特許第5926093号(P5926093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5926093
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】遮音耐火管継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/02 20060101AFI20160516BHJP
   F16L 59/18 20060101ALI20160516BHJP
   F16L 9/21 20060101ALI20160516BHJP
   F16L 9/14 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
   F16L55/02
   F16L59/18
   F16L9/21
   F16L9/14
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-78919(P2012-78919)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-210012(P2013-210012A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000126609
【氏名又は名称】株式会社エーアンドエーマテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】100091225
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 均
(74)【代理人】
【識別番号】100096655
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 隆
(72)【発明者】
【氏名】寺垣 拓志
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−033093(JP,A)
【文献】 特開平08−100881(JP,A)
【文献】 特開2009−156370(JP,A)
【文献】 特開2004−293608(JP,A)
【文献】 特開2010−236689(JP,A)
【文献】 特開2008−063756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L55/00−55/054
F16L 9/00− 9/22
F16L59/00−59/22
F16L41/00−41/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の内管と、この内管を被覆する不燃性の外管とからなる管継手の外周面上に、弾力性を有する遮音層を設けた遮音耐火パイプ同士を接続するための遮音耐火管継手であって、
前記遮音層は、吸音材である合成樹脂フェルトとゴムシートからなる吸音材層と、ポリエチレンワリフとアルミニウム箔とからなる保護層とから形成されており、
且つ前記遮音層は、前記遮音耐火パイプとの接続時に、前記遮音耐火管継手端部から前記遮音耐火パイプ側へ突出する、一体形成された延長部を有していることを特徴とする遮音耐火管継手。
【請求項2】
前記延長部には、その先端側が開き、前記遮音耐火管継手の端部側が閉じたV字状のスリットが複数設けられていることを特徴とする請求項に記載の遮音耐火管継手。
【請求項3】
前記V字状のスリットの先端の幅が、約1mmであることを特徴とする請求項2に記載の遮音耐火管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐火二層管直管の外周面上に遮音層を設けた遮音耐火パイプと、耐火二層管直管同士を接続するための管継手の外周面上に遮音層を設けた遮音耐火管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、耐火二層管は、主としてマンションなどの集合住宅やオフィスビル等の排水管、給水管として広く使用されるようになっている。耐火二層管は、塩化ビニール等の合成樹脂製の内管と、この内管を被覆する繊維モルタル等の不燃材料製の外管とから構成されている。
この耐火二層管は、従来の金属管である鋳鉄管に比べて、軽量であり、外部に結露しにくい特徴を有している。また、合成樹脂製の内管は、耐薬品性、耐腐食性、内面平滑性、施工性に優れている。
ところで、最近、集合住宅などで、排水騒音に対するクレームが多々発生し、深刻な近隣トラブルの要因となっている。
