特許第5924821号(P5924821)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5924821
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】自動販売機用選択スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/06 20060101AFI20160516BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20160516BHJP
   H01H 9/04 20060101ALI20160516BHJP
   H01H 9/18 20060101ALI20160516BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
   H01H13/06 B
   G07F9/00 H
   H01H9/04 D
   H01H9/18 B
   H01H13/02 A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-212104(P2013-212104)
(22)【出願日】2013年10月9日
(65)【公開番号】特開2015-76283(P2015-76283A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2014年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000153236
【氏名又は名称】株式会社光波
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】加藤 謙治
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−192886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/06
G07F 9/00
H01H 9/04
H01H 9/18
H01H 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売機本体に取り付けられるベース部材と、
前記ベース部材の前面側に設けられ、表示内容を電気的に可変可能な表示部と、
前記表示部の前面側に設けられた透光性部材と、
前記透光性部材との間を止水する第1の止水部、及び前記ベース部材との間を止水する第2の止水部を有する止水部材と、
前記透光性部材に対する選択操作に基づいて動作をするスイッチ手段と、
を備え
前記止水部材は、前記表示部の前記表示内容に対応する開口を有する、
自動販売機用選択スイッチ装置。
【請求項2】
前記ベース部材の前面側に実装され、前記表示部に電気的に接続された基板と、
前記透光性部材と前記基板との間に設けられた緩衝部材をさらに備えた、
請求項1に記載の自動販売機用選択スイッチ装置。
【請求項3】
前記透光性部材と前記ベース部材との間に設けられ、前記表示部から出射された光を導
光して前記透光性部材の一部を照明する導光部材をさらに備えた、
請求項1又は2に記載の自動販売機用選択スイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機用選択スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外に設置される自動販売機には、水密構造の自動販売機用選択スイッチ装置が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この自動販売機用選択スイッチ装置は、押圧操作によってスイッチ素子をオンにする選択ボタン(透光性部材)と、価格を表示する7セグメント表示器、及び7セグメント表示器からの光を選択ボタンへ反射するリフレクタで構成され、選択ボタンの背面側に設けられた表示部と、透明性を有し、表示部を覆うことで表示部を水密にするシリコンカバーとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−192883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の自動販売機用スイッチ装置は、シリコンカバーで表示部を覆うことにより表示部を水密にする構成であるため、表示部から出射された光がシリコンカバーによって吸収、拡散又は反射されて表示部の視認性が低下するという問題がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、透光性部材の背面側に位置する表示部の視認性の低下を抑制することができる自動販売機用選択スイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]販売機本体に取り付けられるベース部材と、前記ベース部材の前面側に設けられ、表示内容を電気的に可変可能な表示部と、前記表示部の前面側に設けられた透光性部材と、前記透光性部材との間を止水する第1の止水部、及び前記ベース部材との間を止水する第2の止水部を有する止水部材と、前記透光性部材に対する選択操作に基づいて動作をするスイッチ手段と、を備え、前記止水部材は、前記表示部の前記表示内容に対応する開口を有する、自動販売機用選択スイッチ装置。
