(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示部に表示される各キーの画像は、直方体が3次元的な態様で表示された画像、または、当該キーに割り当てられる文字、数字または記号が一つのキーに表示された画像を含む、請求項1または2に記載の入力装置。
前記表示制御手段は、各前記キーのいずれかに対する操作に基づいて、前記表示部に表示されているキーボードを構成する他のキーの表示態様を連動して変更するように、さらに構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力装置。
前記動作モードに応じて、前記タッチパネルに対するタッチ操作が行われた時の動作イベントと、前記タッチ操作が行われている場合におけるジェスチャー操作が行われた時の動作イベントとは、切り替え可能である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の入力装置。
各前記キーの画像は透明または半透明であり、各前記キーの各々の各面のうち前記キーボードの視点から裏側に位置する面に割り当てられている画像は、反転して表示される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の入力装置。
前記入力装置に表示される各キーの画像は、直方体が3次元的な態様で表示された画像、または、当該キーに割り当てられる文字、数字または記号が一つのキーに表示された画像を含む、請求項11または12に記載の制御方法。
各前記キーのいずれかに対する操作に基づいて、前記入力装置に表示されているキーボードを構成する他のキーの表示態様を連動して変更するステップをさらに含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の制御方法。
前記動作モードに応じて、前記タッチパネルに対するタッチ操作が行われた時の動作イベントと、前記タッチ操作が行われている場合におけるジェスチャー操作が行われた時の動作イベントとは、切り替え可能である、請求項11〜16のいずれか一項に記載の制御方法。
各前記キーの画像は透明または半透明であり、各前記キーの各々の各面のうち前記キーボードの視点から裏側に位置する面に割り当てられている画像は、反転して表示される、請求項11〜17のいずれか一項に記載の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0027】
[技術思想]
図1および
図2を参照して、本実施の形態に係る技術思想が適用される前の入力装置100について説明する。
図1は、入力装置100において表示されるキーボードの移り変わりを表わす図である。なお、本実施の形態では、入力装置100が、MFP(Multifunction Peripheral)に含まれる場合を例示するが、入力装置100の適用対象はMFPに限られない。たとえば、入力装置は、タブレット端末、ノートブック型コンピューター、スマートフォンその他の情報処理装置であって、タッチパネルを備える装置に適用可能である。
【0028】
図1において、状態Aでは、入力装置100がソフトウェアキーボード110を表示している。ソフトウェアキーボード110は、ある局面において、英文字の入力を受け付けるためのキーボードである。状態Bでは、入力装置100は、他の局面におけるソフトウェアキーボード120を表示している。ソフトウェアキーボード120は、たとえば、数字または記号の入力を受け付けるためのキーボードである。状態Cでは、入力装置100がソフトウェアキーボード130を表示している。ある局面において、ソフトウェアキーボード130は、算術記号その他の記号であってソフトウェアキーボード120に含まれない記号の入力を受け付けるためのキーボードである。
【0029】
状態Cにおいて、ユーザーがキー131をタッチ操作すると、目的とするキー“_”が入力される。ユーザーが、キーモードを切り替えるための機能が割り当てられたキー132を押下すると、入力装置100は、ソフトウェアキーボード130の表示をソフトウェアキーボード110に切り替える(状態A)。
【0030】
状態Aと状態Bとの切り替え、および、状態Bと状態Cとの切り替えも、同様に、ユーザーによるタッチ操作によって実現される。
【0031】
上記のような構成において、ユーザーは、入力文字に応じたキーボードの入力モードを切り替えながら連続した文字入力操作を行なう場合がある。このような場合において、目的の文字キーがその時のキーボードに存在しないとき、ユーザーは、入力モードを順次切り替える操作、および、切り替えの都度、目的の文字キーが切り替えによって表示されたソフトウェアキーボードに存在するかどうかを確認する必要がある。
【0032】
すなわち、ユーザーは、目的の文字が表示されたキーを見つけるまで、(ステップ1)ソフトウェアキーボードの入力種別の切り替え→(ステップ2)ソフトウェアキーボード全体から目的のキーを探す→(ステップ3)目的のキーがなければソフトウェアキーボードの入力種別を再度切り替え→(ステップ4)目的のキーを再度探す→目的のキーを見つけると当該キーをタッチ操作する、という操作を行なうことになる。このような場合、対象のキーが見つかるまで、ユーザーの指操作のステップ数が多くなり、また、ユーザーの目線の移動範囲が広がるため、操作に時間がかかり、入力効率が低下する場合がある。
