(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の技術では、熟練した技術の要求度や製作に要する時間は多大なものである。また、大量に陶磁器製品を製造する場合は、設備環境を整備するコストが多大である。さらには、従来の技術により製造された陶磁器のレリーフのデザイン、形状は単純でシンプルなものが多く、とりたてて新鮮味に乏しいため、現代的な消費者のニーズを満たしていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、発泡ポリスチレン成形体に凹部を形成したレリーフ型を用いることにより、上記課題を解決できることを見いだし、さらに鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成することを含む、陶磁器製品のレリーフ型の製造方法、
(2)発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成することが、発泡ポリスチレンを溶解する有機溶剤と界面活性剤とを含む溶剤を、凸部を有する道具を用いることにより発泡ポリスチレン成形体の表面に塗布して、前記発泡ポリスチレンを溶解することを含む、前記(1)項に記載の陶磁器製品のレリーフ型の製造方法、
(3)発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成することが、発泡ポリスチレンの溶解温度以上に熱した道具または材料を、発泡ポリスチレン成形体の表面に近づける、もしくは、発泡ポリスチレン成形体の表面に接触させて、または、さらに前記道具または材料を前記発泡ポリスチレン成形体の表面に沿って移動させて、前記発泡ポリスチレンを溶解することを含む、前記(1)項に記載の陶磁器製品のレリーフ型の製造方法、および
(4)発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成することが、切削道具を用いることにより発泡ポリスチレン成形体の表面を切削することを含む、前記(1)項に記載の陶磁器製品のレリーフ型の製造方法
に関する。
【0006】
また、本発明は、
前記(1)項〜(4)項のいずれかに記載の陶磁器製品のレリーフ型の製造方法により製造された陶磁器製品のレリーフ型の凹部を有する表面に陶磁土を圧延し、
レリーフ型と陶磁土が一体となった状態で自然乾燥させ、
圧延した陶磁土をレリーフ型から離型し、
離型した陶磁土成形体を焼成すること
を含む、レリーフが施された陶磁器製品の製造方法
に関する。
【発明の効果】
【0007】
(1)本発明によれば、実施例の陶磁器製品のレリーフに示されるように、得られるレリーフのデザインおよび形状は、従来技術と比べて、格別顕著に自由度が高く、新鮮な感覚を有するものである。したがって、現代の消費者のニーズに適うものであり、このことは、得られた陶磁器製品のレリーフに対して行ったアンケートからも明らかであった。
(2)本発明に係る陶磁器製品のレリーフ型の製造方法に要するコストは、非常に安価である。また、工程数も少なく、各工程が簡便であることから、自然乾燥前の1つのレリーフ型を製造するのに要する時間は、短時間(約2〜10分程度)で済む。したがって、本発明に係る製造方法により得られたレリーフ型を用いてレリーフが施された陶磁土成形体を得る時間は、自然乾燥時間にほぼ等しく、従来技術によるレリーフが施された陶磁土成形体を得る時間に比べて、非常に短い。
(3)本発明に係る陶磁器製品のレリーフ型の製造方法は、とりたてて、熟練した技術を要しないため、簡単にレリーフ型を製作することができる。
(4)本発明に係る製造方法により得られた陶磁器製品のレリーフ型は、単品生産にも複数コピー生産にも適したものである。用いる発泡ポリスチレン成形体の強度を高めることにより、得られるレリーフ型の強度を増すことができる。例えば、発泡ポリスチレン成形体として、市販の押し出し発泡ポリスチレンを用いることにより、100回以上の陶磁器製品のレリーフの製造に十分に耐えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成することにより、例えば、タイル、花瓶、食器などの陶磁器製品のレリーフ型を製造する方法に関するものである。
【0010】
本発明において、陶磁器製品のレリーフ型の素材として、発泡ポリスチレン成形体が用いられる。本発明に用いられる発泡ポリスチレン成形体としては、例えば、安価な市販の発泡ポリスチレンボード、発泡ポリスチレンブロックなどが挙げられる。これらの発泡ポリスチレン成形体は、容易に入手できるため好ましい。また、発泡ポリスチレン成形体として、カネカ社製のカネライト(登録商標)も好ましく用いられる。
【0011】
