(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記跳上側壁に、前記係合操作部材の一部と共に指で摘んで前記係合操作部材を下方に移動させるための指掛部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の折畳コンテナ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を
図1〜
図15に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の折畳コンテナ10は、全体が直方体の箱形状をなし、その底部を構成する長方形の底部ベース11と上部を構成する長方形の上部枠20との間に1対ずつの折曲側壁30,30と跳上側壁40,40とを組み付けた構造になっている。
【0016】
上部枠20は、その長辺部分及び短辺部分の断面形状(図示せず)が共に下方に開放した溝形構造をなしている。そして、その溝形構造において互いに対向した1対の枠側壁20A,20Bのうち外側の枠側壁20Aが、内側の枠側壁20Bより下方に突出し、その突出部分の内側面には、上部枠20の4つの各辺に亘って複数の回動支持部12が設けられている。
【0017】
図2に示すように、底部ベース11は、その外縁部における1対の長辺部分から上方に突出した1対の底面長辺側壁11T,11Tと、1対の短辺部分から上方に突出した1対の底面短辺側壁11S,11Sとを有し、全体がトレイ構造になっている。また、各底面長辺側壁11Tの内側面には、複数の回動支持部12がそれぞれ備えられている。
【0018】
図1に示すように、各折曲側壁30は、上部枠20の各長辺部分の回動支持部12と底部ベース11の底面長辺側壁11Tの回動支持部12とに上下の両端部を回動可能に連結されている。また、各折曲側壁30は、上下方向の中央で上側分割側壁30Aと下側分割側壁30Bとの2分割され、それらが中間ヒンジ部30Hにより回動可能に連結された構造になっている。その中間ヒンジ部30Hは、
図1に示すように、上側分割側壁30Aと下側分割側壁30Bとが同一平面内で上下に並んだ折曲側壁30の状態から、
図14に示すように、上側分割側壁30Aと下側分割側壁30Bの外側面同士を向かい合わせる方向への回動を許容し、その反対側の回動を規制している。また、上側分割側壁30Aは、上部枠20における外側の枠側壁20Aにより外側への回動を規制されて内側のみへの回動を許容され、下側分割側壁30Bは、底部ベース11の底面長辺側壁11Tにより外側への回動を規制されて内側のみへの回動を許容されている。
【0019】
各跳上側壁40は、上部枠20における各短辺部分の回動支持部12に回動可能に支持されて、上端部を中心にして全体が回動する。そして、跳上側壁40は、起立状態の1対の折曲側壁30,30の間に収まって起立状態(即ち、底部ベース11上で垂直に起立した状態)になり、折曲側壁30,30が折り畳まれることを規制する。
【0020】
跳上側壁40も、上側分割側壁30Aと同様に、上部枠20の外側の枠側壁20Aにより内側のみへの回動を許容されている。また、跳上側壁40を起立状態にすると、跳上側壁40の下端部が底部ベース11の底面短辺側壁11Sの内側面に対向すると共に、各折曲側壁30の両側部から跳上側壁40側に張り出した1対ずつの側壁係止片32が、跳上側壁40の外面両側縁に係合し、これらにより、起立状態から跳上側壁40が外側に回動することが規制される。また、
図6に示すように、跳上側壁40の下端面における左右方向の両端部には、1対の起立係合突起49,49が突出形成され、跳上側壁40を起立状態にすると、それら起立係合突起49,49が底部ベース11の後述する外縁陥没部16内に係合する。
【0021】
なお、跳上側壁40の外面上端部における左右方向の中央には、側壁手掛部44が備えられ、上部枠20のうち側壁手掛部44の上方には、枠手掛部21が備えられている。
【0022】
底部ベース11の各底面短辺側壁11Sは、本発明の「底面外縁突部」に相当し、
図2に示すように、底面短辺側壁11Sの内側面における左右方向の中央には、中央突部13が設けられている。そして、底面短辺側壁11Sの内側面における中央突部13の両横近傍から、本発明に係る1対の係合突片15,15が片持ち梁状に突出している。
【0023】
