(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来の制御盤は、例えば、
図29に示すような構成になっている。
図29(a)は前面扉203を取り外した状態の制御盤201を示す正面図であり、
図29(b)は前面扉203を取り付けた状態の制御盤201を一部切り欠いて示す側面図である。
まず、筺体205があり、この筺体205は、例えば、鋼板製であって有底器形状をなしていて、その横断面形状は長方形となっている。すなわち、筺体205は、底板207と、この底板207より立設された4個の側壁209、209、209、209とから構成されている。又、既に説明した前面扉203は筺体205の前面開口部211を開閉するように、図示しないヒンジを介して一つの側壁209に回動自在に取り付けられている。
【0003】
上記筺体205の底壁207には、各種機器を取り付けるための基板213が取り付けられている。この基板213には各種機器を取り付けるためのガイド部材215が取り付けられている。そして、上記ガイド部材215には、各種機器、例えば、ブレーカ217、パワーサプライ219、インバータ221、端子台223等が取り付けられている。又、その他にも、リレー225、リレー端子227、プログラマブルコントローラ(PLC)229、モーターコントローラ231、モータードライバーコントローラ235等が取り付けられている。
尚、上記インバータ221とモーターコントローラ231とモータードライバーコントローラ235は基板213に直接取り付けられている。
【0004】
又、上記基板213には配線ダクト233が適所に取り付けられていて(
図29(a)に示す場合には、横2列、縦2列に設置されている。)、上記各種機器より引き出された配線類はこれら配線ダクト233内に収容された状態で配設されている。又、上記筺体205には図示しない配線取出部があり、上記配線類はその配線取出部を介して筺体205の外部に引き出されることになる。
【0005】
尚、この種の制御盤の構成を示すものとして、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等がある。
【0006】
ところが、
図29に示すような制御盤201の場合には次のような問題があった。
まず、制御盤201の小型化が難しいという問題があった。その要因としては、例えば、制御盤201内に配線ダクト233が設置されていて、その配線ダクト233は各種機器と同じ平面内に設置される構成になっているため、制御盤201としての面積が大きくなってしまうことが挙げられる。
又、配線ダクト233を使用した配線の引き回し作業が面倒であるという問題もあった。
【0007】
そこで、本件特許出願人は、これらの問題を解決するべく特許出願を行っている。それが特許文献4である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1乃至
図19を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1は本実施の形態による制御盤の正面側からの斜視図、
図2は同上の背面側からの斜視図、
図3は同上の正面図、
図4は同上の左側面図、
図5は同上の背面図、
図6は同上の右側面図である。
まず、筺体1があり、この筺体1は一対の側壁部3、3のみから構成されている。上記側壁部3は次のような構成になっている。
【0015】
まず、ベース部材5があり、このベース部材5はその横断面形状が略四角形をなす枠材から構成されていて、その両端には端栓7、7が着脱可能に取り付けられている。上記ベース部材5上にはL字状部材9が着脱可能に取付・固定されている。上記L字状部材9は、ボルト11及び図示しないナットからなる締結具によって、二箇所において上記ベース部材5に取付・固定されている。すなわち、上記ベース部材5の四面には長手方向に沿ってT型溝13、13、13、13がそれぞれ形成されていて、その内の一つのT型溝13(
図1中上側のT型溝13)内に上記図示しないナットが回転を規制された状態で収容・配置されている。そのナットに上記ボルト11を螺合することにより、上記L字状部材9がベース部材5に取付・固定されている。
【0016】
上記L字状部材9上には側壁15が着脱可能に立設・固定されている。上記側壁15は、
図7に示すように、二つの板材17、17と別の板材19を連結して構成されている。具体的には、板材17を二つ連結し、そこに板材19を連結した構成になっている。上記板材17は幅方向の両端に係合部17a、17bを備えていて、一方の板材17の係合部17aに他方の板材17の係合部17bを係合させ、そこにナット18を配置してボルト20を螺合することにより、二つの板材17、17が連結されている。
【0017】
又、上記板材19にも幅方向の片端に係合部19aが設けられている。そして、上記板材17の係合部17bを上記係合部19aに係合させ、そこにナット18を配置してボルト20を螺合することにより、板材17と板材19が連結されている。
【0018】
上記板材19にはT型溝19bが形成されている。上記側壁15はこのT型溝19bを利用して既に説明したL字状部材11に取付・固定されている。すなわち、
図2に示すように、上記T型溝19b内に図示しないナットを二箇所に配置しておき、それら配置されているナットに対してL字状部材11の外側からボルト21、21を螺合することにより、側壁15がL字状部材11に取付・固定されている。
