【実施例】
【0058】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
分離脱脂大豆蛋白質を蛋白質分解酵素で加水分解して得られた分離脱脂大豆蛋白質加水分解物(協和発酵フーズ社製)5gおよび0.12gのn−ヘキサナールを水100mlに分散させ、溶液のpHを6に調整した後、90℃で4時間加熱した。溶液を冷却後、凍結乾燥して粉末1を得た。
【0060】
また、濃い口醤油、だし汁、砂糖、鶏がらスープ、生姜、ニンニク、水等を用いて、常法により塩化ナトリウム濃度1.26重量%の醤油ラーメンスープ(通常タイプ)、および塩化ナトリウム濃度を0.96重量%とした醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)を調製した。
【0061】
醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)100mlに、粉末1およびコハク酸を、第1表に示すように、単独で、または組み合わせて添加した。
【0062】
これらの醤油ラーメンスープの中で感じられる塩味、醤油の風味および醤油ラーメンスープとしての好ましさについて、7名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
【0063】
評価は、各評価項目において、評価の最も低いものを1点、評価の最も高いものを7点とし、醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)を3点とする7点評価法で行った。
【0064】
結果を第1表に示す。
【表1】
【0065】
第1表に示すとおり、醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)に、分離脱脂大豆蛋白質加水分解物とn−ヘキサナールとをアミノ−カルボニル反応させて得た粉末1およびコハク酸を添加した試験区3の醤油ラーメンスープは、塩味が最も強く、かつ風味もよいものであった。
【0066】
(実施例2)
分離脱脂大豆蛋白質加水分解物のかわりにゼラチンを蛋白質分解酵素で加水分解して得られたゼラチン加水分解物(協和発酵フーズ社製)を用いる以外は実施例1と同様の操作を行って粉末2を得た。
【0067】
実施例1で調製した醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)100mlに、粉末2およびコハク酸を、第2表に示すように、単独で、または組み合わせて添加した。
【0068】
これらの醤油ラーメンスープの中で感じられる塩味、醤油の風味および醤油ラーメンスープとしての好ましさについて、7名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
【0069】
評価は、各評価項目において、評価の最も低いものを1点、評価の最も高いものを7点とし、醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)を3点とする7点評価法で行った。
【0070】
結果を第2表に示す。
【表2】
【0071】
第2表に示すとおり、醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)に、ゼラチン加水分解物とn−ヘキサナールとをアミノ−カルボニル反応させて得た粉末2およびコハク酸を添加した試験区3の醤油ラーメンスープは、食塩味が最も強く、かつ風味もよいものであった。
【0072】
(実施例3)
5gの分離脱脂大豆蛋白質加水分解物のかわりに4gの酵母エキス(協和発酵フーズ社製)を用い、0.12gのn−ヘキサナールのかわりに1gのグルコースを用いる以外は実施例1と同様の操作を行って粉末3を得た。
【0073】
また、濃い口醤油、だし汁、砂糖、醸造調味料、カツオエキス、昆布エキス、水等を用いて、常法により塩化ナトリウム濃度1.23重量%のめんつゆ(通常タイプ)、および塩化ナトリウム濃度を0.93重量%としためんつゆ(減塩タイプ)を調製した。
【0074】
めんつゆ(減塩タイプ)100mlに、粉末3およびコハク酸を、第3表に示すように、単独で、または組み合わせて添加した。
【0075】
これらのめんつゆの中で感じられる食塩味、醤油の風味およびめんつゆとしての好ましさについて、7名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
【0076】
評価は、各評価項目において、評価の最も低いものを1点、評価の最も高いものを7点とし、めんつゆ(減塩タイプ)を3点とする7点評価法で行った。
【0077】
結果を第3表に示す。
【表3】
【0078】
