(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略ブロック図である。情報処理システムは、端末装置1と、サーバ2と、ネットワーク3とを備えている。図示のように、端末装置1はネットワーク3を介してサーバ2と通信を行う。
【0013】
端末装置1はユーザが使用するものであり、例えば携帯電話、スマートフォンもしくはタブレット端末装置等のモバイル電子機器、または、カーナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ等の据え置き型の電子機器、あるいはこれらの組み合わせである。サーバ2は、例えば一定の場所に設置され、端末装置1からの要求に応じて、種々の処理を行う。端末装置1およびサーバ2の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。また、ネットワーク3は有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
【0014】
端末装置1は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。
【0015】
通信部11はネットワーク3を介して制御部12とサーバ2との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0016】
制御部12は、操作入力部121と、表示部122と、検索条件設定部123と、検索要求送信部124と、情報受信部125と、表示データ生成部(処理手段)126と、操作内容取得部127と、処理要求部128と、アイコン生成部129とを有する。
【0017】
操作入力部121はユーザが端末装置1に操作を入力するためのインターフェースであり、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル、マイク等である。本実施形態では、表示部122に移動可能なアイコン(移動可能アイコン)が表示され、操作入力部121はアイコンを移動させる等の操作を行うためにも用いられる。
【0018】
表示部122は、ユーザからの操作を受け付けるGUI(Graphical User Interface)や、後述する表示データ生成部126が生成した表示データを表示する、例えば液晶ディスプレイである。
【0019】
検索条件設定部123は、検索する施設の種別、検索範囲等の条件を、ユーザから操作入力部121を介して受け付け、施設検索条件を設定する。端末装置1内にGPS(Global Positioning System)受信装置等の現在位置取得部(不図示)を設けて、端末装置1の現在位置に基づいて施設検索条件を設定してもよい。
【0020】
検索要求送信部124は、設定された施設検索条件を含む検索要求を、通信部11からネットワーク3を介して、サーバ2へ送信する。
【0021】
情報受信部125は、地図データ、検索された施設情報、後述する経路情報等の情報を、サーバ2から受信する。
【0022】
表示データ生成部126は表示部122に表示される画像データを生成する。画像データには、例えば施設検索条件を設定するためのGUIや、情報受信部125が受信した地図情報、施設情報および経路情報を含む。また、本実施形態では、表示データ生成部126は、検索された施設情報を、地図上の位置と対応付けて移動可能なアイコンとして表示するための画像データを生成することができる。
【0023】
操作内容取得部127はユーザから操作入力部121を介して行われたアイコンへの操作内容を取得する。操作内容とは、例えば操作の種類と、その操作に対応するパラメータとを含む。操作の種類とは、例えばアイコンがドラッグされたか、フリックされたか、クリックされたか等である。操作に対応するパラメータとは、例えばドラッグ先の位置や、フリックの方向、クリックの時間等である。
【0024】
処理要求部128はアイコンに対して行われた操作内容に応じた処理を要求する。操作内容と要求する処理との関係は、例えば記憶部13内の処理データベースに記憶されている。処理の具体例は、アイコンと対応する施設の詳細表示や経路探索等であり、後に詳しく説明する。処理の内容に応じて、処理要求部128は端末装置1内の表示データ生成部126に処理要求を送信したり、通信部11からネットワーク3を介してサーバ2に処理要求を送信したりする。
【0025】
アイコン生成部129は、ユーザが操作入力部121を介して選択した地点、例えば操作入力部121であるタッチパネルをタッチした地点に、移動可能なアイコンを生成する。
【0026】
一方、サーバ2は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを有する。
【0027】
通信部21はネットワーク3を介して制御部22と端末装置1との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0028】
