特許第5926237号(P5926237)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5926237
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】電子装置およびデータ制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 5/18 20060101AFI20160516BHJP
【FI】
   H04L5/18
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-269283(P2013-269283)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-12604(P2015-12604A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2013年12月26日
(31)【優先権主張番号】102123428
(32)【優先日】2013年7月1日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100082924
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】陳 家銘
(72)【発明者】
【氏名】劉 家維
(72)【発明者】
【氏名】曾 銘健
(72)【発明者】
【氏名】陳 世揚
【審査官】 白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−313586(JP,A)
【文献】 特表2011−525755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのダウンリンク信号を受信し、少なくとも1つのアップリンク信号を送信するように配置された電子装置であって、前記電子装置は、
ダウンリンク経路に配置され、ヘッドエンドユニット(HEU)からのダウンリンク信号に基づいて、結合されたダウンリンク信号を生成するカプラ、
制御信号に基づいて前記ダウンリンク信号の送信と前記アップリンク信号の受信とを切り替えるトランシーバ、および
制御回路を含み、
前記制御回路は、前記結合されたダウンリンク信号を受信し、前記結合されたダウンリンク信号の電力に基づいて、ステータスカウンティング信号を生成し、前記ステータスカウンティング信号に基づいて前記制御信号を生成し、前記結合されたダウンリンク信号のレベルが振幅しきい値より低く、且つステータスカウンティング時間より長いか、または等しい時にのみ、前記ステータスカウンティング信号を第1の論理レベルから前記第1の論理レベルに相対する第2の論理レベルに切り替えるか、でなければ、前記ステータスカウンティング信号を前記第1の論理レベルで維持し、
前記制御回路は、制御信号発生器を含み、
前記制御信号発生器は、受信したレベル比較信号が前記第1の論理レベルから前記第2の論理レベルに切り替えられるか判断し前記ステータスカウンティング信号を生成するステータスカウンタを含み、
前記ステータスカウンティング信号は、前記結合されたダウンリンク信号に基づいて生成され、
前記ステータスカウンティング信号は、前記レベル比較信号が前記第1の論理レベルにある時、前記第1の論理レベルで維持され、
前記ステータスカウンティング信号は、前記レベル比較信号が前記第2の論理レベルにあり、且つ前記ステータスカウンティング時間より長いか、または等しい時、前記第1の論理レベルから前記第2の論理レベルに切り替えられ、
前記ステータスカウンティング信号は、前記レベル比較信号が前記第2の論理レベルにあり、且つ前記ステータスカウンティング時間より長くない時、前記第1の論理レベルで維持され、
前記制御信号発生器は更に時系列調整器を含み、
前記時系列調整器は、前記ステータスカウンタに接続され、時系列調整時間によって、前記第1の論理レベルから前記第2の論理レベルに切り替えられた前記ステータスカウンティング信号の時間を進め、時系列調整信号を生成する、電子装置。
【請求項2】
前記制御信号発生器は、前記時系列調整器に接続され、遅延時間によって前記時系列調整信号を遅らせ、前記ダウンリンク信号と同期した前記制御信号を生成する遅延回路を更に含む、請求項に記載の電子装置。