そこで、このような耐火二層管の遮音性能を向上させるために、遮音材や吸音材からなる遮音層を設けた耐火パイプ(実質的には、耐火三層管)が提案されている。
図6は、合成樹脂製内管12と不燃性外管14の間に遮音層16aを設けた耐火パイプ10の例を示した図である。図7は、不燃性外管14の外側に遮音層16bを設けた遮音耐火パイプ10の例を示した図である。なお、両図とも、(a)は、遮音耐火パイプ10の側面図、(b)は、A−A’方向の断面図である。
特許文献1には、耐火二層管直管の外周面上に、遮音材や吸音材からなる遮音層を設けた遮音耐火パイプ(図7と同タイプ)が開示されている。
【0003】
ところで、耐火二層管には、長さが長い直管と、この直管同士を接続するための管継手とがあり、両者を適宜組み合わせて接続することで、建築物の内部に配置されている。管継手の内管の内径は直管の内管の外径よりもわずかに大きく、直管の内管が管継手の内管に嵌合できるように構成されている。
また、直管は、内管の外径よりも外管の内径が若干大きくなっており、内管と外管との間に隙間が生じるようになっている。そのため、内管を外管に対してスライドさせることができるようになっている。この隙間があることで、耐火二層管内を高温の流水が流れて内管が膨張しても、膨張によって生じる応力を吸収できるようになっている。なお、図6に示した例では、この隙間に遮音層16aが配置されている。
【0004】
この直管と管継手とを設置する際、特許文献2に示すように、弾力性を有する目地材を介して接続されるのが一般的である。目地材を介して直管と管継手とを接続した接続構造においては、両者の内管同士が嵌合された状態にあり、外管同士が目地材を挟んで押し合う状態にある。従って、この目地材によって、両者の接続部における外管と内管との間の間隙が封止されるので、火災が発生した際、外管と内管の間の間隙を通じて煙が移動し接続部から漏れ出す、すなわち火災が発生した場所とは異なる場所に火災に伴う煙が漏れ出すという問題を生ずることはない。
【0005】
図7に示したような遮音層16bを外側に設けた遮音耐火パイプ同士を接続する場合には、耐火二層管の場合と同様、目地材を介して両者を接続する。しかし、遮音耐火パイプでは、外管と遮音層との間にも微少な間隙が生じている。また、遮音耐火パイプの端部において、外管の端面と遮音層の端面とが完全に同一面を形成しているわけでもない。従って、目地材を介して遮音耐火パイプと遮音耐火管継手とを接続し、完全に封止するためには多くの労力を要し、場合によって2重3重にシールテープを設けなければならないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−33093号公報
【特許文献2】特開平8−100881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との接続部には、両者の外周面にまたがってアルミ箔テープ等のシールテープを隙間なく巻き付けることにより、外気に対して接続部を封止することが行われている。
しかし、遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との外径が異なるので、遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との接続部においてシールテープを巻き付けると皺等を生じて、外気に対する接続部の封止が不十分になりやすいという問題がある。また、シールテープの巻き付けが行いにくいので、施工性が悪いという問題もある。
【0008】
発明の目的は、目地材を介して遮音耐火パイプと接続する場合において、外気に対して接続部が十分に封止できる遮音耐火管継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項記載の発明では、合成樹脂製の内管と、この内管を被覆する不燃性の外管とからなる管継手の外周面上に、弾力性を有する遮音層を設けた遮音耐火パイプ同士を接続するための遮音耐火管継手であって、前記遮音層は、吸音材である合成樹脂フェルトとゴムシートからなる吸音材層と、ポリエチレンワリフとアルミニウム箔とからなる保護層とから形成されており、且つ前記遮音層は、前記遮音耐火パイプとの接続時に、前記遮音耐火管継手端部から前記遮音耐火パイプ側へ突出する、一体形成された延長部を有していることを特徴とする遮音耐火管継手を提供する。
請求項記載の発明では、前記延長部には、その先端側が開き、前記遮音耐火管継手の端部側が閉じたV字状のスリットが複数設けられていることを特徴とする請求項に記載の遮音耐火管継手を提供する。