制御部22は、データ取得部221と、要求受信部222と、施設検索部223と、経路探索部(処理手段)224と、情報送信部225とを有する。
【0029】
データ取得部221は、後述する記憶部23内の各種データベースから、地図データ、施設データ、経路ネットワークデータ等のデータを取得する。なお、記憶部23がサーバ2とは別個の装置内にあってもよい。その場合、データ取得部221は、記憶部23が内蔵される装置から、ネットワーク3を介してデータを取得する。
【0030】
要求受信部222は、端末装置1の検索要求送信部124から送信される検索要求や、処理要求部128から送信される処理要求を、ネットワーク3から通信部21を介して受信する。
【0031】
施設検索部223は、受信された検索要求に応じて、地図データおよび施設データを用いて、施設検索条件に基づく施設検索を行い、施設情報を生成する。
【0032】
経路探索部224は、端末装置1から送信される処理要求が経路探索を要求する場合、地図データ、施設データおよび経路ネットワークデータを用いて、出発地から到着地までの経路探索を行い、経路情報を生成する。
【0033】
情報送信部225は、施設検索部223により検索された施設情報や、経路探索部224により探索された経路情報を、通信部21からネットワーク3を介して端末装置1に送信する。
【0034】
記憶部23は各種データベースを記憶したハードディスク等の固定型データストレージであり、地図データベース231と、施設データベース232と、経路ネットワークデータベース233とを有する。
【0035】
地図データベース231は、一般道路、有料道路、および高速道路等の車両用道路、その他の道路の地図を示す地図データを含む。
【0036】
図2は、施設データベース232の具体例を示す図である。同図に示すように、施設データベース232は、施設データとして、例えば施設ID、施設名、種別、位置、詳細情報、人気等の項目を含む。施設IDは、施設を特定するための、施設に固有のIDである。施設名は施設の名称を示す。施設の種別は、例えば喫茶店、ガソリンスタンドコンビニエンスストア、病院等である。施設の位置は、例えば緯度および経度で表され、これにより地図上の位置と対応付けることができる。詳細情報は、その施設の開店および閉店時間等、施設の詳細な情報を示す。人気は、種別が共通する施設における人気度を示し、例えば複数のユーザの評価によって定められる。
【0037】
経路ネットワークデータベース233は経路ネットワークデータを含む。経路ネットワークデータは、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定するデータである。交通網のデータとしては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。道路網のデータは、例えば交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのデータと、ノード間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0038】
図3は、
図1の情報処理システムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【0039】
まず、ユーザは、操作入力部121を介して、検索する施設の種別、検索範囲等を施設検索条件として設定する(ステップS11)。施設の種別は、例えば
図2に示す種別のうちの1つを選択することで、設定される。また、検索範囲は、例えば、任意の地点あるいは端末装置1の現在位置等の検索中心と、中心からの距離と、指定することで、設定される。次に、検索要求送信部124は、施設検索条件を含む検索要求を、通信部11からネットワーク3を介して、サーバ2の要求受信部222へ送信する(ステップS12)。
【0040】
要求受信部222が施設検索要求を受信すると(ステップS31)、施設検索部223は、施設検索条件に基づいて、施設の検索を行う(ステップS32)。より具体的には、施設検索部223は地図データを用いて検索の範囲を特定する。そして、施設検索部223は、施設データを用いて、特定された範囲内に存在する、検索条件に合致する施設を検索する。そして、施設検索条件に合致する施設についての施設データの少なくとも一部と、検索した範囲の地図データとを含む施設情報を生成する。この施設情報は、情報送信部225により、通信部21からネットワーク3を介して、端末装置1の情報受信部125へ送信される(ステップS33)。
【0041】
