特許第5925212号(P5925212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5925212
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】排気ガスターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
   F02B 37/24 20060101AFI20160516BHJP
   F02B 39/00 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
   F02B37/24
   F02B39/00 T
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-543192(P2013-543192)
(86)(22)【出願日】2011年11月23日
(65)【公表番号】特表2013-545035(P2013-545035A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】US2011061991
(87)【国際公開番号】WO2012078363
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2014年5月27日
(31)【優先権主張番号】102010053796.9
(32)【優先日】2010年12月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】レイフ・ハイディングスフェルダー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ラム
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・クリストマン
(72)【発明者】
【氏名】ナーミン・オスマノヴィッチ
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−241096(JP,A)
【文献】 実開昭63−168130(JP,U)
【文献】 特開平10−205544(JP,A)
【文献】 実開平05−072557(JP,U)
【文献】 特表2008−542607(JP,A)
【文献】 実開平02−092111(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 37/24
F02B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサ(2)を有し、
タービンハウジング(4)を有するタービン(3)を有し、
コンプレッサ側フランジとタービン側フランジ(6)とを有する軸受ハウジング(5)を有し、
調整リング(8)を有するVTGカートリッジ(7)を有し、
調整シャフト(9)であって、
前記軸受ハウジング(5)の前記タービン側フランジ(6)を通して案内され、
前記VTGカートリッジ(7)の前記調整リング(8)内に係合する内側レバー(10)を有し、
アクチュエータ(13)の作動要素(12)に接続される外側レバー(11、11’、11’’、11’’’)を有する調整シャフト(9)を有する排気ガスターボチャージャ(1)であって、
前記外側レバー(11、11’、11’’、11’’’)が開口した丸い締結受口(14)を有し、前記調整シャフト(9)の関連のシャフト部分(15)が前記受口(14)内に係合する、
排気ガスターボチャージャ(1)。
【請求項2】
前記締結受口(14)及び前記シャフト部分(15)が溶接される、請求項1に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項3】
前記締結受口(14)が通過凹部(16)を有する、請求項1又は2に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項4】
前記外側レバー(11’)にクランク部分(17)が設けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項5】
前記締結受口(14)の反対側に配置された前記外側レバー(11、11’)の端部(20)において、前記作動要素(12)の接続装置(19)内に係合するペグ(18)が前記外側レバー(11、11’)に設けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項6】
前記締結受口(14)の反対側に配置された前記外側レバー(11’’、11’’’)の端部(20)において、締結突出部(21)が前記外側レバー(11’’、11’’’)に設けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項7】
