(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る情報提供システムを、ITS(Intelligent Transport Systems)システムを例に説明する。
【0020】
(実施形態1)
ITSシステムは、
図1に示すように、道路、駐車場などの車両が通行する場所の近傍に配置された路側機100と、車両に搭載され、路側機100との間で通信し車両の乗車者に交通情報等を提供する車載器200と、種々の情報を生成して路側機100に供給する配信サーバ300と、を備える。
【0021】
まず、配信サーバ300のハードウェア構成について説明する。配信サーバ300は、路側機100別に交通情報を生成して配信する装置であり、
図2に示すように、入力部301、出力部302、通信制御部303,304,記憶部305、制御部306、ROM(Read Only Memory)307、RAM(Random Access Memory)308、及び、システムバス309を備える。
【0022】
入力部301は、キーボード、マウス、入力インタフェース等を備え、種々のデータや指示を入力する。
【0023】
出力部302は、表示装置などから構成され、様々な画像やテキストメッセージなどを表示する。
【0024】
第1の通信制御部303は、電話回線、インターネット等の一般通信網NW1を介して外部装置と種々の情報を送受信する。
【0025】
第2の通信制御部304は、ITS通信網NW2を介して複数の路側機100に接続され、各路側機100に交通情報を送信する。また、第2の通信制御部304は、ITS通信網NW2を介して、路側機100が車載器200との間で通信することにより得た情報を受信する。
【0026】
記憶部305は、ハードディスク装置等を備え、種々の交通情報を格納する。また、記憶部305は、各路側機100の位置、アドレス等と共にその近傍の地理情報や、路側機100に配信する様々なコンテンツに関するデータを記憶する。
【0027】
制御部306は、プロセッサ等から構成され、配信サーバ300全体の動作を制御する。また、制御部306は、路側機100のそれぞれについて、記憶部305に格納されている各種情報に基づいて、路側機100近傍から配信する情報を作成し、第2通信制御部304を制御してITS通信網NW2を介して各路側機100に供給する。制御部306が生成及び送信する情報の構成の詳細については後述する。
【0028】
ROM307は、配信サーバ300全体の制御に必要なオペレーティングシステム(OS)や各種のデータを記憶する。
【0029】
RAM308は、制御部306のワークエリアとして機能する。
【0030】
システムバス309は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0031】
次に、路側機100のハードウェア構成について説明する。
図3に示すように、路側機100は、無線通信部101、通信制御部102、記憶部103、制御部104、ROM105、RAM106、及び、システムバス107を備える。
【0032】
各路側機100は、いわゆる電波ビーコン、光ビーコン等から構成され、道路近傍や駐車場等に配置され、近傍を通過する車両の車載器200に送信する。各路側機100は、送信対象のコンテンツデータを記憶し、コンテンツデータを無線送信する。コンテンツデータには、画像や音声などのデータが格納される。
【0033】
無線通信部101は、電波信号や光信号等の無線信号により、近傍を通過する車両に設置された車載器200との間で情報を送受信する。無線通信部101は、例えば、配信サーバ300より提供された交通情報やコンテンツデータを車載器200に送信する。また、無線通信部101は、車載器200から送信されてくる車両ID等の情報を取得する。
【0034】
通信制御部102は、ITS通信網NW2を介して配信サーバ300に接続され、配信サーバ300から送信される交通情報を受信する。また、通信制御部102は、自機が取得した交通情報を、配信サーバ300に送信する。
【0035】
記憶部103は、配信サーバ300から受信した交通情報や、自機固有の交通情報を格納する。
【0036】
制御部104は、プロセッサ等から構成され、路側機100全体の動作を制御する。特に、制御部104は、記憶部103に格納されている交通情報を、無線通信部101により車載器200へ送信し、また、無線通信部101により取得した車載器200に関する情報を記憶部103に格納する。また、制御部104は、記憶部103に格納されている自機が取得した交通情報を、通信制御部102を制御してITS通信網NW2を介して配信サーバ300に送信し、また、配信サーバ300から通信制御部102により取得した情報を記憶部103に格納する。
【0037】
ROM105は、この路側機100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムや各種のデータを記憶する。
【0038】
RAM106は、制御部104のワークエリアとして機能し、様々なデータを一時的に記憶する。
【0039】
システムバス107は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0040】
次に、車載器200のハードウェア構成について説明する。車載器200は、
図4に示すように、通信部201、音声処理部202、出力部203、操作部204、I/O(Input/Output)部205、記憶部206、制御部207、ROM208、RAM209、及び、システムバス210を含む。
【0041】
車載器200は、車両の中に設置され、例えば、カーナビゲーション装置と一体に構成される。車載器200は、一般的なカーナビゲーションの機能と共に、路側機100から送信された交通情報を再生して報知する機能を備える。また、車載器200は、路側機100から無線通信により送信されてくるコンテンツデータを受信し、再生する。
【0042】
通信部201は、GPS(Global Positioning System)モジュール201a、VICS(Vehicle Information and Communication System)モジュール201bを含む。
【0043】
GPSモジュール201aは、複数のGPS衛星からのGPS電波を受信し、制御部207に供給する。
【0044】
VICSモジュール201bは、路側機100との間でDSRC(Dedicated Short Range Communication)方式により通信する。
【0045】
音声処理部202は、制御部207から入力されたディジタルオーディオ信号をD/A(Digital/Analog)コンバータ(図示せず)でアナログオーディオ信号に変換して、スピーカ222に出力する。また、音声処理部202は、マイクロフォン223から入力された音声をA/D(Analog/Digital)コンバータ(図示せず)でディジタルオーディオ信号に変換して、制御部207に入力する。これにより、ユーザーはナビゲーション音声を聞いたり、音声を入力したりすることができる。さらに、音声処理部202は、TTS(Text-to-Speech)形式で作成されたデータを使って音声を合成し、出力することができる。TTS形式のデータは、路側機100からプッシュ配信されてもよいし、予め記憶部206に記憶されていてもよい。
【0046】
出力部203は、モニタ装置を備え、通信部201により取得されたナビゲーション画像、テレビジョン放送の映像、あるいは記憶部206等に予め記憶されたマップ画像などを表示する。
【0047】
操作部204はタッチパネル式入力装置などから構成され、ユーザーによる指示入力に基づいて指示入力信号を生成して、制御部207に入力する。
【0048】
