(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作行動は、音声操作、ネットアクセス操作、ショート・メッセージ操作、電話帳操作、STK操作、ゲーム操作、プレーヤー操作、カメラ操作、電子リーダー操作、又は充電操作である
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
前記移動行動のユーザ行動特性は、住宅所在地情報、勤務会社所在地情報、家から勤務会社までの距離情報、時間帯情報、及び家から勤務会社までの出勤の所要時間情報を含む
ことを特徴とする請求項7に記載のモバイル端末。
前記操作行動は、音声操作、ネットアクセス操作、ショート・メッセージ操作、電話帳操作、STK操作、ゲーム操作、プレーヤー操作、カメラ操作、電子リーダー操作、又は充電操作である
ことを特徴とする請求項7に記載のモバイル端末。
【背景技術】
【0002】
2010年7月10日まで、グローバルモバイルユーザ数は、50億を突破し、3Gユーザが5億を超えた。
【0003】
2000年のグローバルモバイルユーザ数が約7.2億だけで、現在の中国一国のモバイルユーザ数に足りない。モバイルブロードバンドユーザも急速に成長して、2015年にユーザ数は34億を超える(2009年、この数は僅か3.6億であった)と予想される。関連研究により、近い将来には、インターネットユーザの80%がモバイル装置を用いてネットアクセスすると示される。
【0004】
モバイル装置によりインターネットをアクセスすることが、ある人にとっては便利でしかないが、ある人にとっては不可欠な生活習慣となっているかもしれない。モバイル装置によるインターネットの利用により、自ら銀行へ行けないユーザ又は銀行口座で現金の引き出し又は預け入れを行えないユーザが便利に振替を行え、漁師と農民が天気予報に関する最新ニュースを素早く知り、農村の住民たちが現地で医療サービスを受けられ、学生がインターネット教育を受けられる。更に、モバイル装置によるインターネットの利用は、小企業の日常経営を促進して、経済の発展を促し得る。もっと成熟した市場において、ユーザ数の増加ではなく、相互接続されたデバイス数の増加によりネットワークのトラフィック量の増大を促している。エリクソンの研究によれば、2020年前に、全球の相互接続されたデバイス数は500億台に達すると予想される。
【0005】
ユーザ数の増加にしたがって、モバイル端末の情報セキュリティが非常に重要となる。このため、個人ユーザの情報セキュリティを保証するために、携帯電話等のモバイル端末の使用者に対して身元認証を行う必要がある。
【0006】
現在の市場では多く使われる身元認証方式はまだキャラクタパスワード式であるが、ポイント接続図式又は高度の指紋識別式の身元認証方式も使われている。これらの方式の共通の特徴は、即ち、先にパスワードをユーザより手動に設置して、そして入力データを照合の時に収集し、記憶されたパスワードと比較して、身元を判断することである。これらの方式はまだ伝統的な照合方式に属し、パスワード保管のセキュリティが高くなく、パスワードが漏れやすく、人間の介入が必要であり、自動化、知能化が実現されない欠点を有する。
【0007】
広く使用されている指紋識別、音声識別、掌形識別及び虹彩識別等の一代目生物識別技術が言及される技術もあるが、これらの技術の多くは被識別者の協力、更には被識別者の必要な動作により、体の一部を識別装置にタッチしないと実現されない。これらの動作は煩雑である一方、識別の速度も遅いので、使用には非常に不便となり、それにユーザに認可されにくい。犯罪手段の知能化、技術化の進みにしたがって、一代目の身元識別技術は、偽者防止及び盗難防止の挑戦に直面している。研究によると、ゼラチン製の偽指による指紋識別システムに対する騙しは容易に成功でき、コンタクトレンズの表面にエッチングされた偽目の虹彩特性も虹彩識別システムを騙し得ると示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、端末ユーザの行動を追跡して記録し、端末ユーザの身元の合法性を判断するモバイル端末及びユーザ身元の識別方法を提出することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明が、モバイル端末のユーザ身元の識別方法を提供し、前記方法は、
