(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5925312
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】プリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの参照信号およびブラインド復号のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20160516BHJP
H04J 11/00 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04J11/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-523414(P2014-523414)
(86)(22)【出願日】2012年7月23日
(65)【公表番号】特表2014-527339(P2014-527339A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】IB2012001661
(87)【国際公開番号】WO2013017946
(87)【国際公開日】20130207
【審査請求日】2014年3月20日
(31)【優先権主張番号】201110216801.8
(32)【優先日】2011年7月29日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,シャオボ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ファン−チェン
【審査官】
齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/107013(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/021852(WO,A2)
【文献】
特開2010−279053(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/053984(WO,A2)
【文献】
"PDCCH Enhancement Considerations",3GPP TSG RAN WG1 Meeting #65 R1-111661,2011年 5月13日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_65/Docs/R1-111661.zip
【文献】
"Aspects on DL control signaling enhancements",3GPP TSG-RAN WG1 #65 R1-111521,2011年 5月13日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_65/Docs/R1-111521.zip
【文献】
"Discussions on UE-RS Based PDCCH",3GPP TSG RAN WG1 Meeting #65 R1-111594,2011年 5月13日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_65/Docs/R1-111594.zip
【文献】
Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,"PDCCH Enhancement in Rel-11"[online],3GPP TSG-RAN WG1#66 R1-112421,2011年 8月26日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_66/Docs/R1-112421.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信ネットワークの基地局において復調用参照信号を送信するための方法であって、前記復調用参照信号は、ユーザ機器のプリコーディングに基づく物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリング(U−PDCCH)を復調するために使用され、前記物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングは、物理ダウンリンク共有チャネルに組み込まれる方法において、
− ユーザ機器に前記復調用参照信号を送信するステップであって、前記復調用参照信号は、制御チャネル要素の資源要素に含まれており、且つ、該制御チャネル要素の各々は個別の復調用参照信号を含み、該資源要素は物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリング(PDCCH)によって占められた領域以外の領域に存する資源要素である、送信するステップ、
を含む方法。
【請求項2】
ワイヤレス通信ネットワークのユーザ機器で復調用参照信号を受信するための方法であって、前記復調用参照信号は、ユーザ機器のプリコーディングに基づく物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリング(U−PDCCH)を復調するために使用され、前記物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングは、物理ダウンリンク共有チャネルに組み込まれる方法において、
− 基地局から前記復調用参照信号を受信するステップであって、前記復調用参照信号は、制御チャネル要素の資源要素に含まれており、且つ、該制御チャネル要素の各々は個別の復調用参照信号を含み、該資源要素は物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリング(PDCCH)によって占められた領域以外の領域に存する資源要素である、受信するステップ、
を含む方法。
【請求項3】
