【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
医療手順において使用するためのガイドワイヤであって、
被験体の身体脈管への挿入のための寸法にされた細長ガイド部材であって、該ガイド部材は、長手方向軸を規定し、そして後端セグメントおよび前端セグメントを有し、該前端セグメントは、該後端セグメントの断面寸法に対して減少した断面寸法を有し、該前端セグメントは、第一の材料を含む第一のコア要素、および該第一の材料と異なる第二の材料を含み該第一のコア要素の前方にある第二のコア要素を備え、該第一のコア要素の該第一の材料は、該第二のコア要素の該第二の材料の剛性より大きい剛性を有し、これによって、変形を最小にしながら、該前端セグメントの前進および該前端セグメントへのトルクの付与を容易にする、細長ガイド部材
を備える、ガイドワイヤ。
(項目2)
前記第一のコア要素の前記第一の材料がニッケル−コバルト−クロム合金を含む、上記項目に記載のガイドワイヤ。
(項目3)
前記第一のコア要素の前記第一の材料がステンレス鋼を含む、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目4)
前記第二のコア要素の前記第二の材料がニッケル−チタンまたはその合金を含む、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目5)
前記第一のコア要素が前記第二のコア要素に直接結合している、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目6)
前記第一のコア要素が前記第二のコア要素に溶接プロセスを介して結合されており、該溶接プロセスがフィラー材料を全く含まない、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目7)
コイル部材を備え、該コイル部材は、前記ガイド部材の周りに同軸状に設置されており、そして前記第一のコア要素および前記第二のコア要素を少なくとも部分的に囲むように長手軸方向に延びるような寸法にされている、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目8)
前記コイル部材が、第一のコイルセグメント、および該第一のコイルセグメントの前方にある第二のコイルセグメントを備える、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目9)
前記第一のコイルセグメントが第一のコイル材料を含み、そして該第二のコイルセグメントが、該第一のコイル材料と異なる第二のコイル材料を含む、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目10)
前記第一のコイルセグメントが第一のねじり強度を有し、そして前記第二のコイルセグメントが、該第一のねじり強度より大きい第二のねじり強度を有する、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目11)
前記前端セグメントが、前記長手方向軸に対して斜めに配置された少なくとも2つのテーパ状セグメントを備える、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目12)
前記前端セグメントが、前から後ろの順に、
最遠位セグメント;
該最遠位セグメントから延びて該最遠位セグメントと境界を接する第一のテーパ状セグメント;
該第一のテーパ状セグメントから延びて該第一のテーパ状セグメントと境界を接する第一のほぼ円柱状のセグメント;
該第一のほぼ円柱状のセグメントから延びて該第一のほぼ円柱状のセグメントと境界を接する第二のテーパ状セグメント;および
該第二のテーパ状セグメントから延びて該第二のテーパ状セグメントと境界を接する第二のほぼ円柱状のセグメント
を備える、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目13)
前記第一のコア要素が前記第二のほぼ円柱状のセグメント内で前記第二のコア要素に接続されている、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目14)
前記第一のコア要素が第三のほぼ円柱状のセグメント内で前記第二のコア要素に接続されている、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目15)
前記最遠位セグメントが多角形の断面または円柱状の断面のうちの1つを規定する、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目16)
前記最遠位セグメントを約500℃〜約525℃の温度にある時間にわたって曝露することによって、該最遠位セグメントが所定の構成に熱硬化される、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目17)
前記所定の構成がほぼ円弧状である、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目18)
