(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光ディスクに記録されたオーディオデータを読み取る読取部と、前記読取部が読み取ったオーディオデータを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたオーディオデータの読み出し速度及び読み出し順序を指示する回転操作部とを備えた再生装置において、
前記回転操作部は、円盤型を形成し中央が回転軸に固定され回転操作されることによって軸受部に軸支された当該回転軸を中心軸として時計回り方向又は反時計回り方向に自在に回転する操作円盤部と、
円盤型を形成し中央が前記回転軸に固定され前記操作円盤部が回転することにより操作円盤部と同じ回転速度及び同じ回転方向で回転するホイール部と、
T字型を形成し前記ホイール部の外周の側面に当接する位置に配設される押圧部と、
前記ホイール部の中央方向に対して垂直方向に自在にスライド可能に成され、側面に前記ホイール部の中心方向に突出すると共にそれぞれ長さが異なりそれぞれの端面部分が階段状を成すように配設された複数の突出部から形成された階段状突出部を備える操作ノブ部と、
前記ホイール部の中心方向及び前記ホイール部の中心方向と反対の方向に自在にスライド可能に成され、前記操作ノブ部が前記ホイール部の中央方向に対して垂直方向にスライドすることにより前記階段状突出部の前記複数の突出部の内のいずれかの突出部に当接すると共に前記ホイール部の中心方向及び前記ホイール部の中心方向と反対の方向に自在にスライドするスライド部と、
一端が前記押圧部と当接し、他端が前記スライド部と当接した状態で配設され前記押圧部を前記ホイール部の中心方向に押圧する弾性体とを備え、
前記押圧部は、前記スライド部が前記ホイール部の中心方向又は前記ホイール部の中心方向と反対の方向にスライドし前記弾性体が圧縮又は膨張することによって前記ホイール部の中心方向への押圧力が変化することを特徴とする再生装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例である再生装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
再生装置1は、再生部20、信号処理部21、メモリ制御部22、RAM(Random Access Memory)23、DAC(Digital to Analog Converter)24、出力端子25、制御部26、記憶部27、操作部30及び表示部40を備える。
【0016】
制御部26は、以下で説明する再生装置1の動作を統括的に制御する。再生部20は、可搬型又は外部の記録媒体に記録された圧縮された及び/又は非圧縮のデジタルオーディオデータを再生する。記録媒体としては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、外部接続可能な外部メモリ等が挙げられる。再生部20は、記録媒体にトラック単位で記録された圧縮デジタルオーディオデータを再生し、所定フォーマットに変換して出力する。
【0017】
再生部20が再生したデジタルオーディオデータは、信号処理部21に入力される。信号処理部21は、デジタルオーディオデータの復調、同期信号の抜き出し等の処理を行い、デジタルオーディオデータをメモリ制御部22に出力する。
【0018】
メモリ制御部22は、入力されたデジタルオーディオデータをRAM23に書き込むよう制御する。RAM23は、入力されたデジタルオーディオデータを記憶する。また、メモリ制御部22は、RAM23が記憶したデジタルオーディオデータをRAM23から読出すよう制御する。
【0019】
RAM23から読み出されたデータはDAC24に出力される。DAC24は、デジタルオーディオデータをアナログオーディオ信号に変換する。DAC24により変換されたアナログオーディオ信号は、出力端子25から出力される。デジタル入力可能な機器に出力する場合には、DAC24を設けず、所定のデジタルフォーマットで出力するようにしてもよい。
【0020】
