【文献】
M.Bhatnagar et al.,"For high-speed wireless networks broadband and high-gain E-shaped microstrip antennas",Emerging Trends in Electronic and Photonic Devices & Systems, 2009. ELECTRO '09. International Conference on,2009年,pp.300 - 302
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ワイヤレスデバイスの第1の平面上に形成され、ビームフォーミングを用いて得られた第1のアンテナビームに関連するアンテナ素子の第1のセットと、ここにおいて、アンテナ素子の前記第1のセットの複素利得のセット中の1つの複素利得は、送信セクション中の1つの乗算器を省略するために、固定値を有する、
前記ワイヤレスデバイスの第2の平面上に形成されたアンテナ素子の第2のセットと、
を備える装置であって、前記第1の平面と前記第2の平面とが異なる空間的方向を向く、装置。
アンテナ素子の前記第2のセットが、アンテナ素子の前記第2のセットの複素利得の第2のセットによるビームフォーミングを用いて得られた第2のアンテナビームに関連する、請求項2に記載の装置。
アンテナ素子の前記第1のセットが、前記第1のアンテナビームによって出力信号を放射し、アンテナ素子の前記第2のセットが、第2のアンテナビームによって前記出力信号を放射する、請求項1に記載の装置。
第1の出力信号に基づいて生成された入力信号の第1のセットを受信することと、アンテナ素子の前記第1のセットによる送信のための出力無線周波(RF)信号の第1のセットを与えることとを行うように構成された電力増幅器の第1のセットと、
第2の出力信号または前記第1の出力信号に基づいて生成された入力信号の第2のセットを受信することと、アンテナ素子の前記第2のセットによる送信のための出力RF信号の第2のセットを与えることとを行うように構成された電力増幅器の第2のセットとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
アンテナ素子の前記第1のセットからの受信無線周波(RF)信号の第1のセットを受信することと、増幅された信号の第1のセットを与えることとを行うように構成された低雑音増幅器(LNA)の第1のセットと、
アンテナ素子の前記第2のセットからの受信RF信号の第2のセットを受信することと、増幅された信号の第2のセットを与えることとを行うように構成されたLNAの第2のセットとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
アンテナ素子の前記第1のセットがガラス基板の第1の面上に形成され、アンテナ素子の前記第2のセットが前記ガラス基板の第2の面上に形成された、請求項1に記載の装置。
アンテナ素子の前記第1のセットのための異なるアンテナビームに関連する複素利得の複数のセットを記憶するように構成されたメモリをさらに備え、複素利得の前記第1のセットが複素利得の前記複数のセットのうちの1つである、請求項2に記載の装置。
アンテナ素子の前記第1のセットと前記第2のセットとが、40ギガヘルツ(GHz)と300GHzとの間のミリメートル波周波数で動作する、請求項1に記載の装置。
ワイヤレスデバイスの第1の平面上に形成されたアンテナ素子の第1のセットからビームフォーミングを用いて第1の信号を送信することと、ここにおいて、アンテナ素子の前記第1のセットの複素利得のセット中の1つの複素利得は、送信セクション中の1つの乗算器を省略するために、固定値を有する、
前記ワイヤレスデバイスの第2の平面上に形成されたアンテナ素子の第2のセットから第2の信号を送信することと
を備える方法であって、前記第1の平面と前記第2の平面とが異なる空間的方向を向く、方法。
前記第1の信号が、アンテナ素子の前記第1のセットの複素利得の第1のセットによるビームフォーミングを用いて送信され、前記第2の信号が、アンテナ素子の前記第2のセットの複素利得の第2のセットによるビームフォーミングを用いて送信される、請求項15に記載の方法。
ワイヤレスデバイスの第1の平面上に形成されたアンテナ素子の第1のセットからビームフォーミングを用いて第1の信号を送信するための手段と、ここにおいて、アンテナ素子の前記第1のセットの複素利得のセット中の1つの複素利得は、送信セクション中の1つの乗算器を省略するために、固定値を有する、
前記ワイヤレスデバイスの第2の平面上に形成されたアンテナ素子の第2のセットから第2の信号を送信するための手段と
を備える装置であって、前記第1の平面と前記第2の平面とが異なる空間的方向を向く、装置。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0016]以下に示す発明を実施するための形態は、本開示の例示的な設計を説明するものであり、本開示が実施され得る唯一の設計を表すものではない。「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用する。「例示的」として本明細書で説明するいかなる設計も、必ずしも他の設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。発明を実施するための形態は、本開示の例示的な設計の完全な理解を与えるための具体的な詳細を含む。本明細書で説明する例示的な設計はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、本明細書で提示する例示的な設計の新規性を不明瞭にしないように、よく知られている構造およびデバイスをブロック図の形式で示す。
【0006】
[0017]3Dアンテナシステムをもつワイヤレスデバイスについて本明細書で説明する。3Dアンテナシステムは、異なる空間的方向を向く複数の平面上、たとえば、ワイヤレスデバイスの2つ以上の面上に形成されたアンテナ素子を含むアンテナシステムである。平面は、平面に直交する空間的方向を「向き(point)」得る。「を向く(point in)」と「を向く(point at)」という句は本明細書で互換的に使用される。3Dアンテナシステムをもつワイヤレスデバイスは、ワイヤレス通信をサポートする任意のエレクトロニクスデバイスであり得る。
【0007】
[0018]
図1に、異なるワイヤレス通信システム120および122と通信することが可能なワイヤレスデバイス110を示す。ワイヤレスシステム120は、(広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、cdma2000、またはCDMAのいくつかの他のバージョンを実装し得る)符号分割多元接続(CDMA)システム、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))システム、Long Term Evolution(LTE)システムなどであり得る。ワイヤレスシステム122は、IEEE802.11などを実装し得るワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システムであり得る。簡単のために、
図1に、1つの基地局130と1つのシステムコントローラ140とを含むワイヤレスシステム120と、1つのアクセスポイント132と1つのルータ142とを含むワイヤレスシステム122とを示す。概して、各システムは、任意の数の局と、ネットワークエンティティの任意のセットとを含み得る。
【0008】
