(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技演出に登場するキャラクタを遊技者が選択可能な遊技機であって、特定のキャラクタを選択したときに遊技者に満足感や優越感を与えることができる遊技機を提供するための発明である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技を演出するための画像を表示する表示装置を備えた遊技機であって、
遊技者にとって有利な特別状態の発生契機となる特別役の抽選処理を実行する抽選手段と、
前記特別役の当選に応じて前記特別状態を発生する特別状態発生手段と、
所定の許可条件が成立した場合に複数のキャラクタのうち当該所定の許可条件に応じたキャラクタを遊技者が選択可能に許可する許可手段と、
前記許可手段に許可されたキャラクタの中から何れかのキャラクタを遊技者が選択するために操作する選択操作手段と、
遊技者が選択したキャラクタに対応する画像を前記表示装置に表示する表示制御手段と、
所定の禁止条件が成立した場合に前記許可手段が許可したキャラクタの一部又は全部を選択禁止とする禁止手段と、を備え
、
前記表示制御手段は遊技者が選択したキャラクタに対応する画像を前記特別状態の発生中に表示し、
前記禁止手段は前記特別状態が終了して遊技者にとって不利な通常状態となってから前記所定の禁止条件が成立した場合に前記許可手段が許可したキャラクタの一部又は全部を選択禁止とすることを特徴とする遊技機にある(請求項1)。
【0008】
本発明の遊技機は、キャラクタを選択するために遊技者が操作する選択操作手段を備えている。この選択操作手段を利用して選択可能となるキャラクタは、前記複数のキャラクタのうち前記所定の許可条件の成立に応じて許可されたキャラクタである。そのため、この遊技機の遊技者は、前記所定の許可条件が成立したときに達成感を味わうことができ、さらに、この許可条件の成立に応じて選択可能なキャラクタが増加することで満足感や優越感を得られる。
【0009】
また、本発明の遊技機では、許可されたキャラクタの一部又は全部が選択禁止となる前記所定の禁止条件が設定されている。一旦、許可されたキャラクタであっても、前記所定の禁止条件の成立によって再度、選択禁止となってしまう場合がある。それ故、この遊技機では、選択可能なキャラクタの価値が一層高くなり、遊技の興趣を向上できる。
【0010】
以上のように本発明の遊技機は、遊技者が選択したキャラクタに対応する画像を表示することが可能な遊技機であって、特定のキャラクタを選択したときに遊技者に満足感や優越感を与えることができる遊技機である。
【0011】
本発明における遊技機としては、パチンコ玉を遊技媒体として使用するパチンコ遊技機や、停止表示された図柄の組合せに応じて入賞を発生させるスロットマシン等がある。パチンコ遊技機としては、パチンコ玉を遊技価値として使用するタイプであっても良いが、パチンコ玉を遊技価値として利用しない、いわゆる封入式のタイプであっても良い。スロットマシンとしては、メダルやコイン等を遊技媒体として使用するスロットマシンでも良いが、遊技媒体を使用しない、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。さらに、スロットマシンの場合であれば、パチンコ玉を遊技媒体として使用するパロット(R)であっても良い。
【0012】
本発明
の遊技機が備える表示制御手段は遊技者が選択したキャラクタに対応する画像を前記特別状態の発生中に表示し、
前記禁止手段は前記特別状態が終了して遊技者にとって不利な通常状態となってから前記所定の禁止条件が成立した場合に前記許可手段が許可したキャラクタの一部又は全部を選択禁止とする
。
【0013】
この場合には、一旦選択可能となったキャラクタについて、通常状態に転落するまでは選択禁止になる可能性をゼロにできる。通常状態に転落しても、前記所定の禁止条件が成立するまでの間は、そのキャラクタを選択可能な状態が保持されることになり、これにより遊技を継続するように遊技者を動機付けできる。
【0014】
本発明の好適な一態様の遊技機は、前記通常状態において、当該通常状態が発生する前の前記特別状態にて選択可能となっていたキャラクタを遊技者に報知する報知手段を備えている(請求項
2)。
【0015】
直前の特別状態中に選択可能であったキャラクタを通常状態において遊技者に報知すれば、新たな特別状態が発生したときには許可されたキャラクタを選択できるという期待感を遊技者に与えることができるという効果が得られる。そのため、その遊技者が遊技を止めても他の遊技者が入れ替わって遊技を開始する可能性が高くなる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、演出に登場するキャラクタを遊技者が選択可能なパチンコ遊技機(遊技機)1に関する例である。この内容について、