図3に示すように、中央突部13は、底面短辺側壁11Sの左右方向に延びた略角柱状をなし、その中央突部13の上面13Aは、底面短辺側壁11Sの上端寄り位置に配置されている。また、中央突部13の左右方向の両端面13C,13Cにおける上端部からは、上下連結突部13T,13Tがそれぞれ側方に突出し、それら上下連結突部13T,13Tの上面が中央突部13の全体の上面13Aと面一になっている。さらに、底面短辺側壁11Sの外側面側では、
図2に示すように、中央突部13の裏側に相当する部分が陥没して底指掛部14になっている。また、底部ベース11の上面の外縁部には、中央突部13の左右方向の延長線上の領域全体を段付き状に陥没させて外縁陥没部16が形成され、その外縁陥没部16の長手方向における複数位置には、外縁陥没部16を幅方向に横切って延びかつ底部ベース11の全体の上面と面一になった連絡突条17が形成されている。
【0024】
図3に示すように、係合突片15は、底面短辺側壁11Sの内側面における上端寄り位置から略水平に突出し、上面両側縁に1対の補強リブ15L,15Lを備えている。各補強リブ15Lの上面は、その長手方向の中間から底面短辺側壁11Sまでが底面短辺側壁11Sの上面と面一になって水平に延び、長手方向の中間から底面短辺側壁11Sと反対側の端部までは、底面短辺側壁11Sから離れるに従って徐々に下るように傾斜している。また、係合突片15のうち底面短辺側壁11Sと反対側の先端面は、上下連結突部13Tにおける底面短辺側壁11Sと反対側の面と略面一でかつ同じ高さに位置している。
【0025】
各係合突片15の下面である下向係合面15Aには、係合突片15の先端部の位置から下方に本発明の「回動規制係合部」としての係合突起15Bが突出している。その係合突起15Bには、底面短辺側壁11Sの内側面と対向しかつ下向係合面15Aと直交した係止面15Kと、係合突起15Bのうち係止面15Kと反対側で下方に向かうに従って底面短辺側壁11S側に近づくように傾斜した傾斜面15Sとが備えられている。
【0026】
図1に示すように、各跳上側壁40の外面の下端部には、係合操作部材50が組み付けられている。ここで、係合操作部材50のうち跳上側壁40の外面と対向する面を「後面」、その反対側の面を「前面」と呼ぶとこととする。
図4(A)には、係合操作部材50を前面側から見た状態が示され、
図4(B)には、係合操作部材50を後面側から見た状態が示されている。
【0027】
図4(A)に示すように、係合操作部材50は、左右方向に延びた操作部51の両端部から係合脚部52,52を垂下した構造をなしている。操作部51の前面には、横長の長方形の前面壁51Aが備えられ、操作部51の横方向の中央部分には、前面壁51Aの一部を前面側から後方に陥没させた構造の横長の長方形の中央凹部53が形成されている。なお、中央凹部53は、前面壁51Aの横方向においては前面壁51Aの全長の1/3程度の大きさをなしている。
【0028】
図4(B)に示すように、操作部51の外縁部からは後方に向けて後面突壁56が突出形成されている。そして、操作部51の上辺と下辺の後面突壁56,56の一部が中央凹部53の上下の内側壁をなし、操作部51の上辺と下辺の後面突壁56,56の間に差し渡された1対の上下連絡壁57,57が中央凹部53の左右の内側壁をなしている。また、
図4(A)に示すように、中央凹部53内の下面の前縁部からは、指掛突壁54が突出している。さらに、中央凹部53の奧側は、奥壁55によって閉塞され、その奥壁55の下端部には、係合操作部材50用の図示しない成形金型のうち指掛突壁54の内面を成形する金型突片を抜くためのスリット55Sが形成されている。なお、前面壁51Aの上辺の後面突壁56における左右方向の両端部は、後述する弾性片60のうち前面壁51Aとの対向面を成形する金型突片を抜くためのスリット56S,56Sが形成されている。
【0029】