I/O部205は、DVD−ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)ドライブを含み、所定の地図情報などを納めたDVD−ROMやCD−ROMからデータを読み出して制御部207に入力する。また、I/O部205は、速度センサ、走行距離センサ、方位センサ等のセンサ群225からの検出信号を取得し、制御部207に供給する。
【0049】
記憶部206は、ハードディスクドライブ(HDD)を含み、地図データや各種設定情報などを記憶する。記憶部206は、ユーザーによって着脱可能なフラッシュメモリカードなどの他のメモリを備えていてもよい。制御部207は、地図データを記憶したDVD−ROM等の記憶媒体から随時この地図データを読み出してもよいし、記録媒体から予めこの地図データを読み出して記憶部206に書き込んでおく(インストールしておく)ようにしてもよい。あるいは、地図データは、HDDやフラッシュメモリカードに予め記憶されていてもよい。
【0050】
制御部207は、CPU(Central Processing Unit)から構成され、車載器200全体の動作を制御する。例えば、制御部207は、GPSモジュール201aを介して受信したGPS信号に基づいて、自機の現在位置を判別する。制御部207は、センサ群225に含まれている方向センサの出力をI/O部205を介して取り込み、現在の車両の進行方向を判別する。制御部207は、距離センサの出力から走行距離を求める。また、制御部207は、VICSモジュール201bを介して路側機100からの交通情報を受信し、受信した交通情報に含まれている再生タイミングを制御するためのパラメータに基づいて再生する。さらに、制御部207は、配信されたコンテンツデータを再生し、コンテンツをユーザーに提供する。なお、制御部207は、コプロセッサ等を備えても良い。
【0051】
ROM208は、車載器200全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0052】
RAM209は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、通信部201により取得されたデータ、DVD−ROMから読み出したデータ等が保持される。また、制御部207は、RAM209をワークメモリとして使用する。
【0053】
システムバス210は、上記各部を相互に接続し、命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0054】
次に、車載器200が受信するコンテンツデータの詳細について説明する。1つのコンテンツは1つ以上のコンテンツデータから構成される。コンテンツデータには、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式などの動画像データ、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などの静止画データ、TTS形式の音声データ、1つ以上の文字あるいは記号等を表すテキストデータが格納される。
【0055】
車載器200の制御部207は、路側機100から受信した動画像データ、静止画データ、音声データ、テキストデータなどを含むコンテンツデータをデコードして再生する。あるいは、制御部207は、記憶部206に既に記憶されているコンテンツデータを所定のタイミングで読み出して再生する。
【0056】
制御部207は、コンテンツデータの再生に際し、並列的に再生すべき複数のコンテンツデータがあると判別した場合には、それらの複数のコンテンツデータを並列的に再生する。
【0057】
すなわち、コンテンツデータには、同時に或いは並行して再生すべき組み合わせが設定されていることがある。例えば、ある表示地域のマップ画像データと、その表示地域の観光情報を説明する音声データとの組み合わせなどである。ここで言う同時とは、時間が完全に一致するか、あるいは再生のタイミングが一部でも重複していることを指す。
【0058】
一般に、コンテンツ提供側(データ配信側)は、同時に再生されることを前提として、画像データと音声データとを制作していることが多い。しかし、受信した順に再生するとなると、同時に再生すべきコンテンツデータを取得するタイミングにずれが生じ、コンテンツ提供側が意図した通りに再生されない可能性がある。そこで、本実施形態では、コンテンツデータにヘッダー領域が設けられ、このヘッダー領域の中に、並列的に再生すべきコンテンツデータが指定される。そして、車載器200は、このヘッダー情報に指定された内容に従ってコンテンツデータを再生する。これにより、コンテンツ提供側の意図した通りにコンテンツデータを再生することができるようになる。
【0059】
図5は、コンテンツデータのヘッダー情報を示す図である。後述するように、コンテンツデータには様々なコンテンツタイプがあるが、
図5に示すヘッダー情報は、すべてのコンテンツタイプに共通している。
【0060】
コンテンツデータのヘッダー情報は、PUSH ID、言語ID、Application Type、Content Type、PRIORITY、Content Size、Push Body Length、等の項目を含む。
【0061】
PUSH IDは、コンテンツデータに付与される識別符号であり、本実施形態では、1バイトで表現できる数値(例えば0から255までの整数)が用いられる。また、同時に再生すべきコンテンツデータの組み合わせは、動画像データ、静止画像データ、音声データ、テキストデータ等の数種類程度の組み合わせであり、通常、同時に再生すべきデータ数は数個〜数十個程度である。このため、識別符号をサイクリックに使用することでPUSH IDを1バイトで表現することができる。本実施形態では、PUSH IDはコンテンツデータのファイル名の一部として用いられ、ファイル名を取得することでコンテンツデータのPUSH IDを特定することができる。
【0062】
言語IDは、コンテンツデータに用いられる言語の種別を示す情報であり、データサイズは2バイトである。
【0063】
Application Typeは、受信したコンテンツデータを再生する際に用いるアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリケーション」という。)を指定する。アプリケーションには、例えば、WEBブラウザ、メーラー、音声再生アプリケーション、動画再生アプリケーションなどがある。これらのアプリケーションは、車載器200に予めインストールされている。
【0064】
Content Typeは、データの種類を示す。例えば、格納されているデータがMPEG形式などの動画像データなのか、JPEG形式などの静止画データなのか、あるいは、文字情報などのテキストデータなのかが、コンテンツタイプによって区別される。コンテンツタイプは、例えば車載器200が画像データを誤ってテキスト文字として表示することのないように、車載器200がコンテンツデータを適切に再生するために必要な情報である。
【0065】
例えば、コンテンツタイプには、プレーンテキスト(略号:text/plain)、HTMLテキスト(略号:text/html)、JPEG画像(略号:image/jpeg)、MP3オーディオ(略号:audio/mp3)、TTS形式の音声データ(略号:text/tts)、VICS(dsrc/vics)などがある。
【0066】
さらに、本実施形態では、コンテンツタイプとして、例えば駐車場の構内を運転しているときなどに再生されることを想定した、車両が停車していないときにも適宜再生することができるタイプ(略号:dsrc/privateSpot)が設けられている。詳細については後述する。
【0067】
Contents Sizeは、データ本体部分(ヘッダー情報以外の部分)のデータサイズを表す。1つのコンテンツが複数のコンテンツデータに分割して配信される場合には、Contents Sizeには、分割前のコンテンツ全体のサイズが格納される。
【0068】
