(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動手段は、搬送方向に対して斜めになるように設けられた第1の領域と、前記第1の領域の先に連続的に搬送方向と平行となるように設けられた第2の領域と、を備えるガイド板を備えており、
前記ガイド板は、前記搬送手段で錠剤シートが搬送される際に、前記第1の領域に錠剤収容部が接するような位置関係に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の錠剤取出装置。
錠剤が封入された錠剤収容部を複数備えた錠剤シートを保持する錠剤シート保持部と、錠剤シートの錠剤収容部の側から押圧することで封入された錠剤を取り出す押圧部を備えた錠剤取出手段と、を備える錠剤取出装置における、前記錠剤取出手段の位置を調整する調整方法であって、
錠剤シートのシート端部位置を特定する第1の特定工程と、
前記錠剤収容部の錠剤収容部の位置を特定する第2の特定工程と、
前記第1の特定工程で特定されるシート端部位置に応じて錠剤シートの位置を調整した後に、前記第2の特定工程で特定される錠剤収容部の位置に応じて前記搬送方向と交差する方向の前記錠剤取出手段と錠剤シートの錠剤収容部との相対的な位置を調整する調整工程と、
を有することを特徴とする調整方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて、本発明の錠剤供給システム(
図1)について説明する。
【0011】
図1は、包装装置5と錠剤を取り出して包装装置5に供給する錠剤供給装置10を含む錠剤供給システム(錠剤取出システム)を示す図である。
図1は、錠剤供給装置10、及び錠剤供給装置10から供給された錠剤を包装する包装装置5を含む錠剤供給システムを示す図である。1は、錠剤取出ユニットであり、錠剤シートから錠剤を取り出すユニットである。
図2(a)は、
図1の一部領域を拡大して示す図である。さらに、
図2(b)は、錠剤シートを錠剤取出ユニットに投入するための投入口203の部分を拡大した図である。
【0012】
錠剤シート51は、プラスチック等からなる錠剤を収容する錠剤収容部510を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が1錠ずつ錠剤収容部に封入されたものである。錠剤シート51は、一般的にPTPシート(press through pack)と呼ばれている(以下錠剤シートのことをPTPシートとも称する)。
【0013】
錠剤供給装置10には複数の錠剤取出ユニット1(錠剤取出部)が収納されている。錠剤取出ユニット1は、本発明の錠剤取出装置の適用例である。錠剤取出ユニット1は、幅方向(左右方向)に6つが並べられ、この6つの錠剤取出ユニット1からなる組が上下に3段に配置されている。すなわち、錠剤取出ユニット1は、左右6列、上下3段に配列されている。このように錠剤供給装置10は錠剤取出ユニット1を複数備えているが、錠剤取出ユニット1の数は1でもよい。
【0014】
5は、包装装置であり、錠剤供給装置10の錠剤取出ユニット1から供給された錠剤を包装する装置である。103は、散薬投入部であり、包装装置5で分包する散薬を投入する部分である。散薬投入部103に投入された散薬は、投薬1回分ごとに分けられ、これを後述するメインホッパー505に投入することで、1回分ずつに分包される。10は、錠剤供給装置であり、1または複数の錠剤取出ユニット1と、錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を供給する錠剤供給ユニット400とを備えている。
【0015】
錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1により錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して、錠剤供給ユニット400の供給経路を経て、包装装置5に供給する。錠剤供給装置10は、
図1に示す通り、複数の錠剤取出ユニット1を備えている。さらに錠剤供給装置10は、1又は複数の錠剤を、それぞれ錠剤収容部に封入された錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して供給する。
【0016】
次に、
図3を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
【0017】
図3は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。なお、
図3は、錠剤取出ユニット1が2つ並んで配置されている例を示している。
【0018】
錠剤取出ユニット1は、錠剤収容部510が重力方向に関して上側に来るような状態で複数の錠剤シート51を積層させて投入可能な投入口203(錠剤シート保持部)と、錠剤シート51を搬送する搬送機構と、搬送機構により搬送された錠剤シート51が載置される載置台と、載置台上の錠剤シート51の錠剤収容部の側から押圧して錠剤を取り出す押出し機構(錠剤取出機構)とを有している。すなわち載置台上が除包位置(取出位置)として用いられる。錠剤シート51は、錠剤を収容する錠剤収容部510を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が錠剤収容部に密封されている。さらに錠剤シート51は、シート部上に凸状の錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて2列に並んだ形態である。各列をなす複数の錠剤収容部は錠剤シート51の長さ方向に沿って並んでいる。
【0019】
なお、錠剤シート51としては、シート部上に錠剤収容部が2列に並んだ形態のものに限らず、錠剤収容部が錠剤シート51の長さ方向に1列に並んだ形態や、錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて3列以上の複数列に並んだ形態も可能である。
