(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
水洗トイレ用液体洗浄剤は、一般に、排出孔を有する容器に収容された状態で使用され、当該容器の排出孔から排出された水洗トイレ用液体洗浄剤がフラッシュ水と混合されて、フラッシュ時に、当該水洗トイレ用液体洗浄剤によって便器を洗浄することが可能になる。従来、水洗トイレ用液体洗浄剤は、水洗トイレの手洗い部上に設置して使用されるもの、水洗トイレの便器のリム部に取り付けて使用されるもの等がある。このような水洗トイレ用液体洗浄剤は、設置が容易である、便器の洗浄が簡便に行える、洗浄剤の残存量を容易に確認できる、等の使用上の利点があり、今日では広く流通している。
【0003】
このような水洗トイレ用液体洗浄剤は、毎使用時に安定した洗浄作用を発揮させるために、容器からの毎排出量が一定になるように設計することが重要である。特に、一般にトイレの室内空間は、一年を通じた寒暖による温度変化があり、このような温度変化によって、水洗トイレ用液体洗浄剤の粘度が大きく変動したり、ゲル化したりすると、容器からの毎排出量が変動し、所望の洗浄作用を発揮できなくなる。また、容器に収容された水洗トイレ用液体洗浄剤は、適量が容器外に排出されてフラッシュ水と混合されるように使用態様が設計されているが、容器中の水洗トイレ用液体洗浄剤の中に、フラッシュ水が不可避的に逆流することがある。水洗トイレ用液体洗浄剤は、洗浄成分が高濃度で含まれているため、このようにフラッシュ水が混入した場合、粘度変化を生じたり、ゲル化が生じて、容器からの毎排出量が不均一になることがある。そこで、従来、水洗トイレ用液体洗浄剤に温度変化や水の混入によっても、ゲル化を生じずに粘度を一定範囲に保持できる処方が検討されている。例えば、特許文献1には、20℃で流動性を有する非イオン性界面活性剤と、20℃で流動性を有しない非イオン性界面活性剤と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーと、水とを特定の比率で含有する液体洗浄組成物は、温度変化や水の混入によっても粘度変化を受け難く、容器からの排出量が不均一になるのを抑制できることが報告されている。また、特許文献2には、特定の構造のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤40〜95重量%と、香料5〜60重量%を含む液体芳香洗浄組成物は、高濃度の界面活性剤及び香料を含有していながら、広い温度領域で水と接触してもゲル化しないで優れた洗浄作用を発揮できることが報告されている。
【0004】
一方、水洗トイレ用液体洗浄剤は、便器の洗浄効果に止まらず、トイレの室内空間を快適な香気で満たすために、香料が配合されている。そして、近年、消費者の嗜好性の多様化に追従するために、様々な香気を呈する水洗トイレ用液体洗浄剤が開発されている。しかしながら、備えさせる香気の種類によって配合する香料成分の種類が異なり、それに応じて香料を可溶化させるために配合する成分の種類を選択することが必要とされている。そのため、従来報告されているトイレ用液体洗浄剤では、使用する香料成分の種類によって、個別に処方設計しなければならないという欠点がある。
【0005】
そこで、香料成分の種類に拘わらず、香料成分を可溶化でき、しかも温度変化や水の混入によっても、ゲル化せずに粘度変化が生じ難い水洗トイレ用液体洗浄剤の処方を開発できれば、1つの基本処方を採用することによって、備える香気が異なる複数タイプの水洗トイレ用液体洗浄剤の開発が可能になり、多様化する消費者の嗜好性に追従した製品の開発が容易になる。しかしながら、従来、香料成分の種類に拘わらず、あらゆる香料成分に対して普遍的に適用可能な処方は一切報告されていないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、香料成分の種類に拘わらず、香料成分を可溶化でき、しかも温度変化や水の混入によっても、ゲル化せずに粘度変化が生じ難い水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意検討を行ったところ、(A)炭素数8〜11のアルキル基を有し、特定の物性を示すポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤と、(B)炭素数12〜14のアルキル基を有し、特定の物性を示すポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤と、(C)香料成分とを含み、且つ25℃での粘度が60〜800mPa・sである水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、香料成分の種類に拘わらず、香料成分を可溶化でき、しかも温度変化や水の混入によっても、ゲル化し難く、粘度変化が生じ難いことを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
【0009】
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.(A)下記一般式(1)で表され、HLB値が14.3以下、及び1重量%水溶液での曇点が80℃以下であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤
R
1−O−[(EO)
a/(PO)
b]−H (1)
[一般式(1)中、R
1は炭素数8〜11の直鎖状又は分岐状のアルキル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、aはEOの平均付加モル数で5≦a、bはPOの平均付加モル数で0≦b、[(EO)
a/(PO)
b]はEOとPOのランダム付加又はブロック付加を示す。]、
(B)下記一般式(2)で表され、1重量%水溶液での曇点が80℃以上であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤
