(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光源からの前記光を、前記反射部の内部で、前記反射部の前記凹部が形成された前記面で全反射させた後、前記反射面に入射させることを特徴とする請求項7に記載のレチクルユニット。
前記光源からの前記光を、前記レチクル部の内部で、前記レチクル部の側面のうち前記反射部と隣接していない方の側面で全反射させて前記反射部に導くことを特徴とする請求項13に記載のレチクルユニット。
前記凹部の側面の少なくとも2箇所をそれぞれ前記反射面とし、前記反射面毎に前記光源及び前記集光部を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のレチクルユニット。
前記光源及び前記集光部の光軸を第1の光軸とし、前記光を前記反射面で反射させて前記反射部から射出させる光軸を第2の光軸としたとき、前記第1の光軸と前記第2の光軸とは略直交していることを特徴とする請求項18に記載のレチクルユニット。
前記反射面は、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを含むメリジオナル面内と、前記反射面の光軸を含み且つ前記メリジオナル面に垂直なサジタル面内とにおける曲率が異なるトロイダル面であって、前記反射面の光軸が前記第2の光軸に対して略45°傾いていることを特徴とする請求項18又は19に記載のレチクルユニット。
前記集光部は、前記第2の光軸と直交する面内で前記光源からの光を集光し、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを含む面内で前記光源からの光を略平行光にするコンデンサレンズであり、
前記反射面は、前記光源に向かって凸の曲面であることを特徴とする請求項1に記載のレチクルユニット。
前記光源及び前記集光部の光軸を第1の光軸とし、前記光を前記反射面で反射させて前記反射部から射出させる光軸を第2の光軸としたとき、前記第1の光軸と前記第2の光軸とは略直交していることを特徴とする請求項22に記載のレチクルユニット。
前記反射面は、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを含むメリジオナル面内のみに曲率を持つシリンドリカル面であって、前記メリジオナル面と前記反射面の光軸を含み且つ前記メリジオナル面に垂直なサジタル面との交線が前記第2の光軸に対して略45°傾いていることを特徴とする請求項22又は23に記載のレチクルユニット。
前記反射面を当該反射面を構成する前記凹部が形成された前記側面に射影したときの径が、10μmから200μmまでの範囲内にあることを特徴する請求項1〜25のいずれか一項に記載のレチクルユニット。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、
図1を用いて、本実施の形態に係るレチクルユニットが用いられる光学機器の一例として、ライフルスコープの構成について説明する。このライフルスコープ50は、物体側から順に、対物レンズ10と、正立レンズ20と、レチクルユニット30と、接眼レンズ40と、を有して構成される。対物レンズ10は、物体からの光を集光してこの物体の倒立像(一次像)IM1を形成し、また、正立レンズ20は、対物レンズ10により形成された倒立像である一次像IM1を正立像である二次像IM2に変換する。そして、対物レンズ10の一次像IM1と共役な位置にこの二次像IM2と略一致するように、レチクルユニット30に形成されたレチクルが配置されており、接眼レンズ40により、この二次像IM2とレチクルとを重ね合わせて観察することで、標的である物体に対してこのライフルスコープ50の光軸を正確に合わせ、標的(物体)の視準を行うことができる。なお、このライフルスコープ50は、本実施形態に係るレチクルユニットを利用する光学機器の一例であり、この他にも、単眼鏡、双眼鏡、測量器、スポッティングスコープ等にも適用可能である。又、レチクルは、一次像IM1と略一致するように配置することも可能である。以下に、このようなレチクルユニット30の詳細について説明する。
【0040】
[第1の実施形態]
まず、
図2〜
図5を用いて第1の実施形態に係るレチクルユニット30について説明する。このレチクルユニット30は、円板状に形成されたレチクル部31と、円板状に形成され、このレチクル部31の像側の面(以下、「像側面31a」と呼ぶ)側に配置され、この像側面31aに接合されるか、若しくは近傍に配置される反射部32と、照明光を放射する光源33と、この光源33からの光を集光する集光部(例えば、コンデンサレンズ)34と、を有して構成される。なお、以降の説明では、
図2〜
図4に示すように、ライフルスコープ50の光軸方向をz軸とし、このz軸に直交する面内において2つの直交する方向をそれぞれx軸及びy軸とする。このとき、集光光学系である集光部34の光軸をy軸とする。
【0041】
レチクル部31は、少なくとも所望の波長の光を透過する光学部材で構成され、
図3に示すように、像側面31aに、中心部から周縁部に向かってx軸方向及びy軸方向に延びる線状の4本のレチクル図形31bからなるレチクルが形成されている。ここで、x軸方向及びy軸方向に延びるレチクル図形31bの延長線上の交点は、ライフルスコープ50の光軸に略一致するように配置される。また、上述のようにこの像側面31aは、正立レンズ20により形成される二次像IM2と略一致するように配置されており、この像側面31aは接眼レンズ40の物体側焦点面と略一致している。なお、レチクル図形31bは、例えば、クロム膜やインクなどでこの像側面31a上にそのパターンが形成されている。また、
図3に示すレチクル図形31bは一例であって、この他の形状でも構わない。
【0042】
反射部32は、少なくとも所望の波長の光を透過する光学部材で構成され、
図4に示すように、物体側の面(以下、「物体側面32a」と呼ぶ)の略中央部に物体側に開口する凹部32bが形成されており、さらに、この凹部32bを形成する側面の一部が平面状になっている(以下、この平面を「反射面32c」と呼ぶ)。ここで、反射面32cを物体側面32aに射影したときの形状は円形状である。後述するが、反射面32cの大きさは、反射面32cを物体側面32aに射影したときの径が10μm〜200μmとなることが好ましい。
図4に示すような形状でこのような微細な大きさの反射面を形成するために、反射部32の素材に樹脂部材を用いてモールド加工することが好ましい。樹脂を用いたモールド加工を行うことにより、容易かつ安価にレチクルユニットを形成できる。もちろん反射部32はガラス部材で形成されていてもよく、この場合はガラスモールド加工や、リソグラフィ加工等により
図4に示すような形状を形成することが可能である。また、後述の
図8、
図9のように反射部232を樹脂で形成、レチクル部231をガラスで構成するハイブリット構造としてもよい。
【0043】
そして、この反射面32cは、ライフルスコープ50の光軸Zを含み、この光軸Zとのなす角度αが略45°になるように配置されている。さらに詳細に説明すると、この反射面32cは、ライフルスコープ50の光軸方向(z軸方向)から見たときに、レチクル部31のレチクル図形31bを延長したときの交点と重なるように配置されている。なお、上述したように、この反射部32は、その物体側面32aがレチクル部31の像側面31aに接合して配置しても良いし、近接させて(空気間隔を有するように)配置しても良いが、
図2及び
図4に示す例では、接合した場合を示している。また、上述したx軸、y軸及びz軸の原点を、ライフルスコープ50の光軸Zと反射部32の物体側面32aとが交差する点Oと定義すると、反射面32cは、
図4に示すように、x軸に略水平に配置され、さらに、このx軸方向から見たときに、y軸及びz軸に対して略45°の角度をなすように配置されている。この原点Oの定義は以降の説明においても同様である。
【0044】
ここで、反射面32cとライフルスコープ50の光軸Zとの交点をPとすると、光源33は、レチクル部31及び反射部32の側方で、その中心が点Pのy軸方向に配置されている。また、集光部34は、レチクル部31及び反射部32と光源33との間に配置されており、光源33からの照明光を集光し、この光源33の像を反射面32c上の点P上若しくはその近傍に形成するように構成されている。このとき、集光部34のF値が小さくなると、光源33を起源とする接眼レンズ40から射出される光束径が大きくなる。この光束径が大きければ大きいほど、観察者が光軸から目を外しても光源33の像をレチクル部31の中心付近に観測できるため、F値は可能な限り小さいほうが望ましい。