【0033】
後述する本実施の形態に係る技術思想によれば、ソフトウェアキーボードを用いた入力の際の無駄な操作や目線の移動が減少され、入力操作の効率が向上し得る。
【0034】
たとえば、qwerty配列のソフトウェアキーボードを用いて文字入力を行なう場合を検討する。たとえば、km_1@abc.comという文字入力が行なわれる場合、ユーザーは、アルファベット→数字→記号(たとえば@)→アルファベット→記号(.)→aアルファベットという入力操作を行なう。そのため、ユーザーは、キーの切り替え操作時に、画面端にあるソフトウェアキーボードの切り替えキーを複数回押下して、目的の文字キーを探す必要がある。したがって、入力操作時の指/視線の移動距離が長くなる場合がある。
【0035】
また、目的とするソフトウェアキーボードの切り替えボタン操作が1アクションで実行可能であるところ、ユーザーは、どのソフトウェアキーボードに目的のキーが存在しているかを記憶していない場合があり、また、その時点で表示されているソフトウェアキーボードの画面に含まれていない場合もある。そのため、ユーザーはソフトウェアキーボードに対する無用な入力操作を行なう可能性もある。これは、ユーザーが、目的のキーを出現させるための手順を現在のソフトウェアキーボードの表示態様から容易に判断できないことに起因する。そのため、ユーザーが、たとえば、km_1@abc.comという文字入力を行なう場合には、間違えなければ最短で5回で入力することができるにもかかわらず、ソフトウェアキーボードの切り替えのために7回の操作を行なう場合もあり得る。
【0036】
図2を参照して、他の局面におけるキーの表示態様について説明する。
図2は、ソフトウェアキー200の表示態様を表わす図である。
【0037】
ある局面において、ソフトウェアキー200は、複数のキーを表示する。複数のキーは、たとえば、キー210のように、矩形で表わされたキーを含む。
【0038】
キー210は、その矩形の領域内に、文字211と記号212,213とを表示している。文字211は、たとえば、“A”のように予め規定された英文字である。記号212,213は、キーの入力モードが記号入力モードである場合にキー210をタッチ操作することによって入力される記号(たとえば“−”、“*”)を表示している。
【0039】
このような構成によれば、ユーザーは、一度、画面の端部にあるキーボード切り替えキー(たとえば、キー220またはキー230)を操作する必要がある。そのため、操作時の目線の移動あるいは指の移動距離が長くなる場合がある。また、たとえば、キーボードの文字入力モードが3種類ある場合には、3つの文字または記号が表示されることになるため、ユーザーにとっては、どの文字タイプキーを選択すると所望の文字入力が可能になるか分かりにくいという問題も生じ得る。したがって、文字または記号の入力操作が容易になる技術が必要とされている。
【0040】
[ソフトキーの表示態様]
図3を参照して、本実施の形態に係る入力装置100におけるキーの表示態様についてさらに説明する。
図3は、入力装置100が備えるタッチパネル300において表示されるソフトウェアキーボードの詳細を表わす図である。
【0041】
ある局面において、タッチパネル300は、ソフトウェアキーボード310を表示する。ソフトウェアキーボード310は、複数のキーを含む。複数のキーは、キー320を含む。キー320は、たとえば、立方体の画像として表示されている。より具体的には、キー320は、立方体のうち3面が前面に表示されるような配置として表示されている。キー320は、面321,322,323を含む。面321は、数字(1)を表示している。面322は、平仮名(ぬ)を表示している。面323は、記号(!)を表示している。
【0042】
図3に示されるソフトウェアキーボード310は、キー320については、タッチされることにより、面321に表示された数字(1)の入力を受け付けるように(すなわち、アクティブに)構成されている。他の局面において、ソフトウェアキーボード310は、その表示を変えることにより、平仮名(面322)あるいは記号(面323)の入力を受け付けるように変更され得る。たとえば、面322が面321の位置に表示されると(アクティブになると)、入力装置は、面322へのタッチ操作を検出すると、平仮名“ぬ”の入力を受け付ける。
【0043】
[左右の入れ替え]
図4を参照して、本実施の形態に係る入力装置100における動作例について説明する。
図4は、ソフトウェアキーボード310の表示態様が切り替わる態様を表わす図である。
【0044】
状態Aに示されるように、ある局面において、ソフトウェアキーボード310は、英文字の入力を受け付けるように設定された複数のキーがそれぞれ表示されている。たとえば、ソフトウェアキーボード310は、キー410を含む。キー410は、面411,412,413を含む。面411には、英文字(A)が表示されている。面412には、記号(_)が表示されている。面413には、記号(−)が表示されている。