R
2−O−[(EO)
c/(PO)
d]−H (2)
[一般式(2)中、R
2は炭素数12〜14の直鎖状又は分岐状のアルキル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、cはEOの平均付加モル数で1≦c、dはPOの平均付加モル数で1≦d、[(EO)
c/(PO)
d]はEOとPOのランダム付加又はブロック付加を示す。]、及び
(C)香料成分
を含有し、且つ
25℃での粘度が60〜800mPa・sであることを特徴とする、水洗トイレ用芳香洗浄剤組成物。
項2. 前記一般式(1)におけるR
1が炭素数10の直鎖状又は分岐状のアルキル基である、項1に記載の水洗トイレ用芳香洗浄剤組成物。
項3. 前記一般式(2)におけるR
2が炭素数12〜13の直鎖状又は分岐状のアルキル基である、項1又は2に記載の水洗トイレ用芳香洗浄剤組成物。
項4. 前記(A)成分の含有量が0.1〜50重量%である、項1〜3のいずれかに記載の水洗トイレ用芳香洗浄剤組成物。
項5. 前記(B)成分の含有量が0.1〜50重量%である、項1〜4のいずれかに記載の水洗トイレ用芳香洗浄剤組成物。
項6. 更に水を含む、項1〜5のいずれかに記載の水洗トイレ用芳香洗浄剤組成物。
項7. 水洗トイレのオンタンク用として使用される、項1〜6のいずれかに記載の水洗トイレ用芳香洗浄剤組成物。
項8. 水洗トイレのリム部用として使用される、項1〜6のいずれかに記載の水洗トイレ用芳香洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、香料成分の構造や特性の別を問わず、あらゆるタイプの香料成分を可溶化させることができるので、1つの基本処方を採用することによって、備える香気が異なる複数タイプの水洗トイレ用液体洗浄剤を提供することが可能になる。そのため、本発明によれば、使用する香料成分の種類に応じた個別の処方設計が不要になり、様々な香気を呈する水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物を簡便に提供でき、消費者の香気に対する嗜好性の多様化に追従することが容易になる。
【0011】
また、本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、季節や地域等に起因する温度変化に晒されても、粘度変化が生じ難く、更に水が混入しても粘度変化が生じ難いため、容器からの排出量が不均一になるのを抑制して、容器からの毎排出量を一定に維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、(A)炭素数8〜11のアルキル基を有し、HLB値が14.3以下、及び1重量%水溶液での曇点が80℃以下である特定構造のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤、(B)炭素数12〜14のアルキル基を有し、1重量%水溶液での曇点が80℃以上である特定構造のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤、及び(C)香料成分を含み、且つ25℃での粘度が60〜800mPa・sであることを特徴とする。以下、本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物について詳述する。
【0013】
(A)成分
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、HLB値が14.3以下、及び1重量%水溶液での曇点が80℃以下であって、下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤(以下、単に、「(A)成分」と表記することもある)を含有する。
R
1−O−[(EO)
a/(PO)
b]−H (1)
【0014】
一般式(1)中、R
1は、炭素数8〜11の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。R
1として、好ましくは炭素数9〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、更に好ましは炭素数10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、特に好ましくは炭素数10の分岐状のアルキル基、特に好ましくはイソデシル基が挙げられる。
【0015】
また、一般式(1)中、EOはオキシエチレン基を示す。また、aはEOの平均付加モル数を示し、a≧5である。EOの平均付加モル数aは、好ましくは5≦a≦30、更に好ましくは5≦a≦15が挙げられる。
【0016】
また、一般式(1)中、POはオキシプロピレン基を示す。また、bはPOの平均付加モル数を示し、0≦bである。POの平均付加モル数bは、好ましくは0≦b≦15、更に好ましくは0≦b≦10が挙げられる。
【0017】
また、一般式(1)中、[(EO)
a/(PO)
b]は、EOとPOのランダム付加又はブロック付加を示す。
【0018】
本発明で使用される(A)成分は、上記一般式(1)で示す構造を備え、且つHLB値が14.3以下である。(A)成分のHLB値として、好ましくは12.0〜14.3、更に好ましくは12.8〜13.9が挙げられる。なお、本明細書において、(A)成分のHLB値は、グリフィン法によって算出される値である。
【0019】
また、本発明で使用される(A)成分は、更に1重量%水溶液にした場合の曇点が80℃以下である。(A)成分の当該曇点として、好ましくは50〜80℃、更に好ましくは50〜60℃が挙げられる。ここで、当該曇点は、測定対象となる界面活性剤を精製水に1重量%となるように溶解し、ISO1065-1991に記載の測定法により決定される値である。
【0020】