図1〜
図8を用いて説明する。
【0018】
本例のパチンコ遊技機1は、パチンコ玉を遊技媒体として遊技される遊技機である。このパチンコ遊技機1は、特定の入賞口への入賞(始動条件)に応じて大当たりの抽選(大当たり判定)が実行され、その結果(当否結果)を表す図柄変動が実行される、いわゆるセブン機である。大当たりに当選したときには、大当たり図柄が停止表示されて大当たり状態が発生する。
【0019】
このパチンコ遊技機1では、大当たり状態(特別状態)が終了した後、大当たり(特別役)の当選確率が高くなる確変状態を伴う時短状態(大当たりの抽選結果の報知演出の時間が短縮される状態)が発生する。この時短状態は、図柄変動が50回実行されたとき、あるいは新たな大当たり状態の発生に応じて終了する。50回の図柄変動に応じて時短状態が終了したときには、その後、遊技者にとって不利な通常状態に移行する。
【0020】
パチンコ遊技機1は、
図1に示すような外観的な構成を備えている。パチンコ遊技機1は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉13と、開閉扉13の内側の遊技盤面に形成された略円形状の遊技領域130と、遊技領域130の下部両側に配置された一対のスピーカ131と、遊技領域130の下側に設けられた上皿135及び下皿137と、上皿135の右下に配置された操作ハンドル15と、を備えている。
【0021】
開閉扉13は、パチンコ遊技機1に対面して左側のヒンジ133を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉13には、遊技領域130に対応する略円形状の透明窓139と、透明窓139の上部両側に配置された装飾ランプ部132と、が設けられている。
【0022】
上皿135は、入賞に応じて払い出された賞球や、貸玉等を受け入れるための受け皿である。上皿135は、遊技者側に向けて張り出すように形成されている。上皿135の玉は、図示しない供給通路を経由して発射装置341に供給されるようになっている。
下皿137は、上皿135の玉が一杯になったときに賞球を払い出したり、遊技者の操作に応じて上皿135の玉を回収するための受け皿である。
【0023】
本例のパチンコ遊技機1では、大当たり演出に登場させるキャラクタを選択するための選択操作手段136が、上皿135の縁部の上面に設けられている。選択操作手段136は、キャラクタの選択画面(
図6を参照して後述。)を切換表示させるための画面切換ボタン136Aと、キャラクタを決定するための決定ボタン136Bと、キャラクタを切り換えるための十字キー136Cと、により構成されている。
【0024】
遊技領域130は、遊技媒体であるパチンコ玉が流下する領域である。遊技領域130には、液晶表示部190を含む表示装置19を中心として、始動口12、通過ゲート14、大入賞装置16等が配置されている。遊技領域130の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔138が開口している。遊技領域130の右側縁部には7セグメントの表示器よりなる特図表示部181が配置され、左側縁部にはLEDよりなる普図表示部182及び普図保留表示部183が配置されている。
【0025】
通過ゲート14は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート14には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート14を玉が通過すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。普図当選確率は、通常状態では1/20、時短状態(確変状態)では1/1.01となっている。
【0026】
普図表示部182は、普図判定の結果の表示部である。普図表示部182は、LEDを点灯させることにより当選を表示し、消灯に応じてハズレを表示する。なお、普図の変動時間は、通常状態で30秒、時短状態(確変状態)で1秒となっている。
普図保留表示部183は、普図判定用に保留された抽選用乱数の表示部である。普図保留表示部183は、4つのLEDが縦に連設された表示部である。普図保留表示部183は、LEDの点灯個数により保留数(上限保留数4個)を表示する。
【0027】
特図表示部181は、大当たり判定(特別図柄の当否判定)の結果の表示部である。本例の特図表示部181は、2桁の記号を変動表示させる図柄変動の後、何れかの記号を停止表示することで大当たり判定の結果を表示する。特図表示部181に停止表示される記号(特図停止図柄)は、ハズレ及び大当たりに対応して複数パターンずつ設定され、大当たり判定の結果に応じて何れかの変動パターンが決定される。