表示部40は、液晶表示装置等から構成され、現在再生しているトラックの再生時間、トラックナンバー等を表示する。
【0021】
操作部30は、回転操作部15、図示しない再生開始ボタン、再生停止ボタン、イジェクトボタン等を備える。再生開始ボタン及び再生停止ボタンは、押圧されることによって再生制御に関する指示を受け付ける。回転操作部15は、後述する操作円盤部からスクラッチ再生等の指示を受け付ける。
【0022】
図2は、本実施例の再生装置1の回転操作部15を示す断面図である。
回転操作部15は、筐体2、回転軸3、軸受部4、操作円盤部5、スケール部6、光センサ部7、ホイール部8、操作ノブ部9、スライド部10、圧縮バネ11及び押圧部12を備える。
【0023】
筐体2は、上下に貫通する孔201を備え、この孔201に回転軸3が挿入されている。軸受部4は、筐体2に固定され、回転軸3の下方部分を軸支する。回転軸3は、軸受部4が下方部分を軸支していることにより、下方に抜け落ちないようになっている。
【0024】
操作円盤部5は、薄い円盤型を形成し、中央に孔501を備える。操作円盤部5は、孔501に回転軸3が挿入された状態で回転軸3に固定されている。ホイール部8は、円盤型を形成し、中央に孔801を備える。ホイール部8は、操作円盤部5の下方に配設され、孔801に回転軸3が挿入された状態で回転軸3に固定されている。
【0025】
スケール部6は、円盤型を形成し、中央に孔601を備える。スケール部6は、ホイール部8の下方に配設され、孔501に回転軸3が挿入された状態で回転軸3に固定されている。
【0026】
操作円盤部5は、軸受部4に軸支された回転軸3を中心軸として自在に回転する。スケール部6及びホイール部8は、操作円盤部5と同様に孔601及び孔801が回転軸3に挿入され固定されていることから、操作円盤部5が回転操作されると、スケール部6及びホイール部8も操作円盤部5と同じ回転速度及び同じ回転方向で回転する。
【0027】
スケール部6には、外周部にスリット部602が設けられている。スリット部602は、例えば、長方形状の開口部又はカーボンが含まれた印刷塗料による印刷によって形成されている。
【0028】
光センサ部7は、操作円盤部5と共に回転するスケール部6の回転速度及び回転方向を検出するために、2つの光センサ(図示しない)を備え、スリット部602を検出できる位置に配設された状態で筐体2に固定されている。光センサ部7は、スリット部602を検出すると、2つの光センサから位相が異なる(例えば、90°の位相差)パルス信号a及びパルス信号bを発生して制御部26に出力する。
【0029】
制御部26は、入力されるパルス信号aとパルス信号bの位相差に基づいて操作円盤部5の回転方向を判別する。例えば、パルス信号a及びパルス信号bの位相差が90°である場合、操作円盤部5が時計回り方向に回転しているとき、パルス信号aは、パルス信号bに対して、+90°の位相差となる。また、操作円盤部5が反時計回り方向に回転しているとき、パルス信号aは、パルス信号bに対して、−90°の位相差となる。また、制御部26は、一定時間に入力されたパルス信号a又はパルス信号bのどちらか一方のパルス信号のパルス数から操作円盤部5の回転速度を判別する。
【0030】
制御部26は、操作円盤部5が回転していない状態の場合、操作部30の再生開始ボタンが押圧され操作部30から再生開始の指示を受けると、RAM23から通常の再生速度でデジタルオーディオデータを読み出すようメモリ制御部22を制御する。
【0031】
制御部26は、光センサ部7からパルス信号a又はパルス信号bが入力されたとき、判別した操作円盤部5の回転速度及び回転方向に対応した読み出し速度及び読み出し順序でRAM23からデジタルオーディオデータを読み出すようにメモリ制御部22を制御する。メモリ制御部22は、RAM23に記憶されたデジタルオーディオデータの読み出し速度及び読み出し順序(オーディオデータを昇順アドレスで読み出す又は降順で読み出す)を制御する。例えば、制御部26は、操作円盤部5が時計回り方向に回転操作されると、その回転速度に応じた読み出し速度でRAM23に記憶されたデジタルオーディオデータを昇順アドレスで読み出すようにメモリ制御部22を制御する。また、制御部26は、操作円盤部5が反時計回り方向に回転操作されると、その回転速度に応じた読み出し速度でRAM23に記憶されたデジタルオーディオデータを降順アドレスで読み出すようにメモリ制御部22を制御する(スクラッチ機能)。
