特許第5924168号(P5924168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

特許5924168画像形成装置、その制御方法、その制御プログラム、および、画像形成システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5924168
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】画像形成装置、その制御方法、その制御プログラム、および、画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20160516BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20160516BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20160516BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20160516BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   H04N1/00 107Z
   B41J29/00 T
   B41J29/38 Z
   G03G21/00 396
   G06F3/12
【請求項の数】20
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-156485(P2012-156485)
(22)【出願日】2012年7月12日
(65)【公開番号】特開2014-22769(P2014-22769A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢後 裕章
【審査官】 豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−219351(JP,A)
【文献】 特開2004−227136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置において、
本体パネルと、
前記本体パネルおよび前記携帯端末の前記画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、
前記画面データを保持する保持部と、
前記保持部に保持された画面データを表示する表示部と、
前記画面データを前記携帯端末に送信する送信部と、
前記携帯端末から、前記画像形成装置を操作するための前記画面の更新を示す更新情報を受信する受信部と、を備え、
前記画面作成部は、前記画像形成装置を操作するための前記本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、前記受信部による前記更新情報の受信に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させ前記送信部に前記携帯端末への送信をさせ、前記送信部が当該画面データを前記携帯端末に送信した後に、前記条件の成立に基づいて前記本体パネルの画面データを作成し、前記保持部に保持させ、前記表示部に表示させることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
携帯端末からのアクセス信号を検出する検出手段をさらに備え、
前記画面作成部は、前記検出手段が検出している携帯端末が1台だけである場合には、前記携帯端末の画面に表示する画面データとして、前記本体パネルの画面と同様の画面を示す画面データを作成する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置において、
本体パネルと、
前記本体パネルおよび前記携帯端末の前記画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、
前記画面データを保持する保持部と、
前記保持部に保持された画面データを表示する表示部と、
前記画面データを前記携帯端末に送信する送信部と、
2以上の前記携帯端末から前記画面の更新を示す更新情報を受信する受信部と、を備え、
前記画面作成部は、前記本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、前記受信部による前記更新情報の受信に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させ、前記送信部が当該画面データを前記携帯端末に送信した後に、前記条件の成立に基づいて前記本体パネルの画面データを作成し、前記保持部に保持させることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項4】
前記画面作成部は、2以上の携帯端末の間の優先度の高い順に、前記画面データを作成し、前記保持部に保持させる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画面作成部は、2以上の携帯端末について、アクセスしてきた順に、前記画面データを作成し、前記保持部に保持させる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画面作成部は、前記受信部が2以上の携帯端末から前記更新情報を受信している状態で前記本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合、前記受信部による前記更新情報の受信に基づいた画面データの作成に要することが予測される時間を算出し、当該算出された時間が、前記本体パネルにおける画面遷移について設定された閾値である所定の時間以下であることを条件として、前記受信部による前記更新情報の受信に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させる、請求項3〜請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記本体パネルの画面を遷移させる条件とは、前記本体パネルをスリープ状態に移行させる条件である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記本体パネルの画面データは、複数階層のうちの1の階層を表示するための画面データであり、
前記携帯端末の画面に表示する画面データは、前記複数階層のうち2以上の階層に表示される内容を含む画面データである、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記保持部に前記携帯端末に送信する画面データが保持されている場合には、前記表示部に表示されるべき画面データが保持されている場合よりも、画面の明度を低下させる、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置のコンピューターによって実行される当該画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置は、
本体パネルと、
前記本体パネルおよび前記携帯端末の前記画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、
前記画面データを保持する保持部と、
前記保持部に保持された画面データを表示する表示部とを備え、
前記制御方法は、
前記携帯端末から、前記画像形成装置を操作するための前記画面の更新を示す更新情報を受信するステップと、
前記画像形成装置を操作するための前記本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、前記更新情報に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させるステップと、
前記保持部に保持された前記更新情報に基づいた画面データを前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末への前記画面データの送信の後に、前記条件の成立に基づいて前記本体パネルの画面データを作成し、前記保持部に保持させるステップと
前記保持部に保持された前記本体パネルの画面データを前記表示部に表示させるステップとを備えることを特徴とする、画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置のコンピューターによって実行される当該画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置は、
本体パネルと、
前記本体パネルおよび前記携帯端末の前記画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、
前記画面データを保持する保持部と、
