特許第5926110号(P5926110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レンゴー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000002
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000003
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000004
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000005
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000006
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000007
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000008
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000009
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000010
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000011
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000012
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000013
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000014
  • 特許5926110-2ピース包装箱 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5926110
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】2ピース包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/12 20060101AFI20160516BHJP
   B65D 5/32 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
   B65D5/12 Z
   B65D5/32 Z
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-106580(P2012-106580)
(22)【出願日】2012年5月8日
(65)【公開番号】特開2013-233950(P2013-233950A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100151024
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 幸嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】山下 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】喜畑 大積
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05507430(US,A)
【文献】 特開2008−230670(JP,A)
【文献】 米国特許第06296175(US,B1)
【文献】 特開平11−139426(JP,A)
【文献】 実開昭55−139019(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00− 5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面が開放された外装ケース(1)と、これを上方から被せるトレイ(2)とから成る2ピース包装箱において、
前記外装ケース(1)の側壁(3)の裾部に係合片(10)設けられ係合片(10)の基部に折込線(11)が入れられると共に、係合片(10)の基部両端から上方へ切目線(12)が入れられ、この切目線(12)の間解除片(13)とされ解除片(13)の両側の切目線(12)の上端間にヒンジ線(14)が入れられ、前記トレイ(2)の側壁(22)多重構造とされ、その外面に切抜による凹所(28)形成され
係合片(10)を折込線(11)を軸として内側へ折り返した状態で、外装ケース(1)の側壁(3)の裾部をトレイ(2)の側壁(22)の外側に被せると、係合片(10)が凹所(28)に嵌り込んで、外装ケース(1)とトレイ(2)とが固定され、
解除片(13)をヒンジ線(14)を軸として捲り上げ、これに伴い、解除片(13)の両側の切目線(12)を破断させると、係合片(10)と解除片(13)が重なり合った状態で外側へ揺動し、係合片(10)と凹所(28)の係合が解除され、外装ケース(1)とトレイ(2)とが分離されるようにした2ピース包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トレイと外装ケースとから成り、その固定を解除してトレイから外装ケースを除去できるようにした2ピース包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の輸送と店頭での陳列に兼用できる2ピース包装箱として、下記特許文献1には、図13に示すようなものが記載されている。