モバイル端末が、SIMカード交換前のユーザ行動を検出して追跡し、ユーザ行動特性を記録するステップと、モバイル端末のSIMカードが交換された後に、SIMカード交換後のユーザ行動を検出して追跡し、ユーザ行動特性を記録するステップと、SIMカード交換前後のユーザ行動特性が同じ又は近似かどうかを判断し、同じ又は近似である場合、ユーザが合法ユーザであると認め、同じでない且つ近似でない場合、ユーザが非法ユーザであると認めるステップと、を含む。
【0010】
上記方案において、前記ユーザ行動は、移動行動又は操作行動である。
【0011】
上記方案において、前記移動行動のユーザ行動特性は、住宅所在地情報、勤務会社所在地情報、家から勤務会社までの距離情報、時間帯情報及び家から勤務会社までの出勤の所要時間情報を含む。
【0012】
上記方案において、前記操作行動は、音声操作、ネットアクセス操作、ショート・メッセージ操作、電話帳操作、STK操作、ゲーム操作、プレーヤー操作、カメラ操作、電子リーダー操作又は充電操作である。
【0013】
上記方案において、前記操作行動が音声操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、ナンバータイプ、時間帯及び時間の長さを含み、前記操作行動がショート・メッセージ操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、ナンバータイプ及び時間帯情報を含み、前記操作行動がネットアクセス操作であれば、対応するユーザ行動特性はアクセスモード、時間帯、ネットアクセス行動及び時間の長さを含み、前記操作行動が電話帳操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、ナンバータイプ及び時間帯を含み、前記操作行動がSTK操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ及び時間帯を含み、前記操作行動がゲーム操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、時間帯及び時間の長さを含み、前記操作行動がプレーヤー操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、マルチメディアタイプ、時間帯及び時間の長さを含み、前記操作行動がカメラ操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、時間帯及び時間の長さを含み、前記操作行動は電子リーダー操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、時間帯及び時間の長さを含み、前記操作行動は充電操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、時間帯及び時間の長さを含む。
【0014】
本発明は、さらに、モバイル端末を提供し、前記モバイル端末は、
SIMカード交換前後のユーザ行動を検出して追跡し、行動特性抽出のためにデータを提供するための行動検出及び追跡モジュールと、
SIMカード交換前後のユーザ行動特性を抽出するための行動特性抽出モジュールと、
モバイル端末のSIMカード交換前後のユーザ行動特性を比較するための行動特性比較モジュールと、
行動特性比較モジュールからの比較情報に応じて、SIMカード交換前後のユーザ行動特性が同じ又は近似である場合、ユーザが合法ユーザであると認め、同じでない且つ近似でない場合、ユーザが非法ユーザであると認めるように、新しいユーザが合法ユーザであるかどうかを判断するための判断モジュールとを備える。
【0015】
上記方案において、前記ユーザ行動は、移動行動又は操作行動である。
【0016】
上記方案において、前記移動行動のユーザ行動特性は、住宅所在地情報、勤務会社所在地情報、家から勤務会社までの距離情報、時間帯情報及び家から勤務会社までの出勤の所要時間情報を含む。
【0017】
上記方案において、前記操作行動は音声操作、ネットアクセス操作、ショート・メッセージ操作、電話帳操作、STK操作、ゲーム操作、プレーヤー操作、カメラ操作、電子リーダー操作又は充電操作である。
