特許第5924748号(P5924748)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5924748誘導ラインプレート及びそれを用いた無人搬送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5924748
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】誘導ラインプレート及びそれを用いた無人搬送システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20060101AFI20160516BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20160516BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
   G05D1/02 E
   B61B13/00 A
   B66F9/24 A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-129655(P2015-129655)
(22)【出願日】2015年6月29日
【審査請求日】2015年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】ニチユ三菱フォークリフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森山 智広
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−240347(JP,A)
【文献】 特開昭49−128480(JP,A)
【文献】 特開昭61−206009(JP,A)
【文献】 特開昭63−253413(JP,A)
【文献】 特開平7−286310(JP,A)
【文献】 特開平7−328960(JP,A)
【文献】 特開2003−277989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00−1/12
B25J 1/00−21/02
B61B 13/00
B66F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人搬送車が走行する路面に敷設される誘導ラインプレートであって、
前記無人搬送車は、前記誘導ラインプレートを撮像する撮像手段を備え、前記撮像手段で撮像した画像データに基づいて、前記誘導ラインプレートに沿って走行し、
前記誘導ラインプレートは、着色アルマイト処理された細長いアルミニウム板からなると共に、JIS Z8741に規定される60°光沢度が10以上30以下である
ことを特徴とする誘導ラインプレート。
【請求項2】
路面に敷設される誘導ラインプレートと、前記誘導ラインプレートに沿って走行する無人搬送車と、を備えた無人搬送システムであって、
前記誘導ラインプレートは、着色アルマイト処理された細長いアルミニウム板からなると共に、JIS Z8741に規定される60°光沢度が10以上30以下である
ことを特徴とする無人搬送システム。
【請求項3】
前記無人搬送車は、
前記誘導ラインプレートを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像範囲を照らすと共に、光源からの照明光が前記誘導ラインプレートに直接当たるように配置された照明手段と、
前記照明手段が消灯するとき前記撮像範囲を暗所にするカバーと、を備え、
前記撮像手段で前記誘導ラインプレートを撮像して、その撮像した画像データに基づいて、前記誘導ラインプレートに沿って走行する
ことを特徴とする請求項2に記載の無人搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人搬送車が走行する路面に敷設される誘導ラインプレート及びそれを用いた無人搬送システムに関する。詳しくは、無人搬送車は、誘導ラインプレートを撮像手段で撮像して、撮像した画像データに基づいて、誘導ラインプレートに沿って走行する。
【背景技術】
【0002】
工場や倉庫等において、路面に敷設された誘導ラインと、誘導ラインに沿って走行する無人搬送車と、を備えた無人搬送システムがある。特許文献1の通り、無人搬送車は、誘導ラインを撮像する撮像手段を備えており、撮像手段で取得した画像データに基づいて、誘導ラインに沿って走行する。
【0003】
ところで、誘導ラインは、路面に貼り付けられるテープや、路面に塗布される塗料等からなる。また、撮像手段で取得する画像データ上で、誘導ラインと路面とを認識できるように、誘導ラインは、路面と明確に異なる色からなり、例えば、赤色、青色、緑色等の鮮明な色からなる。
【0004】
ところで、誘導ラインは脆弱なテープや塗料等なので、重量物であるフォークリフト等が誘導ラインを横切って走行すると、剥がれることがあった。誘導ラインが断線すると、無人搬送車は、誘導ラインを撮像できなくなり、走行を中断することがあった。
【0005】
そこで、テープや塗料等からなる誘導ラインの代わりに、重量物であるフォークリフト等に踏まれても反り返らない強度の高い鉄板やアルミニウム板等に誘導用の色を塗装した金属製の誘導ラインプレートを路面に敷設することが考えられる。この誘導ラインプレートは、金属製で強度が高いので、変形して路面から剥がれることはない。
【0006】
しかし、上記の誘導ラインプレートは、フォークリフト等のタイヤの跡が付着して、部分的に黒色に変色して、無人搬送車が、誘導ラインプレートの変色(黒色)部分を認識できず、誘導ラインプレートに沿って走行できなくなる問題がある。
【0007】
さらに、金属製の誘導ラインプレートは、照明器や日光等の光が部分的に反射して撮像画面で白くなり、無人搬送車が、誘導ラインプレートの色を認識できず、誘導ラインプレートに沿って走行できなくなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−114460号公報、段落0022等