【0020】
ここで、さらに、
図4を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図4は、錠剤取出ユニット1の内部構造(断面)を示す図であり、錠剤取出ユニット1を右側面から見た図である。具体的には投入口203にセットされた錠剤シートを、錠剤の除包位置(錠剤の取出位置)まで搬送を行った際の図である。
【0021】
錠剤取出ユニット1は、錠剤シートを搬送する錠剤シート搬送機構(搬送機構)と、錠剤シートが載置される載置台18と、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出機構(押出し機構)とを備えている。39は、下部ローラである。
【0022】
錠剤シート搬送機構は、錠剤シート51を進行方向に向け搬送するものであって、進行方向に沿って互いに間隔をおいて複数設けられた下部ローラ39と、進行方向に沿って互いに間隔をおいて設けられた上部ローラとを備えている。
【0023】
下部ローラ39は、駆動源(不図示)により回転駆動可能であり、錠剤シート部の重力方向に関して下面側に当接して錠剤シート51に進行方法への力を加えることができる。そして上部ローラは、駆動源(不図示)により回転駆動可能であり、PTPシート部の重力方向に関して上面に当接して錠剤シート51に進行方向への力を加えることができる。
【0024】
上部ローラおよび下部ローラの幅方向に関する配置位置は、2列の錠剤収容部の間に相当する位置であるため、上部ローラと下部ローラとは錠剤シートを搬送する際に錠剤収容部52に当接することはない。つまり、下部ローラ39と上部ローラとは、錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シートを進行方向(錠剤取出装置の後方方向)に搬送できる。さらに、下部ローラ39と上部ローラは錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シート51を進行方向とは逆の方向にも搬送できる。
【0025】
24は、導入シュートである。導入シュート24は、載置台の下面側に設けられており、錠剤シート51から取り出された錠剤を、後述する錠剤導入路401に導くものである。すなわち、導入シュート24は、載置台の下面側に排出口を有しており、錠剤シート51から取り出された錠剤はその排出口を通り、後述する錠剤導入路401に落ちていく。なお、この導入シュート24は、錠剤取出ホッパーとも言う。
【0026】
錠剤取出ユニットは、載置台18上に錠剤シート51を搭載した状態で、押出し機構で錠剤を押し出すことで錠剤の取出動作を行う。また、錠剤取出ユニット1は、載置台18上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧する速度を変更させる変更機構をさらに有している。そして錠剤取出ユニットの所定の動作で錠剤が取り出せなかった場合には、押出し機構の押出し速度を通常の速度より高速に変更して錠剤収容部の押圧を行い、取出動作の継続(リトライ)を行う。またリトライの際には、錠剤収容部の押圧を再度行う前に1度目の載置台18上の押圧位置から所定の距離だけ搬送手段で錠剤シート51を搬送させ、この状態で押出し機構を用いて錠剤収容部を押圧する。このような状態でリトライ動作を行うことにより、1度の取出動作で錠剤が取り出されなかったとしても、確実に錠剤を取り出すことができる。
【0027】
次に、押出し機構の詳細について説明する。押出し機構は、錠剤収容部の中央付近を押圧する内側押圧体83と、内側押圧体83を取り囲むように設けられ、中央付近よりも外側の部分を押圧する外側押圧体84とを含んで設けられている。この内側押圧体83と外側押圧体84とが独立して動作することでPTPシートの錠剤収容部を押圧し、PTPシートから錠剤を取り出す。具体的には押出し機構は、内側押圧体83よりも先に外側押圧体84により錠剤収容部を押圧する。
【0028】
内側押圧体83の先端は、錠剤取出ユニットに搭載されることが想定されるほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が狭くなるように設けられている。そのため、内側押圧体83を錠剤を取り出すために下降させると、錠剤シートの錠剤収容部の面よりも重力方向に関して下側に至るまで先端が到達し、錠剤シート51の金属箔に開いた穴から先端が下側に突き出る。
【0029】
一方、外側押圧体84の先端は、錠剤取出ユニットに搭載されることが想定されるほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が広いので、錠剤を取り出すために下降させても、錠剤シート51の金属箔に開いた穴から先端が突き出ない。
【0030】
すなわち、外側押圧体84を用いて最初に錠剤シート51の錠剤収容部を押し潰し、その後内側押圧体83で錠剤を確実に押し出すというように用いられる。
【0031】
また、錠剤取出機構(押出し機構)は、外側押圧体84を昇降させる第1昇降機構と、内側押圧体83を昇降させる第2昇降機構とを有している。
【0032】
第1昇降機構は、外側押圧体84が取り付けられた第1昇降体93と、回転駆動して第1昇降体93を昇降させるカム94と、第1昇降体93を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
【0033】
第1昇降体93は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に外側押圧体84が取り付けられている。カム94は、外側押圧体84の昇降動作を考慮して設計された形状の板状体であり、駆動機構によって回転駆動する軸部に固定されている。
【0034】