【請求項3】
前記ステータスカウンティング時間は、リソースブロックの期間より長いか、または等しく、複数のパイロット信号が前記リソースブロック内にインターレースされる、請求項1又は2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記時系列調整時間の範囲は、
【数1】
であり、τは、前記時系列調整時間であり、τは、前記ステータスカウンティング時間であり、GAPは、前記少なくとも1つのアップリンク信号の任意の1つが前記少なくとも1つのダウンリンク信号の任意の1つに切り替えられた期間であり、GAPは、前記少なくとも1つのダウンリンク信号の任意の1つが前記少なくとも1つのアップリンク信号の任意の1つに切り替えられた期間である、請求項に記載の電子装置。
【請求項5】
前記遅延時間の範囲は、
【数2】
であり、τは、前記遅延時間であり、Tsは、フレームの周期であり、GAPは、前記少なくとも1つのアップリンク信号の任意の1つが前記少なくとも1つのダウンリンク信号の任意の1つに切り替えられた期間である、請求項に記載の電子装置。
【請求項6】
前記制御信号の開始時間は、第1の時間によって前記結合されたダウンリンク信号の開始時間を進め、前記制御信号の終了時間は、第2の時間によって前記結合されたダウンリンク信号の終了時間を遅らせ、前記第1の時間と前記第2の時間の範囲は、
【数3】
【数4】
であり、Δは、第1の時間であり、Δは、第2の時間であり、GAPは、前記少なくとも1つのダウンリンク信号の任意の1つが前記少なくとも1つのアップリンク信号の任意の1つに切り替えられた期間である、請求項に記載の電子装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記カプラに接続され、前記結合されたダウンリンク信号の電力を検出して電力検出信号を生成する電力検出器を更に含む、請求項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記制御回路は、前記電力検出器と前記制御信号発生器との間に接続され、前記電力検出信号に基づいて前記レベル比較信号を生成するレベルコンパレータを更に含み、
前記レベルコンパレータは、前記電力検出信号のレベルが前記振幅しきい値より大きいか、または等しい時、前記第1の論理レベルで前記レベル比較信号を維持し、
前記レベルコンパレータは、前記電力検出信号のレベルが前記振幅しきい値より小さい時、前記第2の論理レベルで前記レベル比較信号を維持する、請求項に記載の電子装置。
【請求項9】
前記トランシーバに接続されたアンテナを更に含み、前記トランシーバによって送信されたダウンリンク信号を受信するか、または前記トランシーバに前記受信されたアップリンク信号を送信する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項10】
前記制御信号発生器は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはマイクロプロセッサによって実現される、請求項に記載の電子装置。
【請求項11】
前記電子装置は、リモートアンテナユニット(RAU)である、請求項1に記載の電子装置。
【請求項12】
少なくとも1つのダウンリンク信号を受信し、少なくとも1つのアップリンク信号を送信する電子装置であって、ダウンリンク経路に配置されたカプラ、トランシーバ、および制御回路を含む電子装置に用いられる制御方法であって、
前記制御方法は、
ヘッドエンドユニット(HEU)からのダウンリンク信号に基づいて、結合されたダウンリンク信号を生成するステップ、
前記結合されたダウンリンク信号の電力に基づいて、ステータスカウンティング信号を生成し、前記結合されたダウンリンク信号のレベルが振幅しきい値より低く、且つステータスカウンティング時間より長いか、または等しい時にのみ、前記ステータスカウンティング信号を第1の論理レベルから前記第1の論理レベルに相対する第2の論理レベルに切り替えるか、でなければ、前記ステータスカウンティング信号を前記第1の論理レベルで維持するステップ、を含み、
前記結合されたダウンリンク信号の電力に基づいて、前記ステータスカウンティング信号を生成するステップは、
前記結合されたダウンリンク信号に基づいて生成されるレベル比較信号が、前記第1の論理レベルから前記第2の論理レベルに切り替えられるかどうかを判断するステップ、
