特許第5926429号(P5926429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5926429端末装置、端末制御方法および端末制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5926429
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】端末装置、端末制御方法および端末制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/023 20060101AFI20160516BHJP
   H03M 11/04 20060101ALI20160516BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20160516BHJP
【FI】
   G06F3/023 310L
   G06F3/0488
【請求項の数】17
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-155955(P2015-155955)
(22)【出願日】2015年8月6日
【審査請求日】2015年9月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100125612
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 裕昭
(72)【発明者】
【氏名】坂本 竜基
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】西 紗記子
【審査官】 ▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−191782(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3197051(JP,U)
【文献】 特開2012−168939(JP,A)
【文献】 特開2013−219637(JP,A)
【文献】 特開2012−168976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/023
G06F 3/0488
H03M 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力候補のいずれか1つが表示された第1の領域を指定する操作を受け付ける受付部と、
前記受付部によって前記第1の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、前記第1の領域を中心とする領域に、第1の入力候補を表示し、当該第1の入力候補のいずれかの選択を確定する操作が行われた場合に、当該第1の入力候補を非表示とする第1表示制御部と、
前記第1の入力候補のいずれかの選択が確定されたことにより、前記第1の入力候補が非表示とされた後に、入力候補のいずれか1つが表示された第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、前記第2の領域を中心とする領域に、前記第1の入力候補のうち選択が確定された第1の入力候補に対応する第2の入力候補を表示する第2表示制御部と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記第1表示制御部は、前記第1の入力候補のいずれかの選択が確定されたことにより、前記第1の入力候補を非表示とした場合に、前記第2の領域に表示されている入力候補を、前記第1の入力候補のうち選択が確定された第1の入力候補に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記第2表示制御部は、前記第1の領域の隣に位置する前記第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、当該第2の領域を中心とする領域に前記第2の入力候補を表示する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記第2表示制御部は、前記第1の領域と同一である前記第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、当該第2の領域を中心とする領域に前記第2の入力候補を表示する
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項5】
前記第2表示制御部は、前記第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、当該第2の領域を中心とする領域であって、前記第1の入力候補が表示される領域と少なくとも一部が重なる領域に、前記第2の入力候補を表示する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項6】
前記第1表示制御部は、前記第1の領域を中心とする領域のうち、ユーザ操作に基づいて視認性が低下すると予測される領域以外の領域に前記第1の入力候補を表示する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項7】
