(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
様々なタイプの手動式噴霧ガン、自動式噴霧ガンが公知となっている。米国特許第4,219,865号、米国特許第4,290,091号、米国特許第4,377,838号、米国特許第4,491,276号にはコードレス静電ハンドガンが記載されている。また、自動式噴霧ガンおよび手動式噴霧ガンが、例えば、米国特許出願公開第2006/0283386号、米国特許出願公開第2006/0219824号、米国特許出願公開第2006/0081729号、米国特許出願公開第2004/0195405号、米国特許出願公開第2003/0006322号、米国特許第7,296,760号、米国特許第7,296,759号、米国特許第7,292,322号、米国特許第7,247,205号、米国特許第7,217,442号、米国特許第7,166,164号、米国特許第7,143,963号、米国特許第7,128,277号、米国特許第6,955,724号、米国特許第6,951,309号、米国特許第6,929,698号、米国特許第6,916,023号、米国特許第6,877,681号、米国特許第6,854,672号、米国特許第6,817,553号、米国特許第6,796,519号、米国特許第6,790,285号、米国特許第6,776,362号、米国特許第6,758,425号、再発行特許第RE38,526号、米国特許第6,712,292号、米国特許第6,698,670号、米国特許第6,679,193号、米国特許第6,669,112号、米国特許第6,572,029号、米国特許第6,488,264号、米国特許第6,460,787号、米国特許第6,402,058号、再発行特許第RE36,378号、米国特許第6,276,616号、米国特許第6,189,809号、米国特許第6,179,223号、米国特許第5,836,517号、米国特許第5,829,679号、米国特許第5,803,313号、再発行特許第RE35,769号、米国特許第5,647,543号、米国特許第5,639,027号、米国特許第5,618,001号、米国特許第5,582,350号、米国特許第5,553,788号、米国特許第5,400,971号、米国特許第5,395,054号、米国デザイン特許第D350,387号、米国デザイン特許第D349,559号、米国特許第5,351,887号、米国特許第5,332,159号、米国特許第5,332,156号、米国特許第5,330,108号、米国特許第5,303,865号、米国特許第5,299,740号、米国特許第5,289,977号、米国特許第5,289,974号、米国特許第5,284,301号、米国特許第5,284,299号、米国特許第5,236,425号、米国特許第5,236,129号、米国特許第5,218,305号、米国特許第5,209,405号、米国特許第5,209,365号、米国特許第5,178,330号、米国特許第5,119,992号、米国特許第5,118,080号、米国特許第5,180,104号、米国デザイン特許第D325.241号、米国特許第5,093,625号、米国特許第5,090,623号、米国特許第5,080,289号、米国特許第5,074,466号、米国特許第5,073,709号、米国特許第5,064,119号、米国特許第5,063,350号、米国特許第5,054,687号、米国特許第5,039,019号、米国デザイン特許第D318,712号、米国特許第5,022,590号、米国特許第4,993,645号、米国特許第4,978,075号、米国特許第4,934,607号、米国特許第4,934,603号、米国デザイン特許第D313,064号、米国特許第4,927,079号、米国特許第4,921,172号、米国特許第4,911,367号、米国デザイン特許第D305,453号、米国デザイン特許第D305,452号、米国デザイン特許第D305,057号、米国デザイン特許第D303,139号、米国特許第4,890,190号、米国特許第4,844,342号、米国特許第4,828,218号、米国特許第4,819,879号、米国特許第4,770,117号、米国特許第4,760,962号、米国特許第4,759,502号、米国特許第4,747,546号、米国特許第4,702,420号、米国特許第4,613,082号、米国特許第4,606,501号、米国特許第4,572,438号、米国特許第4,567,911号、米国デザイン特許第D287,266号、米国特許第4,537,357号、米国特許第4,529,131号、米国特許第4,513,913号、米国特許第4,483,483号、米国特許第4,453,670号、米国特許第4,437,614号、米国特許第4,433,812号、米国特許第4,401,268号、米国特許第4,361,283号、米国デザイン特許第D270,368号、米国デザイン特許第D270,367号、米国デザイン特許第D270,180号、米国デザイン特許第D270,179号、再発行特許第RE30,968号、米国特許第4,331,298号、米国特許第4,289,278号、米国特許第4,285,446号、米国特許第4,266,721号、米国特許第4,248,386号、米国特許第4,216,915号、米国特許第4,214,709号、米国特許第4,174,071号、米国特許第4,174,070号、米国特許第4,171,100号、米国特許第4,169,545号、米国特許第4,165,022号、米国デザイン特許第D252,097号、米国特許第4,133,483号、米国特許第4,122,327号、米国特許第4,116,364号、米国特許第4,114,564号、米国特許第4,105,164号、米国特許第4,081,904号、米国特許第4,066,041号、米国特許第4,037,561号、米国特許第4,030,857号、米国特許第4,020,393号、米国特許第4,002,777号、米国特許第4,001,935号、米国特許第3,990,609号、米国特許第3,964,683号、米国特許第3,949,266号、米国特許第3,940,061号、米国特許第3,932,071号、米国特許第3,557,821号、米国特許第3,169,883号、米国特許第3,169,882号に記載されている。