前記保持部に保持された画面データを表示する表示部とを備え、
前記制御方法は、
2以上の前記携帯端末から前記画面の更新を示す更新情報を受信するステップと、
前記本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、前記更新情報に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させるステップと、
前記保持部に保持された前記更新情報に基づいた画面データを前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末への前記画面データの送信の後に、前記条件の成立に基づいて前記本体パネルの画面データを作成し、前記保持部に保持させるステップとを備えることを特徴とする、画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
前記更新情報に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させるステップにおいて、前記2以上の携帯端末の間の優先度の高い順に、前記画面データを作成し、前記保持部に保持させる、請求項11に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
前記更新情報に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させるステップにおいて、前記2以上の携帯端末について、アクセスしてきた順に、前記画面データを作成し、前記保持部に保持させる、請求項11に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
前記更新情報に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させるステップにおいて、前記2以上の携帯端末から前記更新情報を受信している状態で前記本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合、前記更新情報の受信に基づいた画面データの作成に要することが予測される時間を算出し、当該算出された時間が、前記本体パネルにおける画面遷移について設定された閾値である所定の時間以下であることを条件として、前記更新情報の受信に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させる、請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置のコンピューターによって実行される当該画像形成装置の制御プログラムであって、
前記画像形成装置は、
本体パネルと、
前記本体パネルおよび前記携帯端末の前記画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、
前記画面データを保持する保持部と、
前記保持部に保持された画面データを表示する表示部とを備え、
前記制御プログラムは、前記コンピューターに、
前記携帯端末から前記画面の更新を示す更新情報を受信するステップと、
前記本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、前記更新情報に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させ
前記保持部に保持された前記本体パネルの画面データを前記表示部に表示させるステップと、
前記保持部に保持された前記更新情報に基づいた、前記画像形成装置を操作するための画面データを前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末への前記画面データの送信の後に、前記条件の成立に基づいて前記本体パネルの画面データを作成し、前記保持部に保持させるステップとを実行させることを特徴とする、画像形成装置の制御プログラム。
【請求項16】
携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置のコンピューターによって実行される当該画像形成装置の制御プログラムであって、
前記画像形成装置は、
本体パネルと、
前記本体パネルおよび前記携帯端末の前記画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、
前記画面データを保持する保持部と、
前記保持部に保持された画面データを表示する表示部とを備え、
前記制御プログラムは、前記コンピューターに、
2以上の前記携帯端末から前記画面の更新を示す更新情報を受信するステップと、
前記本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、前記更新情報に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させるステップと、
前記保持部に保持された前記更新情報に基づいた画面データを前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末への前記画面データの送信の後に、前記条件の成立に基づいて前記本体パネルの画面データを作成し、前記保持部に保持させるステップとを実行させることを特徴とする、画像形成装置の制御プログラム。
【請求項17】
前記更新情報に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させるステップにおいて、前記2以上の携帯端末の間の優先度の高い順に、前記画面データを作成し、前記保持部に保持させる、請求項16に記載の画像形成装置の制御プログラム。
【請求項18】
前記更新情報に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させるステップにおいて、前記2以上の携帯端末について、アクセスしてきた順に、前記画面データを作成し、前記保持部に保持させる、請求項17に記載の画像形成装置の制御プログラム。
【請求項19】
前記更新情報に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させるステップにおいて、前記2以上の携帯端末から前記更新情報を受信している状態で前記本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合、前記更新情報の受信に基づいた画面データの作成に要することが予測される時間を算出し、当該算出された時間が、前記本体パネルにおける画面遷移について設定された閾値である所定の時間以下であることを条件として、前記更新情報の受信に基づいた画面データを作成して前記保持部に保持させる、請求項16〜請求項18のいずれか1項に記載の画像形成装置の制御プログラム。
【請求項20】
携帯端末と、前記携帯端末の画面に表示する画面データを作成する請求項1〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置とを備える画像形成システムであって、
前記携帯端末は、
前記画像形成装置に、前記画面の更新を示す更新情報を送信する更新情報送信部を含む、画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法、その制御プログラム、および、画像形成システムに関し、特に、外部機器からの指示によってプリントジョブを実行する画像形成装置、その制御方法、および、その制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置において、リモートパネルでの操作を受け付ける場合、画像形成装置の表示パネル(本体パネル、とも言う)とリモートパネルとで画面の共有が行われていた。この場合、同一の操作画面が、表示パネルと(1以上の)リモートパネルに表示されるため、複数のユーザーに対して表示されることになる。このため、画面を操作できるのは1のユーザーに限られていた。
【0003】
複数の画面を画像形成装置の操作のための画面として同時に操作するための技術として、たとえば特許文献1(特開2007−318519号公報)に開示がなされている。当該文献には、画像形成装置が、操作に利用される携帯端末に適合したプリント用のドライバー及び操作ツールをネットワーク上で探索し、インストールすることで、ユーザーがドライバー及び操作ツールを探索してインストールする手間を省略することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−318519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、携帯端末にプリント用のドライバー及び操作ツールを予めインストールしておく必要があり、端末側の性能によっては十分な操作性が得られないことがあった。
【0006】
また、新規の携帯端末に対応するためには、その度にドライバーと操作ツールを更新する必要性が出てくる。