情報受信部125が施設情報を受信すると(ステップS13)、表示データ生成部126は、施設情報を表示部122に表示するための表示データを生成し、施設情報が表示部122に表示される(ステップS14)。より具体的には、表示部122には、検索した範囲の地図と、施設を示すアイコンとが表示される。アイコンが表示される位置は、施設が存在する地図上の位置と関連づけられている。さらに、アイコンは地図上で移動させることができる。あるいは、ユーザは、操作入力部121を介して、表示部122上の任意の地点を選択し、その地点に移動可能なアイコンを生成することもできる。ユーザが選択する地点は施設がある地点であってもよいし、施設がない地点であってもよい。 続いて、ユーザがアイコンに対して何らかの操作を行うと、操作内容取得部127は操作内容を取得する(ステップS15)。そして、処理要求部128は、取得した操作内容に対応する処理を、処理内容データベース131から取得する(ステップS16)。具体的な操作内容および処理の例については後述する。
【0042】
取得した処理が端末装置1で行う処理である場合(ステップS17のYES)、処理要求部128は操作内容に応じた処理要求を生成する(ステップS18)。これに応じて、端末装置1内で処理を行う(ステップS19)、処理結果が表示部122に表示される(ステップS22)。
【0043】
一方、取得した処理が端末装置1ではなくサーバ2で行う処理である場合(ステップS17のNO)、処理要求部128は操作内容に応じた処理要求を生成し、通信部11からネットワーク3を介して、サーバ2の要求受信部222に送信する(ステップS20)。要求受信部222が処理要求を受信すると(ステップS34)、サーバ2内で処理を行い(ステップS35)、情報送信部225は、通信部21からネットワーク3を介して、処理結果を端末装置1の情報受信部125に送信する(ステップS36)。情報受信部125が処理結果を受信すると(ステップS21)、処理結果が表示部122に表示される(ステップS22)。
【0044】
図4は、ユーザによるアイコンに対する操作内容の分類の一例を示す図である。操作内容は、操作の種類と、その操作に対応するパラメータとを含む。
【0045】
例えば、操作の種類がドラッグである場合、パラメータとして移動先の位置(緯度および経度)や移動先に他のアイコンがあるか否か等、移動先の情報が検出される。移動先に他のアイコンがあるか否かは、移動先の位置と施設データに基づいて判断してもよいし、他のアイコンとの重なりを検出して、重なっている施設の施設IDを取得してもよい。なお、例えば操作入力部121がマウスである場合、ドラッグとは、マウスの所定のボタンを押して1つのアイコンを選択し、そのボタンを押したままマウスを所定量以上移動させ、ボタンを離す操作をいう。また、操作入力部121がタッチパネルやタッチパッド(以下、タッチパネル等という)である場合、ドラッグとは、指先や専用のペン(以下、選択手段)をアイコンが表示されている位置に接触させて選択し、接触させたまま選択手段を移動させ、選択手段をタッチパネル等から離す操作をいう。
【0046】
また、操作の種類がフリックである場合、パラメータとして移動方向が検出される。なお、例えば操作入力部121がタッチパネル等である場合、フリックとは、選択手段をアイコンが表示されている位置に接触させて選択し、接触させたまま、予め定めた方向のいずれかに素早く選択手段を移動させる操作をいう。予め定めた方向は、例えば上下左右の4方向でもよいし、これらの中間である左上・右上・左下および右下を含む8方向でもよい。
【0047】
また、操作の種類がクリックである場合、パラメータとしてクリック時間が検出される。例えば操作入力部121がマウスである場合、クリックとは、マウスの所定のボタンを押してアイコンを選択し、ボタンを押した状態での移動量が所定量以下である操作をいう。また、操作入力部121がタッチパネル等である場合、クリックとは、選択手段をアイコンが表示されている位置に接触させて選択し、接触した状態での移動量が所定量以下である操作をいう。クリック時間が所定時間より長いクリックは、いわゆる長押しと呼ばれる操作である。
【0048】
もちろん
図4は操作内容の分類の一例であり、他にも操作入力部121の形態に応じて、アイコンの移動速度や移動の軌跡等も考慮した他の操作内容を適用してもよい。これらの操作内容は、端末装置1のオペレーティングシステム(不図示)が検出した結果を操作内容取得部127に通知してもよいし、端末装置1の制御部12内に操作内容検出部(不図示)を設けて検出してもよい。
【0049】
図5は、
図4に示す操作内容に応じた処理の一例を示す図である。同図の内容は、
図1の記憶部13に処理内容データベース131として記憶される。以下、各処理について具体的に説明する。
【0050】
ユーザによるアイコンに対する操作の種類がドラッグであり、移動先に他のアイコンがない場合、この操作内容は選択されたアイコンを移動させる処理に対応する。この処理は端末装置1内で可能な処理である(
図3のステップS17のYESに対応)。そのため、端末装置1の処理要求部128がアイコンを移動するための処理要求を生成し(ステップS18)、これに応じて表示データ生成部126は地図上でのアイコンの表示位置をドラッグの移動先に変更した表示データを生成する(ステップS19)。このように表示データ生成部126は、処理要求に応じた処理を行う処理手段としても機能する。
【0051】