また、国際特許出願公開第WO 2005/014177号および国際特許出願公開第WO01/85353号にも開示されている。また、欧州特許出願公開第EP 0 734 777号および英国特許出願公開第GB 2 153 260号にも開示されている。更に、オハイオ州トレドフィリップス通り320(320 Phillips Avenue, Toledo, Ohio, 43612-1493)所在のITWランズバーグ社から市販のランズバーグモデルREA 3、REA 4、REA 70、REA 90、REMおよびM-90ガンもある。
【0004】
これらの文献の開示は、本願と一体をなすものとして参照する。上記に列挙した文献は、全ての関連技術サーチの完了を示すこと、これ以外に関連技術が存在していなこと、或いは、列挙した文献が特許性の資料とすることを意図していない。更に、そうしたことを暗示してもいない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して説明する以下の詳細な説明から本発明は一層理解されよう。
なお、本明細書では、「発電機」との用語は、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する機械を意味し、かつ、直流電流および交流電流を発電する装置を包含する。
【0014】
略示回路ブロック図および以下の記載は、特定の集積回路その他の構成要素およびそれらのための特定のソースを特定する。また、特定の端子およびピンの名前は、端子およびピンを一般的に代表するものとする。また、これらの端子およびピンの識別子は、これら特定された構成要素のためのものであるとする。更に、これは、説明を構成せず、また、こうした説明は、特定の構成要素、成分値またはソースが、必要な機能を実行可能な同一の、或いは、他のソースから利用可能な構成要素のみであることを暗示していないと理解すべきである。更に、同一の或いは異なるソースからの他の適当な部品は、明細書中にある、端子およびピンの同一の識別子を用いることはないであろうことは理解されるべきである。
【0015】
図1a〜
図1dを参照すると、手持ち式のコードレス噴霧ガン20は、ピストルのグリップ形ハンドル24を形成するハンドル集成体22、ガン20を作動させて帯電、霧化された塗料液滴を放出させるためのトリガー集成体、および、先端にノズル30を取付けるバレル集成体28を含んでいる。ハンドル集成体22の下端部には、電力モジュール集成体32が配設されている。該電力モジュール集成体は継手34、36を含んでおり、該継手の各々を通して圧縮ガス、典型的には圧縮空気と、塗料、本実施形態では液体塗料とがガン20に供給される。電力モジュール32には、例えば、マサチューセッツ州02720ウオルトロン通り(Waldron Road)フォールリバー(Fall River)101所在のマックロンプレシジョンモータ社(Maxon Precision Motors, Inc.)製のMaxon EC-max part number 348702等の三相発電機38が収納されている。多相発電機を用いることの利点は、発電機38を低回転速度(一例として、従来技術では毎分42000回転であったのに対して著しく低い毎分300回転)で作動させることができる点である。一般的に、低速回転によって発電機の寿命が延び、補修コストが低減され、機器の停止時間が短縮される。
【0016】
発電機38のシャフト42にタービン車40が取付けられている。圧縮空気が、継手34を備えた接地空気ホース集成体44を流通し集成体32を介してタービン車40のブレードに供給され、シャフト42が回転して端子75-1、75-2、75-3に三相電圧が生成される(
図4)。発電機38からの出力は電力モジュール集成体32で整流、調整され、該整流、調整された出力がハンドル集成体22内に設けられた導体を通じてカスケード集成体50に結合される。カスケード集成体は、ハンドル集成体22の前頂部からバレル集成体28内へ延設されている。
【0017】
従来のコードレスガンには、発電機のシャフト端部を案内する焼結金属製のブッシュを用いた発電機が組込まれている。従って、従来のコードレスガンは、発電機のシャフトを正確に案内できない。これによって、発電機から操作者の身体に伝達される振動レベルが高くなる。本実施形態のガン20の発電機28は、ボールベアリングまたはローラーベアリングを用いている。精密なボールベアリングまたはローラーベアリングによって案内される発電機38によって、取付部位、従って操作者に伝達される振動が低減され、操作者の疲労の可能性が低減される。然しながら、発電機38のような市販の分数馬力モータのベアリングは溶剤浸透の影響を受けやすく、ベアリングの潤滑が劣化し、ベアリングや発電機38が損傷する可能性がある。発電機38として用いられる上述のモータの試験結果によれば、溶剤に1分間浸漬することによって、ベアリングの潤滑が急速に劣化し、ベアリングの固着を生じた。この故障モードを克服するために、上部保護カバー51および下部保護カバー53が、発電機38のハウジングに取付けられ、ベアリング内への溶剤浸透の可能性を低減している。このように保護した発電機38を溶剤に1分間浸漬して同じように試験した。試験結果によれば、1分間の浸漬試験を行った後でも、検知可能な性能劣化は見られなかった。