発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成する方法としては、(1)溶剤による溶解、(2)熱源による溶解、(3)切削道具による切削が挙げられる。本発明においては、所望するデザインおよび形状に応じて、上記3つのいずれか、または、任意に組み合わせて、発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成することができる。以下、それぞれの方法について説明する。
【0012】
1.溶剤による溶解
本発明の一実施形態において、発泡ポリスチレンを溶解する有機溶剤と界面活性剤とを含む溶剤を、凸部を有する道具を用いることにより、発泡ポリスチレン成形体の表面に塗布して、所望するデザインおよび形状に応じて、発泡ポリスチレンを溶解させることにより、発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成する。具体的には、発泡ポリスチレンを溶解する有機溶剤と界面活性剤とを含む溶剤を、凸部を有する道具の凸部に含浸させ、当該道具の凸部を発泡ポリスチレン成形体の表面に接触させ、さらに所望に応じて、当該道具の凸部を発泡ポリスチレン成形体の表面に沿って移動させることにより、発泡ポリスチレンを溶解させ、発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成することができる。
【0013】
本発明に用いられる、発泡ポリスチレンを溶解する有機溶剤としては、発泡ポリスチレンを溶解する作用を有する有機物質であれば、特に限定されないが、例えば、リモネン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、エチルメチルケトン、ベンジン、シンナー、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、灯油、グリコールエーテル、グリコールエステルなどが挙げられる。リモネンとしては、d体(d-リモネン、(R)−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)シクロヘキセン)、l体(l-リモネン、(S)−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)シクロヘキセン)、dl体(ジペンテン、1−メチル−4−(1−メチルエテニル)シクロヘキセン)が挙げられるが、人体に対する安全衛生上、柑橘類に含まれるd-リモネンが好ましく用いられる。
【0014】
本発明に用いられる界面活性剤としては、界面活性作用を有する物質であれば、特に限定されないが、例えば、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウムなどの陰イオン系(アニオン系)界面活性剤、しょ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどの非イオン系(ノニオン系)界面活性剤、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシドなどの両性イオン界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩などの陽イオン系(カチオン系)界面活性剤などが挙げられる。本発明においては、界面活性剤を含有する市販の洗剤を用いるのが、安価であるため好ましい。
【0015】
発泡ポリスチレンを溶解する有機溶剤と界面活性剤の配合比は、約1:1〜1:2(体積比)が好ましい。
【0016】
発泡ポリスチレンを溶解する有機溶剤と界面活性剤とを含む溶剤には、適宜、水などを含んでいてもよい。発泡ポリスチレンを溶解する有機溶剤と界面活性剤とを含む溶剤は、これらを常法により混合することにより製造することができる。
【0017】
本発明において用いられる凸部を有する道具としては、凸部を有するものであれば、特に限定されず、所望のデザインおよび形状に応じて、様々なものを用いることができるが、安価なものが好ましい。凸部を有する道具の例としては、筆(絵具筆など)、棒(綿棒など)、ブラシ、布、スプーン、および、フォークなどが挙げられる。
【0018】
2.熱源による溶解
本発明の一実施形態において、発泡ポリスチレンの溶解温度である110℃以上に熱した道具または材料を、所望するデザインおよび形状に応じて、発泡ポリスチレン成形体の表面に近づける、または、発泡ポリスチレン成形体の表面に接触させることにより、発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成する。また、熱した道具または材料を、発泡ポリスチレン成形体の表面に近づける、または、発泡ポリスチレン成形体の表面に接触させた後、さらに、所望するデザインおよび形状に応じて、熱した道具または材料を前記発泡ポリスチレン成形体の表面に沿って移動させることにより、発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成する。