【0007】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数のユーザーによる同時のリモート操作を可能とし、また、携帯端末の性能に左右されずに当該携帯端末をリモート操作に利用することができる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面に従った画像形成装置は、携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置であって、本体パネルと、本体パネルおよび携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、画面データを保持する保持部と、保持部に保持された画面データを表示する表示部と、画面データを携帯端末に送信する送信部と、携帯端末から、画像形成装置を操作するための画面の更新を示す更新情報を受信する受信部と、を備え、画面作成部は、画像形成装置を操作するための本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、受信部による更新情報の受信に基づいた画面データを作成して保持部に保持させ送信部に携帯端末への送信をさせ、送信部が当該画面データを携帯端末に送信した後に、条件の成立に基づいて本体パネルの画面データを作成し、保持部に保持させ、表示部に表示させることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、携帯端末からのアクセス信号を検出する検出手段をさらに備え、画面作成部は、検出手段が検出している携帯端末が1台だけである場合には、携帯端末の画面に表示する画面データとして、本体パネルの画面と同様の画面を示す画面データを作成する。
本発明の他の局面に従った画像形成装置は、携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置であって、本体パネルと、本体パネルおよび携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、画面データを保持する保持部と、保持部に保持された画面データを表示する表示部と、画面データを携帯端末に送信する送信部と、2以上の携帯端末から画面の更新を示す更新情報を受信する受信部と、を備え、画面作成部は、本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、受信部による更新情報の受信に基づいた画面データを作成して保持部に保持させ、送信部が当該画面データを携帯端末に送信した後に、条件の成立に基づいて本体パネルの画面データを作成し、保持部に保持させることを特徴とする。
【0012】
好ましくは、画面作成部は、2以上の携帯端末の間の優先度の高い順に、画面データを作成し、保持部に保持させる。
【0013】
好ましくは、画面作成部は、2以上の携帯端末について、アクセスしてきた順に、画面データを作成し、保持部に保持させる。
【0014】
好ましくは、画面作成部は、受信部が2以上の携帯端末から更新情報を受信している状態で本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合、受信部による更新情報の受信に基づいた画面データの作成に要することが予測される時間を算出し、当該算出された時間が、本体パネルにおける画面遷移について設定された閾値である所定の時間以下であることを条件として、受信部による更新情報の受信に基づいた画面データを作成して保持部に保持させる。
【0015】
好ましくは、本体パネルの画面を遷移させる条件とは、本体パネルをスリープ状態に移行させる条件である。
好ましくは、本体パネルの画面データは、複数階層のうちの1の階層を表示するための画面データであり、携帯端末の画面に表示する画面データは、複数階層のうち2以上の階層に表示される内容を含む画面データである。
好ましくは、表示部は、保持部に携帯端末に送信する画面データが保持されている場合には、表示部に表示されるべき画面データが保持されている場合よりも、画面の明度を低下させる。
【0016】
本発明のある局面に従った画像形成装置の制御方法は、携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置のコンピューターによって実行される当該画像形成装置の制御方法であって、画像形成装置は、本体パネルと、本体パネルおよび携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、画面データを保持する保持部と、保持部に保持された画面データを表示する表示部とを備え、制御方法は、携帯端末から、画像形成装置を操作するための画面の更新を示す更新情報を受信するステップと、画像形成装置を操作するための本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、更新情報に基づいた画面データを作成して保持部に保持させるステップと、保持部に保持された更新情報に基づいた画面データを携帯端末に送信するステップと、携帯端末への画面データの送信の後に、条件の成立に基づいて本体パネルの画面データを作成し、保持部に保持させるステップと、保持部に保持された本体パネルの画面データを表示部に表示させるステップとを備えることを特徴とする。
本発明の他の局面に従った画像形成装置の制御方法は、携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置のコンピューターによって実行される当該画像形成装置の制御方法であって、画像形成装置は、本体パネルと、本体パネルおよび携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、画面データを保持する保持部と、保持部に保持された画面データを表示する表示部とを備え、制御方法は、2以上の携帯端末から画面の更新を示す更新情報を受信するステップと、本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、更新情報に基づいた画面データを作成して保持部に保持させるステップと、保持部に保持された更新情報に基づいた画面データを携帯端末に送信するステップと、携帯端末への画面データの送信の後に、条件の成立に基づいて本体パネルの画面データを作成し、保持部に保持させるステップとを備えることを特徴とする。
好ましくは、制御方法は、更新情報に基づいた画面データを作成して保持部に保持させるステップにおいて、2以上の携帯端末の間の優先度の高い順に、画面データを作成し、保持部に保持させる。
好ましくは、制御方法では、更新情報に基づいた画面データを作成して保持部に保持させるステップにおいて、2以上の携帯端末について、アクセスしてきた順に、画面データを作成し、保持部に保持させる。
好ましくは、制御方法では、更新情報に基づいた画面データを作成して保持部に保持させるステップにおいて、2以上の携帯端末から更新情報を受信している状態で本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合、更新情報の受信に基づいた画面データの作成に要することが予測される時間を算出し、当該算出された時間が、本体パネルにおける画面遷移について設定された閾値である所定の時間以下であることを条件として、更新情報の受信に基づいた画面データを作成して保持部に保持させる。
【0017】
本発明のある局面に従った画像形成装置の制御プログラムは、携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置のコンピューターによって実行される当該画像形成装置の制御プログラムであって、画像形成装置は、本体パネルと、本体パネルおよび携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、画面データを保持する保持部と、保持部に保持された画面データを表示する表示部とを備え、制御プログラムは、コンピューターに、携帯端末から画面の更新を示す更新情報を受信するステップと、本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、更新情報に基づいた画面データを作成して保持部に保持させ、保持部に保持された本体パネルの画面データを表示部に表示させるステップと、保持部に保持された更新情報に基づいた、画像形成装置を操作するための画面データを携帯端末に送信するステップと、携帯端末への画面データの送信の後に、条件の成立に基づいて本体パネルの画面データを作成し、保持部に保持させるステップとを実行させることを特徴とする。