請求項記載の発明では、前記V字状のスリットの先端の幅が、約1mmであることを特徴とする請求項2に記載の遮音耐火管継手を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との接続構造および遮音耐火管継手によれば、外気に対する接続部の封止を簡単かつ十分に行うことができる。
また、本発明の接続方法によれば、外気に対して接続部を十分に封止することができる遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との接続構造を、効率よく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態にかかる遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との接続構造を示した図である。
図2】本実施形態にかかる遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との接続の施工工程を説明するための図である。
図3】本実施形態にかかる遮音耐火管継手の遮音層の構成を説明するための図である。
図4】遮音層にV字状のスリットを設けた例を説明するための図である。
図5】従来の遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との接続構造を示した図である。
図6】合成樹脂製内管と不燃性外管の間に遮音層を設けた耐火パイプの例を示した図である。
図7】不燃性外管の外側に遮音層を設けた耐火パイプの例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態を図1から図5を参照して、詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
図1は、本実施形態にかかる遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との接続構造を示した図である。
この図は、上側が遮音耐火パイプ10と遮音耐火管継手20の断面図、下側が外観図となっている。この実施形態では、遮音耐火管継手20の外側に遮音層26bに遮音耐火管継手20の端部から外側へ延長している延長部28が設けられている。
遮音耐火パイプ10と遮音耐火管継手20の接続は、基本的には目地材30に完全に封止されている。ところが、遮音耐火管継手20の遮音層26bと遮音耐火パイプ10の遮音層16bとの接続は、構造上目地材30では完全に行うことができないため、アルミテープ40を接続部に巻き付けることで完全な封止を行っていた(図5参照)。
しかし、遮音耐火パイプ10と遮音耐火管継手20の接続部には、段差があり、必ずしも美麗にアルミテープ40を巻き付けることができなかった。そこで、遮音層26bに設けられている延長部28(遮音層26bおよび延長部28は弾力性がある)を介しアルミテープ40を巻き付けることで、皺がよらず美麗にこのアルミテープ40巻き付けることができる。こうすることで、外気に対する接続部の封止を簡単かつ十分に行うことができる。
【0013】
(2)実施形態の詳細
以下、この実施形態の詳細を説明する。なお、図1と、従来の遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との接続構造を示した図である図5を参照しながら説明する。両者は、同一の部材には同一の符号を付してある。
また、図2(a)から(c)は、遮音耐火パイプと遮音耐火管継手との接続の施工工程を説明するための図である。この図も参照しながら、以下詳細に説明する。
【0014】
図1図5)は、外側に遮音層26bを設けた遮音耐火管継手20と外側に遮音層16bを設けた遮音耐火パイプ10との接続構造を説明するための図である。
建築物内に排水管として遮音耐火パイプ10を設置する場合、集合住宅のときは複数の区画を貫通する形で設置される。そこで、仮に1区画で火災が発生した場合、排水管を介して他の区画へ延焼しないように、排水管には耐火性が要求されている。
また、排水時の排水音が下階に居住する住人に不快感を与えないようにするため、排水管には遮音性も要求されている。
本実施形態にかかる遮音耐火パイプ10(遮音耐火管継手20)は、この両方の要求に対応している。
【0015】
この遮音耐火パイプ10を建築物内に設置する際、遮音耐火パイプ10同士を接続するために遮音耐火管継手20が用いられる。この遮音耐火管継手20も、遮音耐火パイプ10と同様に、耐火性と遮音性を備えている。
【0016】