【0018】
図2a〜
図2Eを参照すると、カスケード集成体50は、該カスケード集成体50を収容するシェル52と、印刷回路基板(PC)上に配設された発振器集成体54変換器集成体56と、電圧増幅カスケード58と、160MΩの抵抗値を有した直列出力バネ抵抗器60とを含み、直列出力バネ抵抗器はカスケード58の出力をバルブニードル64の端部のノズル30において帯電電極62に接続する。
【0019】
図3a〜
図3Cおよび
図4を参照すると、発電機38の制御回路が相互接続された3つの印刷回路基板70、72、74に搭載されている。該3つの印刷回路基板は、回路要素を冷却するのに有効で、かつ、電力モジュール集成体32の内部空間を効率的に利用可能な概ね倒立U字形に形成されている。3つの印刷回路基板70、72、74上に形成された回路の回路図を
図4に示す。印刷回路基板70、72、74の各々に設けられた構成要素は、その周囲が破線で示されている。発電機38の三相巻線の端子75-1、75-2、75-3の各々は、各ダイオード76、78、80の陰極と、各ダイオード82、84、86の陽極との接続部に結合されている。一例として、ダイオード76、78、80、82、84、86は、オンセミコンダクター社(ON Semiconductor)製BR140SFT型ショットキーダイオードである。導体88、90を横断する整流された三相電位が、47μFのコンデンサ92、94および15KΩ、0.1W、1%抵抗器96を含んだ並列回路によってフィルター処理される。100KΩ、0.1W、1%抵抗器98と、1μF、10%、35Vコンデンサ100とを直列に組合わせ導体88、90を横断させて結合される。導体90は接地に接続されている。
【0020】
電界効果トランジスタ102、一例としてフェアチャイルドセミコンダクタ社(Fairchild Semiconductor)製N7002電界効果トランジスタのゲートが、抵抗器98とコンデンサ100との間の接合部に結合される。そのドレインは、10KΩ、0.1W、1%抵抗器104を介して導体88に結合される。電界効果トランジスタ102のドレインが、また、電界効果トランジスタ106、一例としてインターナショナルレクチファイア社(International Rectifier)製IRLU3410 FETのゲートに結合される。電界効果トランジスタ106のドレインおよびソースは、それぞれ導体88、90に結合される。15KΩ、0.1W、1%の抵抗器108が、導体88、90を横断して結合される。100KΩ、0.1W、1%の抵抗器110と1μF、10%、35Vのコンデンサ112の直列集成体が導体88、90を横断して結合される。電界効果トランジスタ114、一例としてフェアチャイルドセミコンダクター社(Fairchild Semiconductor)製2N7002 FETのゲートが抵抗器110とコンデンサ112の接合部に結合される。電界効果トランジスタ114のソース導体90に結合されドレインが10KΩ、0.1W、1%の抵抗器116を介して導体88に結合される。電界効果トランジスタ114のドレインは、また、電界効果トランジスタ118、一例としてインターナショナルレクチファイア社(International Rectifier)製IRLU3410 FETのゲートにも結合される。電界効果トランジスタ118のドレインおよびソースが、導体88、90に結合される。
【0021】
ツェナーダイオード120の陰極が導体88に結合される。ダイオード120は、一例として17V、0.5Wのツェナーダイオードである。ダイオード120の陽極は、1KΩ、0.1W、1%の抵抗器122を介してサイリスタ124のゲートに結合され、かつ、2KΩ、0.1W、1%の抵抗器126を介して導体90に結合される。サイリスタ124の陽極は導体88に結合され、陰極は導体90に結合される。サイリスタ124は、一例として、オンセミコンダクター社(ON Semiconductor)製MCR100-3型サイリスタである。バイポーラPNPトランジスタ128のエミッターが導体88に結合され、コレクターが導体90に結合され、ベースが1.1Ω、1W、1%の抵抗器130を介して導体88に結合される。トランジスタ128は、一例としてオンセミコンダクター社(ON Semiconductor)製MJD32C型トランジスタであり、ベースが、4つの並列に接続されたツェナーダイオード132、134、136、138の陰極に結合される。該ツェナーダイオードの陽極は導体90に結合される。ダイオード132、134、136、138は、一例として、オンセミコンダクター社(ON Semiconductor)製製15V、5Wの1N5352B型ツェナーダイオードである。
【0022】
トランジスタ128のベースは、スイッチ140、一例としてハムリン社(Hamlin)製MITI-3V1型リードスイッチの一方の端子に結合される。スイッチ140の他方の端子は、324Ω、IW、1%の抵抗器142-1、142-2…142-10を並列に接続したネットワークの一方の端子に結合される。抵抗器142-1、142-2…142-10の他方の端子は導体90に結合される。また、トランジスタ128のベースは、並列に接続した1Ω、IW、1%の抵抗器144-1、144-2、144-3と、これに対して直列に接続した1.5A、24Vのフューズ146から成るネットワークを介して、変換器集成体56のVセンタータップ端子に結合される。
図5参照。VCT端子および導体90を横断する最大電圧(VCT)は、一例としてリテルヒューズ社(Littelfuse)製SMBJ 15CA 15Vダイオードである双方向ツェナーダイオード148によって調整される。
【0023】
