特許第5925797号(P5925797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5925797タイヤ用電子装置に格納されたデータを読み取る方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5925797
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】タイヤ用電子装置に格納されたデータを読み取る方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/07 20060101AFI20160516BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
   G06K19/07 230
   G06K19/077 232
   G06K19/077 280
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-540424(P2013-540424)
(86)(22)【出願日】2011年11月22日
(65)【公表番号】特表2014-503879(P2014-503879A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】FR2011052721
(87)【国際公開番号】WO2012069753
(87)【国際公開日】20120531
【審査請求日】2014年10月7日
(31)【優先権主張番号】1059689
(32)【優先日】2010年11月24日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】カンパニー ジェネラレ デ エスタブリシュメンツ ミシュラン
(73)【特許権者】
【識別番号】508032479
【氏名又は名称】ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】ペノ ティエリー
【審査官】 福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−526217(JP,A)
【文献】 特開2005−138738(JP,A)
【文献】 特表平11−514467(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/111924(WO,A1)
【文献】 特表平09−509488(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02202099(EP,A1)
【文献】 特開平11−078445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/07
G06K 19/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを読み取る方法であって、前記データがタイヤ中に組み込まれた電子装置(10)内に格納され、前記電子装置(10)がデータ格納手段(20)を有し、前記データ格納手段(20)がビット形態で格納されている前記タイヤのシリアル番号用に確保されたフィールド(I6)を含むデータ格納ゾーン(22)を有する、方法において、
‐前記タイヤシリアル番号用に確保された前記フィールド(I6)内に格納されている前記データを読み取るステップと、
‐前記読み取ったデータの少なくとも一部を少なくとも1つの文字の形態に復号して前記タイヤの前記シリアル番号を突き止めるステップと、を有し、
前記シリアル番号用に確保された前記フィールド(I6)は、第1のビット数を有する第1の形式の少なくとも1つのフィールド(I6‐1,I6‐2,I6‐3,I6‐5)を含み、該フィールドは、第1の10進数に関してコード化可能であり、前記フィールド(I6)は、第2のビット数を有する第2の形式の少なくとも1つのフィールド(I6‐4)を更に含み、該フィールドは、第2の10進数に関してコード化可能であり、
前記第1の形式の各フィールド中のデータを第1の10進数の形態に復号し、各第1の10進数を文字に関連付ける、方法。
【請求項2】
前記フィールド(I6)を有する前記データ格納ゾーン(22)標準化されている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記シリアル番号用に確保された前記フィールド(I6)から読み取ったデータを、
‐前記確保されたフィールド中の前記第1及び前記第2の形式のフィールドの数、
‐前記確保されたフィールド中の前記第1及び前記第2の形式のフィールドの分布状態、
‐前記第1及び前記第2の数のビットの中から選択された少なくとも1つのパラメータの関数として復号する、請求項記載の方法。
【請求項4】