(A)成分に該当するポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤については、例えば、「FINESURF D-1305」、「FINESURF D-1307」、「FINESURF NDB-1000」、「FINESURF D-65」、「FINESURF D-85」、「ワンダサーフ ID-1033」、「セフティカット ID-1055」、「セフティカット ID-1061」、「ワンダサーフ ID-90」(以上、青木油脂工業株式会社製)、「ナロアクティー ID70」(三洋化成工業株式会社製)、「ノイゲン LF-60X」、「ノイゲン LF-80X」、「ノイゲン SD-70」、「ノイゲン SD-80」(以上、第一工業製薬株式会社製)等が市販されており、本発明では、これらの市販品を使用することもできる。
【0021】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物において、上記(A)成分として、前記構造及び特性を満たすポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤を1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0022】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物において、上記(A)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%、更に好ましくは2〜25重量%が挙げられる。
【0023】
このように、(A)成分として、炭素数8〜11のアルキル基を有し、前記HLB値及び曇点を満たすポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤を採用し、且つ後述する(B)成分と組み合わせて使用することにより、本発明の水洗トイレ用液体洗浄剤において、様々な種類の香料成分の可溶化が可能になり、しかも温度変化や水の混入によってもゲル化し難く、粘度変化が生じ難い特性を備えさせることが可能になる。
【0024】
(B)成分
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、上記(A)成分に加えて、1重量%水溶液での曇点が80℃以上であって、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤(以下、単に、「(B)成分」と表記することもある)を含有する。
R
2−O−[(EO)
c/(PO)
d]−H (2)
【0025】
一般式(2)中、R
2は、炭素数12〜14の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。R
2として、好ましくは炭素数12〜13の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
【0026】
また、一般式(2)中、EOはオキシエチレン基を示す。また、cはEOの平均付加モル数を示し、1≦cである。EOの平均付加モル数cは、好ましくは1≦c≦30、更に好ましくは5≦c≦25が挙げられる。
【0027】
また、一般式(2)中、POはオキシプロピレン基を示す。また、dはPOの平均付加モル数を示し、1≦dである。POの平均付加モル数dは、好ましくは1≦d≦15、更に好ましくは1≦d≦10が挙げられる。
【0028】
また、一般式(2)中、[(EO)
c/(PO)
d]は、EOとPOのランダム付加又はブロック付加を示す。
【0029】
本発明で使用される(B)成分は、上記一般式(2)で示す構造を備え、1重量%水溶液にした場合の曇点が80℃以上である。(B)成分の当該曇点として、好ましくは80〜99℃、更に好ましくは80〜90℃が挙げられる。(B)成分の当該曇点の測定条件については、前記(A)成分の曇点の場合と同様である。
【0030】
(B)成分に該当するポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤については、例えば、「サンノニック FN140」(三洋化成工業株式会社製)、「ワンダサーフ 140」、「ワンダサーフ S-1400」(以上、青木油脂工業株式会社製)、「ノイゲン TDX-120D」(第一工業製薬株式会社製)、等が市販されており、本発明では、これらの市販品を使用することもできる。
【0031】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物において、上記(B)成分として、前記構造及び特性を満たすポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤を1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0032】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物において、上記(B)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば0.1〜50重量%、好ましくは2〜45重量%、更に好ましくは5〜40重量%が挙げられる。
【0033】
また、本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物において、上記(A)成分と(B)成分の比率については、前述する各成分の含有量に基づいて定められるが、香料成分の可溶化作用や、粘度変化の抑制作用を一層効果的に発揮させるという観点から、上記(A)成分100重量部に対して、上記(B)成分が、0.2〜50000重量部、好ましくは6.6〜9000重量部、更に好ましくは20〜2000重量部が挙げられる。
【0034】
このように、(B)成分として、炭素数12〜14のアルキル基を有し、前記曇点を満たすポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤を、前述する(A)成分と組み合わせることにより、様々な種類の香料成分の可溶化が可能になり、しかも温度変化や水の混入によってもゲル化し難く、粘度変化が生じ難い特性を備えさせることができる。