Push Body Lengthは、後続するコンテンツデータのデータ長を表す。後続するコンテンツデータが無い場合には、Push Body Lengthには、0(ゼロ)が格納される。
【0069】
PRIORITYは、コンテンツ提供側から配信されるコンテンツデータを車載器200が再生する優先順位を示す情報であり、本実施形態ではデータサイズは2ビットであり、0〜3の整数が設定される。
【0070】
PRIORITY=“3”は、車載器200が現在行っている処理に割り込んで、プッシュ配信されたコンテンツデータを再生することを示す、最も高い優先度である。
【0071】
PRIORITY=“2”は、車載器200が現在行っている処理の終了後に、プッシュ配信されたコンテンツデータを再生することを示す。
PRIORITY=“0”は、一般的なプッシュ配信であり、ユーザーにより設定された態様で再生又は非再生されることを示す。
【0072】
PRIORITY=“1”は、将来の使用の予約用として確保されている。
【0073】
この他にも、再生に必要な様々な情報がヘッダー部分に記述されるが、理解を容易にするため、
図5では単に「(予約)」と記載する。
【0074】
次に、
図5に示す共通ヘッダー情報以降に格納されるデータ内容について説明する。
図6は、コンテンツタイプがdsrc/privateSpot以外のコンテンツデータにおいて、
図5に示す共通ヘッダー情報の後に続くヘッダー情報とデータ本体部分の構成を示す図である。コンテンツデータには、
図5に示したヘッダー情報(第1Byte〜第20Byte)に続き、
図6に示すヘッダー情報(第21Byte〜第24+n
j,kByte)が付加される。さらにその後に、データ本体部分が格納される。コンテンツタイプがdsrc/privateSpotのコンテンツデータについては、
図8等を用いて後述する。
【0075】
まず、コンテンツタイプがdsrc/privateSpot以外のコンテンツデータにおいて、
図5に示す共通ヘッダー情報の後に続くヘッダー情報とデータ本体部分の構成について説明する。データ本体部分には、コンテンツを構成する静止画像データ、動画像データ、音声データ、テキストデータ等が格納される。
【0076】
DISPLAY TIMEは、出力部203にコンテンツデータの再生画面を表示させる表示時間を示す情報であり、データサイズは8ビットである。すなわち、DISPLAY TIMEには0〜255の整数が設定される。単位は「秒」である。DISPLAY TIME=“0”は将来の使用の予約用として確保される。DISPLAY TIME=“255”は次にプッシュ配信されるまで、あるいは操作部204に操作指示が入力されるまで、表示を続けることを示す。
【0077】
なお、DISPLAY TIMEには、表示時間そのものが指定されてもよいし、車載器200の仕様やユーザー設定に委ねる旨が指定されてもよい。あるいは、例えばコンテンツデータがテキストであり、それと同時に音声のコンテンツデータが再生されることが意図されている場合には、音声発話終了までテキストを表示するといったように、他のコンテンツデータの再生時間をパラメータとする所定の関数を用いて、表示時間が指定されてもよい。
【0078】
区別用IDは、例えば、コンテンツデータに含まれる画像データがアイコンであるか、それとも静止画であるか、などを区別するための番号である。具体的には、車載器200がカーナビゲーション機能を搭載する場合において、アイコンは、マップ画像のうち所定の住所に相当する位置に表示され続けなければならない。一方、アイコンではない静止画は、モニタの表示領域の固定位置にポップアップ表示することが望ましい。そこで、区別用IDは、地図上の決まった位置に表示されるべき旨、あるいは固定位置にポップアップ表示すべき旨、あるいはモニタに直接表示されないもののユーザーによる記憶部206の中のデータの整理に役立つように付されたタイトル(例えば広告タイトル)である旨、の区別に用いられる。
【0079】
コンテンツデータは階層構造をなしている。すなわち、再生されるべき時間順に、1番目に再生されるべきコンテンツ(First Contents)、2番目に再生されるべきコンテンツ(Second Contents)、・・・、j
th番目に再生されるべきコンテンツ(j
th Contents)、・・・、最後に再生されるべきコンテンツ(Last Contents)、というグループに分類される。
【0080】
さらに、j
th番目のコンテンツ(j
th Contents)の中に、主に時間順に(ただしユーザーが操作部204を介して行う選択にも依存する場合がある)、最初に同時に再生されるべき(n
j,1+1)個のコンテンツデータ、次に同時に再生されるべき(n
j,2+1)個のコンテンツデータ、・・・、最後に同時に再生されるべき(n
j,kMAX+1)個のコンテンツデータ、という、合計(n
j,1+・・・+n
j,kmax+Kmax)個のコンテンツデータが存在する。Kmaxはj
th番目のコンテンツを構成するコンテンツデータの総数である。
【0081】
なお、同時に再生されるべき他のコンテンツデータが存在しないもの(すなわち単体でのみ再生されるべきコンテンツデータ)は、そのコンテンツデータ1個だけで1個のコンテンツを構成する。コンテンツデータが単独で再生されるものの場合、第23Byteの同時再生コンテンツ数には“0”が指定される。
【0082】
図6は、jth Contentsのうちの、1番目に同時に再生されるべきコンテンツデータのヘッダー情報の構成例を示したものであり、一例として、3つのコンテンツデータが最初に同時に再生されるものとして描かれている。同時に再生されるべき他のコンテンツデータの数は、n
j,1 = 2(=3−1)である。
【0083】
第23Byteに、同時に再生すべき他のコンテンツデータの数が記録される。
図6には、理解を容易にするため、1個目のコンテンツデータの背後に2つのコンテンツデータが重なるように描かれている。1個目のコンテンツデータは、他の2つのコンテンツデータと同時に再生されるべきものとしてデータ配信側により意図されている。よって、第23Byteには、“2”(= n
j,1)が記載される。本実施形態では、同時に再生するコンテンツデータ数を指定するための領域のサイズとして1バイト確保してあるので、最大で255個までのコンテンツデータを同時に再生すべき1つの組み合わせとして設定することができる。例えば、データ配信側(コンテンツ提供側)から送信されたコンテンツデータがHTML(Hyper Text Markup Language)形式の場合、最大で255個の画像等へのリンクを張って画像等を一緒に表示させることができる。
【0084】
第24Byte以降には、同時に再生すべき1つの組み合わせであるコンテンツデータ群を構成する各コンテンツデータのPush IDが順番に記録される。本実施形態では、Push IDのデータサイズが上述のとおり1Byteであるために、Push IDをひとつ指定するために1Byteが必要となる。結局、同時に再生すべき他のn
j,1個のコンテンツデータのPush IDを全て記述するために、第(23+n
j,1)Byteまで(
図6の場合は、第(23+n
j,1)Byte = 23+2 = 25Byteまで)が、ヘッダー情報となる。そして、第(23+n
j,1)Byte以降が、画像や音声などのデータ本体である。
【0085】
なお、上述したヘッダー情報に含まれる各項目、各項目のデータサイズ、各項目のデータ内容等は1つの例に過ぎず、任意に変更した変形例を採用することも可能であり、これらの変形例も本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【0086】