ワイヤレス通信ネットワークの基地局において復調用参照信号を送信するための第1の装置であって、前記復調用参照信号は、ユーザ機器のプリコーディングに基づく物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリング(U−PDCCH)を復調するために使用され、前記物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングは、物理ダウンリンク共有チャネルに組み込まれる第1の装置において、
− ユーザ機器に前記復調用参照信号を送信するように構成された送信機であって、前記復調用参照信号は、制御チャネル要素の資源要素に含まれており、且つ、該制御チャネル要素の各々は個別の復調用参照信号を含み、該資源要素は物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリング(PDCCH)によって占められた領域以外の領域に存する資源要素である、送信機、
を含む第1の装置。
【請求項4】
ワイヤレス通信ネットワークのユーザ機器で復調用参照信号を受信するための第2の装置であって、前記復調用参照信号は、ユーザ機器のプリコーディングに基づく物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリング(U−PDCCH)を復調するために使用され、前記物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングは、物理ダウンリンク共有チャネルに組み込まれる第2の装置において、
基地局から前記復調用参照信号を受信するように構成された受信機であって、前記復調用参照信号は、制御チャネル要素の資源要素に含まれており、且つ、該制御チャネル要素の各々は個別の復調用参照信号を含み、該資源要素は物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリング(PDCCH)によって占められた領域以外の領域に存する資源要素である、受信機、
を含む第2の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物理ダウンリンク制御チャネルに関し、特に、ユーザ機器に特有のプリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの参照信号およびブラインド復号のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サブフレームの最初の3つのOFDMシンボルは、従来の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)によって占められ、システムの全帯域幅は、これら3つのOFDMシンボルによって占められる。従来のPDCCHシグナリングに対して、チャネル推定は、共通参照信号(CRS)で実行される。
【0003】
周波数分割多重(FDM)による方法を通じて物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)にPDCCHを組み込むことが3GPP R10の中継器標準で提案されており、PDSCHに組み込まれたPDCCHは、また、R−PDCCHと呼ばれる。
【0004】
R−PDCCHと比較して、ユーザ機器のプリコーディングに基づくPDCCH、つまりU−PDCCHには、以下の機能がある。
【0005】
基地局とユーザ機器との間のリンク品質は、基地局と中継基地局との間のものほど高くない場合があり、したがって、U−PDCCH検出のブロック誤り率(BLER)を保証する方法は重要な課題である。
【0006】
UE数の数は、RNBの数をはるかに超える場合があり、U−PDCCH割り当ては、より動的な場合がある。したがって、U−PDCCH資源割り当ては、R−PDCCHと比較してもう1つの課題である。
【0007】
さらに、たとえば、ビームフォーミング(BF)を通じてなど、チャネル・プリコーディングはU−PDCCHで実行され、CRSについて、コードブックに基づいていないプリコーディングはサポートされていないため、U−PDCCHでのチャネル推定はCRSを用いて実行することができない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】TS36.213 V9.2.0
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によると、ワイヤレス通信ネットワークの基地局において復調用参照信号を送信するための方法が提供され、復調用参照信号は、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングを復調するために使用され、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングは、物理ダウンリンク共有チャネルに組み込まれ、方法は、ユーザ機器に復調用参照信号を送信するステップであって、復調用参照信号は、制御チャネル要素に含まれているステップを含む。
【0010】
本発明の第2の態様によると、ワイヤレス通信ネットワークのユーザ機器で復調用参照信号を受信するための方法が提供され、復調用参照信号は、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングを復調するために使用され、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングは、物理ダウンリンク共有チャネルに組み込まれ、方法は、基地局から復調用参照信号を受信するステップであって、復調用参照信号は、制御チャネル要素に含まれているステップを含む。
【0011】
本発明の第3の態様によると、ワイヤレス通信ネットワークの基地局で、ブラインド復号においてユーザ機器を支援するための方法が提供され、方法は、ユーザ機器にブラインド復号指示情報を提供するステップであって、ブラインド復号指示情報は、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の指示を含み、検索領域は、従来の物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素を含み、プリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素をさらに含む。