【0018】
上記方案において、前記操作行動が音声操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、ナンバータイプ、時間帯及び時間の長さを含み、前記操作行動がショート・メッセージ操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、ナンバータイプ及び時間帯情報を含み、前記操作行動がネットアクセス操作であれば、対応するユーザ行動特性はアクセスモード、時間帯、ネットアクセス行動及び時間の長さを含み、前記操作行動が電話帳操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、ナンバータイプ及び時間帯を含み、前記操作行動がSTK操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ及び時間帯を含み、前記操作行動がゲーム操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、時間帯及び時間の長さを含み、前記操作行動がプレーヤー操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、マルチメディアタイプ、時間帯及び時間の長さを含み、前記操作行動がカメラ操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、時間帯及び時間の長さを含み、前記操作行動が電子リーダー操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、時間帯及び時間の長さを含み、前記操作行動が充電操作であれば、対応するユーザ行動特性は操作タイプ、時間帯及び時間の長さを含む。
【発明の効果】
【0019】
以上の説明をまとめ、本発明は以下のような有益効果を有する。
【0020】
本発明に係る技術案はユーザ行動を用いて身元識別を行ってモバイル端末に応用する。それはユーザの習慣を身元特性にするため、模倣及びクラックするのが難しいという利点を有し、シークレットキーの保管及び配分の問題がなく、クラック難度が大きく、セキュリティがもっと高くなる。更に、合法ユーザがSIMカードを紛失して再発行のSIMカードを挿し入れても、その生活習慣が変わらないから、使用に影響を与えない。また、携帯電話が紛失後、非法ユーザが別のSIMカードを挿し入れた場合、身元認証が成功できないので、合法ユーザの権利と利益が保証される。本発明において、事業者、メーカ又はユーザによるパスワードの事前設置操作が必要でなく、ユーザの使用過程中に行動特性の収集が知らず知らずに行われるので、実施のプロセスは簡単かつ便利である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る技術案は、端末ユーザの行動を追跡して記録することにより、端末ユーザの合法又は非法な身元を識別する方法及び端末を提案する。
【0023】
本発明に係るユーザ識別方法は、以下のステップを含む。
【0024】
訓練段階:特性抽出
特性抽出段階は、主にユーザの行動検出及び追跡によって実現される。
【0025】
ユーザは、端末が起動してから、端末を携帯して空間的及び時間的な移動を行う。例えば、朝は起きて会社へ行き、昼間の多くは会社で働き、午後はレストランで食事し、晩は家に帰って眠り、次の朝は再び起きて会社へ行く。こうして、ユーザの家-会社-家のような持続的な移動により、リングが構成される。毎日のユーザの外出から帰宅までの時間帯を一周期とすると、ユーザの毎日の移動行動を統計して、その特性属性を収集し得る。複数の周期の統計分析により、ユーザの移動行動習慣を取得して、ユーザの身元を示す移動行動特性を取得し得る。前記移動行動特性は、例えば住宅所在地情報、勤務会社所在地情報、出勤に関する動的特性情報及び退勤後の帰宅に関する動的特性情報である。これらの主要特性により、端末ユーザの行動特性を表示し、ユーザと端末とを1対1対応の関係を形成させられる。
【0026】
