの隙間がほぼ同程度の大きさであることに加え、側板26の内側面の下部26aが傾斜しているので、
図13(A)に示すように、外側面152における剥離が抑制されている。しかし、依然として比較例4では、下流側壁部133の上縁面151の直下から気流F52Aの剥離が生じており、その結果、外側に向かう気流F51は、側板26側に偏流しており、この側板26の近傍の狭い範囲に流量の多い領域F53が形成されている。また、外側面152における吹出口128に近い領域を流れる気流F52Bについても剥離が生じている。
【0071】
その結果、吹出口128において、風向調節部材170の内側と外側の隙間の差が小さいにもかかわらず、風向調節部材170の外側端部174と外枠部25の内縁との隙間を通じて室内に吹き出される気流F54の流量と、風向調節部材170の内側端部173と内枠部122の外縁との隙間を通じて室内に吹き出される気流F55の流量との差が大きくなっている。しかし、風向調節部材170ではほとんど剥離が生じないことに加え、風向調節部材170が吹出口内部に位置するために、結露は生じない。
【0072】
<変形例1>
図5は、前記実施形態の変形例1の室内機11における吹出流路40を示す断面図である。
図6は、変形例1の室内機11における空気の流れ(風速分布)を示す解析図である。
図5に示すように、この室内機11では、湾曲凸面55は、吹出口28の近傍まで延びている。吹出流路40は、湾曲凸面55と外側壁部26との間の流路幅W1が下方に向かうにしたがって漸減する漸減領域41と、漸減領域41の下方に位置し、下方に向かうにしたがって流路幅W1が漸増する漸増領域42とを有している。この変形例1の対向壁部50では、
図3に示す室内機11のような凹面57及び平面58が含まれておらず、ほぼ全体が湾曲凸面55で占められている。
【0073】
上述したように
図4に示す実施形態では凹面57において気流F12Bの剥離が生じている一方で、この変形例1では、対向壁部50が湾曲凸面55で占められているので、
図6に示すように湾曲凸面55の下部に沿って流れる気流F12Bもほとんど剥離していない。この変形例1では、
図4に示す実施形態に比べて、より高いコアンダ効果が得られ、湾曲凸面55側を流れる気流の流量がさらに増加している。これにより、
図4に示す実施形態に比べて、外側に向かう気流F11が側板26側に偏流するのがさらに抑制される。
【0074】
その結果、吹出口28において、風向調節部材70の外側端部74と外枠部25の内縁との隙間を通じて室内に吹き出される気流F14の流量と、風向調節部材70の内側端部73と内枠部22の外縁との隙間を通じて室内に吹き出される気流F15の流量との差が
図4に示す実施形態に比べてより小さくなる。これにより、内側端部73と内枠部22の外縁との隙間を流れる気流F15の流量が多くなり、この隙間におけるシール性が維持され、室内の暖気が風向調節部材70の下面71に近づきにくくなるので、この下面71において結露が生じにくくなる。
【0075】
<変形例2>
図7は、前記実施形態の変形例2の室内機11における吹出流路を示す断面図である。
図8は、この変形例2の室内機11における空気の流れ(風速分布)を示す解析図である。
図7に示すように、この変形例2では、下側吹出流路44において水平方向内側に突出する突起部60が側板26に設けられている。
【0076】
突起部60は、湾曲凸面55に対して水平方向に対向する位置に配置されている。この変形例2では、突起部60は、湾曲凸面55における水平方向外側の頂部56に対して水平方向に対向する位置に配置されているが、これに限定されない。突起部60は、頂部56よりも下方の湾曲凸面55に対向していてもよく、頂部56よりも上方の湾曲凸面55に対向していてもよい。
【0077】
突起部60は、下側吹出流路44において上下方向の中央よりも上方に配置されている。突起部60の下面は、下側吹出流路44において上下方向の中央よりも上方に位置している。突起部60の上面は、上縁面51の凸曲面53よりも下方に位置している。突起部60の突出長さは、突起部60が設けられている部分の流路幅W1の半分よりも短い。突起部60の上面及び下面は水平方向に平行な平面である。突起部60の先端部60aは、下方に向かうにつれて内側に位置するように傾斜する傾斜面である。