【0012】
本発明の第4の態様によると、ワイヤレス通信ネットワークのユーザ機器でブラインド復号するための方法が提供され、方法は、基地局からブラインド復号指示情報を取得するステップであって、ブラインド復号指示情報は、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の指示を含み、検索領域は、従来の物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素を含み、プリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素をさらに含むステップと、ブラインド復号指示情報により、ブラインド復号指示情報によって示された検索領域のブラインド復号指示情報によって示された検索の数についてブラインド復号を実行するステップとを含む。
【0013】
本発明の第5の態様によると、ワイヤレス通信ネットワークの基地局において復調用参照信号を送信するための第1の装置が提供され、復調用参照信号は、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングを復調するために使用され、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングは、物理ダウンリンク共有チャネルに組み込まれ、第1の装置は、ユーザ機器に復調用参照信号を送信するように構成された送信機であって、復調用参照信号は、制御チャネル要素に含まれている送信機を含む。
【0014】
本発明の第6の態様によると、ワイヤレス通信ネットワークのユーザ機器で復調用参照信号を受信するための第2の装置が提供され、復調用参照信号は、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングを復調するために使用され、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングは、物理ダウンリンク共有チャネルに組み込まれ、第2の装置は、基地局から復調用参照信号を受信するように構成された受信機であって、復調用参照信号は、制御チャネル要素に含まれている受信機を含む。
【0015】
本発明の第7の態様によると、ワイヤレス通信ネットワークの基地局で、ブラインド復号においてユーザ機器を支援するための第3の装置が提供され、第3の装置は、ユーザ機器にブラインド復号指示情報を提供するように構成された提供デバイスを含み、ブラインド復号指示情報は、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の指示を含み、検索領域は、従来の物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素を含み、プリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素をさらに含む。
【0016】
本発明の第8の態様によると、ワイヤレス通信ネットワークのユーザ機器でブラインド復号するための第4の装置が提供され、第4の装置は、基地局からのブラインド復号指示情報を取得するように構成された取得デバイスであって、ブラインド復号指示情報は、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の指示を含み、検索領域は、従来の物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素を含み、プリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素をさらに含む取得デバイスと、ブラインド復号指示情報により、ブラインド復号指示情報によって示された検索領域でブラインド復号を実行するように構成されたブラインド復号器とを含む。
【0017】
本発明の解決策では、U−PDCCHの復調された参照信号(DMRS:DeModulated Reference Signal)の設計の解決策が提案されるため、U−PDCCHを復調するためのDMRSはより小さくなるため、RSのシグナリング・オーバーヘッドが減る。さらに、好ましい実施形態では、ユーザ機器がPDCCHについてブラインド復号を実行する場合、異なるバージョンのユーザ機器は、異なる開始位置から開始されるブラインド復号を実行することができる。すなわち、ユーザ機器に対して占められるPDCCHのCCE資源に対して優先度が設定されるため、それによって資源割り当てがさらに最適化される。
【0018】
本発明の他の機能、目的、および利点は、図面に関して限定を目的としない実施形態に関する以下の詳細な記述からより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】それぞれ本発明の2つの実施形態によるPDCCHシグナリングを復調するための復調用参照信号の設計パターンを示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるPDCCHをブラインド復号するための検索領域および検索順序を示す概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるPDCCHをブラインド復号するための検索領域および検索順序を示す概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるシステムの方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態による装置を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態による装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、同一または同様の参照番号は、同一または同様のステップの機能またはデバイス/モジュールを示している。