図4(B)に示すように、操作部51の後面側のうち1対の上下連絡壁57,57の外側両側方には、各上下連絡壁57と後面突壁56とによって四方を囲まれ、後方に開放した1対の後面機構室58,58が設けられている。また、操作部51を後面側から見て右側の後面機構室58においては、その下面側の後面突壁56のうち上下連絡壁57寄り位置から上方に内部起立壁59Aが真っ直ぐ延びている。その内部起立壁59Aの先端部は、後面機構室58の上下方向の中間に位置し、そこから上下連絡壁57と反対側の斜め上方に向かって弾性片60(本発明の「弾性変形部」に相当する)が片持ち梁状に延びている。一方、操作部51を後面側から見て左側の後面機構室58においては、その下面側の後面突壁56のうち上下連絡壁57寄り位置から上方に内部屈曲起立壁59Bが立ち上がり、途中で上下連絡壁57に接近する側にクランク状に屈曲して、上端部が他方の内部起立壁59Aと同じ位置に配置されている。そして、その内部屈曲起立壁59Bの上端部からも弾性片60が片持ち梁状に延びている。また、操作部51を後面側から見て右側の後面機構室58における下面の後面突壁56には、内部起立壁59Aと上下連絡壁57との間に挟まれた部分の後縁側部分を切除して第1切欠部58Aが形成され、操作部51を後面側から見て左側の後面機構室58における下面の後面突壁56には、内部屈曲起立壁59Bと上下連絡壁57との間に挟まれた部分の後縁側部分を切除して、第1切欠部58Aより大きな第2切欠部58Bが形成されている。
【0030】
図4(A)に示すように、操作部51の左右方向における両外側面には、その後縁部に沿って上下方向に延びた係止突条61,61が形成されている。各係止突条61の後面は、操作部51の前後方向に対して傾斜した傾斜面61Sになっていて、各係止突条61の前面は前後方向に対して直交した係止面61Kになっている。
【0031】
各係合脚部52の前面には、縦長の長方形の前面壁52Aが備えられ、その前面壁52Aは、操作部51の前面壁51Aより若干後方にずれた配置になっている。係合脚部52の下端部には、前面壁52Aの一部を前面側から後方に陥没させた構造の横長の長方形の突片受容部62が形成されている。また、係合脚部52の外縁部からは後方に向けて後面突壁63が突出形成されている。そして、係合脚部52の左右の両辺の後面突壁63,63における下端部が突片受容部62の左右の内側壁をなし、係合脚部52の下辺の後面突壁63の全体が突片受容部62の下面側の内側壁をなしている。また、
図4(B)に示すように、係合脚部52の左右両辺の後面突壁63,63の間には、上下方向の2箇所に横リブ64,64が差し渡されている。そして、下側の横リブ64が突片受容部62の上面側の内側壁をなしている。また、突片受容部62の奧側は、上下方向の中間部より上側が奥壁65によって閉塞されている。
【0032】
なお、各係合脚部52の後面下端部のうち後面突壁63の上下方向における中間部より上側においては、両係合脚部52,52と操作部51の後面とは面一になっている。また、各係合脚部52のうち後面突壁63の上下方向に中間部より下側は、下方に向かうに従って徐々に前面に接近するように僅かに傾斜した傾斜面52Sになっている。
【0033】
さて、
図5に示した係合脚部52のうち突片受容部62の内側下面である上向係合面62Aには、その前縁部から上方に係合突起62Bが突出している。また、その係合突起62Bの後面側には、上向係合面62Aと直交した係止面62Kが備えられる一方、その反対側には下方に向かうに従って前方に迫り出した傾斜面62Sが備えられている。
【0034】
図6に示すように、跳上側壁40の外面のうち下端部における左右方向の中央には、係合操作部材50を直動可能に支持するための直動支持部70が設けられている。直動支持部70は、跳上側壁40における下端寄り位置で左右方向に延びた横リブ41と、横リブ41の左右方向における2位置から跳上側壁40の下端部まで延びた1対の縦リブ42,42に三方を囲まれている。また、跳上側壁40の外面のうち直動支持部70の内側部分の下端寄り位置には、その左右方向の中央に、横長の長方形の枠壁43が突出形成され、その枠壁43の上辺部分が本発明に係る指掛部43Aになっている。
【0035】
図7に示すように、枠壁43の下面における左右方向の両辺部分には、1対のボックス壁71,71が設けられている。各ボックス壁71は、枠壁43の両側辺部分を跳上側壁40の下端部まで延長してなる第1縦リブ71Aと、その第1縦リブ71Aの近傍で枠壁43の下面から跳上側壁40の下端部まで延びた第2縦リブ71Bとの下端部間を連絡リブ71Cで連絡してなる。そして、1対のボックス壁71,71の互いの対向面のうち下端寄り位置から1対の上下連結片72,72が互いに接近する側に突出している。
【0036】
各縦リブ42の先端部と、それら各縦リブ42に直動支持部70の内側から対向した枠壁43の側辺部分の先端部との間には、それぞれ脚部保持壁73が差し渡されている。