カム94は、第1昇降体93の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第1昇降体93を押圧することによって高さ位置を調整し、これによって外側押圧体84の高さ位置を調整する(外側押圧体84の昇降動作を行う)ことができる。第1昇降機構は、カムの回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、外側押圧体84の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
【0035】
第2昇降機構は、内側押圧体83が取り付けられた第2昇降体98と、回転駆動して第2昇降体98を昇降させるカム99と、第2昇降体98を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
【0036】
第2昇降体98は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に内側押圧体83が取り付けられている。カム99は、第2昇降体98の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第2昇降体98を押圧して高さ位置を調整し、これによって内側押圧体83の高さ位置を調整する(内側押圧体83の昇降動作を行う)ことができる。第2昇降機構は、カム99の回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、内側押圧体83の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
【0037】
このため、カム94とカム99は、それぞれ第1昇降体と第2昇降体に対して互いに独立に動作可能であり、内側押圧体83と外側押圧体84は、互いに独立に昇降動作させることができる。
【0038】
錠剤取出機構における2つのカムの回転動作のタイミング等は、錠剤位置検出機構の検出部からの信号に基づいて定めることができる。具体的には、検出された錠剤収容部の位置に合わせて内側押圧体83と外側押圧体84を動作させることができる。
【0039】
錠剤取出ユニット1は、PTPシートの錠剤収容部の押圧をする前に、押圧される錠剤収容部の長さや押圧される錠剤収容部の位置を検知することができる検出機構17をさらに有している。そして錠剤供給装置は、検出した錠剤収容部の長さや錠剤収容部の位置に応じて押圧に最適な搬送方向に関する位置を算出し、当該位置とするために必要な搬送距離を算出することもできる。つまり搬送機構(下部ローラ39、上部ローラ)は、搬送距離により載置台18上の錠剤収容部が押圧するために必要な最適位置に錠剤シートを搬送することができる。
【0040】
次に、
図5を用いて、錠剤供給装置10の内部構造について説明する。
図5は、錠剤供給装置10を背面側(裏側)から見た図である。
【0041】
204は、光学センサ(ビームセンサ)等で設けられた、落下物を検知する検知機構である。除包された錠剤が導入シュート24内を落下する際、除包された錠剤がセンサ上を通過し光の一部を遮光することになる。このビームセンサの光の一部が遮光され、光量が変化した状態をON状態とし、遮光されておらず光量が変化しない状態をOFF状態とする。このON/OFF状態を用いて落下物の有無の判定を行うことができる。さらに錠剤落下検出機構は、光学センサ204と錠剤の通過をカウントする落下錠剤カウンタとを有する。すなわち錠剤供給装置10には、検知機構で錠剤の通過を検知可能となるように設けられており、押圧により錠剤収容部から錠剤が取り出されたか否かを判定することができる。
【0042】
つまり取出動作を行っても錠剤の通過が検知されない場合には、押出し機構による錠剤収容部の押圧動作を継続(リトライ)させる。これにより、確実に錠剤の取り出しを行うことができる。一方、取出動作後に錠剤の通過が検知されない場合には、取出動作後に押出し機構による錠剤収容部の押圧動作を継続(リトライ)しない。
【0043】
401は、錠剤導入路(通過経路)である。錠剤導入路401は、導入シュート24と導通しており、錠剤シートから取り出され落下した錠剤を導入シュート24から第1集積ホッパーに中継する。
【0044】
次に、
図6を用いて、錠剤供給ユニット400の内部構造について説明する。第1集積ホッパー402は、錠剤取出ユニット1により、PTPシートから取り出された錠剤が導入シュート24を落下して通り、そして、導入シュート24から錠剤導入路401を通り、該錠剤が集積される部分である。すなわち、錠剤導入路401は、第1集積ホッパー402と直接、導通している。
【0045】
第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402で集積された錠剤をさらに集積する。すなわち、第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402と導通している。
【0046】
つまり第1集積ホッパー402に落ちてきた錠剤50は、第2集積ホッパー501に落ちて集積される。
【0047】
第1の送り出し機構502は、第2集積ホッパーに集積された錠剤50を第3の集積ホッパーに移動させる。第3集積ホッパー503は、第1の送り出し機構502により送り出(移動)された錠剤を集積する。そして第2の送り出し機構504が、第3集積ホッパーに集積された錠剤をメインホッパー505に移動させる。そしてメインホッパー505は、第2の送り出し機構504により送り出(移動)された錠剤(1回分)を集積し、包装シート(分包紙)の中に集積した錠剤を投入する。
【0048】
次に、
図7、
図8を用いて、包装ユニット701の内部構造について説明する。
【0049】
図7は、包装ユニット701の内部構造を示す図である。
図8は、
図7に示す包装ユニット701の内部構造の一部(703、704、705)を拡大した図である。
【0050】
