(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された部品供給装置は、実装装置の吸着ミス等により、部品供給装置側の供給ノズルにダイが取り残されることがあった。取り残されたダイは、次回のダイの供給時に邪魔となるため、何らかの方法で取り除く必要があった。例えば、実装装置のノズルで取り除いたり、部品供給装置側のノズルで取り除いたり、供給ノズルを備えた供給ヘッドをダイ供給機側に引き戻す際に、エアで吹き飛ばしたりしていた。
【0005】
しかしながら、実装装置のノズルで取り除く方法及び部品供給装置側のノズルで取り除く方法は生産タクト向上の妨げとなる。供給ステージをダイ供給機側に引き戻す際に、エアで吹き飛ばす方法は、専用のエア噴射装置の追加が必要となり、部品供給装置の製造コストの上昇を招く。
【0006】
本発明は、生産タクト向上を阻害せず、製造コストの上昇を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
電子部品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置から前記電子部品を受け取った後、前記電子部品を実装装置へ受け渡すとともに、前記電子部品を前記搬送装置から受け取る受取位置から、前記電子部品を前記実装装置へ受け渡す受渡位置までの間を往復移動する供給ステージと、前記供給ステージに設けられて、前記搬送装置が搬送した電子部品を吸着するとともに、前記供給ステージが前記受渡位置から移動を開始するタイミングと前記受取位置で停止するタイミングとの少なくとも一方で気体を放出するノズルと、を含むことを特徴とする部品供給装置である。
【0008】
本発明において、前記供給ステージが前記受渡位置から移動を開始するタイミングで前記ノズルが気体を放出する場合、前記供給ステージは、前記受渡位置側に前記ノズルから離脱した電子部品を受け取る電子部品ポケットを有することが好ましい。
【0009】
本発明において、前記供給ステージが前記受取位置で停止するタイミングで前記ノズルが気体を放出する場合、前記供給ステージは、前記受取位置側に前記ノズルから離脱した電子部品を受け取る電子部品ポケットを有することが好ましい。
【0010】
本発明において、前記ノズルから離脱した電子部品を受け取る電子部品ポケットが、前記受渡位置又は前記受取位置に設けられる請求項1に記載の部品供給装置。
【0011】
本発明において、前記供給ステージは、前記ノズルが配置されている部分から前記電子部品ポケットの間に、前記電子部品ポケットに向かって高さが低くなる傾斜部を有することが好ましい。
【0012】
本発明は、 供給ステージのノズルが電子部品を吸着する吸着工程と、前記ノズルが電子部品を吸着する受取位置から、前記供給ステージが実装装置へ前記電子部品を受け渡す受渡位置まで、前記供給ステージが移動する移動工程と、前記供給ステージが前記受渡位置から移動を開始するタイミングと前記受取位置で停止するタイミングとの少なくとも一方で前記ノズルが気体を放出する部品除去工程と、を含むことを特徴とする部品供給方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、生産タクト向上を阻害せず、製造コストの上昇を回避することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0016】
図1は、本実施形態に係る部品供給装置と、この部品供給装置から部品の供給を受ける表面実装装置とを示す平面図である。実装装置としての表面実装装置1は、部品供給装置10から電子部品(本実施形態ではダイ)の供給を受ける。表面実装装置1は、矩形のベース部1Bと、ヘッド2と、X軸ロボットアーム4Xと、Y軸ロボットアーム4Yと、搬送装置5とを有する。ベース部1Bは、X軸ロボットアーム4X及びY軸ロボットアーム4Yと、これらに支持されたヘッド2と、搬送装置5とを搭載して支持する。
【0017】
ヘッド2は、部品供給装置10から供給された電子部品を吸着するノズル3を複数備えている。ノズル3は、負圧によって電子部品を吸着する。ヘッド2は、X軸ロボットアーム4XとY軸ロボットアーム4Yとに支持されている。ヘッド2は、X軸ロボットアーム4XによってX方向に移動され、Y軸ロボットアーム4YによってX方向と直交するY方向に移動される。搬送装置5は、一対のレール5R、5Rと、レール5R、5Rに搭載されてX方向に移動する搬送ステージ5Sとを備える。搬送ステージ5Sは、基板Sを搭載して搬送する。基板Sには、ヘッド2から電子部品が搭載される。
