特許第5926405号(P5926405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5926405
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/00 20060101AFI20160516BHJP
   A47B 88/04 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
   A47B88/00 H
   A47B88/04 E
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-556877(P2014-556877)
(86)(22)【出願日】2013年2月13日
(65)【公表番号】特表2015-510421(P2015-510421A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(86)【国際出願番号】AT2013000026
(87)【国際公開番号】WO2013120119
(87)【国際公開日】20130822
【審査請求日】2014年9月5日
(31)【優先権主張番号】A189/2012
(32)【優先日】2012年2月15日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルム ゲー エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガッセル,インゴ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥバッチ,フレディ
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−252491(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/075595(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/04
E05F 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動家具部(101)のためのバネ式駆動装置(10)を有する家具(100)であって、
前記バネ式駆動装置(10)を可逆的に非アクティブ化させることができる機械的な非アクティブ化装置(1)を備え
前記非アクティブ化装置は2つの機械的な切替位置(2、3)間で切り替えが可能となるよう設計されており、
第1の切替位置(2)は前記バネ式駆動装置(10)をアクティブ化し、第2の切替位置(3)は前記バネ式駆動装置(10)を非アクティブ化し、
2つの前記切替位置(2、3)間の自動的で機械的な切り替えは、後付けされる第2の駆動装置(20)で実行される、
ことを特徴とする家具
【請求項2】
前記バネ式駆動装置(10)は、前記可動家具部(101)の引込装置の形態である、
ことを特徴とする請求項1記載の家具
【請求項3】
前記バネ式駆動装置(10)は、前記可動家具部(101)の排出装置の形態である、
ことを特徴とする請求項1記載の家具
【請求項4】
前記バネ式駆動装置(10)は、純粋に機械的構造物であり、電流を利用しない、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の家具
【請求項5】
前記機械的な非アクティブ化装置(1)は前記バネ式駆動装置(10)内で具現化されている、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の家具
【請求項6】
前記機械的な非アクティブ化装置(1)は、前記第2の駆動装置(20)内に具現化され、前記バネ式駆動装置(10)に係合する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の家具。
【請求項7】
自動的で機械的な切替えは、前記可動家具部(101)の最初の移動時に前記第2の駆動装置(20)によって実行される、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の家具。
【請求項8】
自動的で機械的な切替えは、前記第2の駆動装置(20)の設置の完了後、前記可動家具部(101)の最初の移動時に前記第2の駆動装置(20)によって実行される、
ことを特徴とする請求項記載の家具。
【請求項9】
自動的で機械的な切替えは、前記第2の駆動装置(20)の設置の完了後、前記可動家具部(101)の最初の移動時に排他的に前記第2の駆動装置(20)によって実行される、
ことを特徴とする請求項または記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可動家具部、特に引出しのためのバネ付勢式駆動装置に関する。
【0002】
本発明はさらに、少なくとも1つの以下の実施形態による可動家具部、特に引出しのための駆動装置を有した家具にも関する。
【背景技術】
