特許第5926303号(P5926303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5926303DCリンク電圧検出部を備えたモータ駆動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5926303
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】DCリンク電圧検出部を備えたモータ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 27/06 20060101AFI20160516BHJP
【FI】
   H02P7/63 302C
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-25815(P2014-25815)
(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公開番号】特開2015-154566(P2015-154566A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2015年3月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】松本 康之
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−219875(JP,A)
【文献】 特開2009−225497(JP,A)
【文献】 特開2005−012976(JP,A)
【文献】 特開2005−151664(JP,A)
【文献】 特開昭60−091818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 1/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、
前記直流電圧をコンデンサにより平滑化してDCリンク電圧を生成するDCリンク部と、
前記DCリンク電圧をモータ駆動用の多相交流電圧に変換する複数のインバータ部と、
前記DCリンク部の端子と前記複数のインバータ部の端子とを電気的に接続する複数のショートバーと、
前記DCリンク電圧を検出するDCリンク電圧検出部と、を備え、
前記DCリンク部の端子と、前記DCリンク電圧検出部の端子との間に前記複数のショートバーが介在するように、最終段に接続されたインバータ部に前記DCリンク電圧検出部を配置する、
ことを特徴とするモータ駆動装置。
【請求項2】
前記インバータ部に他のショートバーを介して電気的に接続された他のインバータ部を備え、
前記インバータ部の端子と前記DCリンク電圧検出部の端子との間に、少なくとも前記他のショートバーの一部が介在する、請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
前記DCリンク電圧検出部は、前記DCリンク電圧の時間的変化を検出する手段を備えている、請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
【請求項4】
前記DCリンク部に直接接続され前記DCリンク電圧を測定するDCリンク電圧直接検出部と、
前記DCリンク電圧直接検出部の測定結果と、前記DCリンク電圧検出部の測定結果とを比較するDCリンク電圧比較部と、
をさらに備えた、請求項1乃至のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動回路に関し、DCリンク部とインバータ部を接続するショートバーの断線を検出するためのDCリンク電圧検出部を備えたモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモータ駆動装置において、交流電圧をコンバータにより直流電圧に変換し、さらに、この直流電圧を平滑化するコンデンサにより生成されるDCリンク電圧をインバータ部へ供給する場合に、DCリンク電圧を出力するDCリンク部とインバータ部とを端子間の短絡用部品であるショートバーで接続する構成が知られている(例えば、特許文献1)。図1に従来のモータ駆動装置の構成を示す。従来のモータ駆動装置1000は、1つのコンバータ部1010に対して、2つのインバータ部1020及び1030が接続された例を示している。また、コンバータ部1010にはDCリンク部(図示せず)が含まれており、DCリンク部の出力端子1011及び1012は外部に露出している。一方、第1インバータ部1020には2つの入力端子1021及び1022が設けられ、第2インバータ部1030には2つの入力端子1031及び1032が設けられている。
【0003】
コンバータ部1010に設けられたDCリンク部からのDCリンク電圧は、第1及び第2インバータ部1020及び1030に入力されるが、図1に示した従来例では、コンバータ部1010とインバータ部1020,1030との電気的接続はショートバー1041及び1042により行われる。即ち、端子1011、1021、1031はショートバー1041により接続され、端子1012、1022、1032はショートバー1042により接続される。このような従来のモータ駆動装置において、直流電圧を平滑化するコンデンサの端子間電圧であるDCリンク電圧は、平滑化用コンデンサに直接接続されたDCリンク電圧検出部により測定される。