【0003】
この2ピース包装箱は、底面が開放された外装ケース51とトレイ52とから成り、外装ケース51の側壁の裾部に切込53に挟まれた固着片54を設け、その基部にヒンジ線55を入れ、トレイ52の側壁にミシン目状の切目線56に囲まれた切取部57を設け、商品を載せたトレイ52に外装ケース51を上方から被せ、固着片54と切取部57とを接着して、外装ケース51とトレイ52とを固定するものである。
【0004】
このような2ピース包装箱では、店頭で開梱する際、図14に示すように、固着片54をヒンジ線55を軸として捲り上げると、切目線56が破断して、切取部57が固着片54の裏面に貼り付いたままトレイ52の側壁から切り取られる。
【0005】
これにより、外装ケース51とトレイ52とが分離されるので、トレイ52から外装ケース51を除去し、商品をトレイ52から露出させて陳列することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5507430号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような2ピース包装箱では、商品の梱包に際し、外装ケース51の固着片54と、トレイ52の切取部57とを貼り付ける工程が必要となり、梱包コストがかかるという問題がある。
【0008】
また、開梱に際し、切取部57の全周に亘る切目線56を破断させるため、トレイ52の材料が厚手の段ボールである場合、切目線56の破断に対する抵抗が大きくなり、固着片54の捲り上げに大きな力を要するという問題もある。
【0009】
そこで、この発明は、2ピース包装箱の梱包時の貼付工程を不要とし、容易に開梱できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明は、底面が開放された外装ケースと、これを上方から被せるトレイとから成る2ピース包装箱において、前記外装ケースの側壁の裾部に係合片を設け、係合片の基部両端から入れた切目線の間を解除片とし、前記トレイの側壁を多重構造として、その外面に切抜による凹所を形成し、係合片を内側へ折り返した状態で、外装ケースの側壁の裾部をトレイの側壁の外側に被せると、係合片が凹所に嵌り込んで、外装ケースとトレイとが固定され、解除片を捲り上げて切目線を破断させると、外装ケースとトレイとが分離されるようにしたのである。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る2ピース包装箱では、係合片の凹所への嵌り込みにより、外装ケースとトレイとが固定されるので、梱包時に貼付工程が不要となり、専用の包装機械を導入する必要もなく、梱包コストを削減することができる。
【0012】
また、開梱に際しては、解除片を捲り上げて、その両側の切目線を破断させるだけで、係合片と凹所の係合状態を解除して、外装ケースとトレイとを分離することができ、僅かな力で容易に開梱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る2ピース包装箱の外装ケースのブランクを示す図
図2】同上のトレイのブランクを示す図
図3】同上の梱包過程を示す斜視図
図4】同上の梱包状態を示す斜視図
図5】同上の開梱過程を示す斜視図
図6】同上の外装ケースとトレイの固定部分の(a)梱包時の状態を示す拡大縦断側面図、(b)開梱時の状態を示す拡大縦断側面図
図7】第2実施形態に係る2ピース包装箱の外装ケースのブランクを示す図
図8】同上のトレイのブランクを示す図
図9】同上の梱包過程を示す斜視図
図10】同上の梱包状態を示す斜視図
図11】同上の開梱過程を示す斜視図
図12】同上の外装ケースとトレイの固定部分の(a)梱包時の状態を示す拡大縦断側面図、(b)開梱時の状態を示す拡大縦断側面図
図13】従来の2ピース包装箱の梱包状態を示す斜視図
図14】同上の外装ケースとトレイの固定部分の開梱時の状態を示す拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
第1実施形態に係る2ピース包装箱は、商品である海苔のパックを並べて収納する段ボール箱であり、図1に示すようなブランクを組み立てた外装ケース1と、図2に示すようなブランクを組み立てたトレイ2とから構成される。
【0016】
図1に示す外装ケース1のブランクでは、各一対の幅面及び長面の側壁3,4が交互に連設され、一方の側壁3の外側に継代片5が連設されている。側壁3,4の上端には、天壁6を構成する天板7,8がそれぞれ連設されている。
【0017】
各側壁3の裾部には、対向する切込9間にそれぞれ台形状の係合片10が設けられ、その基部に折込線11が入れられている。
【0018】
また、各側壁3には、折込線11の両端から上方へ向けてミシン目状の切目線12が入れられ、切目線12の間が解除片13とされている。解除片13の両側の切目線12の上端間には、ヒンジ線14が入れられている。折込線11及びヒンジ線14は、折曲抵抗を軽減するため、押罫に切目が介在するものとされている。