補償ボール(22)が前記締結突出部(21)に配置される、請求項6に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項8】
前記シャフト部分(15)に隣接して配置された前記調整シャフト(9)の自由端(23)において、工具受口(24)が前記調整シャフト(9)に設けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項9】
前記工具受口(24)が二面体として形成される、請求項8に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項10】
タービン(3)を有する排気ガスターボチャージャ(1)のVTGカートリッジ(7)用の調整シャフト(9、9’)を取り付けるための方法であって、以下の方法ステップ、すなわち、
前記調整シャフト(9、9’)の一方の端部に内側レバー(10)を接続するステップと、
前記排気ガスターボチャージャ(1)の前記タービン側から前記排気ガスターボチャージャ(1)の軸受ハウジング(5)のタービン側フランジ(6)の軸受ブッシュ(25)に前記調整シャフト(9、9’)を挿入するステップと、
外側レバー(11、11’、11’’、11’’’)の開口した丸い締結受口(14)を前記調整シャフト(9、9’)の関連のシャフト領域(15)に配置するステップと、
前記締結受口(14)を前記シャフト部分(15)に半径方向に接続するステップと、
を有する方法。
【請求項11】
前記締結受口(14)と前記シャフト部分(15)との接続が溶接によって行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記締結受口(14)と前記シャフト部分(15)との接続が、前記締結受口(14)内に形成された通路凹部(16)を通して行われる、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
接続が行われる前に規定の位置を設定するための工具受口(24)が、前記調整シャフト(9)の自由端(23)に設けられる、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記工具受口(24)が二面体として形成される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の排気ガスターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
図13は、汎用排気ガスターボチャージャATLの僅かに単純化し概略斜視図を示している。排気ガスターボチャージャATLは、従来のように、コンプレッサVと共に軸受ハウジングLGを有し、軸受ハウジングLGには、タービンハウジングを有するタービンが隣接するが、このタービンは図13に図示していない。タービンハウジング側フランジFTGには、いわゆるVTGカートリッジ7が配置され、このカートリッジは、多数の案内ブレードが配置される空間を境界付けるディスク7A及びブレード軸受リング7Bを有し、案内ブレードの1つが参照符号7Cで示されている。同様に、ブレード軸受リング7Bに取り付けられているのは、エンジンの負荷状態に従って案内ブレード7Cの位置を変更するためにアクチュエータAK(制御カプセル又は電気アクチュエータ)によって作動することができる調整リング8である。
【0003】
前記作動のために、図15に見ることができる調整可能な調整シャフトVが、ブッシュBによってタービンハウジング側フランジFTGに取り付けられる。調整シャフトVは、調整リング8内に係合する内側レバーHを支承する。さらに、外側レバーHが調整シャフトVの反対側端部に締結され、外側レバーHは、上述の調整運動を調整リングに伝達できるために、例えばアクチュエータAKの作動ロッドなどの作動部材に接続される。
【0004】
調整シャフトVは、従来、ターボチャージャATLの組立の前に外側レバーH及び内側レバーHに溶接され、この結果、レバー間に規定の溶接角度が得られ、前記角度は、図16では一例として23°と規定されている。
【0005】
しかし、汎用排気ガスターボチャージャATLでは、排気ガスターボチャージャATLの組立状態で、VTGカートリッジ7を規定の停止点に調整すること、したがって、アクチュエータAKを設定するための正しい溶接角度を確認することは不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、請求項1の前提部に規定されたタイプの排気ガスターボ過給機を提供することであり、それにより、VTGカートリッジを上述の規定の停止点に調整すること、したがって、排気ガスターボチャージャの組立状態で、制御カプセルを設定するための正しい溶接角度を正確に確認することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的は、請求項1の特徴によって達成される。