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑みて、強度が高いと共に、フォークリフトのタイヤ跡等で変色せず、かつ、照明器等の光が反射しない誘導ラインプレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る誘導ラインプレートは、
無人搬送車が走行する路面に敷設される誘導ラインプレートであって、
無人搬送車は、誘導ラインプレートを撮像する撮像手段を備え、撮像手段で撮像した画像データに基づいて、誘導ラインプレートに沿って走行し、
誘導ラインプレートは、着色アルマイト処理された細長いアルミニウム板からなると共に、JIS Z8741に規定される60°光沢度が10以上30以下である。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る無人搬送システムは、
路面に敷設される誘導ラインプレートと、誘導ラインプレートに沿って走行する無人搬送車と、を備えた無人搬送システムであって、
誘導ラインプレートは、着色アルマイト処理された細長いアルミニウム板からなると共に、JIS Z8741に規定される60°光沢度が10以上30以下である。
【0012】
好ましくは、
無人搬送車は、
誘導ラインプレートを撮像する撮像手段と、
撮像手段の撮像範囲を照らすと共に、光源からの照明光が誘導ラインプレートに直接当たるように配置された照明手段と、
照明手段が消灯するとき撮像範囲を暗所にするカバーと、を備え、
撮像手段で誘導ラインプレートを撮像して、その撮像した画像データに基づいて、誘導ラインプレートに沿って走行する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る誘導ラインプレートは、重量物であるフォークリフト等に踏まれても反り返らない強度を持つと共に、フォークリフトのタイヤ跡等で変色せず、かつ、照明器等の光が反射しない。その結果、無人搬送車は、走行を中断することなく、誘導ラインプレートに沿って走行できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態の無人搬送システムを説明する図であって、(A)は側面図、(B)は平面図。
図2】第2実施形態の無人搬送システムを説明する図であって、(A)は側面図、(B)は平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本発明に係る誘導ラインプレート及びそれを用いた無人搬送システムについて説明する。
【0016】
[第1実施形態]
図1に基づいて、第1実施形態の無人搬送システムを説明する。
図1の通り、無人搬送システムは、搬送物(図示略)を積むことができる無人搬送車1を備える。無人搬送システムは、搬送物を収納するための複数の棚(図示略)が配置される。無人搬送システムは、路面Sに設けられた誘導ラインプレートLを備える。
【0017】
誘導ラインプレートLは、両面テープ等で路面Sに取り付けられる。無人搬送車1は、撮像手段(カメラ)11で誘導ラインプレートLを撮像して、その撮像した画像データに基づいて、誘導ラインプレートLに沿って走行する。
【0018】
誘導ラインプレートLは、細長いアルミニウム板からなる。1つの誘導ラインプレートLは、例えば、幅50mm、長さ800〜1000mm、厚さ3mmからなる。無人搬送車1を所定箇所に導くために、複数の誘導ラインプレートLが、長さ方向に連結するように配置される。
【0019】
誘導ラインプレートLは、アルミニウム板からなるので、非常に強度が高く、その結果、重量物であるフォークリフト等が誘導ラインプレートLを横切って走行しても、誘導ラインプレートLは、変形して剥がれることがない。
【0020】
無人搬送車1は、カメラ11と、走行装置17と、制御部13と、を備える。走行装置17は、前輪15と、後輪16と、前輪15および後輪16の少なくとも一方を駆動する駆動機構(図示略)と、前輪15および後輪16の少なくとも一方の向きを変える操舵機構(図示略)と、を備える。
【0021】
カメラ11は、例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサからなるエリアイメージセンサを備え、誘導ラインプレートLを含む路面Sの所定の撮像範囲Rを撮像する。
【0022】
制御部13には、カメラ11と、走行装置17の駆動機構及び操舵機構と、が接続される。無人搬送車1は、制御部13によって、カメラ11で撮像された誘導ラインプレートLに沿って走行する。
【0023】
カメラ11の撮像画像データが制御部13に送られ、制御部13に設けられた識別部14が、画像データの彩度・明度情報に基づいて、誘導ラインプレートLと路面Sとを識別する。
【0024】
誘導ラインプレートLと路面Sとを認識するために、誘導ラインプレートLは、路面Sと明確に異なる色にする必要がある。そのために、誘導ラインプレートLは、着色アルマイト処理され、例えば、赤色、青色、緑色等の鮮明な色からなる。
【0025】
さらに、誘導ラインプレートLを着色アルマイト処理することで、染料の粒子がアルマイト皮膜の中に吸着されて、封孔処理されるので、フォークリフトのタイヤで表面の色が削り取られ難い。また、塗装に比べ表面が硬く滑らかなため、誘導ラインプレートLにフォークリフトのタイヤ跡等が付着することがなく、部分的に黒色に変色することもない。そのため、無人搬送車1のカメラ11の画像データに、誘導ラインプレートLの変色(黒色)部分がない。
【0026】
無人搬送車1は、カバー10と、照明手段(ライト)12と、を備える。ライト12は、例えば、LED照明であり、カメラ11の撮像範囲Rを照らす。カバー10は、車体全体を覆っており、ライト12が消灯すると、撮像範囲Rが暗所になる。
【0027】