【0019】
図2に示すトレイ2のブランクでは、長方形の底壁21の短辺及び長辺にそれぞれ側壁22,23が連設され、側壁22は、底壁21に順次繋がる外側板24、頂板25及び内側板26から構成されている。側壁23の両側端には、挟持片27が連設されている。
【0020】
内側板26の先端には、それぞれ2個の係止突起26aが設けられ、底壁21には、各外側板24との境界に沿って、係止突起26aに対応する各2個の係止穴21aと、外側板24への切込による中央部の受止片21bとが設けられている。
【0021】
各外側板24には、それぞれ2個の貫穴24aが形成され、各挟持片27には、1個の貫穴27aが形成されている。貫穴24aは、底壁21側の幅が狭く、頂板25側の幅が広い台形状とされ、貫穴27aは、組立時に貫穴24aに対応する形状とされている。
【0022】
このようなトレイ2のブランクを組み立てるには、図3に示すように、底壁21から側壁23を起立させ、挟持片27を内側へ折り曲げ、外側板24、頂板25及び内側板26を巻き込むように折り曲げて、外側板24と内側板26の間に挟持片27を挟み込み、三重構造の側壁22を形成する。
【0023】
この組立状態では、側壁22において、外側板24の貫穴24aと挟持片27の貫穴27aとが一致し、側壁22の外面に凹所28が形成される。また、外側板24から受止片21bが突出する。
【0024】
また、外装ケース1のブランクは、各一対の側壁3,4を角筒状に折り曲げ、継代片5を反対側の側壁4に貼り付け、天板7,8を予め内側へ順次折り曲げて、テープや接着剤により固着し、閉じられた天壁6を形成しておく。
【0025】
そして、海苔のパックである商品Pを包装する際には、商品Pをトレイ2の底壁21に並べて載置し、図4及び図6(a)に示すように、係合片10を折込線11を軸として内側へ折り返した状態で、外装ケース1をトレイ2に上方から被せ、側壁3,4の裾部でそれぞれ側壁22,23の外面が覆われるようにする。
【0026】
これに伴い、係合片10が折込線11での折曲の反発で凹所28に嵌り込み、外装ケース1とトレイ2とが固定される。
【0027】
このように、上記のような2ピース包装箱では、係合片10の凹所28への嵌り込みにより、外装ケース1とトレイ2とが固定されるので、梱包時に貼付工程が不要となり、専用の包装機械を導入する必要もなく、梱包コストを削減することができる。
【0028】
そして、この梱包状態において、外装ケース1の底面からのトレイ2の抜け出しが防止されるので、外装ケース1を把持して、外装ケース1とトレイ2とを一体として持ち運ぶことができる。また、側壁3の下端が受止片21bに当接し、外装ケース1へのトレイ2の没入が確実に防止されるので、トレイ2の底面に手を掛け、トレイ2と共に外装ケース1を安定して持ち上げることができる。
【0029】
また、店頭での商品Pの陳列に際し、この2ピース包装箱を開梱する際には、図5及び図6(b)に示すように、解除片13をヒンジ線14を軸として捲り上げ、その両側の切目線12を破断させると、係合片10と凹所28の係合状態が解除され、外装ケース1とトレイ2とを分離することができ、僅かな力で容易に開梱することができる。
【0030】
そして、トレイ2から外装ケース1を除去し、商品Pをトレイ2から露出させて陳列することができる。
【0031】
なお、上記第1実施形態では、外装ケース1及びトレイ2の各側壁3,22に係合片10及び凹所28を2個ずつ設け、凹所28を、外側板24の貫穴24aと挟持片27の貫穴27aとで形成するようにしたが、図7乃至図12に示す第2実施形態のように、外装ケース1及びトレイ2の各側壁3,22に係合片10及び凹所28を1個ずつ設け、凹所28を、外側板24の貫穴24aのみで形成するようにしてもよい。
【0032】
また、上記第1及び第2実施形態では、係合片10を、外装ケース1の側壁3の裾部に入れた切込9の間に形成し、折返前の係合片10が外装ケース1の裾部から突出しないようにしているが、切込9を省略して、折返前の係合片10を外装ケース1の裾部から突出するように形成しておき、係合片10を折り返した状態で、外装ケース1の底辺に凹部が生じないようにしてもよい。
【0033】
そのほか、切込9を側壁3の下端から上方へ間隔をあけて入れ、切込9で係合片10の両側及び先端を形成することにより、外装ケース1の底辺に捲り上げる部分が生じないようにしてもよい。
【0034】
ところで、上記第1及び第2実施形態では、積上荷重に対する強度及び組立性を考慮して、外装ケース1の材料に厚さ約4mmのCフルートの段ボールを使用し、トレイ2の材料に厚さ約3mmのBフルートの段ボールを使用しているが、外装ケース1及びトレイ2の材料としては、各種の段ボールや板紙を適宜組み合わせて使用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 外装ケース
2 トレイ
3,4 側壁
5 継代片
6 天壁
7,8 天板
9 切込
10 係合片
11 折込線
12 切目線
13 解除片
14 ヒンジ線
21 底壁
21a 係止穴
21b 受止片
22,23 側壁
24 外側板
24a 貫穴
25 頂板
26 内側板
26a 係止突起
27 挟持片
27a 貫穴
28 凹所
P 商品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14