包装ユニット701は、包装装置5内のユニットである。702は、包装シートが連なるロール紙(分包紙がロール状になっている紙)を包装機構に送り出すロール紙送出機構である。703は、メインホッパー505内に集積された錠剤(1回分の錠剤)が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。そして704では、メインホッパー505内に集積された錠剤が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。すなわち、包装機構703と、包装機構704とで、包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する。
【0051】
705は、連なるロール紙を1包毎の包装シート(1つの包み802)に分断するための分断用ミシン目801を包装シートに形成する分断機構である。706はプリンタであり、包装シートに、日付、患者データ、エラー情報を印字する(印字機構)。
【0052】
このような
図7及び
図8に示す包装ユニットにより、投薬1回分の錠剤または散薬を包装シートに分包することができる。なお包装シートとしては、表面に熱溶着可能な樹脂材をコーティングした紙のみならず、中身を視認することができる透明なフィルム材を用いることもできる。
【0053】
次に、
図9を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。901は、錠剤シートの投入口203のカバーである。カバー901を開けることにより、錠剤シート51を投入口203に入れることが出来るようになる。また、
図9に示す24は、導入シュートであり、既に、
図4などを用いて説明しているため、ここでは説明を省略する。
【0054】
次に、
図10を用いて、錠剤供給装置10について説明する。
図10は、錠剤供給装置10を正面から見た図である。
図10に示す1は、
図1にも示している通り、錠剤取出ユニットである。錠剤取出ユニット1で、錠剤シートから取り出された錠剤は、導入シュート24を通り、そして、錠剤導入路401を通り、第1集積ホッパー402に落ちていく。
【0055】
次に、
図11を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。
図11は、錠剤供給装置10を横(正面から見て右側)から見た図である。
図10でも説明したが、錠剤取出ユニット1で、錠剤シートから取り出された錠剤は、導入シュート24、錠剤導入路を通り、第1集積ホッパー402内に落ちてくる。
【0056】
そして、第1集積ホッパー402を通った錠剤は、第2集積ホッパー501を通り、第1の送り出し機構502に送られる。第1の送り出し機構は、第1の中継ユニットである。
【0057】
そして、第1の送り出し機構502は、錠剤を第3集積ホッパー503に送り、第3集積ホッパー503は、第2の送り出し機構504に錠剤を送る。第2の送り出し機構504は、第2の中継ユニットである。第2の送り出し機構504は、第2の送り出し機構504に送られた錠剤を、メインホッパー505に送る。
【0058】
次に、
図12を用いて、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤がどのように、導入シュート24、錠剤導入路401、第1集積ホッパー402を通るかについて説明する。
【0059】
図12は、
図10に示した錠剤供給装置10の一部を抜粋した図である。すなわち、
図10に示す錠剤取出ユニット1を2段分削除した図が、
図12である。
図12に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。また、
図12に示す通り、第1集積ホッパー402の左側の導管、及び真ん中の導管の幅は、直径が78mmである。
【0060】
次に、
図13を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。
図13は、錠剤供給装置10の内部を横(正面から見て右側)から見た図である。
図13に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。また錠剤供給ユニット400には、
図13に示すように第1の段と第2の段と第3の段とが重力方向に関して重なるように設けられている。各段には、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出ユニット1、錠剤導入路401、及び導入シュート24が設けられている。
【0061】
最上段(第1の段)の錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤は、第1の段の導入シュート24、中段(第2の段)の錠剤導入路401、下段(第3の段)の錠剤導入路401を通過して第1の傾斜部1401に至る。また、第2の段の錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤は、第2の段の導入シュート24、第3の段の錠剤導入路401を通過して第1の傾斜部1401に至る。また、第3の段の錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤は、第3の段の導入シュート24を通過して第1の傾斜部1401に至る。
【0062】
最上段(第1の段)の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1301までの距離は、約460mmである。そして中段(第2の段)の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1301までの距離は、約265mmである。
【0063】
また、第1集積ホッパー402の長さは、約362mmである。すなわち、最下段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第2集積ホッパー501までの距離は、約362mmである。各段の錠剤取出ユニット1で、錠剤シートから錠剤が取り出されると、錠剤は、導入シュート24を通り、導入シュート24の出口から、錠剤導入路401を通り、そして、第1集積ホッパー402に入り、第2集積ホッパー501に集積される。