図4を参照すると、入力3相75-1、75-2、75-3の各々からの典型的な二乗平均平方根電圧は、約300Hzの周波数で地面に対して約7.5Vrmsである。ダイオード76、78、80、82、84、86が、発電機38の三相交流出力を直流に変換する三相全波ブリッジ整流器を形成する。フィルターコンデンサ92、04によって、整流化した出力のリップルが平滑化される。コンデンサ88、90を横断する典型的な電圧は直流約15.5Vである。
【0024】
図4の回路は、並列に接続された2つの独立した遅延回路を含んでいる。故障により一方の遅延回路が作動不能となっても、他方が作動可能となっている。第1の遅延回路は、抵抗器96、98、104と、コンデンサ100と、電界効果トランジスタ102、106を含んでいる。第2の遅延回路は、抵抗器108、110、116および電界効果トランジスタ114、118を含んでいる。既述したように、発電機38と、
図4の回路は、噴霧ガン20内に配設されている。噴霧ガン20は、可燃性の液体材料を噴霧することができるので、その操作環境は、FM、EN等の多くの工業標準によって危険と考えられている。発電機38および
図4の回路は、爆発環境で使用される電気機器のためのこうした工業標準の要求に合致しなければならない。こうした要求を満たすための方法の1つは、危険な電位に達する前に、発電機38および
図4の回路を加圧された筐体内に配置することである。標準によれば、危険な電位に達する前に5つの筐体内をパージすることが必要である。例示する発電機38(Maxon EC-max part number 348702)は、90SLPM(標準状態リットル/分)よりも低い流量の空気に対して危険な電圧を発生しない。と言うのは、空気の流れは、発電機38の慣性を克服して発電機38を十分な速度で回転可能であるからである。発電機38および
図4の回路のための筐体の容積は40mLである。90標準状態リットル/分をmL/分に変換すると、90L/min×1min/60sec×1000mL/L=1500mL/secとなる。
【0025】
空気流量90SLPMにおいて、200mLをパージするのに要する時間は(40mLをパージするのに要する時間の5倍)200mL/(1500mL/sec)=133msである。
【0026】
空気流量が高くなれば、パージ時間は短くなる。従って、危険電圧に達する前に筐体を完全にパージするためには、パージ時間は133ms以上必要となる。パージ空気および発電機38のタービン40用の空気は同じなので、発電機の空気が遅延すると、パージ空気もまた遅延する。従って、筐体内容積がパージされるまで、発電機38の起動遅延は不可能であった。パージ空気用とタービン40のための空気用に独立の供給源を用いることは可能であるが、構造および操作が複雑で費用を要するものなり、更にガン20が一層重くなると考えられていた。
【0027】
発電機の起動は遅らせることはできないので、5つの筐体内容積をパージするまで、ガン20の電気回路によって
図4の電力供給部の出力が短絡される。EN標準60079-11:2007、爆発性雰囲気で使用する電気機械器具-本質安全防爆構造の(i)項(EN standard 60079-11 :2007 Explosive Atmospheres - Electrical Protection by Intrinsic Safety "i")を用いた試験からは、
図4の電力供給装置をショートすることによって、HBガス群(group HB gases)の危険な混合気を点火できないことが明らかになった。従って、少なくとも133msの間、出力をショートすることによって、2つの筐体の内容積をパージした後には危険性がなくなる。並列に接続した2つの独立した遅延回路によって、この目的は到達される。
【0028】
図4を参照すると、当初、コンデンサ92、94を横断する電圧は0Vである。また、コンデンサ90へのトランジスタ102、114のゲート電圧もまた0Vである。従って、トランジスタ102、114はOFF(開回路)となっている。発電機38が回転すると、導体88、90を横断する電圧が上昇する。トランジスタ102、114がOFFであるので、導体88、90を横断する電圧は、導体90へのトランジスタ106、118のゲートに現れる。この電圧が、ゲート閾値電圧(トランジスタ106、118の各々について約2.5V)に達すると、トランジスタ106、118がONとなり、導体88、90を横断する電圧が、このレベル(約2.5V)に固定される。一方、直列回路98、100;110、112を電荷が流れるにつれ、コンデンサ100、112を横断する電圧が上昇する。コンデンサ100、112を横断する電圧がトランジスタ102、114の閾値電圧に達すると、トランジスタ102、114がONとなる。トランジスタ106、118のゲート電圧は閾値電圧よりも低くなり、トランジスタ106、118はOFFとなる。これによって、導体88、90を横断する電圧は、その通常の作動電圧である約15.5VDCまで上昇する。少なくとも133ms間トランジスタ106、118がONに維持されるが長すぎないように直列回路98、100;110、112のRC時定数を選択し、通常の作動電位への遅延が短くなるようにする。
【0029】
トリガー26が解放されたときに、抵抗器96、108はコンデンサ100、112を放電させ、次に、ガン20のトリガーが引かれたときに、遅延回路が作動する準備をする。抵抗器96、108は、典型的な応用例におけるトリガー操作の比較的短い中断(2〜5秒)に対して概ね遅れがないように、コンデンサ100、102の放電に数秒(典型的には2〜5秒)を要するように大きさが決定される。トリガー操作の中断が一層長い場合には、コンデンサ100、102は放電し、遅延回路96、98、104、100、102、106;108、110、116、112、114、118は、次のトリガー操作前にリセットされる。抵抗器96、108の大きさは、トリガー操作間の遅れを小さくすることと、筐体内容積内に潜在的に危険な周囲空気を収集するのに十分な時間トリガー26が解放され、次にトリガー26が引かれたときに、遅延回路96、98、104、100、102、106および108、110、116、112、114、118が、上述したように確実に機能することとの間のトレードオフによって決まる。
