(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
浴室内を暖房乾燥するための暖房乾燥機本体と、温水を生成して前記暖房乾燥機本体に供給するための熱源機と、運転モードを設定するための運転モード設定手段と、前記運転モード設定手段により設定された前記運転モードにより前記暖房乾燥機本体及び前記熱源機を作動制御するための制御手段と、を具備し、前記暖房乾燥機本体は、浴室内の空気を循環させるための循環流路と、前記循環流路に配設された循環ファンと、前記熱源機からの温水を利用して前記循環流路を流れる空気を加温するための暖房用熱交換器と、浴室内の空気を外部に排出するための換気流路と、前記換気流路に配設された換気ファンと、を備える浴室暖房乾燥機であって、
前記暖房用熱交換器に関連して、その温水往き温度を検知するための温水往き温度検知手段が設けられており、
前記運転モード設定手段により涼風運転モードを設定した場合、前記温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度以下であると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記換気ファンを作動させて涼風運転を行い、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度を超えていると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを作動させて第1涼風準備運転を行うことを特徴とする浴室暖房乾燥機。
前記制御手段は、前記第1涼風準備運転が第1設定時間行われると前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを継続して作動させて第2涼風準備運転を行い、前記第2涼風準備運転において、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度より大きい第2設定往き温度以下で、且つ前記絶対湿度検知手段の検知湿度が前記第1設定絶対湿度よりも大きい第2設定絶対湿度以下になると、前記制御手段は、前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記換気ファンを作動させて前記涼風運転を行うことを特徴とする請求項2に記載の浴室暖房乾燥機。
前記運転モード設定手段に関連して、涼風準備運転表示手段が設けられており、前記第1涼風準備運転のときには、前記涼風準備運転表示手段が付勢されて前記第1涼風準備運転中であることを表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の浴室暖房乾燥機。
ミストを発生するミスト発生装置が更に設けられ、前記ミスト発生装置は、前記熱源機からの温水を利用して水を加温するためのミスト用熱交換器と、ミストを噴霧するためのミスト発生手段と、を備えており、
前記運転モード設定手段により水ミスト運転モードを設定した場合、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度以下であると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記ミスト発生装置の前記ミスト発生手段を作動させて水ミスト運転を行い、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度を超えていると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを作動させて第1水ミスト準備運転を行うことを特徴とする請求項1に記載の浴室暖房乾燥機。
前記ミスト発生装置に関連して、前記ミスト発生手段に送給する温水の温度を検知するためのミスト温水温度検知手段が設けられており、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度以下で、前記絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度以下で、且つ前記ミスト温水温度検知手段の検知温度が第1設定ミスト温度以下であると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記ミスト発生装置の前記ミスト発生手段を作動させて前記水ミスト運転を行い、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度を超えている、前記絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度を超えている、又は前記ミスト温水温度検知手段の検知温度が前記第1設定ミスト温度を超えていると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを作動させて前記第1水ミスト準備運転を行うことを特徴とする請求項6に記載の浴室暖房乾燥機。
前記制御手段は、前記第1水ミスト準備運転が第1設定時間継続して行われると前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを継続して作動させて第2水ミスト準備運転を行い、前記第2水ミスト準備運転において、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度より大きい第2設定往き温度以下で、前記絶対湿度検知手段の検知湿度が前記第1設定絶対湿度よりも大きい第2設定絶対湿度以下で、且つ前記ミスト温水温度検知手段の検知温度が前記第1設定ミスト温度より大きい第2設定ミスト温度以下になると、前記制御手段は、前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記ミスト発生装置の前記ミスト発生手段を作動させて前記水ミスト運転を行うことを特徴とする請求項7に記載の浴室暖房乾燥機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この浴室暖房乾燥機では、暖房運転(又は乾燥運転)においては、熱源機からの温水が暖房乾燥機本体の暖房用熱交換器を通して循環され、この暖房用熱交換器にて加温された空気が浴室内に吹き出し、浴室内が温められた状態に保たれる。このような暖房運転(又は乾燥運転)の直後に涼風運転を行うと、暖房用熱交換器に温水が残っているために、暖房乾燥機本体から温風が吹き出し、涼風運転本来の涼感が得られない。
【0008】
また、ミスト発生装置を備えた浴室暖房乾燥機では、スプラッシュミスト運転(又はマイクロミスト運転)においては、熱源機からの温水が暖房乾燥機本体の暖房用熱交換器及びミスト発生装置のミスト用熱交換器を通して循環され、暖房用熱交換器にて加温された空気が浴室内に吹き出すとともに、ミスト用熱交換器にて加温された温水がスプラッシュミスト発生ノズル(又はマイクロミスト発生ノズル)から噴出し、浴室内が高湿度の温められた状態に保たれる。このようなスプラッシュミスト運転(又はマイクロミスト運転)の直後に涼風運転を行うと、暖房用熱交換器に温水が残っているために、暖房乾燥機本体から温風が吹き出し、涼風運転本来の涼風感が得られない。また、スプラッシュミスト運転(又はマイクロミスト運転)の直後に水ミスト運転を行うと、暖房乾燥機本体から温風が吹き出して浴室内が温められ、水ミスト運転本来の水ミスト効果(所謂、スッキリ感)が体感できない。暖房運転(及び乾燥運転)の直後に水ミスト運転を行っても同様の問題が生じる。
【0009】
本発明の目的は、暖房用熱交換器が温められている状態において涼風運転を行ったときに、涼風を体感できる環境状態になった後に涼風運転を開始し、これによって、涼風運転における不快感を抑えることができる浴室暖房乾燥機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に記載の浴室暖房乾燥機は、浴室内を暖房乾燥するための暖房乾燥機本体と、温水を生成して前記暖房乾燥機本体に供給するための熱源機と、運転モードを設定するための運転モード設定手段と、前記運転モード設定手段により設定された前記運転モードにより前記暖房乾燥機本体及び前記熱源機を作動制御するための制御手段と、を具備し、前記暖房乾燥機本体は、浴室内の空気を循環させるための循環流路と、前記循環流路に配設された循環ファンと、前記熱源機からの温水を利用して前記循環流路を流れる空気を加温するための暖房用熱交換器と、浴室内の空気を外部に排出するための換気流路と、前記換気流路に配設された換気ファンと、を備える浴室暖房乾燥機であって、