【0064】
この時、錠剤供給装置10全体の分包時間を短縮させることを考慮すると、導入シュート24(錠剤取出ホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めることが考えられる。しかし最上段の錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を、導入シュート24(錠剤取出ホッパー)出口からまっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めると約876mmもある。そのため、錠剤が割れたり、欠けたりして破損してしまう可能性が高くなる。また、錠剤シートから取り出される薬が、カプセルの場合は凹んだりして変形をしてしまう可能性が高くなる。
【0065】
錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1が複数積み上げられて使用できるようになっている。そのため、特に最上段の錠剤取出ユニット1から錠剤が落下する場合には、導入シュート24(錠剤取出ホッパー)出口から第2集積ホッパーまでの距離が非常に長くなり、錠剤シートから取り出される錠剤、又はカプセルが、破損してしまう可能性が高くなってしまう。
【0066】
そこで、第1集積ホッパー402の上部に、分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第1の傾斜部1301を設ける。すなわち、第1集積ホッパー402の上部の一部をオフセットさせる。具体的には重力方向から約32°の傾斜を有する第1の傾斜部1301としている。
【0067】
また、第2集積ホッパー501においても、第1集積ホッパー402から第2集積ホッパー501の下部にダイレクトに錠剤が到達しないように、第2集積ホッパー501も分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第2の傾斜部1302を設けている。具体的には、第2の傾斜部1302は、水平方向より約40°の傾斜としている。
【0068】
なお上述の第1の傾斜部1301及び第2の傾斜部1302の角度は一例であり、落下してくる錠剤がバウントして(落下スピードを落として)、その後の経路に移動可能な角度(次の供給部に落下により供給可能な角度の傾斜)であれば、どのような角度でもよい。
【0069】
このように第1集積ホッパー402に第1の傾斜部1301、第2集積ホッパー501に第2の傾斜部1302を備えることで、錠剤取出ユニット1の導入シュート24出口から、第2集積ホッパー501の下部までダイレクトに錠剤が落下することを防止できる。これにより錠剤の落下向きを変えることができ、錠剤が破損や変形しない程度のクッションを与えることができる。その結果、落下してくる錠剤が第2集積ホッパー501の下部に到達した時の衝撃を和らげることができ、錠剤が破損、変形する可能性を低減させることが出来るようになる。
【0070】
第1の傾斜部は、錠剤取出装置から落下してきた錠剤が接触する位置に設けられており、第2の傾斜部は、第1の傾斜部に接触した錠剤がさらに落下して接触する位置に設けられている。
【0071】
また、第1の傾斜部1301、第2の傾斜部1302に、ゴムなどの、衝撃を吸収する材料(衝撃吸収材)を更に設けることにより、錠剤の衝撃をさらに抑えることが可能となる。
【0072】
次に、
図14乃至
図23を用いて、錠剤シート51の錠剤収容部510の幅方向に関する位置に応じて、錠剤収容部510の位置と錠剤取出機構による取出位置との相対的な関係を調整し、最適な取出位置で取出動作を行えるようにする方法について説明を行う。なお、ここでは1つの錠剤取出ユニット1に着目して説明を行う。
【0073】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態として
図14乃至
図20を用いて、錠剤シート51の錠剤収容部510の幅方向に関する位置に応じて、錠剤取出機構の幅方向(搬送方向と交差する方向)に関する取出位置を調整する方法について説明を行う。
【0074】
図14は、錠剤供給装置10を上側から見た投影図であり、錠剤取出ユニット1の投入口203に錠剤シート51が投入された初期状態を示している。
図15は、
図14のトレース板2101の部分を拡大した図である。
図16は、
図14の錠剤シート51の錠剤収容部510がトレース板2101の近傍にまで搬送された状態を示す図である。
図17は、
図15の錠剤シート51の錠剤収容部510が取出位置近傍にまで搬送された状態を示す図である。
図18は、錠剤供給装置10の内部を後方(裏)からみた図である。
【0075】
錠剤取出ユニット1は、錠剤シート幅検出センサ1401をそれぞれ備え、錠剤シートの両端をガイドする一対の錠剤シートガイド1402を備えており、錠剤シートが投入口203にセットされると、不図示のモータを駆動させて一対の錠剤シートガイド1402を内側に移動させる。この一対のシートガイド1402を両側の錠剤シート幅検出センサ1401によって錠剤シートが検知されるまで移動させることで、両側の錠剤シート51の幅方向に関する位置決め動作が行われる。
【0076】
錠剤シートの幅検出センサ1401として、具体的にはアクチュエータ付フォトセンサを使用することができる。このようなセンサを両側に配置しておき、錠剤シートが触れてセンサがOFFとなることによりシートガイド1402の動作を停止させることができる。
【0077】
シートガイド1402によって位置決め動作が行われた後に、一度1ミリメートルほど広げる動作を行う。これは新品の錠剤シートは、内側に丸まっている状態で搬送されていく可能性があり、広げる動作を行わずに搬送を継続すると、錠剤シートの幅に比べて狭い搬送経路を通すことになるため、錠剤シートが引っ掛かり搬送不良となる可能性が高いためである。上述のような広げる動作を行うことにより、どのような錠剤シートであろうと錠剤シートの幅よりも搬送経路を広くすることができるため、搬送不良を防止でき、除包動作を確実に行うことができる。