前記レベル比較信号が前記第1の論理レベルにある時、前記ステータスカウンティング信号を前記第1の論理レベルで維持するステップ、
前記レベル比較信号が前記第2の論理レベルにあり、前記ステータスカウンティング時間より長いか、または等しい時、前記ステータスカウンティング信号を前記第1の論理レベルから前記第2の論理レベルに切り替えるステップ、
前記レベル比較信号が前記第2の論理レベルにあり、前記ステータスカウンティング時間より長くない時、前記ステータスカウンティング信号を前記第1の論理レベルで維持するステップ、および
時系列調整時間によって、前記第1の論理レベルから前記第2の論理レベルに切り替えられた前記ステータスカウンティング信号の時間を進め、時系列調整信号を生成するステップを含み、
前記ステータスカウンティング信号に基づいて制御信号を発生するステップ、および
前記制御信号に基づいて、前記ダウンリンク信号の送信と前記アップリンク信号の受信とを切り替えるステップを更に含む制御方法。
【請求項13】
遅延時間によって前記時系列調整信号を遅らせ、前記ダウンリンク信号と同期した前記制御信号を生成するステップを更に含む請求項12に記載の制御方法。
【請求項14】
前記ステータスカウンティング時間は、リソースブロックの期間より長いか、または等しく、複数のパイロット信号が前記リソースブロック内にインターレースされる、請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
前記時系列調整時間の範囲は、
【数5】
であり、τは、前記時系列調整時間であり、τは、前記ステータスカウンティング時間であり、GAPは、前記少なくとも1つのアップリンク信号の任意の1つが前記少なくとも1つのダウンリンク信号の任意の1つに切り替えられた期間であり、GAPは、前記少なくとも1つのダウンリンク信号の任意の1つが前記少なくとも1つのアップリンク信号の任意の1つに切り替えられた期間である請求項13に記載の制御方法。
【請求項16】
前記遅延時間の範囲は、
【数6】
であり、τは、前記遅延時間であり、Tsは、フレームの周期であり、GAPは、前記少なくとも1つのアップリンク信号の任意の1つが前記少なくとも1つのダウンリンク信号の任意の1つに切り替えられた期間である請求項13に記載の制御方法。
【請求項17】
前記制御信号の開始時間は、第1の時間によって前記結合されたダウンリンク信号の開始時間を進め、前記制御信号の終了時間は、第2の時間によって前記結合されたダウンリンク信号の終了時間を遅らせ、前記第1の時間と前記第2の時間の範囲は、
【数7】
【数8】
であり、Δは、第1の時間であり、Δは、第2の時間であり、GAPは、前記少なくとも1つのダウンリンク信号の任意の1つが前記少なくとも1つのアップリンク信号の任意の1つに切り替えられた期間である請求項16に記載の制御方法。
【請求項18】
前記結合されたダウンリンク信号を検出して電力検出信号を生成するステップを更に含む請求項12に記載の制御方法。
【請求項19】
前記制御回路は、レベルコンパレータを含み、
前記制御方法は、前記電力検出信号に基づいて前記レベル比較信号を生成するステップを更に含み、
前記レベルコンパレータは、前記電力検出信号のレベルが前記振幅しきい値より大きいか、または等しい時、前記第1の論理レベルで前記レベル比較信号を維持し、
前記レベルコンパレータは、前記電力検出信号のレベルが前記振幅しきい値より小さい時、前記第2の論理レベルで前記レベル比較信号を維持する請求項18に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時分割複信(TDD:Time Division Duplexing)通信システムの電子装置および制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ無線(RoF:Radio over Fiber)技術を用いた分散アンテナシステム(DAS:Distributed Antenna System)が高速環境における無線通信に広く用いられている。一般的に、RoFシステムは、ヘッドエンドユニット(HEU:Head−End Unit)およびリモートアンテナユニット(RAU:Remote Antenna Unit)で構成されている。