【0037】
跳上側壁40の外面のうち直動支持部70内でかつ枠壁43より上側部分には、1対の内部ガイド76,76が左右に並べて設けられている。各内部ガイド76は、上下方向に延びた断面四角形のガイド突条76Aの上端部にガイド突起76Bを一体に備えた構造をなしている。また、ガイド突条76A,76Aは、互いの対向した対向ガイド面76G,76Gを有し、それら対向ガイド面76G,76Gは、ガイド突起76B,76Bまで面一になって連続して延びている。さらに、ガイド突起76Bのうち跳上側壁40の外面から離れた側の前面は、ガイド突条76Aの前面より前方に突出していて、その突出部分には、対向ガイド面76Gに向かって徐々に跳上側壁40の外面に接近するように傾斜した傾斜面76Cが備えられている。
【0038】
跳上側壁40の外面のうち直動支持部70内でかつ1対の脚部保持壁73,73より上側部分には、1対の弾発力受突部75,75が設けられている。各弾発力受突部75は、横方向で対向した1対の突片75A,75Aの上端部間を連絡突部75Bにて連絡した構造になっている。また、1対の突片75A,75Aは連絡突部75Bより係合操作部材50の前面壁51A側に突出していて、それら突出部分の上端部には、上方に向かって徐々に跳上側壁40の外面に接近するように傾斜した傾斜面75C,75Cが備えられている。
【0039】
直動支持部70における1対の内側面のうち1対の弾発力受突部75,75の側方位置には、上下方向に延びた1対の抜止突条74,74が備えられている。また、直動支持部70の内部上面には、その左右方向における複数位置に上面リブ77が設けられている。それら各上面リブ77の下面77Aは水平になっている一方、上面リブ77のうち跳上側壁40の外面より離れた側の前面は、下方に向かうに従って跳上側壁40の外面に接近する側に傾斜した傾斜面77Bになっている。
【0040】
係合操作部材50を直動支持部70内に組み付けるには、
図4(A)に示した係合操作部材50の係合脚部52,52における下端側の傾斜面52S,52Sを直動支持部70内における跳上側壁40の外面に平行に沿わせるようにして係合操作部材50全体を跳上側壁40に対して傾斜させ、それら係合脚部52,52の下端部を跳上側壁40の外面と1対の脚部保持壁73,73との間に挿入していく。すると、操作部51の後面側上縁部が上面リブ77群の傾斜面77Bに突き合わされると共に、1対の弾性片60,60の先端部が1対の弾発力受突部75,75の傾斜面75C,75Cに突き合わされ、さらには、係合操作部材50の両係止突条61,61の傾斜面61S,61Sが直動支持部70内の抜止突条74,74に当接した状態になる。その状態で、係合操作部材50を脚部保持壁73側に押し下げながら直動支持部70の奥部に係合操作部材50の操作部51を押し込むと、
図8に示すように、上面リブ77群の下方に操作部51が収まると共に、係止突条61,61が抜止突条74,74を乗り越えて、それら係止突条61,61の係止面61K,61K(
図4(A)参照)に抜止突条74,74が上下動可能に係合する。
【0041】
また、操作部51の内部では、1対の弾性片60,60が、傾斜面75C,75Cに摺接して弾発力受突部75,75の上面に乗り上がる。また、係合操作部材50の1対の上下連絡壁57,57は、1対の内部ガイド76,76の間に収まる。なお、係合操作部材50が直動支持部70内で正規位置より横方向にずれていたときには、1対の内部ガイド76の傾斜面76C,76Cが1対の上下連絡壁57,57を正規位置に案内する。
【0042】
係合操作部材50が、直動支持部70内に組み付けられると、通常は、
図9(A)に示すように弾性片60の弾発力によって上方に付勢されて操作部51の上面が上面リブ77群の下面77Aに当接し、係合操作部材50が可動範囲の上端位置に位置決めされる。このとき、操作部51の下面は枠壁43の上方に離間し、
図10に示すように、突片受容部62,62における上寄りの一部が脚部保持壁73に覆われる一方、突片受容部62,62における下寄りの一部が脚部保持壁73の下方で外側に開放した状態になる。その際、係合脚部52の下端面は跳上側壁40の下端面より上方に位置している。そして、弾性片60の弾発力に抗して係合操作部材50を押し下げると、
図9(B)に示すように、操作部51の下面が枠壁43の上面に当接して係合操作部材50が可動範囲の下端位置に位置決めされ、