【0035】
(C)成分
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、上記(A)及び(B)成分に加えて、香料成分(以下、単に(C)成分と表記することもある)を含有する。このように香料成分を含有することにより、トイレ空間に所望の香気を付与することができる。
【0036】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物では、香料成分の種類の別を問わず、あらゆる種類の香料成分を安定に可溶化できるので、配合される香料成分は、備えさせる香気に応じて適宜選択すればよい。本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物に含有される香料成分としては、例えば、天然香料の他、炭化水素系香料、エーテル系香料、エステル系香料、アルコール系香料、アルデヒド系香料、ケトン系香料等の合成香料が挙げられる。
【0037】
具体的には、天然香料としては、例えば、レモン油、オレンジ油、ベルガモット油、イランイラン油、パチュリ油、シトロネラ油、レモングラス油、ボアドローズ油、チョウジ油、ユーカリ油、セダー油、ラベンダー油、ビャクダン油、ベチバー油、ゼラニウム油、ラブダナム油、ミント油、ペパーミント油、ローズ油、ジャスミン油、リッツアキュベバ油等が挙げられる。また、炭化水素系香料としては、例えば、リモネン、α−ピネン、カンフェン、p−サイメン、フェンチェン等が挙げられる。また、エーテル系香料としては、例えば、テトラヒドロ−2,4−ジメチル−4−フェニルフラン、1,8−シネオール、ローズオキサイド、セドロールメチルエーテル(セドランバー)、p−クレジルメチルエーテル、イソアミルフエェニルエチルエーテル、4−フェニル−2,4,6−トリメチル−1,3−ジオキサン、アネトール等が挙げられる。また、エステル系香料としては、例えば、ゲラニルアセテート、エチルアセテート、エチルプロピオネート、メチルブチレート、エチルイソブチレート、エチルブチレート、ブチルアセテート、エチル2−メチルブチレート、イソアミルアセテート、エチル2−メチルペンタノエート(マンザネート)、ヘキシルアセテート、アリルヘキサノエート、トリシクロデセニルプロピオネート(VERTOPRO;フロロシクレン)、アリルヘプタノエート、イソボルニルアセテート、リナリルアセテート、シトロネリルアセテート、2−ter−ブチルシクロヘキシルアセテート(ナルシドール)等が挙げられる。また、アルコール系香料としては、例えば、リナノール、3−オクタノール、2,6−ジメチル−ヘプタノール、10−ウンデセノール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ロジノール、ミルセノール、テトラヒドロリナロール、ターピネオール、セドロール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキサン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、ネロリドール、9−デセノール、シス−3−ヘキセノール、トランス−2−ヘキセノール、オイゲノール等が挙げられる。また、アルデヒド系香料としては、例えば、シトロネラール、オクタナール、パラアルデハイド、ベンズアルデヒド、アルデヒドC−6、アルデヒドC−7、 アルデヒドC−8、アルデヒドC−9、アルデヒドC−10、トリプラール、p−エチルジメチルヒドロシンナミックアルデヒド(フローラゾン)、2−トリデセナール、アルデヒドC11等が挙げられる。また、ケトン系香料としては、例えば、1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン-1-イル)−4−ペンテン−1−オン、アセトイン、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メチルヘプテノン、コアボン、カンファー、カルボン、メントン、d−プレゴン、ピペリトン、フェンチョン、ゲラニルアセトン、マルトール、エチルマルトール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフラノン、プリカトン、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、ベンジルアセトン、ベンジルケトン等が挙げられる。
【0038】
これらの香料成分は、単品香料として1種単独で使用してもよく、また調合香料として2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0039】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物において、上記(C)成分の含有量については、(C)成分の種類や備えさせる香気の強さ等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜15重量%が挙げられる。
【0040】
その他の成分
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物では、その基剤成分として水を含んでいてもよい。即ち、本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物の一態様として、上記(A)〜(C)成分及び必要に応じて添加される他の配合成分以外の残部は水で構成されるものが挙げられる。
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物において、水を含有する場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば0.1〜80重量%、好ましくは1〜70重量%、更に好ましくは2〜60重量%が挙げられる。