【0008】
本発明による設計によって、最初に内側レバーを調整シャフトに設けること、及び軸受ハウジングのタービン側フランジに挿入することが可能となる。次に、外側レバーを調整シャフトに締結することを除いて、排気ガスターボチャージャを完全に組み立てることができる。次に、外側レバーの開口した丸い締結受口を調整シャフトの関連のシャフト部分に配置することができる。これによって、排気ガスターボチャージャの組立状態で、VTGカートリッジを規定の停止点に調整すること、したがって、アクチュエータを設定するための正しい溶接角度を確認することが可能となる。この理由は、VTGカートリッジが停止位置に配置され、かつアクチュエータ、特に制御カプセルが、対応する制御圧力によって位置付けされた後に、外側レバーを調整シャフトに半径方向に固定接続、特に溶接することができるからである。
【0009】
このことにより、外側レバーが調整シャフトの半径方向の案内のためのみならず、軸方向の案内のためにも機能することができ、したがって、ブッシュを有するストッパを形成し、このストッパにおいて、調整シャフトが軸受ハウジングのタービンハウジング側フランジで案内されるという利点が得られる。
【0010】
従属請求項2〜9は、本発明による排気ガスターボチャージャの有利な改良形態を開示している。
【0011】
外側レバーにクランク部分が設けられる場合、このことにより、アクチュエータ、特にカプセルの軸方向の設置空間が制限されないという利点が得られる。
【0012】
図13に基づく一般的な従来技術の認識に関して、構成要素7A〜7C及び8を有する前記図に示したVTGカートリッジ7が、本発明による排気ガスターボチャージャに使用されることが指摘される。
【0013】
本発明はまた、コンプレッサ及び軸受ハウジングに加えてタービンを有する排気ガスターボチャージャのVTGカートリッジ用の調整シャフトを取り付けるための方法に関する。
【0014】
この点に関して、従来技術を示している図17図19の説明が最初に参照される。
【0015】
図17は、第一に、特に、比較的小さな排気ガスターボチャージャの構造寸法の場合、軸受ハウジングLGのコンプレッサ側フランジFVGとタービン側フランジFTGとの間に示した設置空間EBRが非常に制限されることを示している。この結果、フライス加工隙間FF(milled clearance FF)がコンプレッサ側フランジFVGに必要であり、かつ調整シャフトのブッシュ取付けを2段階で実施しなければならない。図19の図面によれば、第1のステップで、外側レバーが設けられる調整シャフトをブッシュBに挿入できるように、軸受ハウジングLGのタービンハウジング側フランジFTGのブッシュBが部分的にのみ押入される。第2のステップで、次に、ブッシュBが端部位置に押入され、その後、内側レバーがブッシュBを通して案内される調整シャフトVWの端部に溶接される。したがって、カートリッジの事後設定は、排気ガスターボチャージャの組立後にもはや可能でない。
【0016】
したがって、実施がより簡単であり、したがって信頼性が高められる、排気ガスターボチャージャのVTGカートリッジ用の調整シャフトを取り付けるための方法を提供することもまた本発明の目的である。
【0017】
前記目的は、請求項10の特徴によって達成される。
【0018】
本発明による方法の利点は、調整シャフトを取り付ける間に現れるが、この理由は、前記調整シャフトを内側レバーの取付け後にタービン側からタービン側軸受ハウジングフランジのブッシュに挿入することができ、この結果、選択的に設けることが可能なピストンリングをはるかに容易に押入することができるからである。
【0019】
公知の方法と比べて、タービン側の組立空間は制限されず、自動化又は手動取付けのために充分な自由空間が得られ、その結果、信頼性が高められる。
【0020】
さらに、外側レバーを調整シャフトの自由端に半径方向に接続する結果、軸受ハウジングフランジの間の空間をより良く利用することができ、その結果、図18に基づき説明したような軸受ハウジングのフライス加工隙間18及びブッシュの2段階の押入を省略することが可能である。これにより、取付け工程の著しい簡略化が得られる。
【0021】
本発明による方法のさらなる利点は、調整シャフトと内側レバーとから構成された構造ユニットを、すべての構造寸法について標準構成要素として同一に形成することができる一方、外側レバーのみを顧客仕様により設計すればよいという事実から現れる。従属請求項11〜14は、本発明による方法の有利な改良形態に関する。
【0022】
顧客仕様の設計である外側レバーは、製造が廉価であり、溶接が容易な金属薄板構造であり得ると有利である。同様に、制御カプセルの遊びの軸方向の補償を行うために、外側レバーに補償ボールを設けてもよい。
【0023】
本発明のさらなる詳細、特徴及び利点は、図面に基づく例示的な実施形態の以下の説明から理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明による排気ガスターボチャージャの実施形態の部分斜視図である。