【0021】
図1(a)および
図1(b)は、それぞれ本発明の2つの実施形態によるPDCCHシグナリングを復調するための復調用参照信号の設計パターンを示している。
【0022】
一般的に、PDCCHは、1つまたは複数の制御チャネル要素(CCE)で送信される。特に、各CCEは9組の資源要素グループ(REG)に対応し、REGの各組は、4つの物理資源要素(RE)を含む。すなわち、各CCEは、固定された36の資源(Res.)を含む。
【0023】
従来のPDCCHのCCEと物理資源ブロック(PRB)との間のマッピングは不連続である。すなわち、CCEは、周波数帯域の全体にわたって不連続的に分散されている。しかし、ユーザ機器に特有のビームフォーミングはU−PDCCHに対して実行される。すなわち、データは、ビームフォーミングを通じて特定のユーザ機器に送信される。すなわち、ビームフォーミングは狭帯域指向(narrowband oriented)である。したがって、CCEとPRBとの間の従来の不連続なマッピングは、U−PDCCHのシナリオに適用できない。これを考慮して、出願人らは、R−PDCCHの設計を利用できると考える。すなわち、第1のタイム・スロット(TS)は、ダウンリンク・スケジューリングに使用され、第2のタイム・スロットは、時分割多重化を通じてアップリンク・スケジューリングに使用される。
【0024】
参照信号の設計について、U−PDCCHの参照信号は、一般的に、少なくとも以下の2つの手法で設計することができる。すなわち、CRS参照信号は再使用され、復調用参照信号はU−PDCCHのチャネル推定に使用される。すなわち、U−PDCCHはDMRSを用いて復調される。U−PDCCHのCRS復調について、R−PDCCHの設計は再使用することができる。したがって、それらを繰り返し記述することはここでは避ける。この状況では、U−PDCCHを復調するためのDMRSの設計に議論を集中させる。
【0025】
U−PDCCHを復調するためのDMRSの設計において以下の2つの要素を考慮するものとする。
1.U−PDCCHの最小の粒度は、1対のPRBまたは1つのバンドルされたPRBではなくCCEである。
2.PCSCHからのPDCCHの異なるDMRS密度が必要な場合がある。
【0026】
したがって、U−PDCCHを復調するためのDMRSの設計は、CCEに特有のDMRS構造を設計するために最適化されるものとする。すなわち、各CCEは個別のDMRSを含む。
【0027】
この実施形態による方法では、基地局(eNB)は、PDCCHシグナリングを復調するためにDMRSを送信するように構成され、PDCCHシグナリングはPDSCHに組み込まれ、方法は、ユーザ機器(UE)にDMRSを送信するステップを含み、DMRSはCCEに含まれる。
【0028】
次に、ユーザ機器はPDCCHシグナリングを復調するためにDMRSを受信し、PDCCHシグナリングはPDSCHに組み込まれ、方法は、基地局からDMRSを受信し、DMRSはCCEに含まれる。
【0029】
図1(a)および
図1(b)は、それぞれ本発明の2つの実施形態によりPDCCHシグナリングを復調するための復調用参照信号の設計パターンを示している。
【0030】
特に
図1(a)および
図1(b)において、2つまたは3つのCCEが、周波数分割多重を通じて同じ対のPRBにそれぞれ多重化される。斜線を書き込み記述した資源要素は、従来のPDCCHによって占められた資源要素を表し、交差する斜線を書き込んだ資源要素は、参照信号に対して予約された資源要素を表している。したがって、各CCEは、DMRSに対して予約された資源要素以外に黒色のボックスの線の範囲にある資源要素のすべてを含む。1対のPRBは、12の副搬送波および14のOFDMシンボルを含む。記述した6つの副搬送波は、
図1(a)のCCEによって占められるため、1対のPRBは2つのCCEを含む。4つの副搬送波は、
図1(b)のCCEによって占められるため、1対のPRBは3つのCCEを含む。
【0031】
U−PDCCHのDMSの設計について上に詳述した。また、U−PDCCHに基づくブラインド復号を実行するためのユーザ機器のプロセスについてさらに下に詳述する。
【0032】
従来のブラインド復号技術においては、ユーザ機器がPDCCHを検出できる1組のCCEの位置を「検索領域」と呼ぶことができる。LTEでは、検索領域のサイズは、異なるPDCCH形式、つまり、異なるPDCCHレベルでは異なる。さらに、個別の専用検索領域および共通検索領域が定義され、専用検索領域は、1つのユーザ機器に対して特に構成され、共通検索領域は、ユーザ機器のすべてに通知される。特定のUEに対して、専用および共通の検索領域が重複してもよいことが注目される。専用および共通の検索領域のサイズは、下の表1に記載されている。
【0034】
従来技術では、UEは、任意のサブフレームを通じて最大44回のブラインド復号を実行する。
【0035】
U−PDCCHに対して従来のブラインド復号メカニズムが再使用されるものとするが、従来のブラインド復号メカニズムを再使用するために、以下の2つの課題が取り組まれるものとする。
1.R10システムのものと同様の数のブラインド復号の繰り返し数を保証する方法、および
2.ブラインド復号ルールを保証する方法
【0036】
したがって、発明者らは、本出願において2つのブラインド復号の解決策を提案する。
【0037】
第1の解決策
既存のPDCCHおよびU−PDCCH資源は、R11以降のユーザ機器に適用可能な新しい拡張されたPDCCH検索領域を形成するために組み合わせられ、既存の定義されたブラインド復号メカニズムはすべて、以下の変更だけで再使用することができる。
【0038】
検索領域のCCEの検索の数は、以下に変更される。
【数1】
ここで、
【数2】
【数3】
は、従来のPDCCH検索領域のCCEの数、およびU−PDCCH検索領域のCCEの数をそれぞれ表している。この解決策は、
図2に示した通りである。