本発明の他の局面に従った画像形成装置の制御プログラムは、携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画像形成装置のコンピューターによって実行される当該画像形成装置の制御プログラムであって、画像形成装置は、本体パネルと、本体パネルおよび携帯端末の画面に表示する画面データを作成する画面作成部と、画面データを保持する保持部と、保持部に保持された画面データを表示する表示部とを備え、制御プログラムは、コンピューターに、2以上の携帯端末から画面の更新を示す更新情報を受信するステップと、本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、更新情報に基づいた画面データを作成して保持部に保持させるステップと、保持部に保持された更新情報に基づいた画面データを携帯端末に送信するステップと、携帯端末への画面データの送信の後に、条件の成立に基づいて本体パネルの画面データを作成し、保持部に保持させるステップとを実行させることを特徴とする。
好ましくは、制御プログラムは、コンピュータに、更新情報に基づいた画面データを作成して保持部に保持させるステップにおいて、2以上の携帯端末の間の優先度の高い順に、画面データを作成し、保持部に保持させる。
好ましくは、プログラムは、コンピュータに、更新情報に基づいた画面データを作成して保持部に保持させるステップにおいて、2以上の携帯端末について、アクセスしてきた順に、画面データを作成し、保持部に保持させる。
好ましくは、プログラムは、コンピュータに、更新情報に基づいた画面データを作成して保持部に保持させるステップにおいて、2以上の携帯端末から更新情報を受信している状態で本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合、更新情報の受信に基づいた画面データの作成に要することが予測される時間を算出し、当該算出された時間が、本体パネルにおける画面遷移について設定された閾値である所定の時間以下であることを条件として、更新情報の受信に基づいた画面データを作成して保持部に保持させる。
【0018】
本発明に従った画像形成システムは、携帯端末と、携帯端末の画面に表示する画面データを作成する上記の画像形成装置とを備える画像形成システムであって、携帯端末は、画像形成装置に、画面の更新を示す更新情報を送信する更新情報送信部を含む
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、本体パネルの画面を遷移させる条件が成立した場合に、携帯端末用の画面データが作成され、携帯端末に送信された後、本体パネルの画面データが作成されて当該本体パネルの画面が遷移される。
【0020】
これにより、画像形成装置では、保持部を、本体パネルの表示用と携帯端末の表示用として、兼用して、利用できる。これにより、画像形成装置において保持部として利用されるハードウェアのリソースを最小限に抑えながら、複数のユーザーによる同時使用を可能とし、また、本体パネル側で携帯端末の表示用の画面データを生成するため、携帯端末の性能に左右されることなく携帯端末をリモート端末として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態に従う端末装置を含む全体構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP(Multi-Function Peripheral)1の構成を示す模式図である。
図3】本発明の実施の形態に従う端末装置2の構成を示す模式図である。
図4】本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の操作パネル110の外観図である。
図5】本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の内部的なデータの遣り取りを説明するための模式図である。
図6】本発明の実施の形態に従う端末装置2において提供されるユーザーインターフェイス(タブ表示モード)の一例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態に従う端末装置2において提供されるユーザーインターフェイス(タブ表示モード)の他の例を示す図である。
図8】第2のグラフィックデータによって表示される画面の一例を示す図である。
図9】第2のグラフィックデータによって表示される画面の他の例を示す図である。
図10】第2のグラフィックデータによって表示される画面のさらに他の例を示す図である。
図11】操作パネル110に対する操作に応じて、当該操作パネル110における表示内容を更新する手順を示すシーケンス図である。
図12】MFP1の操作パネル110に表示される画面の一例を示す図である。
図13】端末装置2からの操作に応じて、当該端末装置2における表示画面を更新する手順を示すシーケンス図である。
図14図8の画面に対する更新後の画面の一例を示す図である。
図15図9の画面に対する更新後の画面の一例を示す図である。
図16図10の画面に対する更新後の画面の一例を示す図である。
図17】MFP1から端末装置2への、タッチパネル208に表示させる画面データの送信を説明するための図である。
図18】MFP1から端末装置2への、タッチパネル208に表示させる画面データの送信を説明するための図である。
図19】MFP1から端末装置2への、タッチパネル208に表示させる画面データの送信を説明するための図である。
図20】MFP1から端末装置2への、タッチパネル208に表示させる画面データの送信を説明するための図である。
図21】MFP1において、操作パネル110とタッチパネル208の表示制御のための処理のフローチャートである。
図22】第2のグラフィックデータの画面のさらに別の例を示す図である。
図23】端末装置の優先順位を特定する情報の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。なお、各図において、同様の作用および機能を奏する構成要素については、同じ符号を付し、その説明は繰返さない。
【0023】
<A.全体構成>
まず、本発明の実施の形態に従う端末装置を含む全体構成について説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に従う端末装置を含む全体構成を示す模式図である。図1を参照して、ネットワークNWに接続された複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)が配置されているとする。このネットワークNWには、無線通信(典型的には、無線LANやBluetooth(登録商標)など)を介して端末装置2とデータを遣り取りするための無線中継器3が接続されているとする。
【0025】
MFP1には、各種の操作を行なうための操作パネル110が設けられており、ユーザーは、この操作パネル110を操作することで、各種の指令をMFP1へ与える。
【0026】
端末装置2は、典型的には、ユーザーが所有する携帯電話やスマートフォンである。ユーザーは、自己の所有する端末装置2を操作して、MFP1に対する操作を行なう。すなわち、後述するように、端末装置2の各々には、操作パネル110において表示される操作画面が当該端末装置2に適して表示態様で表示される。そして、ユーザーは、MFP1の操作パネル110を操作するのと同様の操作方法で、MFP1に対して各種指令を与える。
【0027】
これにより、ユーザーは、MFP1から離れた位置で、MFP1を操作することができる。
【0028】
<B.MFP1の構成>
次に、図1に示すMFP1の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の構成を示す模式図である。
【0029】
図2を参照して、MFP1は、プロセッサー100と、主メモリー102と、スキャナー104と、プリントエンジン106と、ネットワークインターフェイス(I/F)108と、操作パネル110と、不揮発性メモリー112とを含む。
【0030】
プロセッサー100は、代表的にCPU(Central Processing Unit)などの演算装置を含んで構成され、予め格納されたプログラムを実行することで本実施の形態に従う処理を実現する。より具体的には、プロセッサー100上では、プログラムを実行することで、表示操作ロジック120が生成され、後述するような処理を提供する。
【0031】
主メモリー102は、代表的にDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置であり、プロセッサー100で実行されるプログラムやプログラムの実行に必要なデータなどを保持する。また、主メモリー102は、操作パネル110に表示させる画像データを格納する。なお、この部分については、VRAM(Video Random Access Memory)として主メモリー102から独立して搭載される場合もある。
【0032】
不揮発性メモリー112は、代表的にハードディスク装置やフラッシュメモリーなどの記憶装置からなり、操作パネル110に表示される操作画面およびそれに付随する属性情報や、ユーザーが設定するカスタマイズ情報などを格納する。