【0003】
可動家具部のためのバネ式駆動装置自体は従来技術に属するものである。それらはしばしば、可動家具部を家具枠体内に引き込むために引込装置の形態で提供される。バネ式駆動装置の別形態は、家具の操作を楽にするために、可動家具部を家具枠体から排出させるか、または可動家具部を家具枠体から外側に移動させる排出装置が関与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、可動家具部のための改良されたバネ式駆動装置、およびそのような駆動装置を有する改良された家具の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その目的は、請求項1の特徴を有した家具によって達成される。
【0006】
駆動装置を可逆的に非アクティブ化(非活動状態)させる機械的非アクティブ化装置の提供とは、非使用時には駆動装置を非アクティブ化でき、その目的のために特に取り外す必要がないことを意味する。可逆性に関する設計思想は、可動家具部を再駆動するため、駆動装置を任意に再度アクティブ化(活動状態)させることである。従って駆動装置によるその機能の実現のために、駆動装置の取り外しや再設置は不要である。
【0007】
よって駆動装置は時折非アクティブ化されるだけである。駆動装置の機能は維持されるが停止されるため、一定時間その使用を停止したいと願った場合でも駆動装置を取り外す必要はない。
【0008】
そのために電気的に装置にスイッチを入れたり切ったりする必要はなく、機械的に装置を非アクティブ化させることのみが関与し、電気的手段は関与しない。
【0009】
さらに本発明の有利な実施形態は従属請求項において記載されている。
【0010】
第1の切替位置が駆動装置をアクティブ化し、第2の切替位置が駆動装置を非アクティブ化するように配置された2箇所の機械的切替位置にて、この非アクティブ化装置が切替え可能に設計されているなら特に有利であることが発見されている。これら切替位置の提供は駆動装置の軽快なアクティブ化と非アクティブ化を達成させる。
【0011】
1好適実施態様では、この切替えは駆動装置がアクティブ化される第1の切替位置から駆動装置が非アクティブ化される第2の切替位置へと自動的および機械的に提供される。第1の切替位置から第2の切替位置への自動的で機械的な切替えは、手動による作動の必要がないため、時間とコストの節約につながることを意味する。
【0012】
本発明は、少なくとも1つの実施態様に即した、可動家具部、特に引出しのための駆動装置を有した家具にも関する。
【0013】
特に有利な構造的変形例では、第2の駆動装置の設置後、可動家具部、特に引出しの最初の移動中に第2の駆動装置によって自動的で機械的な切替えが提供される。自動的な切替えが可動家具部の最初の移動中に実施されるという事実は、可動家具部の通常使用において、その切替えが同時的に可能であるため、切替え処理を実行するための専用作業ステップを必要としないことを意味する。
【0014】
本発明のさらなる詳細と利点は、添付の図面に図示された例示としての実施例に関する特定の説明を介して以下においてさらに詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、3つの引き出しを備えた家具の斜視図である。
図2図2は、2つの駆動装置を備えたレール延出ガイドの分解斜視図である。
図3図3は、2つの駆動装置を備えたレール延出ガイドの斜視図である。
図4図4は、図3の一部詳細図である。
図5図5は、図3の別な一部詳細図である。
図6図6は、2つの駆動装置を備えたレール延出ガイドの別斜視図である。
図7図7は、図6の一部詳細図である。
図8図8は、図6の別な一部詳細図である。
図9図9は、2つの駆動装置を備えたレール延出ガイドの別斜視図である。
図10図10は、図9の一部詳細図である。
図11図11は、2つの駆動装置を備えたレール延出ガイドの別斜視図である。
図12図12は、図11の一部詳細図である。
図13図13は、2つの駆動装置を備えたレール延出ガイドの別斜視図である。
図14図14は、図13の一部詳細図である。
図15図15は、図13の別な一部詳細図である。
図16図16は、アクティブ位置にある非アクティブ化装置の斜視図である。
図17図17は、非アクティブ位置にある非アクティブ化装置の斜視図である。
図18図18は、非アクティブ化装置の分解斜視図である。
図19図19は、2つの駆動装置を備えたレール延出ガイドの分解斜視図である。
図20図20は、駆動装置の様々な位置にある非アクティブ化装置を備えたレール延出ガイドの平面図である。
図21図21は、駆動装置の様々な位置にある非アクティブ化装置を備えたレール延出ガイドの平面図である。
図22図22は、駆動装置の様々な位置にある非アクティブ化装置を備えたレール延出ガイドの平面図である。
図23図23は、様々な位置にある駆動装置の概略図である。
図24図24は、様々な位置にある駆動装置の概略図である。
図25図25は、図23図24の駆動装置の斜視図である。