ユーザは、端末が一枚目のSIMカードを挿入して起動してから、端末における機能モジュール、例えば、音声、ネットワークアクセス、ショート・メッセージ、電話帳、STK、ゲーム、プレーヤー、カメラ、電子リーダー、充電等のモジュールを操作する。すると、ユーザは、一機能の操作を暫く行った後に別の機能の操作を行う。ユーザが端末をオンにしてからバッテリーオフの直前に充電を行うまでの時間帯を一周期とすると、この周期におけるある機能が一回だけでなく、何回も実行されるので、これらの機能を記録する状態遷移図は利用不可であるが、ユーザの各種の機能操作行動を統計し、その特性属性を収集して、複数の周期の統計分析により、ユーザの操作行動習慣を取得して、ユーザの身元を示す移動行動特性を取得し得る。
【0027】
行動特性抽出:
移動行動特性:上記のデータ記録により、先に第一級判断特性を抽出し、即ち、ユーザの家と勤務会社所在地情報、即ち二つの平均持続時間が最も長い位置ポイントを統計分析して、当該二つのポイント位置特性を一級の特性ベクトルとする。これにより、当該一級の特性ベクトルによってユーザ身元特性を大まかに記録できる。
【0028】
ユーザ身元特性を確率が高く取得するために、上記の出勤に関する動的特性情報及び退勤してからの帰宅に関する動的特性を二級の特性として精確な比較を行う。これらの動的パラメータにより、個人習慣、例えば発生時間帯、距離の長さ、利用時間、速度及び経過した重要位置等の情報パラメータを精確に示すことができる。これらの数値をまた平均して、これらの特性値を用いて一つのベクトルを形成することにより、出勤に関する動的特性値ベクトル及び帰宅に関する動的特性値ベクトル等の二種類の特性値ベクトルを取得し得る。ユーザの身元特性に関しては、二種類の細かい説明特性ベクトルを取得し得る。
【0029】
操作行動特性:上記のデータ記録により、先ず、一つの第一級判断特性を抽出し、即ち、ユーザの最も多く利用する機能、即ち一周期ずつ一回以上使われた機能を統計して分析する。これにより、常用機能桁数に等しく、一桁ずつにより一つの常用機能が示されるバイナリ数が設計可能となる。この桁が1であるのは、常用機能が使われたことがあると示されるので、このような一級バイナリ特性数でユーザ特性を大まかに記録することができる。
【0030】
精確なユーザ身元特性を取得するために、あまり利用されていない機能を無視する。一つごとの常用機能を一種別とし、一つごとの種別データに対して、その特性属性によりその特性値を収集し、これらの特性値によって一つのベクトルを構成し得る。これにより、幾つかの周期内の常用機能の特性値ベクトルを取得することができる。
【0031】
識別段階:
ユーザの初利用の時に、ユーザの国際移動電話加入者識別番号(IMSI:International Mobile Subscribe Identity)及び電話番号を記録する。これにより、端末は、合法ユーザ又は非法ユーザによりSIMカードが交換された後に、IMSIを比較することによってSIMカードが交換されたことを検出する。この時、操作者への身元識別が必要となる。
【0032】
操作者の一日の行動を追跡して記録することにより、下記の2級ステップを採用して身元認証を行う。
【0033】
収集した一級の特性値に対して比較して判断を行う。位置が近ければ、一級の判断がパスしたと示し、ユーザが合法ユーザであると認め、次の判断へ移行する。そうでないと、非法ユーザであると認め、判断を終了する。
【0034】
操作者の動的サンプルベクトルを収集して、最近隣法(nearest neighbor method)を用いて近似度を判断する。これらの二つのベクトル間のユークリッド距離を比較することで、二種のベクトルの近似度を判断する。初期デザイン及び訓練により、一つの最大閾値を取得し得る。即ち、二つのベクトル間の距離閾値より小さければ、当該機能使用行動は合法ユーザの行動に一致していると判断する。これにより、これらの常用機能の精確化判断によってユーザ身元が判断される。ユーザ身元が合法であれば、知らせる必要がなく、ユーザは正常に利用してよい。操作者の身元が非法であれば、合法ユーザの個人情報の安全を守るために、操作者が非法ユーザであると判断した場合、先に上記の記録された合法ユーザの電話番号にショート・メッセージを送信して現在の非法ユーザの番号を通知し、デバイスの中に記憶された元の各種の情報をデリートする。操作者がSIMカードを交換しなければ、再起動が許可されない。カードを交換した後に再び識別を行って、識別がパスした場合でしか正常に利用できない。