前記第2表示制御部は、前記第2の領域を中心とする領域のうち、ユーザ操作に基づいて視認性が低下すると予測される領域以外の領域に前記第2の入力候補を表示する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項8】
前記第1表示制御部は、前記第1の入力候補のいずれかが選択された場合に、選択された第1の入力候補に対応する前記第2の入力候補を選択不可能となった状態で、前記第1の領域を中心とする領域に表示する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項9】
前記第2表示制御部によって表示された第2の入力候補のいずれかが選択された場合に、選択された第2の入力候補を入力欄に表示するとともに、当該入力欄に表示した第2の入力候補を入力文字として決定する入力決定部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項10】
前記入力決定部は、
前記第1の入力候補のいずれかが選択された場合に、選択された第1の入力候補を前記入力欄に表示し、当該第1の入力候補に対応する第2の入力候補のいずれかが選択された場合に、当該入力欄に表示されている前記第1の入力候補の代わりに選択された第2の入力候補を当該入力欄に表示する
ことを特徴とする請求項に記載の端末装置。
【請求項11】
前記入力決定部は、前記第1の入力候補のいずれかが選択された場合に、選択された第1の入力候補を前記入力欄に表示し、前記第1の入力候補のいずれかが選択された後に、前記第1の入力候補のいずれかが再度選択された場合に、前記入力欄に表示済みの第1の入力候補を入力文字として決定する
ことを特徴とする請求項または10に記載の端末装置。
【請求項12】
前記第1表示制御部は、前記第1の入力候補として、五十音におけるあ段に対応する文字を表示し、
前記第2表示制御部は、前記第2の入力候補として、前記第1表示制御部によって表示されたあ段の文字から選択された文字に対応する五十音における行の文字を表示する
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項13】
前記第1表示制御部は、前記第1の入力候補として、クワーティー配列に基づく所定の文字を表示し、
前記第2表示制御部は、前記第2の入力候補として、前記第1表示制御部によって表示された文字から選択された文字に対応し、前記クワーティー配列に基づく文字を表示する
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項14】
前記第2表示制御部は、前記第1の領域を指定することなく、前記第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、前記第2の領域を中心とする領域に前記第2の入力候補を表示する
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項15】
前記第2表示制御部は、前記第2の入力候補として、五十音におけるあ行に対応する文字を表示する
ことを特徴とする請求項14に記載の端末装置。
【請求項16】
コンピュータが、
入力候補のいずれか1つが表示された第1の領域を指定する操作を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップによって前記第1の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、前記第1の領域を中心とする領域に、第1の入力候補を表示し、当該第1の入力候補のいずれかの選択を確定する操作が行われた場合に、当該第1の入力候補を非表示とする第1表示制御ステップと、
前記第1の入力候補のいずれかの選択が確定されたことにより、前記第1の入力候補が非表示とされた後に、入力候補のいずれか1つが表示された第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、前記第2の領域を中心とする領域に、前記第1の入力候補のうち選択が確定された第1の入力候補に対応する第2の入力候補を表示する第2表示制御ステップと、
を実行することを特徴とする端末制御方法。
【請求項17】
コンピュータに、
入力候補のいずれか1つが表示された第1の領域を指定する操作を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップによって前記第1の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、前記第1の領域を中心とする領域に、第1の入力候補を表示し、当該第1の入力候補のいずれかの選択を確定する操作が行われた場合に、当該第1の入力候補を非表示とする第1表示制御ステップと、
前記第1の入力候補のいずれかの選択が確定されたことにより、前記第1の入力候補が非表示とされた後に、入力候補のいずれか1つが表示された第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、前記第2の領域を中心とする領域に、前記第1の入力候補のうち選択が確定された第1の入力候補に対応する第2の入力候補を表示する第2表示制御ステップと、