しかしながら、TDDシステムでは、RAUが好適な時間で信号送信と信号受信間で切り替わらない場合、ダウンリンク信号またはアップリンク信号のパケットを失う可能性がある。よって、信号送信と信号受信間で効果的に切り替わる電子装置および制御方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、時分割複信(TDD)通信システムの電子装置および制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態では、ダウンリンク信号を制御信号発生器に結合し、制御信号を生成する電子装置が提供される。制御信号発生器は、ダウンリンク信号が終了されているかどうかを判断し、時系列を調整して制御信号とダウンリンク信号を同期する。本発明によって提供された電子装置は、通信システムのアップリンク信号とダウンリンク信号に高い隔離性を提供し、全ての種類の通信システム、特に、第4世代の無線通信システム(例えばIEEE802.16)およびTDD通信システムに用いるのに適合する。
【0005】
本発明は、少なくとも1つのダウンリンク信号を受信し、少なくとも1つのアップリンク信号を送信する電子装置を提供する。電子装置は、カプラ、トランシーバ、および制御回路を含む。カプラは、ダウンリンク経路に配置され、ヘッドエンドユニットからのダウンリンク信号に基づいて、結合されたダウンリンク信号を生成する。トランシーバは、制御信号に基づいてダウンリンク信号の送信とアップリンク信号の受信とを切り替える。制御回路は、結合されたダウンリンク信号を受信し、結合されたダウンリンク信号の電力状態に基づいて、ステータスカウンティング(status counting)信号を生成し、ステータスカウンティング信号に基づいて制御信号を生成する。結合されたダウンリンク信号のレベルが振幅しきい値より低く、且つステータスカウンティング時間より長いか、または等しい期間の時にのみ、制御回路はステータスカウンティング信号を第1の論理レベルから第1の論理レベルに相対する第2の論理レベルに変換する。でなければ、制御回路はステータスカウンティング信号を第1の論理レベルで維持する。
【0006】
本発明は、少なくとも1つのダウンリンク信号を受信し、少なくとも1つのアップリンク信号を送信する電子装置を制御する方法を提供する。電子装置は、カプラ、トランシーバ、および制御回路を含む。カプラは、ダウンリンク経路に配置される。制御方法は、ヘッドエンドユニットからのダウンリンク信号に基づいて、結合されたダウンリンク信号を生成するステップ、結合されたダウンリンク信号の電力状態に基づいて、ステータスカウンティング信号を生成し、ステータスカウンティング信号に基づいて制御信号を生成するステップを含む。結合されたダウンリンク信号のレベルが振幅しきい値より低く、且つステータスカウンティング時間より長いか、または等しい期間の時にのみ、制御回路はステータスカウンティング信号を第1の論理レベルから第1の論理レベルに相対する第2の論理レベルに変換する。でなければ、制御回路はステータスカウンティング信号を第1の論理レベルで維持する。
【0007】
詳細な説明は、添付の図面と併せて以下の実施形態に説明される。添付の図面とともに以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本発明はより完全に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の実施形態に基づいた電子装置の概略図である。
図1B】本発明の実施形態に基づいた制御信号発生器の概略図である。
図2A】本発明の実施形態に基づいた電力検出器の出力の概略図である。
図2B】本発明の実施形態に基づいたレベルコンパレータの出力の概略図である。
図2C】本発明の実施形態に基づいたステータスカウンタ(status counter)の出力の概略図である。
図2D】本発明の実施形態に基づいた時系列調整器(time−sequence adjuster)の出力の概略図である。
図2E】本発明の実施形態に基づいた遅延回路の出力の概略図である。
図3】本発明の実施形態に基づいた電子装置の制御方法のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、本発明の一般原理を例示する目的のためのもので本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にして決定される。