【0078】
図8に示すように、この変形例2では、上記のような突起部60が設けられていることにより、対向壁部50側を流れる気流の割合をさらに増加させることができる。この変形例2では、下側吹出流路44において、最も流量の多い領域F16は、側板26側の領域よりも外側面52側の方に近い位置にある。すなわち、外側面52側に偏流している。一方で、風向調節部材70の外側端部74と外枠部25の内縁との隙間は、風向調節部材70の内側端部73と内枠部22の外縁との隙間よりも大きいので、結果的にこれらの隙間から吹き出される気流F14の流量と気流F15の流量との差がさらに減少しており、バランスのよい吹き出し状態が得られている。
【0079】
また、突起部60を設けることにより、その下方には負圧の領域F17が形成されているが、突起部60の下面の位置が下側吹出流路44において上下方向の中央よりも上方であるので、負圧領域F17は、吹出口28の近傍まで延びていない。負圧領域F17の下方には正圧領域F18が形成されている。
【0080】
また、変形例2では、突起部60が比較例2,3に比べて高い位置(吹出口28から上方に離れた位置)にあるので、比較例2,3に比べて目視されにくい。
【0081】
<実施形態の概要>
本実施形態をまとめると以下のようになる。
【0082】
本実施形態では、対向壁部50の上縁面51における水平方向外側部分は、第1凸曲面53であり、その下方に位置する対向面と滑らかに連続しているので、熱交換器15を通過して水平方向に流れる空気が第1凸曲面53に沿って対向面に円滑に案内される。すなわち、対向壁部50の上縁面51における外側部分は、上下方向に延びる吹出流路40への入口に相当し、気流が下方に向きを変える重要なポイントであり、この部位が対向壁部50の外側面52と滑らかに連続する第1凸曲面53であることにより、気流の向きが円滑に下方に変えられるとともに対向壁部50の外側面52からの気流の剥離が抑制される。
【0083】
これにより、対向壁部50の外側面52に沿って流れる空気量を増加させることができるので、吹出流路40を下方に流れる気流が水平方向外側(外側壁部26側)に偏流するのが効果的に抑制される。その結果、吹出口28において風向調節部材70よりも内側の隙間(吹出口28の内縁と風向調節部材70との隙間)から吹き出される空気量を増加させることができる。このように吹き出される空気量が増加することにより、室内の高温多湿の空気が風向調節部材70の下面71の近傍に近づきにくくなるので、冷房運転時に風向調節部材70の下面71において結露が生じるのを抑制できる。
【0084】
また、本実施形態では、外側面52は、上縁面51の第1凸曲面53と滑らかに連続する水平方向外側に凸の第2凸曲面54を有しており、これらの第1凸曲面53と第2凸曲面54とは水平方向外側に凸の湾曲凸面55を形成している。したがって、対向壁部50の外側面52に沿って流れる空気量をさらに増加させることができるので、吹出流路40を下方に流れる気流が水平方向外側(外側壁部26側)に偏流するのがより効果的に抑制される。
【0085】
また、本実施形態では、吹出流路40における湾曲凸面55と外側壁部26との間の流路幅W1は、吹出口28の開口幅W3よりも小さい。このように流路幅W1を開口幅W3よりも小さくすることにより、いわゆるコアンダ効果によって湾曲凸面55側に沿って流れる気流の流量がより多くなる。また、開口幅W3が相対的に大きいことにより、気流が吹出口28から吹き出る際の騒音を低減できる。
【0086】
また、本実施形態では、外側面52は、湾曲凸面55の下方に位置し、この湾曲凸面55に滑らかに連続し、かつ水平方向内側に凹む凹面57をさらに有しており、吹出流路40は、湾曲凸面55と外側壁部26との間の流路幅W1よりも凹面57と外側壁部26との間の流路幅W2の方が大きい。したがって、吹出口28に近い領域の流路幅W2を大きくできるので、気流が吹出口28から吹き出る際の騒音を低減できる。
【0087】