前記暖房用熱交換器に関連して、その温水往き温度を検知するための温水往き温度検知手段が設けられており、
前記運転モード設定手段により涼風運転モードを設定した場合、前記温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度以下であると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記換気ファンを作動させて涼風運転を行い、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度を超えていると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを作動させて第1涼風準備運転を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載の浴室暖房乾燥機では、前記暖房乾燥機本体に関連して、浴室内の絶対湿度を検知するための絶対湿度検知手段が更に設けられており、
前記運転モード設定手段により涼風運転モードを設定した場合、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度以下で、且つ前記絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度以下であると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記換気ファンを作動させて前記涼風運転を行い、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度を超えている又は前記絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度を超えていると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを作動させて前記第1涼風準備運転を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3に記載の浴室暖房乾燥機では、前記制御手段は、前記第1涼風準備運転が第1設定時間行われると前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを継続して作動させて第2涼風準備運転を行い、前記第2涼風準備運転において、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度より高い第2設定往き温度以下で、且つ前記絶対湿度検知手段の検知湿度が前記第1設定絶対湿度よりも高い第2設定絶対湿度以下になると、前記制御手段は、前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記換気ファンを作動させて前記涼風運転を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4に記載の浴室暖房乾燥機では、前記運転モード設定手段に関連して、涼風準備運転表示手段が設けられており、前記第1涼風準備運転のときには、前記涼風準備運転表示手段が付勢されて前記第1涼風準備運転中であることを表示することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項5に記載の浴室暖房乾燥機では、ミストを発生するミスト発生装置が更に設けられ、前記ミスト発生装置は、前記熱源機からの温水を利用して水を加温するためのミスト用熱交換器と、ミストを噴霧するためのミスト発生手段とを備えており、
前記運転モード設定手段により水ミスト運転モードを設定した場合、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度以下であると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記ミスト発生装置の前記ミスト発生手段を作動させて水ミスト運転を行い、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度を超えていると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを作動させて第1水ミスト準備運転を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項6に記載の浴室暖房乾燥機では、前記暖房乾燥機本体に関連して、浴室内の絶対湿度を検知するための絶対湿度検知手段が更に設けられており、
前記運転モード設定手段により水ミスト運転モードを設定した場合、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度以下で、且つ前記絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度以下であると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記ミスト発生装置の前記ミスト発生手段を作動させて前記水ミスト運転を行い、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度を超えている又は前記絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度を超えていると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを作動させて前記第1水ミスト準備運転を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項7に記載の浴室暖房乾燥機では、前記ミスト発生装置に関連して、前記ミスト発生手段に送給する温水の温度を検知するためのミスト温水温度検知手段が設けられており、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度以下で、前記絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度以下で、且つ前記ミスト温水温度検知手段の検知温度が第1設定ミスト温度以下であると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記ミスト発生装置の前記ミスト発生手段を作動させて前記水ミスト運転を行い、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度を超えている、前記絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度を超えている、又は前記ミスト温水温度検知手段の検知温度が前記第1設定ミスト温度を超えていると、前記制御手段は前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを作動させて前記第1水ミスト準備運転を行うことを特徴とする。
【0017】
更に、本発明の請求項8に記載の浴室暖房乾燥機では、前記制御手段は、前記第1水ミスト準備運転が第1設定時間継続して行われると前記暖房乾燥機本体の前記換気ファンを継続して作動させて第2水ミスト準備運転を行い、前記第2水ミスト準備運転において、前記温水往き温度検知手段の検知温度が前記第1設定往き温度より高い第2設定往き温度以下で、前記絶対湿度検知手段の検知湿度が前記第1設定絶対湿度よりも高い第2設定絶対湿度以下で、且つ前記ミスト温水温度検知手段の検知温度が前記第1設定ミスト温度より高い第2設定ミスト温度以下になると、前記制御手段は、前記暖房乾燥機本体の前記循環ファン及び前記ミスト発生装置の前記ミスト発生手段を作動させて前記水ミスト運転を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1に記載の浴室暖房乾燥機によれば、暖房乾燥機本体の暖房用熱交換器の温水往き温度を検知するための温水往き温度検知手段が設けられ、涼風運転モードを設定した場合、この温水往き温度検知手段の検知温度に基づいて涼風運転を行うか、この涼風運転を行う前に第1涼風準備運転を行うかが選択される。温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度(例えば、50℃)以下であると、暖房乾燥機本体の暖房用熱交換器に残っている温水の温度がある程度低下しているとして涼風運転が行われる。この涼風運転においては、暖房乾燥機本体の循環ファン及び換気ファンが作動され、暖房乾燥機本体から涼風が吹き出し、浴室内において涼感を体感することができる。一方、この温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度を超えていると、この暖房用熱交換器に残っている温水の温度が高く、この状態で涼風運転を行うと暖房乾燥機本体から温風が吹き出して涼感が体感できないおそれがあるとして第1涼風準備運転が行われる。この第1涼風準備運転では、暖房乾燥機本体の換気ファンが作動され、浴室内の温かい空気が換気流路を通して外部に排出され、浴室内の温度を下げて涼感が得られる環境状態にすることができる。