【0045】
ある局面において、入力装置100のユーザーがタッチパネル300に表示されたソフトウェアキーボード310のタッチ面において指400を置き、矢印方向に沿って、サイコロを左に転がすようなフリック動作を行なう。そうすると、タッチパネル300は、ソフトウェアキーボード310の表示について、サイコロが転がるようなアニメーションの表示を実行し、ソフトウェアキーボード310の表示態様を切り替える。
【0046】
より具体的には、状態Bに示されるように、ソフトウェアキーボード310は、面412を前面に表示する。面411は、キー410の側面に表示される。すなわち、面411と面412の位置が入れ替わる。これにより、キー410へのタッチ操作は、面412に表示されている記号(_)を入力するための操作として検出される。
【0047】
なお、面413は、フリック動作の前後を通して、キー410の上面に表示される。指400によるフリック動作が左方向への動作であるため、左右に表示される面の位置が切り替わることになる。
【0048】
[上下の入れ替え]
図5を参照して、本実施の形態に係る入力装置100の動作についてさらに説明する。
図5は、入力装置100に表示される立方体のキーを下に転がすような操作によって、表示される面が切り替えられる態様を表わす図である。
【0049】
状態Aに示されるように、ある局面において、タッチパネル300はソフトウェアキーボード310を表示している。より具体的には、ソフトウェアキーボード310は、英文字の入力を受け付けるように表示されている(
図1の状態A参照)。したがって、各キーの前面には、英文字(A、S、D)が表示されている。入力装置100のユーザーが、指400をタッチパネル300に当てて、矢印方向に沿ってサイコロを下に転がすようなフリック動作を行なうと、タッチパネル300は、サイコロが転がるようなアニメーションを表示する。その結果、キーの前面の表示内容と上面の表示内容とが入れ替わる。
【0050】
より具体的には、状態Bに示されるように、タッチパネル300は、立方体の各キーの上面に表示されていた記号(“‐”、“/”、“:”)が前面に表示されるように表示の位置を切り替える。たとえば、キー410については、状態Aにおいて前面に表示されていた面411は、状態Bにおいて、上面に表示される。逆に、上面に表示されていた面413は、状態Bにおいては、前面に表示される。これにより、入力装置100は、ソフトウェアキーボード310として、記号の入力を受け付ける。このように、サイコロが下に転がるアニメーションが表示されるとともに、数字/英文字キーが前面に表示されている状態から、記号キーが前面に表示されている状態に、キーボード全体が変化する。
【0051】
[入力装置の機能構成]
図6を参照して、本実施の形態に係る入力装置100の構成について説明する。
図6は、入力装置100によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。入力装置100は、画面表示部610と、タッチ位置検出部620と、ファームウェア(FW:Firmware)モジュール630とを備える。ファームウェアモジュール630は、画面描画制御部640と、タッチ操作判断部650と、MFPアプリ660とを含む。画面描画制御部640は、表示キーボード切替指示部641と、ソフトウェアキーボード画面表示部642とを有する。
【0052】
画面表示部610は、画面描画制御部640による制御に基づいて、ソフトウェアキーボードを表示する。画面表示部610は、ある局面において、タッチパネル300として実現される。
【0053】
タッチ位置検出部620は、画面表示部610に対するタッチ操作に基づいて、タッチ操作が行われた位置を検出する。検出される位置は、座標値、スワイプ動作における移動量(ドット数)等を含む。
【0054】
ファームウェアモジュール630は、入力装置100の動作を制御する。より詳しくは、ファームウェアモジュール630において、画面描画制御部640は、MFPアプリ660からの命令に応じて、画面表示部610にソフトウェアキーボードを表示し、あるいは、ソフトウェアキーボードの表示態様を切り替える。より具体的には、表示キーボード切替指示部641は、MFPアプリ660からの命令に応じて、
図1に示されるようなソフトウェアキーボードの表示態様の切り替えを行うための指示を検出する。ソフトウェアキーボード画面表示部642は、その指示に応じて、画面表示部610に表示させるための画像を生成する。
【0055】
タッチ操作判断部650は、タッチ位置検出部620からの出力と、予め入力装置100に保持されている基準データとに基づいて、入力装置100のタッチパネル300に対して行われたタッチ操作の内容を特定する。タッチ操作の内容については後述する。
【0056】
MFPアプリ660は、入力装置100を有するMFPの動作を規定する。MFPの動作は当業者が容易に理解できるので、動作の詳細は述べない。
【0057】
[制御構造]