【0019】
本発明において用いられる110℃以上に熱した道具または材料としては、110℃以上に熱することができる道具であれば、特に限定されず、所望のデザインおよび形状に応じて、様々なものを用いることができるが、安価なものが好ましい。当該道具または材料の例としては、熱したはんだごて、火をつけた線香、熱した金属片(フォーク、スプーンなど)、熱した木片などが挙げられる。
【0020】
上記した金属片、木片を熱する手段としては、110℃以上に加熱できるものであれば、特に限定されないが、安価で簡便な手段が好ましく、例えば、ガスコンロなどが挙げられる。
【0021】
3.切削道具による切削
本発明の一実施形態において、所望するデザインおよび形状に応じて、切削道具を用いることにより発泡ポリスチレン成形体の表面を切削することにより、発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成する。
【0022】
本発明において用いられる切削道具としては、発泡ポリスチレン成形体の表面を切削できるものであれば特に限定されないが、安価なものが好ましく、例えば、カッターナイフ、金属ブラシ、鋸などが挙げられる。
【0023】
上記したいずれかの方法を単独で、または、組み合わせて、発泡ポリスチレン成形体の表面に凹部を形成することにより、陶磁器製品のレリーフ型を得ることができる。
【0024】
以上の本発明に係る方法により製造された陶磁器製品のレリーフ型を用いて、レリーフが施された陶磁器製品を製造する方法の一例を以下に述べる。
【0025】
レリーフが施された陶磁器製品の製造
本発明に係る方法により製造された陶磁器製品のレリーフ型である、所望のデザインおよび形状が施された、発泡ポリスチレン成形体の凹部を有する表面に可塑性を持つ陶土および/または磁土(以下、陶磁土という)をできるだけ均等に圧延する。陶磁土を圧延する手段としては、手指または木べらなどを用いることができる。圧延される陶磁土の厚みは、所望の厚みを持つ陶磁器製品を得ることができるようにする。
【0026】
レリーフ型に陶磁土を圧延した後、型の縁の陶磁土を手指または木べらなどを用いて整える。
【0027】
その後、発泡ポリスチレンレリーフ型と陶磁土が一体となった状態で、常温で自然乾燥させる。自然乾燥させる時間は、圧延した陶磁土の厚みによっても異なるが、通常は、約12時間〜18時間程度である。
【0028】
自然乾燥させた後、圧延した陶磁土が乾燥により上向きに反り始める。これは、陶磁土が乾燥により収縮し、その陶磁土の収縮力が発泡ポリスチレンが有する弾力により吸収されるためである。この段階で、陶磁土の可塑性が保持されている、すなわち陶磁土が生乾きの状態であることを確認する。
【0029】
それから、圧延した陶磁土と発泡ポリスチレンレリーフ型が一体となったものを、手指または板などで保持し、手指などを使い、圧延した陶磁土に徐々に四方八方から離型する力を加える。そして、約1〜3分程度の時間で、発泡ポリスチレンの凹部によりレリーフが施された陶磁土成形体が離型する。
【0030】
その後、離型した陶磁土成形体を、さらに焼成させることにより、レリーフが施された平面状の陶磁器製品を得ることができる。また、陶磁土成形体をタタラ板に見立てて組み合わせることにより、レリーフが施された立体の陶磁器製品を得ることができる。
【0031】
離型した陶磁土成形体の焼成は、例えば、約700〜1300℃の温度で、約3時間程度で行うことができる。焼成の前に、陶磁土成形体に釉薬を塗布してもよい。
【実施例】
【0032】
以下に、本発明の実施例を提示することにより、本発明をより詳細に説明するが、当然のことながら、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0033】
<実施例1>
発泡ポリスチレン成形体として、市販の発泡ポリスチレンボード(松原産業社製、発泡倍率60倍、11cm×11cm、15mm厚)を用いた。市販のd-リモネン(むし工房社から入手)2ccと市販の界面活性剤(洗剤)(花王社製、商品名:ママレモン、界面活性剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム含有)2ccを常法により混合し、溶剤を作成した。この溶剤を耳かき用綿棒に含浸させ、耳かき用綿棒を用いて発泡ポリスチレンボードの表面に塗布することにより、発泡ポリスチレンボードの表面を溶解させ、凹部を形成し、レリーフ型を作成した。
図1の左側に凹部が形成された発泡ポリスチレンボードであるレリーフ型を示す。
【0034】
上記のようにして作成したレリーフ型の凹部が形成された表面に、淡路瓦用粘土(含水率17%程度)130gを手指で7mmの厚さとなるように均一に圧延した。その後、圧延した淡路瓦用粘土の縁を手指で整えた。その後、常温で12時間、自然乾燥させた。乾燥により上向きに反り始めた淡路瓦用粘土が生乾きであることを確認した後、圧延した淡路瓦用粘土とレリーフ型が一体となったものを、手指で保持し、手指を使って、徐々に四方八方から圧延した淡路瓦用粘土を離型する力を加えることにより、レリーフが施された淡路瓦用粘土を離型した。
