特許第5924664号(P5924664)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5924664-昇降棚用取っ手を有する昇降棚 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5924664
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】昇降棚用取っ手を有する昇降棚
(51)【国際特許分類】
   A47B 51/00 20060101AFI20160516BHJP
   A47B 95/02 20060101ALI20160516BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
   A47B51/00 501C
   A47B95/02 501Z
   A47B95/02 503E
   A47B95/02 504D
   A47B67/02 502G
   A47B67/02 503A
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-31181(P2012-31181)
(22)【出願日】2012年2月15日
(65)【公開番号】特開2013-165853(P2013-165853A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2014年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】近藤 亮介
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−193924(JP,A)
【文献】 特開2005−066159(JP,A)
【文献】 特開2005−348778(JP,A)
【文献】 特開平07−067726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 51/00
A47B 67/02
A47B 95/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方へ開く鏡扉を有し上端にLED照明器を備えたミラーキャビネットの上方には、前記LED照明器の上方の収納位置から前記鏡扉の前方へ引き出し可能な昇降ユニットを備えた昇降棚が設けられ、
昇降ユニットの下面前部部位には前記LED照明器の下端のラインよりも上方に取っ手が取り付けられており、
該取っ手は、前記昇降ユニットの下面から下向きに垂下する垂下片と該垂下片の下端から後方へ向かって略水平に延びる指掛け片で断面視L字型をなし、
前記指掛け片は前記昇降ユニットの収納位置では前記ミラーキャビネットの鏡扉の上端よりも上方に位置するとともに、昇降ユニットの下面と該指掛け片との間には後方側から前向きに指を入れることのできる指挿入空間が形成されている
ことを特徴とする昇降棚用取っ手を有する昇降棚
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降ユニットを昇降操作するための昇降棚用取っ手を有する昇降棚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているような多段式の棚装置が存在する。
この多段式の棚装置では、キッチン吊り戸棚の下部に収納ケースと上段棚部材および下段棚部材が設けられ、上段棚部材と下段棚部材が同調して水平姿勢のまま昇降するように構成され、下段棚部材には、フラットな水平板の前縁に昇降操作用の手掛かり把手が設けられており、この手掛かり把手に手を掛けて下段棚部材を引き下げ操作できるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−110153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている昇降操作用の手掛かり把手は、下段棚部材を構成するフラットな水平板の前縁に前方へ張り出して一体化されているものであり、手掛かり把手の部分を後付けできるものではなく、水平板と手掛かり把手をアルミニウムの押出成形で一体成形する必要があり、コストの高い製品となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、コストを低減させることができ、後付けが可能で、しかもミラーキャビネットの鏡扉との干渉を回避できる昇降棚用取っ手を有する昇降棚の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の昇降棚用取っ手を有する昇降棚は、
前方へ開く鏡扉を有し上端にLED照明器を備えたミラーキャビネットの上方には、前記LED照明器の上方の収納位置から前記鏡扉の前方へ引き出し可能な昇降ユニットを備えた昇降棚が設けられ、
昇降ユニットの下面前部部位には前記LED照明器の下端のラインよりも上方に取っ手が取り付けられており、
該取っ手は、前記昇降ユニットの下面から下向きに垂下する垂下片と該垂下片の下端から後方へ向かって略水平に延びる指掛け片で断面視L字型をなし、
前記指掛け片は前記昇降ユニットの収納位置では前記ミラーキャビネットの鏡扉の上端よりも上方に位置するとともに、昇降ユニットの下面と該指掛け片との間には後方側から前向きに指を入れることのできる指挿入空間が形成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の昇降棚用取っ手は、断面視L字型にコストを低減させて別体で形成することができ、昇降ユニットの下面に後付けして取り付けることができ、しかも取付状態では、昇降ユニットの収納位置において下方のミラーキャビネットの鏡扉の上端よりも上方に取っ手が位置するため、ミラーキャビネットの鏡扉を開ける際に昇降棚の取っ手に当たることがなく、鏡扉との干渉を良好に回避できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ミラーキャビネットの上方に設置された昇降棚の昇降ユニットの昇降状態の要部拡大側面構成図である。
図2】昇降棚内に昇降ユニットを収納した状態の昇降棚の側面構成図である。
図3】昇降ユニットを収納した状態の昇降棚の下側から見た斜視構成図である。
図4】昇降ユニットの下面に取り付けられる取っ手の上方側から見た拡大斜視構成図である。