遮音耐火パイプ10は、合成樹脂製内管(塩ビ管)12と不燃性外管14とから構成されている。そして、外側に遮音層16bが設けられている。
遮音耐火管継手20は、合成樹脂製内管(塩ビ管)22と不燃性外管24とから構成されている。そして、外側に遮音層26bが設けられている。
遮音耐火管継手20の合成樹脂製内管22の内径は、遮音耐火パイプ10合成樹脂製内管12の外径よりも若干大きくなっており、合成樹脂製内管12が、合成樹脂製内管22と嵌合できるように構成されている。
【0017】
遮音耐火パイプ10と遮音耐火管継手20とを設置(接続)する際、弾力性を有する目地材30を介して接続する。
目地材30を介して遮音耐火パイプ10と遮音耐火管継手20とを接続した接続構造においては、両者の合成樹脂製内管12と22同士が嵌合された状態にあり、不燃性外管14と24同士が目地材30を挟んで押し合う状態にある。この状態を図2(a)に示してある。
この状態では、目地材30によって、接続部における不燃性外管14、24と合成樹脂製内管12、22との間の間隙が封止される。よって、仮に他の区画で火災が発生したとしても、遮音耐火パイプ10の不燃性外管14と合成樹脂製内管12の間の間隙を通じて煙が移動し、この接続部から漏れ出すということを防止できる。すなわち火災が発生した場所とは異なる場所に火災に伴う煙が漏れ出すという問題が生じない。
【0018】
ところが、遮音耐火パイプ10では、不燃性外管14と遮音層16bとの間にも微少な間隙が存在している。また、遮音耐火パイプ10の端部において、不燃性外管14の端面と遮音層16bの端面とが完全に同一面を形成しているわけでもない。従って、目地材30を介して遮音耐火パイプ10と遮音耐火管継手20とを接続した場合、不燃性外管14と遮音層16bとの間隙を封止するには多くの労力を必要とする。
そこで、アルミテープ40を巻き付けることで、封止が不十分となることを防止している。この状態を図2(b)、図5に示してある。
【0019】
しかし、図2(b)、図5に示してある状態では、アルミテープ40の巻き付け部分に段差があり、完全に封止するには多くの労力を要し、場合によっては2重3重のシールテープを設ける必要がある。
そこで、本実施形態では、遮音耐火管継手20の遮音層26bに、接続時に遮音耐火パイプ10側に延長する延長部28を設けている。遮音層26bおよび延長部28は材質の性質から弾力性を有してしている。そして、延長部28は、目地材30と遮音耐火パイプ10の外周面(遮音層26b)の一部とを覆っている。アルミテープ40は、遮音耐火管継手20の遮音層26bの外周面から、遮音耐火パイプ10の遮音層16bの外周面に渡り、隙間無く巻き付けられている。
この延長部28に、皺がよらず美麗にこのアルミテープ40を巻き付けることができる。また、この延長部28の弾力性により、接続部の段差を吸収し、少ない労力で完全に封止する事ができる。
【0020】
次に、図3を参照して、遮音耐火管継手20の遮音層26bを説明する。
本実施形態にかかる遮音耐火管継手20は、合成樹脂製内管22と不燃性外管24とからなり、さらにその外周に遮音層26bが設けられている。遮音層26bは、遮音耐火管継手20と遮音耐火パイプ10側に延びている延長部28が形成されている。
遮音層26bは、吸音材であるポリエチレン系フェルト56とゴム・樹脂系シート54からなる吸音材層と、ポリエチレン系ワリフ52とアルミニウム箔50とからなる保護層とから形成されている。ここで、フェルト56の厚さは1.7mm、ゴム・樹脂系シート54は、2.0mm、ポリエチレン系ワリフ52は、0.1mm、アルミニウム箔0.007mmである。従って、遮音層26bの厚さは約3.8mmである。
【0021】
遮音層26bの吸音材として用いられる物質は、上記に限定されない。例えば、ロックウール、グラスウール、セラミックウール等の無機繊維フェルト、マット、ブランケットを用いてもよい。
また、合成樹脂製の材料も用いることができる。具体体には、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、ポリプロピレン等である。さらに、これらの混合物を用いてもよい。
これらの吸音材として用いられる物質は、はいずれも弾力性を有している。
【0022】
続いて、延長部28の長さについて説明する。
延長部28の長さは一つの目安として、以下のように決定する。
目地材30幅+使用するアルミテープ40の幅の1/2
使用するアルミテープ40の幅は、表1に示すように、遮音耐火パイプ10の呼び径
のサイズに応じて概ね決定されている。
従って、目地材の30の幅が10mmであるので、