を実行させることを特徴とする端末制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、端末制御方法および端末制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネル式の液晶ディスプレイを搭載する端末装置として、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、スマートウォッチ等が普及している。タッチパネル面上を指等でタッチすることにより、文字入力操作等の各種操作をユーザから受け付ける。
【0003】
上記のような、タッチパネル式の液晶ディスプレイを搭載する端末装置では、例えば、物理的なキーボードや文字入力ボタンに代わって、文字入力に関する各種操作を受け付けるための操作エリアを表示する。
【0004】
かかる操作エリアは、50音における「あ段」に対応する文字入力を受け付けるための10個の日本語入力エリア、および、削除操作や改行操作等を受け付けるエリアを組み合わせた全20個のエリアによって構成されていることが一般的である。
【0005】
また、タッチパネルにおける文字入力操作に関する技術として、日本語入力を支援する技術が知られている。例えば、最初のタッチ位置を中心に、複数の文字入力エリアを表示し、ユーザに指定された文字入力エリアに対応する文字を入力文字とする技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−15570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術は、ユーザビリティの高い入力インタフェースであるとは限らなかった。例えば、表示画面の小さい端末装置では、上記のような20個のエリアから成る操作エリアや、文字入力エリアを表示した場合、ユーザにとって扱いにくいものとなる。このため、上記の従来技術は、ユーザビリティの高い入力インタフェースであるとは限らなかった。
【0008】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザビリティを向上させることができる入力インタフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願にかかる端末装置は、第1の領域を指定する操作を受け付ける受付部と、前記受付部によって前記第1の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、第1の入力候補を表示する第1表示制御部と、第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、前記第1の入力候補のうち選択が確定された第1の入力候補に対応する第2の入力候補を表示する第2表示制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、ユーザビリティを向上させることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態にかかる文字入力処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態にかかる端末装置の構成例を示す図である。
図3図3は、ユーザによる母音入力を説明する図である。
図4図4は、実施形態にかかる端末装置による文字入力処理を示すフローチャートである。
図5図5は、変形例にかかる入力文字決定処理の一例を示す図である。
図6図6は、変形例にかかる文字入力処理の一例を示す図である。
図7図7は、変形例に係るクワーティー配列の一例を示す図である。
図8図8は、アルファベット入力に対応した文字入力処理の一例を示す図である。
図9図9は、視認性を考慮した文字表示を説明する図である。
図10図10は、端末装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本願にかかる端末装置、端末制御方法および端末制御プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかる端末装置、端末制御方法および端末制御プログラムが限定されるものではない。
【0013】
〔1.文字入力処理〕
まず、図1を用いて、実施形態にかかる文字入力処理について説明する。図1は、実施形態にかかる文字入力処理の一例を示す図である。実施形態にかかる文字入力処理は、図1に示した端末装置100によって行われる。端末装置100は、例えばウェアラブル型端末やタブレット型端末等であり、液晶ディスプレイ等の表示部110を有する。かかる端末装置100は、タッチパネルが採用されており、表示部110上を指等でタッチされることにより各種操作を受け付ける。実施形態にかかる端末装置100は、ユーザによって選択された領域に応じて、文字を入力するためのインタフェースを表示することで、ユーザからの文字入力を受け付ける。この点について、図1を用いて説明する。
【0014】
まず、本実施形態において、端末装置100は、ウェアラブル型端末の一種である腕時計型端末(スマートウォッチ等と呼ばれる)であるものとする。ここで、端末装置100は、ユーザから文字入力を受け付ける文字入力モードに切り替えられたとする。かかる場合に、端末装置100は、ユーザから受け付けた文字を入力文字として表示する入力欄V1、および、入力欄V1において文字が入力される位置を示すカーソルC1を表示部110に表示する。