以上が片側の側壁部3の構成であり、このような構成をなす側壁部3が左右両側に設置されていて、それによって、筺体1が構成されているものである。
【0019】
上記一対の側壁部3、3の側壁15、15間の適所には複数の片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35が設置されている。上記片面用レール31は
図8に示すような構成をなしている。
図8は片面用レール31の端面図であり、その片側(
図8中右側)には機器取付用係合部31aが設けられている。この機器取付用係合部31aは、所定幅で対向・配置された一対の機器取付用レール31a
1、31a
2とから構成されている。
又、片面用レール31の反対側(
図8中左側)には取付・固定部31bが設けられている。この取付・固定部31bは、所定幅で対向・配置された一対の取付・固定用凹部31b
1、31b
2とから構成されている。これら取付・固定用凹部31b
1、31b
2にはセルフタッピングタイプの固定ねじが螺合されることになる。このような構成をなす片面用レール31はその片面に機器を取り付けることができる構成になっている。
【0020】
次に、上記両面用レール33は
図9に示すような構成になっている。この両面用レール33は上記片面用レール31を幅方向に二つ対向・配置して連設したような構成をなしている。
図9は両面用レール33の端面図であり、
図9中その右側半分の構成をみると、まず、片側(
図9中右側)には機器取付用係合部33aが設けられている。この機器取付用係合部33aは、所定幅で対向・配置された一対の機器取付用レール33a
1、33a
2とから構成されている。又、反対側(
図9中左側)には取付・固定部33bが設けられている。この取付・固定部33bは、所定幅で対向・配置された一対の取付・固定用凹部33b
1、33b
2とから構成されている。これら取付・固定用凹部33b
1、33b
2にはセルフタッピングタイプの固定ねじが螺合されることになる。
【0021】
次に、
図9中その左半分の構成をみると、まず、片側(
図9中左側)には機器取付用係合部33aが設けられている。この機器取付用係合部33aは、所定幅で対向・配置された一対の機器取付用レール33a
1、33a
2とから構成されている。又、反対側(
図9中右側)には取付・固定部33bが設けられている。この取付・固定部33bは、所定幅で対向・配置された一対の取付・固定用凹部33b
1、33b
2とから構成されている。これら取付・固定用凹部33b
1、33b
2にはセルフタッピングタイプの固定ねじが螺合されることになる。
つまり、両面用レール33は片面用レール31を対向・配置させて連結したような構成をなしていて、その両面側に機器を取り付けることができる構成になっている。
【0022】
次に、片面傾斜用レール35は
図10に示すような構成になっている。
図10は片面傾斜用レール35の端面図であり、その片側(
図10中右側)には機器取付用係合部35aが設けられている。この機器取付用係合部35aは、所定幅で対抗・配置された一対の機器取付用レール35a
1、35a
2とから構成されている。又、片面傾斜用レール35の反対側(
図10中左側)には取付・固定部35bが設けられている。この取付・固定部35bは、所定幅で対向・配置された一対の取付・固定用凹部35b
1、35b
2と、さらに別の取付・固定用凹部35b
3から構成されている。上記取付・固定部35bは傾斜した状態で設けられており、取付凹部35b
2と取付用凹部35b
3とを結ぶ線は25°傾斜している。又、取付凹部35b
2と取付用凹部35b
1とを結ぶ線は40°傾斜している。上記一対の取付・固定用凹部35b
1、35b
2と、さらに別の取付・固定用凹部35b
3にはセルフタッピングタイプの固定ネジが螺合されることになる。
【0023】
そして、取付・固定凹部35b
2と取付・固定用凹部35b
3を使用して片面傾斜用レール35を取り付けることにより、機器取付用係合部35a側を25°だけ傾斜させた状態で配置することができ、又、取付・固定用凹部35b
2と取付・固定用凹部35b
1を使用して片面傾斜用レール35を取り付けることにより、機器取付用係合部35a側を40°だけ傾斜させた状態で配置することができる。
【0024】
又、
図1、
図2、
図3、
図5に示すように、一対の側壁部3、3の間であって最上位には、片面用レール31、31が相互に反対向きの状態で対向・配置されている。又、一対の側壁部3、3の間であって最上位から二段目、三段目には、両面用レール33、33が配置されている。又、一対の側壁部3、3の間であって最下段には、前面側に片面傾斜用レール35が配置されているとともに背面側には片面用レール31が反対向きの状態で配置されている。
【0025】
上記片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35の側壁15、15への取付・固定であるが、
図4、
図6に示すように、側壁15、15の外側からセルフタッピングタイプの固定ねじ37をねじ込むことにより行う。すなわち、セルフタッピングタイプの固定ねじ37を、上記片面用レール31の取付・固定用凹部31b
1、31b