【0032】
図3は、本実施例の再生装置1の一部分を示す図で、
図3(a)は上面図、
図3(b)は
図3(a)の断面図である。
【0033】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、ホイール部8は、外周の側面に全周に亘ってV字型を形成した凹部802を備える。押圧部12は、T字型を成した樹脂部材、例えば、POM(ポリアセタール(polyacetal))樹脂成型材料により形成され、ホイール部8の中心方向の側面部分にV字型を形成した凸部121を備える。凸部121は、ホイール部8の凹部802に当接する位置に配設される。スライド部10は、円柱型を形成し、ホイール部8の中心方向と対抗する方向に曲面部101を備える。スライド部10は、筐体2の上面に固着された案内部203によってホイール部8の中心方向及びホイール部8の中心方向と反対の方向に自在にスライド可能に成されている。
【0034】
操作ノブ部9は、上面に上方に突出するノブを備えた直方体を形成する。操作ノブ部9は、側面にホイール部8の中心方向に突出すると共にそれぞれ長さが異なる第1突出部901a〜第4突出部901dの4つの突出部を形成し、当該第1突出部901a〜第4突出部901dの4つの突出部の端面部分が階段状を成すよう配設された階段状突出部901を備える。
【0035】
第2突出部901bの長さは第1突出部901aよりも長く、また、第3突出部901cの長さは第2突出部901bよりも長い。また、第4突出部901dの長さは第3突出部901cよりも長く、また、第5突出部901eの長さは第4突出部901dよりも長い。
【0036】
筐体2は、上面に操作ノブ部9を載置する凹部202を備える。凹部202は、ホイール部8の中央方向に対して垂直となる方向の長さが操作ノブ部9の長さより長く形成されている。操作ノブ部9は、下方部分が凹部202に載置されることにより、ホイール部8の中央方向に対して垂直の方向であってホイール部8の上面と平行となる方向、つまり、
図3(a)に示すR方向(操作ノブ部9からホイール部8を見た場合の右方向)及びL方向(操作ノブ部9からホイール部8を見た場合の左方向)に自在にスライド可能に成されている。
【0037】
スライド部10は、操作ノブ部9を
図3(a)に示すR方向又はL方向にスライドさせることによって、ホイール部8の中心方向と対抗する方向の一端の曲面部101が第1突出部901a〜第4突出部901dの内のいずれかの突出部に当接する位置に配設されている。圧縮バネ11は、一端が押圧部12と当接し、他端がスライド部10と当接した状態で案内部203の内部に配設される。圧縮バネ11は、弾性により押圧部12をホイール部8の中心方向に押圧する。
【0038】
ホイール部8は、押圧部12が圧縮バネ11によってホイール部8の中心方向に押圧され凹部802が押圧部12の凸部121に押圧されることにより、凸部121と凹部802の間に摩擦抵抗が生じるため、回転軸3を軸に回転しようとする場合に一定の制動力が生じる。このため、操作円盤部5を回転させようとする場合、このホイール部8に生じた制動力によって、操作円盤部5の回転操作に対して一定の制動力が生じる。
【0039】
図4は、本実施例の再生装置1の一部分を示す図で、
図4(a)は
図3(a)に示す状態から操作ノブ部9を
図3(a)に示すR方向にスライドさせた状態を示す上面図、
図4(b)は
図4(a)に示す状態から操作ノブ部9を更に
図3(a)に示すR方向にスライドさせた状態を示す上面図である。
【0040】
図5は、本実施例の再生装置1の一部分を示す図で、
図5(a)は
図3(a)に示す状態から操作ノブ部9を
図3(a)に示すL方向にスライドさせた状態を示す上面図、
図5(b)は
図5(a)に示す状態から操作ノブ部9を更に