図11に示すように、突片受容部62,62全体が脚部保持壁73の下方で外側に開放した状態になると共に、係合脚部52の下端面が跳上側壁40の下端面と略面一になる。
【0043】
本実施形態の折畳コンテナ10の構成に関する説明は以上である。次に、この折畳コンテナ10の作用効果について説明する。1対の折曲側壁30,30を起立状態にすると、それら折曲側壁30,30の間で各跳上側壁40が上端部を中心にして回動可能になる。そして、
図12に示すように、跳上側壁40を傾斜状態から起立状態になるように回動していくと、その途中で跳上側壁40の係合操作部材50における各係合突起62Bが、底部ベース11の各係合突片15における係合突起15Bに当接する。そして、跳上側壁40が起立状態に向かってさらに回動すると、係合突起62Bの傾斜面62Sが係合突起15Bの傾斜面15Sと摺接して係合操作部材50が弾性片60の弾発力に抗して下げられる。そして、跳上側壁40が起立状態になったところで、係合突起62Bが係合突起15Bを乗り越え、弾性片60の弾発力によって係合操作部材50が可動範囲の上端位置側に移動し、
図10に示すように係止面15K,62K同士が対向して、係合突起15B,62B同士が係合した状態になる。
【0044】
両跳上側壁40,40が起立状態に保持されて、折畳コンテナ10全体が組み付け状態になると、折畳コンテナ10内に荷物を収容することができる。そして、折畳コンテナ10を持ち上げて搬送する場合には、側壁手掛部44又は枠手掛部21に手を掛ければよい。ところが、作業者が誤って係合操作部材50の中央凹部53に手を掛けて折畳コンテナ10を持ち上げることもある。
【0045】
しかしながら、本実施形態の折畳コンテナ10では、係合操作部材50が可動範囲の上端位置側に移動して、跳上側壁40を起立状態に保持するための係合突起15B,62B同士が係合する構造になっているので、係合操作部材50に手を掛けて折畳コンテナ10が持ち上げられた場合に、係合突起15B,62B同士の係合が深まることはあっても、従来のように係合が解除されることはない。また、側壁手掛部44や枠手掛部21に手を掛けて折畳コンテナ10を持ち上げて、内部の荷物により底部ベース11が下方に撓むことが考えられる。しかしながら、この場合も同様に、係合突起15B,62B同士の係合が深まることはあっても、従来のように係合が解除されることはない。即ち、本実施形態の折畳コンテナ10によれば、跳上側壁40を起立状態の保持する係合の意図しない解除を防ぐことができる。
【0046】
また、本実施形態の折畳コンテナ10では、係合操作部材50の突片受容部62内に係合突起62Bを配置したので、係合操作部材50のうち係合突起62Bを備えた壁部を、突片受容部62の回りの壁部で補強して係合突起15B,62B同士の係合強度を高めることができる。
【0047】
なお、本実施形態の折畳コンテナ10では、跳上側壁40が起立状態になったときに、底面短辺側壁11Sの中央突部13から両側方に突出した1対の上下連結突部13T,13Tが、跳上側壁40における1対の上下連結片72,72の上面に係合するので、折畳コンテナ10の内部の荷物による底部ベース11の下方への撓み量を抑えることができる。
【0048】
折畳コンテナ10を折り畳む場合には、
図11に示すように、係合操作部材50を弾性片60の弾発力に抗して下方に押し下げて係合突起15B,62B同士の係合を解除した状態にして跳上側壁40を上方に回動すればよい。その際、例えば、
図9(B)に示すように、係合操作部材50の指掛突壁54に人差指か親指の一方を挿入すると共に、人差指か親指の他方を跳上側壁40における枠壁43の内側に挿入して、指掛突壁54と枠壁43の指掛部43Aとを摘まむことで係合操作部材50を押し下げれば、それら指の位置を変えずにそのまま跳上側壁40を押して
図13に示すように上方に回動することができる。これにより、折畳コンテナ10を
図1に示した組立状態から効率よく
図15に示した折畳状態に変更することができる。
【0049】
[第2実施形態]
本実施形態の折畳コンテナ10Vは、
図16〜
図20に示されており、係合操作部材50を可動範囲の上端位置にロックするためのロック操作部材80が跳上側壁40Vに組み付けられている点が前記第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる点に関してのみ説明する。