]前記ベース部材の前面側に実装され、前記表示部に電気的に接続された基板と、前記透光性部材と前記基板との間に設けられた緩衝部材をさらに備えた、前記[1]に記載の自動販売機用選択スイッチ装置。
]前記透光性部材と前記ベース部材との間に設けられ、前記表示部から出射された光を導光して前記透光性部材の一部を照明する導光部材をさらに備えた、前記[1]又は[2]に記載の自動販売機用選択スイッチ装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、透光性部材の背面側に位置する表示部の視認性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る選択スイッチ装置を備えた自動販売機を模式的に示す正面図である。
図2図2は、選択スイッチ装置を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は、側面図、(c)は、下面図である。
図3図3は、選択スイッチ装置の構成部品の分解斜視図である。
図4図4は、選択スイッチ装置の内部構造を示す、図2(a)のA−A線断面図である。
図5図5は、選択スイッチ装置の内部構造を示す、図2(a)のB−B線断面図である。
図6図6は、本発明の第2の実施の形態に係る選択スイッチ装置の内部構造を示す断面図である。
図7図7は、本発明の第3の実施の形態に係る選択スイッチ装置の内部構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0011】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動販売機用の選択スイッチ装置を備えた自動販売機を模式的に示す正面図である。
【0012】
この自動販売機1は、各種の飲料を販売する自動販売機を例示している。自動販売機1は、上下方向に長い直方体型の筐体により形成された販売機本体2を備える。
【0013】
販売機本体2は、前方に開口する箱体2aと、箱体2aの前方の開口部を開閉する扉体2bとを備える。この扉体2bの前面上部は、前面パネル3を備える。この前面パネル3は、例えば透明なアクリル板等の樹脂材料から形成される。
【0014】
ここで、前面側とは、自動販売機において、正面側をいう。背面側とは、前面側と反対の面側をいう。
【0015】
扉体2bの前面下部には、紙幣を挿入・排出する紙幣入出口4と、硬貨を投入する硬貨投入口5と、紙幣又は硬貨を返却する返却レバー6とが設けられている。
【0016】
扉体2bの前面下部には、更に、釣銭切れ表示や挿入された紙幣又は投入された硬貨の金額の表示を行う金額表示器7と、釣銭を返却する釣銭返却口8と、商品を取り出す商品取出口9と、扉体2bの開閉をロックするドアロック10とが設けられている。なお、符号11、12は、それぞれ広告スペース、冷温表示部である。
【0017】
前面パネル3の背面側には、金属からなる板材により形成された背面パネル13が配置されている。前面パネル3と背面パネル13との間で形成された空間は、商品見本展示室とされている。この商品見本展示室には、下方側及び前方側に開口した展示筐体による商品見本展示台14が上段、中段、及び下段の三段一列に設置されている。
【0018】
商品見本展示台14には、展示用物品である複数(本実施の形態では、30個)の商品見本15が三段一列に陳列されている。この商品見本15に対応して上段、中段、及び下段のそれぞれには、複数(本実施の形態では、10個)の選択ボタン23を有する選択スイッチ装置20が配置されている。各選択スイッチ装置20は、前面パネル3の前面側に取り付けられている。
【0019】
(選択スイッチ装置の外部構造)
図2は、選択スイッチ装置20を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は、側面図、(c)は、下面図である。なお、各選択ボタン23は、構成及び機能等は同一であるので、以下、1個の選択ボタン23について説明する。
【0020】
選択スイッチ装置20は、図2において左右に長く、幅方向の長さよりも厚さが薄い矩形状のベース21と、ベース21に取り付けられる幅方向の長さよりも厚さが薄い矩形状のケース22と、ベース21の前面側に設けられた選択ボタン23とで構成される。なお、ベース21は、ベース部材の一例であり、選択ボタン23は、透光性部材の一例である。
【0021】