【0018】
表面実装装置1が電子部品を基板Sに搭載する場合、ヘッド2は、X軸ロボットアーム4XとY軸ロボットアーム4Yとによって移動され、部品供給装置10の部品供給位置に供給された電子部品をノズル3で吸着保持する。そして、ヘッド2は、搬送装置5によって表面実装装置1に搬送され、位置決めされている基板Sの表面に電子部品を搭載する。次に、部品供給装置10について説明する。
【0019】
図2は、本実施形態に係る部品供給装置を示す平面図である。部品供給装置10は、ストック部11と、保持部12と、X軸ロボットアーム15Xと、Y軸ロボットアーム15Yと、搬送装置としての吸着ヘッド16と、吸着位置認識装置17と、供給ステージ20と、直動駆動機構30とを備えている。部品供給装置10は、表面実装装置1のベース部1Bに接合部10Aを介して連結されるとともに位置決めされる。部品供給装置10及び表面実装装置1は、それぞれ内部に独立した制御装置を持ち、通信インターフェースを介して相互に連携している。次においては、説明の便宜上、部品供給装置10の制御装置と表面実装装置1の制御装置とを特に区別せず、制御装置として説明する。
【0020】
部品供給装置10は、
図2に示すように、表面実装装置1が配置されている側とは反対側にストック部11が設けられている。ストック部11は、複数のダイシングウェハWが隙間を空けて積み重ねて保管されている。ダイシングウェハWは、チップとなる電子回路が複数形成されたシリコンウェハが、所定の回路形成領域を単位に格子状にダイシングされることにより、複数のダイDとして分離されるとともに、裏面に粘着シートが貼り付けられたものである。
【0021】
保持部12は、リング状の保持具13を有している。保持具13は、ストック部11から保持部12に引き出されたダイシングウェハWを保持する。X軸ロボットアーム15Xは、吸着ヘッド16及び吸着位置認識装置17を一体としてX方向に移動させ、Y軸ロボットアーム15Yは、吸着ヘッド16及び吸着位置認識装置17を一体としてY方向に移動させる。吸着ヘッド16は、負圧によって電子部品としてのダイDを吸着するノズルを有している。吸着ヘッド16は、保持具13に保持されたダイシングウェハWからダイDを吸着して、供給ステージ20に受け渡す。
【0022】
吸着位置認識装置17は、例えば、画像認識用のカメラ、レーザポインタ又は距離計測センサ等である。吸着位置認識装置17は、吸着ヘッド16がダイDを吸着するべき位置及び供給ステージ20にダイDを受け渡す位置等を取得する。吸着位置認識装置17が取得した位置は、制御装置が取得する。この制御装置は、取得した前記位置に基づいて、吸着ヘッド16がダイDを吸着するべき位置又は供給ステージ20にダイDを受け渡す位置等を演算する。
【0023】
供給ステージ20は、負圧によってダイDを吸着して保持するノズル21と、ノズル21から離脱したダイDを受け取るダイポケット22とを備えている。供給ステージ20は、吸着ヘッド16からダイDを受け取った後、ダイDを表面実装装置1へ受け渡すとともに、ダイDを吸着ヘッド16から受け取る受取位置Hから、ダイDを表面実装装置1へ受け渡す受渡位置Pまでの間を往復移動する。受取位置Hは、吸着ヘッド16の到達範囲に設けられ、受渡位置は、表面実装装置1のヘッド2の到達範囲に設けられる。供給ステージ20が往復移動する方向は、Y方向と平行な方向である。供給ステージ20の構造は、後述する。
【0024】
直動駆動機構30は、直動ガイドレール30Rと、無端のタイミングベルト31と、受取位置H側の第1プーリ32Hと、受渡位置P側の第2プーリ32Pとを備える。タイミングベルト31は、受取位置H側の第1プーリ32Hと、受渡位置P側の第2プーリ32Pとに掛け回されている。また、タイミングベルト31は、供給ステージ20に連結されている。供給ステージ20は、直動ガイドレール30Rによって案内されることにより、直線運動する。直動駆動機構30は、第1プーリ32H又は第2プーリ32Hのいずれか一方を、例えば、電動機によって駆動する。そして、直動駆動機構30は、前記電動機の回転方向を切り替えることにより、受取位置Hと受渡位置Pとの間で供給ステージ20を直動ガイドレール30Rに沿って往復直線移動させる。
【0025】