2、両面用レール33の取付・固定用凹部33b
1、33b
2、片面傾斜用レール35の取付・固定用凹部35b
1、35b
2、35b
3に雌ねじを切りながら螺合していく。それによって、上記片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35が側壁15、15に取付・固定されることになる。
【0026】
上記片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35には次のような機器が着脱可能に取付・固定されている。まず、
図1に示すように、正面側の最上段には、ブレーカ51、複数個(この実施の形態の場合には8個)のサーキットプロテクタ53が着脱可能に取り付けられている。又、正面側の二段目には、複数個(この実施の形態の場合には2個)のサーボDCコントローラ55、複数個(この実施の形態の場合には5個)のロボットコントローラ57が着脱可能に取り付けられている。
【0027】
又、正面側の三段目には、複数個(この実施の形態の場合には2個)の配線ユニット59が着脱可能に取り付けられている。又、正面側の最下段には複数個の端子台61が着脱可能に取り付けられている。
【0028】
又、
図2に示すように、背面側の最上段には、複数個(この実施の形態の場合には12個)のリレー71が着脱可能に取り付けられている。又、背面側の二段目には、複数個(この実施の形態の場合には6個)のコントローラ73が着脱可能に取り付けられている。
【0029】
又、正面側の三段目には、複数個(この実施の形態の場合には2個)の配線ユニット75が着脱可能に取り付けられている。又、背面側の最下段にも複数個(この実施の形態の場合には2個)の配線ユニット77が着脱可能に取り付けられている。
尚、上記片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35は主に各種機器を取り付けるためのものであるが、それだけでなく、その背面側空間や内側空間は配線空間としても機能するように構成されている。。
【0030】
上記各種機器の片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35への着脱であるが、
図11に示すような構成により行っている。
図11はブレーカ51の構成を示す図であり、
図11(b)、(c)に示すように、ブレーカ51の背面側には機器側取付用係合部51aが設けられている。上記機器取付側係合部51aは、係合用固定爪51a
1と係合用移動爪51a
2とから構成されている。上記係合用固定爪51a
1と係合用移動爪51a
2とによって、例えば、片面用レール51の機器取付用係合部31aの一対の機器取付用レール31a
1、31a
2を外側から挟むことにより、ブレーカ51を片面用レール31に着脱可能に取り付けるものである。
【0031】
上記係合用移動爪51a
2は図示しない弾性保持機構を備えている。そして、
図11(c)に示すように、係合用移動爪51a
2を図中上側に付勢することにより、その弾性保持機構によってその位置が保持され、又、下側に引き下げることにより、その弾性保持機構によりその位置が保持されるように構成されている。
又、ブレーカ51以外の機器も背面側に同様の着脱のための構成を備えているものである。
尚、機器の中には自身の背面側に、
図11に示すような機器側取付用係合部を備えていないものもある。このような機器の着脱については追って説明する。
【0032】
図1乃至
図6に示すように、上記筺体1の適所にはケーブルホルダ81が着脱可能に取り付けられている。上記ケーブルホルダ81は、例えば、
図12に示すような構成になっている。まず、板状のホルダ本体81aがあり、このホルダ本体81aの片側には3個の屈曲部81b、81b、81bが間欠的に設けられている。又、ホルダ本体81aの反対側にも、別の屈曲部81c、81c、81cが間欠的に設けられている。上記屈曲部81b、81b、81bと屈曲部81c、81c、81cは、
図12(c)に示すように、対向することなく交互に設けられている。これら屈曲部81b、81b、81bと屈曲部81c、81c、81cとによって囲まれた空間に図示しない配線が配設されることになる。又、各機器に配線を接続する場合には、例えば、屈曲部81b、81b、81b相互間の隙間、屈曲部81c、81c、81c相互間の隙間、等各部の隙間を介して引き出されて行われることになる。
【0033】
又、上記ケーブルホルダ81には着脱用突起83が設けられている。この着脱用突起83は、軸部83aと取付用係合部83bとから構成されていて、取付用係合部83bは傾斜した状態で設けられている。そして、上記取付用係合部83bを、例えば、側壁15の板材19のT型溝19b内に差し込んで回転させることにより、ケーブルホルダ81を側壁15に着脱可能に取り付けるものである。すなわち、上記取付用係合部83bには屈曲面83b
1、83b
2が対角線上に対向・配置されている。又、取付用係合部83bの長手方向の長さはT型溝19bの幅よりも僅かに大きく設定されている。そして、上記取付用係合部83bをT型溝19b内に差し込んで、上記屈曲面83b
1、83b
2を介して回転させることにより、ケーブルホルダ81をT型溝19bに取り付けることができ、その取付状態は弾性保持されるものである。
【0034】