なお、ユーザが地図を表示したときには、施設を表すアイコンは常に表示されているため、ユーザはいつでも施設アイコンを操作することができ、いつでも地図上で簡易的に操作できる効果がある。
【0052】
図6は、アイコンを移動させる前の、表示部122に表示される地図情報および検索された施設情報の一例を示す図である。同図の例では、地図情報と、それぞれが施設を示すアイコンA〜Cとが表示されている。アイコンA〜Cが表示される位置は、これらが示す施設が存在する地図上の位置と対応している。そのため、アイコンBにより地図情報の一部が見づらくなっている。
【0053】
さらに、地図表示範囲外に現在地や代表的な施設(例えば、最寄駅、主要駅、ランドマーク等)がある場合、これらを示すアイコン31,32を表示してもよい。特に、現在地や施設の方向に対応させて表示部122上に表示することで、位置を直感的に把握できる。また、
図2に示す施設データの人気に応じてアイコンの大きさや色等の形状を変えてもよい。
【0054】
図7は、アイコンを移動させた後の、表示部122に表示される地図情報および検索された施設情報の一例を示す図である。同図に示すように、アイコンBを任意の位置に移動させることにより、地図情報を見やすくすることができる。さらに、もともとアイコンBが表示されていた位置と移動させた後のアイコンBとを、例えば線(接続部)41で結ぶことにより、アイコンBが移動しても、ユーザはアイコンBが示す施設の位置を地図上で把握できる。そのため、処理要求部128はこの線を表示するように要求してもよい。
【0055】
線41を表示する場合は、アイコンを移動させている最中はアイコンを表示しないようにしてもよい。線41の一端がアイコン表示されていた位置を示しているためである。加えて、操作入力部121が指で操作するタッチパネルである場合、指でアイコンが隠れて見えないためである。アイコンの描画および表示を省略することで、処理の負荷を軽減できる。
【0056】
なお、もともとアイコンBが表示されていた位置には、同図に示すように点線等でアイコンBの形跡を表示していてもよいし、アイコンBを完全に表示にしてもよい。
【0057】
図5に戻り、ユーザによるアイコンに対する操作の種類がドラッグであり、移動先に他のアイコンがある場合、この操作内容は、選択されたアイコンが示す施設から移動先のアイコンが示す施設への経路探索処理および探索結果を表示する処理に対応している。本実施形態では、経路探索は端末装置1ではなくサーバ2で行われる(
図3のステップS17のNOに対応)。そのため、処理要求部128は経路探索を行うための処理要求を、通信部11からネットワーク3を介して、サーバ2の要求受信部222に送信する(ステップS20に対応)。処理要求には、探索条件として、選択したアイコンが示す施設(または位置)が出発地、移動先のアイコンが示す施設(または位置)が目的地に設定される。その他、例えば現在時刻を出発時間とする等、他の探索条件を含んでいてもよい。
【0058】
処理要求に応じて、サーバ2の経路探索部224は、探索条件に基づき、地図データ、施設データおよび経路ネットワークデータを用いて、出発地から到着地までの経路探索を行い、経路情報を生成する(ステップS35)。このように、経路探索部224は処理要求に応じた処理を行う処理手段としても機能する。経路探索部224は、所要時間や交通機関の料金等を考慮して、複数通りの経路を探索してもよい。経路情報は情報送信部225により端末装置1に送信される(ステップS36)。
【0059】
図8は、表示部122に表示される地図情報、施設情報および経路情報の一例を示す図である。同図の例では、ユーザがアイコンBをドラッグして、アイコンCの位置に移動させている。この場合、アイコンBがアイコンCの近傍に表示されるとともに、アイコンBが示す施設の位置からアイコンCが示す施設の位置までの経路表示42が、例えば線で表示される。これにより、ユーザはアイコンBが示す施設の位置および経路を地図上で把握できる。
【0060】
ここで、
図7に示すように、アイコンを移動させているときにもアイコンのもとの位置と移動中の位置とを接続する線41が表示される場合、処理要求部128は、経路探索後に線41を、アイコンのもとの位置から移動後の位置までの経路を示す経路表示42に変化させることを要求してもよい。
【0061】
また、
図6に示すように、地図表示範囲外の現在地や施設を示すアイコンが表示されている場合、これらのアイコンへ選択されたアイコンをドラッグし、地図表示範囲外への経路を探索するようにしてもよい。
【0062】
なお、サーバ2で経路探索を行わず、端末装置1内に経路探索部等(不図示)を設けて端末装置1で経路探索を行ってもよい。また、選択されたアイコンが示す施設の位置から移動先のアイコンが示す施設への経路探索ではなく、移動先のアイコンが示す施設から選択されたアイコンが示す施設への経路探索を行ってもよいし、いずれを出発地および目的地に設定するかを、ユーザが選択できるようにしてもよい。
【0063】