【0035】
以下、図面及び具体的な実施例を参照して、更に本発明に係る技術案について詳しく説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施例に係るユーザ行動識別方式を示す図であり、例えば、時間帯(例えば朝、昼、午後、晩、深夜)、距離長さ、時間の長さ及びキー位置点の経過情報のような四つの属性を有する出勤行動が示されている。各属性に対し、その値の集合によって、デジタル符号化を行う。例えば、符号の1、2、3、4、5を設定して時間帯の五つの値を表示する。一日には24時間があるので、8-12時を朝とし、12-14時を昼とし、14-18時を午後とし、18-23時を晩とし、23-翌日の8時を深夜とするような個人的な生活習慣に合う区分方式を採用する。距離長さに関しては、直接に属性に代わって10メートルを計量単位とする数字を用いる。時間の長さに関しては、分間を計量単位とする実数で計時を行う。ユーザの出勤行動習慣特性を更によく記録するためには、もっと二、三個のキー位置点の情報を収集する。これにより、一つの行動が、デジタルコード列によって記録されてよい。例えば、朝の出勤は30分間かかり、市役所、サウスサードリングを含む20キロメートルの距離を経由すれば、それがコードベクトル(1、2000、30、location1、location2)により表示されてよい。
【0037】
退勤後の帰宅行動も上記の実施の形態により実現される。
【0038】
図2に示すように、本発明の実施例によるユーザ特性訓練抽出方式は、以下のステップを採用してユーザ身元特性抽出を行う。
【0039】
ステップ201:端末が起動された後、行動検出及び追跡モジュールが動作し始まり、初めにSIMカードを挿し入れたIMSIを記録する。
【0040】
ステップ202:行動検出及び追跡を行う。
【0041】
GPS又は基地局による位置決めシステムを用いてユーザの各位置での滞在時間を記録する。
【0042】
ステップ203:記録回数は30回に達したかどうかを判断し、達したらステップ204に移行し、達しなければ、判断が継続される。
【0043】
ユーザの移動行動習慣を取得するために、ユーザが端末を起動してからの毎日を一周期と定義し、この周期は30回に達したかどうかを判断し、達しなければ、行動検出及び追跡を行い続く。達したら、次のステップに移行する。
【0044】
ステップ204:行動特性を抽出する。
【0045】
ステップ205:一級の特性T1を取得する。
【0046】
ポイントごとに滞在時間の長さ順に配列して、時間の長さが最長の二つの位置を取得する。すると、最長の位置は住宅所在地情報で、第二の長い位置は会社所在地情報であり、又は、最長の位置は会社所在地情報で、第二の長い位置は住宅所在地情報である。これにより、当該一級の特性T1を取得し得る。
【0047】
ステップ206:二級の特性を取得する。
【0048】
各位置の滞在時間の長さ、経由地等の情報により出勤と帰宅動的行動の二級の特性ライブラリを生成する。
【0049】
出勤と帰宅行動の特性ベクトルK1、K2を抽出し、種別行動ごとの特性ベクトルに対して、各特性ベクトルを多次元空間におけるポイントと想像する。そして、若干の周期に対する収集により、種別ごとの複数のポイントが取得される。そして、種別ごとの特性を正確に表示するために、式(1)に基づいて各種別の上記ポイントの平均値を求めて、ゼントロイド(center of mass of the points)を取得する。これにより、二つの移動行動の特性ベクトル値Uiを取得し得る。
【数1】
【0050】
図3に示すように、本発明の実施例によるユーザ身元の識別方法は以下のステップを含む。
【0051】
ステップ301:SIMカードを交換する。
【0052】
ステップ302:行動検出及び追跡を行う。
【0053】
行動検出及び追跡モジュールを用い、操作者の移動行動特性ベクトル
を収集する。
【0055】
上記の特性抽出方法により、一日中の滞在時間が最も長い二つの位置ポイント、即一級の特性T2及び二つの移動行動の特性ベクトルSi(i<=2)を取得する。
【0056】