【0028】
なお、特図表示部181で表示される記号の停止時間は1秒間と短く、一般の遊技者にとっては、特図停止図柄に応じて大当たり判定の結果を把握することは難しくなっている。遊技中では表示装置19により各種の遊技演出が実行されるので、専ら特図表示部181に注目して大当たり判定の結果を把握しようとする遊技者は少ないというのが実情である。
【0029】
始動口12は、大当たり判定の契機となる入賞口(払出3玉)である。始動口12に玉が入賞すると、大当たり判定用の抽選用乱数が抽出される。始動口12は、一対の可動羽根121を開口部120に設けた電チュー(電動チューリップ)により構成されている。
【0030】
通常時の一対の可動羽根121は、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(
図1中、点線で示す状態。)にある。この状態では、上方に向けて開口する玉1個分の隙間を介してのみ玉が入賞する可能性がある。一方、相互に離隔するように回動した一対の可動羽根121(同図中、実線で示す状態。)は、開口部120への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。このような開放状態では、始動口12への入賞が容易に発生する。始動口12の開放時間は、通常状態では0.2秒、時短状態(確変状態)では1.5秒×3回となっている。
【0031】
大入賞装置16は、大入賞口160を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。このアタッカー16は、始動口12の下側に配置されている。アタッカー16は、横長略矩形状を呈する大入賞口160と、この大入賞口160の下辺の回りを手前側に回動する蓋部材161と、を有している。アタッカー16では、遊技領域130をなす盤面と略面一をなすように蓋部材161が位置したときに大入賞口160が閉鎖状態となる。一方、蓋部材161が手前に回動したときに大入賞口160が開放状態となる。大入賞口160に入賞したときの払出は15玉となっている。
【0032】
表示装置19は、
図1のごとく、略中央に液晶表示部190が配置された装置である。液晶表示部190の表示画面190Aの下側部分には、
図2のごとく、大当たり判定用の抽選用乱数の保留数を表示する特図保留表示部192が配置されている。
【0033】
特図保留表示部192は、水平方向に配置された4箇所の表示エリア192Sにより構成されている。特図保留表示部192では、大当たり判定用の抽選用乱数の保留数(上限保留数4個)に当たる数の表示エリア192Sが点灯中のように表示される。
図2は、保留数が3個のときの特図保留表示部192を例示している。
【0034】
液晶表示部190を備える表示装置19は、演出用図柄を用いて大当たり判定の結果を3桁の数字によって報知する演出画像195(
図2参照。)を表示する表示手段、キャラクタ選択画面(
図6を参照して後述する。)を表示する手段、直近の大当たり状態下で選択可能であったキャラクタを通常状態下で報知する報知手段としての機能を備えている。
【0035】
次に、パチンコ遊技機1の電気的な構成について、
図3を用いて説明する。パチンコ遊技機1は、主回路20を中心として構成されている。主回路20に対しては、玉の払出を制御する払出制御回路33、玉の打込を制御する発射制御回路34、遊技演出を制御する演出制御部35、液晶表示部190を制御する表示制御回路36、入賞玉あるいは通過玉の検出器312〜314、始動口(電チュー)12を開放する電チューソレノイド322、アタッカー16を開放させる大入賞ソレノイド324、普図表示部182、普図保留表示部183、及び電力供給のための電源回路328等が電気的に接続されている。
【0036】
演出制御部35には、スピーカ131を駆動するアンプ351や装飾ランプ部132が電気的に接続されているほか、表示制御回路36が通信可能に接続されている。
表示制御回路36には、液晶表示部190が電気的に接続されているほか、遊技者が操作する選択操作手段136が電気的に接続されている。
【0037】
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、
図1及び
図3に示すごとく、始動口12への入賞玉を検出する始動入賞検出器312、通過ゲート14の通過玉を検出するゲート通過検出器313、及びアタッカー16への入賞玉を検出する大入賞検出器314がある。
【0038】
払出制御回路33は、入賞が発生したとき、主回路20からの指示を受けて払出装置331を制御し、所定数の玉の払出を実行させる。