呼び径が20mmのときは、10mm+(20mm/2)=20mmである。
また、呼び径が150mmのときは、10mm+(50mm/2)=35mmである。
このように、延長部28の長さは、接続する遮音耐火パイプ10呼び径のサイズに応じて、適宜決定される。
【0023】
【表1】
【0024】
次に、図4を参照して、延長部28の変形例を説明する。
この例では、延長部28に、その先端側が開き、遮音耐火管継手20の端部側が閉じたV字状のスリット29が複数設けられている。延長部28をこのような形状とすることで、アルミテープ40を巻き付ける際に、遮音耐火管継手20と遮音耐火パイプ10との間に存在する段差に対応して、延長部28に皺がよらず美麗に巻き付けることができる。このスリット29間の先端部分の幅はスリット29の数によっても異なるが、本実施形態では約1mmである。
【0025】
次に、合成樹脂製内管12、22および不燃性の外管14、24について説明する。
遮音耐火パイプ10および遮音耐火管継手20用いる合成樹脂製内管12、22は、従来の耐火二層管と同様、JIS−K−6741・JIS−K−6742・JIS−K−6776・JIS−K−6777・JIS−K−9789に規定された硬質塩化ビニル管等の合成樹脂製の管を使用する。
遮音耐火パイプ10で用いる合成樹脂製内管12は、内径が呼称寸法(呼び径)で20mmから150mmであり、厚さは前記呼称寸法により異なるが1.8mmから9.6mmである。
遮音耐火管継手20の合成樹脂製内管22の内径は、上記合成樹脂製内管12をはめ込むため、上記合成樹脂製内管12の外径より若干大きいサイズとなっている。この合成樹脂製内管12の外径と合成樹脂性内管22の内径との差が、0.2mm〜1.0mm程度である。
次に、遮音耐火パイプ10および遮音耐火管継手20用いる不燃性の外管14、24は、窯業系の材料であり、一般の耐火二層管と同様、セメントと補強繊維とを主原料とし、必要に応じて炭酸カルシウム粉末、ワラストナイト、粘土鉱物等の混和材や、パーライト、合成けい酸カルシウム水和物等の軽量骨材等を副原料として使用する。なお、廃材となった外管の粉砕粉も前記混和材として使用することができる。厚さは6.5mm以上である。
【0026】
次に、目地材30について説明する。
目地材30に用いる材料は、弾性パッキン、FDPテープ目地、熱膨張性目地材、アルミテープ目地、金属目地、けい酸ナトリウム目地(ASボンド)などである。
また、この目地材30の幅は、上記したように約10mmである。
【0027】
次に、アルミテープ40について説明する。
シールテープとして用いるテープは、アルミテープが好適である。これは、遮音耐火管継手20の遮音層26bの最外部である保護層にアルミニウム箔50が用いられているためである。シールテープとしてアルミテープ40を用いれば、アルミニウム箔50への付着性が良く、外観的にも好適である。
このアルミテープ40として、本実施形態では厚さが0.017mmのものを使用した。幅は、表1に示したように、遮音耐火パイプ10の呼び径のサイズに対応しており、20mmから50mmである。
【0028】
最後に、遮音耐火パイプ10と遮音耐火管継手20との接続構造の施工工程を説明する。
第一工程として、遮音耐火パイプ10の合成樹脂製内管12を遮音耐火管継手20の合成樹脂製内管22にはめ込む。
第二工程として、遮音耐火管継手20の遮音層26bの外周面から前記遮音耐火パイプ
10の外周面に渡り、延長部28の先端を遮音耐火パイプ10に近づけながら、アルミテ
ープ40を隙間無く巻き付ける。
こうして、本実施形態にかかる遮音耐火パイプ10と遮音耐火管継手20との接続構造を得ることができる。
【0029】
本実施形態によれば、遮音耐火パイプ10と遮音耐火管継手20とを目地材30を介して接続する際、延長部28により目地材30を含めて接続部を完全に覆い、且つ延長部28の素材の弾力性により、両者間に生じる段差を吸収するので、外気に対して接続部が十分に封止された遮音耐火パイプ10と遮音耐火管継手20との接続構造とすることができる。
【符号の説明】
【0030】
10 遮音耐火パイプ(直管)
12 合成樹脂製内管(塩ビ管)
14 不燃性外管
16a 遮音層(合成樹脂製内管と不燃性外管の間に設けた例)
16b 遮音層(不燃性外管の外側に設けた例)
20 遮音耐火管継手
22 合成樹脂製内管(塩ビ管)
24 不燃性外管
26b 遮音層
28 延長部
29 スリット
30 目地材
40 アルミテープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7