ところで、ライト12の照明光が、直接、誘導ラインプレートLに当たらないように配置される場合(間接照明)、ライト12の照明光は、誘導ラインプレートLで反射しないので、誘導ラインプレートLの光沢度は、カメラ11の撮影に影響を与えない。しかし、間接照明にすると、ライト12と誘導ラインプレートLとの距離が長くなるので、車体全体をコンパクトにできない問題がある。
【0028】
車体全体をコンパクトにするためには、ライト12の照明光が、直接、誘導ラインプレートLに当たるように配置する必要がある(直接照明)。しかし、直接照明にすると、ライト12の照明光が、誘導ラインプレートLで反射しないようにする必要がある。なぜなら、ライト12の照明光が、誘導ラインプレートLで反射すると、無人搬送車1が、誘導ラインプレートLの反射(撮像画面で白色になる)部分を認識できず、誘導ラインプレートLに沿って走行できないからである。
【0029】
そこで、誘導ラインプレートLは、JIS Z8741に規定される60°光沢度が10以上30以下になるように、艶消し処理されている。これにより、直接照明でも、ライト12の照明光が誘導ラインプレートLで反射せず、無人搬送車1が、誘導ラインプレートLを確実に認識でき、誘導ラインプレートLに沿って走行できる。
【0030】
様々な実験を行った結果、誘導ラインプレートLは、JIS Z8741に規定される60°光沢度が10未満、又は、30超だと、無人搬送車1が、誘導ラインプレートLを確実に認識できず、安定して誘導ラインプレートLに沿って走行できないことが分かった。
【0031】
[第2実施形態]
次に、図2に基づいて、第2実施形態の無人搬送システムを説明する。なお、上記第1実施形態と同じ構成については、説明を省略することがある。
【0032】
図2の通り、無人搬送車2は、有人無人兼用フォークリフトからなる。無人搬送車2は、車体20に有人無人切換スイッチ(不図示)を備え、運転者が有人無人切換スイッチを操作することで、有人運転と無人運転とを切換え可能になっている。なお、無人搬送車2は、完全に自動で走行する車両でもよい。
【0033】
無人搬送車2は、撮像手段(カメラ)21で、誘導ラインプレートLを含む所定の撮像範囲R’を撮像して、その撮像した画像データに基づいて、誘導ラインプレートLに沿って走行する。
【0034】
無人搬送車2は、車体20の前方に一対のマスト30を備える。各マスト30は、垂直方向に延設されると共に、左右方向に間隔を置いて配置される。無人搬送車2は、リフトブラケット31を備える。
【0035】
リフトブラケット31は、マスト30に昇降可能に支持される。無人搬送車2は、荷役作業を行うための一対のフォーク32を備える。各フォーク32は、前後方向に延設されると共に、左右方向に間隔を置いて配置される。フォーク32は、リフトブラケット31に取り付けられ、リフトブラケット31とともに昇降する。
【0036】
無人搬送車2は、車体20に一対のストラドルレッグ33を備える。各ストラドルレッグ33は、前後方向に延設されると共に、左右方向に間隔を置いて配置される。ストラドルレッグ33は、マスト30を前後方向にスライドするようにガイドする。
【0037】
無人搬送車2は、車体20内に走行装置27を備える。無人搬送車2は、ストラドルレッグ33に設けられた前輪25と、車体20の後部に設けられた後輪26と、を備える。後輪26は、走行装置27に連結され、駆動輪及び操舵輪となる。無人搬送車2は、制御部23を備える。制御部23は、走行装置27の駆動を制御する。
【0038】
無人搬送車2は、撮像手段(カメラ)21を備える。カメラ21は、各ストラドルレッグ33の左右方向の中央に配置される。制御部23には、カメラ21と、走行装置27の駆動機構及び操舵機構と、が接続される。
【0039】
無人搬送車2は、制御部23によって、カメラ21で撮像された誘導ラインプレートLに沿って走行する。カメラ21の撮像画像のデータが制御部23に送られ、制御部23に設けられた識別部24が、画像データの彩度・明度情報に基づいて、誘導ラインプレートLと路面Sとを識別する。
【0040】
誘導ラインプレートLは、第1実施形態と同様、着色アルマイト処理された細長いアルミニウム板からなる。これにより、誘導ラインプレートLは、強度が高いと共に、フォークリフトのタイヤ跡等で変色しない。
【0041】
また、本実施形態の無人搬送システムでは、カメラ21は、車体20の外側に設けられているので、カメラ21の撮像範囲R’においては、倉庫内に設けられた照明光や、倉庫内へ照射される自然光が、誘導ラインプレートLを照らす。そこで、誘導ラインプレートLは、照明光・自然光を反射しないように、JIS Z8741に規定される60°光沢度が10以上30以下になるように、艶消し処理される。即ち、第2実施形態では、構造上、カメラ21を覆って暗所にするカバーを設置できないため、カメラ21の画像データは、太陽光・蛍光灯などの外部光の影響を大きく受ける。そこで、光沢度を30以下にすることで、誘導ラインプレートLをカメラ21で確実に認識することができる。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の構成はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0043】
1,2 無人搬送車
10 カバー
11,21 撮像手段
12 照明手段
S 路面
L 誘導ラインプレート
【要約】
【課題】重量物であるフォークリフト等に踏まれても反り返らない強度を持つと共に、フォークリフトのタイヤ跡等で変色せず、かつ、照明器等の光が反射しない誘導ラインプレートを提供すること。
【解決手段】 撮像手段11を備えた無人搬送車1が走行する路面Sに敷設される誘導ラインプレートLであって、誘導ラインプレートLは、着色アルマイト処理された細長いアルミニウム板からなると共に、JIS Z8741に規定される60°光沢度が10以上30以下である。
【選択図】図1
図1
図2