発射制御回路34は、操作ハンドル15の操作量に応じて発射装置341を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
【0039】
主回路20は、
図3に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22・RAM(Random Access Memory)24、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部27、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部26、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)25等を備えている。
【0040】
RAM24は、
図3のごとく、CPU21のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM24の記憶エリアには、各4データ分の特図保留エリア241・普図保留エリア242、及び各1データ分の特図読出エリア245・普図読出エリア246が割り当てられている。
【0041】
さらに、本例では、大当たりに関する遊技データを記憶する大当たり情報記憶エリア248がRAM24の記憶エリアに割り当てられている。大当たり情報記憶エリア248には、確変状態を挟んで連続して発生した大当たり状態の発生回数である連チャン回数や、確変状態終了後の図柄変動回数等が記憶される。大当たり情報記憶エリア248の連チャン回数は、通常状態下で当選した大当たりを1回目とし、その後、通常状態に転落することなく時短状態下で大当たりに当選する毎に1回ずつ加算される。この連チャン回数は、その後、通常状態に転落したときにゼロリセットされる。
【0042】
特図保留エリア241は、大当たり判定の結果を表す保留乱数の記憶領域である。普図保留エリア242は、普図判定の保留乱数の記憶領域である。特図読出エリア245は、特図保留エリア241から読み出された保留乱数の格納領域である。普図読出エリア246は、普図保留エリア242から読み出された保留乱数の格納領域である。
【0043】
ROM22は、CPU21に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない大当たり判定用の抽選テーブル及び普図判定用の抽選テーブルを記憶している。 大当たり判定用の抽選テーブルでは、通常状態における大当たりの当選乱数、及び確変状態における大当たりの当選乱数が規定されている。確変状態の当選乱数の数は、通常状態の当選乱数の10倍に設定されており、これにより、確変状態における大当たり当選確率(1/35)は、通常状態(1/350)と比較して10倍となっている。
【0044】
さらに、ROM22には、大当たり演出(
図7を参照して後述。)に登場する可能性がある複数のキャラクタA〜Gを選択可能に許可するか禁止するかに関する許可条件テーブル及び禁止条件テーブルが格納されている。
【0045】
図4の許可条件テーブルは、各キャラクタが選択可能な状態に設定されるための許可条件がキャラクタ毎に規定されたテーブルである。本例の許可条件は、連チャン回数に基づく条件である。例えば、キャラクタB、Cについては、それぞれ、3連チャン、6連チャンという許可条件が設定されている。なお、キャラクタAについては、許可条件が規定されていない初期設定(デフォルト)のキャラクタ、つまり許可条件が未成立であっても演出に登場可能なキャラクタとなっている。
【0046】
例えば、連チャン回数が3回未満の場合、大当たり演出には専らキャラクタAが登場し、遊技者が選択する余地がない。一方、連チャン回数が3回に到達して「3連チャン」という許可条件が充足されたとき、キャラクタBが新たに選択可能な状態となり、これによりキャラクタA及びBの何れかを選択できるようになる。さらに、連チャン回数が6回に到達したときには、キャラクタA及びBに加えて、キャラクタCが新たに選択可能な状態となる。
【0047】
図5の禁止条件テーブルは、選択可能に設定されたキャラクタB〜Gを選択禁止状態に切り換える禁止条件が規定されたテーブルである。本例の禁止条件は、確変状態から通常状態に転落した後、大当たりが発生するまでの図柄変動回数と、禁止抽選の当否と、の組み合わせに基づく条件である。
【0048】
図5中の最上段の第1の禁止条件は、この図柄変動回数が100回以内であったときに禁止抽選の当選(50%の確率)に応じて成立し、キャラクタB〜Gが選択禁止状態に切り換えられるという条件である。中段の第2の禁止条件は、この図柄変動回数が101回〜300回であったときに80%の確率で成立し、キャラクタB〜Gが選択禁止状態に切り換えられるという条件である。第3の禁止条件は、この図柄変動回数が301回以上であったときに95%の確率で成立し、キャラクタB〜Gが選択禁止状態に切り換えられるという条件である。