【0010】
図1Aは、本発明の実施形態に基づいた電子装置の概略図である。図1を参照すると、RoFシステム200は、HEU160およびRAU100を含む。具体的に言えば、基地局180は、信号をHEU160に送信する。HEU160は、ダウンリンク信号Sdに光電変換を行い、光電変換したダウンリンク信号SdをファイバによってRAU100に送信する。RAU100は、光−電気(O/E:Optical−to−Electrical)コンバータ102、ローノイズアンプ(LNA:Low Noise Amplifier)104、カプラ106、高出力増幅器(HPA:High Power Amplifier)108、トランシーバ110、ローノイズアンプ114、電気−光(E/O:Electrical−to Optical)コンバータ116、および制御回路120を含む。RAU100のO/Eコンバータ102は、受信したダウンリンク信号Sdを無線周波数(RF)信号に変換し、それをLNA104に順次に送信し、RF信号を増幅する。次いで、LNA104によって増幅されたRF信号は、カプラ106に送信される。次いで、カプラ106は、結合されたダウンリンク信号をHPA108に送信する。HPA108は、結合されたダウンリンク信号を増幅する。次いで、HPA108によって増幅されたダウンリンク信号は、トランシーバ110に送信される。トランシーバ110では、伝送の切り替えが行われる。最後に、アンテナ112は、HPA108によって増幅されたダウンリンク信号を送信する。
【0011】
一方、RAU100は、アンテナ112を通してアップリンク信号Suを受信し、それをLNA114に順次に送信する。LNA114は、アップリンク信号Suを増幅し、次いで、それをE/Oコンバータ116に送信する。E/Oコンバータ116は、増幅されたアップリンク信号を光学信号に変換し、次いでそれをファイバによってHEU160に送信する。HEU160はその信号を基地局180に送信する。この実施形態では、O/Eコンバータ102、LNA104、カプラ106、制御回路120、およびHPA108は、ダウンリンク経路を構成する。LNA114およびE/Oコンバータ116は、アップリンク経路を構成するがこれに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、アップリンク経路とダウンリンク経路のいくつかの構成要素は、省略または変更されることができる。
【0012】
注意するのは、カプラ106は、ダウンリンク信号SdをHPA108とトランシーバ110に送信し、結合されたダウンリンク信号Sdを制御回路120に送信する。図1Aに表されるように、制御回路120は、カプラ106とトランシーバ110との間に結合される。制御回路120は、結合されたダウンリンク信号Sdの電力状態に基づいて、ステータスカウンティング信号(status counting)Sd31を生成する(図1Bに表されるように)。制御回路120はまた、信号Sd31に基づいて制御信号Sdを生成し、制御信号Sdをトランシーバ110に送信する。具体的に言えば、制御回路120は、電力検出器122、レベルコンパレータ124、および制御信号発生器130を含む。電力検出器122は、カプラ106とレベルコンパレータ124との間に接続され、カプラ106によって送信された結合されたダウンリンク信号Sdを受信し、結合されたダウンリンク信号Sdの電力を検出して電力検出信号Sdを生成する。
【0013】
1つの実施形態では、レベルコンパレータ124は、電力検出器122と制御信号発生器130との間に接続され、電力検出信号Sdに基づいてレベル比較信号Sdを生成する。具体的に言えば、レベルコンパレータ124は、電力検出信号Sdのレベルが振幅しきい値λより大きいか、または等しい時、第1の論理レベルでレベル比較信号Sdを維持し、電力検出信号Sdのレベルが振幅しきい値λより小さい時、第2の論理レベルでレベル比較信号Sdを維持する。また、制御信号発生器130は、図1Bに表されるように、ステータスカウンタ(status counter)132、時系列調整器(time−sequence adjuster)134、および遅延回路136を含む。制御信号発生器130は、受信したレベル比較信号Sdに基づいて制御信号Sdを生成するため、トランシーバ110は、ダウンリンク信号Sdの送信とアップリンク信号Suの受信とを切り替えることができる。もう1つの実施形態では、制御信号発生器130は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)によって実現される。もう1つの実施形態では、制御信号発生器130は、マイクロコントローラによって実現される。