前記データ格納ゾーン(22)は、プロトコルヘッダ、フィルタ値、パーティション値、タイヤ製造業者の識別名及び項目参照の中から選択された少なくとも1つの要素用に確保された少なくとも1つのビットフィールド(I1,I2,I3,I4,I5)を有する、請求項1〜の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記データ格納手段(20)は、非標準化データ格納ゾーン(24)を更に含む、請求項1〜の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
データを書き込む方法であって、前記データがタイヤ中に組み込まれた電子装置(10)内に格納され、前記電子装置(10)がデータ格納手段(20)を有し、前記データ格納手段(20)がビット形態で格納されている前記タイヤのシリアル番号用に確保されたフィールド(I6)を含むデータ格納ゾーン(22)を有する、方法において、
‐前記タイヤの前記シリアル番号は、少なくとも1つの文字を含み、前記シリアル番号をビット状態で符号化するステップと
‐前記符号化したシリアル番号を前記フィールド(I6)に書き込むステップと、を有し
前記シリアル番号用に確保された前記フィールド(I6)は、第1のビット数を有する第1の形式の少なくとも1つのフィールド(I6‐1,I6‐2,I6‐3,I6‐5)を含み、該フィールドは、第1の10進数に関してコード化可能であり、前記フィールド(I6)は、第2のビット数を有する第2の形式の少なくとも1つのフィールド(I6‐4)を更に含み、該フィールドは、第2の10進数に関してコード化可能であり、
各文字を第1の10進数に関連付け、各第1の10進数をビット形態で符号化する、方法。
【請求項7】
前記フィールド(I6)を有する前記データ格納ゾーン(22)標準化されている、請求項記載の方法。
【請求項8】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、請求項1〜の何れか1項に記載の読み取り方法の前記ステップ又は請求項6又は7に記載の書き込み方法の前記ステップを実行させるコードの状態の命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項1〜の何れか1項に記載の方法の利用のためにタイヤに組み込まれた電子装置(12)内にビット形態で格納されたデータを読み取るためのユニットであって、前記ユニットは、前記電子装置に格納されたデータを読み取る手段と、前記読み取ったビットを少なくとも1つの文字の形態に復号する手段とを有する、ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの技術分野に関し、特に、タイヤに組み込まれるようになった電子装置に関する。
【0002】
本発明は、任意形式のタイヤ、自家用車及び特に産業車両、例えばバン、重車両、例えば軽軌条車両、バス、道路輸送車両、例えばローリ、トラクタ及びトレーラ並びにオフロード車両、例えば農業又は土木工学車両及び他の多くの輸送又は保守車両に関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術において、例えば成形によってタイヤのサイドウォール上に刻印された様々な種類のデータを有するタイヤが知られている。これらデータとしては、特に、タイヤ製造業者の識別名、タイヤの幾何学的特性、例えばフランジ幅、積荷指標又は速度コードが挙げられる。これらデータは、タイヤのシリアル番号を更に含む。このシリアル番号は、数字及び/又は数及び文字で構成された英数字のシーケンスから成っている。
【0004】
これら刻印、特にシリアル番号は、自然現象、例えば太陽光や雨により引き起こされる損傷を受ける。これら刻印は又、例えば舗装道路に対するタイヤのサイドウォールの摩擦の繰り返しによって引き起こされるタイヤに対する通常の摩耗又は摩耗の促進を受ける。最後に、これら刻印は、ゴムの新たな層を成形により既存のマーク上に被着させることによって不正に変えられる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
刻印、特にシリアル番号が見えなくなり又は変えられることにより、このことが例えばタイヤの定期検査目的のタイヤの識別を行うことができないようにするという問題が生じる。この問題は、特に、例えば保有車両群の場合に多数本のタイヤを管理しなければならない状況において生じる。
【0006】
本発明の目的は、タイヤを確実に識別することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため、本発明は、データを読み取る方法であって、データがタイヤ中に組み込まれた電子装置内に格納され、電子装置がデータ格納手段を有し、データ格納手段がビット形態で格納されているタイヤのシリアル番号用に確保されたフィールドを含むデータ格納ゾーンを有する、方法において、
‐タイヤシリアル番号用に確保されたフィールド内に格納されているデータを読み取るステップと、
‐読み取ったデータの少なくとも一部を少なくとも1つの文字の形態に復号してタイヤのシリアル番号を突き止めるステップとを有することを特徴とする方法を提案する。
【0008】