【0045】
レチクルユニット30を以上のように構成すると、光源33から放射された照明光は集光部34で集光されその像が反射部32の反射面32c上の点P若しくはその近傍に形成される。そして、この光源33の像の少なくとも一部は、この反射面32cでライフルスコープ50の光軸方向(z軸方向)に反射され、反射部32の像側面から射出する。上述のように、接眼レンズ40は二次像IM2と重ね合わせてレチクル部31のレチクル(レチクル図形31b)を観察可能に構成されているため、反射面32cで反射された光源33の像も合わせて観察することができる。この光源33の像は、反射面32cとライフルスコープ50の光軸Zとが交わる点P若しくはその近傍に形成されているため、この像が接眼レンズ40の焦点深度内にあれば、観察者は接眼レンズ40の視野の中心部、すなわち、ライフルスコープ50の光軸Z上に、光源33の像をドット像として観察することができ、目標物体の視準を容易に行うことができる。ここで、反射面32cは、反射部32の物体側面32a側に開口するように形成された凹部32bの側面の一部で形成され、また、y軸及びz軸に対して略45度の角度をなすように配置されているため、反射部32を構成する媒質の屈折率と凹部32bの内部の媒質(例えば空気)の屈折率とに所定の値以上の差があれば、光源33からの照明光をこの反射面32cで全反射させることができる。そのため、光源33からの照明光を効率良く反射して接眼レンズ40側に導くことができるので、観察者は明るい像を観察することができ、目標物体の視準を行う際に、この光源33の像をはっきりと認識することができる。
【0046】
なお、反射部32の物体側面32aに形成する凹部32bは、
図5(a)に示すように、その側面に反射面32cを1つだけ形成しても良いし、
図5(b)に示すように、x軸方向から見たときに、断面V字状になるように2つの反射面32c,32c′を形成しても良い。このとき、
図5(a)のように1つの反射面32cを形成したときは、光源33の像は略円形になり、
図5(b)のように2つの反射面32c,32c′を形成したときは、半円形になる。このとき、反射面32c′側にも別の光源及び集光部を配置し、それぞれの光源から放射される照明光の色を変えれば、接眼レンズ40を介して観察する光源の像の色を変えることができ、観察者は、背景に応じて観察しやすい色を選択することができる。なお、凹部32bに形成される反射面は、3つ以上でも良い。この反射面32cの大きさは、観測した場合に全視野に占める光源33の像の割合を左右し、大きすぎるとドット像が標的を隠してしまい、小さすぎるとドット像を視認することが困難になる。ライフルスコープ用のレチクルの場合には、光学系の仕様等から、反射面32cの大きさは、反射面32cを物体側面32aに射影したときの径が10μm〜200μmであることが好ましい。
【0047】
以下の表1に、この第1の実施形態の実施例として、レチクルユニット30の諸元を示す。この諸元表において、G1は反射部32を、G2はレチクル部31を示す。また、φは反射部32の直径を示し、αはライフルスコープ50の光軸Zと反射面32cとのなす角度(以下「傾斜角度」と呼ぶ)を示し、r1は反射部32及びレチクル部31の物体側の面の曲率半径を、r2は像側の面の曲率半径を示し、Dは反射部32及びレチクル部31のz軸方向の厚みを示し、nC及びndはそれぞれ、反射部32及びレチクル部31の媒質のC線及びd線に対する屈折率を示している。また、光源33及び集光部34の座標は、上記点Oを原点とし、左から順にx軸、y軸、及び、z軸上の値を示している。さらに、集光部34の集光面の形状(例えば、
図2に示す場合は、平凸形状のコンデンサレンズであって、その凸面の形状)は、次式(a)で表される非球面で構成されている。この式(a)において、yは、集光光学系の光軸からの垂直方向の高さ(入射高)を示し、S(y)は、非球面の頂点における接平面からの高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(非球面量又はサグ量)を示し、Rは基準球面の曲率半径を示し、kは円錐係数を示し、A4は4次の非球面係数を示し、A6は6次の非球面係数を示し、A8は8次の非球面係数を示し、A10は10次の非球面係数を示す。すなわち、以下の諸元値においては、非球面を、非球面式(a)における曲率半径R、円錐形数k及び非球面係数Anの値として示している。また、以下の諸元値における非球面係数の値において「E−n」は「×10
-n」を示している。
【0049】
なお、y軸方向は光源33側を正とし、z軸方向は像側を正としている。また、この表1に示す、曲率半径r1,r2、や厚さDその他長さの単位は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大・比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることはなく、他の適当な長さの単位を用いることもできる。また、以上の諸元表の説明は、以降の実施形態においても同様である。
【0050】
(表1)
反射部32及びレチクル部31の形状
φ=18.6
α=45°
r1 r2 d nC nd
G1 ∞ ∞ 2.0 1.489204 1.491775
G2 ∞ ∞ 2.0 1.514322 1.516800
光源33の中心座標
(0, 11.6, -0.05)
集光部34の形状
R=0.61904
k=-0.662480
A4=-0.181184E-01 A6=0 A8=0 A10=0
中心厚=1.6
集光部34の材質
nC=1.489204 nd=1.491755
集光部34の頂点座標
(0. 9.5, -0.05)
【0051】
以上のように、レチクル部31に接合する、もしくは隣接させて反射部32を設け、これらのレチクル部31及び反射部32の側方に光源33及び集光部34を配置することにより、このレチクルユニット30をコンパクトに構成することができる。なお、この第1の実施形態において、集光部34のレンズ面を上方(光源33側)に形成し、下方の平面を反射部32及びレチクル部31の少なくとも一方に接合しても良い。あるいは、反射部32又はレチクル部31とこの集光部34を一体に形成しても良い。さらに、レチクル部31及び反射部32は、円板形状でなくても良く、ライフルスコープ50を構成するための適切な形状とすることができる。これらの効果及び構成は以降の実施形態においても同様である。
【0052】
[第2の実施形態]
第1の実施形態に示すように、レチクル部31及び反射部32の側方に光源33及び集光部34を配置し、この光源33からの照明光を直接、反射部32の反射面32cに集光すると、
図2及び
図4に示すように、光源33から放射された照明光の一部が全反射できない角度で反射面32cに入射してしまう(すなわち、このような光は反射面32cを透過してしまう)。具体的には、
図4において、光源33及び集光部34の光軸より接眼レンズ40側(右側)の光束の一部(右側の斜線部分)は反射面32cにおいて全反射できる角度を超えるためこの反射面32cを透過してしまう。そのため、
図2及び
図4に示すように、光軸Zより上側の光束の径が細くなってしまい、光源33から放射されて接眼レンズ40側に導かれる光量のロスが多くなってしまう。そこで、この第2の実施形態に示すレチクル部130においては、光源133からの照明光を集光部134を用いて反射部132内に導き、この反射部132内で全反射させて反射面132cに導くように構成している。以下、この第2の実施形態について、
図6及び
図7を用いて説明する。
【0053】
図6に示すように、この第2の実施形態に係るレチクルユニット130においても、円板状に形成されたレチクル部131と、円板状に形成され、このレチクル部131の像側の面(以下、「像側面131a」と呼ぶ)側に配置され、この像側面131aに接合されるか、若しくはその近傍に配置された反射部132と、照明光を放射する光源133と、この光源133からの光を集光する集光部134と、を有して構成される。ここで、この第2の実施形態に係るレチクル部131は、第1の実施形態で説明したレチクル部31と同様の構成を有している。また、第2の実施形態に係る反射部132も、第1の実施形態に係る反射部32と同様に、物体側面132aの略中央部に形成された凹部132bにより反射面132cが形成されている(凹部132b及び反射面132cの形状は、