【0078】
さらに、シートガイド1402には、
図14に示すように錠剤収容部510の側面に沿うように幅方向に関して稼働できるトレース板2101(ガイド板)と、付勢部材(バネ)2103と、位置センサ2102とが設けられている。トレース板2101は、
図15に示すように搬送方向に対して斜めになるように設けられた第1の領域2111と、搬送方向に対して平行となるように設けられた第2の領域2112とを備えており、さらに第1の領域2111と第2の領域2112とは、連続的につながった一枚の板として構成されている。
【0079】
そしてシートガイド1402が錠剤シートの位置決め動作によって内側に移動する際に、トレース板2101と位置センサ2102と付勢部材2103も連動して内側に移動する。このとき、一対のトレース板2101は、一対のトレース板2101の第2の領域2112の間隔が、錠剤シートの幅方向に関する2つの錠剤収容部510の外側の間隔よりも狭くなるような位置関係となるように設けられており、この状態で付勢部材2103により内側方向に付勢されている。つまり付勢部材2103は、錠剤収容部510に押される方向と反対の方向にトレース板2101を付勢している。なお、付勢部材2103としては、バネのみならずゴムなどの他の弾性材料を用いてもよい。以上のように設けることで、錠剤シートの錠剤収容部510の側面に確実に接するようにすることができる。
【0080】
位置決め動作が行われた錠剤シートが
図16に示すように錠剤収容部510がトレース板2101と接する位置にまで搬送されると、まずトレース板2101の第1の領域2111の部分に錠剤収容部510の側面が接する。さらに錠剤シート51の搬送が進んでいくと、第1の領域2111から第2の領域2112に接する位置が移動していき、これに伴いトレース板2101は錠剤収容部510によって外側に押し広げられていくことになる。すなわち、投入口203から載置台への搬送中に、錠剤シートの錠剤収容部510の両側面にトレース板2101が接することになる。
【0081】
次に、2つの位置センサ2102のそれぞれが、対応するトレース板2101の移動量を算出する。そして押出し位置移動モータ2301を移動量に応じて駆動させて、錠剤押出し部1403の幅方向(搬送方向と交差する方向)に関する位置を移動させる。このとき、
図18に示すように押出し位置移動モータ2301が駆動されるとネジ2410が回転し、この回転に伴いネジ2410に連結されている昇降体保持部2401が動く。これにより、第1昇降体93を備える第1昇降機構と第2昇降体を備える第2昇降機構とが幅方向に移動し、押出し部1403の位置を錠剤押出し部1403が錠剤収容部510の中央付近に来るように調整される。
【0082】
このように位置を調整した状態でカム94、カム99を駆動させて第1昇降体93および第2昇降体98を動かすことで、錠剤押出し部1403を用いた錠剤取出動作が行われる。すなわち錠剤収容部510の側面の位置に応じて錠剤押出し部1403の位置調整を行うことにより、錠剤収容部510の中央付近を押圧することができ、錠剤を確実に錠剤収容部から取り出すことができる。また、このように錠剤収容部510の側面の位置に応じて位置調整を行うことにより、錠剤シートの端部と錠剤収容部510との距離が錠剤の種類に応じて異なっている場合や同じ種類であってもばらつきがある場合や左側と右側とで錠剤シートの端部と錠剤収容部510との距離が異なっている場合でも、錠剤を確実に錠剤シートから取り出すことができる。なお、本実施形態においては第1昇降機構と第2昇降機構とが移動し、カム94及びカム99は移動しない例を示したが、カム94及び99を連動して動くように設けてもよい。カムも連動して動かすことにより、様々な幅を有する錠剤シートにも対応することができるようになる。
【0083】
このような制御は、錠剤供給装置に通知ケーブルを介して接続された情報処理装置によって行われる。
図20にこのような情報処理装置のハードウェア構成を示す。CPU3001は、システムバス3004に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0084】
また、ROM3002あるいは外部メモリ3011には、CPU3001の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM3003は、CPU3001の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU3001は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM3003にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0085】
また、入力コントローラ(入力C)3005は、キーボードや不図示のマウス等の入力端末3009からの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)3006は、ディスプレイ3010等の表示器への表示を制御する。
【0086】
メモリコントローラ(MC)3007は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリ3011へのアクセスを制御する。
【0087】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)3008は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0088】
なお、CPU3001は、例えばRAM3003内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ3010上での表示を可能としている。また、CPU3001は、ディスプレイ3010上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0089】