[0019]ワイヤレスデバイス110は、ユーザ機器(UE)、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局などと呼ばれることもある。ワイヤレスデバイス110は、セルラーフォン、スマートフォン、タブレット、ワイヤレスモデム、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、スマートブック、ネットブック、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、Bluetooth(登録商標)デバイスなどであり得る。ワイヤレスデバイス110は、任意の数のアンテナを装備し得る。より良い性能を与えること、複数のサービス(たとえば、ボイスおよびデータ)を同時にサポートすること、有害な経路効果(たとえば、フェージング、マルチパス、および干渉)に対してダイバーシティを与えること、データレートを増加させるために多入力多出力(MIMO)送信をサポートすること、および/または他の利益を得ることを行うために、複数のアンテナが使用され得る。ワイヤレスデバイス110はワイヤレスシステム120および/または122と通信することが可能であり得る。ワイヤレスデバイス110はまた、放送局(たとえば、放送局134)から信号を受信することが可能であり得る。ワイヤレスデバイス110はまた、1つまたは複数のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS:global navigation satellite systems)中の衛星(たとえば、衛星150)から信号を受信することが可能であり得る。
【0009】
[0020]概して、ワイヤレスデバイス110は、WCDMA、cdma2000、LTE、GSM、802.11、GPSなどの任意の無線技術を採用し得る、任意の数のワイヤレスシステムとの通信をサポートし得る。ワイヤレスデバイス110はまた、任意の数の周波数帯域上での動作をサポートし得る。
【0010】
[0021]ワイヤレスデバイス110は、たとえば、40〜300ギガヘルツ(GHz)のミリメートル(mm)波周波数内の、超短波での動作をサポートし得る。たとえば、ワイヤレスデバイス110は、802.11adの場合、60GHzで動作し得る。ワイヤレスデバイス110は、ミリ波周波数での動作をサポートするためのアンテナシステムを含み得る。アンテナシステムはいくつかのアンテナ素子を含み得、各アンテナ素子は、信号を送信および/または受信するために使用される。「アンテナ」と「アンテナ素子」という用語は同義であり、本明細書では互換的に使用される。各アンテナ素子は、パッチアンテナ、ダイポールアンテナ、または何らかの他のタイプのアンテナを用いて実装され得る。ワイヤレスデバイスの動作周波数、所望の性能などに基づいて、使用するために好適なアンテナタイプが選択され得る。例示的な設計では、アンテナシステムは、ミリ波周波数での動作をサポートするいくつかのパッチアンテナを含み得る。
【0011】
[0022]
図2に、2Dアンテナシステム220をもつワイヤレスデバイス210の例示的な設計を示す。この例示的な設計では、アンテナシステム220は、ワイヤレスデバイス210の前面に対応する単一の平面上に形成された4つのパッチアンテナ232の2×2アレイ230を含む。パッチアンテナアレイ230は、パッチアンテナ232が形成された平面に直交する方向を向くアンテナビーム250を有する。ワイヤレスデバイス210は、アンテナビーム250内に位置する他のデバイス(たとえば、アクセスポイント)に直接信号を送信することができ、また、アンテナビーム250内に位置する他のデバイスから直接信号を受信することができる。したがって、アンテナビーム250はワイヤレスデバイス210の見通し線(LOS)カバレージを表す。
【0012】
[0023]アクセスポイント290(すなわち、別のデバイス)はワイヤレスデバイス210のLOSカバレージ内に配置され得る。ワイヤレスデバイス210は、見通し線(LOS)経路252を介してアクセスポイント290に信号を送信することができる。別のアクセスポイント292はワイヤレスデバイス210のLOSカバレージ外に配置され得る。ワイヤレスデバイス210は、ワイヤレスデバイス210から壁280への直接経路256と、壁280からアクセスポイント292への反射経路258とを含む非見通し線(NLOS)経路254を介してアクセスポイント292に信号を送信することができる。
【0013】
[0024]概して、たとえば、
図2に示すように、ワイヤレスデバイス210は、アンテナビーム250内に位置する別のデバイスにLOS経路を介して信号を直接送信することができる。この信号は、LOS経路を介して受信されたときに電力損失がはるかに低くなり得る。低い電力損失により、ワイヤレスデバイス210はより低い電力レベルで信号を送信することが可能になり得、それにより、ワイヤレスデバイス210はバッテリー電力を温存し、バッテリー寿命を延長することが可能になり得る。
【0014】
[0025]たとえば、同じく
図2に示すように、ワイヤレスデバイス210は、アンテナビーム250外に位置する別のデバイスにNLOS経路を介して信号を送信することができる。信号エネルギーの大部分はNLOS経路中の1つまたは複数の物体によって反射、吸収、および/または散乱され得るので、この信号は、NLOS経路を介して受信されたときに電力損失がはるかに高くなり得る。信号がNLOS経路を介して確実に受信され得ることを保証するために、ワイヤレスデバイス210は高電力レベルで信号を送信することができる。しかしながら、ワイヤレスデバイス210は、高電力レベルで信号を送信するために過剰なバッテリー電力を消費し得る。
【0015】
[0026]アンテナ素子は、ワイヤレスデバイスの面に対応する平面上に形成され得、信号を送信および/または受信するために使用され得る。アンテナ素子は、アンテナ素子の設計および実装形態に依存し得る、特定のアンテナビームパターンおよび特定の最大アンテナ利得を有し得る。複数のアンテナ素子が同じ平面上に形成され、アンテナ利得を改善するために使用され得る。(i)ミリ波周波数では高電力を効率的に生成することが困難であり、(ii)ミリ波周波数では減衰損失がより大きくなり得るので、ミリ波周波数では、より高いアンテナ利得が特に望ましいことがある。各アンテナ素子は、アンテナ素子の指向性(directivity)により、限定されたLOSカバレージエリアを有し得る。複数のアンテナ素子から構成されたアンテナシステムも、限定されたLOSカバレージエリアを有することになる。LOSカバレージエリア外のエリアは反射信号によってカバーされ得るが、NLOSカバレージエリア中では信号強度は弱くなり得る。したがって、可能な場合、より大きいLOSカバレージエリアを有することが好ましい。
【0016】
[0027]一態様では、ワイヤレスデバイスは、LOSカバレージを改善し、性能を向上させるために、3Dアンテナシステムを含み得る。3Dアンテナシステムは、異なる空間的方向を向く複数の平面上に形成されたアンテナ素子を含み得る。その場合、3Dアンテナシステムは、アンテナ素子が形成された複数の平面に対応する複数のアンテナビームを有することになる。平面ごとにアンテナビームは、異なるLOSカバレージエリアをカバーすることになる。複数のアンテナビームは、より大きい全体的LOSカバレージエリアをワイヤレスデバイスに与えることができる。また、異なる空間的方向を向くアンテナビームが、いくつかのアンテナビームのより良い信号反射により、より高い電力レベルの反射信号を生じ得るので、NLOSカバレージは改善し得る。
【0017】
[0028]