図2では、0から23と番号が付けられた24個のCCEは、従来のPDCCHによって占められたCCEを表し、24から35と番号が付けられた12個のCCEは、U−PDCCHによって占められたCCEを表している。表1に示すように、1つのCCEがレベル1でPDCCHによって占められ、2つのCCEがレベル2でPDCCHによって占められ、4つのCCEがレベル4でPDCCHによって占められ、8つのCCEがレベル8でPDCCHによって占められる。各レベルの数値1は、UEに特有のCCE検索領域を表し、数値1に先行する空白は共通検索領域を表している。すなわち、共通の検索についてレベル1に6つのCCEがあり、共通の検索についてレベル2に4つのCCEがあり、共通の検索についてレベル4に4つのCCEがあり、共通の検索についてレベル8に2つのCCEがある。もちろん、UEは、典型的には、44回の検索しか実行しないため(2度の繰り返しを含む)、すべてのCCEのブラインド復号を実行することができない。したがって、
図2に見られるように、ブラインド復号は、CCEの一部だけに対して実行され、
図2で番号が付けられたCCEは、ユーザ機器がユーザ機器に特有のブラインド復号を実行するCCEを表している。それぞれのレベルの検索の数はすべて例示のためであることを当業者は理解することができる。実際的な用途では、ネットワーク・オペレータは、特定のネットワーク動作条件に依存して、それらを完全に構成することができる。
【0039】
第1の解決策は、実装するのが簡単である。しかし、
図1に見られるように、U−PDCCHのCCEは、レベル8のみに含まれているが、U−PDCCHのCCEは、他のレベル1、2、および4に含まれていない。したがって、この解決策では、CCEが不均衡になる。その理由は、R11以降のユーザ機器だけがU−PDCCHを使用することができ、従来のPDCCH資源の共有に関して、R11以降のこれらのユーザ機器は、R10以前のユーザ機器と同じ優先度を持つためである。
【0040】
第2の解決策
図3は、本発明の他の実施形態によるPDCCHをブラインド復号するための検索領域および検索順序の概略図を示している。
【数4】
では、基地局は、U−PDCCHおよび従来のPDCCHを通じてブラインド復号の回数をそれぞれ構成することができる。
ここで
【数5】
は、従来のPDCCHのブラインド復号の回数、本発明のPDCCHのブラインド復号の合計回数、およびU−PDCCHのブラインド復号の回数をそれぞれ表している。検索領域は、それぞれ
【数6】
【数7】
と定義される。
【0041】
特に、Lは集合レベル、つまり、レベル1、2、4、および8を表し、Y
kは開始位置を表している。その関連する定義は、TS36.213 V9.2.0に見ることができる。
【数8】
および
i=0〜L−1である。
【0042】
図3に見られるように、R11以降のユーザ機器は、U−PDCCHのCCEから始まるブラインド復号を最初に実行し、ブラインド復号が成功した場合、これらのユーザ機器は、従来のPDCCHのCCEに対してブラインド復号をそれ以上実行しない。したがって、これらのユーザ機器は、従来のPDCCHのCCE資源を占めない。
【0043】
図4は、本発明の一実施形態によるシステムの方法のフローチャートを示している。最初に、ステップS40で、基地局は、ユーザ機器にブラインド復号指示情報を提供し、ブラインド復号指示情報は、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の指示を含み、検索領域は、従来の物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素を含み、プリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素をさらに含む。
【0044】
他の実施形態では、ブラインド復号指示情報は、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の開始位置の指示をさらに含む。
【0045】
他の実施形態では、ブラインド復号指示情報は、従来の物理ダウンリンク制御チャネルの検索領域およびプリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの検索領域に検索の数の指示をそれぞれさらに含む。
【0046】
さらに、基地局は、ブラインド復号指示情報についてユーザ機器に明示的にまたは暗黙的に通知することができる。
【0047】
明示的な方法では、たとえば、基地局はユーザ機器に命令を送信することができ、命令は、ブラインド復号指示情報を含む。
【0048】
暗黙的な方法では、たとえば、基地局はブラインド復号指示情報を直接的に送信しなくてもよいが、他のシステム・パラメータにブラインド復号指示情報を関連させることができる。たとえば、ブラインド復号指示情報は、システム帯域幅に関連させることができる。一例では、帯域幅が高いほど、ブラインド復号のための検索領域および検索の数が大きい。さらに、基地局は、事前定義された方法で、現在の検索領域、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の開始位置、および検索領域の検索の数について、ユーザ機器に通知することができる。
【0049】
さらに、従来のPDCCHの検索の数およびU−PDCCHの検索の数は調整することができる。
【0050】
次に、ステップS41では、ユーザ機器は、基地局からブラインド復号指示情報を取得し、ブラインド復号指示情報は、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の指示を含み、検索領域は、従来の物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素を含み、プリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素をさらに含む。
【0051】
次に、ステップS42では、ユーザ機器は、ブラインド復号指示情報によりブラインド復号指示情報によって示された検索領域でブラインド復号を実行する。