図5に示す構成とすることができる)。なお、この第2の実施形態においては、レチクル部131に対して反射部132を空気間隔を介して配置した場合について示している。
【0054】
集光部134は、
図7に示すように、x軸方向から見たときに略扇形の断面形状を有しており、円弧部分134aの表面に反射コートが施されている。また、この円弧部分134aは、非球面形状に形成されている。そのため、この円弧部分134aは非球面の凹面鏡を構成しており、扇形の一方の半径134c側から入射した光をこの円弧部分134aで反射して集光し、他方の半径134b側から射出するものである。この集光部134は、反射部132のy軸方向の端面132d(反射面132cに対向する端面)に、円弧部分134aの凹面が物体側を向くように、その扇形の一方の半径134bが接合されている。また、光源133は、集光部134の扇形の他方の半径134cに取り付けられ、ライフルスコープ50の光軸に沿って像側に光を放射するように構成されている。なお、この集光部134の反射集光面(円弧部分134a)は、反射部132の物体側面132aで光源133からの光を全反射させた後、反射面132c上の点P(反射面132cとライフルスコープ50の光軸Zの交点)若しくはその近傍に光源133の像を結像するように構成されている。また、光源133からの光は、一旦反射部132の物体側面132aで反射されるため、反射面132cの傾斜角度αは第1の実施形態の場合よりも小さくなる。
【0055】
ここで、全反射をさせるための条件は、全反射面を境界にした二つの屈折率に左右されるが、一般的に使用される硝子の屈折率は樹脂部材も含めると1.4〜1.8程度に分布している。そのため、射出側が空気(n=1)でかつ照明光がZ軸方向に射出されるためには、反射面に入射する角度を制限しなければならなく、それは
図7に示す反射面とZ軸とがなす角αを制限することと等しい。すなわち、前述の条件を踏まえた上で、反射面とZ軸とのなす角αは、5°<α<60°の範囲に設定することが望ましい。
【0056】
このようなレチクルユニット130において、光源133から放射された光は、集光部134の一方の半径134cから入射し、凹面部(円弧部分134a)で反射されて集光され、他方の半径134bから反射部132の端面132dに入射する。そして、この光は反射部132の内部を通って反射部132の物体側面132aで全反射した後、さらに反射面132cで全反射してライフルスコープ50の光軸方向(z軸方向)に導かれ、反射部132の像側面から射出する。
【0057】
以下の表2に、この第2の実施形態の実施例として、レチクルユニット130の諸元を示す。なお、この表2において、反射部132とレチクル部131の間の値は、これらの間の空気間隔を示している。また、集光部134の円弧部分134aの形状は、上述の非球面式(a)の係数で表される。
【0058】
(表2)
反射部132及びレチクル部131の形状
φ=18.6
α=42.01933°
r1 r2 d nC nd
G1 ∞ ∞ 1.9 1.489204 1.491775
0.1 1.000000 1.000000
G2 ∞ ∞ 2.0 1.514322 1.516800
光源133の中心座標
(0, 10.75306, 0)
集光部134の円弧部分134aの形状
R=1.01286
k=-0.968473
A4=-0.108779E-00 A6=0.191941E-01 A8=0 A10=0
集光部134の材質
nC=1.489204 nd=1.491755
集光部134の円弧部分134aの頂点座標
(0. 9.3, -1.9)
【0059】
このようなレチクルユニット130において、反射面132cから出射する光の最大出射角度をθ
0とし、反射部132を構成する媒質の屈折率をn
refとすると、光源133からの光が全反射するためには、反射面132cの法線と光軸Zとがなす角度δが以下に示す条件式(1)を満足しなければならない。
【0061】
このとき、反射面132cに入射する光のライフルスコープ50の光軸Zとのなす角度をθ
1と、上述の点Pの原点Oからのz軸方向の距離をwとすると、反射部132の物体側面132aで反射する点Qは、原点Oからy軸方向にw・tanθ
1だけ離れた位置となる。そのため、反射部132の直径をΦとすると、点Qからこの反射部132の端面132dまでのy軸方向の距離y1は、Φ/2−w・tanθ
1となる。よって、反射部132の厚さ(z軸方向の厚さ)をD
refとすると、光源133から放射された光が集光部134で反射されて反射部132の端面132dに入射する位置(物体側面132aからのz軸方向の距離dで表す)が、次に示す条件式(2)を満たすように集光部134を構成しなければならない。
【0063】
なお、凹部132bの開口部のy軸方向の径をLとしたとき、上記w及びθ
1は、次に示す式(3)により求められる。
【0065】
上述の表2に示した諸元値に従えば、この第2の実施形態に係るレチクルユニット130は上記条件式(1)〜(3)を満足する。
【0066】
この第2の実施形態に係るレチクルユニット130を用いると、観察者は、接眼レンズ40の視野の中心部、すなわち、ライフルスコープ50の光軸Z上に、光源133の像を観察することができ、目標物体の視準を容易に行うことができる。また、光源133からの光は反射面132cで全反射されるため、光量のロスが少なく、観察者は明るい像を観察することができ、目標物体の視準を行う際に、この光源133の像をはっきりと認識することができる。さらに、光源133からの光を反射部132内で一度全反射させて反射面132cに導いているため、上記条件式(1)〜(3)を満足するようにこのレチクルユニット130を構成すると、所望の最大出射角度θ
0の偏りのない光源像を形成することができ、この光源像の視認性をさらに向上させることができる。
【0067】
また、この第2の実施形態で示すレチクルユニット130のように、レチクル部131と反射部132とを分離した構成とすると、レチクル部131として、従来のライフルスコープに用いられているものを利用することができる。また、実際にはレチクル部31と反射部32とをただ接しただけの配置にすると、微小な空気層ができてしまうためその接触面で干渉縞が発生する場合があるが、第1の実施形態のように接合するかこの第2の実施形態のように分離して配置するとそのような現象は発生しない。さらに、第1の実施形態と同様に、反射面132cは、接眼レンズ40の焦点深度内に配置されていれば良い。これらの説明は、以降の実施形態においても同様である。
【0068】
なお、
図6(a)に示すように、円板状の反射部132の端面に集光部134を取り付ける場合、この反射部132の端面を光源133からの光軸に直交する面で切り欠いて平面を形成し(例えば、後述する
図28(a)に示すように切り欠いて、D形状にする)、この平面に集光部134を取り付けるように構成することにより、反射部132に対する集光部134の取り付けが容易になり、また、光源133から放射された光を効率良く反射部132の内部に導くことができる。このとき、上述の反射部132の半径Φ/2は、ライフルスコープ50の光軸Zと反射面132cとの交点P(反射部132の中心)から切り欠いた平面までの高さとなる(以降の実施形態においても同様である)。
【0069】
[第3の実施形態]
次に、
図8及び
図9を用いて第3の実施形態に係るレチクルユニット230について説明する。上述の第2の実施形態においては、光源133及び集光部134を反射部132に取り付けた構成について説明したが、この第3の実施形態に係るレチクルユニット230においては、
図8に示すように、光源233及び集光部234をレチクル部231に取り付け、さらに、このレチクル部231の物体側の面に反射部232を接合した構成を有している。ここで、レチクル部231はその物体側の面に上述のレチクルが形成されており、この物体側の面に反射部232の像側の面が接合されている。また、反射部232の物体面232aの略中央部には凹部232bが形成されており、この凹部232bを構成する側面の一部が略平面状の反射面232cを構成している(凹部232b及び反射面232cの形状は、