【0030】
図4の回路は、ツェナーダイオード120、抵抗器122、126およびサイリスタ124から成る過電圧保護回路を含んでいる。ツェナーダイオード120は、17Vのツェナーダイオードである。導体88、90を横断する正常な最大作動電圧は直流約15.5Vである。導体88、90を横断するで夏が上昇すると、電極62の対地電圧が危険電圧と成り得る。この電圧が直流約17Vに上昇すると、ツェナーダイオード120は抵抗器126を介して電流を流し始める。抵抗器126に電流が流れると、抵抗器122、抵抗器126、ツェナーダイオード120の接続点の電圧となって現れる。この電圧によって、抵抗器122に電流が流れ、次いで、この電流はサイリスタ124へ流れる。サイリスタ124が作動すると、導体88、90が導通して、該導体88、90間の電圧が直流17Vから数V程度まで低下する。発電機には短絡回路によって負荷がかかる。トリガー26を解放すると発電機38が停止し、導体88、90を横断する電圧が消勢し、サイリスタ124がリセットされる。この状態からリセットするために使用者は何もしなくともよい。
【0031】
図4の回路は、パワートランジスタ128および抵抗器130を含む電流制限回路を含む。エアタービン40によって駆動される発電機38の特徴は、タービン40への空気の流れが増加すると、発電機38の出力もまた増加する点である。電流制限回路がないと、出力増加によって噴霧ガン20の出力電圧が高くなりすぎる可能性がある。この出力増加は、発電機38に結合された回路素子の電力定格を超過する可能性がある。パワートランジスタ128および抵抗器130を含む電流制限回路は、この問題を解決する。抵抗器130を流れる電流が増加すると、オームの法則に従い該抵抗器を横断する電圧も増加する。この抵抗器を横断する電圧が、トランジスタ128のベース−エミッター間のターンオン電圧(通常約0.7V)に達すると、トランジスタ128は電流を接地に逃し始め、抵抗器130を流れる電流を比較的一定に維持する。該回路では、抵抗器130の大きさは、抵抗器130を流れる電流が約0.5Aとなったときにトランジスタ128のスイッチが入るように選定される。従って、VCTにおける最大電流は約0.5Vである。空気流量が増加すると、トランジスタ128を流れる電流が増加する。これによって、トランジスタ128では相当な放熱が生じる。該放熱を軽減するために、トランジスタ128にはヒートシンクが設けられている。トランジスタ128を含むU字形の回路基板70、72、74は、発電機38を覆うように設置され、発電機38のハウジングの頂部に3本のネジによって螺着される。こうして、回路基板70、72、74は発電機38と同じ筐体内に配置される。該筐体は、噴霧ガン20を小型化し重量を低減すると共に必要なパージ容積を小さくするために小さくなっている。3ピースとすることによって、U字形の回路基板70、72、74は、タービン40によって駆動される発電機38と共に筐体内に配置可能となる。発電機38からの多量の排気は、トランジスタ129およびそのヒートシンクを含む回路基板70、72、74へ供給され、その冷却が促進される。回路基板70、72、74および発電機38は、双方とも爆発環境で使用される電気機器のための要求を満たしていなければならない。従って、双方ともに同じ筐体内に配置して、既述したパージ方法が回路基板および発電機の双方について満足されるようにすることには利点がある。
【0032】
図4の回路は、ツェナーダイオード132、134、136、138を含む電圧調整回路を含む。ツェナーダイオード132、134、136、138がなければ、VCTにおける負荷電流が低下した際、発電機38の深は低下するであろう。発電機38の速度は増加し、VCTと導体90を横断する電圧は高くなる。発電機38が定格速度、本例では300Hzを超過し、そしてVCTおよび導体90を横断する電圧が噴霧ガン20の操作が危険となり得るという点で、軽負荷における速度と電圧の増加は重大となり得る。電圧調整回路132、134、136、138によって、この問題が解決される。VCTにおける負荷電流が低下すると、発電機38の速度は増加し、かつ、トランジスタ128のベースにおける電圧(本例では直流約15V)は、ツェナーダイオード132、134、136、138が導通し始めるまで増加する。従って、本例において、軽負荷ではトランジスタ128のベース電圧は約15Vに制限される。これは、噴霧ガン20の安全な操作を補助する。ツェナーダイオード132、134、136、138が発電機38からの電流を通すとき、ツェナーダイオードは発電機38に付加的な負荷を生成する。ツェナーダイオード132、134、136、138の大きさは、VCTにおける電流引き込みが殆どないか、或いは、全くない場合に、発電機38(本例では定格300Hz)の過速度が防止されるように選定される。
【0033】
タービン40は、該タービン40への流れに基づくトルクを生成する。タービン40の空気流量が増減すると、発電機38の出力電流もまた増減する。ツェナーダイオード132、134、136、138によって、抵抗器130には常に約0.5Aの電流が流れる。VCTには流れていなくとも、ツェナーダイオード132、134、136、138には流れる。VCTを流れる負荷電流が増加すると、ツェナーダイオード132、134、136、138を流れる電流は低下する。結局、ある作動条件では、ツェナーダイオード132、134、136、138を流れる電流値が零となり、該ツェナーダイオードを横断する電圧が15Vよりも低下し、該ツェナーダイオードは電気を通さなくなる。これは、トルクに対して発電機38が発生する全ての電流を負荷が要求するときに生じる。