第3表に示すとおり、めんつゆ(減塩タイプ)に、酵母エキスとグルコースとをアミノ−カルボニル反応させて得た粉末3およびコハク酸を添加した試験区3のめんつゆは、塩味が最も強く、かつ風味もよいものであった。
【0079】
(実施例4)
分離脱脂大豆蛋白質200gを水1800mlに分散させ、アルカラーゼ(ノボザイムズ社製)を4ml加えて、50℃で30分間反応させた。さらに水酸化ナトリウムでpH8に維持しながら50℃で20時間反応させた。
【0080】
反応終了後、85〜90℃で20分間加熱して酵素を失活させた後、遠心分離した。得られた上清をろ過し、ろ液を限外ろ過(分画分子量1000〜5000の限外ろ過膜を使用)に供し、分子量1000〜5000の画分を得た。得られた画分を凍結乾燥させて粉末を得た。
【0081】
該粉末4gを、0.8gのキシロースを含む水溶液100mlに溶解し、95℃で4時間反応させた。
【0082】
得られた反応液を限外ろ過(分画分子量1000の限外ろ過膜を使用)に供し、分子量1000以上の画分を得た。該画分を凍結乾燥して約2gの粉末4を得た。
【0083】
また、0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液を調製し、該水溶液に粉末4およびコハク酸を、第4表に示すように、それぞれ単独で、または組み合わせて添加した。
【0084】
得られた各溶液の塩味について、7名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
【0085】
評価は、以下の指標に従って7点評価で行い、各パネラーの評価の平均値を求めた。
【0086】
結果を第4表に示す。
【0087】
7点:非常に強く塩味を感じる
6点:塩味を強く感じる
5点:塩味を少し強く感じる
4点:塩味を感じる
3点:少し塩味を感じる
2点:わずかに塩味を感じる
1点:まったく塩味を感じない
【表4】
【0088】
第4表に示すとおり、分離脱脂大豆蛋白質由来の分子量1000〜5000のペプチドとキシロースとをアミノ−カルボニル反応させて得た粉末4およびコハク酸を添加した試験区3では強めの塩味が感じられ、かつコハク酸による異風味も感じられなかった。
【0089】
(実施例5)
実施例1で調製した醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)100mlに、実施例4で得た粉末4およびコハク酸を、第5表に示すように、単独で、または組み合わせて添加した。
【0090】
これらの醤油ラーメンスープの中で感じられる塩味、醤油特有の風味および醤油ラーメンスープとしての好ましさについて、7名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
【0091】
評価は、各評価項目において、評価の最も低いものを1点、評価の最も高いものを7点とし、醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)を3点とする7点評価法で行った。
【0092】
結果を第5表に示す。
【表5】
【0093】
第5表に示すとおり、減塩タイプの醤油ラーメンスープに、分離脱脂大豆蛋白質由来の分子量1000〜5000のペプチドとキシロースとをアミノ−カルボニル反応させて得た粉末4およびコハク酸を添加した試験区3の醤油ラーメンスープは、塩味が最も強く、かつ風味もよいものであった。
【0094】
(実施例6)
実施例3で調製しためんつゆ(減塩タイプ)100mlに、実施例4で得た粉末4およびコハク酸を、第6表に示すように、単独で、または組み合わせて添加した。
【0095】
これらのめんつゆの中で感じられる塩味、醤油特有の風味およびめんつゆとしての好ましさについて、7名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
【0096】
評価は、各評価項目において、評価の最も低いものを1点、評価の最も高いものを7点とし、めんつゆ(減塩タイプ)を3点とする7点評価法で行った。
【0097】
結果を第6表に示す。
【表6】
【0098】
第6表に示すとおり、減塩タイプのめんつゆに、分離脱脂大豆蛋白質由来の分子量1000〜5000のペプチドとキシロースとをアミノ−カルボニル反応させて得た粉末4およびコハク酸を添加した試験区3のめんつゆは、塩味が最も強く、かつ風味もよいものであった。
【0099】
(実施例7)
加工用赤味噌および水を用いて、常法により塩化ナトリウム濃度1.46重量%の味噌汁(通常タイプ)、および塩化ナトリウム濃度を1.18重量%とした味噌汁(減塩タイプ)を調製した。
【0100】
味噌汁(減塩タイプ)100mlに、実施例4で得た粉末4およびコハク酸を、第7表に示すように、単独で、または組み合わせて添加した。
【0101】
これらの味噌汁の中で感じられる食塩味、味噌の風味および味噌汁としての好ましさについて、7名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