受取位置H及び受渡位置Pには、それぞれ緩衝機構33H、33Pが設けられている。緩衝機構33H、33Pは、緩衝機構支持体34H、34Pに締結手段35H、35Pで締結され、固定される。受取位置Hの緩衝機構33Hは、供給ステージ20よりもストック部11側に配置され、受渡位置Pの緩衝機構33Pは、供給ステージ20よりも表面実装装置1側に配置される。このような配置により、緩衝機構33H、33Pは、直動駆動機構30によって移動する供給ステージ20が衝突したときの衝撃を吸収する。この他に、部品供給装置10は、ダイDを反転させるダイ反転機構を有していてもよい。次に、部品供給装置10が本実施形態に係る部品供給方法を実行して、ダイDを表面実装装置1に供給する際の動作を説明する。
【0026】
まず、制御装置は、ストック部11に保管されているダイシングウェハWを保持部12に引き出し、保持具13に位置決めして固定する。次に、制御装置は、X軸ロボットアーム15XとY軸ロボットアーム15Yとを駆動して、保持部12に位置決めされているダイシングウェハWの上方に吸着ヘッド16を移動させる。そして、制御装置は、吸着すべきダイDの位置を吸着位置認識装置17で計測し、補正を加えた正確な位置に吸着ヘッド16位置決めしする。その後、制御装置は、吸着ヘッド16が備えるノズルを下降させ、ダイDに前記ノズルの先端部が当接した時点で負圧を働かせてダイDをノズルの先端部に吸着させる(吸着工程)。
【0027】
制御装置は、ダイDを吸着した吸着ヘッド16のノズルを上昇させた後、X軸ロボットアーム15XとY軸ロボットアーム15Yとを駆動して、ダイDを吸着した吸着ヘッド16を受取位置Hに移動させ(移動工程)、供給ステージ20が有するノズル21と対向させる。次に、制御装置は、ダイDを吸着した吸着ヘッド16のノズルを下降させ、供給ステージ20のノズル21の先端部にダイDを当接させる。制御装置は、ダイDがノズル21の先端部に当接したタイミングで、ノズル21に負圧を発生させるとともに、吸着ヘッド16によるダイDの吸着を解除する。すると、供給ステージ20のノズル21は、吸着ヘッド16が吸着していたダイDを吸着する。このようにして、供給ステージ20は、吸着ヘッド16からダイDを受け取る。
【0028】
供給ステージ20がダイDを受け取ったら、制御装置は、吸着ヘッド16を保持部12に移動させ、再度他のダイDを吸着して、まだダイDを保持していない供給ステージ20のノズル21にダイDを移載する動作を繰り返して行わせる。供給ステージ20の複数のノズル21がダイを必要数保持する状態になった時点で、制御装置は、直動駆動機構30を駆動して、供給ステージ20を受取位置Hから受渡位置Pへ移動させる。
【0029】
受渡位置Pにおいて、制御装置は、供給ステージ20のノズル21によるダイDの吸着を解除させる。そして、制御装置は、表面実装装置1のヘッド2を受渡位置Pに移動されるとともに、ヘッド2のノズル3に負圧を発生させて、供給ステージ20のノズル21上のダイDをヘッド2のノズル3に吸着させる。このようにして、供給ステージ20は、ダイDを表面実装装置1のヘッド2に受け渡す。その後、制御装置は、ヘッド2に基板SへダイDを搭載させる。供給ステージ20が有するすべてのダイDがヘッド2に受け渡されたら、制御装置は、供給ステージ20を受渡位置Pから受取位置Hへ移動させる。このようにして、部品供給装置10は、表面実装装置1にダイDを供給する。次に、供給ステージ20の構造を説明する。
【0030】
図3は、本実施形態に係る供給ステージの平面図である。
図4は、
図3のA−A断面図である。
図5は、本実施形態に係る供給ステージの断面図である。
図5は、
図4の断面と同じ位置の断面を示している。以下に示す断面図も同様である。供給ステージ20は、平面視が長方形形状の本体部23と、本体部23の外周部から立設する壁部24とを有する。複数のノズル21は、供給ステージ20、より具体的には、供給ステージ20の本体部23のノズル設置部25に設けられている。壁部24は、ノズル21がノズル設置部25から突出する方向に向かって立設している。壁部24の端部24Tは、ノズル設置部25の表面25Pよりも高い位置にある。
【0031】
本実施形態において、供給ステージ20は、ノズル21から離脱した電子部品としてのダイDを受け取る、電子部品ポケットとしてのダイポケット22を有している。供給ステージ20は、受渡位置P側にダイポケット22を有している。本実施形態において、ダイポケット22は、受渡位置P側に設けられているが、受取位置H側に設けられていてもよい。ダイポケット22の底部22Bは、ノズル設置部25の表面25Pよりも低い位置にある。このため、ダイポケット22は、ノズル設置部25よりも凹んでいる。ノズル設置部25及びダイポケット22は、壁部24で囲まれている。