又、上記ケーブルホルダ81の両端には連結用係合部85a、85bが設けられている。これら連結用係合部85a、85bを介してケーブルホルダ81同志を着脱可能に連結していくものである。
【0035】
又、
図12に示したケーブルホルダ81は3個ずつの屈曲部81b、81b、81bと屈曲部81c、81c、81cを設けた構成になっているかぜ、1個ずつの屈曲部81b′、81c′を備えたケーブルホルダもある。そのような構成のケーブホルダ81′を
図13に示す。1個ずつの屈曲部81b′と81c′を設けている点以外は既に説明したケーブルホルダ81と同じであり、図中同一部分には同一符号に「′」を付して示してある。
又、屈曲部が2個ずつのもの或いは4個ずつのもの等、様々なものがある。
尚、本実施の形態では、ケーブルホルダ81、81′として樹脂製のものを使用している。
【0036】
次に、
図14乃至
図19を参照して機器取付用ホルダについて説明する。既に
図11を参照して説明したように、各種機器は自身の背面側に設けられている機器側取付用係合部を介して片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35に取り付けられることになるが、機器によっては、そのような機器側取付用係合部を備えていないものがある。このような機器に対しては、
図14乃至
図19に示すような機器取付用ホルダ101を使用する。以下、詳細に説明する。
【0037】
上記機器取付用ホルダ101は、レール着脱機構103と、機器着脱機構105とから構成されている。上記レール着脱機構103は、
図15に示すように、レール保持部材107を備えていて、このレール保持部材107は略薄板形状をなしていて、係合凹部109を備えている。この係合凹部109の図中上側には固定係合爪111が設けられていて、一方、係合凹部109の図中下側には移動板体113が移動可能な状態で設けられている。
【0038】
上記移動板体113の先端には移動係合爪115が設けられている。上記移動板体113には開口部117が形成されていて、この開口部117内には一対の弾性係合片119、119′が対向・配置されている。上記一対の弾性係合片119、119′の内、
図15中右側の弾性係合片119は、
図15中下から上に向けて延長されていて、途中に係合凹部119a、119bが形成されている。一方、残りの弾性係合片119′は、
図15中上から下に向けて延長されていて、途中に係合凹部119b′、119a′が形成されている。又、レール保持部材107側からは係合突起121が突出・配置されている。又、上記移動板体113の基端側には操作用開口部120が形成されている。
【0039】
そして、移動板体113を
図15中上方に押し上げると、上記一対の弾性係合片119、119′の係合凹部119a、119a′との間に上記係合突起121が係合することになり、それによって、移動板体113の突出状態が保持される。これに対して、移動板体113を
図15中下方に引き下げると、上記係合凹部119b、119b′の間に係合突起121が係合することになり、それによって、移動板体113の引っ込み位置が保持されることになる。
【0040】
一方、機器取付機構105であるが、
図14に示すように、枠材123を備えていて、この枠材123は横断面形状が略T型をなすT型溝125を備えている。このT型溝125内の中央にはナット127が内装されている。このナット127には、
図15に示すように、ボルト129が螺合されることになり、それによって、レール着脱機構103と、機器着脱機構105が回転可能に連結されることになる。
【0041】
その際、
図16に示すように、機器着脱機構105をレール着脱機構103に対して任意の角度で傾斜させることができ、そのような傾斜した状態で、上記ボルト129を上記ナット127に螺合することにより、レール着脱機構103に対して機器着脱機構105を傾斜させた状態で連結・固定することもできる。
【0042】
又、
図14に示すように、上記T型溝125内には、上記ナット127を挟んで別のナット131、133が移動可能に配置されている。これらナット131、133は、図示しない機器を取付・固定するためのものである。すなわち、機器側には任意の間隔で取付孔が形成されている。よって、その取付孔の位置に合わせて上記ナット131、133を移動させ、そこに図示しないボトルを螺合することにより、機器を機器着脱機構105に取り付けることができるものである。
【0043】
又、
図16に示すように、機器着脱機構105をレール着脱機構103に対して任意の角度で傾斜させた状態で固定することができるわけであるが、これは、機器そのものを傾斜させるだけでなく、例えば、機器側の四隅に配置されている4個の取付孔の内、対角線上に配置されている一対の取付孔を使用して機器を取付・固定するような場合にも機能するものである。すなわち、機器着脱機構105を機器の対角線上に沿って傾斜させ、対角線上に配置されている一対の取付孔を使用して機器を取付・固定するものである。
【0044】
上記機器取付用ホルダ101を片面レール31の機器取付用係合部31aに取り付けた様子を
図19に示す。機器着脱機構105には、図示しない機器が、ナット131、133を介して取付・固定されることになる。