以上のように、アイコンに対するドラッグ操作を、アイコンの移動や経路探索処理に対応させることで、ユーザは直感的で簡易な操作で処理を要求できる。
【0064】
図5に戻り、他の処理について、簡単に説明する。
【0065】
ユーザによるアイコンに対する操作の種類がフリックであり、移動方向が上である場合、この操作内容は、選択されたアイコンを非表示にする処理に対応している。この処理は端末装置1の表示データ生成部126が行うことができる。表示データ生成部126は、選択されたアイコンを完全に非表示にしてもよいし、点線で表示したり薄く表示したりして、アイコンの表示形態を変更してもよい。これにより、アイコンにより見づらくなっていた地図情報が見やすくなる。アイコンをバルーン形状で表示しておき、本操作が行われると針を表示してバルーンを割るような画面を表示してもよい。
【0066】
また、移動方向が右である場合、この操作内容は、選択されたアイコンをお気に入りに登録する処理に対応している。この場合、選択されたアイコンをお気に入りとして、端末装置1あるいはサーバ2に登録する。お気に入りに登録された施設は、ユーザによる簡易な操作で、施設情報や周辺の地図情報を表示部122に表示することができる。
【0067】
また、移動方向が左である場合、この操作内容は、周辺検索を行い、その検索結果を表示する処理に対応している。この場合、サーバ2の施設検索部223は選択されたアイコンの周辺の範囲で施設検索を行い、その結果が端末装置1の表示部122に表示される。検索範囲は一定でもよいし、フリックの移動量が大きいほど、あるいは、移動速度が速いほど、検索範囲を広げるようにしてもよい。ここで、周辺検索とは現在位置等、指定された地点から所定範囲内の施設のうち、検索条件を満たす施設を検索することをいう。
【0068】
また、移動方向が下である場合、この操作内容は、現在地から選択されたアイコンが示す施設への経路探索処理に対応している。現在地は現在地取得部を設けて取得してもよいし、ユーザが手動で設定してもよい。経路探索処理は、例えばサーバ2の経路探索部224により行われる。
【0069】
以上のように、アイコンに対するフリック操作を種々の処理に対応させることで、複雑な操作を行ったり、多くの処理内容を表示部122に表示したりすることなく、ユーザは簡易な操作で処理を要求できる。
【0070】
なお、操作の種類がフリックである場合、移動方向に応じた数の処理があるため、どの方向に移動するとどのような処理が行われるかを、ユーザが失念してしまうおそれがある。そのため、
図9に示すように、アイコンを選択すると、移動方向に対応する処理内容を表示部122に簡潔に表示するようにしてもよい。
【0071】
また
図5に戻り、ユーザによるアイコンに対する操作の種類がクリックであり、その選択時間が短い場合、この操作内容は、選択した施設の詳細情報を表示する処理に対応している。検索した施設情報をサーバ2から端末装置1に送信する(
図3のステップS33)際に、サーバ2の情報送信部225が詳細情報も合わせて送信する場合、本処理は端末装置1内で行うことができる。一方、施設情報とともに詳細情報が送信されない場合、処理要求部128は、サーバ2に対して詳細情報を送信するよう要求する。
【0072】
また、ユーザによるアイコンに対する操作の種類がクリックであり、その選択時間が長い、いわゆる長押しである場合、この操作内容は、その他の処理を表示する処理に対応している。ユーザは表示された処理のいずれかを選択することで、その処理を行うことができる。その他の処理とは、例えば
図5に示されていない操作を行うための「メニュー画面」を開く処理等である。
【0073】
比較的頻繁に行われる処理をアイコンに対する操作内容と直接対応させておくことで、ユーザは簡易な操作で処理を要求できる。一方、あまり頻繁には行われない処理を長押しに応じて表示させることで、通常は地図表示領域を確保しつつ、ユーザは多種多様な処理のうちの1つ選択して処理を要求できる。
【0074】
図4の操作内容および
図5の処理は一例にすぎず、種々の変形が可能である。例えば、1つの操作内容だけでなく、1つのアイコンに対する複数の操作に内容に応じた処理を行ってもよい。
【0075】
図10は、1つまたは連続する2つの、ユーザによるアイコンに対する操作内容の分類の一例を示す図である。また、
図11は、
図10に示す操作内容に応じた処理の一例を示す図である。なお、以下では
図11と
図5で共通する部分については簡略化して説明する。
【0076】
例えば、1つ目の操作の種類がドラッグである場合、連続するユーザ操作内容(
図11のユーザの操作内容2)に応じて要求する処理が異なる。すなわち、連続する操作と処理とが関連付けられている。そのため、ユーザから連続して操作される場合には、2つ目の操作内容が取得される。ただし、所定時間ユーザが操作を行わない場合は、1つ目の操作内容のみが取得される。
【0077】
図11に示すように、ドラッグの後、ユーザから連続して操作がされない場合(
図11のユーザの操作内容2の種類が「なし」の場合)、