図2】排気ガスターボチャージャの調整シャフトの斜視図である。
図3】調整シャフト及び前記構成要素の組立前の外側レバーの図2に対応する図面である。
図4】前記構成要素の接続後の調整シャフト及び外側レバーの斜視平面図である。
図5】接続後の外側レバー及び調整シャフトの正面図である。
図6】外側レバーの代替実施形態による図5に対応する図面である。
図7】調整シャフトの第2の実施形態の図2に対応する図面である。
図8】軸受ハウジングフランジのブッシュに取り付けられた状態の図7による調整シャフトの図面である。
図9】外側レバーが取り付けられた図7による調整シャフトの斜視図である。
図10図9による構成の正面図である。
図11】外側レバーの別の実施形態の斜視図である。
図12】補償ボールを有する外側レバーの図11に対応する図面である。
図13】従来技術を説明するための、公知の排気ガスターボチャージャ及びその構成要素の図面である。
図14】従来技術を説明するための、公知の排気ガスターボチャージャ及びその構成要素の図面である。
図15】従来技術を説明するための、公知の排気ガスターボチャージャ及びその構成要素の図面である。
図16】従来技術を説明するための、公知の排気ガスターボチャージャ及びその構成要素の図面である。
図17】従来技術を説明するための、公知の排気ガスターボチャージャ及びその構成要素の図面である。
図18】従来技術を説明するための、公知の排気ガスターボチャージャ及びその構成要素の図面である。
図19】従来技術を説明するための、公知の排気ガスターボチャージャ及びその構成要素の図面である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明による排気ガスターボチャージャ1の部分図面を示している。排気ガスターボチャージャ1はコンプレッサ2及びタービン3を有し、前記タービンは、タービンホイール(図には見えない)が配置されるタービンハウジング4を有する。
【0026】
コンプレッサ2とタービンハウジングとの間には、コンプレッサ側フランジ(選択図のため図1では見えない)と、見えるタービン側フランジ6とを有する軸受ハウジング5が配置される。
【0027】
図示した排気ガスターボチャージャ1は、設計が公知の装置に対応する可変タービン形状を有するチャージャであるので、前記部分(タービンハウジング4に配置されるので図1では見ることができない)に関して、図13図13中の部分7、7A、7B、7C、8)に関して行った説明を参照することが可能である。
【0028】
排気ガスターボチャージャはまた、軸受ハウジング5のタービン側フランジ6を通して案内される調整シャフト9を有する。図1に選択した図面のため、前記調整シャフト9の見ることができる部分は、調整シャフト9の全体図に関して特に図2を参照し得るように、自由端23及びシャフト部分15のみである。
【0029】
特に図1図5の並列から、調整シャフト9は、VTGカートリッジ7の図13に示した調整リング8内に係合する内側レバーを有することを理解できる。
【0030】
さらに、調整シャフト9は、図1図3図4及び図5に見ることができる外側レバー11を有する。前記外側レバー11は、図1から理解できるように、アクチュエータ13(制御カプセル又は電気アクチュエータ)の作動要素12に接続される。
【0031】
特に図3図5の並列から、外側レバー11が開口した丸い締結受口14を有することを理解できる。この場合、特に図3に、「開口した及び丸い」締結受口14は、実質的に半円設計でありかつあるタイプのフックを形成する構造を意味すると理解されることが示されており、ここで、丸い領域は、形状及び寸法に関して調整シャフト9のシャフト部分15に整合され、このシャフト部分の周りは、開口した丸い締結受口14によって係合され、この点に関して図3図5の並列が特に参照される。外側レバー11の前記設計は、排気ガスターボチャージャ1の完全な予備組立、したがって、アクチュエータ13の設定能力の改善を可能にするが、この理由は、組立後に、VTGカートリッジを停止位置に配置することができ、このために、調整シャフト9の自由端23が工具受口24を有するからである。工具受口24は、この例では、調整シャフト9の回転を可能にし、したがって、排気ガスターボチャージャ1の組立状態でVTGカートリッジ及びアクチュエータ13の設定を可能にするように、例えば開放端レンチによって係合し得る二面体として形成される。
【0032】
外側レバー11又はその締結受口14をシャフト部分15に最後に締結するために、締結受口14は、特に図4に見ることができる通過凹部16を有し、前記通過凹部16は図4の長円線によって示されている。図面は、通過凹部16が、通過凹部16が配置される締結受口14の領域の材料厚さを完全に貫通して延びることを示しており、この結果、通過凹部(窓)16によって露出されたシャフト部分15を図1図4及び図5に見ることができる。最終的な締結のために、締結受口14は、前記通過凹部16の溶接接続によってシャフト部分に接続することができる。