【0032】
ノズル設置部25の周囲には、壁部24を必ずしも設ける必要はないが、壁部24により、ノズル21から脱落したダイDが供給ステージ20から部品供給装置10の内部へ落下して紛れ込むおそれを低減できる。壁部24の端部24Tとノズル21の先端部との位置関係は、特に限定されるものではなく、いずれが高くてもよいし、両者の高さは同じであってもよい。ダイポケット22は、ノズル21から離脱したダイDを受け取るため、壁部24に囲まれた空間に、ノズル設置部25よりも凹ませて形成されている。このようにすることで、ダイポケット22は、確実にダイDを保持して、部品供給装置10の内部へダイDが落下することを回避することができる。
【0033】
図5は、供給ステージの変形例を示す断面図である。供給ステージ20aは、ノズル21が配置されている部分であるノズル設置部25は、ダイポケット22に向かって高さが低くなる傾斜部25Sで構成されている。傾斜部25Sは、ノズル21から離脱して落下したダイDをダイポケット22へ導く機能を有する。このため、傾斜部25Sを有する供給ステージ20aは、ノズル21から離脱したダイDを確実にダイポケット22へ移動させることができる。
【0034】
ノズル21は、供給ステージ20に設けられている。ノズル21は、吸着ヘッド16が搬送したダイDを吸着するとともに、供給ステージ20が受渡位置Pから移動を開始するタイミングと受取位置Hで停止するタイミングとの少なくとも一方で気体を放出する。表面実装装置1のヘッド2が有するノズル3が供給ステージ20のノズル21からダイDを吸着できず、ノズル21の先端部にダイDが取り残されることがある。取り残されたダイDは、何らかの方法で取り除く必要がある。
【0035】
供給ステージ20は、ノズル21が上述したタイミングで気体を放出することで、ノズル21の先端部に取り残されたダイDを離脱させる。例えば、供給ステージ20が受渡位置Pから移動を開始するタイミングでノズル21が気体を放出すると、ノズル21からダイDが離脱するタイミングで供給ステージ20が受取位置Hに向かって移動、すなわち、受渡位置Pから離れていく。ノズル21から離脱したダイDは、水平方向においてはその位置に留まろうとするが、供給ステージ20は、時間の経過とともに受取位置Hに向かって移動する。このため、水平方向におけるダイDと供給ステージ20との位置関係は変化する。より具体的には、水平方向においてダイDはノズル21から離れるとともに、ダイポケット22に接近する。
【0036】
ノズル21から離脱したダイDは、時間の経過とともに落下する。上述したように、時間の経過とともに、水平方向においてダイDはダイポケット22に接近するので、ダイDの直下にはダイポケット22が位置することになる。このため、落下したダイDは、ダイポケット22に受け止められる。このようにすることで、ノズル21に取り残されたダイDを確実に取り除くことができる。次に、部品供給装置10が本実施形態に係る部品供給方法を実行することにより、供給ステージ20が受渡位置Pから受取位置Hに向かって移動する際に、取り残されたダイDを回収する例を説明する。
【0037】
図6から
図8は、供給ステージが受渡位置から移動するときの動作を説明するための図である。
図6に示すように、受渡位置Pで供給ステージ20が停止している。このとき、ノズル21は負圧を発生しておらず、ダイDは、ノズル21に吸着されていない。
図1、
図2に示す制御装置は、受渡位置Pから供給ステージ20を受取位置Hへ向かって移動させる場合、
図7に示すように、供給ステージ20が移動開始するのと同時又は移動を開始する直前のタイミングで、ノズル21から気体Gを放出させる(部品除去工程)。すると、ダイDは、ノズル21から離脱する。
【0038】
ノズル21からダイDが離脱した時点で、供給ステージ20は受取位置Hへ向かって移動している。供給ステージ20は、受渡位置P側にダイポケット22を有しているので、供給ステージ20が受取位置Hへ向かって移動すると、
図8に示すように、ノズル21から離脱したダイDの下方にダイポケット22が移動してくる。そして、ダイポケット22は、落下してくるダイDを受け止める。このように、部品供給装置10は、供給ステージ20が受渡位置Pから受取位置Hに移動を開始するタイミングでノズル21が気体を放出することにより、ダイDをノズル21から離脱させてダイポケット22に回収することができる。その結果、部品供給装置10は、ノズル21の先端部に取り残されていたダイDを確実に取り除いて回収することができる。
