特許第5925166号(P5925166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5925166画像形成装置及び画像形成装置の記録媒体切断方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5925166
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成装置の記録媒体切断方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20160516BHJP
【FI】
   B41J11/70
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-173003(P2013-173003)
(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公開番号】特開2015-39858(P2015-39858A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2014年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 大祐
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−111965(JP,A)
【文献】 特開2004−291219(JP,A)
【文献】 特開2002−144657(JP,A)
【文献】 特開2009−034822(JP,A)
【文献】 特開2001−341932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 11/00−11/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像形成するヘッドと、
記録媒体搬送路を挟み、前記ヘッドに対向して配置されるプラテンと、
前記記録媒体搬送路の一方の側に配置される固定歯と、
前記記録媒体搬送路を挟み、前記固定歯と対向する位置に配置され、前記固定歯とともに前記記録媒体を切断する可動歯と、
前記記録媒体搬送路を挟み、前記可動歯の記録媒体搬送路に面する面に対向して配置され、切断完了時に前記可動歯の前記記録媒体搬送路に面する面とで前記記録媒体を挟持する押さえ部材と、
を備え
前記押さえ部材は、
前記可動歯がホームポジションから回動するときに、前記記録媒体搬送路の方向に変位する担持体に着脱可能に取り付けられる画像形成装置。
【請求項2】
前記可動歯を駆動させる駆動板と、
前記駆動板に設けられる半径の長さが異なるカムと、
一端が前記担持体に回動可能に係止され、他端が前記カムに当接するアームと、
をさらに備える請求項記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記可動歯は、
回動することにより記録媒体を切断する請求項記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体の切断完了時に、記録媒体搬送路を挟み、可動歯の記録媒体搬送路に面する面に対向して配置される押さえ部材と、前記可動歯の前記記録媒体搬送路に面する面と、によって前記記録媒体を挟持する、画像形成装置の記録媒体切断方法であって、
前記押さえ部材は、
前記可動歯がホームポジションから回動するときに、前記記録媒体搬送路の方向に変位する担持体に着脱可能に取り付けられる画像形成装置の記録媒体切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置及び画像形成装置の記録媒体切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール状にまかれた記録媒体に画像形成する画像形成装置には記録媒体を切断するカッタを備えているものがある。このカッタには、記録媒体を完全に切り離すものと、切断した記録媒体が落下しないように一部を切り残すものがある。このいずれの方式により記録媒体を切り離すかは工場出荷時に部品を選択することにより行われるため、エンドユーザは画像形成装置の納入後に容易に切断方式の変更を行うことができない。
【0003】
この点に関し、記録媒体の印刷面に対して垂直に駆動する可動歯を記録媒体切断後にも切断位置に停止させ、この可動歯と押さえ部材によって切断した記録媒体を挟持して記録媒体の落下を防止する技術が提案されている。
【0004】
しかし、この技術によれば、記録媒体が印刷面に対して垂直方向に折れ曲がって挟持されるため、画像形成されて切断された記録媒体の一端がカールしてしまい、顧客に渡す際に見栄えが悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−111880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、記録媒体を完全に切り離す切断方式でありながら記録媒体がカールせずに挟持でき、さらにエンドユーザが記録媒体を挟持しない方式も容易に選択できる画像形成装置及び画像形成装置の記録媒体切断方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体に画像形成するヘッドと、記録媒体搬送路を挟み、ヘッドに対向して配置されるプラテンと、記録媒体搬送路の一方の側に配置される固定歯と、記録媒体搬送路を挟み、固定歯と対向する位置に配置され、固定歯とともに記録媒体を切断する可動歯と、記録媒体搬送路を挟み、可動歯の記録媒体搬送路に面する面に対向して配置され、切断完了時に可動歯の記録媒体搬送路に面する面とで記録媒体を挟持する押さえ部材と、を備え、押さえ部材は、可動歯がホームポジションから回動するときに、記録媒体搬送路の方向に変位する担持体に着脱可能に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】可動歯がホームポジションにある場合の画像形成装置の側面図である。
図2】駆動板が回転した場合を示す画像形成装置の側面図である。