例えば、応用例として、単位時間あたりの位置の変化量(移動量)をヘッダー領域にさらに記憶させてもよい。すなわち、制御部207は、第1の時刻に検出した車載器200の位置と、第2の時刻に検出した車載器200の位置との差(移動量)を計算する。制御部207は、車載器200の現在位置が対象地点位置から上記半径の示す距離だけ離れた場所であり、且つ、計算された移動量がヘッダー領域に指定された閾値以上(または以下)か否かを判別する。そして、制御部207は、計算された移動量が閾値以上(または以下)であれば、コンテンツデータの再生を開始する。このようにすれば、制御部207は、単純に現在位置と再生開始位置が一致したか否かによってだけでなく、どれくらいの速度で再生開始位置に達したかによって、コンテンツデータを再生する(させない)ように制御できる。
【0087】
例えば、車載器200を搭載した車両が対象地点位置であるショッピングセンターから上記半径だけ離れた場所(すなわち本来ならば再生を開始すべき位置)に到達しつつあるものの、運悪くそこで渋滞にはまってしまい“のろのろ運転”で到達したような場合、渋滞を考慮して“抜け道”を案内するコンテンツデータを車載器200に配信したり、ドライバーをリラックスさせる音楽や動画等のコンテンツデータを配信したりすることができる。このように、移動量の閾値を用いれば、ユーザーの置かれている状況に応じて相応しいコンテンツデータを再生することができる。
【0088】
次に、制御部207が上記のようなデータ構造を有するコンテンツデータを順次再生していく処理の流れを説明する。
【0089】
例えば、
図7に示すような複数のコンテンツデータが路側機100から車載器200にプッシュ配信されたとする。この例では、Push ID=NのテキストT1のデータD1、Push ID=N+1の音声S1のデータD2、Push ID=N+2のテキストT2のデータD3、Push ID=N+3の音声S2のデータD4、Push ID=N+4の静止画P1のデータD5、Push ID=N+5のテキストT3のデータD6、Push ID=N+6の静止画P2のデータD7、の順にそれぞれ配信されたものとする。
【0090】
まず、制御部207は、コンテンツに含まれるコンテンツデータを特定し、特定したコンテンツデータのヘッダー情報の第23Byte〜第(24+n
j,k)Byte(ただし、1≦j≦Last、1≦k≦k
MAXである。)に基づいて、同時に再生すべきコンテンツデータの組み合わせがあるか否かを判別する。
【0091】
すなわち、上述のように、コンテンツデータのヘッダー情報の第23Byteには、同時に再生するコンテンツデータ数が格納されており、制御部207は、第23Byteが“0”であればそのコンテンツデータを単独で再生すると判別し、“1”以上であればそのコンテンツデータと並行して同時に再生すべき他のコンテンツデータがあると判別する。具体的には、
図7の場合、制御部207は、First Contents内のコンテンツデータの個数が2個であると判別できる。
【0092】
さらに、制御部207は、First Contents内の1番目のコンテンツデータのPush IDがNであり、2番目のコンテンツデータのPush IDがN+1であると判別する(
図7の矢印(1))。
【0093】
同様に、制御部207は、Second Contents内にコンテンツデータが5個含まれており、それぞれがN+2〜N+6までのPush IDを有することが判別できる(
図7の矢印(2))。
【0094】
First Contents内の1番目のコンテンツデータのPush IDがNであるので、制御部207は、Push ID=NであるテキストT1のコンテンツデータD1のヘッダー情報を参照し(
図7の矢印(3))、同時再生コンテンツ数n
1,1=1であると判別する。制御部207は、テキストT1のコンテンツデータD1を取得すると、同時再生コンテンツ数が1個である(つまり1以上の数値を示している。)ため、テキストT1のコンテンツデータD1と同時に再生すべき他のコンテンツデータが1つ存在する、と判別する。
【0095】
制御部207は、取得したテキストT1のデータD1の再生をすぐには開始しないで、同時に再生すべき他のコンテンツデータを取得するまで再生を待機する。具体的には、制御部207は、テキストT1のコンテンツデータD1のヘッダー情報に指定されている、同時に再生する“コンテンツその1”、つまりPush ID=N+1の音声S1のコンテンツデータD2を取得する(
図7の矢印(4))。
【0096】
そして、これらの2つのコンテンツデータD1,D2を取得した後、PUSH IDがN、N+1に対応する、テキストT1のコンテンツデータD1と音声S1のコンテンツデータD2の再生を、同時に開始する。
【0097】
このように、制御部207は、コンテンツ提供側が同時に再生されるように意図して制作した通りにコンテンツデータD1,D2を再生することができる。例えば、制御部207は、テキストT1のコンテンツデータD1に含まれる文字によるナビゲーションをモニタに表示すると同時に、音声S1のコンテンツデータD2に含まれる音声によるナビゲーションをスピーカ222から出力する、といったことが可能となる。
【0098】
First Contentsでは、全部(2個)のコンテンツデータD1,D2が一度に同時再生されることが意図されているのに対して、Second Contentsでは、2つのまとまりに分かれている。つまり、同時再生が時間的に2段階存在している。
【0099】
まず、制御部207は、Second Contents内の1番目のテキストT2のコンテンツデータD3のPush ID(Push ID=N+2)を取得する(
図7の矢印(5))。続いて、制御部207は、コンテンツデータD3のヘッダー情報から、Push ID=N+2のテキストT2のコンテンツデータD3と同時に再生されるべきコンテンツデータが、Push ID=N+3の音声S2のコンテンツデータD4と(
図7の矢印(6))、Push ID=N+4の静止画P1のコンテンツデータD5と(
図7の矢印(7))、の2個であると判別する。従って、制御部207は、これら3個のコンテンツデータD3,D4,D5の再生を同時に開始する。
【0100】
さらに、制御部207は、まだ再生されていないSecond Contents内の4番目のコンテンツデータのPush IDがN+5であることから、制御部207は、Push ID=N+5のテキストT3のコンテンツデータD6のヘッダー情報を取得し(
図7の矢印(8))、コンテンツデータD6と同時に再生すべきPush ID=N+6の静止画P2のコンテンツデータD7があると判別する。そして、制御部207は、これら2個のコンテンツデータD6,D7の再生を同時に開始する。
【0101】
なお、Push ID=N+5のテキストT3のコンテンツデータD6と、Push ID=N+6の静止画P2のコンテンツデータD7は、必ずしも再生されるとは限らない。例えば、その一段階前に同時再生されるコンテンツデータD3,D4,D5が、ユーザーに分岐の選択を促すものであった場合(例えばコンテンツの続きを視聴したいときにはタッチパネルの所定の箇所をタッチするよう指示するようなものであった場合)、ユーザーが続きを視聴する旨を指示しないときには、Second Contentsの再生は終了し、コンテンツデータD6,D7は再生されないことになる。
【0102】
(コンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"における再生処理)
次に、上述のヘッダー情報の項目"Content Type"において、車両が停車していないときにも適宜再生するタイプ(略号:dsrc/privateSpot)に指定されているコンテンツデータの構成と、再生処理について説明する。
【0103】
図8は、コンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"のコンテンツデータにさらに付与されるヘッダー情報とデータ本体部分の構成を示す図である。コンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"のコンテンツデータは、