【0033】
図1図5及び図6による実施形態では、締結受口14の反対側に配置される外側レバー11の端部20には、アクチュエータ13をVTGカートリッジに動作可能に接続するために、作動要素(作動ロッド)12の接続装置19内に係合するペグ18が設けられる。
【0034】
シャフト部分15への締結受口14の接続、特に溶接は、外側から半径方向に行われてもよいため、このことにより、公知の方法に対して組立の相当の簡略化が達成されるが、軸受ハウジング5のコンプレッサ側フランジとタービン側フランジとの間の比較的小さな間隔にもかかわらず、通過凹部16及びシャフト部分15が外側から半径方向に容易にアクセス可能であるからである。
【0035】
図6による実施形態は、同じ参照番号がすべての対応する部分について使用されるように、図1図5の実施形態に実質的に対応する。しかし、図6による実施形態では、外側レバー11’にクランク部分17が設けられ、その目的は、アクチュエータ又は制御カプセル13の軸方向の設置空間が制限されないことを保証することである。さらに、図6及び図5からも、外側レバー11が調整シャフト9の半径方向の案内のためのみならず、軸方向の案内のためにも機能し、したがって、タービンハウジング側フランジ6に配置されかつ調整シャフト9を案内するブッシュ25と共にストッパを形成することは明らかである。
【0036】
本発明による方法について、図7図12に基づき以下に詳細に説明する。
【0037】
図7から理解できるように、第一に内側レバー10が、調整シャフト9’に接続、特に溶接される。
【0038】
調整シャフト9’と、これに固定された内側レバー10とから構成された構成要素は、図8の矢印Fmountingの方向に、軸受ハウジング5のタービンハウジング側フランジ6のブッシュ25に挿入され、この場合、シールリング26が調整シャフト9’に予め任意選択的に取り付けられる。
【0039】
図9及び図10に従って、次に、外側レバー11’が、片側で開口しかつ丸い形状であるその締結受口14と共に調整シャフト9’の関連のシャフト部分15の上に配置される。図9では、この点に関して、締結受口14の内側円周面が寸法及び形状に関して前記シャフト部分15に整合されるので、片側で開口しかつ丸い形状である外側レバー11’の締結受口14がどのように関連のシャフト部分15に着座するか又は当接することを斜視図で明らかにできるために、この図面では、タービンハウジング側フランジ6が省略されていることが指摘される。
【0040】
上に既述したように、図9及び図10は、同様にすでに上に説明したシャフト部分15に締結受口14を半径方向に溶接することを可能にする通過凹部16を同様に示しており、これにより、従来技術に対して著しく改良されたアクセス可能性のために組立が相当単純化される。
【0041】
図11及び図12は、外側レバー11’を再び示しており、この場合、外側レバーには、締結受口14の反対側に配置されたその端部20において締結凹部21が設けられ、この締結凹部21に、アクチュエータ13の作動要素12の対応して形成された相手部材を挿入することができる。
【0042】
図12に示した特に好ましい実施形態では、前記締結凹部又は前記締結突出部21に、さらに補償ボール22が設けられる。
【0043】
図11図12に示したように、外側レバー11’’及び11’’’の両方の実施形態は、レバー材料の捻れの結果形成された中央部分26を有する。
【0044】
本発明の上述の開示に加えて、本開示を補足するために、この場合、図1図13の概略図が明示的に参照される。
【符号の説明】
【0045】
1 排気ガスターボチャージャ
2 コンプレッサ
3 タービン
4 タービンハウジング
5 軸受ハウジング
6 タービン側フランジ
7 VTGカートリッジ(可変タービン形状VTGのカートリッジ)
7A ディスク
7B ブレード軸受リング
7C 案内ブレード
8 調整リング
9、9’ 調整シャフト
10 内側レバー
11、11’、11’’、11’’’ 外側レバー
12 作動要素(作動ロッド)
13 アクチュエータ
14 締結受口
15 シャフト部分
16 通過凹部
17 クランク部分
18 ペグ
19 接続装置
20 締結受口14の反対側に配置された外側レバーの端部
21 締結凹部/締結突出部
22 補償ボール
23 自由端
24 工具受口
25 ブッシュ
26 中央領域
外側レバー
内側レバー
TG タービンハウジング側フランジ
調整シャフト
EBR 設置空間
VG コンプレッサハウジング側フランジ
B ブッシュ
LG 軸受ハウジング
FF フライス加工隙間C
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19