【0033】
ネットワークインターフェイス108は、代表的に、ネットワークNWを介して端末装置2(図1)などとの間でデータを送受信するための通信部であり、例えば、LANアダプターおよびそれを制御するドライバソフトなどを含む。プリントエンジン106は、プリント処理を行なうための部位であり、プリント処理に係るハードウェア構成に加えて、各部の作動を制御するための制御装置をも含む。
【0034】
操作パネル110は、ユーザーからの操作を受け付けるとともに、各種情報をユーザーに提示するマンマシンインターフェイスである。より具体的には、操作パネル110は、タッチパネル(ディスプレイおよび感圧部)や各種操作キーを含む。
【0035】
<C.端末装置2の構成>
次に、図1に示す端末装置2の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態に従う端末装置2の構成を示す模式図である。
【0036】
図3を参照して、端末装置2は、コンピューターであり、CPU200と、主メモリー202と、不揮発性メモリー204と、入力部206と、タッチパネル208と、ネットワークインターフェイス210と、無線通信部212と、音声出力部214とを含む。これらの各コンポーネントは、バス216を介して互いに接続されている。
【0037】
CPU200は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムを実行する。端末装置2は、汎用的なオペレーティングシステムの下で動作するように構成されてもよい。主メモリー202は、CPU200がプログラムを実行するためのワーキングメモリーとして機能し、実行用に展開されたプログラムや実行に必要な各種変数などを一時的に保持する。不揮発性メモリー204は、典型的には、ハードディスクやフラッシュメモリーCPU200で実行されるプログラムなどを格納する。
【0038】
入力部206は、端末装置2の表面に配置されたキー群などからなり、ユーザーの操作を受け付ける。表示部であるタッチパネル208は、CPU200からの指令に従って、ユーザーに提示すべき各種情報を表示するとともに、ユーザー操作に応答した指令をCPU200へ出力する。
【0039】
ネットワークインターフェイス210は、無線中継器3(図1)を介して、MFP1を含む各種機器とデータを遣り取りする。無線通信部212は、公衆回線を利用して、広域通信を行なうための送受信回路を含む。
【0040】
音声出力部214は、典型的にはスピーカーなどであり、各種の音声情報をユーザーへ提供する。
【0041】
典型的には、CPU200がプログラムを実行することで表示操作モジュール220が動的に生成され、後述するような、操作パネル110を有する画像形成装置1をリモート操作するための機能を提供する。このような表示操作モジュール220を提供するためのプログラムは、予め不揮発性メモリー204にインストールされている場合もあるが、事後的に各種の方法を用いてインストールしてもよい。
【0042】
例えば、プログラムを格納したCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)やフラッシュメモリーなどの記憶媒体を介して端末装置2にインストールする方法や、ネットワークを介して端末装置2へ配信する方法などが考えられる。
【0043】
さらに、MFP1から端末装置2に対して、リモート操作を実現するためのプログラムをダウンロードするようにしてもよい。この場合、MFP1の機種に応じた各種プログラムを端末装置2へ提供することができ、機種依存の処理についてもより容易に対応が可能となる。
【0044】
なお、端末装置2は、汎用のアーキテクチャーを用いたパーソナルコンピューターとして実現してもよい。
【0045】
<D.操作パネル110および内部的なデータの遣り取り>
次に、MFP1の操作パネル110の概要および本実施の形態に従う端末装置2とのデータの遣り取りについて説明する。
【0046】
図4は、本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の操作パネル110の外観図である。図4を参照して、操作パネル110は、表示部および操作部としてのタッチパネルがほぼ中央に設けられており、その両側に、操作部として、スタートキー111を含むキー群が設けられている。このタッチパネルには、MFP1を操作するための操作画面が表示される。MFP1の操作パネル110では、常に1つの操作画面が表示されるようになっている。この操作画面では、各種情報が表示されるとともに、ユーザーがタッチ操作できるように、操作オブジェクト(アイコン)が配置されている。ユーザーがいずれかの操作オブジェクトをタッチすると、対応する指令が内部的に発行されて、別の操作画面への遷移や各種設定操作が行なわれる。
【0047】
MFP1は、操作パネル110における表示内容を示す画像データをそのまま端末装置2へ出力するように構成されている。また、MFP1は、端末装置2からの指令を受け付けるようにも構成されている。
【0048】
図5は、本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の内部的なデータの遣り取りを説明するための模式図である。図5を参照して、表示操作ロジック120(図2)は、主メモリー102に格納されている操作画面のデータを参照して、画像データを操作パネル110のタッチパネル(ディスプレイ110a)へ出力する。また、表示操作ロジック120は、操作パネル110のタッチパネル(感圧部110bまたはキー群110c)に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を受け付ける。表示操作ロジック120は、操作指令に従って、操作パネル110に表示する操作画面を適宜更新し、あるいは、操作指令に従って各種の内部コマンドを発行する。
【0049】
表示操作ロジック120から操作パネル110へ出力される画像データは、並列的に端末装置2へ出力される。すなわち、表示操作ロジック120は、同一の画像データを操作パネル110および端末装置2へ出力することが可能となっている。なお、表示操作ロジック120から端末装置2への画像データの伝送は、ネットワークインターフェイス108(図2)を介して行なわれる。
【0050】
また、操作パネル110から表示操作ロジック120への操作指令の伝送経路に対して、端末装置2からの操作指令を(論理的に)重畳することが可能となっている。すなわち、表示操作ロジック120は、ユーザーが操作パネル110を操作することで発行される操作指令に加えて、ユーザーが端末装置2を操作することで発行される操作指令をその区別なく受け付ける。そのため、端末装置2は、操作パネル110が発行する内部コマンドをエミュレートすることで、ユーザーが操作パネル110を操作した場合に発行される操作指令と同様の操作指令を発行することができる。
【0051】
<E.端末装置2が提供するユーザーインターフェイス>
(第1のグラフィックデータ)
次に、本実施の形態に従う端末装置2において提供されるユーザーインターフェイスについて例示する。
【0052】
図6は、本発明の実施の形態に従う端末装置2において提供されるユーザーインターフェイス(タブ表示モード)の一例を示す図である。
【0053】
図6には、操作パネル110に表示される画面と同様の構成を有する画面500が示されている。画面500は、「基本」「原稿指定」「画質/濃度」「応用」という4つのタブの1つのタブ「基本」が選択されて、当該タブに対応する項目に属する設定内容を表示する画面である。
【0054】
画面500は、当該画面500において設定された内容でMFP1に画像形成をスタートさせるために操作されるスタートボタン501を含む。操作パネル110はスタートキー111を含むため、画面500のスタートボタン501は、画面500に対応する画面が操作パネル110に表示される際には省略される場合があり得る。つまり、画面500と操作パネル110に表示される画面との間では、操作パネル110に備えられているキー等により表示される必要の無いソフトウェアボタンが省略されるなど、その機能の変更を伴わない範囲で表示が異なる場合があり得る。
【0055】
さて、このような画面500に対して、選択する項目を切り換える操作がなされると、操作パネル110やタッチパネル208に表示される画面が更新される。
【0056】
たとえば、「原稿指定」の項目が選択されると、表示される画面が、項目「原稿指定」に属する設定内容を表示する画面に切り替えられる。
【0057】
