(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。
【0016】
図1は、本発明の情報処理システム100のシステム構成の一例を示す図である。本発明の情報処理システム100は、クライアント端末101、サーバ102(情報処理サーバ)、画像処理装置103が設置されており、それら装置は無線通信等のネットワーク104によって相互にデータ通信可能に接続されている。
図1のネットワーク104上に接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0017】
クライアント端末101は、サーバ102に接続し、各種ワークフローの申請や承認を行うための装置である。尚、本実施例においては、クライアント端末101は、PC(Personal computer)を想定して説明を行うが、スマートフォンやタブレット端末のようなデバイスでも、その他の装置でもよい。
【0018】
サーバ102は、クライアント端末101からの申請や承認を受け付けて、業務ワークフローシステムを動作させる装置である。また、クライアント端末101からの申請に応じて、申請書(帳票)の控えを画像処理装置103に対して印刷指示する。サーバ102は、申請書の控えに付す二次元バーコードを生成する。二次元バーコードには、サーバ102に記憶された申請情報を示す識別情報や、申請書のフォームデータを示す識別情報等が含まれる。
【0019】
画像処理装置103は、サーバ102から指示された印刷を実行し、紙に出力する。また、ユーザからの指示に応じて、申請書をスキャンし、サーバ102に送信する。画像処理装置103では、印刷やスキャンといったMFP(Multifunction Printer)としての機能を備える。
【0020】
図2は、本発明の実施形態におけるクライアント端末101とサーバ102のハードウェア構成を示す図である。
【0021】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0022】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0023】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0024】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0025】
ビデオコントローラ(VC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0026】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0027】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0028】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0029】
本発明の各装置が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルは外部メモリ211に格納されている。
【0030】
次に、画像処理装置103のハードウェア構成の一例について
図3を用いて説明する。
【0031】
コントローラユニット316は、画像入力デバイスとして機能するスキャナ部314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LANやWAN(Wide Area Network)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0032】
CPU301は、システム全体を制御するプロセッサである。RAM302は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリである。
【0033】
ROM303は、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。ハードディスクドライブ(HDD)304は、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0034】
操作部インタフェース(操作部I/F)307は、操作部308とのインタフェース部であり、操作部308に表示する画像データを操作部308に対して出力する。また、操作部I/F307は、操作部308から本システム使用者が入力した情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU301に伝える役割をする。なお、操作部308はタッチパネルを有する表示部を備え、該表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。
【0035】
ネットワークインタフェース(Network I/F)305は、ネットワーク(LAN)に接続し、データの入出力を行う。モデム(MODEM)306は、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0036】