次に、
図19のフローチャートを用いて、本実施形態における錠剤取出動作の流れを説明する。本制御を実現するためのプログラムは外部メモリ3011等に記録されており、必要に応じてRAM3003にロードされることによりCPU3001によって実行されるものである。
【0090】
S1901では、ユーザによる投入指示を受けて一対のシートガイド1402を内側に移動させ、投入口203にセットされた錠剤シート51を両側の錠剤シート幅検出センサ1401によって錠剤シートが検出したかを判断する。錠剤シートが検出されない場合には、錠剤シートが投入口203に投入されていない可能性が高いため、シートガイド1402の位置をもとに戻して終了する。S1901で錠剤シートが検出されると、S1902では、錠剤シートの搬送動作を開始する。
【0091】
S1903では、錠剤シートの搬送に応じて錠剤収容部510によりトレース板2101が押されて、位置センサ2102がONされたか判断する。言い換えると、位置センサ2102がONされるまで搬送動作を行う。位置センサ2102がONされた場合には、S1904で、トレース板2101の移動量(カウント数)を取得する。S1905では、トレース板2101の移動量(カウント数)から、錠剤シート51の錠剤収容部510の中央付近の位置を算出する。S1906では、S1905で算出された位置に錠剤押出し部1403を移動させ、幅方向(搬送方向と交差する方向)に関する位置を調整する。S1907では、錠剤取出位置まで錠剤シートが搬送されたかを判断する。言い換えると、錠剤取出位置となるまで錠剤シートの搬送を行う。S1908では、錠剤押出し部1403で錠剤収容部510を押圧することで錠剤の取出動作を行う。以上のように錠剤押出し部1403の位置を制御することで、錠剤シートの搬送方向と交差する方向に関する錠剤取出手段と錠剤収容部との相対的な位置を、錠剤を確実に錠剤収容部から確実に取り出せる位置とした状態で取出動作を行うことができる。
【0092】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として
図20乃至
図23を用いて、錠剤シート51の錠剤収容部510の幅方向に関する位置に応じて、錠剤シートガイド1402(一対のガイド手段)の幅方向(搬送方向と交差する方向)に関する位置を調整する方法について説明を行う。なお、本実施形態においては第1の実施形態と異なる部分を中心に説明を行い、第1の実施形態と同様な例えば
図20に示す情報処理装置のハードウェア構成などについては説明を省略する。
【0093】
図21は錠剤供給装置の内部を上側から見た図であり、
図15の錠剤シート51の錠剤収容部510が取出位置近傍にまで搬送されており、錠剤シートガイド1402の幅方向に関する位置が調整された後の状態を示す。
図22は、錠剤供給装置の内部を正面から見た図である。
図23は、本実施形態における錠剤取出動作の流れを説明するためのフローチャートである。
【0094】
本実施形態においては、錠剤取出ユニット1は、錠剤シート幅検出センサ1401をそれぞれ備える一対の錠剤シートガイド1402を備えており、錠剤シートが投入口203にセットされると、不図示のモータを駆動させて一対の錠剤シートガイド1402を内側に移動させる。この一対のシートガイド1402を両側の錠剤シート幅検出センサ1401によって錠剤シートが検知されるまで移動させることで、両側の錠剤シート51の幅方向に関する位置決め動作が行われる。
【0095】
錠剤シートの幅検出センサ1401として、具体的にはアクチュエータ付フォトセンサを使用することができる。このようなセンサを両側に配置しておき、錠剤シートが触れてセンサがOFFとなることによりシートガイド1402の動作を停止させることができる。
【0096】
シートガイド1402によって位置決め動作が行われた後に、一度1ミリメートルほど広げる動作を行う。これは新品の錠剤シートは、内側に丸まっている状態で搬送されていく可能性があり、広げる動作を行わずに搬送を継続すると、錠剤シートの幅に比べて狭い搬送経路を通すことになるため、錠剤シートが引っ掛かり搬送不良となる可能性が高いためである。上述のような広げる動作を行うことにより、どのような錠剤シートであろうと錠剤シートの幅よりも搬送経路を広くすることができるため、搬送不良を防止でき、除包動作を確実に行うことができる。
【0097】
さらに、シートガイド1402には、第1の実施形態と同様に錠剤収容部510の側面に沿うように幅方向に関して稼働できるトレース板2101(ガイド板)と、付勢部材(バネ)2103と、位置センサ2102とが設けられている。トレース板2101は、搬送方向に対して斜めになるように設けられた第1の領域2111と、搬送方向に対して平行となるように設けられた第2の領域2112とを備えており、さらに第1の領域2111と第2の領域2112とは、連続的につながった一枚の板として構成されている。
【0098】
そしてシートガイド1402が錠剤シートの位置決め動作によって内側に移動する際に、トレース板2101と位置センサ2102と付勢部材2103も連動して内側に移動する。このとき、一対のトレース板2101は、一対のトレース板2101の第2の領域2112の間隔が、錠剤シートの幅方向に関する2つの錠剤収容部510の外側の間隔よりも狭くなるような位置関係となるように設けられており、この状態で付勢部材2103により内側方向に付勢されている。つまり付勢部材2103は、錠剤収容部510に押される方向と反対の方向にトレース板2101を付勢している。なお、付勢部材2103としては、バネのみならずゴムなどの他の弾性材料を用いてもよい。以上のように設けることで、錠剤シートの錠剤収容部510の側面に確実に接するようにすることができる。
【0099】
位置決め動作が行われた錠剤シートが