図7を参照して、本実施の形態に係る入力装置100の制御構造について説明する。
図7は、入力装置100が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。ある局面において、
図7に示される処理は、入力装置100が備えるプロセッサが命令を実行することにより実現される。他の局面において、
図7に示される処理は、各処理を実行するように構成された回路素子の組み合せによって実現され得る。
【0058】
ステップS710にて、ファームウェアモジュール630は、タッチ位置検出部620からの出力に基づいて、現在のタッチ位置の座標値を取得する。タッチ位置座標値は、たとえば指400の第1の座標値Pa1(x,y)、第2の指の座標値Pa2(x,y)、タッチ中指数(タッチパネル300にタッチしている指の数)Faを含む。
【0059】
ステップS720にて、ファームウェアモジュール630は、ステップS710において取得されたタッチ位置座標値に基づいて、タッチパネル300にタッチしている指の数に変化があったか否かを判断する。ファームウェアモジュール630は、タッチしている指の数に変化があったと判断すると(ステップS720にてYES)、制御をステップS730に切り替える。そうでない場合には(ステップS720にてNO)、ファームウェアモジュール630は、制御をステップS750に切り替える。
【0060】
ステップS730にて、ファームウェアモジュール630は、ジェスチャー操作判定処理を実行する。この処理の詳細は、後述する。
【0061】
ステップS740にて、ファームウェアモジュール630は、入力操作判別処理を実行する。この処理の詳細は、後述する。
【0062】
ステップS750にて、ファームウェアモジュール630は、現在のタッチ位置座標およびタッチしている指の数を入力装置100のメモリ(図示しない)に記憶する。より具体的には、入力装置100は、以下のような値を保持する。
【0063】
Pb1(x,y)=Pa1(x,y)
Pb2(x,y)、Pa2(x,y)、
タッチ中指数:Fb=Fa
その後、処理は終了する。
【0064】
[ジェスチャー判定]
図8を参照して、本実施の形態に係る入力装置100におけるジェスチャー判定処理800について説明する。
図8は、ジェスチャー判定処理800の処理の一部を表わす図である。
【0065】
ジェスチャー判定処理800は、タッチ指数810とタッチステータス切替820とによって規定される。タッチ指数810は、タッチパネル300にタッチしている指の数として0本または1本を規定している。たとえば、タッチ指数810が「0本」であるとき、タッチステータスは「非タッチ状態」に設定されている(タッチステータス切替820)。
【0066】
一方、タッチ指数810が「1本」である場合には、その時の状態に応じて個別に規定されている。たとえば、ケース0の場合、タッチ開始位置から現在位置の差が規定ドット数未満である。このとき、タッチパネル300のタッチステータスは「タッチ中」に設定される。ケース1の場合は、前回タップ状態でありかつタッチ開始位置から現在位置が規定ドット以上である場合である。このとき、タッチステータスは、「スワイプ中」に設定される。
【0067】
[キー入力操作の判別]
図9を参照して、本実施の形態に係る入力装置100におけるキー入力操作の判別制御について説明する。
図9は、キー入力操作の判別制御のためのテーブル900を表わす図である。テーブル900は、条件910と、実行処理950とを規定している。条件910は、前回の状態920と今回の状態930とモード940とを含む。実行処理950は、入力制御960と、初期タッチ位置記憶制御970と表示制御980とを含む。
【0068】
前回の状態920は、入力装置100に対する現在の操作が行われる前の状態を表わす。今回の状態930は、入力装置100における現在の操作の状態を表わす。モード940は、タッチパネル300に対するタッチ操作の状態を表わす。
【0069】
たとえば、前回の状態920が「タッチ」であり、今回の状態930が「スワイプ」であり、モード940が「初期タッチ位置にキーあり(AorBorC面)」であるとき、入力制御960は「入力ステータスを“スワイプ中”にする」と規定されている。この場合、表示制御980として、「スワイプ量・方向に応じた、立方体キーの回転表示」が規定されている。さらに、前回状態が“キー選択中”なら、対象キーを非選択表示にするように規定されている。
【0070】
より詳細には、ユーザーが最初にタッチパネル300にタッチすると、1回目の処理で、タッチ操作判断部650はタッチ操作を検出して、タッチパネル300の状態が非タッチからタッチになったことを検出する。このとき、タッチされた場所がソフトウェアキーボード画像の正面であれば(たとえばA面)、タッチ操作判断部650は正面に割り当てられている文字、数字または記号が押下されたと判断し、その判断の結果を画面描画制御部640に出力する。画面描画制御部640において、ソフトウェアキーボード画面表示部642は、その面の表示を反転させて、画面表示部610に表示させる。これにより、ユーザーは、当該正面(たとえばA面)に対するタッチ操作が入力装置100によって受け付けられたことを認識することができる。
