【文献】
Qualcomm Incorporated,PUCCH resources for multi-bit ACK and resource indexing,3GPP TSG RAN WG1 #63 R1-106342,2010年11月 9日,pp.1-3
【文献】
Panasonic,Mapping Tables for Format 1b with Channel Selection,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #62bis R1-105476,2010年10月 5日,pp.1-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線通信システムにおいてプライマリセルとセカンダリセルとを含む複数のサービングセルが構成された端末(UE)によって上りリンク制御情報を伝送する方法であって、
前記端末が、基地局(BS)から、所定のPUCCHフォーマットに対応する、RRC(Radio Resource Control)層により構成されたPUCCH(Physical Uplink Control Channel)リソースの第1セットの少なくとも1つのPUCCHリソースを指示する情報をSPS(Semi Persistent Scheduling)活性化PDCCH(Physical Downlink Control Channel)を通じて受信し、
前記SPS活性化PDCCHを受信した後、前記端末が、前記基地局から、SPS PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を、対応するPDCCHを受信せずに前記プライマリセルで受信し、
前記端末が、前記プライマリセルで受信した前記SPS PDSCHに対応するHARQ−ACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest−Acknowledgement)応答を生成し、
前記端末が、前記基地局へ、前記プライマリセルが最大1つの伝送ブロックの送信を支援する第1の伝送モードに設定された場合に、前記SPS活性化PDCCHによって指示されたリソースを含むPUCCHリソースの第2セットの1つを用いて前記HARQ−ACK応答に対応する2ビットを送信し、
前記端末が、前記基地局へ、前記プライマリセルが最大2つの伝送ブロックの送信を支援する第2の伝送モードに設定された場合に、前記SPS活性化PDCCHによって指示されたリソースを含むPUCCHリソースの前記第2セットの1つ及び前記SPS活性化PDCCHによって指示されたリソースに関連する他の1つのリソースを用いて前記HARQ−ACK応答に対応する前記2ビットを送信することを含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の技術は、CDMA、FDMA、TDMA、OFDMA、SC−FDMAなどのような様々な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術とすることができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術とすることができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術とすることができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクにおいてOFDMAを採用し、上りリンクにおいてSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展したバージョンである。
【0018】
説明を明確にするために、3GPP LTE/LTE−Aを中心に説明するが、これに本発明の技術的思想が制限されるわけではない。また、以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されるもので、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で他の形態に変更されてもよい。
【0019】
図1は、無線フレームの構造を示す図である。
【0020】
図1を参照すると、無線フレームは、10個のサブフレームを含む。サブフレームは、時間ドメインにおいて2つのスロットを含む。サブフレームを伝送する時間が伝送時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)と定義される。例えば、1サブフレームは、1msの長さを有することができ、1スロットは0.5msの長さを有することができる。1スロットは、時間ドメインにおいて、複数のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)またはSC−FDMAシンボルを有する。LTEは、下りリンクにおいてOFDMAを用い、上りリンクにおいてSC−FDMAを用いるので、OFDMまたはSC−FDMAシンボルは、1シンボル期間を表す。リソースブロック(Resource Block:RB)は、リソース割当ユニットであり、1スロットで複数の連続した副搬送波を含む。同図の無線フレームの構造は例示的なもので、無線フレームに含まれるサブフレームの個数、サブフレームに含まれるスロットの個数、スロットに含まれるシンボルの個数は種々の方式で変形されてもよい。
【0021】
図2は、下りリンクスロットのリソースグリッドを例示する図である。
【0022】
図2を参照すると、下りリンクスロットは、時間ドメインにおいて複数のOFDMシンボルを含む。1下りリンクスロットは、7(6)個のOFDMシンボルを含み、リソースブロックは、周波数ドメインにおいて12個の副搬送波を含むことができる。リソースグリッド上の各要素は、リソース要素(Resource Element:RE)と呼ばれる。1個のRBは、12×7(6)個のREを含む。下りリンクスロットに含まれるRBの個数N
RBは、下りリンク伝送帯域に依存する。上りリンクスロットの構造は、下りリンクスロットの構造と同一であり、ただし、OFDMシンボルがSC−FDMAシンボルに取り替えられる。
【0023】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0024】
図3を参照すると、サブフレームの1番目のスロットにおいて前部に位置している最大3(4)個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に対応する。残りのOFDMシンボルは、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)が割り当てられるデータ領域に該当する。PDSCHは、伝送ブロック(Transport Block:TB)あるいはそれに対応するコードワード(CodeWord:CW)を運ぶのに用いられる。伝送ブロックは、伝送チャネルを介してMAC層からPHY層に伝達されたデータブロックを意味する。コードワードは、伝送ブロックの符号化したバージョンに該当する。伝送ブロックとコードワードとの対応関係はスワッピングによって異なってくる。本明細書ではPDSCH、伝送ブロック及びコードワードが同一の意味で使われる。LTEで用いられる下りリンク制御チャネルの例には、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PHICH(Physical hybrid ARQ indicator Channel)などがある。PCFICHは、サブフレームの1番目のOFDMシンボルで伝送され、サブフレーム内において制御チャネルの伝送に使われるOFDMシンボルの個数に関する情報を運ぶ。PHICHは、上りリンク伝送の応答としてHARQ ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat request acknowledgment/negative−acknowledgment)信号を運ぶ。
【0025】
PDCCHを介して伝送される制御情報をDCI(Downlink Control Information)と呼ぶ。DCIは、端末または端末グループのためのリソース割当情報及び他の制御情報を含む。例えば、DCIは、上りリンク/下りリンクスケジューリング情報、上りリンク伝送(Tx)パワー制御命令などを含む。多重アンテナ技術を構成するための伝送モード及びDCIフォーマットの情報コンテンツは、次の通りである。
【0026】
<伝送モード(Transmission Mode:TM)>
● 伝送モード1:単一の基地局アンテナポートからの伝送
● 伝送モード2:ダイバーシティを伝送
● 伝送モード3:開ループ空間多重化
● 伝送モード4:閉ループ空間多重化
● 伝送モード5:マルチユーザーMIMO
● 伝送モード6:閉ループランク−1プリコーディング
● 伝送モード7:端末固有の参照信号を用いた伝送
<DCIフォーマット>
● フォーマット0: PUSCH伝送(アップリンク)のためのリソース承認(grants)
● フォーマット1: 単一コードワードPDSCH伝送(伝送モード1、2、7)のためのリソース割り当て(assignments)
● フォーマット1A:単一コードワードPDSCH(全モード)のためのリソース割り当てのコンパクトな信号伝送
● フォーマット1B:ランク−1閉ループプリコーディング(モード6)を用いたPDSCHのためのコンパクトなリソース割り当て
● フォーマット1C:PDSCHのための非常にコンパクトなリソース割り当て(例えば、ページング/放送システム情報)
● フォーマット1D:マルチユーザーMIMO(モード5)を用いたPDSCHのためのコンパクトなリソース割り当て
● フォーマット2:閉ループMIMO動作(モード4)のためのPDSCHのためのリソース割り当て
● フォーマット2A:開ループMIMO動作(モード3)のためのPDSCHのためのリソース割り当て