【0015】
また、端末装置100は、ユーザによって文字入力に関する各種操作が行われる操作領域R10aを表示する。具体的には、端末装置100は、領域R11〜領域R18を含む操作領域R10aを表示部110に表示する。
【0016】
図1(a)の例では、端末装置100は、文字入力に用いられる領域である第1領域R11と、文字入力の場合に用いられる第2領域R12と、濁音および半濁音の入力に関する領域R13と、入力欄V1に表示された文字を入力文字として確定させる領域R14と、日本語入力とアルファベット入力とを切り替えさせる領域R15と、各種記号を入力させる領域R16と、空白文字を入力するための領域R17と、入力欄V1に表示された文字を削除させるための領域R18とを含む操作領域R10a表示する。また、端末装置100は、図1(a)に示すように、第1領域R11に「か」を初期表示し、第2領域R12に「あ」を初期表示する。
【0017】
このような状態において、端末装置100は、ユーザから第1領域R11を指定する指定操作を受け付けた場合に、第1領域R11の表示位置を中心とする操作領域R10bにユーザにより入力される文字の候補である第1入力候補を表示する。
【0018】
例えば、図1(b)に示すように、ユーザが、「か」が表示される第1領域R11を選択したものとする。かかる場合に、端末装置100は、第1領域R11の表示位置を中心とする操作領域R10bを表示する。このとき、端末装置100は、操作領域R10bに、日本語の仮名文字における50音の「あ」段に対応する子音文字である「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」を第1入力候補として表示する。また、このときユーザは、操作領域R10bのうち、第1領域R11に対応する領域R11´を選択した状態となる。領域R11´は、第1入力候補「か」に対応するため、端末装置100は、領域R11´が選択されていることにより、入力欄V1に「か」を表示する。また、このとき端末装置100は、表示した文字「か」の後ろにカーソルC1を移動させる。また、端末装置100は、表示部110から指を離されない限り、図1(b)に示した操作領域R10bを表示し続ける。
【0019】
ここで、操作領域R10bにおいて「か」に対応する領域から指がスライド(「スワイプ」等と呼ばれる)されて、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」のいずれかに対応する領域が選択された場合に、端末装置100は、入力欄V1に表示している文字を、選択された第1入力候補に変更する。例えば、図1(c)に示すように、ユーザが、操作領域R10bにおいて「か」に対応する領域から指をスライドさせて、第1入力候補「な」に対応する領域を指定したものとする。かかる場合に、端末装置100は、入力欄V1に表示している「か」を、指定された第1入力候補「な」に変更する。また、端末装置100は、表示部110から指を離されない限り、図1(c)に示した操作領域R10bを表示し続ける。
【0020】
そして、操作領域R10bから指を離されると、端末装置100は、それまで指定されていた領域に表示している第1入力候補の選択を確定する。例えば、図1(c)において、第1入力候補「な」に対応する領域内の位置を指定した状態から、指が離されたとする。かかる場合に、端末装置100は、操作領域R10bに表示した第1入力候補から「な」が選択されたことを確定する。また、本実施形態では、このように端末装置100に対して文字選択を確定させる確定操作を領域から指を離す操作であるものとする。
【0021】
また、第1入力候補の確定操作が行われた場合に、端末装置100は、図1(d)に示すように、操作領域R10bを非表示とするとともに、操作領域R10aの第2領域R12に、選択が確定された第1入力候補「な」を表示する。
【0022】
そして、第1入力候補の選択が確定された後に、第2領域R12内の位置を指定する指定操作を受け付けた場合に、端末装置100は、第2領域R12の表示位置を中心とする操作領域R10cに、第1入力候補のうち選択が確定された入力候補に対応する第2入力候補を表示する。
【0023】
例えば、上述してきたように、ユーザが、第1入力候補として「な」の選択を確定した後に、図1(d)に示すように、「な」が表示されている第2領域R12内の位置を指定する指定操作を行ったとする。かかる場合に、端末装置100は、第2領域R12の表示位置を中心とする操作領域R10cを表示する。このとき、端末装置100は、操作領域R10cに、50音の「な」行に対応する文字である「な」、「に」、「ぬ」、「ね」、「の」を第2入力候補として表示する。また、このときユーザは、操作領域R10cのうち、第2領域R12に対応する領域R12´を選択した状態となる。領域R12´は、第2入力候補「な」に対応する領域であるため、端末装置100は、領域R12´が選択されていることにより、入力欄V1に「な」を表示したままとする。また、端末装置100は、表示部110から指を離されない限り、図1(e)に示した操作領域R10cを表示し続ける。
【0024】