ステップ304:一級の特性値を比較し、T1とT2が近似又は同じであれば、ステップ305に移行する。もし差が大きければ、ステップ307に移行する。
【0057】
一級の特性ベクトルT2及び上記抽出された一級の特性T1における住宅所在地と会社所在地位置との間の距離を判断する。所定の閾値よりも小さい場合、二つのポイントが近似であり、一つの位置ポイントであると意味する。これにより、ユーザの所在地が元の習慣に合うことが保証され、ステップ305を実行して再び検証を行う。位置差が遠ければ、ステップ307に移行する。
【0058】
ステップ305:二級の特性との比較を行う。二級の特性と近似又は同じであれば、ステップ306に移行する。もし差が大きければ、ステップ307に移行する。
【0059】
収集された二つの移動行動の特性ベクトルと訓練段階に抽出された二つのUiベクトルとの間で最近隣の判断を行い、下記式(2)におけるユークリッド距離と閾値とを比較する。閾値より小さい場合は、二つのポイントの間の距離が近いことを意味し、一つの特性に属すると認め、即ち合法であると判断してよく、ステップ306を実行する。そうでない場合は、非法ユーザであると判断し、ステップ307を実行する。
【数2】
【0060】
ステップ306:合法ユーザであると判定し、正常に使用してよい。
【0061】
ステップ307:非法ユーザであると判定する。
【0062】
現在の操作者が非法ユーザであることを証明した場合、合法ユーザの情報セキュリティを保証するために、ユーザの記憶されたデータをデリートし、合法ユーザの元の番号にショート・メッセージを送信して現在の番号を通知し、パワーオフする。
【0063】
図4は、本発明の実施例におけるユーザ行動の音声動作を識別する方式である。
【0064】
音声に対して、操作タイプ(例えば、着信および発信)、ナンバータイプ(例えばプライベート電話、インフォメーションデスク、顧客サービス)、時間帯(例えば、朝、昼、午後、晩、深夜)、及び時間の長さ、という4つの特性に分けることができる。これらの属性で電話の機能的行動を記録することができる。例えば、ユーザが、ある時間帯にプライベート電話が入ったこと、及び通話時間の長さを記録する。
【0065】
インターネットアクセスに対して、アクセスモード(例えばWIFI、GPRS、3Gなど)、時間帯、インターネットの利用行動(例えばダウンロード、Webブラウジング、チャット、WeiBoなど)及び時間の長さ、という4つの特性に分けることができる。 これらの属性で、インターネット上の機能的行動を記録することができる。例えば、ユーザが、WIFIモードでインターネットにアクセスし、チャットを行った時間の長さを記録する。
【0066】
ショート・メッセージに対して、操作タイプ(例えば、送信、受信、返信、転送、削除)、ナンバータイプ、及び時間帯、という3つの特性に分けることができる。これらの属性で、ショート・メッセージの機能行動を記録することができる。例えば、ユーザが、ある時間帯にプライベートショート・メッセージを送信することを記録する。
【0067】
電話帳に対して、操作タイプ(例えば、追加、削除、変更など)、ナンバータイプ、及び時間帯、という3つの特性に分けることができる。これらの属性で、電話帳の機能行動を記録することができる。例えば、ユーザが、ある時間帯に、個人の電話番号を追加することを記録する。
【0068】
STKに対して、操作タイプ(例えば、ショート・メッセージ、SIMカード、USSD)、及び時間帯、という2つの特性に分けることができる。これらの属性で、STKの機能行動を記録することができる。例えば、ユーザが、ある時間帯に、ショート・メッセージングのSTK機能を使用することを記録する。
【0069】
ゲームに対して、種類タイプ(例えば、オフラインゲームとオンラインゲーム)、時間帯、及び時間の長さ、という3つの特性に分けることができる。これらの属性で、ゲームの機能行動を記録することができる。例えば、ユーザが、ある時間帯に、オフラインゲをプレイした時間の長さを記録する。
【0070】
プレーヤーに対して、操作タイプ(例えば、再生や録画)、メディアタイプ(例えば、音声やビデオ)、時間帯、及び時間の長さ、という4つの特性に分けることができる。これらの属性で、プレーヤの機能行動を記録することができる。例えば、ユーザが、ある時間帯に、ビデオファイルを再生した時間の長さを記録する。