図3(a)に示すL方向にスライドさせた状態を示す上面図である。
図3(a)に示すように、スライド部10の一端の曲面部101が第3突出部901cに当接した状態での圧縮バネ11の長さをAとする。
【0041】
図4(a)に示すように、
図3(a)に示す状態から操作ノブ部9をR方向にスライドさせると、それまでスライド部10の曲面部101に当接していた第3突出部901cがR方向に移動するため、スライド部10の曲面部101に当接していた階段状突出部901が曲面部101の曲面を摺動しながら第3突出部901cから第4突出部901dに変化する。このとき、スライド部10は、第4突出部901dの長さが第3突出部901cよりも長いことから、ホイール部8の中心方向にスライドする。
図4(a)に示すように、スライド部10がホイール部8の中心方向にスライドすることによって、圧縮バネ11の長さは、
図3(a)に示すAよりも短いBとなる。
【0042】
圧縮バネ11は、
図3(a)に示す長さAの状態から
図4(a)に示す長さBに短くなることにより圧縮され、
図3(a)に示す状態よりも大きい力で押圧部12をホイール部8の中心方向に押圧する。押圧部12は、圧縮バネ11が
図3(a)に示す状態よりも大きい力でホイール部8の中心方向に押圧されることにより、凸部121がホイール部8の凹部802を
図3(a)に示す状態よりも大きい力で押圧する。ホイール部8は、回転軸3を軸に回転しようとする場合、凹部802が
図3(a)に示す状態よりも大きい力で押圧部12の凸部121に押圧されることにより凸部121と凹部802の間の摩擦抵抗が大きくなり、
図3(a)に示す状態より大きい制動力が生じる。このため、
図4(a)に示す状態で操作円盤部5を回転させようとする場合、操作円盤部5の回転操作に対する制動力は、
図3(a)に示す状態よりも大きくなる。
【0043】
図4(b)に示すように、
図4(a)に示す状態から操作ノブ部9を更にR方向にスライドさせると、それまでスライド部10の曲面部101に当接していた第4突出部901dがR方向に移動するため、スライド部10の曲面部101に当接していた階段状突出部901が曲面部101の曲面を摺動しながら第4突出部901dから第5突出部901eに変化する。このとき、スライド部10は、第5突出部901eの長さが第4突出部901dよりも長いことから、ホイール部8の中心方向にスライドする。
図4(b)に示すように、スライド部10がホイール部8の中心方向にスライドすることによって、圧縮バネ11の長さは、
図4(a)に示すBよりも短いCとなる。
【0044】
圧縮バネ11は、
図4(a)に示す長さBの状態から
図4(b)に示す長さCに短くなることにより圧縮され、
図4(a)に示す状態よりも大きい力で押圧部12をホイール部8の中心方向に押圧する。押圧部12は、圧縮バネ11が
図4(a)に示す状態よりも大きい力でホイール部8の中心方向に押圧されることにより、凸部121がホイール部8の凹部802を
図4(a)に示す状態よりも大きい力で押圧する。ホイール部8は、回転軸3を軸に回転しようとする場合、凹部802が
図4(a)に示す状態よりも大きい力で押圧部12の凸部121に押圧されることにより凸部121と凹部802の間の摩擦抵抗が大きくなり、
図4(a)に示す状態より大きい制動力が生じる。このため、
図4(b)に示す状態で操作円盤部5を回転させようとする場合、操作円盤部5の回転操作に対する制動力は、
図4(a)に示す状態よりも大きくなる。
【0045】
図5(a)に示すように、
図3(a)に示す状態から操作ノブ部9をL方向にスライドさせると、それまでスライド部10の曲面部101に当接していた第3突出部901cがL方向に移動するため、スライド部10の曲面部101に当接していた階段状突出部901が曲面部101の曲面を摺動しながら第3突出部901cから第2突出部901bに変化する。このとき、スライド部10は、第2突出部901bの長さが第3突出部901cよりも短いことから、ホイール部8の中心方向と反対の方向にスライドする。
図5(a)に示すように、スライド部10がホイール部8の中心方向と反対の方向にスライドすることによって、圧縮バネ11の長さは、