【0034】
複数(N)のツェナーダイオード132、134、136、138(この場合N=4)を用いて、該複数の素子132、134、136、138に消費電力を分散し、何れの素子132、134、136、138も、回路内に単体で配設されていた場合に散逸すべき電力の約1/Nだけ散逸すればよいようにする。更に、安全規格には、1つの素子が故障した場合に、他の素子が回路に含まれた素子を保護し続けるように、重複安全回路を要求するものもある。
【0035】
負荷が最も軽い場合、ツェナーダイオード132、134、136、138は、かなりの電力を散逸可能である。こうして、ツェナーダイオードは回路基板70、72、74に実装され、ツェナーダイオード132、134、136、138および他の素子の上を流れるエアタービン40からの排気を用いて冷却される。
【0036】
図4の回路は、リードスイッチ140および抵抗器142-1…142-10を含む低KV設定回路を含んでいる。抵抗器142-1…142-10の大きさ(本例では各324Ω)は、該抵抗器を並列に組合せたとき(32.4Ω)の発電機38への負荷が、リードスイッチ140が閉成したときに、発電機38の速度を低下させ、従ってVCTから導体90へ横断する電圧が低下し、噴霧ガン20の電極62に低出力電圧が生成されるように選択される。これは、塗装対象物がファラデー箱を構成し、噴霧ガン20における低出力電圧によって、こうした遮蔽された領域がより良く塗布される場合に都合がよい。また、通常の噴霧の間、オペレータの方へ電荷を帯びた塗布材料がふき戻ることを低減するために、或いは、オペレータが決めた他の理由から、こうしたガンの出力電極を低出力高電圧で操作することを望むオペレータもいる。通常、こうした低設定点は、リードスイッチ140の開成時において全出力変数の50%〜75%で選定されるが、他の値とすることもできる。
【0037】
筐体外部に配置されているコントロールノブ141によってリードスイッチ140を活性化できるように、リードスイッチ140は回路基板集成体70、72、74の側縁近傍に配置される。ノブ141のヘッド143内には磁石が配置されている。ノブ141を回転させて、磁石をリードスイッチ140の近くに移動させると、リードスイッチ140は閉成し、並列に組合せた抵抗器142-1…142-10が回路に接続され、噴霧ガン20への出力点62に一層低いKV設定値が生成される。ノブ141を回転させて、磁石をリードスイッチ140から遠ざけると、リードスイッチ140は開成し、並列に組合せた抵抗器142-1…142-10が回路から切断され、噴霧ガン20への出力点62に一層高いKV設定点が生成される。
【0038】
低いKV設定値が選定されると、抵抗器142-1…142-10から数ワット程度の電力が散逸される。既述したように、数ワットの単一の抵抗器は通常大型で嵩張る。パッケージ全体の大きさを小さくするために、10個の1ワット(324Ω)の抵抗器142-1…142-10を並列に表面実装し、1個の10ワット(32.4Ω)抵抗器の代わりに用いている。集成体全体の輪郭を小さくし、パッケージおよび筐体を一層小さくする。全ての抵抗器142-1…142-10における電力の散逸は、その定格値の50%に制限されている。こうして、1つの抵抗器からの最大の電力散逸が約0.5Wと見積もられる場合、1ワット抵抗器が用いられることとなる。
【0039】
抵抗器142-1…142-10は集合体として数ワットの電力を散逸するので、抵抗器142-1…142-10は、該抵抗器および回路基板70、72、74上に実装されている他の素子の上を流れるエアタービン40からの排気を用いて冷却されるように、回路基板70、72、74上に実装される。
【0040】
図4の回路は、抵抗器142-1、142-2、142-3を並列に組合せた電圧低減抵抗器集成体を含む。最大電圧がVCTに供給されると、一層高い効率で塗装材料が塗装対象物へ輸送される。然しながら、ガン20は、またFactory Mutualのような認定機関や、EN 50050のような欧州規格によって制定される安全要件に合致しなければならない。こうした安全要件は、通常、特定の爆発性雰囲気(本例では5.25%のプロパンを含む空気)の最も爆発性のある混合気が、噴霧ガン20の電極62における出力によって点火されないことを含んでいる。抵抗器144-1…144-3は、必要に応じて噴霧ガン20の出力を低下させて、こうした安全要件を満たすために配設されている。
【0041】
抵抗器144-1…144-3が回路に配設されている場合、オームの法則に従い、並列に設けたR20、R21、R22および抵抗器144-1…144-3を流れる電流を生成してVCTにおける電圧が低下する。従って、VCTにおける電圧は、VCT=V
base of 128-I
R144-1,R144-2,R144-3×R144-1|R144-2|R144-3となる。
【0042】
負荷電流(I
R144-1,R144-2,R144-3)が増加すると、並列集成体R144-1|R144-2|R144-3を横断する電圧が低下する。殆のガンは無負荷KVによって分類される。従って、無負荷では、噴霧ガンの出力電圧への最低限となるが、負荷が増加するにつれ、電圧は一層低下する。従って、噴霧ガンのKV定格値は、本質的に同一とすることができる。特定の用途において、抵抗器144-1…144-3が安全要件を満たす必要がなければ、これら抵抗器は、基板集成体70、72、74から省略し、VCTにおける電圧がトランジスタ128のベース電圧と同一となるように、ジャンパーを装着することができる。更に、安全要件を満たすために、付加的な手段が必要であれば、抵抗器130の電流制限抵抗をΩ値で10倍程度高め、噴霧ガン20の利用可能な出力電流を低減することができる。