図3に、3Dアンテナシステム320をもつワイヤレスデバイス310の例示的な設計を示す。この例示的な設計では、アンテナシステム320は、(i)ワイヤレスデバイス310の前面に対応する第1の平面上に形成された4つのパッチアンテナ332の2×2アレイ330と、(ii)ワイヤレスデバイス310の上面に対応する第2の平面上に形成された4つのパッチアンテナ342の2×2アレイ340とを含む。アンテナアレイ330は、パッチアンテナ332が形成された第1の平面に直交する方向を向くアンテナビーム350を有する。アンテナアレイ340は、パッチアンテナ342が形成された第2の平面に直交する方向を向くアンテナビーム360を有する。したがって、アンテナビーム350および360はワイヤレスデバイス310のLOSカバレージを表す。
【0018】
[0029]アクセスポイント390(すなわち、別のデバイス)は、アンテナビーム350のLOSカバレージ内であるが、アンテナビーム360のLOSカバレージ外に配置され得る。ワイヤレスデバイス310は、アンテナビーム350内のLOS経路352を介してアクセスポイント390に第1の信号を送信することができる。別のアクセスポイント392は、アンテナビーム360のLOSカバレージ内であるが、アンテナビーム350のLOSカバレージ外に配置され得る。ワイヤレスデバイス310は、アンテナビーム360内のLOS経路362を介してアクセスポイント392に第2の信号を送信することができる。ワイヤレスデバイス310は、直接経路356と壁380による反射経路358とから構成されたNLOS経路354を介してアクセスポイント392に信号を送信することができる。アクセスポイント392は、NLOS経路354を介した信号よりも高い電力レベルで、LOS経路362を介した信号を受信し得る。
【0019】
[0030]
図2および
図3に示すように、ワイヤレスデバイス310のLOSカバレージは、複数の平面上に形成されたアンテナ素子を有する3Dアンテナシステムを使用することによって拡張され得る。これにより、ワイヤレスデバイス310は同時に複数の他のデバイスに信号を送信することが可能になり得る。また、これにより、ワイヤレスデバイス310は、より多くのシナリオでは、より低い電力レベルで信号を送信することが可能になり得、それにより、ワイヤレスデバイス310はバッテリー電力を温存し、バッテリー寿命を延長することが可能になり得る。
【0020】
[0031]また、ワイヤレスデバイス310のNLOSカバレージは、3Dアンテナシステム320を使用することによって改善され得る。異なるアンテナビームによって送信される信号は、異なる物体に遭遇し得、異なる方向に反射および/または散乱され得る。これにより、ワイヤレスデバイス310からの信号がより多くのロケーションにおいておよび/またはより高い電力レベルで受信されることが可能になり得、それによりワイヤレスデバイス310のカバレージが改善され得る。
【0021】
[0032]
図3に、2つの平面上に形成された2つの2×2アンテナアレイ330および340を備える3Dアンテナシステムの例示的な設計を示す。概して、3Dアンテナシステムは、異なる空間的方向を向く任意の数の平面上に形成された任意の数のアンテナ素子を含み得る。平面は、互いに直交することも、しないこともある。任意の数のアンテナが各平面上に形成され得、任意の構成で構成され得る。より多くの平面上のアンテナを使用することは、LOSカバレージおよび場合によってはNLOSカバレージを改善し得る。
【0022】
[0033]
図4Aに、3Dアンテナシステム420aをもつワイヤレスデバイス410aの例示的な設計を示す。この例示的な設計では、アンテナシステム420aは、(i)ワイヤレスデバイス410aの前面に対応する第1の平面上に形成された8つのパッチアンテナ432の4×2アレイ430と、(ii)ワイヤレスデバイス410aの上面に対応する第2の平面上に形成された8つのパッチアンテナ442の4×2アレイ440とを含む。アンテナアレイ430は、パッチアンテナ432が形成された第1の平面に直交する方向を向く第1のアンテナビームを有する。アンテナアレイ440は、パッチアンテナ442が形成された第2の平面に直交する方向を向く第2のアンテナビームを有する。
【0023】
[0034]
図4Bに、3Dアンテナシステム420bをもつワイヤレスデバイス410bの例示的な設計を示す。この例示的な設計では、
図4A中の3Dアンテナシステム420aと同様に、アンテナシステム420bは、8つのパッチアンテナ432の4×2アレイ430と、8つのパッチアンテナ442の4×2アレイ440とを含む。3Dアンテナシステム420bはさらに、(i)ワイヤレスデバイス410bの左側面に対応する第3の平面上に形成された4つのパッチアンテナ452の4×2アレイ450と、(ii)ワイヤレスデバイス410bの右側面に対応する第4の平面上に形成された4つのパッチアンテナの2×2アレイ460(
図4B中では見えない)とを含む。アンテナアレイ430、440、450および460は、異なる空間的方向を向く4つのアンテナビームを有する。
【0024】
[0035]
図4Aおよび
図4Bに、3Dアンテナシステムの2つの例示的な設計を示す。3Dアンテナシステムは他の方法でも実装され得る。たとえば、3Dアンテナシステムは、前面と2つの側面と(ただし上面ではない)の上のアンテナアレイ、または前面と背面と(ただし上面または側面ではない)の上のアンテナアレイ、または前面と背面と2つの側面と(ただし上面ではない)の上のアンテナアレイ、または前面と背面と上面と2つの側面との上のアンテナアレイを含み得る。3Dアンテナシステムはまた、(パッチアンテナではなく)他のタイプのアンテナおよび/または(2Dアレイではなく)他の構成で構成されたアンテナを含み得る。
【0025】
[0036]概して、3Dアンテナシステムは、任意のタイプのアンテナまたはタイプの任意の組合せを含み得る。たとえば、3Dアンテナシステムは、パッチアンテナ、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ、ストリップラインアンテナ、プリントダイポールアンテナ、反転Fアンテナ、平面反転Fアンテナ(PIFA:planar inverted F antenna)、分極パッチ、(接地平面のない不規則形状のフラットアンテナである)プレートアンテナ、半波長アンテナ、1/4波アンテナなどを含み得る。パッチアンテナは平面アンテナと呼ばれることもある。ダイポールアンテナはホイップアンテナ(whip antenna)と呼ばれることもある。3Dアンテナシステムのための使用に好適なタイプのアンテナは、ワイヤレスデバイスの動作周波数、所望の性能など様々なファクタに基づいて選択され得る。60GHzでの使用(たとえば、802.11adの場合)に好適なパッチアンテナのいくつかの例示的な設計について以下で説明する。
【0026】
[0037]
図5Aに、ミリ波周波数に好適なパッチアンテナ510の例示的な設計を示す。パッチアンテナ510は、接地平面514上に形成された導電性パッチ512を含む。パッチ512は、所望の動作周波数に基づいて選択された寸法(たとえば、1.55×1.55mm)を有する。接地平面514は、パッチアンテナ510の所望の指向性を与えるために選択された寸法(たとえば、2.5×2.5mm)を有する。また、より大きい接地平面は、より小さいバックローブ(backlobes)を生じる。給電点(feedpoint)516は、パッチ512の中心の近くに位置し、出力RF信号が送信のためにパッチアンテナ510に印加される点である。給電点516の位置は、給電路(feedline)に所望のインピーダンス整合を与えるように選択され得る。
【0027】
[0038]
図5Bに、
図5A中のパッチアンテナ510のアンテナビームパターン520のプロットを示す。アンテナビームパターン520は、パッチアンテナ510が形成されたx−y平面に直交するz方向を向く球形のメインローブ(main lobe)を有する。最大アンテナ利得は、パッチ512の中心からz方向に沿って、アイソトロピックに対してほぼ7デシベル(dBi)である。
【0028】
[0039]
図5Cに、