図3(a)に示すAよりも長いDとなる。
【0046】
圧縮バネ11は、
図3(a)に示す長さAの状態から
図5(a)に示す長さDに長くなることにより膨張され、
図3(a)に示す状態よりも小さい力で押圧部12をホイール部8の中心方向に押圧する。押圧部12は、圧縮バネ11が
図3(a)に示す状態よりも小さい力でホイール部8の中心方向に押圧されることにより、凸部121がホイール部8の凹部802を
図3(a)に示す状態よりも小さい力で押圧する。ホイール部8は、回転軸3を軸に回転しようとする場合、凹部802が
図3(a)に示す状態よりも小さい力で押圧部12の凸部121に押圧されることにより凸部121と凹部802の間の摩擦抵抗が小さくなり、
図3(a)に示す状態より小さい制動力が生じる。このため、
図5(a)に示す状態で操作円盤部5を回転させようとする場合、操作円盤部5の回転操作に対する制動力は、
図3(a)に示す状態よりも小さくなる。
【0047】
図5(b)に示すように、
図5(a)に示す状態から操作ノブ部9を更にL方向にスライドさせると、それまでスライド部10の曲面部101に当接していた第2突出部901bがL方向に移動するため、スライド部10の曲面部101に当接していた階段状突出部901が曲面部101の曲面を摺動しながら第2突出部901bから第1突出部901aに変化する。このとき、スライド部10は、第1突出部901aの長さが第2突出部901bよりも短いことから、ホイール部8の中心方向と反対の方向にスライドする。
図5(b)に示すように、スライド部10がホイール部8の中心方向と反対の方向にスライドすることによって、圧縮バネ11の長さは、
図5(a)に示すDよりも長いEとなる。
【0048】
圧縮バネ11は、
図5(b)に示す長さDの状態から
図5(b)に示す長さEに長くなることにより膨張され、
図5(a)に示す状態よりも小さい力で押圧部12をホイール部8の中心方向に押圧する。押圧部12は、圧縮バネ11が
図5(a)に示す状態よりも小さい力でホイール部8の中心方向に押圧されることにより、凸部121がホイール部8の凹部802を
図5(a)に示す状態よりも小さい力で押圧する。ホイール部8は、回転軸3を軸に回転しようとする場合、凹部802が
図5(a)に示す状態よりも小さい力で押圧部12の凸部121に押圧されることにより凸部121と凹部802の間の摩擦抵抗が小さくなり、
図5(a)に示す状態より小さい制動力が生じる。このため、
図5(b)に示す状態で操作円盤部5を回転させようとする場合、操作円盤部5の回転操作に対する制動力は、
図5(a)に示す状態よりも小さくなる。
【0049】
以上のように、本実施例の再生装置1は、操作ノブ部9を
図3(a)に示すR方向又はL方向にスライドさせることにより、スライド部10の曲面部101に当接する突出部が階段状突出部901の第1突出部901a〜第5突出部901eのいずれかの突出部に変化し、その結果、圧縮バネ11の長さが変化することによってホイール部8の凹部802に当接する押圧部12の凸部121の押圧力が変化することにより凸部121と凹部802の間の摩擦抵抗が変化するため、操作円盤部5を回転させようとする場合、操作円盤部5の回転操作に対する制動力を簡単に変化させることができる。
【0050】
このことにより、本実施例の再生装置1は、例えば、DJが操作円盤部5を回転操作してスクラッチ再生等の特殊再生を行う場合、操作ノブ部9を
図3(a)に示すR方向またはL方向スライドさせることによって、操作円盤部5の制動力を好みの制動力に簡単に調節することができる。
【0051】
本実施例の再生装置1は、ホイール部8の外周全域に亘ってV字型を成す凹部802にV字型を形成した凸部121を押圧させて操作円盤部5の回転に対する制動力を生じさせていることにより、操作円盤部5の回転時の騒音を低減することができる。つまり、操作円盤部の回転に対する制動力を生じさせるための構成として、例えば、操作円盤部の回転に同期して回転する回転ギヤ又はゴムローラを備え、この回転ギヤ又はゴムローラの回転に与える負荷を変化させることによって操作円盤部の回転操作に対する制動力を調節する構成の場合、回転ギヤ又はゴムローラが回転することによって騒音が発生してしまうが、本実施例の再生装置1は、ホイール部8のV字型を形成した凹部802にV字型を形成した凸部121を点接触させることのみによって操作円盤部5の回転に対する制動力を生じさせているため、操作円盤部5の回転時の騒音を低減することができる。