ベース21は、販売機本体2の背面パネル13に着脱可能に取り付けられる。ベース21の背面側には、複数の筒状の取付ボス21a及びコネクタ取付ボス21bが交互に選択スイッチ装置20の幅方向の一方に偏心して一列に設けられている。取付ボス21aは、背面パネル13に設けられた図示しない固定用孔に挿入されて図示しないネジ等により固定される。コネクタ取付ボス21bには、後述するコネクタ29が嵌め込まれている。
【0022】
ベース21及びケース22は、後述する弾性部材24の第2の止水部24eを圧縮して選択スイッチ装置20を水密にするように互いに組みつけられる。このベース21及びケース22は、例えばアクリル系樹脂やポリカーボネイト系樹脂等の樹脂材料に光を透過しない性質を有する着色剤や顔料等を混入させて形成されている。
【0023】
選択ボタン23は、ケース22の前面側に形成された楕円形状の開口22aからレンズ状に形成された操作面23aが突出するように配置されている。この選択ボタン23は、例えばポリカーボネイト系樹脂、アクリル系樹脂等の透光性を有する樹脂材料により形成されている。なお、選択ボタン23の操作面23aは、レンズ状に形成されていなくてもよい。また、選択ボタン23は、透光性を有する例えば、スモークグレー等に着色されていてもよい。
【0024】
(選択スイッチ装置の内部構造)
図3は、選択スイッチ装置20の構成部品の分解斜視図である。図4は、選択スイッチ装置20の内部構造を示す、図2(a)のA−A線断面図である。図5は、選択スイッチ装置20の内部構造を示す、図2(a)のB−B線断面図である。
【0025】
選択スイッチ装置20は、ベース21の前面側に実装された基板27と、選択スイッチ装置20を水密にする止水部材24と、選択ボタン23への選択操作により動作する複数(本実施の形態では2個)のタクトスイッチ28と、選択ボタン23とベース21との間に配置されるプレート25と、選択ボタン23と基板27との間に配置される緩衝部材26と、ベース21の前面側に設けられて表示内容を電気的に可変可能な表示部30とを備える。なお、タクトスイッチ28は、スイッチ手段の一例であり、プレート25は、導光部材の一例である。
【0026】
基板27には、タクトスイッチ28、表示部30の光源である発光素子31や図示しないチップ抵抗等の実装部品と電気的に接続する回路パターンが形成されている。
【0027】
基板27の背面側には、図2(c)に示すように、ベース21のコネクタ取付ボス21bに嵌め込まれるコネクタ29が実装されている。このコネクタ29は、基板27の実装面27aに対して直交する方向から相手側コネクタが結合される垂直取付型のコネクタであり、基板27と販売機本体2とを電気的に接続する。
【0028】
止水部材24は、止水機能と、選択ボタン23に対する復元機能とを有する。止水部材24は、表示部30の表示内容に対応して形成された開口24aと、開口24aの縁に環状に連続して形成される第1の止水部24bと、第1の止水部24bから外側に張り出した柱状の2個のスイッチ動作部24cと、スイッチ動作部24cから斜め外側に張り出した環状のスカート部24dと、スカート部24dの外縁に連続して形成された第2の止水部24eと、ケース22の脚部22bと基板27の実装面27aとで圧縮されて止水部材24を固定する固定部24fと、他の選択ボタン23に連続する中間部24gとを備え、選択ボタン23を弾性的に支持している。この止水部材24は、例えばシリコーンゴム等の弾性変形可能な材料により形成されている。
【0029】
止水部材24の開口24aは、選択ボタン23から表示部30の表示内容を止水部材24を介さずに視認できるように形成されている。なお、開口24aは、表示部30の表示内容の一部に対応するように形成されてもよい。また、止水部材24は、開口24aを有しない形状としてもよい。
【0030】
第1の止水部24bは、隣接する部分よりも厚い厚さを有し、選択ボタン23の溝部23cとプレート25の溝部25aとで圧縮されることにより、選択ボタン23と表示部30との間を止水し、選択ボタン23と表示部30との間に雨水等が浸入することを抑制する。
【0031】
止水部材24の第2の止水部24eは、背面側に突出した突部241を有し、この突部214がベース21の溝部21cとケース22の鍔部22cとの間で圧縮されることによりベース21とケース22との間を止水し、ベース21とケース22との間に雨水等が浸入することを抑制する。
【0032】
第2の止水部24eは、第1の止水部24b、スイッチ動作部24c及びスカート部24dを囲うように形成されて選択スイッチ装置20を一括して止水する。
【0033】
止水部材24は、選択ボタン23に対して選択操作があったとき、スイッチ動作部24cがスカート部24dの弾性変化に伴って押し下げられてタクトスイッチ28をオンにする。一方、止水部材24は、選択ボタン23への選択操作が解除されると、スカート部24dの弾性復帰力によりスイッチ動作部24cが押し上げられてタクトスイッチ28をオフにする。
【0034】