【0004】
従来のモータ駆動装置の回路図を図2に示す。図2に示すように交流電源1001からの交流電圧はコンバータ部1010により直流電圧に変換され、DCリンク部1013に設けられた平滑化用のコンデンサ1014により平滑化される。平滑化されたDCリンク電圧は、端子1011,1021,1031,1091を接続するショートバー1041、及び端子1012,1022,1032,1092を接続するショートバー1042により、第1インバータ部1020、第2インバータ部1030、及び第Nインバータ部1090に供給される。
【0005】
ここで、図2に示した従来のモータ駆動装置1000においては、DCリンク電圧の検出は、コンデンサ1014の端子1011,1012に直接接続されたDCリンク電圧検出部1015により行われていた。このDCリンク電圧検出部1015により、コンデンサ1014の異常の有無や、交流電源1001が停電したか否かを検出することができる。
【0006】
しかしながら、従来のモータ駆動装置においては、ショートバーの断線等による異常は検出することができなかった。例えば、ショートバー1041において、DCリンク部1013の一方の端子1011と、第1インバータ部1020の一方の端子1021とを接続するショートバー1041aにおいて断線が生じたとしても、DCリンク電圧検出部1015は、コンデンサ1014に直接接続されているために、第1インバータ部1020の端子1021と1022との間に印加される電圧は検出することができなかった。その結果、ショートバー1041の一部のショートバー1041aに異常が生じた場合でも、異常を検出することができなかった。
【0007】
さらに、ショートバー1041及び1042を構成する複数の部分1041a〜1041c及び1042a〜1042cのいずれの部分で異常が生じたのかを検出することもできなかった。その結果、実際のアプリケーションにおいて、重力軸を構成するロボットや工作機械におけるショートバーが断線すると、ショートバーの断線箇所以降の軸が軸落下する危険が生じるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−225497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、従来のモータ駆動装置においては、DCリンク部とインバータ部とを接続するショートバーに断線が生じた場合であっても、断線を検出することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係るモータ駆動装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、直流電圧をコンデンサにより平滑化してDCリンク電圧を生成するDCリンク部と、DCリンク電圧をモータ駆動用の多相交流電圧に変換するインバータ部と、DCリンク部の端子とインバータ部の端子とを電気的に接続するショートバーと、DCリンク電圧を検出するDCリンク電圧検出部と、を備え、DCリンク部の端子とDCリンク電圧検出部の端子との間に、少なくともショートバーの一部が介在する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の実施形態に係るモータ駆動装置において、DCリンク電圧検出部の少なくとも一方の端子は、ショートバーに接続されていることが好ましい。
【0012】
本発明のさらに他の実施形態に係るモータ駆動装置において、インバータ部に他のショートバーを介して電気的に接続された他のインバータ部を備え、インバータ部の端子とDCリンク電圧検出部の端子との間に、少なくとも他のショートバーの一部が介在することが好ましい。
【0013】
本発明のさらに他の実施形態に係るモータ駆動装置において、DCリンク電圧検出部は、DCリンク電圧の時間的変化を検出する手段を備えていることが好ましい。
【0014】
本発明のさらに他の実施形態に係るモータ駆動装置において、DCリンク部に直接接続されDCリンク電圧を測定するDCリンク電圧直接検出部と、DCリンク電圧直接検出部の測定結果と、DCリンク電圧検出部の測定結果とを比較するDCリンク電圧比較部と、をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ショートバーやインバータ部において、DCリンク電圧の状態を検出することにより、DCリンク電圧を供給するショートバーの断線を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来のモータ駆動装置の外観図である。
図2】従来のモータ駆動装置の構成図である。
図3】本発明の実施例1に係るモータ駆動装置の構成図である。
図4】本発明の実施例1に係るモータ駆動装置に用いるDCリンク電圧検出部の例を示す回路図である。