図26図26は、バネ式駆動装置と、その非アクティブ化装置の概略平面図である。
図27図27は、バネ式駆動装置と、その非アクティブ化装置の概略平面図である。
図28図28は、バネ式駆動装置と、その非アクティブ化装置の概略平面図である。
図29図29は、バネ式駆動装置と、その非アクティブ化装置の概略平面図である。
図30図30は、図28のバネ式駆動装置の分解斜視図である。
図31図31は、図28の駆動装置の斜視図である。
図32図32は、バネ式駆動装置の非アクティブ化装置の別例の概略図である。
図33図33は、バネ式駆動装置の非アクティブ化装置の別例の概略図である。
図34図34は、バネ式駆動装置の非アクティブ化装置の別例の概略図である。
図35図35は、バネ式駆動装置の別な非アクティブ化装置の概略図である。
図36図36は、バネ式駆動装置の別な非アクティブ化装置の概略図である。
図37図37は、バネ式駆動装置の別な非アクティブ化装置の概略図である。
図38図38は、バネ式駆動装置の別な非アクティブ化装置の概略図である。
図39図39は、バネ式駆動装置の別な非アクティブ化装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は家具100の斜視図である。家具100は家具枠体103と、その中に収容された3つの家具部101(この実施例では引出し102)を有している。引出し102は、家具枠体103からの引き出し、および押し入れのため、それぞれ2つのレール延出ガイド50(図示せず)を有している。それぞれの引出しのレール延出ガイド50には、引出し102を自動的に押し出し、および引き入れる少なくとも1つのバネ式駆動装置が提供されている。
【0017】
第2の駆動装置20の後付けが望まれる場合には、引き続いて第2の駆動装置が家具100内に設置できる。そのような第2の駆動装置20は好適には排出装置と引込装置とを有している。2つの駆動装置10と20が相互干渉しないようにするため、駆動装置10を取り除くことが本質的に必要であろう。そのようなことは複雑性と労力が増すという理由で望まれないため、駆動装置10は駆動装置10を可逆的に非アクティブ化させる非アクティブ化装置1(ここでは図示せず)を有する。
【0018】
図2はレール延出ガイド50の分解斜視図を示す。とりわけレール延出ガイド50は、引出しレール51、中央レール52、および、レール延出ガイド50を家具枠体に固定させる枠体レール53を有している。この場合、この好適実施例では、枠体レール53には、引出しを引き入れさせる駆動装置10が提供されている。
【0019】
レール延出ガイド50に引出しを排出させる駆動装置と引出しの引き込みのための駆動装置とを装備させるため、その後に第2の駆動装置20が取り付けられる。この目的のために第1の駆動装置10を非アクティブ化させることが必要である。
【0020】
基部プレート21上の第2の駆動装置20には第1の駆動装置10に係合できる突出部22が存在し、起動装置としての突出部22によって非アクティブ化装置1を起動することができる。
【0021】
図3は、設置済みの第1の駆動装置10と第2の駆動装置20を備えたレール延出ガイド50の斜視図である。
【0022】
図4は、第2の駆動装置20の基部プレート21に提供されている突出部22を図示する。
【0023】
図5は、切替え可能な連結要素5と、その保持部4とを備えた非アクティブ化装置1を図示する。図示の状態では、非アクティブ化装置1は、連結要素5が未だ駆動装置1の帯同部材11内に存在するので起動されておらず、よって連結要素5と駆動装置10との間には機械的な接続状態が存在する。
【0024】
図6から図8は第2の駆動装置20の突出部22がどのように非アクティブ化装置1に接近するかを図示する。この状況は、第2駆動装置20の設置後、最初に引出しが家具枠体103から引き出されるときに発生する。
【0025】
図9図10は追加の駆動装置20の設置後の最初の機会に、第2の駆動装置20の突出部22が非アクティブ化装置1の旋回可能な連結要素5と遭遇するまで、どのように引出しが引き出されたかを図示するが、図10で示される状況では、未だ切替えが終了しておらず、よって非アクティブ化装置1は依然として駆動装置10がアクティブ状態にある第1の切替位置2に存在する。
【0026】
これで図11図12で示すようにレール延出ガイド50がさらに少々引き出されると、第2の駆動装置20の突出部22は切替え可能な連結要素5を90°旋回させ、図14が明示するように連結要素5は第1の駆動装置10の帯同部材11(ここでは図示せず)に対応できなくなる。従って、非アクティブ化装置1は第2の切替位置3に存在し、そこでは駆動装置10は非アクティブ状態となっている。
【0027】
図13から図15は、引出しまたはレール延出ガイド50が、非アクティブ化装置1が切替えられることで第1の駆動装置10が可逆的に非アクティブ化される程度にまで、引出しまたはレール延出ガイド50が引き出されている状況を図示する。
【0028】