図5A中のパッチアンテナ510の周波数応答のプロット530を示す。
図5Cにおいて、垂直軸は、デシベル(dB)単位での反射損失を表し、水平軸は、GHz単位での周波数を表す。
図5Cに示すように、パッチアンテナ510は、ほぼ60GHzを中心とするほぼ1.2GHzの帯域幅を有する。帯域幅は、反射損失がターゲット反射損失よりも低い/良い周波数レンジに対応し、反射損失は
図5Cでは−10dBであり得る。
【0029】
[0040]
図6Aに、ミリ波周波数に好適なパッチアンテナ610の例示的な設計を示す。パッチアンテナ610は、接地平面614上に形成された導電性E字形パッチ612を含む。パッチ612は、所望の動作周波数に基づいて選択された寸法(たとえば、1.37×2.10mm)を有する。パッチ618aおよび618bの各々は、所望の周波数応答に基づいて選択された寸法(たとえば、1.00×0.26mm)を有する。接地平面614は、所望の指向性を与えるために選択された寸法(たとえば、5.0×5.0mm)を有する。給電点616は、パッチ612の中心の近くに位置し、出力RF信号がパッチアンテナ610に印加される点である。給電点616の位置は、所望のインピーダンス整合を与えるように選択される。
【0030】
[0041]
図6Bに、
図6A中のパッチアンテナ610のアンテナビームパターン620のプロットを示す。アンテナビームパターン620は、パッチアンテナ610が形成されたx−y平面に直交するz方向を向く球形のメインローブを有する。最大アンテナ利得は、パッチ612の中心からz方向に沿ってほぼ8dBiである。
【0031】
[0042]
図6Cに、
図6A中のパッチアンテナ610の周波数応答のプロット630を示す。
図6Cに示すように、パッチアンテナ610は、ほぼ60GHzを中心とするほぼ10GHzの帯域幅を有する。8.64GHz帯域幅上で動作する802.11adの場合、この帯域幅は十分以上である。
図6A中のE字形パッチアンテナ610は、
図5A中の正方形パッチアンテナ510よりもはるかに広い帯域幅を有する。
【0032】
[0043]
図5Aおよび
図6Aに、2つの例示的なパッチアンテナ設計を示す。パッチアンテナは、長方形形状、円形形状、楕円形形状、H字形状、O字形状、T字形状、V字形状、W字形状、X字形状、Y字形状、Z字形状など、他の形状で実装され得る。異なる形状は、異なる帯域幅および/または異なるアンテナビームパターンに関連し得る。好適なパッチ形状は、所望の性能、たとえば、所望の帯域幅に基づいて選択され得る。概して、アンテナビームパターン、帯域幅、最大アンテナ利得など、アンテナの様々な特性は、アンテナの形状および寸法、アンテナを実装するために使用される材料など、様々なファクタに依存し得る。
【0033】
[0044]複数のパッチアンテナが様々な構成で構成されて、アンテナアレイを形成し得る。異なるアレイ構成は、異なるアンテナビームパターンおよび異なる最大アンテナ利得に関連し得る。
【0034】
[0045]
図7Aに、直線に配置された4つのパッチアンテナ720a〜720dから構成された4×1アンテナアレイ710の例示的な設計を示す。各パッチアンテナ720は、
図5Aに示す正方形パッチアンテナ510、
図6Aに示すE字形パッチアンテナ610、または何らかの他の形状のパッチアンテナを用いて実装され得る。隣接するパッチアンテナ720は、2.5、3、4、5、10、20mmなどであり得る距離dだけ分離される。異なるアンテナビームパターンは、異なる分離距離を用いて得られ得る。
【0035】
[0046]
図7Bに、y−z平面での、
図7A中のパッチアンテナ710のアンテナビームパターン730のプロットを示す。アンテナビームパターン730は、パッチアンテナ720が形成されたx−y平面に直交するz方向を向くメインローブを有する。
【0036】
[0047]
図7Cに、x−z平面での、
図7A中のパッチアンテナ710のアンテナビームパターン740のプロットを示す。アンテナビームパターン740は、z方向を向くメインローブを有する。
図7C中のx軸に沿ったメインローブは、
図7B中のy軸に沿ったメインローブよりも広い。
【0037】
[0048]
図8Aに、4つのパッチアンテナ820a〜820dから構成された2×2アンテナアレイ810の例示的な設計を示す。各パッチアンテナ820は、正方形パッチアンテナ510、E字形パッチアンテナ610、または何らかの他の形状のパッチアンテナを用いて実装され得る。パッチアンテナ820は、2.5、3、4、5、10、20mmなどであり得る距離dだけ分離される。異なるアンテナビームパターンは、異なる分離距離を用いて得られ得る。
【0038】
[0049]
図8Bに、x−z平面での、
図8A中のパッチアンテナ810のアンテナビームパターン830のプロットを示す。アンテナビームパターン830は、パッチアンテナ820が形成されたx−y平面に直交するz方向を向くメインローブを有する。y−z平面でのパッチアンテナ810のアンテナビームパターンは、x−z平面でのアンテナビームパターン830と同様である。
【0039】
[0050]
図9に、4つのパッチアンテナ920a〜920dから構成されたアンテナアレイ910の例示的な設計を示す。各パッチアンテナ920は、正方形パッチアンテナ510、E字形パッチアンテナ610、または何らかの他の形状のパッチアンテナを用いて実装され得る。パッチアンテナ920は、2.5、3、4、5、10、20mmなどであり得る距離dだけ分離される。
【0040】
[0051]
図7A、
図8Aおよび
図9に、いくつかの例示的なアンテナアレイを示す。概して、複数のパッチアンテナが、所望のアンテナビームパターン、所望の最大アンテナ利得、利用可能な空間など、様々なファクタに基づいて選択され得る任意の構成で構成され得る。所与の軸で整列したパッチアンテナが多いほど、アンテナビームはより集中し、狭くなるが、アンテナ利得は高くなり得る。また、以下で説明するように、所与の軸で整列した複数のパッチアンテナはビームフォーミングのために使用され得る。
【0041】
[0052]
図10に、ガラス上に形成された3Dアンテナシステム1010の例示的な設計の側面図を示す。3Dアンテナシステム1010は、(i)(たとえば、ワイヤレスデバイスの前面に対応する)第1の平面上に形成されたパッチアンテナ(Ant)1022aおよび1022bのアレイ1020と、(ii)(たとえば、ワイヤレスデバイスの上面に対応する)第2の平面上に形成されたパッチアンテナ1032aおよび1032bのアレイ1030とを含む。
【0042】
[0053]アンテナ1022および1032は、L字形ガラス基板1040の外面1042上に形成される。RFチップ1050は、(i)アンテナ1022および1032を介して送信するための出力RF信号を生成するための送信回路、および/または(ii)アンテナ1022および1032からの受信RF信号を処理するための受信回路を含む。RFチップ1050は、ガラス基板1040を通して形成されたビア1024を通ってアンテナ1022に電気的に結合される。RFチップ1050はまた、導電性相互接続1036と、ガラス基板1040を通して形成されたビア1034とを通ってアンテナ1032に電気的に結合される。
【0043】
[0054]表1に、3Dアンテナシステムにおけるアンテナを形成する異なる方法を記載する。表1に示すように、アンテナ素子は、集積回路(IC)チップ上、ICパッケージ上、回路板上、または(たとえば、