【0019】
また、本発明の請求項2に記載の浴室暖房乾燥機によれば、浴室内の絶対湿度を検知するための絶対湿度検知手段が設けられ、運転モード設定手段により涼風運転モードを設定した場合、温水往き温度検知手段の検知温度及び絶対湿度検知手段の検知湿度に基づいて涼風運転を行うか、第1涼風準備運転を行うかが選択される。温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度以下で、且つ絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度(例えば、0.025kg/kg)以下であると、暖房乾燥機本体の暖房用熱交換器に残存する温水の温度がある程度低下しているとともに、浴室内の湿度もある程度低下しているとして涼風運転が行われる。一方、温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度を超えていると、上述したように涼感を体感できなくなるおそれがあり、また絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度を超えていると、浴室内の湿度が高く、暖房乾燥機本体から空気を吹き出しても浴室内の湿気のために涼感を体感できないおそれがあるとして第1涼風準備運転が行われ、浴室内の空気の換気が行われる。
【0020】
また、本発明の請求項3に記載の浴室暖房乾燥機によれば、第1涼風準備運転が第1設定時間(例えば、5分間)行われると、涼風運転を行う環境にないとして第2涼風準備運転が行われ、浴室内の空気の換気が継続して行われる。この第2涼風準備運転においては、第1涼風準備運転よりも緩い条件でもって涼風運転への移行が判断され、温水往き温度検知手段の検知温度が第2設定往き温度(例えば、55℃)以下で、且つ絶対湿度検知手段の検知湿度が第2設定絶対湿度(例えば、0.03kg/kg)以下になると、涼風運転に切り換わって暖房乾燥機本体の循環ファン及び換気ファンが作動される。
【0021】
また、本発明の請求項4に記載の浴室暖房乾燥機によれば、第1涼風準備運転のときには、涼風準備運転表示手段が付勢されるので、使用者は、この涼風準備運転表示手段の表示を見ることによって、涼風運転を操作したにもかかわらず涼感を体感できないことを容易に知ることができる。
【0022】
また、本発明の請求項5に記載の浴室暖房乾燥機によれば、水ミスト運転モードを設定した場合、温水往き温度検知手段の検知温度に基づいて水ミスト運転を行うか、この水ミスト運転を行う前に第1水ミスト準備運転を行うかが選択される。温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度(例えば、50℃)以下であると、暖房乾燥機本体の暖房用熱交換器に残っている温水の温度がある程度低下しているとして水ミスト運転が行われる。この水ミスト運転においては、暖房乾燥機本体の循環ファンが作動され、またミスト発生装置のミスト発生手段から水ミストが噴出し、水ミストによるスッキリ感を体感することができる。一方、この温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度を超えていると、この暖房用熱交換器に残っている温水の温度が高く、この状態で水ミスト運転を行っても暖房乾燥機本体から温風が吹き出して水ミストによるスッキリ感を体感できないとして第1水ミスト準備運転が行われる。この第1水ミスト準備運転では、暖房乾燥機本体の換気ファンが作動され、浴室内の温かい空気が換気流路を通して外部に排出され、浴室内の温度を下げて水ミスト効果を体感できる環境状態にすることができる。
【0023】
また、本発明の請求項6に記載の浴室暖房乾燥機によれば、浴室内の絶対湿度を検知するための絶対湿度検知手段が設けられ、運転モード設定手段により水ミスト運転モードを設定した場合、温水往き温度検知手段の検知温度及び絶対湿度検知手段の検知湿度に基づいて水ミスト運転を行うか、第1水ミスト準備運転を行うかが選択される。温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度以下で、且つ絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度(例えば、0.025kg/kg)以下であると、暖房乾燥機本体の暖房用熱交換器に残っている温水の温度がある程度低下し、また浴室内の湿度がある程度低下しているとして水ミスト運転が行われる。一方、温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度を超えていると、上述したように水ミストによるスッキリ感が体感できないおそれがあり、また絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度を超えていると、浴室内に湿気が残っており、この湿気が温かいと水ミストによるスッキリ感が体感できないおそれがあり、このようなことから第1水ミスト準備運転が行われ、浴室内の空気の換気が行われる。
【0024】
また、本発明の請求項7に記載の浴室暖房乾燥機によれば、ミスト発生手段に送給される温水の温度を検知するためのミスト温水温度検知手段が設けられており、このミスト温水温度検知手段の検知温度をも考慮して水ミスト運転を行うか、第1水ミスト準備運転を行うかが選択される。温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度以下で、且つ絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度以下であるとともに、ミスト温水温度検知手段の検知温度が第1設定ミスト温度(例えば、60℃)以下であると、ミスト発生装置のミスト発生手段から吹き出す水(又は温水)の温度もある程度低く、水ミスト運転が行われる。一方、温水往き温度検知手段の検知温度が第1設定往き温度を超えている、又は絶対湿度検知手段の検知湿度が第1設定絶対湿度を超えていると、上述したように水ミスト効果によるスッキリ間が体感できないおそれがあり、またミスト温水温度検知手段の検知温度が第1設定ミスト温度を超えていると、ミスト発生手段から温水ミストが噴出するおそれがあるとして第1水ミスト準備運転が行われる。
【0025】
更に、本発明の請求項8に記載の浴室暖房乾燥機によれば、第1涼風準備運転が第1設定時間(例えば、5分間)行われると、水ミスト運転を行う環境状態にないとして第2水ミスト準備運転が行われ、浴室内の空気の換気が行われる。この第2水ミスト準備運転においては、第1水ミスト準備運転よりも緩い条件でもって水ミスト運転への移行が判断され、温水往き温度検知手段の検知温度が第2設定往き温度(例えば、55℃)以下で、絶対湿度検知手段の検知湿度が第2設定絶対湿度(例えば、0.03kg/kg)以下で、且つミスト温水温度検知手段の検知温度が第2設定ミスト温度(例えば、65℃)になると、水ミスト運転に切り換わって暖房乾燥機本体の循環ファン及びミスト発生装置のミスト発生手段が作動される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う浴室暖房乾燥機の一実施形態について説明する。
図1において、図示の浴室暖房乾燥機は暖房乾燥機本体2を備え、この暖房乾燥機本体2は例えば浴室の天井に取り付けられる。この暖房乾燥機本体2内には、循環流路4及び換気流路6が設けられている。循環流路4は、暖房乾燥機本体2内において