図5】本発明の実施例1に係るモータ駆動装置の動作手順を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施例2に係るモータ駆動装置の構成図である。
図7】本発明の実施例3に係るモータ駆動装置の構成図である。
図8】本発明の実施例4に係るモータ駆動装置の構成図である。
図9】本発明の実施例5に係るモータ駆動装置の構成図である。
図10】本発明の実施例5に係るモータ駆動装置におけるDCリンク電圧の時間的変化を示すグラフである。
図11】本発明の実施例5に係るモータ駆動装置の動作手順を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施例6に係るモータ駆動装置の構成図である。
図13】本発明の実施例6に係るモータ駆動装置の動作手順を示すフローチャートである。
図14】本発明の実施例6に係るモータ駆動装置を用いて、通常の場合に検出されるDCリンク電圧の時間変化の例を示すグラフである。
図15】本発明の実施例6に係るモータ駆動装置を用いて、停電の場合に検出されるDCリンク電圧の時間変化の例を示すグラフである。
図16】本発明の実施例6に係るモータ駆動装置を用いて、ショートバーの断線の場合に検出されるDCリンク電圧の時間変化の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係るモータ駆動装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0018】
[実施例1]
まず、本発明の実施例1に係るモータ駆動装置について説明する。図3に本発明の実施例1に係るモータ駆動装置の構成図を示す。
【0019】
本発明の実施例1に係るモータ駆動装置101は、交流電源1からの交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部10と、直流電圧をコンデンサ14により平滑化してDCリンク電圧を生成するDCリンク部13と、DCリンク電圧をモータ駆動用の多相交流電圧に変換するインバータ部20,30,90と、DCリンク部13の端子11,12とインバータ部20,30,90の端子21,22,31,32,91,92とを電気的に接続するショートバー41,42と、DCリンク電圧を検出するDCリンク電圧検出部23,33,93と、を備え、DCリンク部13の端子11,12とDCリンク電圧検出部23,33,93の端子231,232,331,332,931,932との間に、少なくともショートバー41,42の一部が介在することを特徴とする。
【0020】
図3に示したモータ駆動装置101においては、1つのコンバータ部10に対して複数のインバータ部20,30,90を設けた場合を例示している。また、コンバータ部10、第1インバータ部20、第2インバータ部30、第Nインバータ部90は、ショートバー41,42により電気的に接続されている。より詳細には、コンバータ部10の一方の端子11と第1インバータ部20の一方の端子21は、一方のショートバー41の第1部分41aにより電気的に接続され、コンバータ部10の他方の端子12と第1インバータ部20の他方の端子22は、他方のショートバー42の第1部分42aにより電気的に接続されている。ここで、第1DCリンク電圧検出部23は、ショートバー41,42の一部41a,42aを介してDCリンク部13に接続されているため、第1DCリンク電圧検出部23の電圧の測定値に基づいて、ショートバー41,42の一部41a,42aにおいて発生した断線を検出することができる。
【0021】
このように、それぞれのインバータ部20,30,90に接続されるショートバーからDCリンク電圧を検出することにより、ショートバーの断線を検出することができる。ここで、「ショートバーとインバータ部の取り付け」とは、装置と装置とをショートバーで接続する場合や、プリント基板にショートバーが半田付けされた状態や、ショートバーとインバータ部をプリント基板で中継してネジ締めした場合を指す。
【0022】
なお、図3に示した例では、第1インバータ部20に加えて、第2インバータ部30,・・・,第Nインバータ90を設けた例を示している。ここで、第1インバータ部20と第2インバータ部30は、ショートバー41,42により電気的に接続されている。より詳細には、第1インバータ部20の一方の端子21と第2インバータ部30の一方の端子31は、一方のショートバー41の第2部分41bにより電気的に接続され、第1インバータ部20の他方の端子22と第2インバータ部30の他方の端子32は、他方のショートバー42の第2部分42bにより電気的に接続されている。さらに、第2インバータ部30には第2DCリンク電圧検出部33が設けられている。第2DCリンク電圧検出部33は、ショートバー41,42の一部41a,41b,42a,42bを介してDCリンク部13に接続されているため、第2DCリンク電圧検出部33の電圧の測定値に基づいて、ショートバー41,42の一部41a,41b,42a,42bにおいて発生した断線を検出することができる。これは、断線が生じていないインバータ部に設けられたDCリンク電圧検出部ではDCリンク部から出力される電圧と同一の電圧が検出される一方、断線が生じたインバータ部に設けられたDCリンク電圧検出部では測定値がほぼ0[V]となることに基づく。