そして、端末装置100は、スライド操作等によって、第2入力候補「に」、「ぬ」、「ね」、「の」のいずれかに対応する領域がさらに選択された場合に、入力欄V1に表示している文字を、選択された第2入力候補に変更する。例えば、図1(f)に示すように、ユーザが、操作領域R10cにおいて「な」に対応する領域から指をスライドさせて、第2入力候補「に」に対応する領域内の位置を選択したものとする。かかる場合に、端末装置100は、入力欄V1に表示している「な」を、選択された第2入力候補「に」に変更する。
【0025】
また、操作領域R10cにおいて指を離す確定操作が行われた場合に、それまで選択されていた領域の文字を入力文字として決定する。例えば、図1(f)において、第2入力候補「に」に対応する領域内の位置を選択した状態から、指が離されたとする。かかる場合に、端末装置100は、操作領域R10cに表示した第2入力候補のうち、「に」を入力文字として決定する。また、指が離されたことにより、端末装置100は、図1(g)に示すように、操作領域R10cを非表示とするとともに、操作領域R10aの第2領域R12に「あ」を表示する。つまり、端末装置100は、入力文字を決定した時点で、文字入力モードにおける初期状態に戻す。そして、ユーザは、さらに続けて文字を入力したい場合、図1に示した操作領域R10a〜操作領域R10cを用いた段階的な操作を繰り返す。これにより、端末装置100は、入力欄V1に表示した文字に続けて、さらに文字を表示してゆく。
【0026】
このように、実施形態にかかる端末装置100は、第1領域R11が選択されることにより、第1領域R11を中心とする操作領域R10bに第1入力候補を表示することで、第1入力候補の選択を受け付ける。これにより、端末装置100は、より少ないスペースでの文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0027】
また、端末装置100は、第1入力候補の選択が確定された後に、第2領域R12が指定された場合に、操作領域R10cに、確定された第1入力候補に対応する第2入力候補を表示することで、第2入力候補の指定を受け付ける。このように、端末装置100は、操作領域R10bと操作領域R10cとを、ユーザ操作に応じて別々に表示して、文字の選択を受け付けるため、より少ないスペースでの文字入力を可能とすることができ、また、日本語における「段」から「行」といったユーザに馴染みの深い入力手順を実現することができるため、高精度な文字入力を可能とする入力インタフェースを提供することができる。
【0028】
〔2.端末装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態にかかる端末装置100について説明する。図2は、実施形態にかかる端末装置100の構成例を示す図である。端末装置100は、タッチパネルが採用された情報処理装置であり、例えば、ウェアラブル端末や、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。端末装置100は、図2に示すように、表示部110と、入力部120と、制御部130とを有する。
【0029】
表示部110は、各情報を表示するための表示デバイスである。例えば、表示部110は、液晶ディスプレイ等によって実現される。入力部120は、ユーザから各種操作を受け付ける入力デバイスである。なお、実施形態にかかる端末装置100にはタッチパネルが採用されているので、表示部110と入力部120の一部とは一体化される。
【0030】
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラム(端末制御プログラムの一例に相当)がRAM(Random Access Memory)等の内部メモリを作業領域として実行されることにより実現される。
【0031】
かかる制御部130は、図2に示すように、受付部131と、表示制御部132と、入力制御部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0032】
受付部131は、入力部120を介してユーザから各種操作を受け付ける。具体的には、受付部131は、後述する表示制御部132によって表示された操作領域(例えば、操作領域R10a〜R10c)に表示される文字をを指定する操作、表示部110を指でなぞるスライド操作、各種入力候補の選択を確定する操作等の各種ユーザ操作を受け付ける。
【0033】
表示制御部132は、受付部131によって受け付けられた操作に応じて、文字入力に関する各種操作が行われる操作領域の表示や、操作領域への所定の文字の表示を行う。例えば、表示制御部132は、受付部131により端末装置100が文字入力モードに切り替えられた旨の情報が受け付けられると、図1(a)に示すような操作領域R10aを表示部110に表示する。このような、表示制御部132は、第1表示制御部132aと、第2表示制御部132bとを有する。
【0034】
第1表示制御部132aは、受付部131により第1領域R11を指定する操作が受け付けられた場合に、ユーザにより入力される文字の候補である第1入力候補を表示する。具体的には、第1表示制御部132aは、受付部131により第1領域R11を指定する操作が受け付けられた場合に、第1領域R11の表示位置を中心とする操作領域R10bに、第1入力候補を表示する。