図1の右部から中間部にわたって設けられ、この循環流路4に、空気を加熱するための暖房用熱交換器8と、浴室内の空気を循環させるための循環ファン10とが設けられている。暖房用熱交換器8は、略水平に延びる第1熱交換部12と、略垂直に延びる第2熱交換部14とを有し、第1熱交換部12が循環ファン10の下側に配設され、第2熱交換部14が循環ファン10の内側に配設されている。第1及び第2熱交換部12,14は複数本の中空パイプを有し、加熱媒体としての温水が後述する如くしてこれら中空パイプを通して流れる。
【0028】
暖房乾燥機本体2の下面には、浴室内の空気を吸入するための吸入口18と、浴室内に空気を吹き出すための吹出し口20が設けられ、循環流路4の上流端部は吸入口18に連通され、その下流端部は吹出し口20に連通されている。この形態では、循環流路4の下流側部は仕切り板22によって上下に仕切られ、この仕切り板22の上側に上流路部24が規定され、その下側に下流路部26が規定されている。循環ファン10が矢印16で示す方向に回動すると、浴室内の空気は吸入口20を通して吸入され、循環流路4を実線矢印で示すように流れ、吸入された空気の一部は上流路部24を通して流れ、その残部が下流路部26を通して流れ、これらの空気が合流した後吹出し口22から浴室内に吹き出され、このようにして浴室内の空気が循環流路4(上流路部24及び下流路部26)を通して循環され、このように循環流路4を流れる空気は、暖房用熱交換器8を流れる温水との間で熱交換されて加温される。
【0029】
吹出し口20には、吹き出す空気の風向きを変えるためのルーバ28が配設されている。ルーバ28は揺動軸30を中心として揺動自在に支持され、ルーバ用モータ32(
図4参照)によって揺動され、このルーバ28によって吹出し口20から吹き出す空気の向きが調節される。
【0030】
また、換気流路6は、暖房乾燥機本体2内において
図1の中間部から左部にわたって設けられている。暖房乾燥機本体2の側面(
図1における左側面)には排気口(図示せず)が設けられ、換気流路6の上流端部が循環流路4に連通され、その下流端部が排気口に連通されている。この換気流路6には換気ファン34が配設され、換気ファン34が所定方向に回動すると、浴室内の空気は、吸入口18を通して吸引されて循環流路4を流れ、その後換気流路6を破線矢印で示すように流れて排気口(図示せず)から外部に排出される。
【0031】
図2をも参照して、この暖房乾燥機本体2に関連して熱源機36が設けられ、この熱源機36にて生成された加熱媒体としての温水が暖房乾燥機本体2に供給される。熱源機36は例えばガス給湯装置から構成され、燃料用ガスを燃焼させて温水を生成するための燃焼バーナ38及び温水を送給するための送給ポンプ40を備えている。この熱源機46の供給側接続部42が温水往きライン44を介して暖房用熱交換器8の流入側に接続され、またその戻り側接続部46が温水戻りライン48を介して暖房用熱交換器8の流出側に接続され、温水往きライン46には、このライン46を開閉するための熱動弁50が配設されている。このように構成されているので、熱源機36からの温水は、温水往きライン44、暖房乾燥機本体2の暖房用熱交換器8及び温水戻りライン48を通して循環される。
【0032】
この浴室暖房乾燥機には、更に、ミストサウナ効果を得るためのミスト発生装置52が設けられている。ミスト発生装置52は、ミスト用熱交換器54(
図2参照)及びミスト発生手段55を備え、この形態では、ミスト発生手段55は、スプラッシュミスト発生ノズル56及びマイクロミスト発生ノズル58を含んでいる。ミスト用熱交換器54は水を温めて温水とするものであり、その温水系統の流入側がミスト用温水往きライン60を介して温水往きライン44(具体的には、熱動弁50の上流側)に接続され、その温水系統の流出側がミスト用温水戻りライン62を介して温水戻りライン48に接続され、ミスト用温水往きライン60には、温水の流量を制御する水比例弁61が配設されている。
【0033】
また、ミスト用熱交換器54の水系統の流入側は給水ライン64を介して例えば水道管(図示せず)に接続され、その水系統の流出側は排水ライン66を介して排水部(図示せず)に接続されている。給水ライン64には、不純物(錆など)を除去するためのストレーナ65が配設されているとともに、給水ライン64を開閉する給水電磁弁67が配設されている。また、排水ライン66には、この排水ライン66を開閉する排水電磁弁69が配設されている。
【0034】
このように構成されているので、温水往きライン44からの温水の一部は、ミスト用温水往きライン60、ミスト用熱交換器54及びミスト用温水戻りライン62を介して温水戻りライン48に流れ、また給水ライン64を流れる水(例えば、水道水)は、ミスト用熱交換器54及び排水ライン66を通して流れ、このミスト用熱交換器54において温水系統の温水との熱交換により水系統の水が加温されて温水となる。
【0035】
スプラッシュミスト発生ノズル56は、スプラッシュミスト(50〜100μm程度の粒径のミスト)を噴霧させるノズルであり、暖房乾燥機本体2の吹出し口20近傍に配設される(
図1参照)。このスプラッシュミスト発生ノズル56には、排水ライン66(排水電磁弁69の配設部位より上流側部位)から分岐するスプラッシュミストライン68が接続されている。スプラッシュミストライン68には、このライン68を開閉するスプラッシュミスト用電磁弁70が配設され、スプラッシュミスト発生ノズル56及びスプラッシュミスト用電磁弁70がミスト発生手段55の一部を構成する。給水電磁弁67及びスプラッシュミスト用電磁弁70が開状態で、排水電磁弁69が閉状態のときに、給水ライン64からの水がスプラッシュミスト発生ノズル56に送給され、後に詳述するように、スプラッシュミスト運転のときには、ミスト用熱交換器54にて加温された温水がスプラッシュミスト発生ノズル56から噴霧され、また水ミスト運転のときには、ミスト用熱交換器54にて加温されることなく流れた水がスプラッシュミスト発生ノズル56から噴霧される。
【0036】
また、マイクロミスト発生ノズル58は、マイクロミスト(スプラッシュミストよりも小さいミストであって、5〜20μm程度の粒径のミスト)を噴霧させるノズルであり、暖房乾燥機本体2の循環流路4における上流路部24内に配設されている(
図1参照)。このマイクロミスト発生ノズル58には、排水ライン66(具体的には、スプラッシュミストライン68の分岐部位よりも上流側部位)から分岐するマイクロミストライン72が接続されている。このマイクロミストライン72には、このライン72を開閉するマイクロミスト用電磁弁74が配設され、マイクロミスト発生ノズル58及びマイクロミスト用電磁弁74もミスト発生手段55の一部を構成する。給水電磁弁67及びマイクロミスト用電磁弁74が開状態で、排水電磁弁69が閉状態のときに、給水ライン64からの水がマイクロミスト発生ノズル58に送給され、ミスト用熱交換器54にて加温された温水がマイクロミスト発生ノズル58から噴霧される。
【0037】
この形態では、マイクロミスト発生ノズル58に関連して、更に、次の通りに構成されている。循環流路4の上流路部24における、空気の流れ方向に見てマイクロミスト発生ノズル58の下流側に、フィルタ76が配設されている。このフィルタ76は、マイクロミスト発生ノズル58から噴霧されたミストのうち粒径の大きなミストをカットし、粒径の小さなマイクロミストのみがフィルタ76を通過して吹出し口20から浴室内に吹き出される。
【0038】
また、仕切り板22には集水部78が設けられ、この集水部78には下方に延びる連通路80が設けられ、この連通路80に電磁開閉弁81が設けられている。循環流路4の下流路部26には、連通路80の下方に蒸発用熱交換器82が配設されている。蒸発用熱交換器82はミスト用温水戻りライン62に設けられ、ミスト用熱交換器54を流れた後の戻り温水が蒸発用熱交換器82を通して温水戻りライン48に流れる。このように構成されているので、フィルタ76から流下した温水(又は水)は、集水部78に集められ、連通路80を流れて蒸発用熱交換器82に流下し、蒸発用熱交換器82を流れる温水からの熱によって蒸発され、かく蒸発されたミストが下流路部26を流れる加温空気とともに吹出し口20から浴室内に流れる。尚、この実施形態では、フィルタ76から流下した温水(又は水)を利用するために蒸発用熱交換器82を設けているが、この蒸発用熱交換器82を省略し、この温水(又は水)を排水するようにしてもよい。
【0039】