【0043】
抵抗器144-1…144-3は、単一の3ワットの抵抗器の代わりをする1ワットの表面実装抵抗器であり、これによって筐体全体が小型化される。また、該抵抗器は、回路基板70、72、74に実装され、エアタービン40からの排気を用いて冷却される。
【0044】
図4の回路はポリサーマルヒューズ(polythermal fuse)146を含んでいる。該ヒューズは、トリップ電流(本例では1.5A)を超えたときに開成し、電力が遮断されたときに自動的にリセットされるようになっている。ヒューズ146の保持電流は0.75Aであり、これによって、低電流レベルでポリサーマル素子がトリップ動作を受ける高温に対しても、予測される最大電流約0.5Aを途切れることなく流すことが可能となる。
【0045】
図4の回路は、過渡電圧サプレッサーダイオード148を含んでいる。過渡電圧サプレッサーダイオード148はVCTおよび導体90を横断させて結合されており、公称出力電圧である15.5VDCを1または2V超える電圧スパイクを接地に逃がす。ダイオード148は、VCTに結合された
図5の回路からの過渡電圧を接地に逃して、
図4の回路が過渡電圧の悪影響を受けないようにすることを主目的としている。
【0046】
U字形の回路基板集成体70、72、74を
図3a〜
図3cに示す。この集成体は3つの印刷回路基板70、72、74を含む。該3つの印刷回路基板は、互いに連結されてU字形の回路基板集成体が形成される。回路基板集成体をこのように構成し、かつ、小さな貫通穴および表面実装素子を利用することによって、
図4に示すように、発電機38およびタービン40をU字形の回路基板集成体70、72、74内に取付可能となり、そして、回路基板集成体70、72、74全体の輪郭を発電機38およびタービン40全体の輪郭の近くに維持可能となる。これによって、筐体が小型軽量化され、パージに必要な時間が短縮される。
【0047】
タービン40を駆動する入力空気から導入される汚染物質から回路基板70、72、74上の素子を保護するために、回路基板は、パリレンを用いて例えば吹付け、ディッピング、真空蒸着等の周知技術によって相似被覆することができる。然しながら、相似被覆を用いる際、放熱素子の適切な冷却に注意しなければならない。
【0048】
例示する発電機38は3相ブラシレスDCモータである。ブラシレスモータは、モータの寿命を短くするブラシの損耗がない。2相モータも同様に用いることはできるが、2相モータからの出力リップルは大きく、一層大容量のフィルタコンデンサ92、94が必要となろう。また、2相モータは、同じ出力を得るために一層高速で回転させなければならず、それによってモータの受容が短くなろう。エアタービン40からの排気を発電機38および周囲に導入して該発電機を冷却する。これによってモータの寿命が延びる。
【0049】
図5を参照すると、オシレーター集成体54、トランス集成体56、カスケード58、直列に接続した出力抵抗器群60を含むカスケード集成体50が配設されている。該カスケード集成体は、実質的に米国特許出願公開2006/0283386 Alに図示、説明されており、本願では詳細には説明しない。トランス集成体56の高圧変圧器の二次巻線56-2からのフィードバックが、ユニティゲインバッファとして形成されている差動増幅器150の非反転(+)入力端子に結合される。増幅器150の反転(-)端子と出力端子は結合され、49.9KΩの抵抗器152を介して差動増幅器154の(-)入力端子に結合されている。増幅器150、154は、一例として、オンセミコンダクター社(ON Semiconductor)製LM358DMR2型デュアルオペレーション増幅器である。
【0050】
増幅器154の(+)入力端子は、49.9KΩの抵抗器156を介して接地に接続され、かつ、49.9KΩの抵抗器158を介してVCT供給に接続されている。増幅器154の(-)入力端子は49.9KΩの抵抗器160を介して増幅器154の出力端子に結合されており、増幅器154は、2.05KΩの2つの抵抗器161-1、161-2を並列に接続した集成体を介して赤色LED163の陽極に結合されている(
図6)。LED163の陰極は接地に接続されている。LED163が付勢されると、ガン20のオペレータは、ハンドル集成体22の頂部の後方カバー集成体165(
図1)に設けたレンズを通して該LEDを見ることができる。増幅器150の(+)入力端子は、バリスタ162、47μFコンデンサ164および49.9KΩ抵抗器166を並列に接続した集成体を介して接地に接続されている。バリスタ162は、一例としてリテルヒューズ社(Littelfuse)製SMBJl 5A 15V素子である。
【0051】
電極62から放出される電子はガンと塗装対象物との間の空間を横断して流れ、塗装対象物を塗布するための塗装材料の粒子が帯電される。通常、接地電位に可及的に近い電位に維持される塗装対象物において、帯電した塗装材料の粒子が塗装対象物に衝突して、該帯電した塗装材料の粒子から電子が、接地および並列に接続した集成体162、164、166を通じて高圧変換器の二次巻線56-2の高電位側または(+)側(つまり接地電位の近く)に戻る。こうして、抵抗器166を横断する電圧がカスケード58の出力電流に比例して低下する。この電圧は、コンデンサ164によってフィルタ処理され、演算増幅器150の(+)入力端子に一層ノイズの少ない直流電圧レベルが印加される。バリスタ162は、カスケード58の作用に起因する過渡電流によって演算増幅器150および他の構成要素が損傷する可能性を低減する。演算増幅器150は、出力端子電圧から(+)入力端子端子電圧を絶縁する電圧フォロワとして構成されている。これによって、全ての電流が、抵抗器166を介して高圧変換器の二次巻線56-2の高電位側または(+)側に帰還することを確実にする。