図10に示すように)ガラス基板上に形成され得る。オンチップ実装形態は、容易な統合を可能にし得るが、ICチップの単位面積当たりのコストが高いために高いコストを有し得る。オンパッケージ実装形態は、コンパクトであり得るが、カスタマイズされたICパッケージを必要とし得る。オンボード実装形態は、(回路板のために使用される材料に応じて)良好な性能を与え得、フレキシビリティを与え得る。オンガラス実装形態は、より低いコスト、マイクロ電気機械システム(MEMS:micro electromechanical system)技術との簡単な統合、および3D製造の容易さなど、いくつかの利点を有し得る。アンテナ素子は、MEMSまたは何らかの他のプロセス技術に基づいてガラス上に形成され得る。3Dアンテナシステム中のアンテナは、表1に記載されている方法の任意の1つまたは任意の組合せに基づいて、および/または他の方法で作製され得る。表1において、損失正接(loss tangent)は小さいほど良く、損失を低減し得る。
【表1】
【0044】
[0055]概して、ワイヤレスデバイスは、ボリューム、球、または何らかの他の形状で任意の数の平面上に形成されたアンテナ素子(たとえば、パッチアンテナ)を含み得る。さらに、任意の数のアンテナ素子が所与の平面上に形成され得る。使用する平面の数、各平面上のアンテナ素子の数、および各アンテナ素子の設計は、ワイヤレスデバイスの要件に基づいてフレキシブルに選択され得る。
【0045】
[0056]例示的な設計では、LOSカバレージを改善し、および/または他の利点を得るために、3Dアンテナシステムのためにビームフォーミングが使用され得る。3Dアンテナシステムでは1つまたは複数のアンテナアレイに対してビームフォーミングが実行され得る。ビームフォーミングは、アンテナアレイのアンテナビームを異なる空間的方向にステアリングするために使用され得、それにより、アンテナアレイのLOSカバレージが拡張されることになる。ビームフォーミングは、アンテナのアレイ中の異なるアンテナを介して送信される複数の信号に複素利得を印加することによって、アレイに対して実行され得る。
【0046】
[0057]
図11に、3Dアンテナシステム1120をもつワイヤレスデバイス1110の例示的な設計のブロック図を示す。この例示的な設計では、3Dアンテナシステム1120は、異なる空間的方向を向くK個の平面上に形成されたK個のアンテナアレイ1130a〜1130kを含み、Kは、1よりも大きい任意の整数値であり得る。各アンテナアレイ1130はN個のアンテナ1132を含み、Nは、1よりも大きい任意の整数値であり得る。K個のアンテナアレイ1130a〜1130kは、同じまたは異なる数のアンテナを含み得る。
【0047】
[0058]データ送信の場合、データプロセッサ1150は、送信されるべきデータを処理し(たとえば、符号化し、変調し)、K個のアンテナアレイ1130a〜1130kにK個のデータ信号Xout1〜XoutKを与え得る。1つの例示的な設計では、K個のデータ信号は同じであり得、すべてのK個のアンテナアレイ1130a〜1130kから同じ情報が送られ得る。別の例示的な設計では、K個のデータ信号は異なるデータ信号であり得、K個のアンテナアレイ1130a〜1130kから異なる情報が送られ得る。
【0048】
[0059]アンテナアレイ1130aのための送信セクション1152a内で、Xout1データ信号はN個の乗算器1160a〜1160nに与えられ得、それらは、それぞれN個の複素利得G
T11〜G
T1Nをも受信し得る。各乗算器1160は、Xout1データ信号をそれの複素利得と乗算し、スケーリングされたデータ信号を与え得る。各乗算器1160からのスケーリングされたデータ信号は、関連する送信(TX)回路1162によって処理され、関連する電力増幅器(PA)1164によってさらに増幅されて、出力RF信号が生成され得る。出力RF信号は、スイッチプレクサ/デュプレクサ(Sw/デュプレクサ)1166を通ってルーティングされ、関連するアンテナ1132を介して送信され得る。TX回路1162は、デジタルアナログ変換器(DAC)、増幅器、フィルタ、アップコンバータ/ミキサなどを含み得る。このようにして、N個の乗算器1160a〜1160nからのN個のスケーリングされたデータ信号は処理され、アンテナアレイ1130aのN個のアンテナ1132aa〜1132anを介して送信され得る。乗算器1160a〜1160nはまた、送信セクション1152a中のN個の送信経路内の他の位置(たとえば、TX回路1162の後)に配置され得る。乗算器1160a〜1160nは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアなどで実装され得る。
【0049】
[0060]各残りの送信セクション1152は、同様に、それの関連するアンテナアレイ1130の複素利得のセットとともにそれのデータ信号を受信し、処理して、スケーリングされたデータ信号のセットを生成し得る。スケーリングされたデータ信号は、関連するアンテナアレイ1130中のN個のアンテナ1132を介してさらに処理され、送信され得る。
【0050】
[0061]データ受信の場合、アンテナアレイ1130a〜1130kは、他のデバイスによって送信されたRF信号を受信し得る。アンテナ1132からの受信RF信号は、スイッチプレクサ/デュプレクサ1166を通ってルーティングされ、低雑音増幅器(LNA)1170によって増幅され、さらに受信(RX)回路1172によって処理されて、受信ベースバンド信号が得られ得る。RX回路1172は、ダウンコンバータ/ミキサ、増幅器、フィルタ、アナログデジタル変換器(ADC)などを含み得る。
【0051】
[0062]アンテナアレイ1130aのための送信セクション1154a内で、N個の乗算器1174a〜1174nは、N個のRX回路1172からのN個の受信ベースバンド信号を与えられ、また、それぞれN個の複素利得G
R11〜G
R1Nをも与えられ得る。各乗算器1174は、それの受信ベースバンド信号をそれの複素利得と乗算し、スケーリングされた受信ベースバンド信号を与え得る。このようにして、アンテナアレイ1130aのN個のアンテナ1132aa〜1132anからのN個の受信RF信号は、N個の乗算器1174a〜1174nによって処理され、スケーリングされ得る。加算器1176は、乗算器1174a〜1174nからのN個のスケーリングされた受信ベースバンド信号を合計し、データプロセッサ1150に入力信号Xin1を与え得る。乗算器1174a〜1174nおよび加算器1176はまた、受信セクション1154a中のN個の受信経路内の他の位置(たとえば、RX回路1172の前)に配置され得る。各アンテナアレイ1130のための乗算器1174a〜1174nは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアなどで実装され得る。各残りの受信セクション1154は、同様に、それの関連するアンテナアレイ1130の複素利得のセットとともにそれの受信RF信号を受信し、処理して、入力信号を生成し得る。データプロセッサ1150は、K個のアンテナアレイ1130a〜1130kのためのK個の加算器1176からのK個の入力信号Xin1〜XinKを処理し(たとえば、復調し、復号し)得る。
【0052】
[0063]コントローラ/プロセッサ1190は、ワイヤレスデバイス1110内の様々なユニットの動作を指示し得る。メモリ1192は、ワイヤレスデバイス1110のプログラムコードおよびデータを記憶し得る。データプロセッサ1150と、コントローラ/プロセッサ1190と、メモリ1192とは、バス1194および/または他の手段を介して通信し得る。
【0053】
[0064]送信セクション1152a〜1152kおよび受信セクション1154a〜1154kの全部または一部分は、1つまたは複数のアナログIC、RF IC(RFIC)、混合信号ICなどの上に実装され得る。送信セクション1152a〜1152kおよび受信セクション1154a〜1154kの残りの部分、データプロセッサ1150、コントローラ/プロセッサ1190、ならびにメモリ1192は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または他のIC上に実装され得る。