● フォーマット3/3A:2ビット/2ビット電力調整を用いたPUCCH及びPUSCHのための電力制御命令
【0027】
上述したように、PDCCHは、下りリンク共有チャネル(downlink shared channel:DL−SCH)の伝送フォーマット及びリソース割当情報、上りリンク共有チャネル(uplink shared channel:UL−SCH)の伝送フォーマット及びリソース割当情報、ページングチャネル(paging channel:PCH)上のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で伝送されるランダムアクセス応答のような上位層制御メッセージのリソース割当情報、端末グループ内の個別端末に対するTxパワー制御命令セット、Txパワー制御命令、VoIP(Voice over IP)の活性化指示情報などを運ぶ。複数のPDCCHが制御領域内で伝送され、端末は、複数のPDCCHをモニタリングすることもできる。PDCCHは、一つまたは複数の連続した制御チャネル要素(control channel element:CCE)の集合(aggregation)上で伝送される。CCEは、PDCCHに、無線チャネル状態に基づくコーディングレートを提供するのに使われる論理的割当ユニットである。CCEは、複数のリソース要素グループ(resource element group:REG)に対応する。PDCCHのフォーマット及びPDCCHビットの個数は、CCEの個数によって決定される。基地局は、端末に伝送されるDCIに基づいてPDCCHフォーマットを決定し、制御情報にCRC(cyclic redundancy check)を付加する。CRCには、PDCCHの所有者または使用目的に基づいて識別子(例えば、RNTI(radio network temporary identifier))をマスキング(または、スクランブル)することができる。例えば、PDCCHが特定端末のためのものであると、該当の端末の識別子(例えば、cell−RNTI(C−RNTI))をCRCにマスキングすることができる。PDCCHがページングメッセージのためのものであると、ページング識別子(例えば、paging−RNTI(P−RNTI))をCRCにマスキングすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(system information block:SIB))のためのものであると、SI−RNTI(system information RNTI)をCRCにマスキングすることができる。PDCCHがランダムアクセス応答のためのものであると、RA−RNTI(random access−RNTI)をCRCにマスキングすることができる。
【0028】
図4には、LTEで用いられる上りリンクサブフレームの構造を例示する。
【0029】
図4を参照すると、上りリンクサブフレームは、複数(例えば、2個)のスロットを含む。スロットは、CP長によって異なった数のSC−FDMAシンボルを含むことができる。上りリンクサブフレームは周波数領域においてデータ領域と制御領域とに区別される。データ領域は、PUSCHを含み、音声などのデータ信号を伝送するのに用いられる。制御領域は、PUCCHを含み、上りリンク制御情報(Uplink Control Information:UCI)を伝送するのに用いられる。PUCCHは、周波数軸においてデータ領域の両端部に位置しているRB対(RB pair)を含み、スロットを境界にホッピングする。
【0030】
下記の制御情報を伝送するのにPUCCHを用いることができる。
【0031】
- SR(Scheduling Request):上りリンクUL−SCHリソースを要請するのに用いる情報である。OOK(On−Off Keying)方式を用いて伝送する。
【0032】
- HARQ ACK/NACK:PDSCH上の下りリンクデータパケットに対する応答信号である。下りリンクデータパケットの受信に成功したか否かを示す。単一の下りリンクコードワードに対する応答としてACK/NACK 1ビットが伝送され、2つの下りリンクコードワードに対する応答としてACK/NACK 2ビットが伝送される。
【0033】
- CQI(Channel Quality Indicator):下りリンクチャネルに対するフィードバック情報である。MIMO(Multiple Input Multiple Output)関連フィードバック情報は、RI(Rank Indicator)及びPMI(Precoding Matrix Indicator)を含む。サブフレーム当たり20ビットが用いられる。
【0034】
端末がサブフレームで伝送し得る制御情報(UCI)の量は、制御情報の伝送に可用なSC−FDMAの個数に依存する。制御情報伝送に可用なSC−FDMAは、サブフレームにおいて参照信号伝送のためのSC−FDMAシンボルを除いた残りのSC−FDMAシンボルを意味し、SRS(Sounding Reference Signal)が設定されたサブフレームでは、サブフレームの最後のSC−FDMAシンボルも除外される。参照信号は、PUCCHのコヒーレント検出に用いられる。PUCCHは、伝送される情報によって7個のフォーマットを支援する。
【0035】
表(1A)に、LTEにおいてPUCCHフォーマットとUCIとのマッピング関係を示す。
【0037】
図5には、PUCCHフォーマット1a/1bのスロットレベルの構造を示す。PUCCHフォーマット1a/1bは、ACK/NACK伝送に用いられる。ノーマルCPの場合に、SC−FDMA#2/#3/#4がDM RS(Demodulation Reference Signal)伝送に用いられる。拡張CPの場合に、SC−FDMA#2/#3がDM RS伝送に用いられる。したがって、スロットにおいて4個のSC−FDMAシンボルがACK/NACK伝送に用いられる。便宜上、PUCCHフォーマット1a/1bをPUCCHフォーマット1と総称する。
【0038】
図5を参照すると、1ビット[b(0)]及び2ビット[b(0)b(1)]ACK/NACK情報はそれぞれBPSK及びQPSK変調方式によって変調され、一つのACK/NACK変調シンボルが生成される(d
0)。ACK/NACK情報においてそれぞれのビット[b(i)、i=0,1]は、該当のDL伝送ブロックに対するHARQ応答を示し、ポジティブACKの場合にビットは1と与えられ、ネガティブACK(NACK)の場合に該当ビットは0と与えられる。表(2A)には、既存LTEにおいてPUCCHフォーマット1a及び1bのために定義された変調テーブルを示す。
【0040】
PUCCHフォーマット1a/1bは、上述のCQIと同様に、周波数ドメインでサイクリックシフト(α
cs,x)を行う他、直交拡散コード(例えば、Walsh−HadamardまたはDFTコード)(w0,w1,w2,w3)を用いて時間ドメイン拡散を行う。PUCCHフォーマット1a/1bでは、周波数及び時間ドメインの両方でコード多重化が用いられるので、より多数の端末を同一のPUCCH RB上に多重化することができる。
【0041】
それぞれ異なった端末から伝送されるRSは、UCIと同様の方法で多重化する。PUCCH ACK/NACK RBのためのSC−FDMAシンボルで支援されるサイクリックシフトの個数は、セル−特定(cell−specific)上位層シグナリングパラメータΔ
PUCCHshiftによって構成することができる。Δ
PUCCHshift∈{1、2、3}はそれぞれ、シフト値が12、6及び4であることを示す。時間ドメインCDMにおいてACK/NACKに実際に用い得る拡散コードの個数は、RSシンボルの個数により制限されることがある。少ない数のRSシンボルの故にRSシンボルの多重化容量がUCIシンボルの多重化容量よりも小さいわけである。
【0042】
図6には、ACK/NACKのための動的PUCCHリソースを決定する例を示す。LTEシステムにおいてACK/NACKのためのPUCCHリソースは各端末にあらかじめ割り当てられておらず、複数のPUCCHリソースをセル内の複数の端末が毎時点ごとに分けて使用する。具体的に、端末がACK/NACKを伝送するのに用いるPUCCHリソースは、該当の下りリンクデータに関するスケジューリング情報を運ぶPDCCHに対応する。それぞれの下りリンクサブフレームにおいてPDCCHの伝送される全体領域は複数のCCE(Control Channel Element)で構成され、端末に伝送されるPDCCHは一つ以上のCCEで構成される。端末は、自身が受信したPDCCHを構成するCCEのうち、特定CCE(例えば、1番目のCCE)に対応するPUCCHリソースを用いてACK/NACKを伝送する。
【0043】
図6を参照すると、下りリンクコンポーネントキャリア(DownLink Component Carrier:DL CC)において各ます目はCCEを表し、上りリンクコンポーネントキャリア(UpLink Component Carrier:UL CC)において各ます目はPUCCHリソースを表す。それぞれのPUCCHインデックスは、ACK/NACKのためのPUCCHリソースに対応する。
図6に示すように、4〜6番のCCEで構成されたPDCCHを介してPDSCHに関する情報が伝達されるとすると、端末は、PDCCHを構成する1番目のCCEである4番CCEに対応する4番PUCCHを介してACK/NACKを伝送する。
図6は、DL CCに最大N個のCCEが存在するときに、UL CCに最大M個のPUCCHが存在する場合を例示する。N=Mでもよいが、M値とN値とを異なるように設計し、CCEとPUCCHとのマッピングが重なるようにしてもよい。
【0044】
具体的に、LTEシステムにおいてPUCCHリソースインデックスは下記のように定められる。
【0046】
ここで、n
(1)PUCCHは、ACK/NACK/DTXを伝送するためのPUCCHフォーマット1のリソースインデックスを表し、N
(1)PUCCHは、上位層から伝達されるシグナリング値を表し、n
CCEは、PDCCH伝送に用いられたCCEインデックスのうち、最小の値を表す。n