図5に示す構成とすることができる)。なお、この第3の実施形態に係るレチクルユニット230においても、第1の実施形態で説明したように、レチクル部231及び反射部232を樹脂で形成しても良いし、両者をガラス部材で形成しても良いし、反射部232を樹脂で形成し、レチクル部231をガラス部材で構成したハイブリット構造としても良い。また、反射部232はモールド加工で形成することが望ましい。
【0070】
集光部234の構成は、第2の実施形態と同じ形状である。すなわち、この集光部234は
図9に示すように、x軸方向から見たときに略扇形の断面形状を有しており、円弧部分234aの表面に反射コートが施されている。また、この円弧部分234aは、非球面形状に形成されている。そのため、この円弧部分234aは非球面の凹面鏡を形成しており、扇形の一方の半径234c側に貼り付けられた光源233から入射した照明光をこの円弧部分234aで反射して集光し、他方の半径234b側から射出するものである。そして、この集光部234の他方の半径234bは、レチクル部231のy軸方向の端面231dに、円弧部分234aの凹面が物体側を向くように接合されている。そのため、光源233からの光は像側に放射される。
【0071】
また、この集光部234の反射集光面(円弧部分234a)は、レチクル部231に入射した光を反射部232との接合面から反射部232に入射させ、さらに、反射部232の物体側面232aでこの光を全反射させた後、反射面232c上の点P(反射面232cとライフルスコープ50の光軸Zの交点)若しくはその近傍に光源233の像を結像するように構成されている。また、光源233からの光は、一旦反射部232の物体側面232aで反射されるため、反射面232cの傾斜角度αは第2の実施形態と同様に、第1の実施形態の場合よりも小さくなる。
【0072】
このようなレチクルユニット230において、光源233から放射された光は、集光部234の一方の半径234cから入射し、凹面部(円弧部分234a)で反射されて集光され、他方の半径234bからレチクル部231の端面231dに入射する。そして、この光はレチクル部231及び反射部232の内部を通って反射部232の物体側面232aで全反射した後、さらに反射面232cで全反射してライフルスコープ50の光軸方向(z軸方向)に導かれ、反射部232の像側面からレチクル部231を通過して射出する。
【0073】
以下の表3に、この第3の実施形態の実施例として、レチクルユニット230の諸元を示す。なお、集光部234の円弧部分234aの形状は、上述の非球面式(a)の係数で表される。
【0074】
(表3)
反射部232及びレチクル部231の形状
φ=18.6
α=37.42436°
r1 r2 d nC nd
G1 ∞ ∞ 3.5 1.514322 1.516800
G2 ∞ ∞ 0.5 1.523300 1.527800
光源233の中心座標
(0, 11.76443, -0.5)
集光部234の円弧部分234aの形状
R=0
k=-11.951704
A4=-0.10858E-01 A6=0.328114E-03 A8=0 A10=0
集光部234の材質
nC=1.489204 nd=1.491755
集光部234の円弧部分234aの頂点座標
(0. 9.3, -4.0)
【0075】
このようなレチクルユニット230において、反射面232cの法線と光軸Zとのなす角度δは上述の条件式(1)を満足しなければならない。また、反射面232cに入射する光のライフルスコープ50の光軸Zとのなす角度をθ
1とし、上述の点Pの原点Oからのz軸方向の距離をwとすると、反射部232の物体側面232aで反射する点Q1は、原点Oからy軸方向にw・tanθ
1だけ離れた位置となる。同様に、光源233からの光が反射部232に入射する点Q2は、反射部232の厚さ(z軸方向厚さ)をD
refとすると、点Q1からy軸方向にD
ref・tanθ
1だけ離れた位置となる。そのため、反射部232の直径をΦとすると、点Q2からレチクル部231の端面231dまでのy軸方向の距離y2は、Φ/2−(w・tanθ
1+D
ref・tanθ
1)となる。以上より、光源233の光がレチクル部231から反射部232に入射するときに屈折することを考慮し、レチクル部231内において点Q2に入射する光の入射角をθ
2とし、また、レチクル部231の厚さ(z軸方向の厚さ)をD
retとすると、光源233から放射された光が集光部234で反射されてレチクル部231の端面231dに入射する位置(レチクル部231の物体側面からのz軸方向の距離dで表す)が、次に示す条件式(4)を満たすように集光部234を構成しなければならない。
【0077】
なお、上記角θ
2は、レチクル部231の媒質の屈折率をn
retとし、反射部232の媒質の屈折率をn
refとすると、次式(5)で表される。
【0079】
上述の表3に示した諸元値に従えば、この第3の実施形態に係るレチクルユニット230は上記条件式(1)及び条件式(4),(5)を満足する。
【0080】
この第3の実施形態に係るレチクルユニット230を用いると、観察者は、接眼レンズ40の視野の中心部、すなわち、ライフルスコープ50の光軸Z上に、光源233の像を観察することができ、目標物体の視準を容易に行うことができる。また、光源233からの光は反射面232cで全反射されるため、光量のロスが少なく、観察者は明るい像を観察することができ、目標物体の視準を行う際に、この光源233の像をはっきりと認識することができる。さらに、光源233からの光を反射部232内で一度全反射させて反射面232cに導いているため、上記条件式(1),(4),(5)を満足するようにこのレチクルユニット230を構成すると、所望の最大出射角度θ
0の偏りのない光源像を形成することができ、この光源像の視認性をさらに向上させることができる。
【0081】
[第4の実施形態]
次に、
図10及び
図11を用いて第4の実施形態に係るレチクルユニット330について説明する。この第4の実施形態は、
図10に示すように、第3実施形態と同様に、レチクル部331の物体側面にレチクルを形成し、さらにその物体側面に第2の実施形態と同様の反射部332を接合して構成している。なお、反射部332の物体側面332aには、第2の実施形態と同様の凹部332bが形成されており、この凹部332bを構成する壁の一部により平面状の反射面332cが形成されている(凹部332b及び反射面332cの形状は、
図5に示す構成とすることができる)。
【0082】
この第4の実施形態に係るレチクルユニット330においても、レチクル部331の端面331dに光源333及び集光部334が取り付けられており、また、集光部334の形状は、第3の実施形態と同じく、
図11に示すように、x軸方向から見たときに略扇形の断面形状を有しており、円弧部分334aの表面に反射コートが施されている。また、この円弧部分334aは、非球面形状に形成されている。そのため、この円弧部分334aは非球面の凹面鏡を形成しており、扇形の一方の半径334c側に貼り付けられた光源333から入射した照明光をこの円弧部分334aで反射して集光し、他方の半径334b側から射出するものである。そして、集光部334の他方の半径はレチクル部331のy軸方向の端面331dに接合されているが、この第4実施形態においては、集光部334の円弧部分334aの凹面は、像側を向くように接合されている。そのため、光源333からの光は物体側に放射される。また、この集光部334の反射面(円弧部分334a)は、レチクル部331に入射した光をこのレチクル部331の像側面で全反射させた後、反射部332との接合面から反射部332に入射させ、さらに、反射部332の物体側面332aでこの光を全反射させた後、反射面332c上の点P(反射面332cとライフルスコープ50の光軸Zの交点)若しくはその近傍に光源333の像を結像するように構成されている。また、光源333からの光は、一旦反射部332の像側面332aで反射されるため、反射部332cの傾斜角度αは第2及び第3の実施形態と同様に、第1の実施形態の場合よりも小さくなる。
【0083】
このようなレチクルユニット330において、光源333から放射された光は、集光部334の一方の半径334cから入射し、凹面部(円弧部分334a)で反射されて集光され、他方の半径334bからレチクル部331の端面331dに入射する。そして、この光はレチクル部331の像側の面で反射した後、レチクル部331及び反射部332の内部を通って反射部332の物体側面332aで全反射し、さらに反射面332cで全反射してライフルスコープ50の光軸方向(z軸方向)に導かれ、反射部332の像側面からレチクル部331を通過して射出する。