【0045】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、実装される各種機器の種類、個数に応じて最適な側壁部3、3が構築される。例えば、実装される機器の奥行き寸法によって側壁15の幅が決定され、各種機器を上下方向に何段にわたって設置するかによって側壁15の高さが決定される。
【0046】
次に、側壁部3、3の間に必要な片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35が取付・固定される。次に、取り付けた片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35に、各種機器が実装されるとともに、ケーブルが配設されていく。ケーブルの配設は、ケーブルホルダ81、81′の内部空間、片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35の背面空間や内側空間を利用して行われる。又、各種機器に対するケーブルの接続も、ケーブルホルダ81、81′の隙間、片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35の隙間等を利用して行われる。このようにして、所望の制御盤が構成されることになる。
【0047】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、筺体1の側壁15、15の間に配置された片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35を利用することにより、正面側と背面側の両面側に各種機器を着脱可能に取り付けることができ、それによって、スペースの有効利用を図ることが可能となり、制御盤のより以上の小型化を図ることができる。
又、両面用レール33の場合には単独で正面側と背面側の両面側に各種機器を着脱可能に取り付けることができる構成になっており、少ない工数で所望の両面構造を得ることができる。
又、片面傾斜用レール35を利用することにより、機器を傾斜させた状態で取り付けることもできる。
又、本実施の形態による制御盤の筺体1は、一対の側壁部3、3のみから構成されているので、構成の簡略化を図ることかできる。この種の制御盤は、例えば、制御対象の機器のカバー内に設置されることが多い。そのような場合には、制御盤専用のカバーを設ける必要がなく、本実施の形態のように、一対の側壁部3、3のみの構成で事足りるものである。
又、各種機器の片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35に対する着脱は、片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35の機器取付用係合部31a、33a、35aと機器側係合部、例えば、ブレーカ51であれば機器側係合部51aとの係合・係合解除により容易に行うことができる。それによって、各種機器の着脱作業の容易化を図ることができる。
又、機器取付用ホルダ101を使用することにより、背面側に機器側取付用係合部を備えていない機器に対しても容易に対応することができる。
又、ケーブルはケーブルホルダ81、81′を使用して配設するように構成されているので、ケーブルの配設が容易になったとともに、ケーブルを整理して配設することができる。
又、ケーブルホルダ81、81′自体の着脱も容易である。すなわち、ケーブルホルダ81の着脱用突起83を、例えば、板材19のT型溝19b内に差し込んで回転させるだけで、ケーブルホルダ81の着脱を行うことができるからである。
又、ケーブルホルダ81、81′は多くの隙間を備えた構成になっているとともに、屈曲部81bと81cの先端間にも隙間が形成されているので、ケーブルの出し入れが容易化されるものである。
又、片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35は機器の取付用として機能するだけではなく、その背面空間や内側空間はケーブルの配設空間としても機能することとなり、上記ケーブルホルダ81、81′と相まってケーブル配設作業の容易化を図ることができる。
又、機器取付用ホルダ101は、レール着脱機構103に対して機器着脱機構105が回転可能に構成されているので、例えば、機器側に対角線上に配置された一対の取付孔を使用して機器を取り付けることができるものである。
【0048】
次に、
図20乃至
図22を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
図20はこの実施の形態による制御盤の骨組の構成を示す図である。前記第1の実施の形態の場合と異なる点は、まず、側壁の構成である。前記第1の実施の形態の場合には、二枚の板材17、17と別の板材19を連結することにより側壁15を構成するようにしていたが、この第2の実施の形態の場合には、1枚の板材91によって側壁を構成するようにしている。この板材91は、
図21に示すように、板材本体91aと、この板材本体91aの両端に設けられたT型溝91b、91bとから構成されている。
【0049】
又、前記第1の実施の形態では使用しなかった分岐フレーム93、95を使用している。これら分岐フレーム93、95は、
図22に示すような端面形状をなしている。その他、片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール3の配置については前記第1の実施の形態とは異なる。