この浴室暖房乾燥機には、各種温度を検知するために、温水往き温度検知手段84、温水戻り温度検知手段86、ミスト温水温度検知手段88及び浴室温度検知手段90が設けられている。温水往き温度検知手段84は、熱源機36から暖房用熱交換器8に供給される温水の温度(往き温度)を検知するためのものであり、温水往きライン44における、ミスト用温水往きライン60との接続部位より上流側に配設されている。この温水往き温度検知手段84は、温水往きライン44における、ミスト用温水往きライン60との接続部位より下流側(熱動弁50の上流側)に配設するようにしてもよい。また、温水戻り温度検知手段86は、暖房用熱交換器8から熱源機36に戻る温水の温度(戻り温度)を検知するためのものであり、温水戻りライン48における、ミスト用温水戻りライン62との接続部位より下流側に配設されている。この温水戻り温度検知手段86は、温水戻りライン48における、ミスト用温水戻りライン62との接続部位より上流側に配設するようにしてもよい。
【0040】
また、ミスト温水温度検知手段88は、スプラッシュミスト発生ノズル56及びマイクロミスト発生ノズル58に送給される温水の温度を検知するためのものであり、ミスト用熱交換器54の下流側(この形態では、マイクロミストライン72との接続部位とミスト用熱交換器54との間の部位)に配設されている。また、浴室温度検知手段90は浴室内の温度を検知するためのものであり、暖房乾燥機本体2の下面近傍に配設されている。温水往き温度検知手段84、温水戻り温度検知手段86、ミスト温水温度検知手段88及び浴室温度検知手段90からの検知信号は、後述するコントローラ92に送給される。
【0041】
この浴室暖房乾燥機は、
図3に示す操作リモコン93を含み、この操作リモコン93を用いて操作運転される。操作リモコン93は、浴室暖房乾燥機の運転モードを設定するための運転モード設定手段94を備え、この実施形態では、この運転モード設定手段94は、暖房運転モードを設定する暖房スイッチ96、乾燥運転モードを設定する乾燥スイッチ98、換気運転モードを設定する換気スイッチ100、涼風運転モードを設定する涼風スイッチ102、スプラッシュミスト運転モードを設定するスプラッシュスイッチ104、マイクロミスト運転を設定するマイクロスイッチ106及び水ミスト運転モードを設定する水ミストスイッチ107を備えている。
【0042】
操作リモコン93は、更に、浴室暖房乾燥機の運転を停止させるための停止スイッチ108、ルーバ28の角度位置を設定する(即ち、ルーバ28から吹き出す空気の風向を設定する)風向スイッチ110、運転時間を設定するための時間設定スイッチ112及び浴室温度を設定するための温度設定スイッチ114を備えている。時間設定スイッチ112は、設定運転時間を所定時間(例えば、1分)ずつアップさせるためのアップスイッチ116と、設定運転時間を所定時間(例えば、1分)ずつダウンさせるためのダウンスイッチ118とから構成され、また温度設定スイッチ78は、設定浴室温度を所定温度(例えば、1℃)ずつアップさせるためのアップスイッチ120と、設定浴室温度を所定温度(例えば、1℃)ずつダウンさせるためのダウンスイッチ122とから構成されている。
【0043】
操作リモコン93は、更に、表示手段124及び送受信手段126(
図4参照)を含んでいる。表示手段124は運転モード設定手段94により設定された運転モード、時間設定スイッチ112により設定された設定運転時間、温度設定スイッチ114により設定された設定浴室温度、更には後述する「涼風準備運転」の状態である旨(涼風準備運転表示)を表示し、涼風準備運転表示手段としても機能し、また「水ミスト準備運転」の状態である旨(水ミスト準備運転表示)を表示し、水ミスト準備運転表示手段としても機能する。尚、涼風準備運転表示手段として涼風準備運転表示ランプから構成し、水ミスト準備運転表示手段として水ミスト準備運転表示ランプから構成してもよく、或いは涼風準備運転表示ランプ及び水ミスト準備運転表示ランプを共通の準備運転表示ランプから構成してもよい。
【0044】
また、送受信手段126は運転モード設定手段94により設定された運転モード信号、時間設定スイッチ112により設定された設定時間信号、温度設定スイッチ114により設定された設定温度信号、風向スイッチ110により設定された設定風向信号、停止スイッチ108により設定された停止信号などをコントローラ92(
図4参照)に送信するとともに、コントローラ92からの涼風準備運転信号及び水ミスト準備運転信号(後述する)を受信する。
【0045】
この実施形態では、浴室暖房乾燥機は、
図4に示すコントローラ92によって作動制御される。図示のコントローラ92は、例えばマイクロプロセッサから構成される制御手段128、往き温度判定手段130、ミスト温度判定手段132、涼風準備運転信号生成手段134、水ミスト準備運転信号生成手段136、条件緩和信号生成手段138、運転切換信号生成手段140及び異常信号生成手段142を含んでいる。制御手段128は、熱源機36、暖房乾燥機本体2及びミスト発生装置52を後述する如く制御し、往き温度判定手段130は、暖房用熱交換器8の往き温水(流入側温水)の温度(即ち、温水往き温度検知手段84の検知温度)を後述する如く判定し、ミスト温度判定手段132はミスト温水(ミスト用熱交換器54の流出側温水)の温度(即ち、ミスト温水温度検知手段88の検知温度)を後述する如く判定し、涼風準備運転信号生成手段134は、涼風運転の際の往き温度判定手段130の判定結果に基づいて後述如く涼風準備運転信号を生成し、水ミスト準備運転信号生成手段136は、水ミスト運転の際に往き温度判定手段130及びミスト温度判定手段132の判定結果に基づいて後述する如く水ミスト準備運転信号を生成する。
【0046】
また、条件緩和信号生成手段138は、涼風準備運転が継続したときに、また水ミスト準備運転が継続したときに後述する如く条件緩和信号を生成する。運転切換信号生成手段140は、涼風準備運転中に涼風運転に適した環境状態になったときに、また水ミスト準備運転中に水ミスト運転に適した環境状態になったときに後述するように条件緩和信号を生成する。また、異常信号生成手段142は、後述するように異常信号を生成する。
【0047】
コントローラ92は、更に、計時手段144及びメモリ手段146を含んでいる。計時手段144は後述するように時間を計時する。また、メモリ手段146には各種データが登録され、往き温度判定手段130の判定基準となる第1設定往き温度T1(例えば、50℃前後に設定される)及び第2設定往き温度T2(第1設定往き温度M1より高い温度であって、例えば55℃前後に設定される)、ミスト温度判定手段132の判定基準となる第1設定ミスト温度M1(例えば、60℃前後に設定される)及び第2設定ミスト温度M2(第1設定ミスト温度M1よりも高い温度であって、例えば65℃前後に設定される)、並びに涼風準備運転及び水ミスト準備運転に関する第1設定時間t1(例えば、5分間程度に設定される)及び第2設定時間t2(例えば、5分間程度に設定される)などが登録されている。
【0048】
この形態では、後述するように、涼風準備運転については、第1涼風準備運転とその後に行われる第2涼風準備運転が存在し、第1涼風準備運転においては第1設定往き温度T1を基準に判定され、第2涼風準備運転においては、第1涼風準備運転のときよりも緩和された条件、即ち第2設定往き温度T2を基準に判定される。また、水ミスト準備運転については、第1水ミスト準備運転とその後に行われる第2水ミスト準備運転が存在し、第1水ミスト準備運転においては第1設定往き温度T1及び第1設定ミストM1を基準に判定され、第2涼風準備運転においては、第1涼風準備運転のときよりも緩和された条件、即ち第2設定往き温度T2及び第2設定ミスト温度M2を基準に判定される。
【0049】
この浴室暖房乾燥機では、次のようにして涼風運転が行われる。主として
図2、
図4及び
図5を参照して、涼風運転を行うには、操作リモコン93の涼風スイッチ102をオン操作すればよく(ステップS1)、かく操作すると、表示手段124に涼風運転の旨の表示が行われ、後述する涼風運転が予め設定される時間行われる。尚、この運転時間を変更する場合、時間設定スイッチ114を入力操作すればよい。
【0050】