【0035】
その後、離型した淡路瓦用粘土成形体を、1000℃の温度で3時間素焼きした。こうして、レリーフが施された平面状の陶磁器製品を得た。
図1の右側に、得られた陶磁器製品の写真を示す。
【0036】
<実施例2>
発泡ポリスチレン成形体として、市販の発泡ポリスチレンボード(実施例1と同じ)を用いた。市販のd-リモネン(実施例1と同じ)2ccと市販の界面活性剤(洗剤)(実施例1と同じ)2ccを常法により混合し、溶剤を作成した。この溶剤を絵具筆に含浸させ、絵具筆を用いて発泡ポリスチレンボードの表面に塗布することにより、発泡ポリスチレンボードの表面を溶解させ、凹部を形成し、レリーフ型を作成した。
図2の左側に凹部が形成された発泡ポリスチレンボードであるレリーフ型を示す。
【0037】
上記のようにして作成したレリーフ型の凹部が形成された表面に、淡路瓦用粘土(含水率17%程度)130gを手指で7mmの厚さとなるように均一に圧延した。その後、圧延した淡路瓦用粘土の縁を手指で整えた。後は、実施例1と同様に、自然乾燥させ、レリーフが施された淡路瓦用粘土を離型した。
【0038】
その後、離型した淡路瓦用粘土成形体を、実施例1と同様に素焼きをし、レリーフが施された平面状の陶磁器製品を得た。
図2の右側に、得られた陶磁器製品の写真を示す。
【0039】
<実施例3>
発泡ポリスチレン成形体として、市販の発泡ポリスチレンボード(実施例1と同じ)を用いた。市販の線香(大創産業社製、直径1mm程度)に火を付け、その線香の熱(110℃以上)で発泡ポリスチレンボードの表面を溶解させ、凹部を形成し、レリーフ型を作成した。
図3の左側に凹部が形成された発泡ポリスチレンボードであるレリーフ型を示す。
【0040】
上記のようにして作成したレリーフ型の凹部が形成された表面に、淡路瓦用粘土(含水率17%程度)130gを手指で6mmの厚さとなるように均一に圧延した。その後、圧延した淡路瓦用粘土の縁を手指で整えた。後は、実施例1と同様に、自然乾燥させ、レリーフが施された淡路瓦用粘土を離型した。
【0041】
その後、離型した淡路瓦用粘土成形体を、実施例1と同様に素焼きをし、レリーフが施された平面状の陶磁器製品を得た。
図3の右側に、得られた陶磁器製品の写真を示す。
【0042】
<実施例4>
発泡ポリスチレン成形体として、市販の発泡ポリスチレンボード(実施例1と同じ)を用いた。食事に使用する市販のフォークを家庭用ガスコンロで110℃以上になるまで熱し、その熱したフォークを発泡ポリスチレンボードの表面に接触させることにより、発泡ポリスチレンボードの表面を溶解させ、凹部を形成し、レリーフ型を作成した。
図4の左側に凹部が形成された発泡ポリスチレンボードであるレリーフ型を示す。
【0043】
上記のようにして作成したレリーフ型の凹部が形成された表面に、淡路瓦用粘土(含水率17%程度)130gを手指で6mmの厚さとなるように均一に圧延した。その後、圧延した淡路瓦用粘土の縁を手指で整えた。後は、実施例1と同様に、自然乾燥させ、レリーフが施された淡路瓦用粘土を離型した。
【0044】
その後、離型した淡路瓦用粘土成形体を、実施例1と同様に素焼きをし、レリーフが施された平面状の陶磁器製品を得た。
図4の中央と右側に、得られた陶磁器製品の写真を示す。
【0045】
<実施例5>
発泡ポリスチレン成形体として、市販の発泡ポリスチレンボード(実施例1と同じ)を用いた。まず、発泡ポリスチレンボードの表面にカッターナイフで斜め45°の角度になるようにV字状の直線の切れ込みを入れることにより、発泡ポリスチレンボードの表面に凹部を形成した。その後、市販の線香(実施例3と同じ)に火を付け、その線香の熱(110℃以上)で発泡ポリスチレンボードの表面を溶解させ、半球状の凹部を形成した。さらに、市販のd-リモネンと市販の界面活性剤(洗剤)を常法により混合して作成した溶剤(実施例1と同じ)を絵具筆に含浸させ、絵具筆を用いて発泡ポリスチレンボードの表面に塗布することにより、発泡ポリスチレンボードの表面を溶解させ、不定形状の凹部を形成し、レリーフ型を作成した。
図5の左側に凹部が形成された発泡ポリスチレンボードであるレリーフ型を示す。
【0046】
上記のようにして作成したレリーフ型の凹部が形成された表面に、淡路瓦用粘土(含水率17%程度)120gを手指で7mmの厚さとなるように均一に圧延した。その後、圧延した淡路瓦用粘土の縁を手指で整えた。後は、実施例1と同様に、自然乾燥させ、レリーフが施された淡路瓦用粘土を離型した。
【0047】
その後、離型した淡路瓦用粘土成形体を、実施例1と同様に素焼きをし、レリーフが施された平面状の陶磁器製品を得た。
図5の右側に、得られた陶磁器製品の写真を示す。