【0049】
本例の主回路20は、
図3のごとく、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現している。
(1)抽選手段211:乱数抽出部26が抽出する抽選用乱数を取得することで抽選を実行する手段。
(2)保留手段212:大当たり判定用及び普図判定用の抽選用乱数を保留する手段。
(3)読出手段213:大当たり判定用及び普図判定用の抽選用乱数を読み出す手段。
(4)表示制御手段214:遊技者が選択したキャラクタが登場する演出画像195を表示装置19に表示させる手段。
(5)特別状態発生手段215:大当たり状態を発生させる手段。
(6)時短状態発生手段216:大当たり状態の終了後に時短状態(確変状態)を発生させる手段。
(7)許可手段217:成立した許可条件の種類に応じて、複数のキャラクタのうちのいずれかのキャラクタを選択可能に許可する手段。
(8)禁止抽選手段218A:前記禁止抽選を実行する手段。
(9)禁止手段218B:前記禁止条件が成立したとき、選択可能に許可されたキャラクタB〜Gを選択禁止とする手段。
【0050】
次に、以上のように構成された本例のパチンコ遊技機1の動作を説明する。このパチンコ遊技機1は、操作ハンドル15が右回転方向に操作されたとき、その操作量に応じた強度で玉を発射する。発射された玉は、通過ゲート14などが配置された遊技領域130を流下する。入賞しなかった玉は、遊技領域130の最下部に設けられたアウト孔138から回収される。
【0051】
玉が流下する間に通過ゲート14を通過した場合には、乱数発生部27が発生する乱数の中から普図判定用の抽選用乱数を抽出する抽選が実行される。抽選用乱数は、普図判定用の抽選テーブルと照合され、普図判定の結果が決定される。普図判定に当選した場合には、普図表示部182を構成するLEDが点滅する期間の後、点灯状態になる。ハズレの場合には、同様の期間の後、消灯状態になる。普図判定に当選した場合には、始動口(電チュー)12の可動羽根121が開放される。
【0052】
始動口12への入賞が発生した場合には、大当たり判定用の抽選用乱数を抽出することで大当たり抽選が実行される。この大当たり判定用の抽選用乱数は、特図保留エリア241に随時、格納(保留)される。ただし、特図保留エリア241の保留数が4個である場合には、特図保留エリア241に格納されることなく消去される。特図保留エリア241の保留乱数(特図保留)は、図柄変動が停止中であって、かつ、大当たり状態が発生中ではないとき、記憶されたタイミングが古いものから順番に1つずつ読み出され、特図読出エリア245に格納される。読み出された大当たり判定用の抽選用乱数については、大当たり判定用の抽選テーブルとの照合により大当たり判定を実行可能である。
【0053】
特図保留が読み出されると特図表示部181で図柄変動が開始される。このとき、特図表示部181の図柄変動に同期して、大当たり判定の結果に応じた演出画像195が表示装置19に表示される。本例の演出画像195では、演出用図柄である3つの数字を変動表示させる演出動作が実行された後、停止表示された3つの数字によって大当たり判定の結果が表示される。演出画像195中の3つの演出用図柄は、左→右→中の順番で停止する。左右に同じ演出用図柄が停止した場合には、大当たりに対する遊技者の期待感を煽るリーチ演出が実行される。
【0054】
大当たりが当選した場合、特図表示部181に所定の大当たり図柄が停止表示されると共に、3桁のゾロ目の演出用図柄を表示する演出画像195が停止表示される。その後、30秒経過するか10玉入賞するまで大入賞口160が開放されるラウンド処理が15回繰り返される大当たり状態が開始される。この大当たり状態の発生中には、キャラクタA〜Gの何れかが登場する大当たり演出が実行される。
【0055】
本例のパチンコ遊技機1では、この大当たり演出に登場させるキャラクタを遊技者が選択できる場合が設定されている。当日の営業開始後、連チャン回数(大当たり情報記憶エリア248の記憶データ)が3回に到達するまでの間は、専らキャラクタAが登場する大当たり演出が実行される。その後、連チャン回数が増えていき
図4の許可条件が満たされる毎に、対応するキャラクタが選択可能に追加される。
【0056】
例えば、連チャン回数が13回に到達したときの大当たりでは、キャラクタA〜Eが選択可能な状態となる。この状態において画面切換ボタン136Aを操作すれば、
図6に例示するキャラクタ選択画面197を表示装置19に表示できる。十字キー136Cを左右に操作すれば、選択可能なキャラクタを水平方向にスクロール表示できる。好みのキャラクタを中央に位置させてから決定ボタン136Bを操作すれば、そのキャラクタを選択可能である。本例のパチンコ遊技機1では、このようにして選択されたキャラクタが登場する大当たり演出が実行される(