このように入力操作すると、コントローラ92の計時手段144が時間を計時し(ステップS2)、続いて暖房往き温度の検知が行われる(ステップS3)。この温度検知は温水往き温度検知手段84により行われ、温水往き温度検知手段84からの検知信号がコントローラ92に送給され、往き温度判定手段130が、この検知温度Tが第1設定往き温度T1(例えば、50℃)以下であるかを判定する。例えば、暖房運転(又は乾燥運転、スプラッシュミスト運転、マイクロミスト運転)の直後においては、暖房乾燥機本体2の暖房用熱交換器8に温水が残存し、循環ファン10を作動させると暖房用熱交換器8にて熱交換された温風が吹出し口から吹き出すおそれがある。このようなことから、この温水往き温度検知手段84の検知温度Tが第1設定往き温度T1を超えている(T>T1)と、暖房乾燥機本体2から温風が吹き出すおそれがあるとしてステップS4からステップS5に進み、一方この検知温度Tが第1設定往き温度T1以下である(T≦T1)と、暖房乾燥機本体2から温風が吹き出すおそれがないとしてステップS4からステップS6に進み、浴室暖房乾燥機の涼風運転が開始される。
【0051】
温水往き温度検知手段84の検知温度が第1設定往き温度T1を超えている(T>T1)と、往き温度判定手段130の判定結果に基づいて涼風準備運転信号生成手段134は涼風準備運転信号(この形態では、第1涼風準備運転信号)を生成し、この涼風準備運転信号に基づいて浴室暖房乾燥機が涼風準備運転(第1涼風準備運転)される(ステップS5)。この涼風準備運転においては、暖房乾燥機本体2の換気ファン34が作動され、浴室内の空気は、吸入口18から吸引された後に循環流路4及び換気流路6を通して排気口(図示せず)から外部に排出され、このようにして浴室内の換気が行われ(ステップS7)、浴室内の温かい空気が換気流路6を通して外部に排出される。このとき、循環流路4を流れる空気によって暖房用熱交換器8が冷却され、暖房往き温度が低下する。この準備運転信号は、コントローラ92から操作リモコン93に送信され、その表示手段124に涼風準備運転中である旨の表示が行われ、使用者はその表示を見ることによって涼風準備運転中であることを容易に知ることができる。
【0052】
この涼風準備運転(第1涼風準備運転)中においては、温水往き温度検知手段84による温度検知が行われ(ステップS8)、この検知温度Tが第1設定往き温度T1以下まで低下する(T≦T1)と、ステップS9からステップS10に進み、往き温度判定手段130は暖房用熱交換器8の往き温度が低下して温風が吹き出すおそれがないと判定し、この判定結果に基づいて換気ファン34が作動停止する。また、運転切換信号生成手段140が運転切換信号を生成し、この運転切換信号に基づいて運転の切換えが行われ(ステップS11)、涼風準備運転(第1涼風準備運転)が終了して涼風運転が開始される(ステップS6)。尚、この運転切換信号は、操作リモコン93に送信され、表示手段124における涼風準備運転の表示が消える。
【0053】
この涼風準備運転(第1涼風準備運転)が第1設定時間t1(例えば、5分)継続して行われると、ステップS9からステップS12を経てステップS13に進み、条件緩和信号生成手段138が条件緩和信号を生成し、この条件緩和信号に基づいて浴室暖房乾燥機の条件緩和運転(第2涼風準備運転)が行われる。この条件緩和運転においては、第1設定往き温度T1(例えば、50℃)から第2設定往き温度T2(例えば、55℃)に切り換えられて温度判定が行われる。
【0054】
この条件緩和運転(第2涼風準備運転)中においては、温水往き温度検知手段84による温度検知が行われ(ステップS14)、この検知温度Tが第2設定往き温度T2以下まで低下する(T≦T2)と、ステップS15からステップS16に進み、往き温度判定手段130は暖房用熱交換器8の往き温度がある程度低下し且つ浴室内も換気されて涼風感が得られると判定し、この判定結果に基づいて換気ファン34が作動停止する。また、上述したと同様に、運転切換信号生成手段140が運転切換信号を生成し、この運転切換信号に基づいて運転の切換えが行われ(ステップS17)、条件緩和運転(第2涼風準備運転)が終了し、涼風運転が開始される(ステップS6)とともに、操作リモコン93の表示手段124における涼風準備運転の表示が消える。
【0055】
この条件緩和運転(第2涼風準備運転)が第2設定時間t2(例えば、5分)継続して行われると、ステップS15からステップS18を経てステップS19に進み、所定時間経過しても暖房用熱交換器8の往き温度が低下せず、浴室暖房乾燥機に何らかの異常が発生しているおそれがあるとして、異常信号生成手段142が異常信号を生成し(ステップS19)、この異常信号に基づいて浴室暖房乾燥機の作動が停止する(即ち、換気ファン4が作動停止する)。
【0056】
ステップS6において浴室暖房乾燥機の涼風運転が開始されると、暖房乾燥機本体2のルーバ用モータ32が作動してルーバ28が揺動し(ステップS21)、循環ファン10が作動し(ステップS22)、更に換気ファン34が作動し(ステップS23)、暖房用乾燥機本体2の吸入口18を通して吸入された空気が吹出し口20から吹き出すとともに、浴室内の空気の一部が循環流路4及び換気流路6を通して外部に排出され、浴室が涼風感の得られる空間となる。
【0057】
この涼風運転中に操作リモコン93の停止スイッチ108をオン操作する(又は涼風運転を行う設定時間が経過する)と、ステップS24からステップS25に進み、ルーバ用モータ32が作動停止し、循環ファン10が作動停止し(ステップS26)、また換気ファン34が作動停止し(ステップS27)、このようにして浴室暖房乾燥機の涼風運転が終了する(ステップS28)。尚、このように終了すると、運転終了信号が操作リモコン93に送信され、表示手段124における涼風運転の表示が消える。
【0058】
この実施形態では、涼風準備運転(第1涼風準備運転)の後に条件緩和運転(第2涼風準備運転)を行っているが、この条件緩和運転を省略するようにしてもよく、この場合、涼風準備運転(第1涼風準備運転)を第1設定時間t1継続して行っても暖房用熱交換器8の往き温度が第1往き温度T1を超えている(T>T1)ときに、異常信号生成手段142が異常信号を生成するようになる。
【0059】
次に、上述した浴室暖房乾燥機の水ミスト運転について説明する。主として
図2、
図4及び
図6を参照して、水ミスト運転を行うには、操作リモコン93の水ミストスイッチ107をオン操作すればよく(ステップS31)、かく操作すると、表示手段124に水ミスト運転の表示が行われ、後述する水ミスト運転が予め設定される時間行われる。
【0060】
このように入力操作すると、コントローラ92の計時手段144が時間を計時し(ステップS32)、続いて暖房往き温度の検知が行われ(ステップS33)、更にミスト温度の検知が行われる(ステップS34)。この往き温度検知は温水往き温度検知手段84により行われ、またミスト温度検知はミスト温水温度検知手段88により行われ、これら温度検知手段84,88からの検知信号がコントローラ92に送給される。
【0061】
この水ミスト運転においては、往き温度判定手段130は、温水往き温度検知手段84の検知温度Tが第1設定往き温度T1(例えば、50℃)以下で(T≦T1)、且つミスト温水温度検知手段88の検知温度Mが第1設定ミスト温度M1以下であるかを判定する。例えば、暖房運転(又は乾燥運転、スプラッシュミスト運転、マイクロミスト運転)の直後においては、暖房乾燥機本体2の暖房用熱交換器8に温水が残存し、循環ファン10を作動させると暖房用熱交換器8にて熱交換された温風が吹出し口から吹き出すおそれがあり、またスプラッシュミスト運転(又はマイクロミスト運転)の直後においては、ミスト発生装置52のミスト用熱交換器54、排水ライン66の一部及びスプラッシュミストライン68に温水が残留し、スプラッシュミストライン68を通してスプラッシュミスト発生ノズル56から温水が噴出するおそれがある。
【0062】
このようなことから、温水往き温度検知手段84の検知温度Tが第1設定往き温度T1を超えている(T>T1)と、暖房乾燥機本体2から温風が吹き出すおそれがあるとし、またミスト温水温度検知手段88の検知温度Mが第1設定ミスト温度M1を超えている(M>M1)と、スプラッシュミスト発生ノズル56から温水が噴出するおそれがあるとし、これらの場合、ステップS35からステップS36に進む。一方、温水往き温度検知手段84の検知温度Tが第1設定往き温度T1以下で(T≦T1)、且つミスト温水温度検知手段88の検知温度Mが第1設定ミスト温度M1以下である(M≦M1)と、暖房乾燥機本体2から温風が吹き出すおそれがなく、またスプラッシュミスト発生ノズル56から温水が噴霧されるおそれがないとしてステップS35からステップS37に進み、浴室暖房乾燥機の水ミスト運転が開始される。
【0063】