【0041】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、洗浄効果を高めるために、上記(A)及び(B)成分以外の界面活性剤を更に含んでいてもよい。このような界面活性剤としては、具体的には、両性界面活性剤、上記(A)及び(B)成分以外の非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0042】
より具体的には、両性界面活性剤として、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のベタイン型両性界面活性剤;β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤;デシルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド等のアミンオキシド型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0043】
また、上記(A)及び(B)成分以外の非イオン性界面活性剤としては、モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸POEグリセリル、モノオレイン酸POEグリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノヤシ脂肪酸POEソルビタン、トリステアリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸POEソルビット、テトラオレイン酸POEソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;プロピレングリコールモノラウリン酸エステル、プロピレングリコールモノミリスチン酸エステル等のアルキレングリコールモノ脂肪酸エステル類;グリセリンモノドデシルエーテル、グリセリンモノセチルエーテル、グリセリンモノステアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノドデシルエーテル等のアルキル多価アルコールエーテル;ラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POE分鎖オクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;POEステアリルアミン、POEオレイルアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン;ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;ラウリン酸メチルグルカミド、ヤシ脂肪酸メチルグルカミド等のアシルメチルグルカミド;その他アセチレングリコール、POEアセチレングリコール、POEラノリン、POEラノリンアルコール、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POEフィトステロール、POEコレスタノール、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルポリグルコシド等が挙げられる。
【0044】
また、陰イオン性界面活性剤としては、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ヤシカリセッケン等の脂肪酸塩;POEラウリルエーテルカルボン酸塩、POP・POEエーテルミリスチン酸塩;高級アルキル硫酸エステル塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等)等のアルキルエーテルカルボン酸塩;POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジエタノールアミン等のN−アシルアミン酸塩;N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、POEラウリルアミドエーテルスルホン酸ナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸、POEラウリルアミドエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、ロート油などの硫酸化油、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、及びカゼインナトリウム等の高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、脂肪酸アミドエーテル硫酸エステル塩、アシルイセチオン酸塩、スルホコハク酸塩等の硫酸エステル塩型またはスルホン酸塩型界面活性剤;エーテルカルボン酸塩、脂肪酸アミドエーテルカルボン酸塩、N−アシルイミノジ酢酸、N−アシルアミノ酸塩等のカルボン酸型界面活性剤等が挙げられる。
【0045】
また、陽イオン性界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩界面活性剤;ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドグルタミン酸塩、ラノリン脂肪酸ジエチルアミノエチルアミドグルタミン酸塩等のアミドアミン塩型カチオン性界面活性剤;ラウリン酸アミドグアニジン塩酸塩等が挙げられる。
【0046】
これらの(A)及び(B)成分以外の界面活性剤については、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0047】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物において(A)及び(B)成分以外の界面活性剤を配合する場合、当該界面活性剤の含有量については、特に制限されないが、例えば0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%が挙げられる。