図3】担持体及び押さえ部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、画像形成装置及び画像形成装置の記録媒体切断方法の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
本実施形態の画像形成装置は、記録媒体に画像形成するヘッドと、記録媒体搬送路を挟み、ヘッドに対向して配置されるプラテンと、記録媒体搬送路の一方の側に配置される固定歯と、記録媒体搬送路を挟み、固定歯と対向する位置に配置され、固定歯とともに記録媒体を切断する可動歯と、記録媒体搬送路を挟み、可動歯の記録媒体搬送路に面する面に対向して配置され、切断完了時に可動歯の記録媒体搬送路に面する面と記録媒体を挟持し、記録媒体の搬送時に挟持していた記録媒体を開放する押さえ部材と、を備える。
【0011】
図1は、可動歯14がホームポジションにある場合の、本実施形態に係る画像形成装置1の側面図である。図2は、駆動板17が回転した場合を示す画像形成装置1の側面図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、画像形成装置1は、記録媒体Pに画像形成するヘッド11と、記録媒体搬送路を挟み、ヘッド11に対向して配置されるプラテン12と、記録媒体搬送路の一方の側に配置される固定歯13と、記録媒体搬送路を挟み、固定歯13と対向する位置に配置され、固定歯13とともに記録媒体を切断する可動歯14と、を備える。
【0013】
画像形成装置1はさらに、記録媒体搬送路を挟み、可動歯14の記録媒体搬送路に面する面に対向して配置され、切断完了時に可動歯14の記録媒体搬送路に面する面と記録媒体を挟持し、記録媒体の搬送時に挟持していた記録媒体を開放する押さえ部材16と、を備える。
【0014】
押さえ部材16は、記録媒体搬送路の方向に回動可能な担持体15に着脱可能に取り付けられる。
【0015】
画像形成装置1は、可動歯14を駆動する円盤状の駆動板17を備える。駆動板17は歯車であってもよい。駆動板17は平面部にピン17Aを備える。
【0016】
画像形成装置1は、一端が係止部21Bにより可動歯14に回動可能に係止され、ピン17Aを挿通する切り欠き部21Aを備える第1のアーム21を備える。第1のアームは図示しない支点に回動可能に係止される。
【0017】
駆動板17が回転するとピン17Aが回転する。ピン17Aが回転すると第1のアーム21が支点を中心に変位し、可動歯14を記録媒体搬送路の方向に回動させる。従って、記録媒体は固定歯13と可動歯14によって切断される。
【0018】
画像形成装置1の記録媒体切断方式は、可動歯が回動することにより固定歯とともに記録媒体を切断する、いわゆるロータリーカット方式であることが、構成を簡単にする点において望ましい。また、ロータリーカット方式はカッタの寿命が長い点においても有利である。
【0019】
駆動板17はさらに、異なる半径を有するカム18を備える。画像形成装置1は、一端がピン体19Aにより担持体15に回動可能に係止され、他端にカム18に接するローラ部19Bを有し、ガイド20によって変位方向が規制される第2のアーム19を備える。
【0020】
駆動板17が回転するとカム18が回転する。カム18が回転すると第2のアーム19が変位する。第2のアーム19の変位によって担持体15が回動する。
【0021】
第1のアーム21は端部に突起部21Cを有する。画像形成装置1は、可動歯14が記録媒体を切断する前の位置であるホームポジションにあるときに突起部21Cを検知するホームポジションセンサ22を備える。
【0022】
画像形成装置1は、制御部23をさらに備える。制御部23は印字コマンドを受信した場合、プラテン12を回転させて記録媒体を搬送させながら画像形成する。制御部23は切断コマンドを受信した場合、駆動板17を回転させて可動歯14を回動させ、記録媒体を切断する。
【0023】
制御部23は、ホームポジションセンサ22が突起部21Cを検知した場合、可動歯14がホームポジションにあると判定し、駆動板17の回転を停止させる。
【0024】
この際、切断された記録媒体は可動歯14の記録媒体搬送路に面する面と押さえ部材16によって、折り曲げられずに挟持される。
【0025】
図3は、担持体15及び押さえ部材16を示す斜視図である。図3に示すように、担持体15は、両端部に穴15Bを有するフランジ部15Aを備える。担持体15は記録媒体の幅方向、すなわち記録媒体搬送方向に垂直な方向に長い担持部15Cを備える。
【0026】
押さえ部材16は担持部15Cと嵌合する嵌合部16Aを備える。押さえ部材16はゴム等の摩擦係数の高い弾性体を用いて形成される。
【0027】
エンドユーザは、記録媒体を切断後、記録媒体が挟持されないことを欲する場合には、押さえ部材16を担持体15から取り外すことができる。
【0028】
また、エンドユーザは、記録媒体を切断後、記録媒体が挟持されることを欲する場合には、押さえ部材16を担持体15に取り付けることができる。
【0029】
以上述べたように、本実施形態の画像形成装置1は、記録媒体に画像形成するヘッド11と、記録媒体搬送路を挟み、ヘッド11に対向して配置されるプラテン12と、記録媒体搬送路の一方の側に配置される固定歯13と、記録媒体搬送路を挟み、固定歯13と対向する位置に配置され、固定歯13とともに記録媒体を切断する可動歯14と、記録媒体搬送路を挟み、可動歯14の記録媒体搬送路に面する面に対向して配置され、切断完了時に可動歯14の記録媒体搬送路に面する面と記録媒体を挟持し、記録媒体の搬送時に挟持していた記録媒体を開放する押さえ部材16と、を備える。
【0030】
従って、記録媒体を完全に切り離す切断方式でありながら記録媒体がカールせずに挟持でき、さらにエンドユーザが記録媒体を挟持しない方式も容易に選択できるという効果がある。
【0031】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0032】
11:ヘッド
13:固定歯
14:可動歯
15:担持体
16:押さえ部材
17:駆動板
18:カム
図1
図2
図3