また、図6に示されたような画面500において、表示された設定内容(メニュー)を選択する、または、選択を解除する操作がなされると、表示される画面が、当該メニューの選択状態を変更されるように更新された画面に切り替えられる。たとえば、図6に示された画面500は、<両面・ページ集約>の設定内容として「片面」「両面」「2in1」「4in1」の4つのメニューを含み、そのうち「片面」が選択された状態が示している。図6の例では、選択された状態は、メニューが太線で表示されることによって実現されている。そして、選択するメニューを「片面」から「両面」に切り替える操作がなされると、表示画面は、図7に示されるように切り替えられる。
【0058】
図7に示される画面510では、<両面・ページ集約>の4つのメニューのうち「両面」が選択された状態が示している。
【0059】
本明細書では、タブ表示モードにおいて表示される画面(MFP1の操作パネル110に表示されるべき画面と同様の画面)を表示するためのグラフィックデータを、「第1のグラフィックデータ」とも言う。
【0060】
(第2のグラフィックデータ)
本実施の形態では、MFP1には、2台以上の端末装置2が同時にアクセスすることができる。このような場合、MFP1は、複数の端末装置2のうち、一部についてはMFP1の操作パネル110に表示されるのと同様の、複数のタブを含む画面(タブ表示モードの画面)を表示させるが、残りの端末装置2については、当該画面より多くのメニューを含む画面を表示させる。このような画面を表示させるためのグラフィックデータを、本明細書では、「第2のグラフィックデータ」とも言う。
【0061】
図8図10は、それぞれ、第2のグラフィックデータによって表示される画面の例を示す図である。
【0062】
図8の画面600は、画面500の「基本」「原稿指定」「画質/濃度」「応用」という4つのタブのそれぞれに表示されるべきメニューをすべて1つの画面で表示する。
【0063】
図9の画面700は、図8の画面600と同様に、画面500の「基本」「原稿指定」「画質/濃度」「応用」という4つのタブのそれぞれに表示されるべきメニューをすべて1つの画面で表示する。なお、本実施の形態では、図6の画面500や図8の画面600は、カラー画面(3以上の色を含む画面)であるのに対し、図9の画面700はモノクロ画面(白と黒等の、2色で構成される画面)である。
【0064】
図10の画面800は、画面500の「基本」「原稿指定」「画質/濃度」「応用」という4つのタブのそれぞれに表示されるべきメニューのうち一部のメニュー、具体的には、「基本」のタブに属するメニューのみを表示する画面である。端末装置2において画面800が表示された場合には、当該端末装置2のユーザーは、「基本」のタブに属するメニューのみ、印刷設定ができる。
【0065】
<F.処理手順>
図11は、操作パネル110に対する操作に応じて、当該操作パネル110における表示内容を更新する手順を示すシーケンス図である。
【0066】
図11を参照して、ユーザーが操作パネル110上のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ400)、MFP1は、操作画面のうちいずれの位置にタッチされたかを示す操作座標位置へ変換する(シーケンスSQ402)。
【0067】
そして、MFP1は、操作座標位置に対応する設定処理などを実行するとともに、当該処理に応じて表示内容を更新する(シーケンスSQ404)。ここでの表示内容の更新とは、更新後の画面に表示する画面データ(本明細書では、画面に表示する画像データを、画面データともいう)の生成を意味する。
【0068】
そして、MFP1は、操作パネル110の表示内容を更新する(シーケンスSQ406)。
【0069】
図12は、MFP1の操作パネル110に表示される画面の一例を示す図である。
図12の画面400は、図6の画面500と同様に、2以上の階層で配列されたメニューの一部を示している。
【0070】
具体的には、MFP1では、第1の階層として、「基本」「原稿指定」「画質/濃度」「応用」の4つのメニューが設定されている。そして、これらの下に、具体的な設定内容を示すメニューが設定されている。
【0071】
たとえば、「基本」のメニューの下には、第2の階層として、「カラー」「用紙」「倍率」「両面・ページ集約」の4つのメニューが含まれる。
【0072】
そして、画面400では、「基本」メニューに含まれる4つのメニューを設定するためのソフトウェアボタンが表示されている。
【0073】
次に、端末装置2における画面の更新について、説明する。
ユーザーが端末装置2を操作して本実施の形態に従うリモート操作に係るプログラムを起動すると、端末装置2は、ネットワークインターフェイス210(図3)を有効化し、MFP1と接続を試みる。そして、端末装置2は、MFP1と接続されたか否かを判断する。MFP1と接続されていない場合には、接続されるまで、接続を試みる。
【0074】
MFP1と接続された場合には、端末装置2は、MFP1からその時点での操作パネル110における表示内容を示す画像データ(本明細書では、グラフィックデータと同義)を取得する。ここで取得される画像データは、その時点で何台の端末装置2がMFP1に対してアクセスしているかによって異なる。具体的には、端末装置2には、図6または図8図10に示した画面のいずれかの画像データが送信される。端末装置2にいずれの画像データが送信されるかについては、後述する。
【0075】
図13は、端末装置2からの操作に応じて、当該端末装置2における表示画面を更新する手順を示すシーケンス図である。なお、図13(A)は、端末装置2に第1のグラフィックデータの画面(図6)が表示されている場合のシーケンスを示し、図13(B)は、端末装置2に第2のグラフィックデータの画面(図8図10)が表示されている場合のシーケンスを示す。
【0076】
まず図13(A)を参照して、ユーザーがタッチパネル208上のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ100)、当該タッチした位置の情報が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ102)。端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置を、表示されているメイン表示領域の表示位置および大きさとの関係に基づいて、操作画面のうちいずれの位置にタッチされたかを示す操作座標位置へ変換する(シーケンスSQ104)。端末装置2のCPU200は、操作座標位置をMFP1へ送信する(シーケンスSQ106)。
【0077】
MFP1は、端末装置2から操作座標位置を受信すると、対応する設定処理などを実行するとともに、当該処理に応じて操作パネル110における表示内容を更新する(シーケンスSQ108)。更新後の表示内容は、更新前の表示内容に対して、画面全体の内容を切り替えられたものに相当する。つまり、MFP1では、表示内容を更新する際に、画面全域の画像データを生成する。
【0078】
端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(更新後の操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ110)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(更新後の操作画面)をタッチパネル208上に表示する(シーケンスSQ112)。
【0079】
以上、図13(A)を参照して説明された手順により、端末装置2のタッチパネル208に表示される画面が、たとえば図6の画面500が図7の画面510へと更新される。
【0080】
次に図13(B)を参照して、端末装置2において第2のグラフィックデータの画像が表示されているときの画面更新のためのシーケンスを説明する。なお、図13(B)に示されたシーケンスは、図13(A)に示されたシーケンスと比較して、シーケンスSQ108,110,112が、それぞれ、シーケンスSQ109,111,113に変更されている。
【0081】
図13(B)を参照して、ユーザーがタッチパネル208上のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ100)、当該タッチした位置の情報が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ102)。端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置を、表示されているメイン表示領域の表示位置および大きさとの関係に基づいて、操作画面のうちいずれの位置にタッチされたかを示す操作座標位置へ変換する(シーケンスSQ104)。端末装置2のCPU200は、操作座標位置をMFP1へ送信する(シーケンスSQ106)。
【0082】
MFP1は、端末装置2から操作座標位置を受信すると、対応する設定処理などを実行するとともに、当該処理に応じて、タッチパネル208における選択中マークの表示位置を決定する(シーケンスSQ109)。
【0083】