図5に示した共通ヘッダー情報に加えて、
図8に示す拡張ヘッダー情報を有する。
【0104】
ヘッダー情報の総容量は、コンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"のコンテンツデータに付与される拡張ヘッダー情報のサイズであり、このサイズの中には
図5に示す共通ヘッダー情報のサイズは含まれない。後述するように、第36Byte〜第(36+N)Byte(ただし、Nは0以上の整数)に格納されるファイル情報のサイズは可変であり、拡張ヘッダー情報の総容量は固定値ではなく、コンテンツデータごとに異なる。
【0105】
提供方法フラグは、受信した後に制御部207がすぐに再生する(即時再生)か、あるいは、受信した後にすぐには再生せず一旦記憶部206に保存し、再生するタイミングであると制御部207により判別された場合に制御部207が再生する(蓄積再生)か、を区別するためのフラグである。
【0106】
測地系フラグは、地理的な位置を表現する際に日本測地系が用いられるか、あるいは世界測地系が用いられるか、を区別するためのフラグである。
【0107】
緯度と経度は、コンテンツデータを再生する場所を表す。例えば、駐車場を案内するコンテンツを構成するコンテンツデータでは、駐車場がある場所の緯度と経度が格納される。勿論、駐車場に限らず、任意の場所を示す緯度と経度を格納することができる。
【0108】
情報提供方位フラグは、車載器200の進行方向に関係なくコンテンツデータを再生するか、あるいは車載器200の進行方向が指定された方向である場合にのみコンテンツデータを再生するか、を区別し、また、進行方向を指定するフラグである。典型的には、5ビットのうち、進行方向に関係なく再生するか、あるいは指定された進行方向に車載器200が移動している場合にのみ再生するかを区別するために1ビットが使用され、進行方向を指定するために残りの4ビットが使用される。進行方向は、例えば16方位によって指定される。
【0109】
提供可能半径は、上記の緯度と経度によって示される場所を中心とした円の半径を指定する。例えば、緯度と経度によって示される場所を中心とする提供可能半径を有する円内に車載器200が入ったと制御部207によって判別された場合に、コンテンツデータが再生される。本実施形態では、0〜127の値が設定され、単位はメートルである。
【0110】
フロアは、上記の緯度と経度によって示される場所に駐車場などの車両が進入可能な建造物がある場合に、コンテンツデータを再生するフロアを表す。本実施形態では、フロアは、建造物の入り口からの相対値を示し、−16〜+16までのいずれかの値が設定される。
【0111】
例えば、1階に出入り口があって、地上3階、地下3階建ての立体駐車場においては、地上1階部分はフロア=0であり、地上3階部分はフロア=2であり、地下3階部分はフロア=−3である。また、例えば、2階に出入り口があって、地上3階、地下3階建ての立体駐車場においては、出入り口がある地上2階部分はフロア=0であり、地上3階部分はフロア=1であり、地下3階部分はフロア=−4である。
【0112】
緯度と経度は、平面的な場所を指定するためには便利であるものの、例えば立体駐車場や立体交差のように、“高さ”を表現することはできない。そこで、本実施形態では、拡張ヘッダー情報にフロアを指定する領域を設けることにより、同じ緯度と経度であっても高さが異なる場所を区別できるようにしている。
【0113】
音声情報バイト数は、第36+N+1Byte以降に音声データが格納される場合に、その音声データのサイズを示す。
【0114】
言語識別フラグは、画像や音声などに使用される言語を区別するためのフラグである。例えば、日本語=1、英語=2、中国語=3、などのように予め対応付けられており、いずれかの値が設定されることにより、コンテンツに使用される言語が区別される。
【0115】
音声形式識別フラグは、第36+N+1Byte以降に音声データが格納される場合に、使用されるフォーマットを区別するためのフラグである。音声形式には、例えば、TTS、WAV、MP3などがある。
【0116】
ファイル情報は、コンテンツデータの属性を表すデータである。車載器200は、1つのコンテンツデータを1つの電子ファイルとして扱い、ファイル情報として、電子ファイルの作成日時、サイズ、作成者などが格納される。ファイル情報に使用される領域は、格納すべき情報量に応じて可変とすることができる。このため、
図8に示す拡張ヘッダー情報の先頭に、拡張ヘッダー情報の総容量を格納する領域(第21〜22Byte)が設けられている。
【0117】
以上の拡張ヘッダー情報の後に、画像データ、音声データ、テキストデータなどが付加される。すなわち、コンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"のコンテンツデータは、
図5に示す共通ヘッダー情報と、
図8に示す拡張ヘッダー情報およびデータ本体とから構成される。
【0118】
なお、拡張ヘッダー情報の後に付加されるデータの違いによって、例えば、テキストデータの場合には"dsrc/privateSpot_text/"、JPEG形式の画像データの場合には"dsrc/privateSpot_image_jpeg"、GIF形式の画像データの場合には"dsrc/privateSpot_image_gif"、ビットマップ形式の画像データの場合には"dsrc/privateSpot_image_bmp"、TIFF形式の画像データの場合には"dsrc/privateSpot_image_tiff"、PNG形式の画像データの場合には"dsrc/privateSpot_image_png"、というように、コンテンツタイプを更に細分化してもよい。
【0119】
次に、コンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"のコンテンツデータを再生する処理の詳細について説明する。本実施形態では、立体駐車場の空きスペースを案内するコンテンツを車載器200のユーザーに提供する。
【0120】
図9に、コンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"のコンテンツデータの構成例を示す。コンテンツデータ900には、
図5で説明した共通ヘッダー情報、
図8で説明した拡張ヘッダー情報、第1のコンテンツ(第1の駐車場案内を構成する画像P1と音声S1とテキストT1)、及び、第2のコンテンツ(第2の駐車場案内を構成する画像P2と音声S2とテキストT2)、が含まれる。このコンテンツデータは、1つの電子ファイルになっており、路側機100により車載器200にプッシュ配信される。
【0121】
本実施形態では、1つのコンテンツデータに含まれる駐車場案内(空きスペースの案内)の数は2つであるが、3つ以上でもよい。第1の駐車場案内は駐車場の入り口に最も近い所にある1つ目の空きスペースを案内するものであり、第2の駐車場案内は1つ目よりも奥に進んだ所にある2つ目の空きスペースを案内するものである。
【0122】
第1の駐車場案内は、駐車場の構内に入った後すぐに再生される。一方、第2の駐車場案内は、第1の駐車場案内が示す空きスペースに車両が駐車されなかったと車載器200によって推定される場合に再生される。すなわち、第1の駐車場案内は必ず再生されるが、第2の駐車場案内は再生されずに破棄されることがある。
【0123】
図10は、駐車場の模式図である。本実施形態では、車両の出入り口は地上2階にあり、4階建てである。路側機100は出入り口付近に設置され、車両1000は駐車場の入り口付近にさしかかると、2つの駐車場案内が含まれるコンテンツデータを路側機100から受信する。
【0124】
図11は、
図10に示す駐車場の2階部分を抜き出した図である。第1の駐車場案内は1つ目の空きスペース1301を案内するものであり、第2の駐車場案内は2つ目の空きスペースを案内するものである。