【0023】
ここで、第1DCリンク電圧検出部23と第2DCリンク電圧検出部33の両者を用いることにより、ショートバー41,42の断線が、DCリンク部13と第1インバータ部20とを接続するショートバー41,42の第1部分41a,42aの少なくともいずれか一方で生じたのか、第1インバータ部20と第2インバータ部30を接続するショートバー41,42の第2部分41b,42bの少なくともいずれか一方で生じたのかを判別することができる。
【0024】
さらに、第2インバータ部30に加えて総数N個のインバータを接続することも可能である。図3に示すように第Nインバータ部90に第N DCリンク電圧検出部93を設けることにより、ショートバー41,42のどの部分で断線が生じたのかを特定することができる。
【0025】
DCリンク電圧検出部の具体的な構成を図4に例示する。図4(a)は、第1DCリンク電圧検出部23を分圧抵抗24と絶縁アンプ23aにより構成した例を示す。図4(a)にはDCリンク電圧の測定例も示している。例えば、実線で示すように時刻t1まで一定であったDCリンク電圧が時刻t1において急激に減少した場合、絶縁アンプ23aの検出信号は点線のように変化する。この検出信号の変化からショートバーの断線等の有無を検出することができる。
【0026】
図4(b)は、第1DCリンク電圧検出部23を分圧抵抗24とオペアンプ23bにより構成した例を示す。図4(b)にはDCリンク電圧の測定例も示している。例えば、実線で示すように時刻t2まで一定であったDCリンク電圧が時刻t2において急激に減少した場合、オペアンプ23bの検出信号は点線のように変化する。この検出信号の変化からショートバーの断線等の有無を検出することができる。
【0027】
図4(c)は、第1DCリンク電圧検出部23を分圧抵抗24とフォトカプラ23cにより構成した例を示す。図4(c)にはDCリンク電圧の測定例も示している。例えば、実線で示すように時刻t3まで一定であったDCリンク電圧が時刻t3において急激に減少した場合、フォトカプラ23cの検出信号は点線のように時刻t4において急激に変化する。この検出信号の変化からショートバーの断線等の有無を検出することができる。
【0028】
図3に示すように、1つのコンバータ部10に対して、N個のインバータ部をショートバーにより直列接続した場合、N個のインバータ部のそれぞれにDCリンク電圧検出部を設けることにより、コンバータ部10と第1インバータ部20を接続するショートバー41a,42aにおいて断線が生じたのか、第1インバータ部20以降のインバータ部を接続するショートバー41b,42b,41c,42cにおいて断線が生じたのかを検出することができる。この場合の断線の検出方法を図5のフローチャートを用いて説明する。
【0029】
図5は本発明の実施例1に係るモータ駆動装置を用いたショートバーにおける断線の検出方法を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、インバータ部の位置を示す番号iを0に設定する。次にステップS102においてモータ駆動装置に電源を投入し、DCリンク部13からDCリンク電圧を出力させる。
【0030】
次に、ステップS103において、番号iがNとなっているか否かを判断する。i=Nである場合は、N番目のインバータ部のDCリンク電圧検出部において測定が完了したことを示しているので、ステップS109においてショートバーの断線の検出を終了する。一方、i=Nではない場合(i<N)には、ステップS104において、番号iを1つ増加させる。次に、ステップS105において、i番目のDCリンク電圧VDCiを測定する。例えば、i=1である場合には、1番目のインバータ部である第1インバータ部20の第1DCリンク電圧検出部23により、第1インバータ部20における電圧VDC1を測定する。この電圧は1番目のショートバーである41a,42aを介してDCリンク部13の電圧を測定しているため、測定したDCリンク電圧が正常な値であるか否かに基づいて、1番目のショートバー41a,42aにおける異常の有無を検出することができる。
【0031】
次に、ステップS106において、i番目のDCリンク電圧VDCiが正常であるか否かを判断する。この判断は、測定値VDCiが、予め決められた基準値V0から所定の範囲内(V0−ΔV0<VDCi<V0+ΔV0)に収まっているか否かに基づいて行うことができる。i番目のDCリンク電圧VDCiが正常であると判断された場合には、ステップS107において、i番目のショートバーSBiは正常であると判断する。この場合は、i番目以降のインバータ部におけるDCリンク電圧を測定するために、ステップS103に戻って測定を継続する。
【0032】