選択中マークとは、タッチパネル208上に表示されたメニューのうち、設定された項目を選択することを示す画像である。本実施の形態では、選択中マークを表示させる画像データによって、第2のグラフィックデータに対して、メニューの設定が完了したことを示すために追加的に表示させるグラフィックデータが構成される。
【0084】
そして、MFP1は、端末装置2に、選択中マークの画像と、決定した表示位置と、選択中マークの表示指示とを送信する(シーケンスSQ111)。
【0085】
端末装置2のCPU200は、MFP1から受信した選択中マークの画像を、指定された表示位置に、すでに表示している画面に重ねて表示させる(シーケンスSQ113)。
【0086】
図14図16は、それぞれ、図8図10に対する更新後の画面の一例を示す図である。
【0087】
図14の画面610では、図8の画面600と比較して、「オートカラー」「A4」「×1.00」「片面」「原稿A4」「文字」「(濃度)5」のメニューのそれぞれの右上に、塗りつぶされた円形の画像が表示されている。この円形の画像が、上記の「選択中マーク」の一例である。これは、図8の画面600が表示された端末装置2において、これらのメニューを選択する操作がなされたことを意味する。つまり、画面610は、これらの円形の画像が図8の画面600の上に重ねられて表示されたものに相当する。
【0088】
なお、図14の画面610は、そこにおいて円形の画像を重ねられたメニューのすべてが一度に選択されて、画面610が表示される場合もあれば、これらのメニューの一部が選択されるたびに、選択されたメニューの右上に選択中マークが追加されて表示され、その結果としてタッチパネル208に表示される場合もある。
【0089】
図15の画面710では、図9の画面700と比較して、「オートカラー」「A4」「×1.00」「片面」「原稿A4」「文字」「(濃度)5」のメニューのそれぞれの右上に、上記の円形の画像が表示されている。これは、図9の画面700が表示された端末装置2において、これらのメニューを選択する操作がなされたことを意味する。つまり、画面710は、これらの円形の画像が図9の画面700の上に重ねられて表示されたものに相当する。
【0090】
図16の画面810では、図10の画面800と比較して、「オートカラー」「A4」「×1.00」「片面」のメニューのそれぞれの右上に、上記の円形の画像が表示されている。これは、図10の画面800が表示された端末装置2において、これらのメニューを選択する操作がなされたことを意味する。つまり、画面810は、これらの円形の画像が図10の画面800の上に重ねられて表示されたものに相当する。
【0091】
<G.処理の概要>
図17図20は、MFP1から端末装置2への、タッチパネル208に表示させる画面データの送信を説明するための図である。
【0092】
まず図17を参照して、MFP1では、端末装置2のタッチパネル208に表示させる画面データを、一時的に、操作パネル110についてのVRAMに格納させ、当該VRAMから、端末装置2に送信する。端末装置2では、MFP1から受信した画面データを、タッチパネル208についてのVRAMに格納させ、タッチパネル208で表示する。
【0093】
つまり、MFP1では、操作パネル110のVRAMが、タッチパネル208に表示させる画面データを保持するメモリーとしても兼用されている。
【0094】
そして、MFP1では、図17において「A」で示されるように、タッチパネル208に表示させる画面が、操作パネル110でも表示される。
【0095】
なお、MFP1では、操作パネル110のVRAMに、タッチパネル208に表示させる画面のデータが格納されているときには、図18に示されるように、操作パネル110を消灯させる等、操作パネル110に表示させるべき画面(操作パネル110に対する操作に基づく動作画面等)表示の明度を低下させることが好ましい。
【0096】
また、MFP1では、操作パネル110のVRAMに格納された画面データがタッチパネル208に送信された後は、図19に示されるように、当該VRAMから消去される。これにより、その後、別の画面データが操作パネル110のVRAMに書き込まれれば、操作パネル110には、タッチパネル208に表示されている画面とは異なる画面が表示される。なお、MFP1では、操作パネル110に表示されるべき画面等、タッチパネル208に表示される必要のない画面のデータは、端末装置2には送信されない。
【0097】
図19では、操作パネル110には「A」で示される画面が、そして、タッチパネル208には(「A」で示される画面とは異なる)「B」で示される画面が、それぞれ表示されている状態が示されている。さらに、操作パネル110のVRAMの記憶内容が書き換えられると、図20に示されるように、タッチパネル208での表示内容が変更されることなく、操作パネル110の表示内容が(「C」で示される画面へと)変更される。
【0098】
<H.処理フロー>
図21は、MFP1において、操作パネル110とタッチパネル208の表示制御のための処理のフローチャートである。
【0099】
ステップS10では、MFP1のプロセッサー100は、端末装置2が使用されているか(つまり、端末装置2のタッチパネル208に対して何らかの操作がなされたか)否かを判断し、使用されていると判断すると、ステップS20へ処理を進め、使用されていないと判断すると処理を終了させる。なお、図21の処理は、特定時間毎に実行される。また、端末装置2本体に振動を与えるなど、タッチパネル208のタッチ操作以外の操作があった場合も、端末装置2が使用されていると判断される。
【0100】
ステップS20では、プロセッサー100は、操作パネル110が使用中であるか否かを判断する。そして、使用中であると判断するとステップS60へ処理を進め、使用中ではないと判断するとステップS30へ処理を進める。操作パネル110が使用中である、とは、たとえば、操作パネル110がスリープ状態に移行していないことを言う。MFP1は、所定時間継続して、操作パネル110に対する操作がなされない、MFP1における画像形成や画像処理の動作が行なわれないなどといった場合には、スリープ状態に移行する。このとき、操作パネル110もスリープ状態に移行し、消灯される。このような場合には、ステップS20ではNOの判断がなされて、ステップS30へ処理が進められる。
【0101】
ステップS30では、プロセッサー100は、端末装置2における操作に従い、図12を参照して説明したような処理に沿って、端末装置2に画面データを送信し、ステップS40へ処理を進める。
【0102】
ステップS40では、プロセッサー100は、ジョブについて、端末装置2から送信されてきた情報に従って設定等の操作を行い、ステップS50へ処理を進める。
【0103】
ステップS50では、プロセッサー100は、端末装置2からのジョブについての入力が終了したか否かを判断し、終了したと判断するとステップS140へ処理を進める。一方、まだ終了していないと判断すると、ステップS20へ処理を戻し、終了するまで、端末装置2からの操作にそって端末装置2へ画面データを送信する。これにより、端末装置2では、タッチパネル208に対する操作に応じてMFP1から送信される画面データが、タッチパネル208に表示される。また、ジョブについての入力が終了するまで、その表示内容は、ステップS20〜ステップS50が繰り返されたり、後述するステップS100,ステップS110が行なわれることにより、必要に応じて更新される。
【0104】
ステップS60では、プロセッサー100は、操作パネル110において表示画面の遷移が発生するか否かを判断し、遷移が発生すると判断するとステップS80へ処理を進め、まだ発生しないと判断するとステップS70へ処理を進める。表示画面の遷移とは、操作パネル110に対する操作やMFP1の状態の変化等により、操作パネル110において表示されるべき画面が更新されることを意味する。たとえば、操作パネル110に対して、図6の画面500に対して選択するタブを変更する操作がなされた場合には、操作パネル110の表示画面は、新たに選択されたタブのメニューを表示するように更新される。また、操作パネル110においてジャムの発生等のエラーの発生により、当該エラーを報知する必要が生じた場合には、当該エラーを報知するために、操作パネル110の表示画面が更新される。
【0105】
ステップS70では、プロセッサー100は、MFP1において実行中のジョブが完了したか否かを判断し、完了したと判断するとステップS80へ処理を進め、ジョブ実行中でなかった場合や実行中のジョブが完了していないと判断するとステップS60へ処理を戻す。
【0106】
ステップS80では、プロセッサー100は、操作パネル110のバックライトを消灯させて、ステップS90へ処理を進める。
【0107】
ステップS90では、プロセッサー100は、操作パネル110ののVRAMの記憶内容をクリアして、ステップS100へ処理を進める。
【0108】