外部インタフェース(外部I/F)318は、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)、プリンタポート、RS−232C(Recommended Standard 232 version C)等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となるICカードの読み取り用のカードリーダ319が外部I/F318に接続されている。
【0037】
更に、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、当該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0038】
イメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)320は、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0039】
画像バス315は、PCIバス(Peripheral Components Interconnect bus)またはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0040】
ラスタイメージプロセッサ(RIP)310は、ベクトルデータをビットマップイメージに展開する。
【0041】
プリンタインタフェース(プリンタI/F)311は、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0042】
スキャナインタフェース(スキャナI/F)313は、スキャナ部314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0043】
画像処理部317は、入力画像データに対し補正、加工及び編集やプリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG(Joint Photographic Experts Group)、2値画像データはJBIG(Joint Bi−level Image Experts Group)等の圧縮伸張処理を行う。
【0044】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ部314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0045】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットを備える。
【0046】
操作部308は、LCD(Liquid Crystal Display)表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0047】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0048】
以上のような構成によって、画像処理装置103は、スキャナ部314から読み込んだ画像データをNetwork I/F305からLANに送信し、LANから受信した印刷データをNetwork I/F305を経由してプリンタ部312より印刷出力することができる。
【0049】
また、スキャナ部314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信し、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力することできる。
【0050】
次に、クライアント端末101、サーバ102、画像処理装置103のモジュール構成を示す機能構成図について、
図4を用いて説明する。尚、
図4の各種装置のモジュール構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0051】
クライアント端末101は、画面表示モジュール401、送受信モジュール402、申請モジュール403を備える。
【0052】
画面表示モジュール401は、各種データやテーブルを取得して、CRT210に表示するためのモジュールである。また、表示された画面に対してユーザから指示された指示内容や入力内容の取得も行う。送受信モジュール402は、サーバ102や画像処理装置103をはじめとする各種装置とデータの送受信をするためのモジュールである。申請モジュール403は、サーバ102で管理される業務ワークフローに対する各種申請を行うモジュールである。申請モジュール403で受け付けた情報は送受信モジュール402でサーバ102に送信される。
【0053】
サーバ102は、記憶モジュール411、送受信モジュール412、申請情報管理モジュール413、OCRモジュール414、ワークフロー管理モジュール415、二次元バーコード生成モジュール416を備える。
【0054】
記憶モジュール411は、各種データやテーブルを記憶するためのモジュールである(記憶手段)。本実施例では特に後述する申請情報テーブル900(
図9参照)、申請書フォームテーブル920(