【0125】
なお、駐車場の空きスペースに関する情報は、サービス事業者により予め作成され、配信サーバ300に登録されているものとする。
【0126】
駐車場の構内に設置されている路側機100は1つのみである。車載器200は、駐車場の入り口付近に設置されている路側機100から2つ分の空きスペースを含むコンテンツデータを一度に受信し、その後の車両の動きに応じて、空きスペースの一方又は両方を再生する。
【0127】
図12は、コンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"のコンテンツデータを再生する処理を説明するためのフローチャートである。なお、フローチャートには記載されていないが、車載器200は、車両の現在位置1100を取得する処理をバックグラウンドで並行して実行している。
【0128】
まず、車両が駐車場の入り口付近にさしかかり、路側機100の通信範囲内に入ると、制御部207は、路側機100からコンテンツデータのプッシュ配信を受け、コンテンツデータを取得する(ステップS1201)。
【0129】
制御部207は、コンテンツデータに含まれる1つ目の空きスペース1101を案内する第1の駐車場案内を再生する(ステップS1202)。本実施形態では、制御部207は、コンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"のコンテンツデータを受信すると、受信後すぐに第1の駐車場案内を再生する。
【0130】
ただし、制御部207は、受信後すぐに第1の駐車場案内を再生する代わりに、拡張ヘッダー情報に指定された再生条件が満たされた後に第1の駐車場案内を再生してもよい。制御部207は、現在位置1100が、指定された緯度と経度で表される地点1051を中心とし提供可能半径を有する円1001の中にあると判別したときに、第1の駐車場案内を再生してもよい。
【0131】
第1の駐車場案内が複数のデータから構成されている場合、すなわち、例えば
図9に示すように第1の駐車場案内が画像P1と音声S1とテキストT1から構成される場合、制御部207は、これらの画像P1と音声S1とテキストT1を並列的に再生する。車載器200のユーザーには、画像による案内と、音声による案内と、文字による案内とが同時に提供される。例えば、1つ目の空きスペース1101の場所を示す地図と、「左側の○○番が空いています」といった音声と文字によるメッセージが一緒に再生される。
【0132】
仮に、第1の駐車場案内がユーザーに提供された後、第2の駐車場案内がユーザーに提供される前に停車すると、車載器200にエンジンストップの信号が送信されると共にアクセサリー(ACC)電源の供給がストップし、車載器200は再生処理を終了し、所定のシャットダウン処理を実行後、動作を終了する。したがって、第1の駐車場案内のみユーザーに提供され、第2の駐車場案内は提供されずに破棄される。
【0133】
例えば
図11において、車両1000が1つ目の空きスペース1101に駐車すると、再生処理は終了される。しかし、1つ目の空きスペース1101に既に他の車両が入っていたり、ドライバーが他の空きスペースに止めたいと考えて矢印Y1の方向へ運転を続けたりした場合には、再生処理は続行される。
【0134】
次に、制御部207は、取得した現在位置1100と、拡張ヘッダー情報に指定された再生範囲とを比較し、指定された再生範囲内に現在位置1100が含まれるか否か、つまり車両1000が再生範囲内に到達したか否かを判別する(ステップS1203)。
【0135】
上述のように、拡張ヘッダー情報には、緯度、経度、提供可能半径が格納されており、再生範囲は、これらの緯度、経度、提供可能範囲によって一意に定まる。具体的には、再生範囲は、指定された緯度と経度で表される地点1052を中心とし提供可能半径を有する円1002の内側である。制御部207は、現在位置1100がこの円1002の中にあるか否かを判別する。
【0136】
車両1000が再生範囲内に到達していないと判別した場合(ステップS1203;NO)、制御部207は、ステップS1203の判定処理を繰り返す。一方、車両1000が再生範囲内に到達したと判別した場合(ステップS1203;YES)、制御部207は、コンテンツデータに含まれる2つ目の空きスペース1102を案内する第2の駐車場案内を再生する(ステップS1204)。
【0137】
図9に示すように第2の駐車場案内が画像P2と音声S2とテキストT2から構成される場合、制御部207は、これらの画像P2と音声S2とテキストT2を並列的に再生する。車載器200のユーザーには、画像による案内と、音声による案内と、文字による案内とが同時に提供される。例えば、2つ目の空きスペース1102の場所を示す地図と、「右側の××番が空いています」といった音声と文字によるメッセージが一緒に再生される。
【0138】
例えば
図11において、車両1000が1つ目の空きスペース1101には駐車せず、矢印Y2の向きへ進み、円1002の内側まで到達すると、2つ目の空きスペース1102がユーザーに案内される。
【0139】
本実施形態では、2つの空きスペースを案内しているが3つ以上であってもよい。車載器200には、複数の空きスペースを案内するコンテンツデータが一度にすべてプッシュ配信される。そして、車載器200は、受信したコンテンツデータに含まれる駐車場案内を、車両の現在位置に応じて、順次再生していく。例えば、1つ目に案内された空きスペースに駐車した(あるいは駐車しようとしている)ユーザーには、2つ目の空きスペースを案内しても無駄に終わる(あるいは無駄に終わる可能性が高い)。そこで、本実施形態の車載器200は、複数の駐車場案内を取得しても、それらをいっぺんに再生するのではなく、複数の駐車場案内のうち、未だ再生されておらず車両に最も近い空きスペースを案内する。従って、車載器200は、効率よくユーザーに空きスペースの案内を提供することができる。また、ユーザー(ドライバー)は再生されている1つの空きスペースにのみ気を遣って運転すればよく、ユーザーフレンドリーな仕様を実現できる。
【0140】
なお、第1の駐車場案内の再生位置の緯度経度と、第2の駐車場案内の再生位置の緯度経度は、車両1000が第1の空きスペース1101付近を通過した後、第2の空きスペース1102の案内ができる程度に、所定距離以上、適度に離れていることが望ましい。例えば、大型ショッピングセンター、遊園地、空港、港、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、などのように、比較的規模が大きい駐車場において本実施形態を採用すると、ユーザーにコンテンツを提供するタイミングの制御がより効率良くなるという効果が高まる。
【0141】
一般に、路側機100の設置台数を増やせば、コンテンツを提供するタイミングをきめ細かく設定できるようになるが、多くの路側機100の設置や保守のために多額のコストがかかってしまう。しかし、本実施形態によれば、駐車場の入り口の1カ所にのみ路側機100を設置すればよいので、コストを抑えることができ、且つ、ユーザーにコンテンツを提供するタイミングを効率良く制御することができるようになる。
【0142】
本実施形態では、コンテンツデータの再生条件として再生範囲のみを採用したが、上述したように拡張ヘッダー情報には情報提供方位フラグを格納することが可能であるため、車両が進む方向も再生条件に加えてもよい。
図11において、地点1052を中心とする円1002内であって、且つ、車両1000の進行方向がY2であること」を再生条件とすれば、車両が他の方向(例えば反対方向)から円1001内に進入してもコンテンツデータが再生されないようにすることができる。制御部207は、GPSモジュール201aにより取得された現在位置の経時変化から車両1000の進行方向を判別してもよいし、センサ群225が備える加速度センサやジャイロセンサを用いて車両1000の進行方向を判別してもよい。