(1)PUCCHから、PUCCHフォーマット1a/1bのためのサイクリックシフト、直交拡散コード及びPRB(Physical Resource Block)が得られる。
【0047】
次に、SPS(Semi−Persistent Scheduling)、及びSPS動作時にACK/NACKのためのPUCCHリソースを半静的に割り当てる方法について説明する。
【0048】
ユニキャストデータは、スケジューリングにより毎サブフレームごとに動的にリソースが割り当てられる。一方、SPSは、VoIP(Voice over Internet Protocol)やストリーミングのように中/低速の要求データ率をもって周期的に発生するトラフィックに対してリソースをあらかじめ予約しておく。SPSは、特定トラフィックに対してリソースをあらかじめ予約することによって、スケジューリングオーバーヘッドを低減させ、リソースを安定して割り当てることができる。
【0049】
LTEにおいてDL/UL(uplink/downlink)SPSについては、SPS送信(Tx)/受信(Rx)を行うべきサブフレームに関する情報がRRC(Radio Resource Control)シグナリングにより与えられ、SPSの活性化、再活性化及び解除がPDCCHにより指示される。SPSのためのサブフレーム情報は、サブフレーム間隔、サブフレームオフセットを含む。便宜上、SPS活性化/再活性化/解除を指示するためのPDCCHをSPS PDCCHと称する。SPS PDCCHは、SPS Tx/RxのためのRB割当情報、MCS(Modulationand Coding Scheme)情報を運ぶ。SPS PDCCHは、CRC(Cyclic Redundancy Check)がSPSC−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)でマスキングされ、NDI=0にセッティングされる。そのため、端末は、RRCシグナリングによりSPSの行われるべきサブフレーム(SPSサブフレームと略す。)に関する情報が割り当てられても、直ちにSPS Tx/Rxを行うわけではなく、SPS活性化(または再活性化)を知らせるSPS PDCCHを受信した場合に、RRCシグナリングにより割り当てられたサブフレームでSPS Tx(例えば、PUSCH伝送)またはSPS Rx(例えば、PDSCH受信)を行う。該当のサブフレームにおいてSPS Tx/RxはSPS PDCCH内のRB割当情報及びMCS情報を用いて行われる。一方、端末は、SPS解除を知らせるPDCCHを受信するとSPS Tx/Rxを中断する。中断したSPS Tx/Rxは、活性化(または再活性化)を知らせるSPS PDCCHが受信されると、RRCシグナリングにより割り当てられたサブフレームにおいて、SPS PDCCHで指定したRB割当、MCSなどを用いて再開される。
【0050】
SPS活性化の場合、SPS PDCCHのDCIフィールドは表(3)のようにセッティングされる。表(3)のフィールド組み合わせは、SPS活性PDCCH検証のための仮想CRCとして用いられる。
【0052】
仮想CRCは、該当のフィールド値が約束された値であるか否かを確認することによって追加的に誤りを検出するのに用いられる。他の端末に割り当てられたDCIに誤りが発生したが、当該端末がその誤りを検出できず、自身のSPSスケジューリング活性として誤って認識する場合に、該当のリソースを継続して使用するため、1回の誤りが持続的に問題を発生させる。したがって、仮想CRCを使ってSPSの誤った検出を防止している。
【0053】
SPS解除の場合、SPS PDCCHのDCIフィールドは表(4)のようにセッティングされる。表(4)のDCIフィールド組み合わせは、SPS解除PDCCH検証のための仮想CRCとして用いる。SPS解除の場合、端末は、SPS解除PDCCHに対するACK/NACKを伝送する。
【0055】
上りリンクSPSの動作方式について具体的に説明する。まず、基地局は、上位層(例えば、RRC)シグナリングを用いて端末にSPS動作を行うべきサブフレーム(例えば、20ms間隔)を知らせる。その後、基地局は端末にSPS活性化を指示するSPS PDCCHを伝送することができる。SPS PDCCHはULグラント情報を含む。この場合、端末は、SPSシグナリングによりULグラントメッセージを受信してから20ms間隔ごとに、SPS PDCCHにより指定された特定RB、MCSなどが上りリンク伝送のために割り当てられる。そのため、端末は20msごとにSPS PDCCHにより指定されたRB、MCSを用いて上りリンク伝送を行うことができる。したがって、SPS動作中に伝送されるPUSCH信号は、対応するPDCCHがない。便宜上、SPSによるPUSCHをSPS PUSCHと称する。これと類似の方法で下りリンクSPS動作も行われる。具体的に、DLグラントを有するSPS活性化PDCCHを受信した後、端末は20msごとに、SPS PDCCHにより指定されたRB、MCSを用いて下りリンク信号(例えば、PDSCH)を受信することができる。SPS動作中に伝送されるPDSCH信号は、対応するPDCCHがない。便宜上、SPSによるPDSCHをSPSPDSCHと称する。
【0056】
SPS PDSCHは、対応するPDCCHが存在しないことから、PDSCH without PDCCHと呼ぶことができる。したがって、
図6及び式(1)を参照して説明したように、PDCCHを構成するCCEを用いてACK/NACK伝送のためのPUCCHリソースを割り当てることができない。これを解決するために、LTEシステムは、SPS PDSCHに対するACK/NACK伝送のためにPUCCHリソース候補セットを、上位層シグナリングを用いて構成し、そのうちの一つのPUCCHリソースをSPS活性化PDCCHを通じて明示的に指示する。PUCCHリソースを指示する値は、SPS活性化PDCCHのTPC(Transmit Power Control)フィールドを用いて伝送することができる。
【0057】
表(5)は、LTEに定義された下りリンクSPSのためのPUCCHリソースインデックスを示すものである。表(5)を参照すると、上位層により4個のPUCCHリソースインデックスが構成され、SPS活性化PDCCHのTPCフィールド(TPCコマンド)を用いて一つのPUCCHリソースインデックスを指示することができる。
【0059】
次に、ACK/NACKチャネル選択方式(「A/Nチャネル選択方式」または「チャネル選択方式」と略す。)について説明する。LTEシステムがTDD方式で動作する場合に、端末は、異なった時点のサブフレームで受信した複数のPDSCHに対して一つの多重化したACK/NACK信号を伝送する。具体的に、端末は、A/Nチャネル選択方式を用いて複数のPDSCHに対して一つの多重化したACK/NACK信号を伝送する。A/Nチャネル選択方式はPUCCH選択伝送方式とも呼ばれる。A/Nチャネル選択方式において、端末は複数の下りリンクデータを受信した場合に、多重化したACK/NACK信号を伝送するために複数の上りリンク物理チャネルを占有する。一例として、端末は、複数のPDSCHを受信した場合に、それぞれのPDSCHを指示するPDCCHの特定CCEを用いて同じ数のPUCCHリソースを占有することができる。この場合、占有した複数のPUCCHリソースからいずれのPUCCHリソースを選択するか、及び選択したPUCCHリソースに適用される変調/符号化された内容の組み合わせを用いて、多重化したACK/NACK信号を伝送することができる。
【0060】
LTEシステムに定義されたA/Nチャネル選択方式を、表(6)に示す。
【0062】
表(6)で、HARQ−ACK(i)は、i番目のデータユニット(0≦i≦3)のHARQ ACK/NACK/DTX結果を表す。HARQ ACK/NACK/DTX結果は、ACK、NACK、DTX、NACK/DTXを含む。NACK/DTXは、NACKまたはDTXを表す。ACK及びNACKは、PDSCHを介して伝送された伝送ブロック(コードブロックと等価)のデコーディング成功及び失敗を表す。DTX(Discontinuous Transmission)は、PDCCH検出失敗を表す。それぞれのデータユニットと関連して最大4個のPUCCHリソース(すなわち、n
(1)PUCCH,0〜n
(1)PUCCH,3)を占有することができる。多重化したACK/NACKは、占有したPUCCHリソースから選択された一つのPUCCHリソースを用いて伝送される。表(6)に記載されたn
(1)PUCCH,iは、実際にACK/NACKを伝送するのに用いられるPUCCHリソースを表す。b(0)b(1)は、選択されたPUCCHリソースを用いて伝送される2ビットを表し、QPSK方式で変調される。一例として、端末が4個のデータユニットを成功的に復号した場合に、端末はn
(1)PUCCH,1と連結されたPUCCHリソースを用いて(1,1)を基地局に伝送する。PUCCHリソースとQPSKシンボルとの組み合わせが、可能なACK/NACK仮定を全て表すのには足りないので、一部の場合以外は、NACKとDTXとがカップリングされる(NACK/DTX、N/D)。
【0063】
図7には、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)通信システムを例示する。LTE−Aシステムは、より広い周波数帯域のために複数の上り/下りリンク周波数ブロックを束ねてより大きい上り/下りリンク帯域幅を用いるキャリアアグリゲーション(carrier aggregationまたはbandwidth aggregation)技術を用いる。各周波数ブロックは、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)を用いて伝送される。コンポーネントキャリアは、該当の周波数ブロックのためのキャリア周波数(または、中心キャリア、中心周波数)と理解すればよい。
【0064】