図9参照)の記憶を行う。送受信モジュール412は、クライアント端末101や画像処理装置103をはじめとする各種装置とデータの送受信をするためのモジュールである。申請情報管理モジュール413は、業務ワークフローに対する申請に伴って生成される、申請情報の更新を管理する。OCRモジュール414は、画像処理装置103から送信されたスキャンデータに対して文字の読み取りを行うためのモジュールである。ワークフロー管理モジュール415は、業務ワークフローで承認を行う申請を管理する。クライアント端末101から申請された申請内容に基づいて、各承認者に対して承認を求める。また、クライアント端末101からの承認または否認の指示を受け取り、承認状況を管理する。二次元バーコード生成モジュール416は、記憶モジュール411で記憶された各種テーブルの情報やユーザから受け付けた指示内容に基づいて、二次元バーコードを生成する。
【0055】
画像処理装置103は、画面表示モジュール421、送受信モジュール422、スキャンモジュール423を備える。
【0056】
画面表示モジュール421は、各種データやテーブルを取得して、CRT310に表示するためのモジュールである。また、表示された画面に対してユーザから指示された指示内容や入力内容の取得も行う。送受信モジュール422は、クライアント端末101やサーバ102をはじめとする各種装置とデータの送受信をするためのモジュールである。スキャンモジュール423は、紙文書をスキャンして、スキャンデータを生成するためのモジュールである。生成されたスキャンデータは、送受信モジュール422でサーバ102に送信する。
【0057】
次に、本発明の実施例の概要について、
図5及び
図6を用いて説明する。
【0058】
図5は、後述する
図7で行う新規申請処理の概要図である。まず、ユーザはクライアント端末101を通じてサーバ102に接続し、サーバ102に対して承認申請を行う申請内容の登録を行う。そして、申請がなされると申請の控えとして控えの申請書を出力する。この際にサーバ102では、申請書のテンプレートであるフォームデータと、実データである申請情報とをオーバーレイすることで申請書フォームデータを生成する。具体的には、
図5に示すようにフォームデータ(FCPデータ)と申請情報(DATデータ)を用いてオーバーレイして、申請書フォームデータ(PDFデータ)を生成する。この時に、当該フォームデータと申請情報を示す識別情報を格納した二次元バーコードを生成し、申請書フォームデータに含める。二次元バーコードでなくとも、他の方法でもよい。また、本実施例では識別情報を格納するが、フォームデータと申請情報自体を格納してもよい。このようにして生成された申請書フォームデータを画像処理装置103に送信し、画像処理装置103から紙に出力する。
図5では、ユーザが画像処理装置103から印刷指示を行っているが、クライアント端末101から申請した場合に自動的に出力されてもよいし、
図5のように出力指示を行ってもよい。
【0059】
次に、
図6で申請情報の更新について説明する。
図6は、後述する
図8で行う申請情報の更新に関する概要図である。まず、ユーザは申請書の内容を修正したい場合には、申請書の控えを画像処理装置103でスキャンする。スキャンされた申請書に命令コードがあるか否かを判定し、命令コードがなければ処理内容の受け付けを行う。命令コードは、処理内容を示す二次元バーコードである。処理内容は、申請情報を修正する「更新」と、申請情報に追加する「追加登録」がある。これらのうち1つを選択すると、当該処理内容を示す二次元バーコードを生成し、スキャンされた申請書とオーバーレイした申請書フォームデータを出力する。ここでは、実データである申請情報は表示しない。ユーザは、出力された申請書に変更内容を手書きで記入し、再度スキャンを行う。ここでは命令コードが付されているので、当該命令コードを読み取って更新を行う。手書きされた項目を特定してサーバ102に記憶された申請情報を更新する。どの申請情報を更新すべきかは、二次元バーコードに含まれる申請情報の識別情報を取得し、これに基づいて更新する申請情報を特定する。このようにして、クライアント端末101を介さずとも、紙文書だけで申請情報の更新を行うことができる。以下、この仕組みについて説明を行う。
【0060】
次に、本発明の実施例における情報処理システム100によって行われる新規申請に関する処理について、
図7に示すフローチャートを用いて説明する。本フローチャートは、クライアント端末101からサーバ102に接続し、業務ワークフローの新規申請を行うための処理である。尚、S101乃至S105の各ステップはクライアント端末101におけるCPU201の制御の下、処理が行われる。また、S106乃至S112の各ステップはサーバ102におけるCPU201の制御の下、処理が行われる。また、S113、S114の各ステップは画像処理装置103におけるCPU301の制御の下、処理が行われる。
【0061】
まず、ステップS101では、クライアント端末101は、ユーザからの指示に応じて業務ワークフローシステムにログインする。ログインの方法はなんでもよい。
【0062】
ステップS102では、クライアント端末101は、業務ワークフローの新規申請を行うための新規申請画面1000(
図10参照)をCRT210に表示させる。本実施例では、新規申請画面1000は、経費申請の入力を受け付けることができるような画面になっている。
【0063】
ステップS103では、クライアント端末101は、ステップS102で表示された新規申請の入力を受け付ける。そして、ステップS104では、クライアント端末101は、新規申請の入力がなされ、新規申請画面1000に備えられた申請ボタン1001が押下されたか否かを判定する。申請ボタン1001が押下されたと判定された場合には、ステップS105に処理を進め、そうでない場合には、申請ボタン1001が押下されるまで待機する。