【0014】
図2A図2Bは、本発明の実施形態に基づいた電力検出器122およびレベルコンパレータ124の出力の概略図である。RAU100は、HEU160によって送信されたダウンリンク信号を受信するか、または、受信したアップリンク信号をHEU160に送信する。よって、アップリンクとダウンリンク間を切り替える時、受信/送信切り換え間隔(GAP)と送信/受信切り替え間隔(GAP)がある。図2Aに表されるように、GAPは、アップリンク信号がダウンリンク信号に切り替えられる第1のスイッチング時間、即ち受信/送信切り替え間隔である。GAPは、ダウンリンク信号がアップリンク信号に切り替えられる第2のスイッチング時間、即ち送信/受信切り替え間隔である。1つの実施形態では、レベルコンパレータ124は、電力検出信号Sdを受信し、電力検出信号Sdの振幅と振幅しきい値λ1を比較し、レベル比較信号Sdを生成する。レベルコンパレータ124は、電力検出信号Sdのレベルが振幅しきい値λより大きいか、または等しい時、第1の論理レベルでレベル比較信号Sdを維持し、電力検出信号Sdのレベルが振幅しきい値λより小さい時、第2の論理レベルでレベル比較信号Sdを維持する。この実施形態では、第1の論理レベルは高レベルであり、第2の論理レベルは低レベル(例えば0ボルト)であるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、第1の論理レベルは低レベルであり、第2の論理レベルは高レベルである。最後に、図2Bに表されるように、レベルコンパレータ124は、第1の論理レベルと第2の論理レベルを有するレベル比較信号Sdを制御信号発生器130に送信する。注意するのは、振幅しきい値λは、ダウンリンク信号Sdの最小電力値より小さく、最小電力値は、非ゼロ値である。
【0015】
図1Bは、本発明の実施形態に基づいた制御信号発生器の概略図である。図1Bに表されるように、制御信号発生器130は、ステータスカウンタ132、時系列調整器134、および遅延回路136を含む。1つの実施形態では、ステータスカウンタ132は、受信したレベル比較信号Sdが第1の論理レベルから第1の論理レベルに相対する第2の論理レベルに切り替えられるか判断し、ステータスカウンティング信号Sd31を生成する。図2Cに表されるように、レベル比較信号Sdが第1の論理レベルにある時、ステータスカウンタ132は、第1の論理レベルでステータスカウンティング信号Sd31を維持する。レベル比較信号Sdが第2の論理レベルにあり、且つステータスカウンティング時間(status counting time)τより長いか、または時間τと等しい時(即ちτ”≧τ)、ステータスカウンタ132は、ステータスカウンティング信号Sd31を第1の論理レベルから第2の論理レベルに切り替えるかまたは変換する。レベル比較信号Sdが第2の論理レベルにあり、且つステータスカウンティング時間τより長くない時(即ちτ”<τ)、ステータスカウンタ132は、ステータスカウンティング信号Sd31を第1の論理レベルで維持する。注意するのは、ステータスカウンティング時間τは、リソースブロックの期間より長いかまたは等しい。複数のパイロット信号がリソースブロック内にインターレースされる(interlaced)ため、ダウンリンク信号Sdによって伝送されたダウンリンクサブキャリアがデータを搬送しなくても、データを伝送しないダウンリンク信号Sdの伝送時間は、リソースブロックの期間を超えない。リソースブロックの期間を超える場合、RoFシステム200によって送信された信号は、ダウンリンク信号Sdでなくアップリンク信号Suでなければならない。もう1つの実施形態では、レベル比較信号Sdが第1の論理レベルにある時、ステータスカウンタ132のカウント値は、ゼロにリセットされ、ステータスカウンティング信号Sd31を第1の論理レベルで維持する。レベル比較信号Sdが第2の論理レベルにある時、ステータスカウンタ132は、カウントを開始し、カウント値が増加し始める。カウント値によって示された時間がステータスカウンティング時間τより長いか、または等しい場合、ステータスカウンタ132は、ステータスカウンティング信号Sd31を第1の論理レベルから第2の論理レベルに切り替えるかまたは変換する。カウント値によって示された時間がステータスカウンティング時間τより短い場合、ステータスカウンタ132は、ステータスカウンティング信号Sd31を第1の論理レベルで維持する。