【0071】
さらに、タッチ操作からリリース操作が行われると、入力装置100は、当該面に割り当てられた文字、数字または記号が選択されて入力されたという情報を、該当キー選択状態として保持する。
【0072】
次回以降の定期処理において当該面に対するタッチ操作が解消されてユーザーの指がリリースされると、この時は、タッチ→非タッチであり、かつ、操作ステータスが「キー選択中」であるため、タッチ操作判断部650は、ユーザーが選択していた面に割り当てられている文字、数字または記号を、MFPアプリ660に通知する。これにより、MFPアプリ660は、タッチパネル300において、タッチされた面に対する入力操作が行われたことを検知するので、その検知結果に応じた処理を実行する。
【0073】
[キーの表示態様]
図10を参照して、本実施の形態に係る入力装置100に表示されるキーについて説明する。
図10は、キー1000の表示態様を表わす図である。
【0074】
ある局面において、キー1000は、3つの面、すなわちA面1010、B面1020、C面1030を表示する。A面1010は、タッチ操作により入力を受け付けるようにアクティブになっている面である。B面1020およびC面1030は、アクティブになっていないため、ユーザーの指が触れても、その面に割り当てられている文字あるいは記号の入力を受け付けない。他の局面において、B面1020が現在のA面1010の位置に表示されると、B面1020は、割り当てられている文字、数字または記の入力を受け付ける。
【0075】
[入力装置100の状態遷移]
図11を参照して、本実施の形態に係る入力装置100における状態の切り替えについて説明する。
図11は、入力装置100の状態遷移を表わす図である。
【0076】
入力装置100の状態は、非タッチ状態1110と、タッチ中状態1120と、スワイプ中状態1130とを含む。ユーザーがタッチパネル300に対してタッチ操作を開始すると(ステップS1111)、タッチパネル300の状態は、非タッチ状態1110からタッチ中状態1120に遷移する。その後、ユーザーが指をタッチパネル300からリリースする(すなわち、離す)と(ステップS1121)、タッチパネル300の状態は、タッチ中状態1120から非タッチ状態1110に遷移する。
【0077】
タッチ中状態1120において、ユーザーが指の移動操作を実行すると(ステップS1122)、タッチパネル300の状態は、タッチ中状態1120からスワイプ中状態1130に遷移する。
【0078】
[データ構造]
図12を参照して、本実施の形態に係る入力装置100の動作についてさらに説明する。
図12は、タッチパネル300に表示されるソフトウェアキーボードの表示の切り替えを規定するためのデータを表わす図である。入力装置100は、タッチパネル300に対するスワイプ操作の方向に応じてアニメーション表示を実行する。たとえば、ユーザーが横方向にスワイプ操作を実行すると、スワイプ操作の距離に応じて、入力装置100は、ソフトウェアキーボードを予め規定された角度だけ回転させるようなアニメーションを表示する。その状態においてユーザーが指をタッチパネル300から離すと、入力装置100は、その時の角度に応じて規定された入力種別(たとえば、文字、数字または記号)をタッチパネル300に表示する。
【0079】
より詳しくは、ある局面において、入力装置100は、テーブル1200を保持している。テーブル1200は、ソフトウェアキーボードに含まれる各キーのアニメーション表示を規定する。テーブル1200は、初期タッチ時からの移動操作距離1210と、表示(回転表示角度)1240と、リリースされたときに戻る面1250と、ジェスチャー判定1260とを含む。初期タッチ位置からの移動操作距離1210は、中心値1220と、対象範囲1230とを含む。
【0080】
中心値1220と対象範囲1230とは、たとえばドット数によって規定されている。入力装置100は、テーブル1200によって規定されている設定に基づきタッチパネル300に表示される各ソフトウェアキーのアニメーションを制御する。
【0081】
たとえば、タッチパネル300に対する操作が行われた場合において、中心値1220が40ドットであり、有効な範囲(20ドット〜59ドット)に含まれている場合、表示:回転表示角度1240は30度回転と規定されており、リリースされた時に戻る面1250はA面と規定されており、ジェスチャー判定1260は「スワイプ動作」と判定される。
【0082】
[ソフトウェアキーの表示態様]
図13を参照して、本実施の形態に係る入力装置100におけるソフトウェアキーの表示態様について説明する。
図13は、ソフトウェアキー1310が回転して表示される状態の変化を表わす図である。
【0083】
状態Aは、ソフトウェアキー1310がデフォルトで表示されている状態を表わす。すなわち、タッチパネル300は、ソフトウェアキーボードに含まれるソフトウェアキー1310を表示しており、A面に割り当てられている文字、数字または記号の入力を受け付けるようにアクティブに設定されている。この状態において、回転角度は0度と規定される。