【0064】
ステップS105では、クライアント端末101は、入力された各種情報を申請情報(帳票データ)としてサーバ102に送信する。そして、ステップS106では、サーバ102は、クライアント端末101から送信された申請情報を受信し、ステップS107では、受信した申請情報を申請情報テーブル900(
図9参照)に格納する。
【0065】
申請情報テーブル900(
図9参照)は、申請情報ID901(帳票データ識別情報)、出金伝票No902、申請日903、申請者904、承認者905、使用日906、使用金額907、出金理由908、領収書909、承認可否910から構成される。申請情報ID901は、申請情報ごとに割り振られる識別番号である。出金伝票No902、申請日903、申請者904、承認者905、使用日906、使用金額907、出金理由908、領収書909は、新規申請画面1000で入力された申請情報を格納するための項目である。尚、出金伝票No902は申請情報が格納されると自動的に一意な番号が割り振られ、承認者905は申請者904や申請内容に応じて自動的に決定される。また、領収書909はユーザがアップロードした領収書の画像データを格納してもよいし、当該画像データに対するファイルパスを格納してもよい。承認可否910は、承認者905によって承認行為を許可するか否かを示す。後述する処理において、申請情報の更新が行われるが、その更新が行われている際には承認をできないように制御する必要がある。そのためのフラグとなっている。申請書フォームID911は、後述する申請書フォームテーブル920の申請書フォームID921と対応し、当該申請情報が使用する申請フォームが格納されている。この項目は、申請情報を格納する際に自動的に格納される情報である。
【0066】
ステップS108では、サーバ102は、受信した申請情報に対応する申請書フォーム(フォームデータ)を申請書フォームテーブル920(
図9参照)から取得する。申請書フォームは、当該申請書の申請書フォームID911を参照し、当該申請書フォームID911に対応する申請書フォームID921を持つフォームデータ922を取得するようにすればよい。
【0067】
申請書フォームテーブル920(
図9参照)は、申請書フォームID921とフォームデータ922から構成される。申請書フォームID921(フォームデータ識別情報)は、申請書フォームごとに割り振られる識別番号である。また、フォームデータ922は、申請書のテンプレートであるフォームデータが登録されている。フォームデータは、申請書の文字の配置や申請情報の差し込み位置などを格納するデータである。
【0068】
ステップS109では、サーバ102は、ステップS108で取得した申請書フォームに含まれる申請書フォームID921を取得し、当該申請書フォームID921が含まれる二次元バーコードを生成する。尚、申請書フォームID921が含まれれば他に情報を含めてもよい。
【0069】
ステップS110では、サーバ102は、ステップS107で登録された申請情報の申請情報ID901を取得し、当該申請情報ID901が含まれる二次元バーコードを生成する。尚、申請書フォームID921と同様に、他にも情報が含まれてもよい。また、本実施例では、申請書フォームID921と申請情報ID901で別々の二次元バーコードを生成するが、これらを1つまとめて1つの二次元バーコードとしてもよい。
【0070】
ステップS111では、サーバ102は、ステップS109とステップS110で生成された二次元バーコードと、ステップS107で登録した申請情報と、ステップS108で取得した申請フォームの3つに基づいて、申請書フォームデータを生成する。具体的には、
図13の申請書フォームデータ1301に示す通り、申請書フォームに申請情報を差し込み、生成された各二次元バーコードを所定の位置に表示させる。こうすることで申請書の控えである申請書フォームデータが生成される。
【0071】
ステップS112では、サーバ102は、ステップS111で生成された申請書フォームデータの印刷指示を画像処理装置103に送信する。尚、本実施例ではサーバ102が自動的に画像処理装置103に送信する形態として説明するが、クライアント端末101からの指示に応じて送信してもよいし、画像処理装置103からの要求に応じて送信するようにしてもよい。
【0072】
ステップS113では、画像処理装置103は、サーバ102から送信された申請書フォームデータの印刷指示を受信し、ステップS114では、受信した印刷指示に基づいて、申請書フォームデータを紙に出力する。こうすることで、申請書の控えを出力しておく。
【0073】
次に、本発明の実施例における情報処理システム100によって行われる申請情報の更新に関する処理について、
図8に示すフローチャートを用いて説明する。本フローチャートは、画像処理装置103でスキャンされた申請書に付された命令コードに応じて、申請情報の更新を行うための処理である。尚、S201乃至S203、S213、S214の各ステップは画像処理装置103におけるCPU201の制御の下、処理が行われる。また、S204乃至S212、S215乃至S225の各ステップはサーバ102におけるCPU201の制御の下、処理が行われる。