一方、i番目のDCリンク電圧VDCiが正常ではないと判断された場合には、ステップS108において、i番目のショートバーSBiに異常が発生したものと判断する。ここで、例えば、i=1からi=m−1までのショートバーSB1〜SBm-1は正常であると判断され、i=mにおいてショートバーSBmに異常が発生したと判断された場合には、第(m−1)番目のインバータ部と第m番目のインバータ部とを接続している第m番目のショートバーSBmに異常が生じたものと判断することができる。この場合は、第(m+1)番目以降のインバータ部を接続する第(m+1)番目以降のショートバーの異常を検出することはできないため、ステップS109において測定を終了する。
【0033】
以上のようにして、コンバータ部10に複数のインバータ部をショートバーにより直列接続した場合、各インバータ部にDCリンク電圧検出部を設けることにより、どのインバータ部に接続されたショートバーが断線しているかを検出することができる。
【0034】
[実施例2]
次に、本発明の実施例2に係るモータ駆動装置について図面を用いて説明する。図6に本発明の実施例2に係るモータ駆動装置102の構成図を示す。実施例1に係るモータ駆動装置101と同一の構成については同一の符号を使用し、詳細な説明は省略する。実施例2に係るモータ駆動装置102が、実施例1に係るモータ駆動装置101と異なっている点は、第1DCリンク電圧検出部23の少なくとも一方の端子(231または232)は、ショートバー41a,42a(または41b,42b)に接続されている点である。
【0035】
図6に示した例では、第1DCリンク電圧検出部23の一方の端子231をショートバー41aに接続し、他方の端子232をショートバー42aに接属した構成を示している。ここで、端子231及び232をショートバー41a,42aにそれぞれクリップ等の着脱可能な部材を用いて接続することができる。この場合、DCリンク電圧検出部を所望のショートバーに接続することを容易に行うことができる。例えば、図6に示すように、2つのDCリンク電圧検出部23及び33をそれぞれショートバーに接続することも可能であるが、第1DCリンク電圧検出部23のみを用いて、一旦ショートバー41a,42aに接続した第1DCリンク電圧検出部23を外して、ショートバー41b、42bに接続することもできる。
【0036】
このように、DCリンク電圧検出部を任意のショートバーに着脱可能に接続することにより、所望の位置のショートバーにおける断線の有無を容易に検出することができる。
【0037】
[実施例3]
次に、本発明の実施例3に係るモータ駆動装置について図面を用いて説明する。図7に本発明の実施例3に係るモータ駆動装置103の構成図を示す。実施例1に係るモータ駆動装置101と同一の構成については同一の符号を使用し、詳細な説明は省略する。実施例3に係るモータ駆動装置103が、実施例1に係るモータ駆動装置101と異なっている点は、第1インバータ部20に他のショートバー41b,42b,41c,42cを介して電気的に接続された他のインバータ部30,90を備え、第1インバータ部20の端子21,22とDCリンク電圧検出部930の端子931,932との間に、少なくとも他のショートバー41b,42b,41c,42cの一部が介在する点である。
【0038】
実施例3に係るモータ駆動装置においては、DCリンク部13の端子11,12と、DCリンク電圧検出部930の端子931,932との間に複数のショートバー41a〜41c、42a〜42cが介在している。そのため、複数のショートバーのいずれかの位置において断線が生じた場合であっても、DCリンク電圧検出部930において断線を検出することができる。この場合、複数のショートバーのいずれの位置で断線が生じているかを特定することはできないものの、1つのDCリンク電圧検出部のみを用いることによって、測定されたDCリンク電圧が正常であれば、複数のショートバーの全てにおいて断線が生じていないことを検出することができる。従って、モータ駆動装置全体のショートバーに断線が生じていないことを迅速に検出することができる。また、最初に最終段のインバータ部においてDCリンク電圧を測定し、異常が検出された場合には、コンバータ部側に向かって測定位置をずらしていくことによって、断線の位置を特定することが可能である。
【0039】
例えば、図7に示すようにショートバー41cの一点41xにおいて断線が生じていたと仮定した場合、DCリンク電圧検出部930を第Nインバータ部90に設けることにより、ショートバー41または42において断線が生じていることを検出することができる。この段階では、ショートバー41a〜41c,42a〜42cのいずれの位置で断線が生じているのかを特定することはできない。次に、DCリンク電圧検出部(図示せず)を第2インバータ部30に設置してDCリンク電圧を検出した場合には、断線が41xにおいてのみ発生していると仮定すれば、測定されたDCリンク電圧は正常な値を示す。その結果、断線が第2インバータ部30と第Nインバータ部90との間を接続するショートバー41c,42cのいずれかで断線が生じていることが検出可能となる。
【0040】
以上のように、複数のショートバーを介してDCリンク電圧を検出することにより、複数のショートバーの全てにおいて断線が生じていないことを容易に検出することが可能となる。