その他は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、同一部分には同一符合を付して示しその説明は省略する。
【0050】
よって、この第2の実施の形態の場合にも前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができる。
又、側壁を単一の部材で構成することができるので構成の簡略化と部品管理の容易化を図ることができる。
【0051】
次に、
図23及び
図24を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この場合には、前記第1の実施の形態の場合とは異なる構成のケーブルホルダ81、81′を使用する例を示すものである。まず、
図23を参照してケーブルホルダ81を説明する。
まず、板状のホルダ本体81aがあり、このホルダ本体81aの片側には3個の屈曲部81b、81b、81bが設けられている。又、ホルダ本体81aの反対側にも、別の屈曲部81c、81c、81cが設けられている。上記屈曲部81b、81b、81bと屈曲部81c、81c、81cは、
図23(c)に示すように、対向することなく交互に設けられている。これら屈曲部81b、81b、81bと屈曲部81c、81c、81cとによって囲まれた空間に図示しない配線が配設されることになる。又、各機器に配線を接続する場合には、例えば、屈曲部81b、81b、81b相互間の隙間、屈曲部81c、81c、81c相互間の隙間等、各部の隙間を介して引き出されることにより行われる。ここまでは前記第1の実施の形態の場合と同じである。
【0052】
上記ホルダ本体81aの裏側には取付用係合部87が設けられている。この取付用係合部87は、片側に設けられた3個の屈曲爪87a、87a、87aと、反対側に設けられた別の3個の屈曲爪87b、87b、87bとから構成されている。これら3個ずつの屈曲爪87a、87a、87aと、87b、87b、87bによって、片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35のレール側取付係合部31a、33a、35aを外側から挟み込み、それによって、ケーブルホルダ81を片面用レール31、両面用レール33、片面傾斜用レール35に着脱可能に取り付けるものである。
【0053】
次に、
図24を参照してケーブルホルダ81′の構成について説明する。この場合には、1個ずつの屈曲部81b′と81c′を対向・配置した構成になっている。その他の構成は既に説明したケーブルホルダ81と同じであり、図中同一符号に「′」を付して示す。
【0054】
よって、この第3の実施の形態の場合にも、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができる。
【0055】
次に、
図25乃至
図28を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態の場合には、
図25、
図26に示すような柱材91にケーブルホルダ81、81′を着脱可能に取り付ける場合を例に挙げて説明するものである。
まず、上記柱材91はその端面形状が略円形をなしていて、周方向に均等な4箇所に取付用凸部91a、91a、91a、91aが設けられている。又、柱材91の中央部には孔91bが形成されているとともに、その周囲には4個の別の孔91c、91c、91c、91cが形成されている。
又、
図26に示すように、上記柱材91を連結部材93を使用して連結することにより、任意の構造物、例えば、制御盤の一部を構成する構造物を構築することができる。
【0056】
そして、上記柱材91の取付用凸部91aを利用して、
図27に示すケーブルホルダ81や
図28に示すケーブルホルダ81′を着脱可能に取り付けるものである。この場合ケーブルホルダ81の取付用係合部87の屈曲爪87aと屈曲爪87bは、取付用凸部91aを外側から挟み込むような間隔で構成されている。すなわち、屈曲爪87aと屈曲爪87bの間隔は上記取付用凸部91aの寸法に対して僅かに小さく設定されている。よって、屈曲爪87aと屈曲爪87bを上記取付用凸部91aの外側に係合させることにより、ケーブルホルダ81、81′が取付用凸部91aに弾性・保持されることになる。
【0057】
よって、この第4の実施の形態の場合にも、前記第1、第2の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができる。
【0058】
尚、本発明は前記第1〜第4の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記第1、第2の実施の形態の場合には、特にカバーを設けることなく露出させた状態で制御盤を構成したが、カバーを設けるようにしてもよい。
又、機器取付用レールとしては、説明した片面用レール、両面用レール、片面傾斜用レール以外にも様々な構成のものが想定される。
又、様々な種類の機器取付用レールをどのように組み合わせて全体を構成するかについては、制御対象物によって任意に設定されることになる。
その他、図示した構成はあくまで一例であり、又、各構成部材の材質、取り付けられる機器の種類、等についてはこれを特に限定するものではない。