【0016】
もう1つの実施形態では、レベル比較信号Sdが第1の論理レベルにある時、ステータスカウンタ132は、ステータスカウンティング信号Sd31を第3の論理レベルで維持する。レベル比較信号Sdが第2の論理レベルにあり、且つステータスカウンティング時間τより長いか、または等しい時、ステータスカウンタ132は、ステータスカウンティング信号Sd31を第3の論理レベルから第3の論理レベルに相対する第4の論理レベルに切り替えるかまたは変換する。レベル比較信号Sdが第2の論理レベルにあり、且つステータスカウンティング時間τより長くない時、ステータスカウンタ132は、ステータスカウンティング信号Sd31を第3の論理レベルで維持する。この実施形態では、第1と第3の論理レベルは、高レベルであり、第2と第4の論理レベルは、低レベル(例えば0ボルト)であるが、これに限定されるものではない。1つの実施形態では、第1と第3の論理レベルは、低レベルであり、第2と第4の論理レベルは、高レベルである。もう1つの実施形態では、第1と第4の論理レベルは、低レベルであり、第2と第3の論理レベルは、高レベルである。
【0017】
次いで、時系列調整器134は、ステータスカウンティング信号Sd31を受信する。図2Dに表されるように、時系列調整器134は、時系列調整時間τによって、第1の論理レベルから第2の論理レベルに切り替えられたステータスカウンティング信号Sd31の時間を進め、時系列調整信号Sd32を生成する。注意するのは、時系列調整時間τの範囲は、
【数1】
で表される。ここで、τは、時系列調整時間であり、τは、ステータスカウンティング時間である。GAPは、少なくとも1つのアップリンク信号の任意の1つが少なくとも1つのダウンリンク信号の任意の1つに切り替えられた期間であり、GAPは、少なくとも1つのダウンリンク信号の任意の1つが少なくとも1つのアップリンク信号の任意の1つに切り替えられた期間である。具体的に言えば、レベル比較信号Sdが第2の論理レベルにあり、且つステータスカウンティング時間τより長いか、または等しい時、ステータスカウンタ132は、ステータスカウンティング信号Sd31を第1の論理レベルから第2の論理レベルに切り替えるかまたは変換する。よって、時系列調整器134によって受信されたステータスカウンティング信号Sd31は、第1の論理レベルでステータスカウンティング時間τの遅延を含む。言い換えれば、時系列調整器134は、時系列調整時間τによって、第1の論理レベルから第2の論理レベルに切り替えられたステータスカウンティング信号Sd31の時間を進め、ステータスカウンティング時間τの遅延が補正される。
【0018】
1つの実施形態では、遅延回路136は、時系列調整信号Sd32を受信する。図2Eに示されるように、遅延回路136は、遅延時間τによって時系列調整信号Sd32を遅らせ、結合されたダウンリンク信号Sdと同期した制御信号Sdを生成する。もう1つの実施形態では、結合されたダウンリンク信号Sdは、ダウンリンク信号Sdと同期されるため、制御信号Sdは、ダウンリンク信号Sdと同期される。注意するのは、遅延時間τの範囲は、
【数2】
で表され、Tsは、フレームの周期である。具体的に言えば、フレームは、アップリンク信号Suおよびダウンリンク信号Sdを含む。1つの実施形態では、フレームの周期は、アップリンク信号Suの時間、ダウンリンク信号Sdの時間、第1の切り替え時間GAP、および第2の切り替え時間GAPの総和である。
【0019】
遅延回路136は、遅延時間τによって時系列調整信号Sd32を遅らせるため、制御信号Sdの開始時間は、第1の時間Δによって結合されたダウンリンク信号Sdの開始時間を進め(即ちより早い)、制御信号Sdの終了時間は、第2の時間Δによって結合されたダウンリンク信号Sdの終了時間を遅らせる(即ちより遅い)。図2Eに表されるように、tは制御信号Sdの開始時刻、即ち、制御信号Sdが第2の論理レベルから第1の論理レベルに切り替えられた時刻、tは結合されたダウンリンク信号Sdの開始時刻、tは結合されたダウンリンク信号Sdの終了時刻、且つtは、制御信号Sdの終了時刻、即ち、制御信号Sdが第1の論理レベルから第2の論理レベルに切り替えられた時刻である。また、第1の時間Δと第2の時間Δの範囲は、