図7を参照すると、複数の上り/下りリンクコンポーネントキャリアを束ねてより広い上り/下りリンク帯域幅を支援することができる。それぞれのCCは周波数領域で互いに隣接しても、非隣接であってもよい。各コンポーネントキャリアの帯域幅は独立して定めることができる。UL CCの個数とDL CCの個数とが異なった非対称キャリアアグリゲーションも可能である。例えば、2個のDL CC及び1個のUL CCの場合は2:1で対応するように構成することができる。DL CC/UL CCリンクは、システムに固定されていてもよく、半静的に構成されてもよい。また、システム全体帯域がN個のCCで構成されていても、特定端末がモニタリング/受信し得る周波数帯域はM(<N)個のCCに限定することができる。キャリアアグリゲーションに関する種々のパラメータは、セル特定(cell−specific)、端末グループ特定(UE group−specific)または端末特定(UE−specific)方式で設定することができる。一方、制御情報は特定CCを通じてのみ送受信されるように設定することができる。このような特定CCをプライマリCC(Primary CC:PCC)(またはアンカーCC)と呼び、残りのCCをセカンダリCC(Secondary CC:SCC)と呼ぶこともできる。
【0065】
LTE−Aは、無線リソースを管理するためにセルの概念を用いる。セルは、下りリンクリソースと上りリンクリソースとの組み合わせで定義され、ここで、上りリンクリソースは必須要素ではない。そのため、セルは、下りリンクリソース単独で構成されることもあり、または下りリンクリソース及び上りリンクリソースの両方で構成されることもある。キャリアアグリゲーションが支援される場合に、下りリンクリソースのキャリア周波数(または、DL CC)と上りリンクリソースのキャリア周波数(または、UL CC)間のリンケージはシステム情報により指示可能である。プライマリ周波数(またはPCC)上で動作するセルをプライマリセル(Primary Cell:PCell)と呼び、セカンダリ周波数(またはSCC)上で動作するセルをセカンダリセル(Secondary Cell:SCell)と呼ぶことができる。PCellは、端末が初期接続確立過程を行ったり、接続再確立過程を行ったりするのに用いられる。PCellは、制御信号が伝送されるUL CCとSIB2リンクされたDL CC上で動作するセルを意味することができる。また、PCellは、ハンドオーバー過程で指示されたセルを意味することもできる。SCellは、RRC接続が確立された後に構成可能であり、追加の無線リソースを提供するのに用いることができる。PCellとSCellはサービングセルと総称されてもよい。そのため、RRC_CONNECTED状態にあるが、キャリアアグリゲーションが設定されていないか、キャリアアグリゲーションを支援しない端末の場合は、PCellのみで構成されたサービングセルが一つのみ存在する。一方、RRC_CONNECTED状態にあり、且つキャリアアグリゲーションが設定された端末の場合は、一つ以上のサービングセルが存在し、全体サービングセルにはPCellと全体SCellが含まれる。キャリアアグリゲーションのために、ネットワークは、初期保安活性化過程が開始された後、接続確立過程で、初期に構成されるPCellに加えて一つ以上のSCellを、キャリアアグリゲーションを支援する端末のために構成することができる。
【0066】
図8には、複数のキャリアが束ねられた場合のスケジューリングを例示する。3個のDL CCが束ねられたと仮定する。DL CC AがPDCCH CCと設定されたとする。DL CC A〜Cを、サービングCC、サービングキャリア、サービングセルなどと呼ぶこともできる。CIFがディセーブルされた場合に、それぞれのDL CCはLTE PDCCH規則に従ってCIFなしに自身のPDSCHをスケジューリングするPDCCHのみを伝送することができる(ノンクロスCCスケジューリング)。一方、端末−特定(または、端末グループ−特定またはセル−特定)上位層シグナリングによってCIFがイネーブルされた場合には、DL CC A(PDCCH CC)はCIFを用いてDL CC AのPDSCHをスケジューリングするPDCCHに加えて、他のCCのPDSCHをスケジューリングするPDCCHも伝送することができる(クロスCCスケジューリング)。この場合、PDCCH CCと設定されていないDL CC B/CではPDCCHが伝送されない。そのため、DL CC A(PDCCH CC)は、DL CC Aに関連したPDCCHサーチスペース、DL CC Bに関連したPDCCHサーチスペース、及びDL CC Cに関連したPDCCHサーチスペースを全て含まなければならない。
【0067】
LTE−Aは、複数のDL CCを介して伝送された複数のPDSCHに関する複数のACK/NACK情報/信号を特定UL CC(例えば、UL PCCまたはUL PCell)を介してフィードバックすることを考慮している。説明のために、端末が、あるDL CCでSU−MIMO(Single User Multiple Input Multiple Output)モードで動作して2個のコードワード(あるいは伝送ブロック)を受信するとする。この場合、端末は、該当のDL CCに対してACK/ACK、ACK/NACK、NACK/ACK、NACK/NACKの合計4個のフィードバック状態、あるいはDTXまで含めて最大5個のフィードバック状態を伝送できるものでなければならない。もし、該当のDL CCが単一のコードワード(あるいは伝送ブロック)を支援するように設定されたとき、該当のDL CCに対してACK、NACK、DTXの最大3個の状態が存在する。もし、NACKをDTXと同様に処理すると、該当のDL CCに対してACK、NACK/DTXの合計2個のフィードバック状態が存在するようになる。したがって、端末が最大5個のDL CCを束ね、且つ全てのCCでSU−MIMOモードで動作するとすれば、最大55個の伝送可能なフィードバック状態を有することができ、これを表現するためのACK/NACKペイロードサイズは合計12ビットとなる。もし、DTXをNACKと同様に処理すると、フィードバック状態の数は45個になり、これを表現するためのACK/NACKペイロードサイズは合計10ビットとなる。
【0068】
LTE−Aシステム、好ましくはFDD LTE−Aシステムでは、マルチキャリアの状況において、既存LTE TDDシステムに用いられたPUCCHフォーマット1a/1bとACK/NACK多重化(すなわち、ACK/NACKチャネル選択)方法を用いて複数のACK/NACK情報/信号を伝送することが議論されている。一方、既存のLTE TDDシステムにおいてACK/NACK多重化(すなわち、ACK/NACK選択)方法は、PUCCHリソースの確保のために、それぞれのPDSCHをスケジューリングするそれぞれのPDCCHに対応する(すなわち、最小CCEインデックスとリンクされた)PUCCHリソースを用いる暗黙的ACK/NACK選択方式を用いる。しかし、異なったRB内のPUCCHリソースを用いて暗黙的ACK/NACK選択方式を適用すると性能劣化につながることがある。そのため、LTE−Aでは、RRCシグナリングなどを用いて各端末にあらかじめ予約されたPUCCHリソース、好ましくは、同一RBまたは隣接RB内の複数のPUCCHリソースを用いる明示的ACK/NACK選択方式も共に議論されている。
【0069】
表(7)には、HARQ−ACKのためのPUCCHリソースを明示的に指示する例を示す。具体的に、上位層(例えば、RRC)によりPUCCHリソースセットが構成され、PDCCHのARI(ACK/NACK Resource Indicator)値を用いて、実際に用いられるPUCCHリソースを指示することができる。これに制限されるわけではないが、SCell上のPDSCHに対応するPDCCHのTPC(Transmit Power Control)フィールドを用いてARI値を指示することができる。ARIは、HARQ−ACKリソース指示値と同じ意味で使われる。
【0071】
<動的スケジューリング時のA/Nチャネル選択>
以下、LTE−Aシステム、好ましくFDD LTE−Aシステムにおいてマルチキャリアが構成された場合にA/Nチャネル選択方式を適用する方法について具体的に説明する。下記の説明は動的スケジューリングを仮定している。すなわち、DLグラントPDCCH及びそれに対応するPDSCHを受信したとき、ACK/NACK情報をUL伝送する場合を仮定する。LTE−Aにおいて、下記の条件を優先してA/Nチャネル選択用マッピングテーブルを設計することができる。
【0072】
(1)フル暗黙的PUCCHリソース指示を支援。暗黙的PUCCHリソースは、DLグラントPDCCHを構成する一つ以上のCCEのうち、特定のCCE(例えば、1番目のCCE)とリンクされたPUCCHリソースを意味する(式(1)参照)。
【0073】
(2)LTEフォールバックを支援。LTEフォールバックとは、PCell以外のサービングセル(すなわち、SCell)に対していずれもNACK/DTXである場合に、ACK/NACK状態伝送に用いられるPUCCHフォーマット及び該PUCCHフォーマットを通じて伝送される変調シンボルが、既存LTEに定義された方式に従う方式を意味する。ACK/NACK状態及び変調シンボルのマッピングは、PCellに対するACK/NACKを基準に決定される。
【0074】
(3)ワースト(worst)ACK/NACKビット性能の改善と平均性能の改善をし、個別ACK/NACKビット性能を均等化。
【0075】
表(8)には、2〜4ビットA/Nチャネル選択方式においてサービングセルの伝送ブロックとHARQ−ACKとの関係を例示する。
【表10】
【0076】
表(9)には、2ビットA/Nチャネル選択のためのマッピングテーブルを例示する。2ビットA/Nチャネル選択は、2個のサービングセルが束ねられた場合を仮定する。したがって、2ビットA/Nチャネル選択状況は、1個のNon−SDM(Spatial Division Multiplexing)セルと1個のNon−SDMセルとが束ねられた場合を示す。Non−SDMセルは、最大1個の伝送ブロック伝送のみを支援する伝送モードに設定されたセルを意味し、SDMセルは、最大m(例えば、m=2)個の伝送ブロック伝送を支援する伝送モードに設定されたセルを意味する。Non−SDMセル及びSDMセルはそれぞれ、Non−MIMOセル及びMIMOセルと同じ意味で使われる。