【0084】
状態Bに示されるように、ソフトウェアキー1310は、フリック動作の程度によって、30度回転する。この時の回転の程度は、
図12に規定されている。なお、回転の中心軸は、たとえば、ソフトウェアキー1310の画面の中心を通る軸である。
【0085】
状態Cに示されるように、ソフトウェアキー1310は、さらに回転し60度回転した状態でも表示され得る。ソフトウェアキー1310がその後もさらに回転して全体で90度回転すると、状態Dに示されるように、ソフトウェアキー1310の前面は、C面に切り替わる。このとき、ソフトウェアキー1310の側面は、A面になっている。すなわち、左右の面の位置が入れ替わる。この時、上面は変わらない。
【0086】
[他の特徴]
図14を参照して、本実施の形態に係る入力装置100の特徴についてさらに説明する。
図14は、タッチパネル300における表示態様を表わす図である。本実施の形態に係る技術思想は、文字、数字または記号の入力の切り替えに限られない。たとえば、データを送信するために複数の方法が利用可能である場合に、いずれかの方法を選択する際に、本実施の形態に係る技術思想が用いられてもよい。
【0087】
より具体的には、他の局面において、入力装置100は、タッチパネル300に、MFPにおいて登録された宛先を選択するための画面を表示してもよい。宛先は、MFPから他の情報処理装置にスキャンしたデータを送信するために用いられる。送信の態様は、電子メール、FTP(File Transfer Protocol)、SMB(Server Message Block)等であるが、その他の方法が用いられてもよい。また、アドレスも一種類に限られない。たとえば、インターネットサービスプロバイダによって割り当てられたアドレス、携帯端末のアドレスその他、ネットワークサービスごとにユーザーに割り当てられたアドレスが宛先として用いられてもよい。
【0088】
データの送信において、送信者は、送信対象となるデータのサイズに応じて送信方法を選択する。たとえば、文書ファイルのサイズが大きい(データ量が多い)場合には、ユーザーは、送信容量の大きいFTPを選択し得る。他の局面において文書サイズが小さい場合には、ユーザーは、メッセージと添付ファイル(すなわち文書ファイル)の送信が同時行なわれる電子メールを選択し得る。送信相手に文書ファイルの送信がすぐに通知されるからである。
【0089】
ある局面において、大容量の原稿をFTPによって複数の宛先に送信する場合がある。MFPの送信方法の初期設定が電子メールである場合、送信者は、送信方法をFTPに切り替える必要がある。送信者が複数の宛先に原稿を送信する場合、宛先の数によっては、切り替えの操作が煩わしくなり得る。そこで、本実施の形態に係る技術思想によれば、このような場合でも、ユーザーは、容易に送信方法を選択し得る。
【0090】
より詳しくは、タッチパネル300は、宛先1410と、ソフトウェアキー1400とを表示する。ソフトウェアキー1400は、複数の立方体の画像を含む。
図14に示される例は、入力装置100を備えるMFPのユーザー(加藤さん)が伊藤さんにFTPでデータを送信する局面を表わしている。すなわち、ユーザー(加藤さん)は、送信者として画像1430をタッチすることにより、自分の名前が登録されたソフトキーを選択する。次に、ユーザーは、宛先を選択するために、キー1420を選択する。このとき、FTPで送信するための設定が割り当てられた面は、キー1420の上面に割り当てられているため、ユーザー(加藤さん)は、スワイプ動作を上から下に行なうことにより、伊藤FTPと示された面を前面に表示する。その状態でユーザーがその面(伊藤FTP)を選択すると、宛先1410に示されるように、ユーザーが望む送信態様での宛先が設定される。
【0091】
なお、ユーザーは、宛先を選択した後に、再度、宛先だけでなく、詳細情報(たとえば、宛先の詳細な名称、電子メールアドレス、FTPのアドレス、等)を確認したい場合も生じ得る。このような場合、ユーザーが選択済のキーをタッチすると、その宛先の詳細情報がタッチパネル300に表示される。これにより、ユーザーは、宛先および送信方法を選択した後であっても、詳細情報を確認することができる。
【0092】
なお、入力装置100の技術思想が上述のような送信に用いられる場合、タッチ判定のためのデータ構造は、文字入力の際に用いられるデータ構造と異なる。そこで、データ構造の相違について説明する。
【0093】
[入力装置100の設定]
そこで、
図15および
図16を参照して、本実施の形態に係る入力装置100の特徴についてさらに説明する。
図15は、入力装置100においてキーボードによる文字入力動作が行なわれる場合の設定を表わす図である。
図16は、MFPにおける宛先選択の表示の設定を規定する図である。
【0094】
図15において、数字1は、文字キーの入力モードを表わす。数字2は、数字または記号の入力モードを表わす。数字3は、記号の入力モードを表わす。
図16において、数字1は、電子メールを用いた送信を表わす。数字2は、FTPを用いた送信を表わす。数字3は、SMBを用いた送信を表わす。