【0074】
ステップS201では、画像処理装置103は、ユーザからの申請書のスキャンの実行を受け付ける。ステップS201におけるスキャンは、ステップS114で出力された申請書のスキャンでもよいし、後述するステップS214で出力された申請書のスキャンでもよい。
【0075】
ステップS202では、画像処理装置103は、ユーザからの指示に応じて申請書のスキャンを実行する(スキャン実行処理)。そして、スキャンされた紙文書を画像データ(スキャンデータ)に変換する。そして、ステップS203では、画像処理装置103は、ステップS202で生成されたスキャンデータをサーバ102に送信する(スキャンデータ送信手段)。
【0076】
ステップS204では、サーバ102は、画像処理装置103から送信されたスキャンデータを受信し(スキャンデータ受信手段)、ステップS205では、受信したスキャンデータに含まれる二次元バーコードを読み取る。
【0077】
ステップS206では、サーバ102は、ステップS205で読み取った二次元バーコードの中に、命令コード(更新命令情報)が存在したか否かを判定する(更新命令有無判定手段)。命令コードは、後述するステップS208で生成される二次元バーコードである。命令コードには、申請情報の更新または追加登録の指示(更新命令)が含まれており、当該命令コードが含まれていれば、後述するステップS215乃至ステップS225で申請情報の更新を行う。命令コードが存在すると判定された場合には、ステップS215に処理を進め、そうでない場合には、ステップS207に処理を進める。
【0078】
まず命令コードが存在しなかった場合について説明する。ステップS207では、サーバ102は、処理命令受付画面1100(
図11参照)を表示し、ユーザからの選択を受け付ける。処理命令受付画面1100では、更新ボタン1101と追加登録ボタン1102が備えられている。更新ボタン1101は、申請情報を更新する場合に押下され、追加登録ボタン1102は、申請情報に新しく情報を追加する場合に押下される。
【0079】
ステップS208では、サーバ102は、ステップS207で受け付けた処理命令を示す二次元バーコードを生成する。例えば、ステップS207で更新ボタン1101が押下された場合には、「更新」を示す二次元バーコードを生成し、追加登録ボタン1102が押下された場合には、「追加登録」を示す二次元バーコードを生成する。これらの処理が判断できれば、二次元バーコードでなくてもよい。
【0080】
ステップS209では、サーバ102は、ステップS205で読み取った二次元バーコードから申請情報ID901を取得し、当該申請情報ID901に基づいて申請書フォームを取得する。申請情報ID901から申請書フォームID911を特定し、特定された申請書フォームID911を持つ申請書フォームを申請書フォームテーブル920から特定すればよい。
【0081】
ステップS210では、サーバ102は、ステップS205で読み取った二次元バーコードと、ステップS208で生成された二次元バーコードを含む申請書フォームデータを、ステップS209で取得した申請書フォームに基づいて生成する。具体的には、
図13の申請書フォームデータ1302、申請書フォームデータ1303に示す通りとなる。ステップS205で読み取られた申請書フォームID911の二次元バーコードと、同じく読み取られた申請情報ID901が含まれる二次元バーコードと、ステップS208で生成された命令コードが含まれる二次元バーコードを含める。前述の通り、各二次元バーコードに含まれる情報をまとめて、1つの二次元バーコードにしてもよい。
【0082】
ステップS211では、サーバ102は、ステップS205で読み取った二次元バーコードに含まれる申請情報ID901から特定される申請情報の承認を一時的に中断する(承認中断手段)。具体的には、当該申請情報の承認可否910を「不可」に変更して、ステップS207で受け付けた処理命令が実行されるまで承認をできないように制御する。業務ワークフローシステムは、この承認可否910が「不可」になっている申請は承認できないような仕組みとする。
【0083】
ステップS212は、サーバ102は、ステップS210で生成された申請書フォームデータの印刷指示を画像処理装置103に対して送信する(帳票データ処理手段)。ステップS213では、画像処理装置103は、サーバ102から送信された申請書フォームデータの印刷指示を受信し、ステップS214では、当該印刷指示に基づいて、申請書フォームデータを紙に出力する(印刷手段)。前述の通り、
図13の申請書フォームデータ1302や申請書フォームデータ1303のような形態で出力される。ユーザは、この申請情報のない申請書に対して手書きで更新したい項目の情報を記入する。または、追加したい情報を記入する。例えば、使用金額が間違っていた場合には、使用金額の欄に正しい金額を使用金額1304に示すように記載する。または、領収書の添付を忘れていたので、領収書1305に貼り付ける。このようにして出来上がった紙文書のスキャンを再度ステップS201で受け付け、スキャンデータに変換してサーバ102に送信する。すると、ステップS205で命令コードを含む二次元バーコードの読み取りができるので、ステップS206の判定でステップS215に処理を進めることになる。
【0084】