図16に示すように錠剤収容部510がトレース板2101と接する位置にまで搬送されると、まずトレース板2101の第1の領域2111の部分に錠剤収容部510の側面が接する。さらに錠剤シート51の搬送が進んでいくと、第1の領域2111から第2の領域2112に接する位置が移動していき、これに伴いトレース板2101は錠剤収容部510によって外側に押し広げられていくことになる。すなわち、投入口203から載置台への搬送中に、錠剤シートの錠剤収容部510の両側面にトレース板2101が接することになる。
【0100】
次に、
図21に示す2つの位置センサ2102のそれぞれが、対応するトレース板2101の移動量を算出する。そして錠剤シートガイド移動モータ2201を移動量に応じて駆動させて、錠剤シートガイド1402の幅方向(搬送方向と交差する方向)に関する位置を移動させる。
このとき、
図22に示すように錠剤シートガイド移動モータ2301が駆動されるとネジ2202が回転し、この回転に伴いネジ2202に連結されている錠剤シートガイド1402が動く。これにより、錠剤シートガイド1402が幅方向に移動し、其々の錠剤収容部510の位置が、錠剤押し出し部1403の中央付近に来るように調整される
【0101】
このように位置を調整した状態でカム94、カム99を駆動させて第1昇降体93および第2昇降体98を動かすことで、錠剤押出し部1403を用いた錠剤取出動作が行われる。すなわち錠剤収容部510の側面の位置に応じて一対の錠剤シートガイド1402の位置調整を行うことにより、錠剤収容部510の中央付近を押圧することができ、錠剤を確実に錠剤収容部から取り出すことができる。また、このように錠剤収容部510の側面の位置に応じて位置調整を行うことにより、錠剤シートの端部と錠剤収容部510との距離が錠剤の種類に応じて異なっている場合や同じ種類であってもばらつきがある場合や左側と右側とで錠剤シートの端部と錠剤収容部510との距離が異なっている場合でも、錠剤を確実に錠剤シートから取り出すことができる。
【0102】
次に、
図23のフローチャートを用いて、本実施形態における錠剤取出動作の流れを説明する。本制御を実現するためのプログラムは外部メモリ3011等に記憶されており、必要に応じてRAM303にロードされることによりCPU3001によって実行されるものである。
【0103】
S2301では、ユーザによる投入指示を受けて左右対称にシートガイド1402を内側に移動させ、投入口203にセットされた錠剤シート51を両側の錠剤シート幅検出センサ1401によって錠剤シートが検出したかを判断する。錠剤シートが検出されない場合には、錠剤シートが投入口203に投入されていない可能性が高いため、錠剤シートガイド1402の位置をもとに戻して終了する。S2301で錠剤シートが検出されると、S2302では、錠剤シートの搬送動作を開始する。
【0104】
S2303では、錠剤シートの搬送に応じて錠剤収容部510によりトレース板2101が押されて、位置センサ2102がONされたか判断する。言い換えると、位置センサ2102がONされるまで搬送動作を行う。位置センサ2102がONされた場合には、S2304で、トレース板2101の移動量(カウント数)を取得する。S2305では、トレース板2101の移動量(カウント数)から、錠剤シート51の錠剤収容部510の中央付近の位置を算出する。S2306では、S2305で算出された位置に錠剤シートガイド1402を移動させ、幅方向(搬送方向と交差する方向)に関する位置を調整する。S2307では、錠剤取出位置まで錠剤シートが搬送されたかを判断する。言い換えると、錠剤取出位置となるまで錠剤シートの搬送を行う。S2308では、錠剤押出し部1403で錠剤収容部510を押圧することで錠剤の取出動作を行う。以上のように錠剤シートガイド1402の位置を制御することで、錠剤シートの搬送方向と交差する方向に関する錠剤取出手段と錠剤収容部との相対的な位置を、錠剤を確実に錠剤収容部から確実に取り出せる位置とした状態で取出動作を行うことができる。
【0105】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0106】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置の情報処理装置が前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0107】
したがって、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するために、前記情報処理装置にインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0108】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0109】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0110】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0111】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0112】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行して情報処理装置にインストールさせて実現することも可能である。
【0113】
また、情報処理装置が、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、情報処理装置上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0114】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、情報処理装置に挿入された機能拡張ボードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0115】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。