【0039】
ノズル21は、取り残されたダイDの有無に関わらず、供給ステージ20が受渡位置Pに向かって移動を開始する際には気体Gを放出することが好ましい。このようにすれば、取り残されているダイDを検出する装置を用いなくても、取り残されたダイDをダイポケット22へ確実に回収することができる。次に、部品供給装置10が、取り残されたダイDを回収する他の例を説明する。
【0040】
図9は、供給ステージが備えるダイポケットとノズルとの位置関係を示す断面図である。
図10から
図12は、供給ステージが受取位置で停止するときの動作を説明するための図である。この例では、供給ステージ20が有するダイポケット22を、供給ステージ20の受取位置H側に配置する。そして、ノズル21は、供給ステージが20受取位置Hで停止するタイミングで気体Gを放出する。
【0041】
まず、
図10に示すように、供給ステージ20が受渡位置Pから受取位置Hに向かって移動してきている。このとき、ノズル21は負圧を発生しておらず、また、気体Gを放出していない。
図1、
図2に示す制御装置は、
図11に示すように、供給ステージ20が受取位置Hで停止するのと同時又は停止する直前のタイミングで、ノズル21から気体Gを放出させる。すると、ダイDは、ノズル21から離脱する。
【0042】
ノズル21からダイDが離脱した時点で、供給ステージ20は受取位置Hで停止する。供給ステージ20は、受取位置Hの移動方向後方側にダイポケット22を有しているので、供給ステージ20が受取位置Hで停止すると、
図12に示すように、ノズル21から離脱したダイDは、供給ステージ20が移動してきた方向(受渡位置Pから受取位置Hに向かう方向)に移動する。供給ステージ20が移動してきた方向側にはダイポケット22があるので、ダイポケット22は、落下してくるダイDを受け止める。
【0043】
このように、部品供給装置10は、供給ステージ20が受取位置Hで停止するタイミングでノズル21が気体を放出することにより、ダイDをノズル21から離脱させてダイポケット22に回収することができる。その結果、部品供給装置10は、ノズル21の先端部に取り残されていたダイDを確実に取り除いて回収することができる。
【0044】
供給ステージ20が受取位置Hに向かって移動を開始するタイミング又は受取位置Hで停止するタイミングでノズル21が気体を放出する一連の動作は、供給ステージ20が次のダイDを供給するための動作に含まれている。このため、ダイDの供給タクトには影響を与えず、ダイDの供給タクト向上を阻害する要因にはならない。また、供給ステージ20が有するノズル21を流用してダイDをノズル21から離脱させるので、ダイDをノズル21から取り除くために新たな専用部品を追加する必要もない。このため、部品供給装置の製造コストの上昇及び保守・点検のコストの上昇を回避できるので、極めて経済的である。
【0045】
ノズル21に取り残されるダイDの種類(寸法等)は予め分かっている。このため、ダイDの種類に応じてノズル21が気体Gを放出する時間又は強度をダイDの種類毎に個別に制御することにより、寸法等が異なるダイDであっても確実にダイポケット22内にダイDを落下させて回収することができる。
【0046】
(供給ステージの第1変形例)
図13は、供給ステージの第1変形例を示す断面図である。本変形例において、供給ステージ20bは、ノズル21に対して、受渡位置Pと受取位置Hとの両方に、それぞれダイポケット22、22Hを有している。この供給ステージ20bを用いれば、供給ステージ20が受取位置Hに向かって移動を開始するタイミング及び受取位置Hで停止するタイミングの両方でノズル21から気体Gを放出させることができる。すなわち、ノズル21に取り残されたダイDを回収する機会を多くすることができる。例えば、供給ステージ20が受取位置Hに向かって移動を開始するタイミングでノズル21から気体Gを噴射させたときに取り残されたダイDを回収できなくても、供給ステージ20が受取位置Hで停止するタイミングで再びノズル21から気体Gを放出させて、取り残されたダイDをダイポケット22に回収することができる。
【0047】
(供給ステージの第2変形例)