プレート25は、断面がL字であり、円周の約4分の1周において肩部25bが欠けた環状の形状を有し、選択ボタン23の鍔部23bに取り付けられる。プレート25は、発光素子31から出射された光を導光及び拡散して選択ボタン23の周辺部を照明することにより、選択スイッチ装置20の視覚的な展示効果を高める。プレート25は、選択ボタン23に対して選択操作があったとき、選択ボタン23とともに背面側に押し下げられる。プレート25は、ポリカーボネイト系樹脂、アクリル系樹脂等の透光性を有する樹脂材料により形成される。なお、プレート25は、選択ボタン23に接着若しくは融着、又は選択ボタン23と一体成形されてもよい。
【0035】
緩衝部材26は、基板27の位置決め孔27bに挿入される位置決め部26aを有し、断面がL字である環状に形成される。緩衝部材26は、弾性を有する例えば、シリコーンゴム等により形成される。
【0036】
緩衝部材26は、プレート25が背面側に押し下げられるときにプレート25が基板27に与える衝撃を緩衝するように、位置決め部26aにより位置決めされて基板27の実装面27aに配置される。なお、緩衝部材26は、例えば、プレート25の背面側に接着若しくは融着、又はプレート25と一体成形されてもよい。
【0037】
(表示部の構成)
表示部30は、基板27に実装された複数の発光素子31と、発光素子31が出射した光を反射するリフレクトケース32と、リフレクトケース32が反射した光を透過する表示シート33とを備える。
【0038】
表示部30を構成する複数の発光素子31は、例えば、赤色LED、緑色LED及び青色LEDが用いられ、情報表示に対応する色の光を出射する。なお、発光素子31には、LEDの他に、例えば、有機EL素子や半導体レーザ等を用いてもよい。
【0039】
リフレクトケース32は、任意の金額を表示するセグメント表示領域32aと、任意の情報を表示する販売情報表示領域32bとを備え、止水部材24のスイッチ作動部24cが貫通してタクトスイッチ28を作動させるための孔32cが2個形成されている。セグメント表示領域32aには、8字状に配置された7つの開口を一組として三組が図3において左右一列に形成されている。
【0040】
販売情報表示領域32bは、販売機本体2の稼動を表示する稼動表示パターンや購入商品を指定する選択ボタン23の操作面23aを照明する操作面表示パターン等の各種の情報表示パターンを有している。
【0041】
表示シート33は、リフレクトケース32のセグメント表示領域32aと販売情報表示領域32bとに対応して形成された光透過性印刷層33bと、光透過性印刷層33bが形成された部分を除く部分に形成された遮光性印刷層33aとを備え、止水部材24のスイッチ作動部24cが貫通してタクトスイッチ28を作動させるための孔33cが1個形成されている。
【0042】
光透過性印刷層33bは、例えば「売切」を表示する売切表示パターン、「準備中」を表示する準備中表示パターンや商品価格を表示するセグメント表示パターン等の各種の情報表示パターンを有している。
【0043】
表示部30は、発光素子31が出射した光を光透過性印刷層33bで透過して各種の情報表示パターンを選択ボタン23を介して視認できるように表示する。なお、表示部30が「HOT」及び「COLD」の冷温表示をすることにより、販売機本体2から冷温表示部12を省略してもよい。
【0044】
(選択ボタン装置の動作)
次に、選択ボタン装置20の動作について説明する。操作者が選択ボタン23の操作面23aを押圧する選択操作をすると、止水部材24のスイッチ動作部24cがスカート部24dの弾性変化に伴って押し下げられてタクトスイッチ28をオンにする。タクトスイッチ28は、オン信号を自動販売機1の制御部に出力する。制御部は、タクトスイッチ28からのオン信号に基づいて選択ボタン23に対応した商品を商品取出口9に出力させる。
【0045】
操作者が選択ボタン23の操作面23aに対する選択操作を解除すると、スカート部24dの弾性復帰力により選択ボタン23及びスイッチ動作部24cが押し上げられてタクトスイッチ28をオフにする。
【0046】
(第1の実施の形態の効果)
(1)止水部材24に選択ボタン23の操作面23aに対応する開口24aを設けることにより、表示部30から出射された光が止水部材24によって吸収、拡散又は反射されることを抑制することができる。これにより、選択ボタン23を介した表示部30の視認性を向上することが可能となる。また、止水部材24に第1の止水部24bが設けられているため、止水部材24が開口24aを有する形状であっても、表示部30を水密にすることができる。
(2)止水部材24に選択ボタン23の操作面23aに対応する開口24aを設けることにより、止水部材24が選択ボタン23又は表示シート33への貼りつきによって表示部30の表示内容が不均一に見えることを抑制することができる。
(3)選択ボタン23を介した表示部30の視認性が向上することにより、発光素子31の出力を小さくしても表示部30が視認できることから、選択スイッチ装置20を省電力化することができる。