【0095】
図15の左欄の上段に示されるように、タッチ箇所が「立方体の正面部」であり、タッチパネル300に対する操作が「タップ」であり、タッチパネル300に対する状態が「非スワイプ中」であり、指がタッチパネル300から離された場合には(タッチ→非タッチ)、「正面表示内容入力イベント」が実行されるように設定されている。一方、
図16の左欄の上段に示されるように、MFPの入力装置100においては、同様の条件では、「宛先の選択/非選択切替入力イベント」が規定されている。
【0096】
図15の左欄の中段と
図16の左欄の中段も異なる。このような相違を入力装置100に反映させておくことで、本実施の形態に係る入力装置100は、文字、数字または記号の入力モードの切り替え、および、送信方法の選択のいずれにも適用することができる。
【0097】
[他の態様]
図17を参照して、本実施の形態に係る入力装置100の他の特徴について説明する。
図17は、ソフトウェアキー1700の表示の切り替えの他の態様を表わす図である。
【0098】
すなわち、状態Aに示されるように、ある局面においてソフトウェアキー1700は、ほぼ矩形のキーを含む。各キーには、たとえば4つの文字または数字または記号が表示されている。この状態でユーザーが指400をタッチ操作を行ないながら右に90度回転する操作を実行すると、状態Bに示されるように、数字の入力を受け付けるように、数字の配置が通常通りとなる態様で表示される。
【0099】
図18を参照して、本実施の形態に係る入力装置100の他の特徴について説明する。
図18は、入力装置100に表示されるソフトウェアキー1800の他の態様を表わす図である。
【0100】
ある局面において、ソフトウェアキー1800は、透過した立方体を表示している。ソフトウェアキー1800は、より具体的には、前面にA面1810、上面にB面1820、側面にC面1830とを表示している。ソフトウェアキー1800は、半透明な態様で表示される。そこで、ソフトウェアキー1800は、さらに、通常は視認できない場所に位置する面1815,1825,1835にも、入力対象となる文字、数字または記号が割り当てられてもよい。
【0101】
図19を参照して、本実施の形態に係る入力装置100の他の特徴について説明する。
図19は、入力装置100のタッチパネル300に表示されるソフトウェアキーが円形である場合の一態様を表わす図である。
【0102】
状態Aに示されるように、ある局面において、タッチパネル300は、円形のキー1900を表示する。キー1900は、たとえば、領域1910,1920,1930を含む。領域1910の大きさは、他の領域1920,1930に比べて大きい。このとき、領域1910は、タッチ操作の入力を受け付けるように、アクティブに設定されている。したがって、状態Aにおいてユーザーが領域1910をタッチすると、英文字Aの入力が受け付けられる。
【0103】
ユーザーが指を当ててタッチパネル300において時計方向に回転させるようなジェスチャーを実行すると、タッチパネル300は、状態Bに示されるように、文字または記号の配置が変わった状態のキーを表示する。具体的には、キー1900は、領域1930を中心に表示し、領域1910,1920を領域1930よりも小さく表示する。この状態でユーザーがタッチ操作を実行すると、記号*の入力が受け付けられる。
【0104】
さらにユーザーがタッチパネル300において回転操作を実行すると、タッチパネル300は、領域1920を中心に表示する。領域1910,1930は、領域1920よりも小さく表示される。この状態でユーザーが領域1920にタッチすると、記号−の入力が受け付けられる。
【0105】
このようにキーを円形にすることで、回転のイメージがユーザーに伝わりやすくなる。また、各キーにおいて割り当てられている文字および記号が同様の方向で表示されているため、ユーザーは各キーに割り当てられている文字、数字または記号を容易に認識しやすくなる。
【0106】
なお、入力モードの切り替えは、回転操作に限られない。たとえば、押下の時間によってアクティブとなる領域が切り替えられてもよい。たとえば、状態Aにおいて、領域1910がアクティブである場合、ユーザーは領域1920または1930を長押ししてもよい。この場合、長押しされた領域の状態が非アクティブからアクティブに切り替えられて、領域1910の場所に、長押しされた領域に割り当てられている数字または記号が表示されてもよい。このような構成によれば、ユーザーは、入力モードの切り替えを直感的に把握することができるため、操作性が向上し得る。
【0107】
[ハードウェア構成]
図20を参照して、本実施の形態に係る入力装置100のハードウェア構成の一例について説明する。
図20は、入力装置100のハードウェア構成を表わすブロック図である。ある局面において、入力装置100は、周知の構成を有するコンピューターを用いて実現される。
【0108】