【0041】
[実施例4]
次に、本発明の実施例4に係るモータ駆動装置について図面を用いて説明する。図8に本発明の実施例4に係るモータ駆動装置104の構成図を示す。実施例1に係るモータ駆動装置101と同一の構成については同一の符号を使用し、詳細な説明は省略する。実施例4に係るモータ駆動装置104が、実施例1に係るモータ駆動装置101と異なっている点は、DCリンク部13の出力電圧を第1インバータ(図示せず)に入力する代わりに、第Xインバータ部50と第Yインバータ部70の間に設けられた第Zインバータ部60の入力端子61,62に入力するとともに、第Xインバータ部50に第X DCリンク電圧検出部53を設け、第Yインバータ部70に第Y DCリンク電圧検出部73を設けている点である。図8に示すように、実施例4に係るモータ駆動装置104においては、複数のインバータ部50,60,70がショートバー41e〜41f,42e〜42fによって接続されており、このうち連続する3つのインバータ部の中央に位置するインバータ部60の端子61,62とDCリンク部13の端子11,12とを配線81,82によって接続し、中央に位置するインバータ部60に隣り合うインバータ部50,70にDCリンク電圧検出部53,73を接続し、ショートバー41e,42e,41f,42fの断線を検出するものである。例えば、インバータ部60と70との間のショートバー41fの一点41yで断線が生じている場合には、第Yインバータ部70に設けた第Y DCリンク電圧検出部73によって、断線を検出することができる。
【0042】
ここで、配線81,82を可動とすることにより、DCリンク部13の端子11,12を任意のインバータ部の端子に接続することができ、これと隣接するインバータ部にDCリンク電圧検出部を設けることにより、ショートバーの断線を検出することができる。この場合、DCリンク部13の端子11,12を接続したインバータ部にはDCリンク電圧検出部を設ける必要がないため、実施例1に示したモータ駆動装置のように全てのインバータ部にDCリンク電圧検出部を設けなくても、ショートバーの断線の位置を確定することができる。
【0043】
[実施例5]
次に、本発明の実施例5に係るモータ駆動装置について図面を用いて説明する。図9に本発明の実施例5に係るモータ駆動装置105の構成図を示す。実施例3に係るモータ駆動装置103と同一の構成については同一の符号を使用し、詳細な説明は省略する。実施例5に係るモータ駆動装置105が、実施例3に係るモータ駆動装置103と異なっている点は、DCリンク電圧検出部930が、DCリンク電圧の時間的変化を検出する手段を備えている点である。
【0044】
図9に示した実施例5に係るモータ駆動装置105においては、DCリンク電圧検出部930にDCリンク電圧の時間的変化を検出する手段としてDCリンク傾き判定部94をさらに設けている。
【0045】
DCリンク傾き判定部94は、DCリンク電圧検出部930が検出したDCリンク電圧の時間的変化に基づいて、(a)正常に動作している状態(「通常時」)、(b)交流電源が停電している状態、(c)ショートバーが断線している状態のうちのいずれの状態にあるかを判定することができる。
【0046】
DCリンク電圧の時間的変化の一例を図10に示す。図10(a)は、交流電源1(図9参照)及びモータ駆動装置105が正常に動作している状態(「通常時」)を示しており、DCリンク電圧検出部930が検出するDCリンク電圧は、時間の経過に関わらず一定の値を示す。DCリンク傾き判定部94は、所定の微少時間ΔtにおけるDCリンク電圧の変化ΔVDCを検出し、DCリンク電圧の時間的変化ΔVDC/Δtが0であれば、交流電源1及びモータ駆動装置105が正常に動作していると判断することができる。
【0047】
図10(b)は、交流電源1が外的要因により停電した場合のDCリンク電圧の時間的変化を示している。例えば時刻t1において停電が生じた場合、DCリンク部13のコンデンサ14に充電された電圧が徐々に放電されるため、DCリンク電圧の時間的変化はショートバーが断線した場合に比べて緩やかになると考えられる。従って、時刻t1におけるDCリンク電圧VDCの時間的変化ΔVDC/Δtが所定の閾値αthよりも小さくなるような閾値αthを設定することができる。即ち、ΔVDC/Δt≦αthの場合は、停電が発生したものと判断することができる。
【0048】
図10(c)は、モータ駆動装置105の内的要因、即ちショートバーが断線した場合のDCリンク電圧の時間的変化を示している。例えば、時刻t2において、図9におけるショートバー41cの一点41xにおいて断線が生じたものとすると、DCリンク電圧検出部930が検出するDCリンク電圧は、時刻t2において急激に0[V]まで低下する。この場合、時刻t2におけるDCリンク電圧VDCの時間的変化ΔVDC/Δtは、非常に大きな値を示す。従って、この場合、適切な値に設定したαthを用いれば、ΔVDC/Δt>αthの場合は、ショートバーの断線が発生したものと判断することができる。
【0049】