(4)プレート25と基板27との間に緩衝部材26を設けることにより、選択操作によってプレート25が基板27に与える衝撃を緩衝することができる。これにより、基板27の断線等を抑制することが可能となる。
【0047】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る選択スイッチ装置の断面図である。
【0048】
第1の実施の形態の止水部材24は、選択ボタン23の溝部23cとプレート25の溝部25aとで圧縮される第1の止水部24bの厚さを厚くしていたが、本実施の形態の24Aは、第1の止水部24bの厚さを薄くして面積を広くしたものである。
【0049】
すなわち、本実施の形態の止水部材24Aは、平坦な形状の第1の止水部24bを有し、この第1の止水部24bは、鍔部23bとプレート25との間で圧縮されて選択ボタン23と表示部30との間を止水する。なお、第1の止水部は、選択ボタン23に接着若しくは融着、又は選択ボタン23と一体成形されてもよい。
【0050】
[第3の実施の形態]
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る選択スイッチ装置の断面図である。
【0051】
第1の実施の形態の表示部30は、基板27に実装された発光素子31、リフレクトケース32及び表示シート33で構成されていたが、本実施の形態の表示部30Aは、基板27の実装面27aに実装された液晶基板34で構成されたものである。
【0052】
すなわち、本実施の形態の液晶基板34は、液晶画面34aにより「HOT」及び「COLD」を表示する冷温表示、「売切」を表示する売切表示、「準備中」を表示する準備中表示、「¥」を表示する日本円表示や商品価格等を白黒又はカラーで表示する。なお、表示部30には、液晶基板34の他に電子ペーパ等を用いることができる。
【0053】
[変形例]
なお、本発明の実施の形態は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々に変形、実施が可能である。例えば、弾性部材24の表示部30に対応する箇所の肉厚を従来よりも薄く形成してもよい。また、弾性部材24を従来よりも高い透明性を有する材料により形成してもよい。これにより、開口24aを有さずに表示部30の視認性を向上させることができる。
【0054】
また、選択スイッチ装置20は、プレート25及び緩衝部材26を有しない構成としてもよい。
【0055】
また、選択スイッチ装置20は、1個のタクトスイッチ28を有する構成としてもよく、さらに、このタクトスイッチ28を選択ボタン23の中心部に対応するように基板27の実装面27aに配置してもよい。
【0056】
また、タクトスイッチ28に代えて、近接又は接触した商品購入者の手指等を検知するための近接センサ等をスイッチ手段として用いてもよい。
【0057】
また、1個の選択ボタン23から構成された選択スイッチ装置20を販売機本体2に取り付けてもよい。
【0058】
また、止水部材24の第2の止水部24eは、ベース21の前面側と接触するように配置されてベース21と選択ボタン23との間を止水してもよい。
【0059】
選択スイッチ装置は、たばこ等のパッケージ商品、缶又はペットボトル等に充填した飲料商品などの各種の自動販売機に効果的に適用することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0060】
1・・・自動販売機、2・・・販売機本体、2a・・・箱体、2b・・・扉体、3・・・前面パネル、4・・・紙幣入出口、5・・・硬貨投入口、6・・・返却レバー、7・・・金額表示器、8・・・釣銭返却口、9・・・商品取出口、10・・・ドアロック、11・・・広告スペース、12・・・冷温表示部、13・・・背面パネル、14・・・商品見本展示台、15・・・商品見本、20・・・選択スイッチ装置、21・・・ベース、21a・・・取付ボス、21b・・・コネクタ取付ボス、21c・・・溝部、22・・・ケース、22a・・・開口、22b・・・脚部、22c・・・鍔部、23・・・選択ボタン、23a・・・操作面、23b・・・鍔部、23c・・・溝部、24、24A・・・止水部材、24a・・・開口、24b・・・第1の止水部、24c・・・スイッチ動作部、24d・・・スカート部、24e・・・第2の止水部、24f・・・固定部、24g・・・中間部、241・・・突部、25・・・プレート、25a・・・溝部、25b・・・肩部、26・・・緩衝部材、27・・・基板、27a・・・実装面、28・・・タクトスイッチ、29・・・コネクタ、30、30A・・・表示部、31・・・発光素子、32・・・リフレクトケース、32a・・・セグメント表示領域、32b・・・販売情報表示領域、32c・・・孔、33・・・表示シート、33a・・・遮光性印刷層、33b・・・光透過性印刷層、33c・・・孔、34・・・液晶基板、34a・・・液晶画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7