【0054】
[0065]ワイヤレスデバイス1110は、3Dアンテナシステム1120のために様々な方法でビームフォーミングを実行し得る。ワイヤレスデバイス1110は、ただ1つのアンテナアレイ1130a(たとえば、ワイヤレスデバイス1110の前面上のアンテナアレイ)、またはすべてのK個のアンテナアレイ1130a〜1130k、またはK個のアンテナアレイのサブセットに対してビームフォーミングを実行し得る。1つの例示的な設計では、ワイヤレスデバイス1110は、ビームフォーミングがサポートされるアンテナアレイ1130ごとに独立してビームフォーミングを実行し得る。アンテナアレイ1130ごとに、ワイヤレスデバイス1110は、異なるアンテナビームを評価し得、最良の性能をもつアンテナビームを選択し得る。これは様々な方法で達成され得る。
【0055】
[0066]1つの例示的な設計では、ワイヤレスデバイス1110は、ワイヤレスデバイス1110によって受信された信号に基づいて、各アンテナアレイ1130のための最良のアンテナビームを識別し得る。ワイヤレスデバイス1110は、所与のアンテナアレイについて評価のために一度に1つのアンテナビームを選択し得る。アンテナビームごとに、ワイヤレスデバイス1110は、他のデバイスから信号(たとえば、パイロット信号および/またはデータ信号)を検出し得、各検出信号の受信電力を測定し得る。ワイヤレスデバイス1110は、当該のデバイスのための最も高い受信電力をもつアンテナビームを、アンテナアレイのための最良のアンテナビームとして識別し得る。ワイヤレスデバイス1110は、同様の方法で各残りのアンテナアレイのための最良のアンテナビームを識別し得る。
【0056】
[0067]別の例示的な設計では、ワイヤレスデバイス1110は、ワイヤレスデバイス1110によって送信された信号に基づいて、各アンテナアレイ1130のための最良のアンテナビームを識別し得る。ワイヤレスデバイス1110は、所与のアンテナアレイについて評価のために一度に1つのアンテナビームを選択し得る。アンテナビームごとに、ワイヤレスデバイス1110は、他のデバイスに信号(たとえば、パイロット信号および/またはデータ信号)を送信し得る。ワイヤレスデバイス1110は、ワイヤレスデバイス1110によって送信された信号に基づいて他のデバイスによって判断されたフィードバックを受信し得る。たとえば、ワイヤレスデバイス1110は、他のデバイスにおいて測定された、ワイヤレスデバイス1110によって送信されたパイロットおよび/またはデータ信号の受信電力を示すフィードバックを受信し得る。別の例として、ワイヤレスデバイス1110は、ワイヤレスデバイス1110によって送信されたデータ信号が他のデバイスによって正しく復号されたかどうかを示すフィードバックを受信し得る。いずれの場合も、ワイヤレスデバイス1110は、最良の性能(たとえば、最高受信電力または最低誤り率)をもつアンテナビームを、アンテナアレイのための最良のアンテナビームとして識別し得る。ワイヤレスデバイス1110は、同様の方法で各残りのアンテナアレイのための最良のアンテナビームを識別し得る。さらに別の例示的な設計では、ワイヤレスデバイス1110は、受信信号と送信信号との組合せに基づいて、各アンテナアレイ1130のための最良のアンテナビームを識別し得る。
【0057】
[0068]概して、ワイヤレスデバイス1110は、1つまたは複数の基準に基づいて、各アンテナビームの性能(performance)メトリックを判断し得る。たとえば、性能メトリックは、ワイヤレスデバイス1110によって受信された信号の受信電力、他のデバイスおいて測定された、ワイヤレスデバイス1110によって送信された信号の受信電力、送信信号または受信信号の誤り率などに関係し得る。ワイヤレスデバイス1110は、各アンテナアレイのための各アンテナビームの性能メトリックに基づいてそのアンテナアレイのための最良のアンテナビームを識別し得る。
【0058】
[0069]
図11に示すように、アンテナアレイ1130ごとに複素利得または係数のセットが、そのアンテナアレイのためのビームフォーミングを実行するために使用され得る。複素利得は、(i)実数値Aおよび虚数値B(すなわち、A+jB)または(ii)振幅Kおよび位相θ(すなわち、K∠θ)のいずれかによって定義され得る。1つの例示的な設計では、各アンテナアレイ1130の複素利得は異なる振幅および/または位相を有し得、それらは所望のアンテナビームを得るように選択され得る。この例示的な設計は、アンテナアレイのためのアンテナビームを定義するために、より多くのフレキシビリティを与え得る。別の例示的な設計では、各アンテナアレイ1130の複素利得は、同じ振幅(たとえば、1.0)を有するが、異なる位相を有し得、それらは所望のアンテナビームを得るように選択され得る。この例示的な設計は、各アンテナ1132について全送信電力が利用されることを可能にし得る。例示的な設計では、アンテナアレイの複素利得のセット中の1つの複素利得は、固定値(たとえば、1.0)を有し得る。これにより、1つの乗算器(たとえば、
図11中の送信セクション1152a中の乗算器1160a)を省略することが可能になり得る。
【0059】
[0070]異なるアンテナビームに関連する複素利得の複数のセットが、アンテナアレイのために利用可能であり得る。1つの例示的な設計では、複素利得の複数のセットは、(i)コンピュータシミュレーション、経験的測定値に基づいて、および/または他の手段によってアプリオリ(a priori)に判断され、(ii)ワイヤレスデバイス1110上の不揮発性メモリ(たとえば、メモリ1192)に記憶され得る。たとえば、(たとえば、空間領域において一様に離間された)異なる空間的方向を向くM個のアンテナビームの複素利得のM個のセットが判断され、記憶され得、ただし、Mは任意の整数値であり得る。複素利得の1つのセットが所与の瞬間に印加されて、複素利得のそのセットに関連するアンテナビームが得られ得る。
【0060】
[0071]別の例示的な設計では、アンテナアレイの複素利得の複数のセットが適応的に判断され得る。たとえば、アンテナアレイのために複素利得の初期セットが使用され得、この初期セットの性能メトリックが判断され得る。複素利得の新しいセットを得るために、初期セット中の1つまたは複数の複素利得が所定の範囲内で変更され得る。(1つまたは複数の)複素利得は、ランダムに、または探索アルゴリズムに基づいて変更され得る。複素利得の新しいセットの性能メトリックが判断され得る。複素利得の新しいセットの性能メトリックが初期セットの性能メトリックよりも良い場合、その新しいセットは保持され得る。最良の性能メトリックが得られるまで、1つまたは複数の複素利得が同様の方法で反復的に変更され、評価され得る。
【0061】
[0072]例示的な設計では、装置は、たとえば、
図3および
図11に示すように、アンテナ素子の第1および第2のセットを備え得る。装置は、ワイヤレスデバイス、アンテナモジュール、ICチップ、ICパッケージ、回路板などであり得る。アンテナ素子の第1のセット(たとえば、
図3中のアンテナ素子332または
図11中のアンテナ素子1132aa〜1132an)は、ワイヤレスデバイスの第1の平面上に形成され得、たとえば、アンテナ素子の第1のセットの複素利得の第1のセットによるビームフォーミングを用いて得られた第1のアンテナビームに関連し得る。アンテナ素子の第2のセット(たとえば、
図3中のアンテナ素子342、または
図11中のアンテナ素子1132ka〜1132kn)は、ワイヤレスデバイスの第2の平面上に形成され得る。第1の平面と第2の平面とは異なる空間的方向を向き得る。たとえば、第1の平面は、ワイヤレスデバイスの第2の平面に直交し得る。
【0062】
[0073]例示的な設計では、たとえば、