図14は、供給ステージの第2変形例を示す断面図である。本変形例において、供給ステージ20cは、ノズル21に対して、受渡位置P側と受取位置H側とのいずれにもダイポケットを有していない。このような供給ステージ20cが受取位置Hに向かって移動を開始するタイミング又は受取位置Hで停止するタイミングでノズル21が気体を放出すると、取り残されたダイDは、供給ステージ20の移動方向反対側又は移動方向側に落下する。
【0048】
このような供給ステージ20cを用いて本実施形態に係る部品供給方法を実行しても、ノズル21に取り残されたダイDをノズル21から取り除くことはできる。しかし、落下したダイDは、部品供給装置10内に紛れ込むおそれがあるので、受渡位置P又は受取位置Hの下方に、凹部27を有するダイポケット26を配置して、落下してきたダイDを受け止めて回収する。次に、供給ステージ20cを有する部品供給装置10が、本実施形態に係る部品供給方法を実行することにより、取り残されたダイDを回収する例を説明する。
【0049】
図15から
図17は、第2変形例に係る供給ステージが受渡位置から移動するときの動作を説明するための図である。
図15に示すように、受渡位置Pで供給ステージ20が停止している。受渡位置Pには、ダイポケット26が設けられる。より具体的には、受渡位置Pに設けられたダイポケット26は、供給ステージ20cの下方に配置される。
図1、
図2に示す制御装置は、受渡位置Pから供給ステージ20を受取位置Hへ向かって移動させる場合、
図16に示すように、供給ステージ20cが移動開始するのと同時又は移動を開始する直前のタイミングで、ノズル21から気体Gを放出させる。すると、ダイDは、ノズル21から離脱する。
【0050】
ノズル21からダイDが離脱した時点で、供給ステージ20は受取位置Hへ向かって移動している。供給ステージ20cが受取位置Hへ向かって移動すると、
図17に示すように、ノズル21から離脱したダイDは受渡位置Pで落下する。受渡位置Pには、ダイポケット26が配置されているので、ダイポケット26は、落下してくるダイDを受け止める。このように、部品供給装置10は、供給ステージ20cが受渡位置Pから受取位置Hに移動を開始するタイミングでノズル21が気体を放出することにより、ダイDをノズル21から離脱させてダイポケット26に回収することができる。その結果、部品供給装置10は、ノズル21の先端部に取り残されていたダイDを確実に取り除いて回収することができる。次に、供給ステージ20cを有する部品供給装置10が、取り残されたダイDを回収する他の例を説明する。
【0051】
図18から
図20は、供給ステージが受取位置で停止するときの動作を説明するための図である。まず、
図18に示すように、供給ステージ20cが受渡位置Pから受取位置Hに向かって移動してきている。このとき、ノズル21は負圧を発生しておらず、また、気体Gを放出していない。
図1、
図2に示す制御装置は、
図19に示すように、供給ステージ20cが受取位置Hで停止するのと同時又は停止する直前のタイミングで、ノズル21から気体Gを放出させる。すると、ダイDは、ノズル21から離脱する。受取位置Hでノズル21から離脱したダイDは、受渡位置Pから受取位置Hに向かう方向に移動しながら落下する。
【0052】
受取位置Hには、ダイポケット26が設けられる、より具体的には、受取位置Hにおいて、受取位置Hで停止した供給ステージ20cと一部が重なるように、供給ステージ20cの下方にダイポケット26が配置されている。
図19に示すように、受取位置Hで供給ステージ20cが停止した状態において、ダイポケット26は、受渡位置Pから受取位置Hに向かう方向に凹部27が張り出している。受取位置Hでノズル21から離脱したダイDは、供給ステージ20cを超えて落下してくるので、ダイポケット26は、このダイDを受け止めて回収する。
【0053】
このように、供給ステージ20cがダイポケットを有していない場合でも、受渡位置P又は受取位置Hにおいて、ダイポケット26を供給ステージ20cの下方に配置した上で、本実施形態に係る部品供給方法を実行すれば、供給ステージ20cがダイポケットを有している場合と同様の作用、効果を得ることができる。また、ノズル21から気体Gを放出するタイミングは、前記実施形態に限らずに、受渡位置Pと受取位置Hとの移動途中であってもよい。この場合、ノズル21から気体Gを放出するタイミングにおいて供給ステージの移動速度を変化させ、供給ステージ20、20cと離脱したダイDとの移動方向における相対位置を変えることでも同様の作用、効果を得ることができる。