ステップS100では、プロセッサー100は、端末装置2のタッチパネル208に表示させるための画面(図21中の簡易の操作画面)の画面データを作成(描画)して、ステップS110へ処理を進める。ここで作成された画面データは、操作パネル110のVRAMに書き込まれる。なお、ここで作成される画面データは、ステップS10において検出された端末装置2における操作に対応した画面データである。
【0109】
なお、本実施の形態では、端末装置2には上記第2のグラフィックデータの画面が表示されるものとする。つまり、図21中の簡易の操作画面とは、第2のグラフィックデータの画面に相当する。
【0110】
ステップS110では、プロセッサー100は、操作パネル110のVRAMに格納した画面データを端末装置2に送信して、ステップS120へ処理を進める。
【0111】
ここで送信されるデータとしては、第2のグラフィックデータである場合もあれば、すでに第2のグラフィックデータが送信されている端末装置2に対しては、上記した選択中マークとその表示位置である場合もある。
【0112】
ステップS120では、プロセッサー100は、端末装置2に送信した情報をバッファーに格納して、ステップS130へ処理を進める。ここで格納される情報としては、たとえば、第2のグラフィックデータをすでに送っているかどうか、送っている場合に、選択中マークをすでに送っているか、送っているとすればその表示位置としてどのような位置情報を送ったか等が挙げられる。特に、位置情報については、次回、当該端末装置2に選択中マークの位置情報を送信する場合、当該マークの表示位置を変更させる指示の送信の要否等の判断に利用される。
【0113】
ステップS130では、プロセッサー100は、ステップS100で画面データを書き込んだ操作パネル110のVRAMの記憶内容をクリアして、ステップS140へ処理を進める。
【0114】
ステップS140では、プロセッサー100は、操作パネル110に表示させる画面データを作成(描画)して、ステップS150へ処理を進める。ここで作成される画面データは、ステップS60で発生を検出した遷移について、当該遷移の後に表示されるべき画面のデータである。
【0115】
ステップS150では、プロセッサー100は、操作パネル110のバックライトの点灯を再開させ、ステップS140で作成した画面データを操作パネル110に表示させて、処理を終了させる。
【0116】
以上説明した表示制御処理により、MFP1は、操作パネル110用のVRAMを、操作パネル110用と端末装置2のタッチパネル208用に使用する。これにより、MFP1にアクセスする端末装置2の数が多くなった場合でも、MFP1に備えられるVRAMの数や容量を増やす必要がなく、これにより、より安価にMFP1を製造することができる。
【0117】
また、端末装置2のタッチパネル208のための画面描画は、操作パネル110が使用されていないとき、または、使用されているときであっても操作パネル110において表示が更新されるタイミングで、行なわれる。これにより、MFP1において、操作パネル110自体の表示が、タッチパネル208の画面の描画のために一時的に停止する等の妨害を受けてMFP1のユーザーを不快を与えることを極力回避できる。
【0118】
また、MFP1においてタッチパネル208の画面描画がなされるときには、ステップS80の処理として説明したように、操作パネル110の表示の明度が低下するよう制御される。これにより、本来操作パネル110に表示される必要がないタッチパネル208の表示画面が操作パネル110のVRAMに格納されても、その表示をユーザーに見えなく(または、見えにくく)することができる。
【0119】
<I.その他の変形例等>
以上説明した本実施の形態では、端末装置2用の画面の描画が、本体パネル(MFP1本体の操作パネル110)の画面遷移のタイミングで行われることにより、端末装置2側の待ち時間を減らすと共に、MFP1本体を操作しているユーザーに対しても、違和感無くLEDバックライトを消灯することができる。
【0120】
また、操作パネル110に表示される画面が階層構造で配列されたメニューの一部を表示するもの(図6等)であるのに対し、端末装置2で表示される画面は、第2のグラフィックデータとして説明したように、すべてのメニューを同時に表示する画面(図8等)とされた。
【0121】
なお、MFP1は、端末装置2がアクセスしてきたときに既にMFP1にアクセスしている端末装置の数に応じて、端末装置2に表示させる画面の種類を変更しても良い。たとえば、端末装置2がMFP1にアクセスしてきたときに、他の端末装置がMFP1にアクセスしていなければ、つまり、MFP1にアクセスしている端末装置2の数が1台のみである場合には、端末装置2に、操作パネル110に表示させるのと同様の画面(階層構造で配列されたメニューの一部を表示するような態様で作成された画面)を表示させても良い。
【0122】
このような場合、表示させるメニューの階層の変更等、図8等に示された画面を表示させる場合よりも、端末装置2における画面の更新の回数が増える事態が想定される。つまり、端末装置2に表示させる画面データを作成するためのプロセッサー100の処理負担が、図8等に示された画面を表示させる場合よりも大きくなる事態が生じ得ることが予測される。この点、MFP1にアクセスする端末装置2の台数が「1」である場合に限定することで、プロセッサー100の負担が大きく増大して操作パネル110の表示に支障が生じるような事態を、極力回避することができる。
【0123】
一方、第2のグラフィックデータの画面として表示されるもののさらに別の例を挙げることもできる。図22は、第2のグラフィックデータの画面のさらに別の例を示す図である。
【0124】
図22を参照して、画面900には、複数のメニューの組合せをワンタッチで選択することができるソフトウェアキー901〜905と、端末装置2における表示を図6に示されたような画面に戻すためのソフトウェアキー906とが含まれる。MFP1は、たとえばMFP1において高い頻度で実行を指示されるメニューの組合せをソフトウェアキー901〜905として含む画面を作成し、端末装置2に送信することができる。
【0125】
本実施の形態において、プロセッサー100は、2以上の端末装置2から画面の更新の要求を受けた場合、要求を受けた順に画面を描画して各端末装置2に送信しても良いし、特定の順序に従って画面を描画して各端末装置2に送信しても良い。後者の場合、MFP1では、たとえば、図23に示されるような、端末装置の優先順位を特定する情報(優先度テーブル)が格納される。図23では、当該情報が、複数の端末装置のIDが、優先順位の高い順に格納されている状態が示されている。
【0126】
そして、プロセッサー100は、当該情報を参照し、ステップS30またはステップS100において、優先順位の高い端末装置2の順に、画面を描画して各端末装置2に送信する。
【0127】
また、MFP1では、操作パネル110が使用中である場合であって、ステップS10で或る端末装置2からの画面更新要求を受け付けてからステップS80以降の処理を実行するまでに2以上の端末装置2から表示更新要求を受けた場合には、プロセッサー100は、ステップS100において、それまで蓄積したすべての表示更新要求に対応する画面データを作成する。ただし、プロセッサー100は、場合によっては一部の画面データのみを作成し、その他の画面データについては次回ステップS100を実行するときに作成しても良い。
【0128】
具体的には、たとえば、MFP1では、ステップS80での操作パネル110のバックライトの消灯からステップS150での再点灯までの時間の上限を規定する閾値が設定されている場合を想定する。そして、プロセッサー100は、ステップS100において、各表示更新要求に応じた画面データの作成に要する時間の予測値を算出し、すべての表示更新要求の画面データの作成時間の予測値の和が、上記した消灯から再点灯までの時間の上限を超える場合には、上限を超えないように一部の表示更新要求を選択し、それについてのみ画面データを作成する。これにより、MFP1において、効率よく、端末装置2の画面データを作成できる。
【0129】
また、本実施の形態において、ステップS60からステップS80へと処理が進められる条件として、操作パネル110の表示画面の遷移が挙げられた。ここでの画面遷移は、上記のように操作パネル110の表示内容の更新であっても良いし、または、操作パネル110のスリープ状態への遷移であっても良い。後者の場合、ステップS80でのバックライトの消灯が、操作パネル110のユーザーに違和感を与えることをより確実に回避できる。
【0130】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0131】
1 MFP、2 端末装置、3 無線中継器、NW ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23