温水往き温度検知手段84の検知温度Tが第1設定往き温度T1を超えている(T>T1)と、往き温度判定手段130の判定結果に基づいて水ミスト準備運転信号生成手段136は水ミスト準備運転信号(この形態では、第1水ミスト準備運転信号)を生成し、またミスト温水温度検知手段88の検知温度Mが第1設定ミスト温度M1を超えている(M>M1)と、ミスト温度判定手段132の判定結果に基づいて水ミスト準備運転信号生成手段136は同様に水ミスト準備運転信号(この形態では、第1水ミスト準備運転信号)を生成する。そして、この水ミスト準備運転信号に基づいて浴室暖房乾燥機が水ミスト準備運転(第1水ミスト準備運転)される(ステップS36)。
【0064】
この水ミスト準備運転においては、暖房乾燥機本体2の換気ファン34が作動され、上述したと同様にして浴室内の空気の換気が行われ(ステップS38)、浴室内の空気が循環流路4及び換気流路6を通して外部に排出され、循環流路4を流れる空気によって暖房用熱交換器8が冷却され、暖房往き温度が低下する。この水ミスト準備運転信号は、操作リモコン93に送信され、その表示手段124に水ミスト準備運転の表示が行われる。
【0065】
この水ミスト準備運転(第1水ミスト準備運転)中においては、温水往き温度検知手段84による温水往き温度の検知が行われ(ステップS39)、またミスト温水温度検知手段88によるミスト温水温度の検知が行われ(ステップS40)、温水往き温度検知手段84の検知温度Tが第1設定往き温度T1以下まで低下し(T≦T1)、且つミスト温水温度検知手段88の検知温度Mが第1設定ミスト温度M1まで低下する(M≦M1)と、ステップS41からステップS42に進み、往き温度判定手段130は暖房用熱交換器8の往き温度が低下して温風が吹き出すおそれがないと判定し、またミスト温度判定手段132はミスト温度が低下してスプラッシュミスト発生ノズル56から温水が噴出するおそれがないと判定し、これらの判定結果に基づいて換気ファン34が作動停止する。また、運転切換信号生成手段140が運転切換信号を生成し、この運転切換信号に基づいて運転の切換えが行われ(ステップS43)、水ミスト準備運転(第1水ミスト準備運転)が終了し、水ミスト運転が開始される(ステップS37)。尚、この運転切換信号は、操作リモコン93に送信され、表示手段124の水ミスト準備運転の表示が消える。
【0066】
この水ミスト準備運転(第1水ミスト準備運転)が第1設定時間t1(例えば、5分)継続して行われると、ステップS41からステップS44を経てステップS45に進み、条件緩和信号生成手段138が条件緩和信号を生成し、この条件緩和信号に基づいて浴室暖房乾燥機の条件緩和運転(第2水ミスト準備運転)が行われる。この条件緩和運転においては、第1設定往き温度T1(例えば、50℃)から第2設定往き温度T2(例えば、55℃)に切り換えられて往き温水温度の判定が行われ、また第1設定ミスト温度M1(例えば、60℃)から第2設定ミスト温度M2(例えば、65℃)に切り換えられてミスト温水温度の判定が行われる。
【0067】
この条件緩和運転(第2涼風準備運転)中においては、温水往き温度検知手段84による往き温水温度の検知が行われ(ステップS46)、またミスト温水温度検知手段88によるミスト温水温度の検知が行われ(ステップS47)、この往き温水の検知温度Tが第2設定往き温度T2以下まで低下し(T≦T2)、且つミスト温水の検知温度Mが第2設定ミスト温度M2以下まで低下する(M≦M2)と、ステップS48からステップS49に進み、往き温度判定手段130は暖房用熱交換器8の往き温度がある程度低下していると判定し、またミスト温度判定手段132はミスト発生手段55のミスト温水の温度がある程度低下していると判定し、これらの判定結果に基づいて換気ファン34が作動停止する。また、上述したと同様に、運転切換信号生成手段140が運転切換信号を生成し、この運転切換信号に基づいて運転の切換えが行われ(ステップS50)、条件緩和運転(第2水ミスト準備運転)が終了し、水ミスト運転が開始される(ステップS37)とともに、操作リモコン93の表示手段124における水ミスト準備運転の表示が消える。
【0068】
この条件緩和運転(第2水ミスト準備運転)が第2設定時間t2(例えば、5分)継続して行われると、ステップS48からステップS51を経てステップS52に進み、所定時間経過しても暖房用熱交換器8の往き温度及びミスト発生手段55のミスト温度が低下せず、浴室暖房乾燥機に何らかの異常が発生しているおそれがあるとして、異常信号生成手段142が異常信号を生成し(ステップS52)、この異常信号に基づいて浴室暖房乾燥機の作動が停止する(ステップS53)。
【0069】
ステップS37において浴室暖房乾燥機の水ミスト運転が開始されると、暖房乾燥機本体2のルーバ用モータ32が作動してルーバ28が揺動し(ステップS54)、また循環ファン10が作動し(ステップS55)、暖房乾燥機本体2の吸入口18を通して吸入された空気が吹出し口20から吹き出し、浴室内の空気が循環される。更に、ミスト発生装置52のブザー162(
図4参照)が作動し(ステップS56)、水ミストの噴霧開始を知らせる。
【0070】
このブザー162の作動後(例えば、3〜5秒後)、水ミストの噴霧が開始される。即ち、ミスト発生装置52の給水電磁弁67が作動し(ステップS57)、スプラッシュミスト用電磁弁70が開状態になり、給水ライン64からの水が排水ライン66及びスプラッシュミストライン68を通して流れ、スプラッシュミスト発生ノズル56から浴室内に噴霧される。従って、浴室空間が水ミストにより満たされ、水ミスト効果を体感できる環境状態となる。
【0071】
この水ミスト運転中に操作リモコン93の停止スイッチ108をオン操作する(又は水ミスト運転を行う設定時間が経過する)と、ステップS59からステップS60に進み、給水電磁弁67が閉状態となって給水が終了し、またスプラッシュミスト用電磁弁70が閉状態となって水ミストの噴霧が終了する(ステップS61)。更に、ルーバ用モータ32が作動停止し(S62)、循環ファン10が作動停止し(ステップS63)、また換気ファン34が作動停止し(S64)、このようにして浴室暖房乾燥機の水ミスト運転が終了する。
【0072】
この浴室暖房乾燥機の他の運転を概説すると、次の通りである。例えば、暖房運転においては、熱源機36及び暖房乾燥機本体2の循環ファン10が作動され、熱源機36からの温水が暖房乾燥機本体2の暖房用熱交換器8を通して循環され、暖房乾燥機本体2の吹出し口20から温風が吹き出して浴室内が温かい空気で満たされる。また、乾燥運転においては、熱源機36並びに暖房乾燥機本体2の循環ファン10及び換気ファン34が作動され、暖房乾燥機本体2から加温された空気が吹き出すとともに、浴室内の空気(例えば、湿気を含んだ空気)が外部に排出され、浴室内が乾燥状態に保たれる。また、換気運転においては、暖房乾燥機本体2の換気ファン34が作動され、浴室内の空気が外部に排出されて浴室内が換気される。更に、スプラッシュミスト運転(又はマイクロミスト運転)においては、熱源機36、暖房乾燥機本体2の循環ファン10及びミスト発生装置52のスプラッシュミストに関する構成要素(又はマイクロミストに関する構成)が作動され、熱源機36からの温水が暖房乾燥機本体2の暖房用熱交換器8及びミスト発生装置52のミスト用熱交換器54を通して循環され、循環ファン10の作用によって暖房用熱交換器8にて加温された空気が吹出し口20から吹き出すとともに、ミスト用熱交換器にて加温された温水がスプラッシュ水とライン68(又はマイクロミストライン72)を通して流れ、スプラッシュミスト発生ノズル56から浴室内に噴霧され(又はマイクロミスト発生ノズル58から循環流路4内に噴霧された後に浴室内に流れ)、浴室内が温かい空気と温水によるスプラッシュミスト(又はマイクロミスト)により満たされる。
【0073】
この実施形態では、水ミスト準備運転(第1水ミスト準備運転)の後に条件緩和運転(第2水ミスト準備運転)を行っているが、この条件緩和運転を省略するようにしてもよく、この場合、水ミスト準備運転(第1水ミスト準備運転)を第1設定時間t1継続して行っても暖房用熱交換器8の往き温度(温水往き温度検知手段84の検知温度)が第1往き温度T1を超えている(T>T1)、又はミスト用熱交換器54の流出側温度(ミスト温水温度検知手段88の検知温度)が第1設定ミスト温度M1を超えている(M>M1)と、異常信号生成手段142が異常信号を生成するようになる。
【0074】
以上、本発明に従う浴室暖房乾燥機の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の修正乃至変更が可能である。
【0075】