【0071】
カメラに対して、操作タイプ(写真やビデオ)、時間帯、及び時間の長さ、という3つの特性に分けることができる。これらの属性で、カメラ機能行動を記録することができる。例えば、ユーザが、ある時間帯に、写真を取った時間の長さを記録する。
【0072】
電子リーダーに対して、リードタイプ(文学、科学教育、探偵など)、時間帯、及び時間の長さ、という3つの特性に分けることができる。これらの属性で、電子リーダーの行動を記録することができる。例えば、ユーザが、ある時間帯に、文学類の電子書籍を読んだ時間の長さを記録する。
【0073】
充電に対して、操作タイプ(例えば、電源オフ充電、電源オン充電)、時間帯、及び時間の長さ、という3つの特性に分けることができる。これらの属性で、充電の行動を記録することができる。例えば、ユーザが、ある時間帯に、充電を行った時間の長さを記録する。
【0074】
ユーザの操作行動を真実に記録するために、SIMカードを挿入して電源オンにしてからバッテリーオフの直前に充電を行うまでの時間帯を一つのサイクルと定義する。数サイクルに対する統計で、基本的に操作者の行動習慣を記録することができる。
【0075】
音声機能の動作は、4つの属性を有する。即ち、操作タイプ(例えば、着信及び発信)、ナンバータイプ(例えばプライベート電話、インフォメーションデスク、顧客サービス)、時間帯(例えば、朝、昼、午後、晩、深夜)、及び時間の長さである。各属性について、値の集合によって、デジタルコーディングを行い、例えば、操作タイプは2つの値しか持っていない場合、コーディング1及び2で、着信および発信を示し、0で待機状態を示すように設定することができる。数値タイプの3つの値は、エンコーディング1、2、3と設定して示すことができる。時間帯の5つの値は、エンコーディング1、2、3、4、5と設定して示すことができる。一日間に24時間があるため、時間帯を下記のように分割することができる。8-12時は朝、12-14時は昼、14-18時は午後、18-23時は晩、23-翌日8時は深夜に分割され、このような分割は個人的な生活習慣に合う。時間の長さは分間を計量単位とする実数で計時を行う。このような行動を、一列のデジタルコーディングで記録することができる。例えば、朝の時間帯にプライベート電話の着信が、1分間続く場合、コードベクトル(1、1、1、1)で示すことができる。
【0076】
ほかの機能行動も上記の実施方式によって実現される。
【0077】
図5に示すように、本発明の実施の形態による、ユーザ行動中の充電操作の抽出方式により、下記のステップでユーザ身元特性抽出を行う。
【0079】
ステップ502:行動検出及び追跡を行う。
【0080】
端末が起動された後、行動検出及び追跡モジュールが実行され始める。機能モジュール数ベクトルK(0、0、0…0)を初期化する。当該ベクトルは計m個であり、各位置は、対応する機能モジュールを示す。最初にSIMカードを挿入したIMSIを記録する。
【0081】
ある機能が使用される場合、Kベクトル中の対応モジュールのコンポーネント値に1を加え、
図1で記述した方式で各ユーザの機能行動をコーディングする。機能がm個であり、且つ20サイクルを収集するため、各サイクル内の機能行動iの使用は、1未満であったり、1以上であったりすることもある。機能行動iは、計n回(1<n<20、またはn>20)を使用したとすると、機能行動iはコードベクトルKi1、Ki2、…Kinになり、iの値は、1-mの範囲に収まる。
【0082】
ステップ503:充電回数が20回よりも大きいか否かを判断する。20回以上であれば、ステップ504に移行する。それ以外の場合は判断し続ける。
【0083】
ユーザの使用習慣を取得するために、SIMカードを挿入して電源をオンにしてからバッテリーオフの直前に充電を行うまでの時間帯を一つのサイクルと定義する。このサイクルでは、20回に到達したかどうかを判断する。達していない場合、行動検出及び追跡を行い続ける。それ以外の場合は次のステップに移行する。
【0084】
ステップ504:行動特性抽出を行う。
【0085】
行動特性抽出モジュールを呼び出し、行動特性抽出を行う。
【0086】
ステップ505:常用機能一級の特性数を生成する。
【0087】