【0102】
評価は、各評価項目において、評価の最も低いものを1点、評価の最も高いものを7点とし、味噌汁(減塩タイプ)を3点とする7点評価法で行った。
【0103】
結果を第7表に示す。
【表7】
【0104】
第7表に示すとおり、減塩味噌汁に、分離大豆蛋白質由来の分子量1000〜5000のペプチドとキシロースとをアミノ−カルボニル反応させて得た粉末4およびコハク酸を添加した試験区3の味噌汁は、塩味が最も強く、かつ風味もよいものであった。
【0105】
(実施例8)
実施例4で得た分子量1000〜5000の画分の粉末4gを、0.8gのガラクツロン酸を含む水溶液100mlに溶解し、95℃で4時間反応させた。得られた反応液を限外ろ過(分画分子量1000の限外ろ過膜を使用)に供し、分子量1000以上の画分を得た。該画分を凍結乾燥して約2gの粉末5を得た。
【0106】
また、ホワイトルゥ、バター、粉末油脂、脱脂粉乳、コーンスターチ、チキンブイヨン、野菜ブイヨン等を用いて、塩化ナトリウム濃度0.88重量%とする以外は、常法によりクリームスープ(減塩タイプ)を調製した。
【0107】
該クリームスープ100mlに、粉末5およびコハク酸を、第8表に示すように、単独で、または組み合わせて添加した。
【0108】
得られたクリームスープの中で感じられる食塩味、乳製品特有のクリーム風味およびクリームスープとしての好ましさについて、7名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
【0109】
評価は、各評価項目において、評価の最も低いものを1点、評価の最も高いものを7点とし、クリームスープ(減塩タイプ)を3点とする7点評価法で行った。
【0110】
結果を第8表に示す。
【表8】
【0111】
第8表に示すとおり、クリームスープ(減塩タイプ)に、分離大豆蛋白質由来の分子量1000〜5000のペプチドとガラクツロン酸とをアミノ−カルボニル反応させて得た粉末5およびコハク酸を添加した試験区3のクリームスープは、塩味が最も強く、かつ風味もよいものであった。
【0112】
(実施例9)
実施例1で調製した醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)100mlに、実施例8で得た粉末5およびリンゴ酸を、第9表に示すように、単独で、または組み合わせて添加した。
【0113】
これらの醤油ラーメンスープの中で感じられる食塩味、醤油の風味および醤油ラーメンスープとしての好ましさについて、7名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
【0114】
評価は、各評価項目において、評価の最も低いものを1点、評価の最も高いものを7点とし、醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)を3点とする7点評価法で行った。
【0115】
結果を第9表に示す。
【表9】
【0116】
第9表に示すとおり、醤油ラーメンスープ(減塩タイプ)に、分離脱脂大豆蛋白質由来の分子量1000〜5000のペプチドとガラクツロン酸とをアミノ−カルボニル反応させて得た粉末5およびリンゴ酸を添加した試験区3の醤油ラーメンスープは、食塩味が強く、かつ風味もよいものであった。
【0117】
(実施例10)
実施例4で得た分離脱脂大豆蛋白質由来の分子量1000〜5000の画分の粉末4gを、0.8gのデキストリン(パインデックス#4:松谷化学社)を含む水溶液100mlに溶解し、95℃で4時間反応させた。得られた反応液を限外ろ過(分画分子量1000の限外ろ過膜を使用)に供して分子量1000以上の画分を約2gのアミノ−カルボニル反応物6として得た。
【0118】
実施例3で調製しためんつゆ(減塩タイプ)100mlに、上記のように調製したアミノ−カルボニル反応物およびリンゴ酸を、第10表に示すように、単独で、または組み合わせて添加した。
【0119】
これらのめんつゆの中で感じられる食塩味、醤油の風味およびめんつゆとしての好ましさについて、4名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
【0120】
評価は、各評価項目において、評価の最も低いものを1点、評価の最も高いものを7点とし、めんつゆ(減塩タイプ)を3点とする7点評価法で行った。
【0121】
結果を第10表に示す。
【表10】
【0122】
第10表に示すとおり、分離脱脂大豆蛋白質由来の分子量1000〜5000のペプチドとデキストリンとをアミノ−カルボニル反応させて得られたアミノ−カルボニル反応物6およびリンゴ酸を添加した試験区3のめんつゆは食塩味が強く、かつめんつゆとしての好ましさもより強いものであった。