【0084】
以下の表4に、この第4の実施形態の実施例として、レチクルユニット330の諸元を示す。なお、集光部334の円弧部分334aの形状は、上述の非球面式(a)の係数で表される。
【0085】
(表4)
反射部332及びレチクル部331の形状
φ=18.6
α=29.992789°
r1 r2 d nC nd
G1 ∞ ∞ 3.5 1.514322 1.516800
G2 ∞ ∞ 0.5 1.489204 1.491755
光源333の中心座標
(0, 11.2014, -4.0)
集光部334の円弧部分334aの形状
R=1.83087
k=-2.975751
A4=-0.116380E-02 A6=0.404830E-03 A8=0 A10=0
集光部234の材質
nC=1.489204 nd=1.491755
集光部234の円弧部分234aの頂点座標
(0. 9.3, -0.5)
【0086】
このようなレチクルユニット330において、反射面332cの法線と光軸Zとのなす角度δは上述の条件式(1)を満足しなければならない。また、反射面332cに入射する光のライフルスコープ50の光軸Zとのなす角度をθ
1とし、上述の点Pの原点Oからのz軸方向の距離をwとすると、反射部332の物体側面332aで反射する点Q1は、原点Oからy軸方向にw・tanθ
1だけ離れた位置となる。また、光源333からの光が反射部332に入射する点Q2は、反射部332の厚さ(z軸方向厚さ)をD
refとすると、点Q1からy軸方向にD
ref・tanθ
1だけ離れた位置となる。さらに、この光がレチクル部331の像側面で反射する点Q3は、光源333からの光がレチクル部331から反射部332に入射するときに屈折することを考慮し、レチクル部331内において点Q2に入射する光の入射角をθ
2とし、また、レチクル部331の厚さ(z軸方向の厚さ)をD
retとすると、点Q2からy軸方向にD
ret・tanθ
2だけ離れた位置となる。そのため、反射部332の直径をΦとすると、点Q3からレチクル部331の端面331dまでのy軸方向の距離y3は、Φ/2−(w・tanθ
1+D
ref・tanθ
1+D
ret・tanθ
2)となる。以上より、光源333から放射された光が集光部334で反射されてレチクル部331の端面331dに入射する位置(レチクル部331の物体側面からのz軸方向の距離dで表す)が、次に示す条件式(6)を満たすように集光部334を構成しなければならない。なお、上記角θ
2は、上述の式(5)で表される。
【0088】
上述の表4に示した諸元値に従えば、この第4の実施形態に係るレチクルユニット330は上記条件式(1)及び条件式(5),(6)を満足する。
【0089】
この第4の実施形態に係るレチクルユニット330を用いると、観察者は、接眼レンズ40の視野の中心部、すなわち、ライフルスコープ50の光軸Z上に、光源333の像を観察することができ、目標物体の視準を容易に行うことができる。また、光源333からの光は反射面332cで全反射されるため、光量のロスが少なく、観察者は明るい像を観察することができ、目標物体の視準を行う際に、この光源333の像をはっきりと認識することができる。さらに、光源333からの光を反射部332内で一度全反射させて反射部332cに導いているため、上記条件式(1),(5),(6)を満足するようにこのレチクルユニット330を構成すると、所望の最大出射角度θ
0の偏りのない光源像を形成することができ、この光源像の視認性をさらに向上させることができる。また、レチクル部331の形状や大きさに応じて第3の実施形態に示す構成と第4の実施形態に示す構成とを選択することができるので、光源233,333からの光の経路を設計するための自由度を向上させることができる。
【0090】
[第5の実施形態]
これまでに説明した第1〜第4の実施形態において、反射部32〜332に形成された反射面32c〜332cは
図5に示すような平面として形成しているが、
図12(b)に示すように、光源33〜333からの光が入射する方向に向かって(光源33〜333側に向かって)凸の曲面として構成することも可能である。以下の表5に、
この第5の実施形態の実施例として、第1の実施形態に示した構成のレチクルユニット30において、反射面32cを凸の曲面として構成した場合(凹部32bを構成する側面の一部を凹面とした場合)の諸元を示す。なお、この表5に示す諸元では、反射部32の反射面32cは、球面形状に形成されており、傾斜角度αは、光源及び集光部の光軸(第1の光軸)と凹面で形成される反射面32cとの光点におけるこの凹面の接線の光軸Z(この反射面32cで反射された光を出射させる光軸(第2の光軸))に対する角度を示す。
【0091】
(表5)
反射部32及びレチクル部31の形状
φ=18.6
α=45°
r1 r2 d nC nd
G1 ∞ ∞ 2.0 1.489204 1.491775
G2 ∞ ∞ 2.0 1.489204 1.491775
反射部32の曲率半径=4.192673
反射部32の頂点座標
(0, 0, 0.07071)
光源33の中心座標
(0, 17.5, 0)
集光部34の形状
R=-1.64391
k=0
A4=0.324050E-01 A6=0.507062E-02
A8=0.585238E-03 A10=0.808711E-03
中心厚=3
集光部34の材質
nC=1.489204 nd=1.491755
集光部34の頂点座標
(0. 9.5, 0)
【0092】
反射部32に形成された反射面32cを以上のように構成すると、
図12(a)に示すように、反射面32cを平面で構成したとき(破線で示す)に比べて凸の曲面で構成したとき(実線で示す)の方が、接眼レンズ40を介して観察するときの光束の径が太くなる。例えば、上記表5に示す諸元の場合、焦点距離が60〜70mmの接眼レンズ40の最終面から10mmの位置でこの像を観察した場合、反射面32cを平面で構成したときに比べて、その大きさが1.7mm程度太くなる。よって、反射面32cを凸の曲面で構成することにより、ライフルスコープ50の光軸に対して観察者の眼の中心がずれたとしても(眼が振れたとしても)、観察される像の輝度が落ちにくくなる。
【0093】
[第6の実施形態]
また、以上の実施形態では、反射部32〜332に形成される反射面32c〜332cは、
図5に示すように、z軸方向から見たときに、物体側に開口する凹部32b〜332bとして構成されているが、
図13に示すように、反射部432の物体側面432aに、断面がV字状に形成された溝部432bとして構成することもできる。この場合、
図13(a)及び(b)に示すように、2つの溝を十字状に形成し、それぞれの溝をx軸方向及びy軸方向に延びるように配置し、それぞれの溝に形成された反射面432c,432dに図示しない光源からの光を照射すると、
図13(c)に示すような十字の光源像が接眼レンズの視野内に形成される。
【0094】
このような第6の実施形態に係る反射部432の構成とすると、例えば、
図3に示したレチクル部31と組み合わせることにより、x軸方向及びy軸方向に延びるレチクル図形31bを光源からの光で強調するとともに、中心部を明確に示すことができる。あるいは、レチクル部31を用いずに、この反射面432c,432dからの光により、単独で十字のレチクルとして使用することもできる。なお、反射部432の反射面432c,432dに対する照明は、光源と、シリンドリカルレンズのようにライフルスコープ50の光軸と直交する方向に延びる反射面432cに沿って光源からの光を照射する集光部とを設けて構成しても良いし、集光部を設けずに光源からの光を直接反射面432c,432dに照射するように構成しても良い。この第6の実施形態に係る反射部432も、光源からの光を反射面432c,432dで全反射させるように構成しているため、光のロスが少なくなり、たとえ集光部を設けなくても明るい像を観察することができ、レチクルユニットの構成を簡単にすることができる。
【0095】
[第7の実施形態]
上述の第1の実施形態の
図2に示したように、全反射を利用した最も簡単でコンパクトなレチクルユニット30は、反射部32の真上方向(y軸方向)から光源33の光(光源光)を照射して目側に導く構成である。光源光を集光部34により反射部32の反射面32cの付近に集光させ、この反射面32cで全反射を一回させて目側に導くことで明るいドット像を実現することができる。しかし、