ステップ506:各常用機能属性の二級の特性ライブラリを生成する。
【0088】
Kベクトルを20で割って各機能の使用頻度を得ることができる。頻度が1以上の場合(当該機能行動の使用頻度はn>=20)、常用機能と記述し、頻度が1より小さい場合、非常用機能と記述する。常用機能数を一級の特性数T1とする。
【0089】
頻度1未満の非常用機能iのあらゆるコードベクトルKij(1<=i<=m,j>=20)を捨てる。上記収集した機能コードベクトルで、Z(Z<=m)個の一級の常用機能の特性ベクトル族を得ることができる。各タイプの特性ベクトルについて、各特性ベクトルを、多次元空間内の点と考えてよい。数サイクルの収集によって、タイプ毎の複数の点を得ることができる。各タイプの特性を真実に表すために、公式(3)に示すように、各タイプのこれらの点について平均値を取り、その重心を得る。このようにして、Z個の常用機能の特性ベクトル値Uiを得ることができる。
【数3】
【0090】
図6に示すように、
図6は、本発明のユーザ識別方法の別の実施の形態である。
【0091】
ステップ601:SIMカードを交換する。
【0092】
ステップ602:行動検出及び追跡を行う。
【0093】
行動検出及び追跡モジュールを呼び出し、操作者の移動行動の特性ベクトル
を収集する。
【0095】
上記特性抽出法によって、1サイクル内の常用機能の特性数T2と、Z個の常用機能の特性ベクトルSi(i<=Z)を取得する。
【0096】
ステップ604:一級の特性値の比較を行う。T1とT2が、近似または同一の場合、ステップ605に移行する。差が大きい場合、ステップ607に移行する。
【0097】
常用機能の特性数T2と上記抽出した一級の特性数T1にAND演算を行う。このAND演算の結果が、T1に等しいかどうかを判断する。これによって、認証段階における常用機能は、一般的に使用されるすべての機能が含まれていることを保証する。再びステップ605を実行して検証する。T1に等しくない場合は、ステップ607に移行する。
【0098】
ステップ605:二級の特性の比較は、二級の特性が近似又は同一の場合、ステップ605に移行する。差が大きい場合、ステップ607に移行する。
【0099】
収集したZ個の常用機能の特性ベクトルと、訓練段階中に収集したZ個のUiベクトルに応じて最近隣の判断を行う。次の式(4)のユークリッド距離を用いて閾値との比較を行う。閾値よりも小さい場合、2つのポイント間の距離が近いことを示し、同一の機能と認め、即ち、合法であり、ステップ606を実行する。それ以外の場合は、非法ユーザと認め、ステップ607を実行する。
【数4】
【0100】
ステップ606:合法ユーザは、通常の使用が可能である。
【0101】
ステップ607:現在のユーザが非法ユーザと判断する。
【0102】
合法ユーザの情報セキュリティを保障するために、ユーザの前に所持した各種のデータを削除し、合法ユーザの元の番号にショットメッセージを送信して現在の番号を知らせて、シャットダウンする。
【0103】
図7に示すように、本発明の実施の形態によるモバイル端末は、行動検出及び追跡モジュールと、行動特性抽出モジュールと、行動特性比較モジュールとを備える。
【0104】
前記行動検出及び追跡モジュールは、SIMカード交換前後のユーザ行動を検出して追跡するために用いられ、行動特性抽出のために、データを提供する。
【0105】
前記行動特性抽出モジュールは、SIMカード交換前後のユーザの行動特性を抽出するために用いられる。
【0106】
前記行動特性比較モジュールは、SIMカード交換前後のユーザの行動特性を比較するために用いられる。
【0107】
前記判断モジュールは、行動特性比較モジュールから受信した比較情報によって、新しいユーザが合法ユーザかどうかを判断する。SIMカード交換前後のユーザの行動特性が同じまたは近似である場合、合法ユーザであると認め、同じでない且つ近似でない場合、非法ユーザであると認める。
【0108】
本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。本発明の精神と原則内で行われる種々の修正、均等置換え、改善などは全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。