【0052】
好ましい実施形態では、ブラインド復号指示情報は、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の開始位置の指示をさらに含むため、ステップS42は、開始位置でブラインド復号を実行するステップをさらに含む。
【0053】
他の実施形態では、ブラインド復号指示情報は、従来の物理ダウンリンク制御チャネルの検索領域およびプリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの検索領域に検索の数の指示をそれぞれさらに含み、ステップS42は、それぞれ物理ダウンリンク制御チャネルの検索領域およびブラインド復号指示情報によって示されたプリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの検索領域の検索の数により、物理ダウンリンク制御チャネルの検索領域およびプリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの検索領域でブラインド復号をそれぞれ実行するステップをさらに含む。
【0054】
他の実施形態では、従来のPDCCHの検索の数およびU−PDCCHの検索の数は調整することができる。
【0055】
他の実施形態では、ブラインド復号指示情報は、事前定義されたパラメータを介して、またはシステム・パラメータとの関連を介して、暗黙的な指示方法で、現在の検索領域、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の開始位置、および検索領域の検索の数について、ユーザ機器に通知することができる。すなわち、ブラインド復号指示情報はネットワークで事前定義されるため、ユーザ機器は、事前定義されたパラメータからブラインド復号指示情報を取得する。他の実施形態では、ブラインド復号指示情報がシステム・パラメータに関連している場合、ユーザ機器は、システム・パラメータからブラインド復号指示情報を取得することができる。
【0056】
本発明について、方法の流れの観点から上に詳述した。本発明について、装置の観点から
図5および
図6に関してそれぞれ以下に記述する。
【0057】
図5の第1の装置10は、復調用参照信号を送信するために基地局に配置され、復調用参照信号は、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングを復調するために使用され、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングは、物理ダウンリンク共有チャネルに組み込まれ、第1の装置10は、ユーザ機器に復調用参照信号を送信するように構成された送信機100であって、復調用参照信号は、制御チャネル要素に含まれている送信機100を含む。
【0058】
図5の第2の装置20は、復調用参照信号を受信するためにユーザ機器に配置され、復調用参照信号は、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングを復調するために使用され、物理ダウンリンク制御チャネル・シグナリングは、物理ダウンリンク共有チャネルに組み込まれ、第2の装置20は、基地局から復調用参照信号を受信するように構成された受信機200であって、復調用参照信号は、制御チャネル要素に含まれている受信機200を含む。
【0059】
図6の第3の装置30は、ブラインド復号でユーザ機器を支援するために基地局に配置され、第3の装置30は、ユーザ機器にブラインド復号指示情報を提供するように構成された提供デバイス300であって、ブラインド復号指示情報は、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の指示を含み、検索領域は、従来の物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素を含み、プリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素をさらに含む提供装置300を含む。
【0060】
図6の第4の装置40は、ブラインド復号を実行するためにユーザ機器に配置され、第4の装置40は、基地局からブラインド復号指示情報を取得するように構成された取得デバイス400であって、ブラインド復号指示情報は、ユーザ機器がブラインド復号を実行する検索領域の指示を含み、検索領域は、従来の物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素を含み、プリコードされた物理ダウンリンク制御チャネルの制御チャネル要素をさらに含む取得デバイス400と、ブラインド復号指示情報によりブラインド復号指示情報によって示された検索領域でブラインド復号を実行するように構成されたブラインド復号器401とを含む。
【0061】
本発明の実施形態について上に記述したが、本発明は、特定のシステム、デバイス、およびプロトコルにも限定されるものではなく、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変形または変更を行うことができる。
【0062】
添付した特許請求の範囲とともに、記述、開示、および図面を見ると、当業者は、開示された実施形態への他の変更を理解および実施することができる。特許請求の範囲では、「含む(comprising)」という用語は、他の要素(複数可)およびステップ(複数可)を除外するものではなく、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、複数を排除するものではない。本発明において、「第1」および「第2」は、単に名前を表すものであって、連続する関係を表すものではない。本発明の実際的な用途では、要素は、請求項で詳述された複数の技術的な特徴の機能を実行することができる。特許請求の範囲に記載の参照番号は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されないものとする。