図14に示すように実際の光源33の大きさ(発光面の大きさ)は有限であるために、
図15(a)に示すように、光源33の光軸(第1の光軸)上の点から出射した光は反射面32cに集光するが、
図15(b)に示すように、光源33の光軸外の点から出射し、ある像高に集光する光の一部は、反射部32の側平面(物体側面32a)で全反射を起こしてしまい、反射面32cでの全反射を含めて合計2回の全反射が発生してしまう。すると、
図14に示すように、合計1回の反射で目側に導かれた光と合計2回の反射で目側に導かれた光とが、それぞれ2つの射出瞳像を形成してしまう。ここで射出瞳像とはアイポイント位置での光束の形状に相当する。この2つの射出瞳像が光源33及び集光部34や反射部32のシフトやチルトといったアライメント精度によって近づいたり離れたり或いは重なったりする。この現象によって、レチクルの中心に位置したドットの強度が観測者の目の位置に応じて極端に変化してしまう問題が生じる。このような強度変化・強度ムラは、アライメント精度によって製品の個体差となってしまい問題となるが、更に、このようなドット像の強度変化が、接眼光学系の球面収差が補正されていないことで目標物体とドット像との間に視差を生じるような現象がライフルスコープで起こった場合、射撃手に目標物体との相対的位置を見誤らせる可能性がある。
【0096】
上述のように、このような光源33の像(ドット像)の強度変化は、
図16(a)に示すように、光源33から射出した光源光のうち、反射部32の物体側面32aで反射して反射面32cで反射する光により発生するため、
図16(b)に示すように、この反射面32cを物体側面32aから離して形成することで防止することができる。以下、物体側面32aから反射面32cの最も物体側の端部までの光軸方向(z軸方向)の距離(「反射面32cの深さ」と呼ぶ)をhとし、このhの最適な範囲について説明する。なお、以降の説明において、
図17に示すように、反射部32の直径(y軸方向の大きさ)をΦとし、反射部32の厚さ(z軸方向の厚さ)をDとし、反射面32cの傾斜角度(ライフルスコープ30の光軸とのなす角度)をαとし、反射面32cの高さ(y軸方向高さ)をLとし、光源33の大きさ(z軸方向の直径)をYとし、集光部34の倍率をβとし、この集光部34の光軸と反射面32cの法線とのなす角度をδとする。
【0097】
まず、
図18を用いて、集光部34によって結像した光源33の像(光源像)が反射部32の側面(物体側面32a)に達しない条件について説明する。ここで、直径Yの光源33の像は、集光部34の倍率βによりY・βの大きさとなる。そのため、光源33の光軸上の点から出射した光が集光部34により集光する点をP1とすると、この点P1は光源33の像の中心となるため、この点P1から光源33の像のうち、物体側面32a側の端部P2までの距離は、Y・β/2となる。なお、点P1は集光部34の集光点を反射面32c上に一致するように配置すれば、
図4と同等の点Pとなる。また、この点P1から点P2までの光軸(z軸)とのなす角度は、α−δとなる。そのため、光源像の中心P1から光源像の端部P2までのz軸方向の距離z1はY・β/2・cos(α−δ)となる。また、反射面32cの中心からこの反射面32cの端部までのz軸方向距離z2は、L/(2tanα)となる(
図17(a)に示す)。よって、物体側面32aから反射面32cの中心までのz軸方向距離、すなわち、物体側面32aから光源33の中心をz軸方向に離して、この光源33の像の端部P2が物体側面32aに達しないようにすれば良いため、
図18から明らかなように、反射面32cの中心と物体側面32aとのz軸方向の距離z1が、光源33の像の半径よりも大きくなれば良い。そのため、反射面32cの深さhは、次式(7)の条件を満足すれば良い。なお、式(7)は、点P1からライフルスコープ50の光軸Zと反射部32の物体側面32aとが交差する点Oまでの距離(h+z2)が実施例2〜4に記載されるwに相当するため、実施例2〜4のような複数回反射の光学系にも適応することができる。
【0099】
一方、反射面32cの深さ(物体側面32aからのz軸方向の距離)hが、大きくなりすぎると、反射部32の光源33側の端面32dの像側の端部から入射した光源光が反射面32cに入射することができなくなってしまい、スポット像の光量の低下を招いてしまう。この反射部32の端面32dから入射した光源光が直接反射面32cに入射する条件を
図19を用いて説明する。
【0100】
まず、
図19に示すように、反射部32の光源33側の端面32dから入射した光源光のうち、最も像側の端部から入射した光の、光軸Zにおける、反射部32の像側面32eから反射面32cの中心までの距離(z軸方向距離)z3は、Φ/(2tan(2δ))となる。この反射面32の中心から端部までのz軸方向幅z2は、上述の通りL/(2tanα)で表される(
図18(a)に示す)。以上より、物体側面32aで一度も全反射せずに直接反射面32cに入射するためには、反射面32cの深さhは、次式(8)の条件を満足すれば良い。
【0102】
よって、上述の式(7),(8)より、この反射部32の反射面32cの深さhは、次式(9)の条件を満足することにより、ドット像の強度変化を防止することができる。
【0104】
なお、
図17(b)に示すように、反射面32cの傾斜角度(光軸とのなす角度)をαとし、集光部34の光軸と反射面32cの法線とのなす角度をδとして定義しているため、これらの角度は次式(10)の関係を有している。
【0106】
ここで、反射面32cの傾きにより集光部34の光軸(集光光学系の光軸)がずれた場合に、ライフルスコープ30の光軸上のアイポイントに目を置いたときに、この目に反射面32cで反射した光(ドット像)が入射する条件について考える。
図20に示すように、観察者の眼の瞳径をLPとし、反射面32cから接眼レンズ40の最も物体側の面までの光軸上の距離(バックフォーカス)をBfとすると、反射面32cで反射した光がライフルスコープ30の光軸とのなす角度のうち、観察者の目に入る最大値(最大角)Mは、M<tan
-1(LP/Bf)の関係を有する。すなわち、観察者の瞳径LPを3mmとし、接眼レンズ40のバックフォーカスBfを30〜40mmとすると、この最大角Mは、1.71〜2.86°となる。そのため、最大角Mを2°以内に制御できれば、実用上問題は無い。
【0107】
また、光源33からの光源光を反射面32cの全領域に入射させるために、集光部34の最大外径φは、次式(11)の関係を有していることが望ましい。この場合、反射面32cの傾斜角度αは45°であることが望ましい。
【0109】
以下に、この第7の実施形態に係るレチクルユニット30の2つの実施例について説明する。
【0110】
(第1実施例)
まず、第7の実施形態の第1実施例として、
図21及び
図22を用いて、反射面32cのライフルスコープ50の光軸とのなす角度が45°で、かつ、集光部34の光軸がライフルスコープ50の光軸と直交する場合、すなわち、反射面32cの傾斜角度αが45°で、且つ、集光部34の光軸と反射面32cの法線とのなす角度δが45°の場合について説明する。この
図21及び
図22に示す第1実施例におけるレチクルユニット30の諸元を以下の表6に示す。なお、各符号の意味は、上述の通りである。また、頂点座標の原点は、上述の
図4を参照して説明した通り、ライフルスコープ50の光軸と反射部32の物体側面32aとが交差する点Oとする。また、集光部34のレンズ面(r1,r2)の形状は、上述の非球面式(a)の係数として表される。また、以下の表6において、d0は、光源33から集光部34のr1面までの光軸上の距離を示し、d1は、集光部34のr1面からr2面までの光軸上の距離を示し、d2は、r2面から反射部32の端面までの距離を示す。これらの符号の説明は、次の第2実施例でも同様である。
【0111】
(表6)
反射部32のデータ
α=45°
D=2mm
Φ=22mm
L=0.1mm
h=0.95mm
反射部32の材質
nC=1.4874 nd=1.4899
光源33
Y=0.2mm
集光部34のデータ
β=5.52
δ=45°
φ=1.6mm
d0=0.75mm
d1=1.30mm
d2=0.20mm
集光部34のr1面の形状
R=1.27539
k=-7.952766
A4=-0.336420E-00 A6= 0.223648E-00