タイヤ中に組み込まれた電子装置中にデータを格納することによって、自然現象、タイヤ摩耗又は不正な変更により生じる場合のある損傷から保護する。これは、電子装置がこれが一般に埋め込まれるタイヤのゴムによって保護されるからである。さらに、タイヤの製造中、データを成形によりタイヤサイドウォール中に組み込むステップを提供することは、もはや必要でない。したがって、タイヤ製造方法が単純化される。
【0009】
この方法のオプションとしての特徴によれば、
‐タイヤのシリアル番号用に確保されたフィールドを有するデータ格納ゾーンを標準化する。好ましくは、標準化ゾーンは、SGTIN96(SGTINは、GS1により発行された文献“EPC Tag Data Standard version 1.5”に記載されているように、シリアル・グローバル・トレード・アイテム・ナンバ(Serial Global Trade Item Number)を表している)と呼ばれる専用フォーマットに適合している。かくして、最初の8つのビットは、プロトコルヘッダ(“Header”)用に確保され、次の3つのビットは、フィルタ値(“Filter”)用に確保され、次の3つのビットは、パーティション値(“Partition”)用に確保され、次の20個のビットは、タイヤ製造業者の識別名(“Company Identification”)用に確保され、次の24個のビットは、項目参照(“Item Reference”)用に確保され、最後の38個のビットは、タイヤのシリアル番号(“Serial Number”)用に確保される。
‐読み取ったデータの少なくとも一部を10進数の形態に復号し、この10進数を少なくとも1つの文字に関連付ける。ビットから復号した数を例えば照合表の利用によって用いると、どの文字が読み取ったデータの一部に相当しているかを突き止めることができる。明らかなこととして、より複雑な復号ステップを利用することができる。注目されるべきこととして、「10進数」という用語は、1つ又は2つ以上の数字の並置によって形成される数全体を意味するものとし、この場合、各数字は、0から9までの整数である。加うるに、「10進数を文字に関連付ける」という表現は、1つの10進数が1つ以下の文字に対応していることを意味すると解される。
‐シリアル番号用に確保されたフィールドは、第1のビット数を有する第1の形式の少なくとも1つのフィールドを含み、このフィールドは、第1の10進数に関してコード化可能であり、フィールドは、第2のビット数を有する第2の形式の少なくとも1つのフィールドを更に含み、このフィールドは、第2の10進数に関してコード化可能である。各ビットフィールドは、次の特性、即ち、開始ビット、フィールド中のビット数及び最終のビットのうちの少なくとも1つによって定められる。
‐第1の形式の各フィールド中のデータを第1の10進数の形態に復号し、各第1の10進数を文字に関連付ける。かくして、ねじ及び数字から成るタイヤシリアル番号を容易に復号することができる。
【0010】
有利には、シリアル番号用に確保されたフィールドから読み取ったデータを、
‐確保フィールド中の第1及び第2の形式のフィールドの数、
‐確保されたフィールド中の第1及び第2の形式のフィールドの分布状態、
‐第1及び第2のビット数の中から選択された少なくとも1つのパラメータの関数として復号する。
【0011】
オプションとして、標準化格納ゾーンは、プロトコルヘッダ、フィルタ値、パーティション値、タイヤ製造業者の識別名及び項目参照の中から選択された少なくとも1つの要素用に確保された少なくとも1つのビットフィールドを有する。
【0012】
この方法の別のオプションとしての特徴によれば、格納手段は、非標準化データ格納ゾーンを更に含む。
【0013】
かかる非標準化ゾーンは、任意特定のフォーマットに従っているわけではない。非標準化ゾーンは、一般に、タイヤに直接関連した情報以外の情報を格納するよう自動車製造業者によって使用される。したがって、自動車製造業者は、この非標準化ゾーン内に最大量のデータを格納するために非標準化ゾーン全体にアクセスすることが重要である。
【0014】
本発明は、更に、データ書き込み方法であって、データがタイヤ中に組み込まれた電子装置内に格納され、電子装置がデータ格納手段を有し、データ格納手段がビット形態で格納されているタイヤのシリアル番号用に確保されたフィールドを含むデータ格納ゾーンを有する、方法において、
‐タイヤのシリアル番号は、少なくとも1つの文字を含み、シリアル番号をビット状態で符号化し、
‐符号化したシリアル番号を確保フィールドに書き込むことを特徴とする方法を提案する。
【0015】
この方法の別のオプションとしての特徴によれば、
‐タイヤのシリアル番号用に確保されたフィールドを有するデータ格納ゾーンを標準化する。好ましくは、標準化ゾーンは、SGTIN96(SGTINは、GS1により発行された文献“EPC Tag Data Standard version 1.5”に記載されているように、シリアル・グローバル・トレード・アイテム・ナンバ(Serial Global Trade Item Number)を表している)と呼ばれる専用フォーマットに適合している。