より具体的には、入力装置100は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1と、入力装置100のユーザーによる指示の入力を受けるマウス2およびキーボード3と、CPU1によるプログラムの実行により生成されたデータ、又はマウス2若しくはキーボード3を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM4と、データを不揮発的に格納するハードディスク5と、光ディスク駆動装置6と、モニター8と、通信IF(Interface)9とを備える。各構成要素は、相互にバスによって接続されている。光ディスク駆動装置6には、CD−ROM9その他の光ディスクが装着される。通信IF9は、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、Bluetooth(登録商標)インターフェイス等を含むが、これらに限られない。
【0109】
入力装置1000における処理は、入力装置100を構成するハードウェアおよびCPU1により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスク5に予め格納されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD−ROM9その他のコンピューター読み取り可能な不揮発性のデータ記録媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、当該ソフトウェアは、インターネットその他のネットワークに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、光ディスク駆動装置6その他のデータ読取装置によってデータ記録媒体から読み取られて、あるいは、通信IF7を介してダウンロードされた後、ハードディスク5に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU1によってハードディスク5から読み出され、RAM4に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU1は、そのプログラムを実行する。
【0110】
図20に示される入力装置100を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本実施の形態に係る最も本質的な部分は、入力装置100に格納されたプログラムであるともいえる。入力装置100の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0111】
なお、データ記録媒体としては、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する不揮発性のデータ記録媒体でもよい。
【0112】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含み得る。
【0113】
[構成]
ある局面において、モニター8は、キーボードを構成する各キーの画像を表示する。モニター8は、キーボードの画像に対する入力操作を受け付けるタッチパネルを備える。各キーは、入力装置100の動作モードに応じた入力を受け付けるように設定されている。CPU1は、タッチパネルに対する操作に応じた動作モードを複数の動作モードから選択して、選択された動作モードに対応したキーボードをモニター8に表示させるように構成されている。
【0114】
好ましくは、モニター8に表示される各キーの画像は、直方体が3次元的な態様で表示された画像、または、当該キーに割り当てられる文字、数字または記号が一つのキーに表示された画像を含む。
【0115】
好ましくは、CPU1は、各キーのいずれかに対する操作に基づいて、モニター8に表示されているキーボードを構成する他のキーの表示態様を連動して変更するように、さらに構成されている。
【0116】
好ましくは、動作モードは、入力モードと、送信モードのいずれかを含む。
好ましくは、入力モードは、文字の入力モード、記号の入力モード、数字の入力モードを含む。
【0117】
好ましくは、動作モードに応じて、タッチパネルに対するタッチ操作が行われた時の動作イベントと、タッチ操作が行われている場合におけるジェスチャー操作が行われた時の動作イベントとは、切り替え可能である。
【0118】
好ましくは、各キーの画像は透明または半透明である。各キーの各々の各面のうちキーボードの視点から裏側に位置する面に割り当てられている画像は、反転して表示される。
【0119】
好ましくは、モニター8に表示される各キーは回転表示可能である。モニター8のタッチパネルは、回転後の各キーの位置に応じて入力を受け付けるように構成されている。
【0120】
<まとめ>
以上のようにして、本実施の形態に係る入力装置100は、ソフトウェアキーボードを表示し、タッチパネルに対する操作に応じて、当該ソフトウェアキーボードの入力モードまたは送信モードのような動作モードを切り替える。これにより、入力装置100のユーザーは、簡易な操作で、動作モードを切り替えることができるため、入力装置100の操作性が向上し得る。
【0121】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。