【0078】
PUCCHリソース0は暗黙的にシグナリング可能である。例えば、PUCCHリソース0は、PCellのPDSCHに対応するDLグラントPDCCHを構成するCCE(例えば、最小CCEインデックス)にリンク可能である(式(1)参照)。PUCCHリソース1は、SCellのPDSCHに対応するDLグラントPDCCHを構成するCCE(例えば、最小CCEインデックス)にリンクされてもよく(例えば、クロス−CCスケジューリングの場合)、RRCにより明示的にシグナリングされてもよい(例えば、ノンクロス−CCスケジューリングの場合)。
【0079】
表(10)は、表(9)のマッピングテーブルを別の形態に整理したものである
【0081】
表(10)で、n
(1)PUCCH,i(i=0,1)は、表(9)のPUCCHリソース0、1に対応するPUCCHリソースインデックスを表す。b(0)b(1)は、表(9)の複素変調値に対応するビット値を表す(表(2A)のQPSK変調を参照)。
【0082】
表(10)を参照すると、端末は基地局から一つ以上のPDSCHを受信した後、それに対応するHARQ−ACK(0)(1)を生成する。端末は、HARQ−ACK(0)(1)に対応するPUCCHリソース(例えば、n
(1)PUCCH,i)を選択し、選択されたPUCCHリソースを用いて対応するビット値(あるいは変調値)を基地局に伝送する。
【0083】
表(11)には、3ビットA/Nチャネル選択のためのマッピングテーブルを例示する。3ビットA/Nチャネル選択は、2個のサービングセルまたは3個のサービングセルが束ねられた場合に該当する。2個のサービングセルが束ねられた場合は、1個のSDMセルと1個のNon−SDMセルとが束ねられた場合である。2個のサービングセルが束ねられた場合に、HARQ−ACK(0)(1)(2)に対応するセル及び伝送ブロックはSDM構成によって異なってくる。具体的に、SDM PCell+Non−SDM SCellの場合に、HARQ−ACK(0)(1)(2)はそれぞれ、PCell TB1、PCell TB2、SCell TB1に対応する。また、Non−SDM PCell+SDM SCellの場合に、HARQ−ACK(0)(1)(2)はそれぞれ、SCell TB1、SCell TB2、PCell TB1に対応する。すなわち、HARQ−ACK(0)(1)(2)はそれぞれ、SDMセルTB1、SDMセルTB2、Non−SDMセルTB1に対応する。
【0085】
PCellがSDMモードに設定された場合、PUCCHリソース0及び1はそれぞれ暗黙的にシグナリングされる。例えば、PUCCHリソース0及び1は、PCellのPDSCHに対応するDLグラントPDCCHを構成するCCE(例えば、それぞれ、最小CCEインデックス、最小CCEインデックス+1)にリンク可能である(式(1)参照)。PUCCHリソース2は、SCellのPDSCHに対応するDLグラントPDCCHを構成するCCE(例えば、最小CCEインデックス)とリンクされてもよく(例えば、クロス−CCスケジューリングの場合)、RRCにより明示的にシグナリングされてもよい(例えば、ノンクロス−CCスケジューリングの場合)。
【0086】
一方、PCellがNon−SDMモードに設定された場合、PUCCHリソース2は、PCellのPDSCHに対応するDLグラントPDCCHを構成するCCE(例えば、最小CCEインデックス)にリンク可能である。PUCCHリソース0及び1は、SCellのPDSCHに対応するDLグラントPDCCHを構成するCCE(例えば、最小CCEインデックス、最小CCEインデックス+1)にリンクされてもよく(例えば、クロス−CCスケジューリングの場合)、RRCにより明示的にシグナリングされてもよい(例えば、ノンクロス−CCスケジューリングの場合)。
【0087】
LTE PUCCHフォーマット1bを支援するために(PCellがSDMの場合におけるLTEフォールバック)、ACK/ACK/DTX(A/A/D)状態はPUCCHリソース0の−1にマッピングされ、NACK/NACK/DTX(N/N/D)状態はPUCCHリソース0の+1にマッピングされる。また、PUCCHフォーマット1aを支援するために(PCellがNon−SDMの場合におけるLTEフォールバック)、DTX/DTX/ACK(D/D/A)状態はPUCCHリソース2の−1にマッピングされ、DTX/DTX/NACK(D/D/N)状態はPUCCHリソース2の+1にマッピングされる。
【0088】
表(12)は、表(11)のマッピングテーブルを別の形態に整理したものである。
【0090】
表(12)で、n
(1)PUCCH,i(i=0,1,2)は、表(11)のPUCCHリソース0、1、2に対応するPUCCHリソースインデックスを表す。b(0)b(1)は、表(11)の複素変調値に対応するビット値を表す(表(2A)のQPSK変調参照)。
【0091】
表(12)を参照すると、端末は基地局から一つ以上のPDSCHを受信した後、それに対応するHARQ−ACK(0)(1)(2)を生成する。端末は、HARQ−ACK(0)(1)(2)に対応するPUCCHリソース(例えば、n
(1)PUCCH,i)を選択し、選択されたPUCCHリソースを用いて対応するビット値(あるいは変調値)を基地局に伝送する。
【0092】
表(13)には、4ビットA/Nチャネル選択のためのマッピングテーブルを例示する。4ビットA/Nチャネル選択は、2〜4個のサービングセルが束ねられた場合である。例えば、2個のSDMセルが束ねられた場合に、表(13)においてHARQ−ACK(0)(1)(2)(3)はそれぞれ、PCell TB1、PCell TB2、SCell TB1、SCell TB2に対応する。
【0094】
SDM PCell+SDM SCellを仮定する場合に、PUCCHリソース0及び1はそれぞれ暗黙的にシグナリング可能である。例えば、PUCCHリソース0及び1は、PCellのPDSCHに対応するDLグラントPDCCHを構成するCCE(例えば、それぞれ最小CCEインデックス、最小CCEインデックス+1)にリンク可能である(式(1)参照)。PUCCHリソース2及び3は、SCellのPDSCHのためのDLグラントPDCCHを構成するCCE(例えば、それぞれ最小CCEインデックス、最小CCEインデックス+1)にリンクされてもよく(例えば、クロス−CCスケジューリングの場合)、RRCにより明示的にシグナリングされてもよい(例えば、ノンクロス−CCスケジューリングの場合)。
【0095】
LTE PUCCHフォーマット1bを支援するために(LTEフォールバック)、ACK/ACK/DTX/DTX(A/A/D/D)状態はPUCCHリソース0の−1にマッピングされ、NACK/NACK/DTX/DTX(N/N/D/D)状態はPUCCHリソース0の+1にマッピングされる。
【0096】
表(14)は、表(13)のマッピングテーブルを別の形態に整理したものである。
【0098】
表(14)で、n
(1)PUCCH,i(i=0,1,2,3)は、表(13)のPUCCHリソース0,1,2,3に対応するPUCCHリソースインデックスを表す。b(0)b(1)は、表(13)の複素変調値に対応するビット値を表す(表(2A)のQPSK変調を参照)。n
(1)PUCCH,i(i=0,1,2,3)は、サービングセルの構成状況によって異なってくる。例えば、PCellが単一の伝送ブロック伝送を支援する伝送モードに設定された場合に、n
(1)PUCCH,0は、PCellのPDSCHに対応するPDCCHを構成する1番目のCCEインデックスとリンク可能である(式(1)参照)。この場合、n
(1)PUCCH,i(i=0,1,2,3)は、HARQ−ACK(1)(2)(3)に対応するSCellのPDSCHに対応するPDCCHを構成する1番目のCCEインデックス(及び2番目のCCEインデックス)とリンクされてもよく(例えば、クロス−CCスケジューリングの場合)、上位層により明示的に与えられてもよい(例えば、ノンクロス−CCスケジューリングの場合)。また、PCellが最大2つの伝送ブロック伝送を支援する伝送モードに設定された場合、n
(1)PUCCH,0及びn
(1)PUCCH,1はそれぞれ、PCellのPDSCHに対応するPDCCHを構成する1番目のCCEインデックス及び2番目のCCEインデックスとリンク可能である。この場合、n
(1)PUCCH,2及びn
(1)PUCCH,3は、HARQ−ACK(2)(3)に対応するSCellのPDSCHに対応するPDCCHを構成する1番目のCCEインデックス(及び2番目のCCEインデックス)とリンクされてもよく(例えば、クロス−CCスケジューリングの場合)、上位層により明示的に与えられてもよい(例えば、ノンクロス−CCスケジューリングの場合)。
【0099】
表(14)を参照すると、端末は基地局から一つ以上のPDSCHを受信した後、それに対応するHARQ−ACK(0)(1)(2)(3)を生成する。端末は、HARQ−ACK(0)(1)(2)(3)に対応するPUCCHリソース(例えば、n
(1)PUCCH,i)を選択し、選択されたPUCCHリソースを用いて対応するビット値(あるいは変調値)を基地局に伝送する。
【0101】
動的スケジューリング時のACK/NACK(A/N)チャネル選択方式は、MIMOモード(すなわち、SDMモード)に設定されたセルでPDCCHを受ける場合に、一つのPDCCHから2個の動的A/NPUCCHリソースを誘導し得ると仮定する。そのため、2個のDL CCが束ねられていても、PCellがMIMOモード(すなわち、最大m(m≧2)個の伝送ブロック伝送を支援する伝送モードに設定される)に設定され、SCellがNon−MIMOモード(すなわち、最大1個の伝送ブロック伝送を支援する伝送モードに設定される)に設定されている場合には、3ビットチャネル選択マッピングを用いてACK/NACKをフィードバックすることができる(例えば、表(11)及び表(12)参照)。