また、本実施形態では、湾曲凸面55は、吹出口28の近傍まで延びている形態であってもよく、この場合において、吹出流路40は、湾曲凸面55と外側壁部26との間の流路幅W1が漸減する漸減領域41と、漸減領域41の下方に位置し、流路幅W1が漸増する漸増領域42とを有している。このように吹出流路40が漸減領域41と漸増領域42とを有していることにより、より滑らかに流路幅W1を変化させることができるので、湾曲凸面55における気流の剥離をさらに抑制できる。
【0088】
また、本実施形態では、風向調節部材70における水平方向内側端部73は、湾曲凸面55における水平方向外側の頂部56よりも水平方向外側に位置しているので、湾曲凸面55側に沿って流れる気流の流量がより多くなる。
【0089】
また、本実施形態の変形例2では、外側壁部26に、吹出流路40において水平方向内側に突出する突起部60が設けられており、突起部60は、湾曲凸面55に対して水平方向に対向する位置に配置されている。したがって、突起部60によって気流が湾曲凸面55側に流れ、外側壁部26側への偏流をさらに抑制できる。
【0090】
また、本実施形態では、ドレンパン30が結露水を収容する機能だけでなく、対向壁部50としての機能を併せ持っているので、対向壁部50として別部材を配設する場合に比べて部材点数の削減ができ、別部材を配設するスペースを削減できる。また、外側壁部26がケース20の側板26であるので、外側壁部26として別部材を配設する場合に比べて部材点数の削減ができ、別部材を配設するスペースを削減できる。
【0091】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
【0092】
例えば、前記実施形態では、外側面52が第2凸曲面54を有している場合、外側面52が第2凸曲面54及び凹面57を有している場合を例示したが、これに限定されない。例えば、外側面52は、上縁面51の凸曲面53と連続する平面であってもよい。具体例を挙げると、例えば、対向壁部50において、その上縁面51の凸曲面53のみが曲面で、これよりも下方の領域が上下方向に延びる平面で構成される場合などが挙げられる。
【0093】
前記実施形態では、空気が2方向に吹き出されるタイプ(Wフロータイプ)を例に挙げて説明したが、これに限定されない。室内機の吹き出し方向は、1方向、3方向、4方向又はそれ以上であってもよい。
【0094】
前記実施形態では、ドレンパンの上縁の外側部分の凸曲面がドレンパンの他の部位と一体成形されている場合を例示したが、これに限定されない。前記凸曲面を有するカバー部材を上端面が平坦なドレンパン本体とは別に成形した後、このカバー部材をドレンパン本体に取り付けてもよい。
【0095】
前記実施形態では、回転軸Aの軸方向が上下方向に向いた姿勢で送風機13がケース20内に配置される場合を例示したが、これに限定されない。例えば回転軸Aの軸方向が水平方向に向いた姿勢でシロッコファン、クロスフローファンなどの送風機13をケース20内に配置してもよい。
【0096】
前記実施形態では、各ドレンパン30は、その下方に位置する内枠部22と一体成形されているが、これに限定されない。ドレンパン30と内枠部22とは別々に成形されていてもよい。
【0097】
前記実施形態では、外側壁部がケース20の側板26である場合を例示したが、これに限定されない。外側壁部は、例えばケース20の側板26とは別に成形され、側板26の内側に配置された板状部材などであってもよい。
【0098】
前記実施形態では、対向壁部50がドレンパン30の下流側壁部33と内枠部22の外側部23とにより構成される場合を例示したが、これに限定されない。対向壁部50は、例えばドレンパン30の下流側壁部33のみによって構成されていてもよく、内枠部22の外側部のみによって構成されていてもよく、また、これらとは別に成形され、ケース20の側板26に対して水平方向内側に対向する位置に配置された対向部材によって構成されていてもよい。
【0099】
前記実施形態では、天井埋込型室内機を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本発明は、熱交換器を水平方向に通過した空気が下方に向きを変えて吹出口まで案内される吹出流路を有する他の室内機(例えば天井吊り型などの天井設置型室内機)にも適用することができる。