図16は非アクティブ化装置1の斜視図である。この場合、非アクティブ化装置1は、切替え可能な連結要素5と、その保持部4と、連結要素5の孔部7を通過して延びるバネ6とを有している。図16は非アクティブ化装置1が未だ起動されておらず、よって非アクティブ化装置1は、駆動装置10がアクティブ状態にあるその第1の切替位置2に存在することを示している。
【0029】
一方、非アクティブ化装置1が、旋回された連結要素5によって起動されている図17の状態では、連結要素5は駆動装置10の帯同部材11(ここでは図示せず)と係合できなくなる。従って非アクティブ化装置1は、駆動装置10が非アクティブ化されている第2の切替位置に存在する。
【0030】
図18は非アクティブ化装置1の分解斜視図である。この場合、バネ6は、連結要素5が所望の切替位置に残り、自動的に再び切替わることができないように機能する。
【0031】
図19は別実施例の分解斜視図である。この実施例もまたレール延出ガイド50と、関連するレール、すなわち引出しレール51、中央レール52および枠体レール53を有している。駆動装置10は再び枠体レール53に提供される。
【0032】
その後に第2の駆動装置20が取り付け可能であり、非アクティブ化装置1が提供されている基部プレート21が提供される。
【0033】
図20は、帯同部材11と、駆動装置10を駆動するバネ12とを有した駆動装置10を図示する。
【0034】
駆動装置10が連結要素(図示せず)を駆動できるよう、図21で示すように駆動装置は帯同部材11が連結要素を待つ待機位置14にまで移動する。しかし、突出部22の形態である非アクティブ化装置1は、待機位置14に存在するので、連結要素を待つために帯同部材11は待機位置14にまで進むことができない(よって、非アクティブ化装置1は、駆動装置10が非アクティブ化されている第2の切替位置3に存在する)。
【0035】
その後、帯同装置11は、この場合には連結要素を帯同することなく、駆動装置10のバネ12によって再び引き戻される。従って、駆動装置10は、非アクティブ化装置1によって非アクティブ化されている。もし駆動装置10を再度アクティブ化することが望まれるなら、非アクティブ化装置1の突出部22のみを外す必要があり、そうすれば駆動装置10はその通常機能を再び発揮できる。
【0036】
駆動装置10のための非アクティブ化装置1の別実施例は図23から図31に図示されている。
【0037】
この構成で駆動装置10は再びバネ12と、バネ12によって付勢され、連結要素5に付勢力を適用できる帯同部材11とを有する。帯同部材11はガイド軌道13でガイドされる。ガイドプレート17が通常の作用位置に存在するとき、待機位置の帯同部材11は連結要素5が到着するのを待つことができる。なぜならその待機位置14は自動ロックする拘束位置の形態であり、それはガイド軌道13からの半径を適した寸法とすることで達成できるからである(摩擦が関与)。よって非アクティブ化装置1はまだ、駆動装置10がアクティブ状態にある第1の切替位置2に存在する(図23から図26)。
【0038】
駆動装置10の可逆性非アクティブ化:
駆動装置10の作用位置において待機位置よりも大きな半径を有する待機位置14の交換を伴う限り(図28)、ガイド軌道13はガイドプレート17の回転によって変更される(図27図28参照)。帯同部材11(図29)が、自動ロッキング形態ではない新たな待機位置15に進行すると、帯同部材11は連結要素5を待つためにその位置に留まることをせず、バネ12の作用力によって再び自動的に引き戻され、駆動装置10は非アクティブ化される。
【0039】
ガイドプレート17の回転は、クランプレバー16(図17)を解放し、続いてガイドプレート17を回転させ、クランプレバー16(図28)を再閉鎖することで行われる。非アクティブ化装置1は第2の切替位置3に存在し、そこでは駆動装置10は非アクティブ化されている(図28から図31)。
【0040】
駆動装置10を再アクティブ化させたいなら、ガイドプレート17を再回転させるよう、非ロック位置15を自動ロック待機位置14で置換するためにクランプレバー16を解放すればよい。このことはガイドプレート17を180°回転させることで達成できる。その後にクランプレバー16は再び閉じられる。
【0041】
図25はアクティブ状態にある駆動装置10を図示し、図31は非アクティブ状態にある駆動装置10を図示する。
【0042】
非アクティブ化可能な駆動装置10の別実施例は図32から図34に図示されている。
【0043】
この場合、駆動装置10の帯同部材11には旋回可能な帯同突出部18が備わる。図32では非アクティブ化装置1は、駆動装置10がアクティブ状態にある第1の切替位置に存在する。もし旋回可能な帯同突出部18が通常の作動位置(図33)から傾斜して外れているなら、帯同部材11は連結要素5(図34参照)を帯同できない。従って駆動装置10は非アクティブ化装置1で非アクティブ化され、第2の切替位置に存在する。駆動装置10を再アクティブ化するには、旋回可能な帯同突出部18はその通常作用位置(図32)にまで旋回するだけでよい。それで駆動装置は再び通常機能を果たすことができる。