【0048】
更に、水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、必要に応じて、可溶化剤を含んでいてもよい。可溶化剤を含むことによって、各種配合成分に良好な溶解性や分散性を付与することが可能になる。本発明に使用される可溶化剤としては、特に制限されないが、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、エタノール、ジプロピレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等が挙げられる。本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物において可溶化剤を配合する場合、当該可溶化剤の含有量については、特に制限されないが、例えば0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜8重量%、更に好ましくは0.5〜6重量%が挙げられる。
【0049】
また、水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物には、更に必要に応じて、酵素、殺菌剤、キレート剤、着色剤、顔料、消臭剤、油性成分の乳化可溶化剤、増量剤、溶解性調整剤、漂白剤、撥水剤、親水剤、充填剤、pH調整剤、増粘剤、成形性向上剤、滑沢剤、緩衝剤、白濁化剤、消泡剤等の添加剤を適量含むことができる。
【0050】
本発明に使用される酵素としては、具体的には、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、マンナーゼ等が例示される。
【0051】
本発明に使用される殺菌剤としては、具体的には、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩;セチルピリジニウム塩、ベンゾイソチアゾリン等の複素環化合物;ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩、ポリヘキサメチレングアニジン塩酸塩、塩酸クロルヘキシジン等のグアニジン系化合物;酸化銀、銀含有の水溶性ガラス、銀を担持させたゼオライト等の銀化合物;その他金属化合物等が例示される。
【0052】
本発明に使用されるキレート剤としては、具体的には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、及びそれらの塩等が例示される。
【0053】
本発明に使用される着色剤としては、具体的には、青色1号、青色2号、青色3号、青色205号、黄色3号、黄色4号、黄色202号の(1)、黄色203号、赤色105号、赤色106号、赤色2号及び赤色3号等が例示される。
【0054】
本発明に使用される顔料は、有機顔料又は無機顔料のいずれであってもよい。また、白色顔料又は有色顔料の別も問うものではなく、水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物に付与する色調に応じて適宜選択すればよい。無機顔料の具体例としては、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム及びその水和物、酸化鉄、硫化カドミウム、クロム酸鉛、クロム酸亜鉛、カーボンブラック等が例示される。有機顔料としては赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色220号、赤色221号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、赤色404号、赤色405号、黄色401号、青色404号等が例示される。
【0055】
物性
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、25℃での粘度が60〜800mPa・sを充足する。このような粘度範囲を充足することにより、温度変化や水の混入を受けても、粘度変化を容器からの毎排出量を均一にできる範囲に保持でき、トイレ用液体洗浄剤として適した特性を備えさせることができる。
【0056】
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物の25℃での粘度として、好ましくは60〜800mPa・s、更に好ましくは70〜600mPa・s、最も好ましくは80〜300mPa・sが挙げられる。ここで、当該粘度は、100mPa・s未満の範囲は、B型粘度計(TV−10型、東機産業株式会社製)でSPINDLE No-M1のローターを用いて、25℃にて30rpmの回転速度で測定され、100mPa・s以上の範囲は、B型粘度計(TV−10型、東機産業株式会社製)でSPINDLE No-M2のローターを用いて、25℃にて30rpmの回転速度で測定される。
【0057】
使用態様
本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、洗浄対象となる便器にそのまま塗布して洗浄に使用してもよいが、フラッシュ水で希釈して、水洗トイレのフラッシュ時にフラッシュ水を用いた便器の洗浄に使用することが好ましい。本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物をフラッシュ水に希釈して使用する場合、その希釈倍率については、特に制限されないが、例えば1万〜100万倍程度、好ましくは2万〜50万倍程度が挙げられる。
【0058】