【0102】
しかしながら、SPSが活性化する場合に、端末は特定サブフレーム(例えば、SPSサブフレーム)のPCellでPDCCH無しでPDSCHを受信することができるため、前述の仮定(すなわち、MIMOモードに設定されたセルでPDCCHを受ける場合に、一つのPDCCHから2個の動的A/N PUCCHリソースを誘導)を適用することができない。従来では、表(5)を参照して説明した通り、SPS ACK/NACKの伝送のためのPUCCHリソースを上位層シグナリングで構成し、実際に用いられたPUCCHリソースとしては、SPS活性化PDCCHを用いた一つのリソースのみ割り当てられた。また、SPS解除PDCCHは1個のCCEで構成されることが一般的であるため、SPS解除PDCCHを受信する場合に1個の動的A/N PUCCHリソースしか誘導できない。そのため、セルのMIMO/Non−MIMOの構成によらず、従来ではSPS ACK/NACKのためには一つのPUCCHリソースのみ使用可能だった。しかし、表(11)〜表(14)のA/Nチャネル選択用マッピングテーブルは、MIMOセルの場合には2つのPUCCHリソースが誘導できるという仮定の下に設計された。したがって、MIMOセルにSPSサブフレームが存在する場合に、SPSサブフレームに対するACK/NACKフィードバック動作は、例えば、表(11)〜表(14)のPUCCHリソース1(n
(1)PUCCH,1)と関連して問題が発生する。すなわち、MIMOに設定されたサービングセルで下りリンクSPS動作を行う場合に、A/Nチャネル選択方式のためのPUCCHリソース割当が問題となる。
【0103】
以下、MIMOに設定されたサービングセルで下りリンクSPS動作を行う場合に、A/Nチャネル選択方式を行う種々の方案を提案する。便宜上、SPS PDSCHと区別するために、動的スケジューリングにより受信されたPDSCHを動的PDSCHまたはノーマルPDSCHと称する。動的PDSCHには対応するPDCCHが存在するが、SPS PDSCHには対応するPDCCHが存在しない。動的PDSCHに対応するPDCCHについてはCRCをC−RNTIでマスキングすることができる。
【0104】
以下の説明で、SPS PDSCHはPCellを通じてのみ伝送されるように制限することができる。また、PCellのMIMO/Non−MIMOの設定によらず、SPS PDSCHは最大1つの伝送ブロックのみを伝送するように制限することができる。
【0105】
〔方案1〕
この方案は、端末がNビット(例えば、N=3または4)A/Nチャネル選択を行うように設定された状態で、SPS PDSCHがMIMOモードに設定されたサービングセルを通じて受信される場合に、SPS PDSCHが受信されるサブフレームに対するACK/NACKフィードバックのためにN−1ビットA/Nチャネル選択を行うことを提案する。基地局と端末とがSPS PDSCHのためのサブフレーム(すなわち、SPSサブフレーム)を相互に知っているから、SPS PDSCHの受信されたサブフレームで動的にA/Nチャネル選択方式に用いられるACK/NACKビット数を変えても、基地局と端末間にチャネル選択のためのマッピングテーブルに関する誤解及びそれによるエラーが発生しない。この場合、SPS ACK/NACKのために予約されたPUCCHリソースを、N−1ビット用のマッピングテーブルにおいてPCellのためのリソースにマッピングすることができる。例えば、A/Nチャネル選択のためのマッピングテーブルが4ビットテーブル(例えば、表(13)及び表(14))から3ビットテーブル(例えば、表(11)及び表(12))に変更される場合に、SPS ACK/NACKのために予約されたPUCCHリソースは、表(11)及び表(12)でPUCCHリソース2(例えば、n
(1)PUCCH,2)として用いられることが可能である。
【0106】
具体的に、PCellがMIMOモードに設定され、SCellがNon−MIMOモードに設定された場合に、端末は、3ビットA/Nチャネル選択を行うように設定される(例えば、表(11)及び表(12)参照)。ただし、MIMOセル(すなわち、PCell)でSPS PDSCHが受信される場合に、SPS PDSCHが存在するサブフレーム(すなわち、SPSサブフレーム)の伝送ブロックに対するACK/NACKフィードバックを、2ビットA/Nチャネル選択により行うことができる(例えば、表(9)及び表(10)参照)。例えば、SPS ACK/NACK伝送のために上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)によりあらかじめ予約された1個のPUCCHリソース、及びSCell PDSCHに対応するPDCCHから誘導された1個のPUCCHリソースを用いて、2ビットA/Nチャネル選択が行われる。一方、SPS PDSCHがないサブフレーム(ノンSPSサブフレーム)の伝送ブロックに対するACK/NACKフィードバックは、元の通り、3ビットA/Nチャネル選択により行われる。例えば、PCell PDSCHに対応するPDCCHから誘導された2個のPUCCHリソース、及びSCell PDSCHに対応するPDCCHから誘導された1個のPUCCHリソースを用いて3ビットA/Nチャネル選択を行えばよい。
【0107】
他の例として、PCellがMIMOモードに設定され、且つSCellがMIMOモードに設定された場合に、端末は、4ビットA/Nチャネル選択を行うように設定される(例えば、表(13)及び表(14)参照)。ただし、MIMOセル、好ましくはMIMO PCellでSPS PDSCHが受信される場合に、SPS PDSCHの存在するサブフレームの伝送ブロックに対するACK/NACK情報は、3ビットA/Nチャネル選択によりフィードバックされる(例えば、表(11)及び表(12)参照)。例えば、SPS ACK/NACK伝送のために上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)によりあらかじめ予約された1個のPUCCHリソース、及びSCell PDSCHに対応するPDCCHから誘導された2個のPUCCHリソースを用いて3ビットA/Nチャネル選択を行うことができる。一方、SPS PDSCHがないサブフレームの伝送ブロックに対するACK/NACKフィードバックは、元の通り、4ビットA/Nチャネル選択方式により行うことができる。例えば、PCell PDSCHに対応するPDCCHから誘導された2個のPUCCHリソース、及びSCell PDSCHに対応するPDCCHから誘導された2個のPUCCHリソースを用いて4ビットA/Nチャネル選択を行うことができる。
【0108】
図9には、本発明の一実施例に係るACK/NACKフィードバック過程を例示する。
【0109】
図9を参照すると、基地局と端末とがセル構成、SPS構成、ACK/NACKフィードバック方式を設定することができる(S902)。セル構成のための情報は、例えば、束ねられたセルの個数、各セルの伝送モードを含む。SPS構成のための情報は、例えば、SPS PDSCHが伝送されるサブフレーム(すなわち、SPSサブフレーム)を指示する情報(例えば、サブフレーム間隔、サブフレームオフセット)、SPS ACK/NACKのための複数のPUCCHリソースを指示する情報を含むことができる。ACK/NACKフィードバック方式はA/Nチャネル選択を含み、基地局から端末に明示的に指示されてもよく、セル構成情報などを用いて間接的に指示されてもよい。本例は、ACK/NACKフィードバック方式としてNビットA/Nチャネル選択が設定されたとする。
【0110】
その後、端末は基地局からSPS活性化PDCCHを受信する(S904)。SPS活性化PDCCH(表(3))は、SPS構成過程で割り当てられた複数のPUCCHリソースのうち一つのPUCCHリソースを指示することができる。続いて、端末は基地局から一つ以上のPDSCHを受信する(S906)。この一つ以上のPDSCHは複数のサービングセルのうち一つ以上のサービングセルを通じて受信することができる。一つ以上のPDSCHはSPS PDSCH及び一つ以上の動的PDSCHのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0111】
一つ以上のPDSCHが受信された場合、端末はACK/NACKフィードバックのためにA/Nチャネル選択を行う(S908)。本例で、端末は、NビットA/Nチャネル選択、またはN−1ビットA/Nチャネル選択を行う。具体的に、MIMO PCellでSPS PDSCHを受信した場合、端末はACK/NACKフィードバックのためにN−1ビットA/Nチャネル選択を行うことができる。それ以外の場合(すなわち、Non−MIMO PCellの場合、MIMO PCellでSPS PDSCHが受信されない場合など)は、端末はACK/NACKフィードバックのためにNビットA/Nチャネル選択を行うことができる。その後、端末はACK/NACK情報を、PUCCHを用いてフィードバックする(S910)。
【0112】
一方、SPSサブフレームにおいてC−RNTIを有するPDCCHが検出される場合に、SPS PDSCHで伝送されるデータ(例えば、伝送ブロック)を、PDCCHにより指示されたPDSCHを通じて伝送することができる(すなわち、オーバーライディング)。この場合、端末は、検出されたPDCCHにより類推されたPUCCHリソースを用いてACK/NACKをフィードバックすることができる(すなわち、NビットA/Nチャネル選択)。しかし、端末が当該PDCCH検出に失敗すると、基地局は、PDCCHに基づくPUCCHリソースを用いてACK/NACKがフィードバックされることを期待し(すなわち、NビットA/Nチャネル選択)、端末は、SPS PUCCHリソースを用いてACK/NACKフィードバックを伝送する(すなわち、N−1ビットA/Nチャネル選択)。この場合、A/Nチャネル選択のために用いられるビット数とPUCCHリソースとが異なるため、ACK/NACKを正確にフィードバックすることができなくなる。