図5図4の取っ手の断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、ミラーキャビネットの上方に設置された昇降棚の要部拡大側面構成図であり、図2は、昇降ユニットを収納した状態の昇降棚の側面構成図であり、図3は、昇降ユニットを収納した状態の昇降棚の下側から見た斜視構成図である。
【0009】
図において、キッチンの壁面等にはミラーキャビネット1が設置され、このミラーキャビネット1の上方に、昇降ユニット7を備えた昇降棚4が設置されている。
ミラーキャビネット1は、前方側へ開閉可能に前面に鏡扉2が設けられており、ミラーキャビネット1の上端には、LEDランプで構成されたLED照明器3が備えられている。
LED照明器3の上方に設置される昇降棚4は、壁面に固定される固定箱体5内に昇降ユニット7が設けられており、この昇降ユニット7は、固定箱体5内に収納される収納位置からミラーキャビネット1の鏡扉2の前方へ引き出される使用位置に亘り昇降可能となっている。
【0010】
昇降棚4を構成する固定箱体5は、底側の底壁51と天井側の天壁52と背側の背壁53と左右の側壁54,54により、前方側が開放された箱体として形成されており、前面側には開閉可能に扉6が設けられている。
この固定箱体5の底壁51の前端は切り欠かれた切欠開口部51aとなっており、この切欠開口部51a内に、収納状態における昇降ユニット7の底板71が図2のように配置され、底壁51の下面と昇降ユニット7の底板71の下面71aがほぼ面一状となって固定箱体5内に昇降ユニット7が収納される。
【0011】
昇降ユニット7は、固定箱体5に対し揺動支持部材11を介して昇降動できるように構成されている。
固定箱体5の左右の側壁54,54の内面にはベース部材9が固定されており、このベース部材9に対し軸を介して前後および上下方向に揺動可能に揺動支持部材11を構成する第1アーム11aと第2アーム11bが連結されており、第1アーム11aおよび第2アーム11bの他端側は、それぞれ軸12,12を介して昇降ユニット7に固定された取付板10に連結されている。
この揺動支持部材11は4節平行リンク機構となっており、昇降ユニット7の収納位置では、第1アーム11aおよび第2アーム11bは図1の想像線のように縦方向に立ち上がった状態となり、昇降ユニット7が鏡扉2の前方側へ引き出された状態では、図1の実線のように第1アーム11aおよび第2アーム11bは前方へ向かって横方向に突出した状態となる。
【0012】
なお、この揺動支持部材11に連繋して連動アーム13が設けられており、連動アーム13は、扉6の上端内側に設けられた扉ヒンジ14のリンク機構に連繋されている。従って、昇降ユニット7が使用位置へ向かって下降される時に、連動アーム13および扉ヒンジ14を介して同時に扉6も前方側へ開かれるように構成されている。
【0013】
昇降ユニット7の底板71の下面71aの前部部位には取っ手8が取り付けられている。この取っ手8は、図4に上面側からの拡大斜視図で示すように、昇降ユニット7とは別体で樹脂で成形されたものであり、昇降ユニット7の底板71の下面71aに後付けで取り付けられる。
この取っ手8は、昇降ユニット7の底板71の下面71aに当接状に固定される左右側の固定部8a,8bの前端に、固定部8a,8bを繋ぐ連結部8cが一体形成されて、全体として平面視コの字形状に形成されている。
【0014】
なお、固定部8a,8bおよび連結部8cの内部には、補強のために複数のリブを形成させておくことができ、固定部8a,8bにはリブの交差する部分にネジ孔83,83,83が形成されており、この各ネジ孔83内には予めナットを埋め込んでおくことができる。
図5の断面図で示すように、この取っ手8の連結部8cの内側は断面視L字型に形成されている。即ち、取っ手8の連結部8cの内側には垂直な垂下片81が形成され、この垂下片81の下端から後方側へ向かって略水平に延びる指掛け片82が形成されている。
【0015】
昇降ユニット7の底板71の下面71aに取っ手8の固定部8a,8bを当接させ、底板71の上方よりネジをネジ孔83,83内にそれぞれ締め付けて、昇降ユニット7の底板71の下面71aに固定部8a,8bおよび連結部8cを当接させて取っ手8を取り付けることができ、取付状態では、昇降ユニット7の底板71の下面71aから垂下片81が下向きに垂下し、底板71の下面71aとほぼ平行状に後方側へ向かって指掛け片82が配置され、昇降ユニットの底板71の下面71aと取っ手8の指掛け片82間には、後方側が開放された指挿入空間8Sが形成されることとなり、この指挿入空間8S内に、後方側から前向きに指を入れることができ、指を指掛け片82上に置いて下側に向かって力を加えることにより、良好に昇降ユニット7を下降させて引き出すことができるものである。
【0016】
なお、本例の取っ手8は、全体の上下高さ寸法が、従来用いられている取っ手よりも短い寸法に設定されている。
即ち、図1に示すように、取っ手8を取り付けた昇降ユニット7が固定箱体5内に収納された状態において、取っ手8は固定箱体5の底壁51よりも下方側へ突出するが、取っ手8の指掛け片82の高さ位置は、ミラーキャビネットの鏡扉2の上端の上端ライン2Rよりも上方に位置するように設定されている。
従って、昇降ユニット7が固定箱体5内に収納された状態で、ミラーキャビネット1の鏡扉2を前方側へ開けても、鏡扉2の上端が取っ手8に当たることはなく、良好に鏡扉2の開閉操作を行なうことができ、鏡扉2と取っ手8との干渉が良好に回避されている。
【0017】
また、本例の取っ手8は、別体でコストを低減させて形成しておき、後付けで昇降ユニット7の下面71aに取り付けできるため、全体としてのコストが低減することとなり、また、取っ手8の取付状態での意匠性が向上したものとなり、使用者は手を上方へ上げて指を良好に後方側から前向きに指挿入空間8S内に入れて、昇降ユニット7を引き下げ操作することができるものである。
従って、ミラーキャビネット1の上端に上下寸法の短いLED照明器3が備えられている場合にも、このようなLED照明器3を備えたミラーキャビネット1の上方に鏡扉2と干渉することのない昇降棚4を設置することができるものとなる。
【符号の説明】
【0018】
1 ミラーキャビネット
2 鏡扉
3 LED照明器
4 昇降棚
5 固定箱体
6 扉
7 昇降ユニット
8 取っ手
8a,8b 固定部
8c 連結部
8S 指挿入空間
11 揺動支持部材
51 底壁
51a 切欠開口部
71 底板
71a 下面
81 垂下片
82 指掛け片
83 ネジ孔
図1
図2
図3
図4
図5