集光部34のr1面の頂点座標
(1, 12.5)
集光部34のr2面の形状
R=-0.74864
k=-0.664279
A4=0.242014E-01 A6=-0.167831E-01 A8=-0.254090E-01 A10=-0.733403E-02
集光部34の材質
nC=1.4874 nd=1.4899
条件対応値(条件式(9))
h下限=0.502
h上限=1.950
【0112】
この第1実施例に係るレチクルユニット30を以上のように構成すると、反射面32cの深さhは、条件式(9)を満たしており、
図21に示すように、ドット像の強度変化を防止することができ、明るい像を得ることができる。
【0113】
(第2実施例)
次に、第7の実施形態の第2実施例として、
図23及び
図24に示すように、反射面32cの傾斜角度が44°になったために、集光部34の光軸を上述の第1実施例から1°傾けた場合について説明する。この場合、反射面32cの傾斜角度αが44°であるため、上述の式(10)から、集光部34の光軸と反射面32cの法線とのなす角度δが46°となる(すなわち、第1実施例の場合から1°傾いている)。この第2実施例におけるレチクルユニット30の諸元を以下の表7に示す。
【0114】
(表7)
反射部32のデータ
α=44°
D=3.5mm
Φ=22mm
L=0.1mm
h=2.082352mm
反射部32の材質
nC= nd=
光源33
Y=0.2mm
集光部34のデータ
β=3.43
δ=46°
φ=1.6mm
d0=1.20mm
d1=1.30mm
d2=0.20mm
集光部34のr1面の形状
R=-4.12897
k=6.782755
A4=0.659385E-01 A6=-0.568693E-02
集光部34のr1面の頂点座標
(1.697, 12.499)
集光部34のr2面の形状
R=-0.74774
k=-0.784996
A4=-1.77740E-01 A6=-0.304866E-01 A8=0.102173E-01 A10=-0.100372E-01
集光部34の材質
nC=1.4874 nd=1.4899
条件対応値(条件式(9))
h下限=0.291014538
h上限=3.832351949
【0115】
この第2実施例に係るレチクルユニット30を以上のように構成すると、反射面32cの深さhは、条件式(9)を満たしており、
図23に示すように、ドット像の強度変化を防止することができ、明るい像を得ることができる。
【0116】
[第8の実施形態]
ところで、射撃照準用のライフルスコープ50では射出瞳の径は大きく、射出瞳のどの位置に眼の瞳をおいた場合でもレチクルユニットによる輝点が見えなければならない。従って、このライフルスコープ50に上述のレチクルユニットを採用するためには、レチクル上の輝点(光源像であるドット像)からの発散角がある程度大きくなければならない。
【0117】
ライフルスコープ50のレチクルに、上述のような反射面を有する反射部を設け、この反射面に光源及び集光部(以下、「光源ユニット」と呼ぶ)による集光光束を照射すれば明るく発散角を持った輝点が得られる。しかしながら集光光源を用いる場合は、反射面と光源の集光位置とを適切に合わせなければならない。つまり光源ユニットは、レチクル面上に形成された反射部の反射面に対し3軸方向の位置および2軸回りのチルトを調整しなければならず、製造時の調整に手間が掛かる。また、45°の平面からなる反射面を用い、ライフルスコープ50の光学系の光軸と直交する方向から集光光束を照射する場合を考えると、照射面内の光線の発散角は臨界角による制限によってアイポイント側から見たときに輝点の瞳形状が非対称になってしまう。広がり角度を上下で対象とするには、上述の第2〜第4の実施形態で説明したように、反射面の角度に45°以外を選択しこの反射面に浅い角度で入射させればよいが、なお調整が困難という問題が残る。そこで、この第8の実施形態では、反射部の反射面若しくはこの反射面の近傍に光源像を形成せずに、明るいドット像を形成する構成について説明する。
【0118】
図25及び
図26を用いて、第8の実施形態に係るレチクルユニット530の構成を説明する。なお、このレチクルユニット530は、上述のレチクル部は省略している。このレチクルユニット530は、光源533と、物体側面532aの略中央部に物体側に開口する凹部532bが形成され、この凹部532bの一部が光源533に向かって凸形状に形成されて反射面532cを構成する反射部532と、光源533からの光を略平行光束にして、反射部532の反射面532cに導く集光部534と、から構成される(光源533及び集光部534をまとめて「光源ユニット」と呼ぶ)。これまでの実施形態と同様に、反射部532は、反射面532cが、ライフルスコープ50の光軸Zを含むように配置されている。また、光源533及び集光部534からなる光源ユニットは、反射部532の側方であって、光軸Zと略直交する方向から反射面532cに略平行光束を照射するように配置されている。また、集光部534はコンデンサレンズで構成される。なお、以降の説明において、ライフスコープ50の光軸及び光源ユニット(集光光学系)の光軸を含む面をメリジオナル面と呼び、このメリジオナル面に直交し、かつ、反射面532cの頂点の接平面に直交する面をサジタル面と呼ぶ。
【0119】
このように、反射面532cを像側に凸形状として曲率を持たせることにより、光源533を一般的に用いられる点光源とし、集光部534により略平行光束とすることで、適切な発散角を持たせてアイポイント側に反射することができるため、ライフルスコープ50の光学系の瞳内に、適切な発散角を持つドット像(輝点)を表示することができる。集光部534から出射する光源光は、略平行光束であるため、光源の点像を反射面上に位置合わせする場合に比べて、光源533及び集光部534と反射部532との位置合わせは容易であり、このレチクルユニット530は製造時の調整が容易である。
【0120】
また、光源533として点光源を用い、集光部534により略平行光束にする場合、略平行光束の径は集光部534の有効径に等しいとみなせる。そのため、この集光部534の有効径を反射面532cよりも十分に大きく、すなわち、光束径を反射面532cよりも大きくすれば、光源533及び集光部534(光源ユニット)と反射部532との位置合わせは、実質的に光源ユニットのチルトのみを調整すれば良く、アイポイント側から見たときに、対称性の良いドット像(輝点)の瞳形状を容易に得ることができる。よって、このレチクルユニット530は製造時の調整が容易となる。
【0121】
このような反射面532cの形状としては、メリジオナル面とサジタル面とで曲率が異なるトロイダル面であることが望ましい。また、このとき、メリジオナル面内の曲率半径はサジタル面内の曲率半径よりも大きく、メリジオナル面とサジタル面の交線がライフルスコープ50の光軸に対して(凸面が光源ユニット側に向くように)約45°傾けられていることが望ましい。
【0122】
このようなレチクルユニット530において、反射面532cで反射された光の発散角はこの反射面532cの曲率半径によって幾何的に決まる。反射面532cからの発散角が大きくなるよう曲率半径を小さくすると、光源ユニットの光軸およびライフルスコープ50の光軸を含む面内(メリジオナル面内)から次第に全反射条件を満たさなくなり対称な輝点の瞳形状を得ることができなくなる。すなわち、最大の発散角は反射面532cの全反射条件によって制限される。一方で、光源ユニットの光軸と直交する面内では入射角が大きいため全反射条件は満足できるが、発散角が小さくなっている。従って、最大の発散角を得ながら、ライフルスコープ50のアイポイント側から見たときに上下左右で対象性の良い瞳形状を得るには、反射面532cを、上述のメリジオナル面とサジタル面とでは異なった曲率半径とする必要がある。反射面532cをこのような形状とすることにより、アイポイント側から見たときに上下左右で対象性の良いドット像(輝点)の瞳形状を持ち、且つ発散角の大きいレチクルユニット530を得ることができる。
【0123】
この反射面532cの形状は、メリジオナル面内の曲率半径をRmとし、サジタル面内の曲率半径をRsとし、この反射部532の媒質の屈折率をnとし、反射面532cの直径(y軸方向の高さ)をLとしたとき、次の条件式(12)及び(13)を満足することが望ましい。
【0125】