【0113】
そこで、NビットA/Nチャネル選択が設定された場合に、基地局及び端末は、SPSサブフレーム(あるいはSPS TTI)では常にN−1ビットA/Nチャネル選択を行うものの、PCellのためのACK/NACK情報には空間バンドリングを適用することができる。空間バンドリングとは、該当のサービングセルの伝送ブロックに対して論理−AND演算を適用することを意味する。したがって、それらの伝送ブロックに対する受信応答の結果がいずれもACKである場合に限ってACKがフィードバックされ、その他の場合にはNACKがフィードバックされる。一方、空間バンドリングを行うことを、SPSサブフレームにおいてC−RNTIでマスキングされたPDCCHが検出された場合に限定することもできる。本方案によれば、PCellのSPSサブフレームで動的PDSCHにより複数(例えば、2個)の伝送ブロックが受信されても、端末は、常に一つの伝送ブロックに対するACK/NACKのみをフィードバックするのと同様に処理することができる。したがって、A/Nチャネル選択時にNビットテーブルに代えてN−1ビットテーブルを適用しても基地局と端末間に曖昧さが解消される。
【0114】
〔方案2〕
本方案は、端末がA/Nチャネル選択を用いてACK/NACKを伝送するように設定された場合に、MIMOセルでSPS PDSCHを受信すると、SPSにより予約された複数(例えば、2個)のリソースを用いてA/Nチャネル選択を行うことを提案する。本方案によれば、MIMOセルでSPS PDSCHを受信してもA/Nチャネル選択時にPUCCHリソース不足の問題が発生しない。したがって、Non−SPSサブフレームで用いられたA/Nチャネル選択マッピングをSPSサブフレームでそのまま利用できるという利点を有する。
【0115】
図10に、本発明の一実施例に係るACK/NACKフィードバック過程を例示する。
【0116】
図10を参照すると、基地局と端末とがセル構成、SPS構成、ACK/NACKフィードバック方式を設定することができる(S1002)。セル構成のための情報は、例えば、束ねられたセルの個数、各セルの伝送モードを含む。SPS構成のための情報は、例えば、SPS PDSCHの伝送されるサブフレーム(すなわち、SPSサブフレーム)を指示する情報(例えば、サブフレーム間隔、サブフレームオフセット)、SPS ACK/NACKのための複数のPUCCHリソースを指示する情報を含むことができる。ACK/NACKフィードバック方式は、A/Nチャネル選択を含み、基地局から端末に明示的に指示されてもよく、セル構成情報などを通じて間接的に指示されてもよい。本例は、ACK/NACKフィードバック方式がNビットA/Nチャネル選択に設定されたとする。
【0117】
その後、端末は基地局からSPS活性化PDCCHを受信する(S1004)。SPS活性化PDCCH(表(3))は、リソース指示情報を含む。続いて、端末は基地局から一つ以上のPDSCHを受信する(S1006)。この一つ以上のPDSCHは複数のサービングセルのうち一つ以上のサービングセルを通じて受信することができる。一つ以上のPDSCHは、SPS PDSCH及び一つ以上の動的PDSCHのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0118】
一つ以上のPDSCHが受信された場合に、端末はACK/NACKフィードバックを伝送するためにA/Nチャネル選択を行う(S1008)。本例で、端末は、
図9の例示とは違い、常にNビットA/Nチャネル選択を行う。ただし、SPS PDSCHがNon−MIMOセルで受信される場合は、段階S1004のリソース指示情報から一つのPUCCHリソースが誘導され、SPS PDSCHがMIMOセルで受信される場合は、リソース指示情報から複数(例えば、1対)のPUCCHリソースが誘導される。リソース指示情報は単一値を指示することができる。その後、端末はACK/NACK情報を、PUCCHを用いてフィードバックする(S1010)。
【0119】
具体的に、MIMOセル、好ましくは、MIMO PCellでSPS PDSCHを受信する場合に、SPS PDSCHが受信されたMIMOセルのために複数(例えば、2個)のPUCCHリソースを用いる方案として下記の方式を考慮することができる。
【0120】
‐ 基地局が合計4個のリソース対を占有/割当し、SPS活性化PDCCH信号内のリソース指示情報を用いて4個のPUCCHリソース対のうち一つのリソース対を用いるようにすることができる。リソース指示情報は、SPS活性化PDCCHのTPCフィールドを通じて伝送される2ビット値(すなわち、4個の状態)にすることができる。具体的な方案は、下記の通りである。
【0121】
<方式1>
基地局は合計8個のPUCCHフォーマット1a/1bリソース(PUCCHリソースと略す。)をあらかじめ占有/割当しておくことができる。8個のPUCCHリソースをあらかじめ占有/割当することは、端末がMIMOモードに設定されている場合、あるいはPCellがMIMOモードに設定されている場合に制限することができ、その他の場合は、4個のPUCCHリソースをあらかじめ占有/割当することができる。他の方案として、基地局は合計8個のPUCCHリソースをあらかじめ占有/割当しておき、SPS PDSCHが伝送されるセル(例えば、PCell)がMIMOモードか或いはNon−MIMOモードかによって動的にPUCCHリソースを用いるようにすることもできる。基地局によりあらかじめ占有/割当されたPUCCHリソースに関する情報は、上位層(例えば、RRC)信号を用いて基地局から端末に伝達されるとよい。端末に8個のPUCCHリソースを知らせる際に、8個のPUCCHリソースをそれぞれ知らせてもよく、8個のPUCCHリソース間に所定の関係(例えば、オフセット)が存在すると、一部のPUCCHリソース(例えば、4個のPUCCHリソース)のみを知らせ、残りのPUCCHリソースを当該所定の関係(例えば、オフセット)から類推するようにしてもよい。その後、基地局が端末にSPS活性化PDCCH信号を伝送するとき、リソース指示情報(例えば、TPCフィールドの2ビット値)を用いて合計8個のPUCCHリソースのうち2個のリソースを用いることができる。例えば、基地局により合計8個のPUCCHリソース(例えば、n1,n2,n3,n4,n5,n6,n7,n8)があらかじめ占有/割り当てられたとしよう。この場合、SPS活性化PDCCH内のリソース指示情報(例えば、2ビット値)を、(n1,n5)、(n2,n6)、(n3,n7)、または(n4,n8)のPUCCHリソース対を指示するのに用いることができる。また、基地局(例えば、RRC層)により割り当てられた8個のPUCCHリソースは互いに排他的でもよく重複されてもよい。他の方案として、4対のPUCCHリソース[例えば、(n1,n5)、(n2,n6)、(n3,n7)、(n4,n8)]がRRCシグナリングにより割り当てられ、SPS時に実際に用いられるPUCCHリソース対がSPS活性化PDCCHのリソース指示情報(例えば、TPCフィールドの2ビット値)により指示されてもよい。
【0122】
PCellが最大1個の伝送ブロック伝送が可能な伝送モード(TM)に設定された場合(例えば、TM1、2、5、6、7)に、上位層(例えば、RRC)により構成された4個のPUCCHリソースのうち一つのPUCCHリソースを、SPS活性化PDCCHのリソース指示情報(例えば、TPCフィールドの2ビット値)から類推することができる。リソース指示情報(例えば、TPCフィールドの2ビット値)により指示されたPUCCHリソースは、A/Nチャネル選択用マッピングテーブルにおいてPCell用PUCCHリソースを代替することができる。
【0123】
PCellが最大2個の伝送ブロック伝送が可能な伝送モード(TM)に設定された場合(例えば、TM3、4、8、9)に、上位層(例えば、RRC)により構成された8個のPUCCHリソース(8個は互いに同一ても異なってもよい)あるいは4対のPUCCHリソースのうち1対のPUCCHリソースを、SPS活性化PDCCHのリソース指示情報(例えば、TPCフィールドの2ビット値)から類推することができる。リソース指示情報により類推された一対のPUCCHリソースはA/Nチャネル選択用マッピングテーブルにおいてPCell用PUCCHリソース2個を代替することができる。
【0124】
<方式2>
基地局は合計4個のPUCCHフォーマット1a/1bリソース(PUCCHリソースと略称する。)を、上位層(例えば、RRC)シグナリングを通じて端末にあらかじめ割り当てることができる。RRCにより割り当てられた4個のリソースは互いに排他的でもよく重複してもよい。その後、SPS時に実際に用いられる2個のPUCCHリソースを、SPS活性化PDCCH信号のリソース指示情報(例えば、TPCフィールドの2ビット値)から類推することができる。例えば、端末に合計4個のPUCCHリソース(例えば、n
1,n
2,n
3,n
4)が割り当てられたとする。この場合、SPS活性化PDCCHのリソース指示情報(例えば、TPCフィールドの2ビット値)は、(n
1,n
2)、(n
2,n
3)、(n
3,n
4)または(n
4,n
1)のPUCCHリソース対を指示することができる。他の例として、SPS活性化PDCCHのリソース指示情報(例えば、TPCフィールドの2ビット値)は、(n
1,n
3)、(n
1,n
4)、(n
2,n
3)または(n
3,n
4)のPUCCHリソース対を指示することができる。(n
1,n
2)、(n
2,n
3)、(n
3,n
4)、(n
4,n
1)のように、2個のPUCCHリソースで構成された4個のPUCCHリソース対がRRCにより構成される場合に、各PUCCHリソース対のリソースを、A/Nチャネル選択用マッピングテーブルにおいてPCell用PUCCHリソースに順次にマッピングすることができる。例えば、4ビットA/Nチャネル選択を用いたACK/NACKフィードバック(例えば、表(13)及び表(14))で、SPS活性化PDCCHのTPCフィールドの値により(n