ステップS206で命令コードが存在すると判定された場合には、ステップS215では、サーバ102は、当該命令コードの種別が更新なのか、追加登録なのかを判定する。更新であると判定された場合には、ステップS216に処理を進め、追加登録であると判定された場合には、ステップS221に処理を進める。
【0085】
ステップS216では、サーバ102は、ステップS205で読み取った二次元バーコードから申請書フォームID921を取得し、スキャンデータに使われている申請書フォームを特定する。
【0086】
ステップS217では、サーバ102は、ステップS216で特定した申請書フォームのフォームデータ922に基づいて、申請情報のデータ入力領域を特定し、当該入力領域に対してOCR(Optical Character Recognition)処理を実行する。OCR処理の結果取得した情報は、当該OCR処理を行った領域に対応する項目名(申請者や金額等)と対応づけてRAM203に記憶しておく。具体的には、
図12に示すように、フォームデータ922には申請情報のデータ入力領域が設定されている。これらのデータ入力領域をそのままOCRを行うOCR領域に置き換えて、当該領域に対してOCR処理を実行する。
【0087】
ステップS218では、サーバ102は、ステップS205で読み取った二次元バーコードから申請情報ID901を取得し、当該申請情報ID901から申請情報を特定する。
【0088】
ステップS219では、サーバ102は、ステップS218で特定された申請情報を、ステップS217でOCR処理した結果、取得した情報で更新する(帳票データ処理手段)。例えば、
図13の使用金額1304「15,250」をステップS217で取得した場合、二次元バーコードの申請情報ID901に基づいて申請情報テーブル900から申請情報を特定し、当該申請情報の使用金額907に「15,250」を上書き更新する。
【0089】
ステップS220では、サーバ102は、ステップS211で一時中断した承認を再開する(承認再開手段)。具体的には、二次元バーコードの申請情報ID901から特定される申請情報の承認可否910を「可」に変更する。ステップS219で更新が完了したので、承認を再開させる。
【0090】
一方、ステップS215で命令コードの種別が追加登録であると判定された場合には、ステップS221では、サーバ102は、前述したステップS216と同様に二次元バーコードの申請書フォームID921から申請書フォームを特定する。そして、ステップS222では、サーバ102は、特定された申請書フォームのフォームデータ922に基づいて追加情報のOCR処理を実行する。ステップS223では、サーバ102は、二次元バーコードの申請情報ID901から申請情報と特定する。
【0091】
ステップS224では、サーバ102は、ステップS222でOCR処理した結果、取得した情報をステップS223で特定した申請情報に追加登録する(帳票データ処理手段)。具体的には、
図13の領収書1305に示すように、新規申請時にはなかったが新たに領収書を添付する場合がある。この場合には、追加登録で領収書を添付した申請書フォームデータをスキャンし、領収書の画像データを当該申請情報の領収書909に格納する。
【0092】
ステップS225では、サーバ102は、ステップS211で一時中断した承認を再開する(承認再開手段)。具体的には、二次元バーコードの申請情報ID901から特定される申請情報の承認可否910を「可」に変更する。ステップS224で更新が完了したので、承認を再開させる。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、紙文書に更新のための識別情報が含まれるか否かを判定し、当該識別情報が含まれていた場合に、紙文書に含まれる申請情報を特定する識別情報に基づいてサーバ上の申請情報を更新することができるので、ユーザの業務効率を向上させることができる。
【0094】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0095】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0096】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0097】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0098】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0099】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0100】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0101】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0102】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0103】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0104】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。