【0044】
非アクティブ化可能な駆動装置10の別実施例は図35から図39に図示されている。
【0045】
この実施例では、帯同部材は図32から図34のように非アクティブ化されておらず、ガイド軌道は図23から図31のように非アクティブ化されておらず、待機位置は図19から図22にように非アクティブ化されておらず、連結要素5は図2から図19にように非アクティブ化されておらず、駆動装置10のバネ12の基部33が非アクティブ化されており、駆動装置10の基部33は剛体ではなく、旋回可能なロック要素31を有した非アクティブ化装置1によって旋回されている限りガイド30で移動が可能である。
【0046】
駆動装置10の通常機能は図35図36に図示されており、旋回可能なロック要素31が旋回されるなら、基部33はガイド30(図38)で移動でき、帯同部材11はバネ12で十分に付勢されなくなり、連結要素5を動かせなくなる。
【0047】
代わりに帯同部材11がガイド軌道13を障害なく移動できるように、基部33は戻りバネ32によってバネ付勢され、帯同部材11と基部33は連結要素5を介さずに始動位置にまで移動できる。よって駆動装置10は非アクティブ化される。
【0048】
もし駆動装置10を再アクティブ化したければ、旋回可能なロック要素31のみを使用すればよく、基部33はガイド30に再び固定され、駆動装置10は通常機能を再び発揮することができる(図35図36)。
【0049】
図2から図39は駆動装置10がどのように可逆的に非アクティブ化されるかの変形例を図示する。可逆的に駆動装置を非アクティブ化させる多数の別な方法が存在することは自明である。よって帯同部材のガイド軌道が旋回して帯同部材を移動できなくし、あるいは駆動装置のバネまたはその帯同部材を外すこともでき、駆動装置の機能を回復させたければ、それら部材を再装着することも想定の範囲である。当然ながら、この構成は望まれる形態ではない。なぜならそのような構造は非常に複雑であり、コスト高を招き、実際的ではないからである。
【0050】
好適な実施例は、非アクティブ化とアクティブ化が自動的であり、特には、第2の駆動装置の設置または第2の駆動装置の取り外しによって非常に容易化できるものであり、第1の駆動装置を再アクティブ化させるものである(図12から図18および図19から図22の実施例)。
【0051】
駆動装置10を可逆的に非アクティブ化させることができる機械的な非アクティブ化装置1がバネ式駆動装置10のために提供されているという事実は、図12図21図29図34および図38およびそれらの説明で解説されている。
【0052】
その構成には可動家具部の引込装置が関与するという事実は図2図19図23図33図35および図37およびそれらの説明で解説されている。
【0053】
非アクティブ化装置1は、第1の切替位置2が駆動装置10をアクティブ化し、第2の切替位置3が駆動装置10を非アクティブ化させる2つの機械的な切替位置2と3の間で切替え可能に設計されているという事実は、好適には図10図12図16図17図20図26図28図32図37および図38およびそれらの説明で解説されている。
【0054】
この場合に、これら2つの機械的な切替位置2と3の間の切替えが手動で可能であるという事実は、図27図33および図38およびそれらの説明で解説されている。
【0055】
このような機械的切替えは、駆動装置10がアクティブ化される第1の切替位置2から駆動装置が非アクティブ化される第2の切替位置3への自動的な切替えが関与することができるという事実は、図12から図19およびそれらの説明で解説されている。
【0056】
この点で機械的な非アクティブ化装置1は駆動装置10自体に提供されるという事実は、図10図16図27図32および図37およびそれらの説明で解説されている。
【0057】
2つの切替位置2と3の間の自動的で機械的な切替えは、後付けされる第2の駆動装置20によって実行されるという事実は、図19図9およびそれらの説明で解説されている。
【0058】
機械的な非アクティブ化装置1は第2の駆動装置20に提供することもでき、第1の駆動装置10に係合するという事実は、図19およびその説明で解説されている。
【0059】
自動的で機械的な切替えは、可動家具部100、好適には引出し102の移動中に第2の駆動装置20によって行われるという事実は、図2から図18およびそれらの説明で解説されている。その点で、自動的な切替えは可動家具部101の最初の移動で実行されるという事実もそれらの図に示されており、そのような自動的な切替えは可動家具部101の最初の移動で専用的に実行されるという事実も示されている。
【0060】
これら全ての実施例において、駆動装置10は純粋に機械的な設計であり、すなわち電力を利用しない設計である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20-22】
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39