【0052】
また、本実施例の再生装置1は、押圧部12の部材が潤滑性の高いPOM樹脂成型材料により形成されているため、押圧部12をPOM樹脂成型材料以外の他の部材で形成した場合よりも、回転するホイール部8の凹部802に凸部121が接触するときの騒音が更に低減するため、操作円盤部5の回転時の騒音を更に低減することができる。なお、ホイール部8の凹部802に接触する凸部121の接触部分にグリスを塗布することによって、更に操作円盤部5の回転時の騒音を低減させることができる。
【0053】
本実施例の再生装置1は、スライド部10に当接させるための突出部として第1突出部901a〜第5突出部901eの5つの突出部を操作ノブ部9が備える構成としたが、6つ以上の突出部を備える構成としても良い。このことによって、操作円盤部5の回転操作に対する制動力をより詳細に調節することができる。
【0054】
本実施例の再生装置1は、スライド部10に当接させるための突出部として第1突出部901a〜第5突出部901eの5つの突出部を操作ノブ部9が備える構成としたが、4つ以下の突出部を備える構成としても良い。このことによって、操作ノブ部9の製造コストを安価にすることができ、再生装置1の製造コストを低減させることができる。
【0055】
本実施例の再生装置1は、押圧部12をホイール部8に押圧させるために圧縮バネ11を備える構成としたが、圧縮バネ以外の弾性体、例えば、ゴム部材やウレタン部材等を備える構成としても良い。
【0056】
本実施例の再生装置1は、ホイール部8のV字型を形成した凹部802に押圧部12のV字型を形成した凸部121を当接させる構成としたが、ホイール部8の外周の側面にV字型を形成した凸部を備えると共に押圧部12の一端にV字型を形成した凹部を備え、ホイール部8の外周に側面に備える凸部に押圧部12の凹部を当接させる構成としても良い。また、ホイール部8の外周の側面に押圧部12を当接させることができる構成であれば、V字型の凹部及び凸部以外にも、T字型、円筒型等、どのような形状であっても良い。
【0057】
本実施例の再生装置1は、操作ノブ部9がホイール部8の中央方向に対して垂直の方向であってホイール部8の上面と平行となる方向、つまり、
図3(a)に示すR方向(操作ノブ部9からホイール部8を見た場合の右方向)及びL方向(操作ノブ部9からホイール部8を見た場合の左方向)に自在にスライド可能に成される構成としたが、ホイール部8の凹部802に当接する押圧部12の凸部121の押圧力を変化させることができるのであれば、どのような方向にスライドするような構成、例えば、操作ノブ部9がホイール部8の上面に対して上下にスライドする構成としても良いし、操作ノブ部9自体がホイール部8の中心方向及びホイール部8の中心方向と反対の方向に自在にスライド可能となる構成としても良い。
【0058】
本実施例の再生装置1は、操作円盤部5に固定された回転軸3を軸受部4によって軸支する構成としたが、例えば、操作円盤部5の外周部分の下面に下方に突出したリング状のリブを備えると共に、筐体2の上面に当該リブと当接するリング状のリブ受け部を備え、操作円盤部5の回転を当該リブと当接したリブ受け部によって支持する構成としても良い。このことによって、操作円盤部5の外周部分を強い力で下方に押圧された場合に操作円盤部5が撓んでしまったり、また、回転軸3と軸受部4の間にガタつきが生じてしまい操作円盤部5をスムーズに回転させることができなくなってしまうことを防止することができる。この場合、操作円盤部5に備えるリブの材質又は筐体2に備えるリブ受け部の材質を、例えば、潤滑性の高いPOM樹脂成型材料により形成することによって、操作円盤部5を更にスムーズに回転させることができる。