図7)。
【0057】
本例のパチンコ遊技機1では、大当たり状態終了後の時短状態中に大当たりが再度発生して連チャンが継続している限り、選択可能なキャラクタがさらに増えていく。一方、時短状態中に大当たりに当選せずに通常状態に転落した場合には、選択可能なキャラクタが選択できなくなるおそれが生じる。
【0058】
ただし、連チャンが終了して通常状態に転落しても、禁止条件が成立するまでの間については、キャラクタが選択可能に許可された状態がそのまま保持される。本例のパチンコ遊技機1では、この保持状態を遊技者にアピールするため、
図8に例示する通り通常状態において、前回の大当たり演出で選択可能だったキャラクタが演出画像195の右下に配置された報知画面が表示される。
【0059】
その後、新たな大当たり当選に応じて
図5の禁止条件の何れかが成立すると、許可されたキャラクタが選択禁止状態に切り換えられる。例えば、通常状態に転落後の図柄変動回数が135回の時点で大当たりに当選した場合には、禁止抽選が実行されて80%の確率で禁止条件が成立し、これにより、キャラクタB〜Gが選択禁止状態に切り換わりキャラクタA以外の他のキャラクタが選択できなくなる。一方、新たな大当たりが当選しても前記禁止抽選がハズレとなって禁止条件が成立しなかった場合については、直前の大当たり状態で選択可能だったキャラクタが新たな大当たり状態において選択可能な状態となる。
【0060】
以上の通り、本例のパチンコ遊技機1では、連チャン回数に応じて許可されたキャラクタのうちのいずれかを選択して大当たり演出に登場させることが可能である。そのため、このパチンコ遊技機1の遊技者は、連チャンが発生して許可条件が成立したときに達成感を味わうことができ、さらに、この許可条件の成立に応じて選択可能なキャラクタが増加することで満足感や優越感を得られる。
【0061】
一方、連チャンが終了すると、許可されたキャラクタが再度、選択禁止となる場合がある。本例では、連チャンの終了に応じて通常状態に転落した後、新たな大当たりが当選するまでに要した図柄変動回数を利用した禁止条件が設定されている。それ故、連チャンが終了して通常状態に転落しても一旦、許可されたキャラクタの選択可能状態がそのまま保持され、新たな大当たりが発生したときにそのキャラクタが選択禁止になるか否かが決定される。通常状態への転落後も許可されたキャラクタの選択可能状態が保持されていれば、通常状態に転落した後も遊技を継続するように遊技者を動機付けできる。仮に、新たな大当たり当選に応じて禁止条件が成立しても、新たな大当たり状態の発生に応じて新たな連チャンに対する遊技者の期待感を高揚できる。
【0062】
本例は、許可条件として連チャン回数に基づく条件を設定した例である。これに代えて、例えば、大当たり1回分の差玉、1ラウンドでのアタッカー入賞回数、大当たり状態1回の消化時間などに基づく許可条件を設定することも良い。
なお、本例では、許可条件に関する連チャン回数について、通常状態に転落する毎にゼロリセットしている。これに代えて、通常状態に転落してもゼロリセットすることなく累積的に積算することもできる。
【0063】
大当たり状態又は時短状態の発生中に充足される可能性がある条件であって、通常状態に転落した後に成立した禁止条件を無効化するための所定条件を設定しても良い。この場合には、連チャンの終了後の新たな大当たりの当選時に禁止条件が成立しても、直前の大当たり状態で許可されていたキャラクタを新たな大当たり状態で選択可能にできる。
【0064】
禁止条件は本例に限定されない。例えば、通常状態下で図柄変動が実行される毎に毎回実行される禁止抽選に当選したことを禁止条件として設定することも良い。禁止条件の成立に応じて選択禁止にするキャラクタは、許可されたキャラクタの一部であっても良いし、全部であっても良い。一部のキャラクタを選択禁止にする場合、難易度の高いキャラクタから順番に禁止していくのが良い。
本例は、パチンコ遊技機1を対象とした実施例である。これに代えて、スロットマシンが対象であっても良い。スロットマシンの場合であれば、ボーナスゲームやAT、RT、ARTなどが特別状態に相当する。
本例では、選択したキャラクタを大当たり演出に登場させた例である。これに加えて、選択したキャラクタを予兆演出やリーチ演出等に登場させても良い。
【0065】
確変状態又は時短状態を特別状態とし、これらの状態において、選択されたキャラクタによる演出(例えば、大当たり判定の結果に応じた図柄変動など)を実行することも良い。
【0066】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。