【0050】
図17に示すように、跳上側壁40Vが有する枠壁43の指掛部43Aには、ロック操作部材80を取り付けるために、係合操作部材50の第2切欠部58B(
図16参照)と対向する位置に、横長の長方形の貫通孔78が貫通形成されている。また、その貫通孔78に対して枠壁43の左右方向の中央寄り位置には、指掛部43Aの下面に係合突条79が突出形成されている。その係合突条79は、断面半円形をなして、枠壁43の奥行き方向に延びている。
【0051】
図18に示すように、ロック操作部材80は、板状のベース部81の上面に干渉ブロック85を備えた構造になっている。ベース部81は、
図16に示すように、指掛部43Aの下面に重ねられる横長の長方形をなし、その長手方向の両端部から下方に操作突部82,82が突出している。なお、操作突部82,82同士の対向面は、上方に向かうに従って互いに接近するように傾斜した傾斜面82A,82Aになっている。
【0052】
図18に示すように、ベース部81の上面のうち左右方向の一端寄り位置からは中継支柱84が上方に突出している。そして、干渉ブロック85は、中継支柱84の上端部からベース部81の左右方向の他端寄り位置まで水平に片持ち梁状に延びた角柱構造をなしている。また、干渉ブロック85のうち中継支柱84の上方に位置した部位の両側面からは1対の抜止突起86,86が突出している。それら抜止突起86には、干渉ブロック85のうち片持ち梁状になった部分の下面と面一の係止面86Kと、上方に向かうに従って徐々に干渉ブロック85の側面に接近するように傾斜した傾斜面86Sとが備えられている。また、ベース部81の上面のうち中継支柱84が配置された側と反対側の端部寄り位置には、係合突条79に対応した係合溝83が備えられている。
【0053】
ロック操作部材80は、干渉ブロック85が貫通孔78に下方から押し込まれて、抜止突起86,86の係止面86K,86Kが枠壁43の上面に係止した状態に組み付けられ、
図16に示すように、干渉ブロック85が枠壁43の上方に突出した状態になっている。そして、ベース部81のうち係合溝83寄りの端面が係合突条79に係止したアンロック位置と、
図20に示すように、係合溝83に係合突条79に係合したロック位置との間をスライドする。
【0054】
図16に示すように、ロック操作部材80がアンロック位置に配置されると、干渉ブロック85の上面全体が第2切欠部58Bに対向する。これにより、係合操作部材50は、ロック操作部材80と干渉せずに可動範囲の下端位置まで押し下げることができ、その際、干渉ブロック85は、第2切欠部58Bを通過して
図19に示すように操作部51の内部に受容される。
【0055】
図20に示すように、ロック操作部材80がロック位置に配置されると、干渉ブロック85の上面の一部が係合操作部材50の下面における第2切欠部58Bの縁部に対向する。これにより、係合操作部材50とロック操作部材80とが干渉して、係合操作部材50を可動範囲の上端位置から押し下げることができなくなる。これにより、本実施形態の折畳コンテナでは、上記した第1実施形態の折畳コンテナ10の作用効果に加え、例えば、意図せずに係合操作部材50に指を引っ掛けて押し下げ、係合突起15B,62B同士の係合を解除してしまうような不具合や、折畳コンテナを落として、その衝撃で係合突起15B,62B同士の係合を解除してしまうような不具合も防ぐことができる。
【0063】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0064】
(1)前記実施形態では、下向係合面15Aに突出形成された「回動規制係合部」としての係合突起15Bと、上向係合面62Aに突出形成された「回動規制係合部」としての係合突起62Bが互いに係合する構成であったが、下向係合面と上向係合面との何れか一方に「回動規制係合部」としての係合孔を設ける一方、他方に「回動規制係合部」としての係合突起を設けて互いに凹凸係合させる構成にしてもよい。
【0065】
(2)前記第1及び第2の実施形態では、係合突片15が底部ベース11に設けられる一方、突片受容部62が係合操作部材50に設けられていたが、その反対に、係合突片を係合操作部材に設ける一方、突片受容部を底部ベースに設けてもよい。また、係合操作部材と底部ベースの両方に係合突片を設けて、それら係合突片を互いに係合させる構成にしてもよい。