‐シリアル番号用に確保されたフィールドは、第1のビット数を有する第1の形式の少なくとも1つのフィールドを含み、このフィールドは、第1の10進数に関してコード化可能であり、フィールドは、第2のビット数を有する第2の形式の少なくとも1つのフィールドを更に含み、このフィールドは、第2の10進数に関してコード化可能である。各ビットフィールドは、次の特性、即ち、開始ビット、フィールド中のビット数及び最終のビットのうちの少なくとも1つによって定められる。
‐各文字を第1の10進数に関連付け、各第1の10進数をビット形態で符号化する。かくして、文字及び数を含むタイヤシリアル番号を容易に復号することができる。
【0016】
本発明は又、コンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、上述の読み取り方法又は書き込み方法のステップを実行させるコードの状態の命令を含むことを特徴とするコンピュータプログラムを提案する。
【0017】
本発明は更に、上述の方法の利用のためにタイヤに組み込まれた電子装置内にビット形態で格納されたデータを読み取るためのユニットであって、ユニットは、電子装置に格納されたデータを読み取る手段と、読み取ったビットを少なくとも1つの文字の形態に復号する手段とを有することを特徴とするユニットを提案する。
【0018】
本発明は、非限定的な例によってのみ提供され、図面を参照する以下の説明から明らかに理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】タイヤの電子装置を示す図である。
図2図1の電子装置のデータ格納手段の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、全体を符号10で示された第1の実施形態としての電子装置を示す図である。
【0021】
電子装置10は、電子部材12及びダイポールを形成する2つのアンテナ14を有する。電子部材12は、支持体18に固定されたRFIDチップ16を有する。各アンテナ10は、形状が螺旋である。
【0022】
電子部材12は、図2に概略的に示されたデータ格納手段20を有する。データ格納手段20は、この場合、標準化識別番号を格納するために用いられる標準化データ格納ゾーン22及び非標準化データ格納ゾーン24を含む。標準化ゾーン22中のデータは、96ビットで格納されている。標準化ゾーン22は、U2と呼ばれるゾーンであり、非標準化ゾーン24は、「ユーザメモリ」と呼ばれるゾーンである。
【0023】
標準化ゾーン22は、ビット形態で格納されたデータのための確保フィールドI1〜I6を有する。各フィールドI1〜I6は、それぞれ、プロトコルヘッダ(“Header”)、フィルタ値(“Filter”)、パーティション値(“Partition”)、タイヤ製造業者の識別名(“Company Identification”)、項目参照(“Item Reference”)、タイヤのシリアル番号(“Serial Number”)用に確保される。各フィールドI1〜I6は、それぞれ、8ビット、3ビット、3ビット、20ビット、24ビット、38ビットから成る。
【0024】
シリアル番号用に確保されたフィールドI6は、デフォルトでは0に等しいビットにより形成されたフィールドI6‐0を含む。この実施例では、シリアル番号用に確保されたフィールドI6は、S1=第1の形式の4つのフィールドI6‐1,I6‐2,I6‐3,I6‐5を含み、各フィールドは、ビットの第1の数N1を含み、各フィールドI6‐1,I6‐2,I6‐3,I6‐5は、0から31までの数字に関してコード化可能である。この場合、N1=5である。したがって、フィールドI6‐1,I6‐2,I6‐3,I6‐5は、全部で20個のビットから成る。シリアル番号用に確保されたフィールドI6は、S2=第2の形式の1つのフィールドI6‐4を更に含み、このフィールドは、ビットの第2の数N2を含み、フィールドI6‐4は、0から131071までの数字に関してコード化可能である。この場合、N2=17である。したがって、フィールドI6‐4は、全部で17個のビットから成る。
【0025】
非標準化ゾーン24も又、ビット形態で格納されたデータのフィールドを有する。
【0026】
この場合、標準化ゾーン22は、00110000000110000101010010101010110000000011101001110011010110000100101100011011010110001110000を含み、これらビットは、データ4806086699059853LDV28003Pについてコード化可能である。この場合、LDV28003Pは、タイヤのシリアル番号に該当している。
【0027】
次に、電子装置10に格納されたデータを読み取る方法について説明する。
【0028】