【0143】
(実施形態2)
次に、本発明の他の実施形態について説明する。上記の実施形態では同一フロアにある2つの空きスペースが案内されているが、本実施形態では異なるフロアにある2つの空きスペースが案内される。
【0144】
コンテンツデータの拡張ヘッダー情報のうち第33Byteの“フロア”には、入り口がある階数と空きスペースがある階数との差が格納される。従って、指定される緯度経度が同じであっても、フロアが異なれば、異なる空きスペースを指すこととなる。
【0145】
図13に、コンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"のコンテンツデータの構成例を示す。コンテンツデータには、
図5で説明した共通ヘッダー情報、
図8で説明した拡張ヘッダー情報、第1のコンテンツ(第1の駐車場案内を構成する画像P3と音声S3)、第2のコンテンツ(補足メッセージを構成する音声S4)、第3のコンテンツ(補足メッセージを構成する音声S5)、及び、第4のコンテンツ(第2の駐車場案内を構成する画像P4と音声S6)が含まれる。このコンテンツデータは、1つの電子ファイルになっており、路側機100により車載器200にプッシュ配信される。
【0146】
本実施形態では、車載器200のセンサ群225には、少なくとも上下方向(地面に対して鉛直方向)の振動を検知するジャイロセンサが含まれる。ジャイロセンサは、上下方向の傾きの変化を検出すると、検出した傾きの大きさを示す信号を制御部207に入力する。制御部207は、このジャイロセンサから入力される信号に基づき、例えば車両が上り坂や下り坂を走行していることや、その坂の勾配の大きさを取得することができる。
【0147】
制御部207は、ジャイロセンサにより検出された傾きの変化から、車両がフロアをいくつ上昇又は下降したのかを判別することができる。例えば、ある一定時間以上、傾きの変化がない場合には、制御部207は、坂道でない平面のフロア内を走行していると判別できる。また例えば、フロアを走行していると判別した後に、ある許容時間の範囲でジャイロセンサにより「上昇」が検知された場合には、車両が1つ上のフロアに移動したと判別することができる。同様に、フロアを走行していると判別した後に、ある許容時間の範囲でジャイロセンサにより「下降」が検知された場合には、車両が1つ下のフロアに移動したと判別することができる。従って、制御部207は、車両が現在何階のフロアを走行しているのかが判別できる。
【0148】
本実施形態の再生処理について、
図14に示す駐車場の模式図を用いて説明する。
【0149】
まず、車載器200は、駐車場の入り口に設置されている路側機100からコンテンツデータのプッシュ配信を受ける。制御部207は、コンテンツデータをRAM209に一時記憶する。
【0150】
車載器200の制御部207は、受信したコンテンツデータの共通ヘッダー情報から、このコンテンツデータがコンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"であると判別する。
【0151】
次に、制御部207は、第1のコンテンツに相当する拡張ヘッダー情報と画像P3と音声S3を取得し、指定された緯度経度及びフロアに車載器200が達したときに画像P3と音声S3を同時に再生する。
【0152】
制御部207は、第1のコンテンツの再生後、第2のコンテンツに相当する拡張ヘッダー情報と音声S4を取得し、指定された緯度経度及びフロアに車載器200が達したときに音声S4を再生する。つまり、第1の駐車場案内に示された場所に車両1200が駐車されなかった場合に、第2のコンテンツ以降が再生される。第1の駐車場案内に示された場所に車両1000が駐車された場合には、第2のコンテンツで指定された緯度経度及びフロアに達することはないので、第2のコンテンツ以降は再生されずに破棄される。ユーザーが第1の駐車場案内に示された場所に車両1200を駐車してエンジンを止めた後、用事を済ませてエンジンをスタートしても、第2のコンテンツ以降は再生されない。
【0153】
さらに、制御部207は、第2のコンテンツの再生後、第3のコンテンツに相当する拡張ヘッダー情報と音声S5を取得し、指定された緯度経度及びフロアに車載器200が達したときに音声S5を再生する。第2のコンテンツで指定された緯度経度と第3のコンテンツで指定された緯度経度はほぼ同じである。しかし、指定されたフロアが異なるので、制御部207はこれらが別のコンテンツであると判別できる。
【0154】
そして、制御部207は、第3のコンテンツの再生後、第4のコンテンツに相当する拡張ヘッダー情報と画像P4と音声S6を取得し、指定された緯度経度及びフロアに車載器200が達したときに画像P4と音声S6を同時に再生する。
【0155】
なお、仮に、第1の駐車場案内が示す場所から第2の駐車場案内が示す場所までの間に、案内された空きスペースではない他の空きスペースがあり、ユーザーがその案内されなかった空きスペースに駐車した場合には、第2の駐車場案内は再生されずに破棄される。ユーザーは既に駐車できたのであるから、第2の駐車場案内が破棄されても支障はない。
【0156】
本実施形態によれば、緯度経度で表される平面的な場所の違いだけでなく、高さの違いも考慮して、コンテンツを提供するタイミングを制御することができる。そして、車載器200は、ユーザーにコンテンツを提供するタイミングの制御を効率的に行うことができる。
【0157】
(実施形態3)
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態では、コンテンツデータに含まれる複数のコンテンツのうち、どこまでのコンテンツが再生されたかに基づいて、予め配信サーバ300にユーザー登録された携帯電話機などを用いて、ユーザーにとって更に有益な情報を提供する。
【0158】
配信サーバ300の記憶部305には、車載器200の識別符号と、電子メールアドレスとが予め対応付けて記憶される。この電子メールアドレスは、典型的には、車載器200のユーザーが所有するものであり、携帯電話機などの携帯端末を用いてアクセスすることができるアカウントである。携帯端末は、携帯電話機に限られず、PHS、モバイルコンピュータ、携帯ゲーム機、電子書籍リーダーなどでもよい。
【0159】
車載器200のユーザーは、再生されるコンテンツに関する更に詳しい情報が送られてくる電子メールアドレスを予め配信サーバ300に登録する。本実施形態では、ユーザーは、自分が使用している車載器200の識別符号と対応付けて、送信先に携帯電話機の電子メールアドレスを予め設定しておき、車載器200を用いて駐車場案内のコンテンツデータを再生させると、車両1000を駐車した場所を示す情報がこの送信先に送信される。
【0160】
図15に、コンテンツデータ1500の構成例を示す。
図15では、コンテンツデータ1500に含まれるコンテンツの数Nは「5」である。コンテンツデータ1500には、
図5で説明した共通ヘッダー情報、
図8で説明した拡張ヘッダー情報、第1のコンテンツ(第1の駐車場案内を構成する画像P7と音声S7)、第2のコンテンツ(第2の駐車場案内を構成する画像P8と音声S8)、第3のコンテンツ(第3の駐車場案内を構成する画像P9と音声S9)、第4のコンテンツ(第4の駐車場案内を構成する画像P10と音声S10)、及び、第5のコンテンツ(第5の駐車場案内を構成する画像P11と音声S11)が含まれる。駐車場の入り口を通過した車両1000の車載器200には、5つ分の空きスペースに関する案内を含むコンテンツデータがプッシュ配信される。このコンテンツデータは、1つの電子ファイルになっている。
【0161】