実施例5に係るモータ駆動装置の動作手順について、図11のフローチャートを用いて詳細に説明する。まず、ステップS201において、交流電源1(図9参照)の電源を投入し、モータ駆動装置105を起動する。次に、ステップS202において、DCリンク電圧検出部930を用いて、DCリンク電圧VDCを測定する。
【0050】
次に、ステップS203において、DCリンク傾き判定部94を用いて、DCリンク電圧VDCの時間的変化量ΔVDC/Δtを算出し、ΔVDC/Δt=0であるか否かを判断する。具体的には、1回目の測定値VDC1をメモリに保存しておき、時刻Δt後に2回目の測定を行って、その測定値VDC2を用いて、時間ΔtにおけるVDCの変化量ΔVDC=VDC2−VDC1を算出する。以下、同様にして、i回目の測定におけるDCリンク電圧VDCの変化量をΔVDC=VDC(i+1)−VDCiとして算出する。このようにして算出したDCリンク電圧の変化量ΔVDCを用いて時間的変化ΔVDC/Δtを算出する。
【0051】
ステップS203において、DCリンク傾き判定部94が、ΔVDC/Δt=0と判断した場合には、ステップS204において、モータ駆動装置105は正常に動作していると判断し、その後、ステップS202に戻って、時間Δt後において、DCリンク電圧の測定を継続する。
【0052】
一方、ステップS203において、DCリンク傾き判定部94が、ΔVDC/Δtが0に等しくないと判断した場合には、何らかの異常が発生しているものと判断し、その異常がショートバーの断線によるものであるのか、交流電源の停電によるものであるのかを次のようにして判断する。即ち、ステップS205において、DCリンク電圧の時間的変化ΔVDC/Δtが所定の閾値αthを超えているか否か、即ち、ΔVDC/Δt>αthとなっているか否かを判断する。
【0053】
ステップS205において、DCリンク傾き判定部94が、ΔVDC/Δt>αthとなっていると判断した場合には、DCリンク電圧の時間的変化が急激であることを意味しているため、ステップS206において、ショートバーに断線が生じているものと判断し、ステップS208において、DCリンク電圧の検出を終了する。
【0054】
一方、ステップS205において、DCリンク傾き判定部94が、ΔVDC/Δt≦αthとなっていると判断した場合には、ショートバーに断線が生じた場合に比べてDCリンク電圧の時間的変化が小さいため、ステップS207において、交流電源が停電したものと判断し、ステップS208において、DCリンク電圧の検出を終了する。
【0055】
以上のように、実施例5に係るモータ駆動装置によれば。DCリンク傾き判定部94によりDCリンク電圧の時間的変化を検出しているため、DCリンク電圧の変動を生じさせるような異常が生じているか否かを判断することができる。さらに、DCリンク電圧の変動を生じさせるような異常が生じていると判断した場合には、その原因がDCリンク部とインバータ部とを接続するショートバーの断線によるものであるのか、あるいは交流電源の停電によるものであるのかを判別することができる。
【0056】
なお、DCリンク傾き判定部が異常を検出した場合には、その異常の内容を通知する警報発生装置や、異常の内容を表示する表示装置をさらに備えるようにしてもよい。
【0057】
[実施例6]
次に、本発明の実施例6に係るモータ駆動装置について図面を用いて説明する。図12に本発明の実施例6に係るモータ駆動装置106の構成図を示す。実施例3に係るモータ駆動装置103と同一の構成については同一の符号を使用し、詳細な説明は省略する。実施例6に係るモータ駆動装置106が、実施例3に係るモータ駆動装置103と異なっている点は、DCリンク部13に直接接続されDCリンク電圧を測定するDCリンク電圧直接検出部15と、DCリンク電圧直接検出部15の測定結果と、DCリンク電圧検出部930の測定結果とを比較するDCリンク電圧比較部100と、をさらに備えている点である。
【0058】
図12に示すように、DCリンク電圧直接検出部15はDCリンク部13に設けられており、DCリンク電圧直接検出部15の端子151,152は、コンデンサ14の端子11,12に、直接的に、即ち、ショートバーを介さずに、電気的に接続されている。このDCリンク電圧直接検出部15はショートバーを介さずにDCリンク部13に接続されているため、ショートバーの状態に影響されずにDCリンク部13のコンデンサ14の両端に印加される電圧を検出することができる。
【0059】
実施例6におけるDCリンク電圧検出部930は、実施例3におけるDCリンク電圧検出部930と同様に、ショートバー41a〜41c,42a〜42cを介したDCリンク部13のDCリンク電圧を検出するものである。
【0060】
DCリンク電圧比較部100は、DCリンク電圧直接検出部15によるDCリンク電圧の測定結果VDC0と、DCリンク電圧検出部930によるDCリンク電圧の測定結果VDCとを比較することによって、ショートバーの状態を検出するものである。即ち、VDC=VDC0であれば、ショートバーに異常は生じていないものと判断し、VDC≠VDC0であれば、ショートバーに異常が生じているものと判断することができる。
【0061】