前記前端セグメントの少なくとも大部分を覆って設置されたスリーブを備える、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目19)
前記スリーブがポリウレタンおよびタングステン材料を含む、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(項目20)
前記スリーブが円弧状の遠位先端を規定する、上記項目のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0004】
(摘要)
医療手順において使用するためのガイドワイヤは、被験体の身体脈管への挿入のための寸法にされた細長ガイド部材を備える。このガイド部材は、長手方向軸を規定し、そして後端セグメントおよび前端セグメントを有する。この前端セグメントは、この後端セグメントの断面寸法に対して減少した断面寸法を有する。この前端セグメントは、第一の材料を含む第一のコア要素、およびこの第一の材料と異なる第二の材料を含みこの第一のコア要素の前方にある第二のコア要素を備える。この第一のコア要素の第一の材料は、この第二のコア要素の第二の材料の剛性より大きい剛性を有し、これによって、前端セグメントの変形を最小にしながら、この前端セグメントの前進およびこの前端セグメントへのトルクの付与を容易にする。この第一のコア要素の第一の材料は、ニッケル−コバルト−クロム合金、またはステンレス鋼を含み得る。この第二のコア要素の第二の材料は、ニッケル−チタンまたはその合金を含む。
【0005】
(要旨)
従って、本開示は、脈管構造(神経血管を含む)の遠い範囲に接近し得、同時にこれらの蛇行領域を通してのガイドワイヤの操縦を容易にするために充分なねじり堅さおよび横方向堅さを示す、ガイドワイヤに関する。改善された引張り一体性およびねじれ一体性を有し、なおあらゆる方向に容易に屈曲する能力を有する、遠位端を有するガイドワイヤもまた、記載される。
本開示の1つの実施形態によれば、医療手順において使用するためのガイドワイヤは、被験体の身体脈管への挿入のための寸法にされた細長ガイド部材を備える。このガイド部材は、長手方向軸を規定し、そして後端セグメントおよび前端セグメントを有する。この前端セグメントは、この後端セグメントの断面寸法に対して減少した断面寸法を有する。この前端セグメントは、第一の材料を含む第一のコア要素、およびこの第一の材料と異なる第二の材料を含みこの第一のコア要素の前方にある第二のコア要素を備える。この第一のコア要素の第一の材料は、この第二のコア要素の第二の材料の剛性より大きい剛性を有し、これによって、前端セグメント変形を最小にしながら、この前端セグメントの前進およびこの前端セグメントへのトルクの付与を容易にする。この第一のコア要素の第一の材料は、ニッケル−コバルト−クロム合金、またはステンレス鋼を含み得る。この第二のコア要素の第二の材料は、ニッケル−チタンまたはその合金を含み得る。この第一のコア要素は、この第二のコア要素に、例えば、溶接プロセス(これはフィラー材料を全く含まなくてもよい)を介して直接結合され得る。
【0006】
コイル部材は、ガイド部材の周りに同軸状に設置され得、そして第一のコア要素および第二のコア要素を少なくとも部分的に囲むように長手軸方向に延びるような寸法にされ得る。このコイル部材は、第一のコイルセグメント、およびこの第一のコイルセグメントの前方にある第二のコイルセグメントを備え得る。この第一のコイルセグメントは第一のコイル材料を含み得、そしてこの第二のコイルセグメントは、第一のコイル材料と異なる第二のコイル材料を含み得る。この第一のコイルセグメントは第一のねじり強度を有し得、そしてこの第二のコイルセグメントは、この第一のねじり強度より大きい第二のねじり強度を有し得る。この第二のコイルセグメントは、例えば、ガイド部材の先端に隣接した減少した断面寸法を補償するために、より大きいねじり負荷を負担する必要があり得る。
【0007】
前端セグメントは、長手方向軸に対して斜めに配置された少なくとも2つのテーパ状セグメントを備え得る。1つの実施形態において、この前端セグメントは、前から後ろの順に、最遠位セグメント;最遠位セグメントから延びてこの最遠位セグメントと境界を接する第一のテーパ状セグメント;この第一のテーパ状セグメントから延びてこの第一のテーパ状セグメントと境界を接する第一のほぼ円柱状のセグメント;この第一のほぼ円柱状のセグメントから延びてこの第一のほぼ円柱状のセグメントと境界を接する第二のテーパ状セグメント;およびこの第二のテーパ状セグメントから延びてこの第二のテーパ状セグメントと境界を接する第二のほぼ円柱状のセグメントを備える。実施形態によっては、第一のコア要素は、この第二のほぼ円柱状のセグメント内でこの第二のコア要素に接続されるか、または第三のほぼ円柱状のセグメント内で接続され得る。
【0008】
スリーブが、この前端セグメントの少なくとも大部分を覆って設置され得る。このスリーブは、ポリウレタンおよびタングステン材料を含み得る。このスリーブはまた、円弧状の遠位先端を規定し得る。
【0009】
本開示の実施形態は、図面を参照することにより、容易に理解される。