以下の表8に、この第8の実施形態の実施例として、レチクルユニット530の諸元を示す。なお、以下の表8において、集光部534は1つのコンデンサレンズで構成され、rはこの集光部534の各光学面の曲率半径を示し、dは各光学面から次の光学面までの光軸上の距離を示し、nCは集光部534の材質のC線に対する屈折率を示す。なお、集光部534の面番号は、光源533側から第1面、第2面の順で並んでいる。また、光源に示す距離dは、光源533から集光部534の第1面までの光軸上の距離を示している。また、この第8の実施形態において、集光部534の第2面は非球面形状に形成されており、この第2面の形状は、上述の非球面式(a)における曲率半径R及び円錐係数kで表される(非球面係数A4〜A10は全て0である)。
【0126】
(表8)
光源ユニットの形状
r d nC
光源 0.05
1 ∞ 4.8 1.4885
*2 -1.6
非球面データ
第2面 R=-1.6
k=-0.454
反射部532の材質
nc=1.5796
反射面532cの第1の光軸方向の高さ
L=0.1
反射面532cの形状
Rm=0.71
Rs=0.50
【0127】
光源ユニット(光源533及び集光部534)と、反射部532とを以上のように構成すると、
図27に示すように、アイポイント側から見たときに上下左右で対象性の良いドット像(輝点)の瞳形状を持ち、且つ発散角の大きいレチクルユニット530を得ることができる。
【0128】
[第9の実施形態]
第8の実施形態に係るレチクルユニット530においては、光源533からの光を集光部534で略平行光束にして反射部532の反射面532cに導き、メリジオナル面とサジタル面とで曲率の異なるトロイダル形状の反射面532cでアイポイント側に反射するように構成した場合について説明したが、ドット像の発散角を適切な大きさとする機能を、集光部と、反射面とで分担するように構成することもできる。以下、第9の実施形態に係るレチクルユニット630の構成について、
図28及び
図29を用いて説明する。
【0129】
この第9の実施形態に係るレチクルユニット630も、光源633と、物体側面632aの略中央部に物体側に開口する凹部632bが形成され、この凹部632bの一部が光源633に向かって凸形状に形成されて反射面632cを構成する反射部632と、光源633からの光を略平行光束にして、反射部632の反射面632cに導く集光部634と、から構成される(光源633及び集光部634をまとめて「光源ユニット」と呼ぶ)。このレチクルユニット630においても、レチクル部は省略している。また、第8の実施形態と同様に、反射部632は、反射面632cが、ライフルスコープ50の光軸Zを含むように配置されている。また、光源633及び集光部634からなる光源ユニットは、反射部632の側方であって、光軸Zと略直交する方向から反射面632cに略平行光束を照射するように配置されている。また、集光部634はコンデンサレンズで構成される。
【0130】
ここで、
図28に示すように、集光部634は、ライフルスコープ50の光軸と直交する面内においては、光源633からの光を集光して反射面632c上若しくはその近傍に集光し、光源ユニット及びライフルスコープ50の光軸を含む面内(メリジオナル面内)においては、光源633からの光を略平行光束にして反射面632c上に導くように構成されている。光源633からの光を、ライフルスコープ50の光軸と直交する面内において集光し、メリジオナル面内において略平行光束とする集光部634を用いると、反射面632c側から見た光源光束の取り込み立体角はより大きくなり、この反射面632cで反射され、図示しないレチクル部のレチクルに重ね合わされて表示されるドット像(輝点)はより明るくなる。従って、このような光源ユニットを有すると、ライフルスコープ50として明るいドット像(輝点)を表示でき、尚且つ製造時の調整が容易なレチクルユニット630が得られる。
【0131】
また、反射部632の反射面632cは、メリジオナル面のみに曲率をもつシリンドリカル面であり、メリジオナル面がライフルスコープ50の光軸および光源ユニットの光軸を含み、メリジオナル面とサジタル面の交線がライフルスコープ50の光軸に対して(凸面が光源ユニット側に向くように)約45°傾けられている。
【0132】
上述の集光部634により、ライフルスコープ50の光軸と直交する面内で収束された照明光束は、その収束点が反射面632cの付近に位置していれば、この反射面632cによって偏向されることで、より発散して射出する。一方で、メリジオナル面内において照明光束は反射面632cの凸面の作用によってのみ発散される。光源ユニットの光軸およびライフルスコープ50の光軸方向を含む面内において対称な広がり角を得ようとする場合、広がり角は全反射条件(反射面632cの材質で決まる)の制限を受ける。従って最大の広がり角を得ながら、対称とするためには、反射面632cは光源ユニットの光軸およびライフルスコープ50の光軸方向と平行な面内においてのみ曲率を持つ必要がある。従って、反射面632cを以上のような形状とすると、アイポイント側から見たときに上下左右で対象性の良い輝点の瞳形状を持ち、且つ発散角の大きいレチクルユニット630が得られる。
【0133】
なお、この第9の実施形態に係るレチクルユニット630において、反射面632cの形状は、メリジオナル面内の曲率半径をRmとしたとき、上述の条件式(12)を満足することが望ましい。なお、サジタル面内の曲率半径Rsは∞である。
【0134】
以下の表9に、この第9の実施形態の実施例として、レチクルユニット630の諸元を示す。なお、以下の表9において、集光部634は1つのコンデンサレンズで構成され、rはこの集光部634の各光学面の曲率半径を示し、dは各光学面から次の光学面までの光軸上の距離を示し、nCは集光部634の材質のC線に対する屈折率を示す。なお、集光部634の面番号は、光源633側から第1面、第2面の順で並んでいる。また、光源に示す距離dは、光源633から集光部634の第1面までの光軸上の距離を示している。また、この第9の実施形態において、集光部634の第2面は、次式(b)に示すアナモルフィック非球面の形状に形成されており、この第2面の形状は、上述の非球面式(b)における基準球面のy軸方向の曲率半径Ry、基準球面のz軸方向の曲率半径Rz、y軸方向の円錐係数ky及びz軸方向の円錐係数kzで表される。なお、このアナモルフィック非球面式(b)において、S(y,z)は、非球面の頂点における接平面からの位置(y,z)における非球面上の位置までの光源ユニット(集光光学系)の光軸に沿った距離(非球面量又はサグ量)を示している。
【0136】
(表9)
光源ユニットの形状
r d nC
光源 0.05
1 ∞ 4.8 1.4885
*2
非球面データ
第2面 Ry=-1.6 Rz=-1.055
ky=-0.454 kz=-0.83
反射部632の材質
nc=1.5796
反射面632cの第1の光軸方向の高さ
L=0.1
反射面632cの形状
Rm=1.45
Rs=∞
【0137】
光源ユニット(光源633及び集光部634)と、反射部632とを以上のように構成すると、アイポイント側から見たときに上下左右で対象性の良いドット像(輝点)の瞳形状を持ち、且つ発散角の大きいレチクルユニット630を得ることができる。
【0138】
[第10の実施形態]
ここまで説明してきたように、本実施形態に係るレチクルユニットは、平板状(例えば、円板状)の反射部又はレチクル部の側面から照明光を入射させ、反射部に形成された反射面でこの照明光を反射させて接眼レンズ側に導くように構成されている。ここで、
図30に示すように、光源33から放射された照明光を、集光部34で集光させて反射部32の端面32dから入射させた場合、この反射部32の物体側面32aに形成された凹部32bの反射面32cで全反射しない照明光は、物体側面32aと像側面32eとの間で全反射を繰り返し、さらには、照明光を入射させた端面32dと対向する端面32fに到達する。このような反射を繰り返す照明光の一部は、接眼レンズ側に出射し迷光となってしまう。そのため、光源33と対向する端面32fを黒塗りするか散乱面とすることで、照明光を吸収する(若しくは散乱させる)ように構成することにより、このような迷光の発生を抑えることができる。上述したように、反射部32の端面32dから照明光を入射させる構成の場合、反射面32cで全反射しない照明光は対向する端面32fに集中するため、この端面32fで照明光を吸収することにより、迷光を効率良く抑えることができる。