例えば、上述した実施形態では、涼風運転の場合、暖房往き温度検知手段84の検知温度Tと第1設定往き温度T1とを比較して涼風準備運転(第1涼風準備運転)を行うか否かを判定し、また条件緩和運転(第2涼風準備運転)において、この検知温度Tと第2設定往き温度T2とを比較して涼風運転に戻すか否かを判定しているが、この判定に浴室内の絶対湿度との関係を加えるようにしてもよい。この場合、暖房乾燥機本体2に浴室内の絶対湿度を検知するための浴室絶対湿度検知手段(図示せず)が設けられ、またコントローラ92に絶対湿度判定手段(図示せず)が含まれ、メモリ手段146に基準となる絶対湿度、即ち第1設定絶対湿度Z1(例えば、0.025kg・kg程度に設定される)及び第2設定絶対湿度Z2(例えば、0.030kg/kg程度に設定されえる)が登録される。
【0076】
この場合における涼風運転は、例えば、
図7に示す通りに行われる。
図7を参照して、操作リモコン93の涼風スイッチ102をオン操作する(ステップS71)と、コントローラ92の計時手段144が時間を計時し(ステップS72)、続いて暖房往き温度の検知が行われ(ステップS73)、更に浴室の絶対湿度の検知が行われる(ステップS74)。この温度検知は温水往き温度検知手段84により行われ、またこの絶対湿度は浴室絶対湿度検知手段(図示せず)により行われ、温水往き温度検知手段84及び浴室絶対湿度検知手段からの検知信号がコントローラ92に送給される。
【0077】
そして、往き温度判定手段130は、この検知温度Tが第1設定往き温度T1(例えば、50℃)以下であるかを判定し、また絶対湿度判定手段(図示せず)は、この検知湿度Zが第1設定絶対湿度Z1以下であるかを判定する。例えば、暖房運転(又は乾燥運転、スプラッシュミスト運転、マイクロミスト運転)の直後においては、上述したように暖房用熱交換器8にて熱交換された温風が吹出し口から吹き出すおそれがあり、またスプラッシュミスト運転(又はマイクロミスト運転)の直後においては、浴室内の絶対湿度が高く、このような湿度状態において循環ファン10を作動させて浴室内の空気を循環させても涼風感が得られないおそれがある。
【0078】
このようなことから、この温水往き温度検知手段84の検知温度Tが第1設定往き温度T1を超えている(T>T1)、又は浴室絶対湿度検知手段(図示せず)の検知湿度Zが第1設定絶対湿度Z1を超えている(Z>Z1)と、涼風運転をしても涼風感が得られないおそれがあるとしてステップS75からステップS76に進み、涼風準備運転(第1涼風準備運転)が行われる。一方、この検知温度Tが第1設定往き温度T1以下で(T≦T1)、且つ浴室絶対湿度検知手段の検知湿度Zが第1設定絶対湿度Z1以下である(Z≦Z1)と、暖房乾燥機本体2から温風が吹き出すおそれがなく、また浴室内の湿気も少なく涼風感が得られるとしてステップS75からステップS77に進み、浴室暖房乾燥機の涼風運転が開始される。
【0079】
涼風準備運転(第1涼風準備運転)は、上述したと同様に行われ、この涼風準備運転中においても、温水往き温度検知手段84による温度検知が行われ(ステップS79)、また浴室絶対湿度検知手段(図示せず)による湿度検知が行われる(ステップS80)。そして、この検知温度Tが第1設定往き温度T1以下まで低下し(T≦T1)、且つこの検知湿度Zが第1設定絶対湿度Z1以下まで低下する(Z≦Z1)と、ステップS81からステップS82に進み、往き温度判定手段130は、暖房用熱交換器8の往き温度が低下して温風が吹き出すおそれがないと判定し、また絶対湿度判定手段(図示せず)は、浴室内の湿度が低下して涼風感が得られる環境状態にあると判定し、これらの判定結果に基づいて換気ファン34が作動停止する。また、運転切換信号生成手段140が運転切換信号を生成し、この運転切換信号に基づいて運転の切換えが行われ(ステップS83)、涼風準備運転(第1涼風準備運転)が終了し、涼風運転が開始される(ステップS77)。
【0080】
この涼風準備運転(第1涼風準備運転)が第1設定時間t1(例えば、5分)継続して行われると、ステップS81からステップS84を経てステップS85に進み、上述したように浴室暖房乾燥機の条件緩和運転(第2涼風準備運転)が行われる。この条件緩和運転においては、第1設定往き温度T1(例えば、50℃)から第2設定往き温度T2(例えば、55℃)に切り換えられ、また第1設定絶対湿度Z1(例えば、0.025kg/kg)から第2設定絶対湿度Z2(例えば、0.030kg/kg)に切り換えられて温度及び絶対湿度の判定が行われる。
【0081】
この条件緩和運転(第2涼風準備運転)中においても、温水往き温度検知手段84による温度検知が行われ(ステップS86)、また浴室絶対湿度検知手段(図示せず)による湿度検知が行われる(ステップS87)。そして、この検知温度Tが第2設定往き温度T2以下まで低下し(T≦T2)、且つこの検知湿度Zが第2設定絶対湿度Z2まで低下すると、ステップS88からステップS89に進み、往き温度判定手段130は暖房用熱交換器8の往き温度がある程度低下したと判定し、また絶対室判定手段(図示せず)は浴室内の絶対湿度がある程度低下したと判定し、これらの判定結果に基づいて換気ファン34が作動停止し(ステップS89)、また運転切換信号生成手段140により生成された運転切換信号に基づいて運転の切換えが行われ(ステップS90)、条件緩和運転(第2涼風準備運転)が終了し、涼風運転が開始される(ステップS77)。
【0082】
この条件緩和運転(第2涼風準備運転)が第2設定時間t2(例えば、5分)継続して行われると、ステップS88からステップS91を経てステップS92に進み、所定時間経過しても暖房用熱交換器8の往き温度が第2設定往き温度T2を超えた状態にある、又は浴室内の絶対湿度が第2設定絶対湿度Z2を超えた状態にあり、浴室暖房乾燥機に何らかの異常が発生しているおそれがあるとして、異常信号生成手段142が異常信号を生成し(ステップS92)、浴室暖房乾燥機の作動が停止する(ステップS93)。
【0083】
ステップS77において浴室暖房乾燥機の涼風運転が開始されると、ステップS94〜ステップS101が遂行され、ステップS94〜ステップ101の内容は、
図5のフローチャートにおけるステップS21〜ステップS28と実質上同一である。
【0084】
また、例えば、上述した実施形態では、水ミスト運転の場合、暖房往き温度検知手段84の検知温度Tと第1設定往き温度T1とを比較し、且つミスト温水温度検知手段88の検知温度Mと第1設定ミスト温度M1とを比較して水ミスト準備運転(第1涼風準備運転)を行うか否かを判定しているが、涼風運転の際の判定と同様に、この判定に浴室内の絶対湿度との関係を加えるようにしてもよい。この場合、温水往き温度検知手段84の検知温度Tが第1設定往き温度T1以下で(T≦T1)、ミスト温水温度検知手段88の検知温度Mが第1設定ミスト温度M1以下で(M≦M1)、且つ浴室絶対湿度検知手段(図示せず)の検知湿度Zが第1設定絶対湿度Z1以下である(Z≦Z1)と、水ミスト運転が行われ、これらの3つの条件のうち少なくとも1つの条件が満たされないときには、水ミスト運転をしても充分な水ミスト効果を体感できないおそれがあるとして水ミスト準備運転(第1水ミスト準備運転)が行われる。
【0085】
また、例えば、上述した実施形態では、水ミストの条件緩和運転(第2水ミスト準備運転)においては、暖房往き温度検知手段84の検知温度Tと第2設定往き温度T2とを比較し、且つミスト温水温度検知手段88の検知温度Mと第2設定ミスト温度M2とを比較して水ミスト運転に戻すか否かを判定しているが、涼風運転の条件緩和運転(第2涼風準備運転)の判定と同様に、この判定に浴室内の絶対湿度との関係を加えるようにしてもよい。この場合、温水往き温度検知手段84の検知温度Tが第2設定往き温度T2以下で(T≦T2)、ミスト温水温度検知手段88の検知温度Mが第2設定ミスト温度M2以下で(M≦M2)、且つ浴室絶対湿度検知手段(図示せず)の検知湿度Zが第2設定絶対湿度Z2以下である(Z≦Z2)と、浴室内で水ミスト効果が得られるとして水ミスト運転が行われる。
【0086】
以上、本発明に従う浴室暖房乾燥機の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0087】
例えば、上述した実施形態では、ミスト発生装置52を備えた浴室暖房乾燥機に適用して説明したが、このような形態のものに限定されず、ミスト発生装置52及びこれに関連する構成要素を備えていない形態のものにも同様に適用することができ、この場合、上述した涼風運転の制御のみが適用される。