図3に示すように、第1の平面はワイヤレスデバイスの前面に対応し得、第2の平面はワイヤレスデバイスの上面に対応し得る。第1の平面と第2の平面とはまた、ワイヤレスデバイスの他の面に対応し得る。
【0063】
[0074]例示的な設計では、アンテナ素子の第2のセットは、たとえば、アンテナ素子の第2のセットの複素利得の第2のセットによるビームフォーミングを用いて得られた第2のアンテナビームに関連し得る。概して、ビームフォーミングは、アンテナ素子の第1のセットのみ、またはアンテナ素子の第1のセットと第2のセットの両方に対して実行され得る。ビームフォーミングはまた、アンテナ素子の第1のセットと第2のセットとに対して、たとえば、アンテナ素子の2つのセットに対して複素利得の異なるセットを使用して、独立して実行され得る。代替的に、ビームフォーミングは、アンテナ素子の2つのセットに対して、たとえば、アンテナ素子の両方のセットに対して複素利得の同じセットを使用して、一緒に実行され得る。
【0064】
[0075]例示的な設計では、アンテナ素子の第1のセットは、第1のアンテナビームによって出力信号を放射し得、また、アンテナ素子の第2のセットは、第2のアンテナビームによって出力信号を放射し得る。この例示的な設計では、アンテナ素子の両方のセットから同じ出力信号が送信され得る。別の例示的な設計では、アンテナ素子の第1のセットおよび第2のセットから異なる出力信号が送信され得る。
【0065】
[0076]例示的な設計では、送信と受信の両方のために同じアンテナビームが使用され得る。この例示的な設計では、アンテナ素子の第1のセットは、第1のアンテナビームによって別のデバイスからの信号を受信し得る。別の例示的な設計では、送信と受信のために異なるアンテナビームが使用され得る。この例示的な設計では、アンテナ素子の第1のセットは、たとえば、
図11に示すように、たとえば、アンテナ素子の第1のセットの複素利得の別のセットによるビームフォーミングを用いて得られた別のアンテナビームによって、別のデバイスから信号を受信し得る。
【0066】
[0077]装置は、たとえば、
図11に示すように、電力増幅器の第1のセットおよび第2のセットをさらに備え得る。電力増幅器の第1のセット(たとえば、
図11中の送信セクション1152a中の電力増幅器1164)は、出力信号に基づいて生成された入力信号の第1のセットを受信し得、アンテナ素子の第1のセットによる送信のための出力RF信号の第1のセットを与え得る。電力増幅器の第2のセット(たとえば、
図11中の送信セクション1152k中の電力増幅器1164)は、同じ出力信号に基づいて生成された入力信号の第2のセットを受信し得、アンテナ素子の第2のセットによる送信のための出力RF信号の第2のセットを与え得る。
【0067】
[0078]装置は、たとえば、
図11に示すように、LNAの第1のセットおよび第2のセットをさらに備え得る。LNAの第1のセット(たとえば、
図11中の受信セクション1154a中のLNA1170)は、アンテナ素子の第1のセットから受信RF信号の第1のセットを受信し得、増幅された信号の第1のセットを与え得る。LNAの第2のセット(たとえば、
図11中の受信セクション1154k中のLNA1170)は、アンテナ素子の第2のセットから受信RF信号の第2のセットを受信し得、増幅された信号の第2のセットを与え得る。
【0068】
[0079]例示的な設計では、アンテナ素子の第1のセットが第1のアンテナアレイを形成し得、アンテナ素子の第2のセットが第2のアンテナアレイを形成し得る。例示的な設計では、アンテナ素子の第1のセットは、2Dアレイで構成され得る複数のパッチアンテナを備え得る。例示的な設計では、
図5Aに示すように、各パッチアンテナは正方形形状を有し得る。別の例示的な設計では、各パッチアンテナは、非正方形形状、すなわち、正方形または長方形でない任意の形状を有し得る。たとえば、
図6Aに示すように、各パッチアンテナはE字形状を有し得る。
【0069】
[0080]例示的な設計では、たとえば、
図10に示すように、アンテナ素子の第1のセットはガラス基板の第1の面上に形成され得、アンテナ素子の第2のセットはガラス基板の第2の面上に形成され得る。第2の面は第1の面に直交し得る。他の例示的な設計では、アンテナ素子の第1のセットおよび第2のセットは、表1に記載されているように、ICチップ、ICパッケージ、回路板などの上に形成され得る。
【0070】
[0081]例示的な設計では、装置は、アンテナ素子の第1のセットのための異なるアンテナビームに関連する複素利得の複数のセットを記憶するメモリをさらに備え得る。アンテナ素子の第1のセットの複素利得の第1のセットは、複素利得の複数のセットのうちの1つであり得る。例示的な設計では、第1のセット中の複素利得は、等振幅および可変位相(すなわち、場合によっては異なる位相)を有し得る。別の例示的な設計では、第1のセット中の複素利得は、可変振幅および可変位相(すなわち、場合によっては異なる振幅および位相)を有し得る。
【0071】
[0082]例示的な設計では、アンテナ素子の第1のセットと第2のセットとは、40GHzと300GHzとの間のミリメートル波周波数において動作し得る。アンテナ素子の第1のセットと第2のセットとはまた、他の周波数範囲において動作し得る。
【0072】
[0083]装置はまた、ワイヤレスデバイスの1つまたは複数の追加の平面上に形成されたアンテナ素子の1つまたは複数の追加のセットを含み得る。アンテナ素子の各セットは、異なる空間的方向を向くそれぞれのアンテナビームに関連し得る。アンテナ素子の第1、第2、および場合によっては追加のセットは、ワイヤレスデバイスに、より良いLOSカバレージおよび場合によってはより良いNLOSカバレージを与え得る。
【0073】
[0084]
図12に、3Dアンテナシステムを用いて信号を送信するためのプロセス1200の例示的な設計を示す。ワイヤレスデバイスの第1の平面上に形成されたアンテナ素子の第1のセットからビームフォーミングを用いて第1の信号を送信する(ブロック1212)。第1の信号は、アンテナ素子の第1のセットの複素利得の第1のセットによるビームフォーミングを用いて送信され得る。ワイヤレスデバイスの第2の平面上に形成されたアンテナ素子の第2のセットから第2の信号を送信する(ブロック1214)。また、第2の信号は、たとえば、アンテナ素子の第2のセットの複素利得の第2のセットによるビームフォーミングを用いて送信され得る。第1の平面と第2の平面とは異なる空間的方向を向き得る。
【0074】
[0085]例示的な設計では、第1の信号と第2の信号とは同じ出力信号を備え得る。この例示的な設計は、ワイヤレスデバイスのLOSカバレージを改善し得る。別の例示的な設計では、第1の信号と第2の信号とは異なる出力信号を備え得る。この例示的な設計は、ワイヤレスデバイスが、たとえば、
図3に示すように、複数の他のデバイスに同時に送信することを可能にし得る。
【0075】
[0086]例示的な設計では、異なるアンテナビームに対応する複素利得の複数のセットの各々について、アンテナ素子の第1のセットの性能メトリックを判断する(ブロック1216)。複素利得の複数のセットの各々の性能メトリックに基づいて、複素利得の複数のセットの中から複素利得のセットを選択する(ブロック1218)。複素利得の選択されたセットは、アンテナ素子の第1のセットのためのビームフォーミングのために使用され得る。ブロック1216および1218は、(
図12に示すように)ブロック1212および1214の後に、またはブロック1212および1214の前に(
図12に図示せず)実行され得る。
【0076】