電子装置10は、タイヤのゴム、例えばタイヤのサイドウォールを形成するゴム塊中に埋め込まれている。電子装置10内に格納されているデータを読み取る手段を有するデータ読み取りユニットが使用される。データ読み取りユニットは、電子装置12のデータ格納手段20から読み取ったビットを復号する手段を更に有する。かくして、復号手段は、ビットを10進数フォーマットに復号するモジュール及び10進数及び/又は数字を少なくとも1つの文字に復号する手段を含む。
【0029】
読み取りユニットは、標準化ゾーン内に格納されたデータを読み取るために用いられる。
【0030】
各確保フィールドI1〜I5に格納されたデータを読み取る。各フィールドI1,I2,I3,I4,I5、即ち、それぞれ、00110000,000,110,00010101001010101011で読み取られたデータをそれぞれ、10進数、即ち、それぞれ48,0,6,086699,059853の形態に復号する。
【0031】
シリアル番号用に確保されたフィールドI6に格納されているデータも又読み取る。フィールドI6で読み取られたデータの少なくとも一部を少なくとも1つの文字の形態に復号してタイヤのシリアル番号を突き止める。この場合、読み取ったデータを最初に、以下のパラメータの関数として10進数の形態に復号する。
‐確保したフィールドI6内の第1及び第2の形式のフィールドの数S、S2、
‐確保したフィールドI6内の第1及び第2の形式のフィールドI6‐1,I6‐2,I6‐3,I6‐4,I6‐5の分布状態、
‐確保したフィールドI6内の第1及び第2の形式のビットの数N1,N2。
【0032】
この場合、S1=4及びS2=1であることが知られている。また、フィールドは、次の順序、即ち、I6‐1−I6‐2−I6‐3−I6‐4−I6‐5で分布されており、この場合、I6‐1,I6‐2,I6‐3,I6‐5は、第1の形式のフィールドであり、I6‐4は、第2の形式のフィールドであることが知られている。また、N1=5及びN2=17であることが知られている。最後に、フィールドI6‐0の第1のビットは、デフォルトにより0に等しいことが知られている。
【0033】
したがって、各フィールドI6‐1,I6‐2,I6‐3,I6‐4,I6‐5で読み取ったデータ、この場合、それぞれ、01100,00100,10110,00110110101100011,10000は、10進数の形態に、この場合、それぞれ、12,4,22,28003,16の形態に復号する。次に、第1の形式のフィールドで読み取った各10進数を照合表を用いて文字に関連付ける。この場合、以下の表1を用いる。
表1:シリアル番号のために確保されたフィールド中の数字と文字の照合
【0034】
かくして、各フィールドI6‐1,I6‐2,I6‐3,I6‐5に格納されたデータは、それぞれ、文字L,D,V,Pについてコード化可能である。したがって、タイヤのシリアル番号は、LDV28003Pであることが分かる。
【0035】
次に、格納手段20にデータを書き込む方法について説明する。データ48 0 6 086699 059853 LDV28003Pが標準化ゾーン22に書き込まれるべきであり、この場合、データ48,0,6,086699,059853,LDV28003Pは、それぞれ、プロトコルヘッダ,フィルタ値,パーティション値,タイヤ製造業者の識別名,項目参照,シリアル番号に該当する。
【0036】
上述の読み取り方法の順序と逆の順序で続けて、データ、特にシリアル番号をビットの状態で符号化する。かくして、上述の10進数及び文字を特に表1に基づいて符号化して次のビット、即ち、00110000 000 110 00010101001010101011000000001110100111001101 0110000100101100011011010110001110000を提供する。
【0037】
本発明の方法の全て若しくは一部又はその任意の部分をコードで表された命令の使用によって適用すると、命令がコンピュータ上で実行されたときにこの方法のステップを実行させることができる。命令は、データ記録媒体、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、CD又はDVD上に記録されたコンピュータプログラムに源を発するのが良い。この種のプログラムを電気通信ネットワーク、好ましくはワイヤレスネットワーク、例えばインターネット(Internet)又はイントラネット(Intranet)からダウンロードするために利用できるよう構成することが可能である。かくして、プログラムのアップデートは、かかるネットワークによってこれに接続されているコンピュータに送信可能である。
【0038】
本発明は、上述の実施形態には限定されない。
【0039】
電子部材は、受動型であっても良く、即ち、電子チップに入っているデータを読み取りユニットに送るようになっていても良く、或いは、能動型であっても良く、即ち、かかるデータを読み取りユニットに送るためにセンサによって送られたデータを受信するようになっていても良い。この種の能動型部材は、特に、マイクロプロセッサ及びメモリを有するのが良い。
【0040】
他の数と文字の照合表を用いることができる。
図1
図2