発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物をフラッシュ水に希釈して使用する場合、本発明の水洗トイレ用液体芳香洗浄剤組成物は、水洗トイレのオンタンク用の洗浄剤として使用してもよく、またリム部用の洗浄剤として使用してもよい。ここで、オンタンク用の洗浄剤とは、水洗トイレの手洗い部の上に設置して使用されるものであって、液体芳香洗浄剤組成物が収容された容器に、手洗い部に供給された洗浄用のフラッシュ水と接触することにより、当該液体芳香洗浄剤組成物が容器から流出され、液体芳香洗浄剤組成物が溶け込んだフラッシュ水が便器内に放出されることによって便器を洗浄する洗浄剤である。また、リム部用の洗浄剤とは、水洗トイレのリム部に取り付けて使用されるものであって、液体芳香洗浄剤組成物が収容された容器に、便器に放出されるフラッシュ水が接触することにより、当該液体芳香洗浄剤組成物が容器から流出され、液体芳香洗浄剤組成物が溶け込んだフラッシュ水が便器内に放出されることによって便器を洗浄する洗浄剤である。
【0059】
本発明の液体芳香洗浄剤組成物によれば、温度変化等による排出量の不均一性が改善されているので、水洗トイレのオンタンク用の洗浄剤やリム部用の洗浄剤として使用される場合であっても、共に流されるフラッシュ水の温度は通常の範囲であれば限定されず、冷水や温水も使用できる。
【0060】
本発明の液体芳香洗浄剤組成物を水洗トイレのオンタンク用の洗浄剤又はリム部用の洗浄剤として使用する場合、当該液体芳香洗浄剤組成物を収容する容器については、当該液体芳香洗浄剤組成物を収容する収容部と、当該液体芳香洗浄剤組成物を容器外に排出するための排出孔を備え、当該容器が水と接触すると、収容部内の当該液体芳香洗浄剤組成物が当該排出孔を介して容器外に排出可能であることを限度として、その構造については、特に制限されず、水洗トイレのオンタンク用の洗浄剤用の容器又はリム部用の洗浄剤用の容器として、従来使用されているものを用いることができる。例えば、オンタンク用の洗浄剤用の容器の構造については、特開2004−300861号、特開2006−283539号公報、特開2006−283540号公報等に開示されている。また、リム部用の洗浄剤用の容器の構造については、特表2003−517124号、特開2009−57769号、特開2010−242480号公報等に開示されている。但し、本発明の液体芳香洗浄剤組成物を収容する容器の構造については、オンタンク用又はリム部用として使用し得る限り、これらの容器に限定されるものではない。
【実施例】
【0061】
以下、実施例を挙げて、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0062】
試験例1
表1に示す各種非イオン性界面活性剤を使用して、表2〜6に示す各成分を所定量混合し、トイレ用液体芳香洗浄剤組成物を調製した。各トイレ用液体芳香洗浄剤組成物について、25℃での香料成分の可溶化の状態、25℃での粘度、5℃での粘度、及び水を混入させた後の5℃でのゲル化の有無について、以下の条件で測定を行った。
【0063】
<25℃での香料成分の可溶化の状態>
25℃における各トイレ用液体芳香洗浄剤組成物の外観を評価するために、500mL容量でφ92mmの透明ガラスビーカーを、黒文字(縦20mm、横20mm)を表示した白色紙状に設置し、このガラスビーカーに25℃の各トイレ用液体芳香洗浄剤組成物500gを入れて、ガラスビーカーの上面から黒文字を目視にて観察し、下記の判定基準に従って、各トイレ用液体芳香洗浄剤組成物における香料成分の可溶化の状態を評価した。
判定基準
○:黒文字がクリアに読める完全に透明な状態
△:黒文字がややぼやけているやや不透明な状態
×:黒文字が全く読めない不透明な状態
【0064】
<25℃での粘度>
B型粘度計(TV−10型、東機産業株式会社製)を用いて、25℃にて30rpmの回転速度で、各トイレ用液体芳香洗浄剤組成物の粘度を測定した。100mPa・s未満の範囲はSPINDLE No-M1のローターを用い、100mPa・s以上の範囲は、SPINDLE No-M2のローターを用いて行った。
【0065】
<5℃での粘度>
温度条件を5℃に変えたこと以外は、上記25℃での粘度の測定と同条件で測定を行った。
【0066】
<水を混入させた後の5℃でのゲル化の有無>
各トイレ用液体芳香洗浄剤組成物80gと水20gを混合した後に、5℃の温度条件にして静置した。その後、ゲル化の有無を目視にて確認し、ゲル化していないものについては、5℃での粘度の測定を行った。当該度の測定条件は、温度条件を5℃に変えたこと以外は、上記25℃での粘度の測定の場合と同様である。得られた結果を下記の判定基準に従って分類した。
判定基準
○:ゲル化が認められず、且つ5℃での粘度が1000mPa・S未満である。
△:ゲル化が認められず、且つ5℃での粘度が1000mPa・S以上5000mPa・S未満である。
×:ゲル化が認められた、又は5℃での粘度が5000mPa・S以上である。
【0067】
得られた結果を表2〜6に併せて示す。この結果から、本発明で規定する(A)及び(B)成分を併用した処方では、あらゆる種類の香料の可溶化が可能であり、且つ低温(5℃)での粘度も300〜1000mPa・sの範囲内になり、温度変化に晒されても、ゲル化せずに粘度変化を抑制できていた。これに対して、(A)又は(B)成分に該当しない2種のポリオシキアルキレンアルキルエーテルを使用した場合には、使用する香料成分の種類によっては、低温(5℃)でのゲル化が生じたり(比較例1参照)、香料成分を十分に可溶化できなかった(比較例6参照)。また、炭素数12又は13のアルキル基を有するが(B)成分には該当しないポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、(A)成分との組み合わせの場合、及び炭素数10のアルキル基を有するが(A)成分には該当しないポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、(B)成分との組み合わせの場合には、25℃での粘性が著しく低くなったり、低温や水の混入によってゲル化して、トイレ用液体洗浄剤として要求される特性を満足できていなかった(比較例3〜5参照)。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】