[0087]例示的な設計では、第3の信号が、アンテナ素子の第1のセットを介して受信され得る。第3の信号は、たとえば、アンテナ素子の第1のセットの、複素利得の第1のセットまたは複素利得の第3のセットによるビームフォーミングを用いて受信され得る。第4の信号が、アンテナ素子の第2のセットを介して受信され得る。第4の信号は、たとえば、アンテナ素子の第1のセットの、複素利得の第2のセットまたは複素利得の第4のセットによるビームフォーミングを用いて受信され得る。アンテナ素子のセットごとに、送信と受信の両方のために同じアンテナビームが使用されることもあり、送信と受信のために異なるアンテナビームが使用されることもある。
【0077】
[0088]本明細書で説明する3Dアンテナシステムをもつワイヤレスデバイスのいくつかの部分は、IC、アナログIC、RFIC、混合信号IC、ASIC、プリント回路板(PCB)、電子デバイスなどの上に実装され得る。3Dアンテナシステムを介した信号の送信および/または受信をサポートする回路は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)、NチャネルMOS(NMOS)、PチャネルMOS(PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、シリコンオンインシュレータ(SOI)など、様々なICプロセス技術を用いて作製され得る。
【0078】
[0089]本明細書で説明する3Dアンテナシステムをもつ装置は、スタンドアロンデバイスであることもあり、より大きいデバイスの一部であることもある。デバイスは、(i)スタンドアロンIC、(ii)データおよび/または命令を記憶するためのメモリICを含み得る1つまたは複数のICのセット、(iii)RF受信機(RFR)またはRF送信機/受信機(RTR)などのRFIC、(iv)移動局モデム(MSM)などのASIC、(v)他のデバイス内に埋め込まれ得るモジュール、(vi)受信機、セルラーフォン、ワイヤレスデバイス、ハンドセット、またはモバイルユニット、(vii)その他であり得る。
【0079】
[0090]1つまたは複数の例示的な設計では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装した場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0080】
[0091]本開示についての以上の説明は、いかなる当業者も本開示を作成または使用することができるように与えたものである。本開示への様々な修正は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明した例および設計に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] ワイヤレスデバイスの第1の平面上に形成され、ビームフォーミングを用いて得られた第1のアンテナビームに関連するアンテナ素子の第1のセットと、
前記ワイヤレスデバイスの第2の平面上に形成されたアンテナ素子の第2のセットとを備える装置であって、前記第1の平面と前記第2の平面とが異なる空間的方向を向く、装置。
[C2] 前記ビームフォーミングが、アンテナ素子の前記第1のセットの複素利得の第1のセットによるものである、C1に記載の装置。
[C3] アンテナ素子の前記第2のセットが、アンテナ素子の前記第2のセットの複素利得の第2のセットによるビームフォーミングを用いて得られた第2のアンテナビームに関連する、C2に記載の装置。
[C4] アンテナ素子の前記第1のセットが、前記第1のアンテナビームによって出力信号を放射し、アンテナ素子の前記第2のセットが、第2のアンテナビームによって前記出力信号を放射する、C1に記載の装置。
[C5] アンテナ素子の前記第1のセットが、前記第1のアンテナビームによって別のデバイスから信号を受信する、C1に記載の装置。
[C6] 第1の出力信号に基づいて生成された入力信号の第1のセットを受信することと、アンテナ素子の前記第1のセットによる送信のための出力無線周波(RF)信号の第1のセットを与えることとを行うように構成された電力増幅器の第1のセットと、
前記第1の出力信号に基づいて生成された入力信号の第2のセットを受信することと、アンテナ素子の前記第2のセットによる送信のための出力RF信号の第2のセットを与えることとを行うように構成された電力増幅器の第2のセットとをさらに備える、C1に記載の装置。
[C7] アンテナ素子の前記第1のセットからの受信無線周波(RF)信号の第1のセットを受信することと、増幅された信号の第1のセットを与えることとを行うように構成された低雑音増幅器(LNA)の第1のセットと、
アンテナ素子の前記第2のセットからの受信RF信号の第2のセットを受信することと、増幅された信号の第2のセットを与えることとを行うように構成されたLNAの第2のセットとをさらに備える、C1に記載の装置。
[C8] 前記第1の平面が前記第2の平面に直交する、C1に記載の装置。
[C9] アンテナ素子の前記第1のセットが複数のパッチアンテナを備える、C1に記載の装置。
[C10] 前記複数のパッチアンテナの各々が非正方形形状またはE字形状を有する、C9に記載の装置。
[C11] アンテナ素子の前記第1のセットがガラス基板の第1の面上に形成され、アンテナ素子の前記第2のセットが前記ガラス基板の第2の面上に形成された、C1に記載の装置。
[C12] アンテナ素子の前記第1のセットのための異なるアンテナビームに関連する複素利得の複数のセットを記憶するように構成されたメモリをさらに備え、複素利得の前記第1のセットが複素利得の前記複数のセットのうちの1つである、C2に記載の装置。
[C13] 前記第1のセット中の前記複素利得が等振幅および可変位相を有する、C2に記載の装置。
[C14] アンテナ素子の前記第1のセットと前記第2のセットとが、40ギガヘルツ(GHz)と300GHzとの間のミリメートル波周波数で動作する、C1に記載の装置。
[C15] ワイヤレスデバイスの第1の平面上に形成されたアンテナ素子の第1のセットからビームフォーミングを用いて第1の信号を送信することと、
前記ワイヤレスデバイスの第2の平面上に形成されたアンテナ素子の第2のセットから第2の信号を送信することとを備える方法であって、前記第1の平面と前記第2の平面とが異なる空間的方向を向く、方法。
[C16] 前記第1の信号が、アンテナ素子の前記第1のセットの複素利得の第1のセットによるビームフォーミングを用いて送信され、前記第2の信号が、アンテナ素子の前記第2のセットの複素利得の第2のセットによるビームフォーミングを用いて送信される、C15に記載の方法。
[C17] 異なるアンテナビームに対応する複素利得の複数のセットの各々について、アンテナ素子の前記第1のセットの性能メトリックを判断することと、
複素利得の前記複数のセットの各々の前記性能メトリックに基づいて、複素利得の前記複数のセットの中から複素利得のセットを選択することとをさらに備え、前記第1の信号が、複素利得の前記選択されたセットによるビームフォーミングを用いて送信される、C15に記載の方法。
[C18] アンテナ素子の前記第1のセットによるビームフォーミングを用いて第3の信号を受信することをさらに備える、C15に記載の方法。
[C19] ワイヤレスデバイスの第1の平面上に形成されたアンテナ素子の第1のセットからビームフォーミングを用いて第1の信号を送信するための手段と、
前記ワイヤレスデバイスの第2の平面上に形成されたアンテナ素子の第2のセットから第2の信号を送信するための手段とを備える装置であって、前記第1の平面と前記第2の平面とが異なる空間的方向を向く、装置。
[C20] 異なるアンテナビームに対応する複素利得の複数のセットの各々について、アンテナ素子の前記第1のセットの性能メトリックを判断するための手段と、
複素利得の前記複数のセットの各々の前記性能メトリックに基づいて、複素利得の前記複数のセットの中から複素利得のセットを選択するための手段とをさらに備え、前記第1の信号が、複素利得の前記選択されたセットによるビームフォーミングを用いて送信される、C19に記載の装置。