図5と同様に移動先に他のアイコンがあるかないかに応じた処理が要求される。
【0078】
一方、ドラッグの後、ユーザから連続して操作がされる場合、2つ目の操作内容に応じた処理が要求される。例えば、ユーザの操作内容1としてアイコンをドラッグして他のアイコンがない位置に移動させ、その後連続して、ユーザの操作内容2として同じアイコンを短時間クリックした場合、選択したアイコンが示す施設から、移動先の位置までの経路探索および経路情報の表示が要求される。これにより、ユーザは施設がない位置への経路を探索することができる。
【0079】
その他、ユーザの1つ目の操作内容と2つ目の操作内容との組み合わせに応じて、種々の処理が要求される。
図10および
図11に示すように、複数の操作内容に処理を対応付けておくことで、ユーザは、簡易な操作でより多くの処理あるいは複雑な処理を要求できる。
【0080】
さらに、1つのアイコンに対する操作内容だけでなく、複数のアイコンに対する操作内容に処理を対応付けてもよい。
図12は、2つのアイコンに対する操作が同時に行われた場合の処理の一例を示す図である。なお、同時とは、必ずしも厳密に同一の時刻である必要はなく、2つのアイコンに対する操作の時間差が所定時間以下である場合も、同時という。
【0081】
例えば、ユーザが第1および第2のアイコンを選択し、第1のアイコンに対する操作内容がクリックであり、第2のアイコンに対する操作内容が第1のアイコンに近づく方向へ移動させるドラッグである場合、第1のアイコンが示す施設から第2のアイコンが示す施設への経路探索および経路情報の表示が要求される。
【0082】
一方、第1のアイコンに対する操作内容はクリックであるが、第2のアイコンに対する操作内容が第1のアイコンから離れる方向へ移動させるドラッグである場合、第1のアイコンが示す施設の位置を中心とし、第2のアイコンの移動方向に重み付けした周辺検索および検索結果の表示が要求される。
【0083】
これに対し、第1のアイコンおよび第2のアイコンに対する操作の種類がともにフリックであり、その移動方向が第1のアイコンおよび第2のアイコンで同一である場合、2つの施設に対して同時にフリックの移動方向に対応する処理(
図5を参照)が要求される。例えば、移動方向がともに上である場合、2つのアイコンが非表示にされる。
【0084】
一方、操作の種類がともにフリックであり、第1のアイコンの移動方向と、第2のアイコンの移動方向が、互いに近づく方向である場合、2つの施設と類似する、あるいは、共通するジャンルの施設を検索する。類似する施設は、施設データの種別により判断できる。例えば、第1のアイコンが示す施設の種別がファーストフード店であり、第2のアイコンが示す施設の種別が喫茶店である場合、類似する施設として、種別がレストランである施設が検索される。
【0085】
また、操作の種類がともにフリックであり、第1のアイコンの移動方向と、第2のアイコンの移動方向が、互いに離れる方向である場合、2つの施設を比較する情報が表示される。例えば、2つの施設の人気や詳細情報の関連するデータが表示される。この場合、表等を用いて比較しやすい形態で情報を表示するのが望ましい。
【0086】
なお、上記ではいずれもアイコンを選択する例を示したが、アイコンが表示されていない位置に対する操作内容を考慮してもよい。例えば、アイコンを非表示にする処理が行われた後にその位置を再度クリックすると、アイコンを再び表示する処理が要求されてもよい。また、施設が存在しない位置をクリックすると、その地点を地点メモとして登録する処理が要求されてもよい。
【0087】
このように、本実施形態では、表示部122に移動可能なアイコンを表示し、アイコンに対する操作内容に応じた処理を行う。そのため、ユーザは、アイコンの移動や経路探索等、種々の処理を簡易な操作で要求することができる。また、操作内容に応じた処理を行うため、処理を要求するための表示をする必要がなく、地図の表示領域を十分に確保できる。
【0088】
なお、
図1の情報処理システムの構成は一例であって、種々の変形が考えられる。例えば、端末装置1内の各部の少なくとも一部をサーバ2内に設けてもよいし、サーバ2内の各部の少なくとも一部を端末装置1内に設けてもよい。また、端末装置1がパーソナルコンピュータである場合等では、端末装置1とは別に操作入力部121や表示部122を設けてもよい。また、端末装置1内に、アイコンの移動処理等を行う表示データ生成部126の他にも、処理要求に応じた処理を行う別の処理部を設けてもよい。同様に、サーバ2内に、経路探索処理を行う経路探索部224の他にも、処理要求に応じた処理を行う別の処理部を設けてもよい。
【0089】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0090】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0091】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。