【数3】
【数4】
で表される。注意するのは、この実施形態では、HEU160は、少なくとも1つのダウンリンク信号Sdを送信する。よって、結合されたダウンリンク信号Sdに基づいた制御回路120によって生成された制御信号Sdは、次の周期のダウンリンク信号Sdと同期される。
【0020】
図3は、本発明の実施形態に基づいた電子装置の制御方法のフローチャート図である。図3を参照して、制御方法は、次のステップを含む。ステップS300では、カプラ106は、結合されたダウンリンク信号Sdと電力検出器122を結合する。ステップS302では、電力検出器122は、結合されたダウンリンク信号Sdの電力を検出する。ステップS304では、レベルコンパレータ124は、電力検出信号Sdの振幅が振幅しきい値λより大きいか、または等しいかどうかを判断する。電力検出信号Sdの振幅が振幅しきい値λより大きい、または等しい時、ステップS306が実行される。電力検出信号Sdの振幅が振幅しきい値λより小さい時、ステップS308が実行される。
【0021】
ステップS306では、レベルコンパレータ124は、レベル比較信号Sd21を第1の論理レベルで維持する。ステップS308では、レベルコンパレータ124は、レベル比較信号Sd21を第2の論理レベルで維持する。次いでステップS310が実行される。ステップS310では、ステータスカウンタ132は、レベル比較信号Sdが第2の論理レベルにあり、且つステータスカウンティング時間τより長いかどうかを判断する。レベル比較信号Sdが第2の論理レベルにあり、且つステータスカウンティング時間τより長いか、または等しい場合、ステップS314が実行される。レベル比較信号Sdが第2の論理レベルになく、且つステータスカウンティング時間τより長くない場合、ステップS312が実行される。ステップS312では、ステータスカウンタ132は、第1の論理レベルでステータスカウンティング信号Sd31を維持する。ステップS314では、ステータスカウンタ132は、第2の論理レベルでステータスカウンティング信号Sd31を維持する。ステップS316では、時系列調整器134は、時系列調整時間τによって、第1の論理レベルから第2の論理レベルに切り替える時間を進める。次いでステップS318では、遅延回路136は、遅延時間τによって時系列調整信号Sd32を遅らせる。最後に、制御方法は、ステップS320で終了する。制御方法のステップの詳細の説明は、前述を参照できるため、ここでの説明は省略する。
【0022】
以上、実施例を示して本発明を説明しているが、当業者は、本発明の思想と技術的範囲から逸脱しない種々の修正及び変更を行い得る。実施形態および実施例は、例示的なものであるに過ぎず、本発明の範囲は、特許請求の範囲の請求項及びその均等のものによって規定されて保護される。
【符号の説明】
【0023】
100 リモートアンテナユニット(RAU)
102 光−電気(O/E)コンバータ
104、114 ローノイズアンプ(LNA)
106 カプラ
108 高出力増幅器(HPA)
110 トランシーバ
112 アンテナ
116 電気−光(E/O)コンバータ
120 制御回路
122 電力検出器
124 レベルコンパレータ
130 制御信号発生器
132 ステータスカウンタ
134 時系列調整器
136 遅延回路
160 ヘッドエンドユニット(HEU)
180 基地局
200 RoFシステム
Sd ダウンリンク信号
Su アップリンク信号
Sd 結合されたダウンリンク信号
Sd 電力検出信号
Sd レベル比較信号
Sd31 ステータスカウンティング信号
Sd32 時系列調整信号
Sd 制御信号
τ’、τ” レベル比較信号が第2の論理レベルにある時間
τ ステータスカウンティング時間
τ 時系列調整時間
τ 遅延時間
Δ 第1の時間
Δ 第2の時間
λ 振幅しきい値
GAP 第1の切り替え時間
GAP 第2の切り替え時間
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3