第1のコンテンツの再生範囲は、地点1651を中心とし所定の半径(もしくは指定された半径)を有する円1601内である。同様に、第2のコンテンツの再生範囲は地点1652を中心とし所定の半径(もしくは指定された半径)を有する円1602内、第3のコンテンツの再生範囲は地点1653を中心とし所定の半径(もしくは指定された半径)を有する円1603内、第4のコンテンツの再生範囲は地点1654を中心とし所定の半径(もしくは指定された半径)を有する円1604内、第5のコンテンツの再生範囲は地点1655を中心とし所定の半径(もしくは指定された半径)を有する円1605内である。
【0162】
車載器200は、エンジンが回転している間、アクセサリー電源(ACC)から電気の供給を受け、内蔵バッテリー(図示せず)を充電している。車両1000のエンジンがストップした際には、車載器200は、内蔵バッテリーに充電された電気を用いて、しばらくの間は動作が可能になっている。
【0163】
本実施形態の再生処理について、
図16に示す駐車場の模式図と
図17に示すフローチャートを用いて説明する。車載器200のユーザーは、携帯電話機などの携帯端末1660を所有しており、この携帯端末1660は、無線のデータ通信により、電子メールやメッセンジャーサービス等を利用することができる。
【0164】
まず、制御部207は、路側機100の通信エリア内に入ると、路側機100によりプッシュ配信されているコンテンツデータを受信する(ステップS1701)。
【0165】
制御部207は、コンテンツデータに含まれる複数のコンテンツのうち、未だ再生されておらず再生順が最も先のコンテンツ(最先コンテンツ)の番号を表すためのカウンターiを初期化する(ステップS1702)。
【0166】
制御部207は、GPSモジュール201aによって取得された現在位置と、拡張ヘッダー情報に指定された再生範囲とを比較することにより、車載器200がi番目のコンテンツについて指定された再生範囲内に達したか否かを判別する(ステップS1703)。
【0167】
i番目のコンテンツの再生範囲内に車載器200が達したと判別した場合(ステップS1703;YES)、制御部207は、i番目のコンテンツを再生する(ステップS1704)。
【0168】
そして、制御部207は、コンテンツデータに含まれるすべてのコンテンツを既に再生し終わったか否か、すなわちi=Nか否かを判別する(ステップS1705)。i=Nである場合(ステップS1705;YES)、制御部207は再生処理を終了する。i=Nではない場合(ステップS1705;NO)、制御部207は、カウンターiをインクリメントし(ステップS1706)、ステップS1703の処理に戻る。
【0169】
一方、i番目のコンテンツの再生範囲内に車載器200が達していないと判別した場合(ステップS1703;NO)、制御部207は、車両1000のエンジンが停止したか否かを判別する(ステップS1707)。例えば、制御部207は、ACCからの電気の供給がストップしたことをもって、車両1000のエンジンが停止したと判別してもよい。
【0170】
エンジンが停止していないと判別した場合(ステップS1707;NO)、制御部207は、ステップS1703の処理に戻る。一方、エンジンが停止したと判別した場合(ステップS1707;YES)、制御部207は、最後に再生したコンテンツの番号を取得する。すなわち、上記のカウンターiの値から1を減算した値が、最後に再生したコンテンツの番号である。N個のコンテンツのうち1つも再生されていない場合には、最後に再生したコンテンツの番号=0である。そして、制御部207は、最後に再生したコンテンツの番号を示す再生済み情報を、路側機100を介して配信サーバ300に送信し(ステップS1708)、車載器200側の再生処理を終了する。
【0171】
なお、厳密には、車載器200の制御部207が再生済み情報を路側機100に送信し、路側機100の制御部104が受信した再生済み情報を配信サーバ300に送信し、配信サーバ300の制御部306が再生済み情報を路側機100から受信する。
【0172】
配信サーバの制御部306は、再生済み情報を、路側機100を介して受信する(ステップS1709)。
【0173】
配信サーバの制御部306は、受信した再生済み情報に基づいて、車両1000が駐車した場所を判別する(ステップS1710)。
【0174】
例えば、車載器200によって最後に再生されたコンテンツが、
図15における第3のコンテンツであった場合、車両1000は、第3のコンテンツを再生した後、第4のコンテンツを再生する前に駐車した、と推定される。従って、配信サーバの制御部306は、車両1000が駐車した場所は第3の駐車場案内が示す場所であると判別する。もしくは、制御部306は、車両1000が駐車した場所が、第3のコンテンツの再生範囲から第4のコンテンツの再生範囲までの経路のどこかであると判別する。
【0175】
そして、配信サーバの制御部306は、ステップS17
10における判別結果に基づいて、車両1000が駐車した場所の目安をユーザーに通知する電子メール(お知らせメール)を、予め登録された携帯端末1660に送信する(ステップS1711)。携帯端末1660は、お知らせメールを受信する(ステップS1712)。
【0176】
例えば、配信サーバの制御部306は、車両1000が駐車した場所が第3の駐車場案内が示す場所である旨、すなわち「お客様がお停めになった場所は○階の○○番です」というような内容のお知らせメールを携帯端末1660に送信する。
【0177】
あるいは、配信サーバの制御部306は、車両1200が駐車した場所が第3のコンテンツの再生範囲から第4のコンテンツの再生範囲までの経路のどこかである旨、すなわち「お客様がお停めになった場所は○階の○○番通路付近です」というような内容のお知らせメールを携帯端末1660に送信する。
【0178】
携帯端末1660のユーザー、すなわち車載器200のユーザーは、車両1000をどこに停めたのか、もしくは、車両1000をどの辺りに停めたのかを電子メールを見ることで確認することができる。例えば、ユーザーが旅行のときに出発地の空港まで自動車を運転し、その空港近くの駐車場に停めたとする。ユーザーが所有する携帯端末には、停めた場所もしくは停めた場所を思い出すためのヒントとなる目安が書かれたお知らせメールが届く。ユーザーが旅行から帰ってきたとき、お知らせメールを見れば、出発時にどこに自動車を停めたのかをすぐに思い出すことができる。
【0179】
本実施形態によれば、ユーザーにコンテンツを提供するタイミングの制御をより効率的にすることができるだけでなく、コンテンツの再生状況に応じたユーザーにとって有益な情報を提供することができる。
【0180】
上記各実施形態はあくまでも説明のためのものであり、本願発明の範囲を限定するものではない。例えば、車載器200を装置の全部又は一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、車載器200として動作させ、あるいは、車載器200が行う工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0181】
上記各実施形態では、ユーザーに提供するコンテンツとして、駐車場の空きスペースを案内するコンテンツを採用したが、コンテンツはこれに限られるわけではない。例えば、現在地から目的地までの経路を案内するカーナビゲーションシステムにおいて、道路の周辺に路側機100をあまり多く設置できない地域(具体的には、山間部、田園地帯、地形や道路が複雑な場所など)でユーザーにタイミングよく且つ的確な道路案内、観光案内、広告等を配信したい場合には、数少ない路側機100が本実施形態のコンテンツタイプ"dsrc/privateSpot"のコンテンツデータのように複数のコンテンツをまとめて配信し、車載器200が状況によってコンテンツを再生したり再生しなかったり制御すればよい。
【0182】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザーにコンテンツを提供するタイミングの制御をより効率的にするために好適な情報提供システム、情報提供装置、及び、情報提供方法を提供することができる。