2,n
3)が指示されたとすれば、n
2、n
3リソースを、マッピングテーブルにおいてPUCCHリソース0と1にそれぞれマッピングすることができる。本方式は、端末、好ましくは、PCellがMIMOモードに設定された場合にのみ適用可能である。
【0125】
〔方案3〕
本方案は、MIMO PCellでSPS PDSCHが受信された場合に、A/Nチャネル選択方式において、PCellの1
st PUCCHリソース(表(11)及び表(13)でPUCCHリソース0に該当)として、SPSのために予約されたPUCCHリソース(SPS PUCCHと略称する。)(表(5)及び説明を参照)を使用し、PCellの2
nd PUCCHリソース(表(11)及び表(13)でPUCCHリソース1に該当)として、上位層(例えば、RRC)シグナリングを通じて別途に割り当てられた明示的PUCCHリソースを使用することを提案する。例えば、PCellの2
nd PUCCHリソースとしては、RRCシグナリングを通じて割り当てられた複数(例えば、4個)のリソースから一つを選択することができる。この場合、MIMO PCellでSPS PDSCHが受信された場合に、PCellの2
nd PUCCHリソースとしては、SCell PDSCHをスケジューリングするPDCCHを通じてシグナリングされるARI(例えば、TPCフィールドの値)を用いて決定することができる(例えば、表(7)参照)。
【0126】
一方、PCellがMIMOモードに設定され、且つノンSPSサブフレームでPDSCHが受信された場合に、PCellのための1
st、2
nd PUCCHリソース(例えば、表(11)及び表(13)でPUCCHリソース0、1に該当)は、PCellのPDSCHに対応するDLグラントPDCCHを構成するCCE(例えば、それぞれ、最小CCEインデックス、最小CCEインデックス+1)にリンク可能である(すなわち、暗黙的PUCCHリソース割当)(式(1)参照)。
【0127】
具体的に、PCell、SCell両方ともMIMOモードに設定されて4ビットA/Nチャネル選択が行われる場合(表(13)及び表(14)参照)に、クロス−CCスケジューリングか否か及びSPSサブフレームか否かによって下記のリソース割当方式を考慮することができる。PCellがMIMO、SCellがNon−MIMOモードに設定されて3ビットA/Nチャネル選択が行われる場合(表(11)及び表(12)参照)のリソース割当については、下記においてSCell 2
ndリソース部分を除外すればいい。
【0128】
1)クロス−CCスケジューリングがイネーブリングされた場合
A.SPSサブフレームでない場合
i.PCell 1
stリソース:PCellをスケジューリングするPDCCHのn
CCEにリンクされた暗黙的PUCCHリソース
ii.PCell 2
ndリソース:PCellをスケジューリングするPDCCHのn
CCE+1にリンクされた暗黙的PUCCHリソース
iii .SCell 1
stリソース:SCellをスケジューリングするPDCCHのn
CCEにリンクされた暗黙的PUCCHリソース
iv.SCell 2
ndリソース:SCellをスケジューリングするPDCCHのn
CCE+1にリンクされた暗黙的PUCCHリソース
B.SPSサブフレームの場合
i.PCell 1
stリソース:SPS PUCCHリソース
ii.PCell 2
ndリソース:明示的PUCCHリソース
iii .SCell 1
stリソース:SCellをスケジューリングするPDCCHのn
CCEにリンクされた暗黙的PUCCHリソース
iv.SCell 2
ndリソース:SCellをスケジューリングするPDCCHのn
CCE+1にリンクされた暗黙的PUCCHリソース
v.SCellをスケジューリングするPDCCHのTPCフィールドをARIとして借用して明示的PUCCHを決定。例えば、ARIはRRCによってあらかじめ割り当てられた4個のリソースのうち1個を指示する。
【0129】
2)クロス−CCスケジューリングがディセーブリングされた場合
A.SPSサブフレームでない場合
i.PCell 1
stリソース:PCellをスケジューリングするPDCCHのn
CCEにリンクされた暗黙的PUCCHリソース
ii.PCell 2
ndリソース:PCellをスケジューリングするPDCCHのn
CCE+1にリンクされた暗黙的PUCCHリソース
iii .SCell 1
stリソース:明示的PUCCHリソース#1
iv.SCell 2
ndリソース:明示的PUCCHリソース#2
v.SCellスケジューリングPDCCHのTPCフィールドをARIとして借用して明示的PUCCHリソース#1、#2を決定。例えば、ARIは、RRCによってあらかじめ割り当てられた8個のリソースのうち2個を指示する。
B.SPSサブフレームの場合
i.PCell 1
stリソース:SPS PUCCHリソース
ii.PCell 2
ndリソース:明示的PUCCHリソース#3
iii .SCell 1
stリソース:明示的PUCCHリソース#1
iv.SCell 2
ndリソース:明示的PUCCHリソース#2
v.SCellスケジューリングPDCCHのTPCフィールドをARIとして借用して明示的PUCCHリソース#1、#2、#3を決定。例えば、ARIは、RRCによってあらかじめ割り当てられた12個のリソースのうち3個を指示する。
【0130】
図11は、本発明に一実施例に適用され得る基地局及び端末を例示する。無線通信システムにリレーが含まれる場合に、通信は、バックホールリンクでは基地局とリレー間に行われ、アクセスリンクではリレーと端末間に行われる。そのため、図示の基地局または端末は状況によってリレーに代替されてもよい。
【0131】
図11を参照すると、無線通信システムは、無線通信システムは、基地局(BS)110及び端末(UE)120を含む。基地局110は、プロセッサ112、メモリー114及び無線周波数(Radio Frequency:RF)ユニット116を含む。プロセッサ112は、本発明で提案した手順及び/または方法を具現するように構成することができる。メモリー114は、プロセッサ112に接続し、プロセッサ112の動作と関連した様々な情報を記憶する。RFユニット116は、プロセッサ112に接続し、無線信号を送信及び/または受信する。端末120は、プロセッサ122、メモリー124及びRFユニット126を含む。プロセッサ122は、本発明で提案した手順及び/または方法を具現するように構成することができる。メモリー124は、プロセッサ122に接続し、プロセッサ122の動作と関連した様々な情報を記憶する。RFユニット126は、プロセッサ122に接続し、無線信号を送信及び/または受信する。基地局110及び/または端末120は、単一アンテナまたは多重アンテナを有することができる。
【0132】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素または特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/または特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、別の実施例に含まれることもでき、別の実施例の対応する構成または特徴に取って代わることもできる。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりすることができることは明らかである。
【0133】
本文書で、本発明の実施例は主に端末と基地局間のデータ送受信関係を中心に説明されている。本文書で基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、その上位ノードにより行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノードからなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる種々の動作は、基地局または基地局以外の別のネットワークノードにより実行され得ることは明らかである。基地局は、固定局、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイントなどの用語に代替可能である。また、端末は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)などの用語に代替可能である。
【0134】
本発明に係る実施例は様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはそれらの結合などにより具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つまたはそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどにより具現することができる。
【0135】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能または動作を行うモジュール、手順、関数などの形態とすることができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶されて、プロセッサにより駆動される構成とすることができる。メモリユニットは、プロセッサの内部または外部に設けられて、既に公知の様々な手段によりプロセッサとデータを交換することができる。
【0136】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化し得るということは、当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈により決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。