【0052】
抵抗器166を横断する電圧は、V
R166=I
OUT×R
166である。ここで、I
OUTは電極62から流れる電流値であり、R
166は抵抗器166の抵抗値である。演算増幅器150は電圧フォロワとして構成されているので、V
R166は演算増幅器150の出力端子および演算増幅器150の(-)入力端子に出現する。抵抗器166は、抵抗器166を流れる電流100μAにつき、演算増幅器150の(+)入力端子における電圧が5Vとなるように選択される。抵抗器152、160、158および増幅器154から成る集成体は差動増幅器を構成し、演算増幅器154の出力端子における電圧がV
LED=VCT-V
OUT150となるようになっている。VCTは、変換器56の一次巻線56-1の中心タップへ供給される
図4の電源回路の調整された直流出力電圧である。発振器54の出力トランジスタが、変換器56の一次側巻線56-1の半分を交互に切り替えて、数10KHzのオーダの周波数で接地に接続する。二次巻線56-2の出力はカスケード58によって整流、逓倍される。噴霧ガン20は、Factory Mutualのような認定機関や、EN 50050のような欧州規格によって制定される様々な安全要件に合致しなければならない。こうした安全要件は、通常、特定の爆発性雰囲気(本例では5.25%のプロパンを含む空気)の最も爆発性のある混合気が、噴霧ガン20の電極62における出力によって点火されないことを含んでいる。その達成を補助するために、電源回路は、典型的に、噴霧ガン20の電極62からの負荷電流が増加するにつれVCTが低下するように構成されている。
【0053】
V
OUT150=V
R166=I
OUT×R
166であるので、V
LED=VCT-I
OUT×R
166となる。軽負荷では、電極62における出力電圧は高く、I
OUTは小さく、そしてVCTは15V〜15.5Vのオーダとなる。従って、軽負荷V
LEDは12V〜15Vのオーダとなる。少なくとも、負荷が高くなると入力回路の供給VCTが低下してVCTが低下し、高負荷ではI
OUTが低下するので、負荷が増加すると電極62における出力電圧は低下し、かつ、V
LEDが低下する。最終的に、電極62における出力電圧が低くなる負荷が重い場合に、I
OUT×R
166がVCTを超えてしまう。これが生じると、V
LEDは0となる。従って、回路は、電極62における出力電圧が高くなる軽負荷ではV
LEDが直流12〜15V程度に、電極62における出力電圧が中間レンジとなる中負荷ではV
LEDが直流5〜12V程度に、そして電極62における出力電圧が低くなる高負荷ではV
LEDが直流0〜5V程度となるように設計されている。
【0054】
増幅器154の出力端子であるV
LEDは、
図6に示す回路のH1-1に結合されている。
図6に示す回路のピンH1-2は接地に接続されている。こうして、軽負荷では
図6のLED163が明るく発光する。中間負荷ではLED163は幾分暗く発光し、高負荷では、非常に暗く発光する或いは消灯する。こうして、LED163の照度は、噴霧ガン20の端子62の実際の電圧を反映する。従って、カスケード58から過剰な電流が出力されるな故障モードでは、LED163は著しく暗くなるか或いは完全に消灯し、ユーザにその旨状況を警告し、正しい行動を取れるようにする。これは、噴霧ガン20の出力端子62を短絡させて、該端子62の電圧が殆ど無くなる或いは全く無くなってしまうような導電性の塗料を噴霧している場合に、噴霧ガン20のオペレーターにとって特に重要である。カスケードの入力回路で作動するディスプレイを備えたガンは、明るさの変化は殆ど或いは全く示さないであろう。
【0055】
正常な乾燥空気源172から接地に接続された空気ホース集成体44を介して噴霧ガン20に空気が供給される。空気はハンドル24へ供給され、そこからトリガー弁174へ供給される。トリガー26を引くとトリガー弁174が開き、ガン20の前方部分から噴出し、噴霧すべき塗料が霧化される。また、トリガー弁174が開くと、空気は、ハンドル集成体22内部に設けられた空気輸送管175内を発電機38へ向けてハンドル24を逆方向に流れる。発電機38への入力空気は、空気入口からキャップ176へ供給される。キャップ176は、発電機38のシャフト42に取付けられたタービンホイール40を包囲し、かつ、90°間隔でキャップ176に形成された4つの開口部からタービン40へ向けて空気が流出するようにシールされている。この空気の流れによって、タービン40および該タービンが取付けられている発電機のシャフト42が回転する。タービン40を流通すると、空気は、相互連結された印刷回路基板70、72、74の周囲を流れ、発電機38、印刷回路基板70、72、74および該印刷回路基板に実装されている素子を冷却する。次いで、空気は、継手182から排気される。
【0056】
発電機38のシャフト42が回転し、該三相発電機38が発電した電力は、VCTを介してカスケード集成体50に供給される前に、印刷回路基板70、72、74上の回路によって全波整流される。ツェナーダイオード132、134、136、138を横断する最大電圧は、4つのツェナーダイオード132、134、136、138の制限作用によって直流16VCTとなっている。噴霧ガンのトリガー26が開放されると、トリガー弁174は閉弁し、発電38およびノズル30への空気の流れが停止する。