実施例6に係るモータ駆動装置の動作手順について、図13のフローチャートを用いて詳細に説明する。まず、ステップS301において、交流電源1(図12参照)の電源を投入し、モータ駆動装置106を起動する。次に、ステップS302において、DCリンク電圧直接検出部15を用いて、コンデンサ14の端子間電圧VDC0を測定する。次に、ステップS303において、DCリンク電圧検出部930を用いて、ショートバー41a〜41c,42a〜42cを介したDCリンク部13の端子11,12間の電圧であるDCリンク電圧VDCを測定する。
【0062】
次に、ステップS304において、DCリンク電圧比較部100が、VDC=VDC0であるか否かを判断する。VDC=VDC0である場合は、ステップS305において、ショートバーに断線が生じていないと判断し、ステップS302に戻って、DCリンク電圧の測定を継続する。
【0063】
一方、ステップS304において、DCリンク電圧比較部100が、VDC=VDC0ではない(VDC≠VDC0)と判断した場合は、ステップS306において、ショートバーに断線が生じていると判断し、ステップS307において、DCリンク電圧の測定を終了する。
【0064】
ここで、DCリンク電圧比較部100における、ショートバーの断線の有無の判断方法についてさらに詳しく説明する。図14図16に、モータ駆動装置に異常が生じていない場合(「通常時」)、交流電源の停電時、ショートバーの断線時におけるDCリンク電圧の時間的変化をそれぞれ示す。
【0065】
まず、異常が生じていない場合(「通常時」)における判断方法について説明する。図14(a)に示すように、異常が生じていない場合においては、DCリンク電圧直接検出部15によって測定されるDCリンク電圧VDC0は時間の経過に関わらず一定値となる。また、図14(b)に示すように、第Nインバータ90に設けられたDCリンク電圧検出部930によって検出されるDCリンク電圧VDCも時間の経過に関わらず一定値となる。その結果、DCリンク電圧比較部100においてVDC0とVDCの両者には差が生じていない(VDC=VDC0)と判断し、ショートバーには断線が生じていないと判断することができる。
【0066】
次に、交流電源が停電した場合の判断方法について説明する。図15(a)に示すように、時刻t1において交流電源が停電したものと仮定すると、DCリンク電圧直接検出部15によって測定されるDCリンク電圧VDC0は、時刻t1までは一定の値を示すが、時刻t1以降はコンデンサ14に充電された電圧が徐々に放電されるため、DCリンク電圧VDC0は時間と共に減少する。また、図15(b)に示すように、第Nインバータ90に設けられたDCリンク電圧検出部930によって検出されるDCリンク電圧VDCも同様に時刻t1までは一定の値を示すが、時刻t1以降はコンデンサ14に充電された電圧が徐々に放電されるため、DCリンク電圧VDCは時間と共に減少する。この場合、DCリンク電圧比較部100においてVDCとVDC0は同様に変化するため両者には差が生じていない(VDC=VDC0)と判断し、ショートバーには断線は生じていないと判断することができる。
【0067】
次に、ショートバーが断線した場合の判断方法について説明する。図16(a)に示すように、断線はDCリンク部13の端子11,12に接続されたショートバーで生じるものであるので、ショートバーが断線した場合であっても、DCリンク電圧直接検出部15によって測定されるDCリンク電圧VDC0は、時間に関わらず一定の値を示す。また、図16(b)に示すように、第Nインバータ90に設けられたDCリンク電圧検出部930によって検出されるDCリンク電圧VDCは、時刻t2までは一定の値を示すが、時刻t2以降はDCリンク部13から電圧が印加されなくなるため急激に0[V]に減少する。この場合、DCリンク電圧比較部100において、時刻t2まではVDCとVDC0は同一であると判断できるが、時刻t2以降はVDCとVDC0は大きく異なるためショートバーに断線が生じたものと判断することができる。
【0068】
以上のように、DCリンク部13に直接接続されたDCリンク電圧直接検出部15によって測定されたDCリンク電圧VDC0と、ショートバー41a〜41c,42a〜42cを介したインバータ部90のDCリンク電圧検出部930によって測定されたDCリンク電圧VDCとを比較するDCリンク電圧比較部100を設けることにより、ショートバーの断線を容易に検出することができる。
【0069】
以上の説明において、コンバータ部とインバータ部をそれぞれ独立した筐体内に設け、コンバータ部とインバータ部を筐体の外部に設けたショートバーを用いて電気的に接続した例を示したが、これには限られず、コンバータ部とインバータ部を同一の筐体内に設置し、両者を筐体内で接続した場合においても、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
10 コンバータ部
13 DCリンク部
14 コンデンサ
20 インバータ部
23 第1DCリンク電圧検出部
41 ショートバー
42 ショートバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16