【0035】
第2表示制御部132bは、受付部131により第2領域R12を指定する操作が受け付けられた場合に、第1の入力候補のうち選択が確定された第1の入力候補に対応する第2の入力候補を表示する。具体的には、第2表示制御部132bは、第1表示制御部132aによって表示された第1入力候補の選択を確定する操作が行われた後に、受付部131により第2領域R12を指定する操作が受け付けた場合に、第2領域R12の表示位置を中心とする操作領域R10cに、第1入力候補のうち選択が確定された入力候補に対応する第2入力候補を表示する。また、このとき第2表示制御部132bは、第1領域R11と少なくとも一部が重なるように操作領域R10cを表示する。
【0036】
入力制御部133は、表示部110に表示する文字を制御する。例えば、入力制御部133は、受付部131により第1入力候補のいずれかが選択される操作が受け付けられた場合に、選択された第1入力候補を入力欄V1に表示する。また、入力制御部133は、選択された第1入力候補に対応する第2入力候補のいずれかが選択される操作が受付部131により受け付けられた場合に、入力欄V1に表示した第2入力候補の代わりに、選択された第2入力候補を入力欄V1に表示する。また、入力制御部133は、入力欄V1に表示した第2入力候補を入力文字として決定する。
【0037】
ここで、上述した受付部131と、表示制御部132と、第1表示制御部132aと、第2表示制御部との処理について説明する。
【0038】
例えば、表示制御部132は、受付部131により端末装置100が文字入力モードに切り替えられた旨の情報が受け付けられると、図1(a)に示すように、互いに隣接する第1領域R11や第2領域R12を含む操作領域R10aを表示部110に表示する。
【0039】
そして、第1表示制御部132aは、受付部131により第1領域R11を指定する操作が受け付けられた場合に、第1領域R11の表示位置を中心とする操作領域R10bに第1入力候補を表示する。
【0040】
そして、第1表示制御部132aは、受付部131により第1入力候補のいずれかを指定する操作が受け付けられた場合に、操作領域R10bを指定する操作が受け付けられている間は、操作領域R10bの表示を維持する。ここで、受付部131により「か」に対応する領域から「な」に対応する領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合に、第1表示制御部132aは、図1(c)に示すように、9個の領域のうち、中央の領域(領域R11´)に「な」を表示するとともに、元々「な」を対応付けていた領域を除いて、他の領域に表示していた第1入力候補を非表示とする。このように、第1表示制御部132aは、スライド操作により指定された領域に対応付けている第1入力候補を、9個の領域のいずれかに表示するとともに、他の領域に表示していた第1入力候補を非表示とすることで、現在選択している第1入力候補を視認し易くさせることができる。また、第2表示制御部132bも同様の処理を行う。また、入力制御部133は、スライド操作により「な」に対応する領域を指定されたことにより、それまで入力欄V1に表示していた「か」の代わりに「な」を表示する。
【0041】
このような状態において、受付部131により「な」に対応する領域を指定する操作が受け付けられなくなった場合、すなわちユーザにより第1入力候補「な」の選択を確定する操作が行われた場合、図1(d)に示すように、第1表示制御部132aは、操作領域R10bを非表示に切り替える。また、表示制御部132は、選択が確定された第1入力候補「な」を第2領域R12に表示する。
【0042】
第1入力候補の選択が確定され、操作領域R10bが非表示とされた状態で、受付部131により「な」が表示される第2領域R12を指定する操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、図1(e)に示すように、第2領域R12の表示位置を中心とする操作領域R10cに第2入力候補を表示する。このとき、第2表示制御部132bは、図1(e)に示すように、操作領域R10bが表示されていた場合、操作領域R10bと少なくとも一部が重なるように操作領域R10cを表示する。このため、端末装置100は、より少ないスペースでも第1入力候補および第2入力候補を表示することができる。
【0043】
また、第2表示制御部132bは、受付部131により操作領域R10cを指定する操作が受け付けられている間は、操作領域R10cの表示を維持する。ここで、受付部131により「な」に対応する領域から「に」に対応する領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、図1(f)に示すように、9個の領域のうち、中央の領域(領域R12´)に「に」を表示するとともに、元々「に」を対応付けていた領域を除いて、他の領域に表示していた第2入力候補を非表示とする。また、入力制御部133は、スライド操作により「に」に対応する領域が指定されたことにより、それまで入力欄V1に表示していた「な」の代わりに「に」を表示する。
【0044】
このような状態において、受付部131により「に」に対応する領域を指定する操作が受け付けられなくなった場合、すなわちユーザにより第2入力候補「に」の選択を確定する操作が行われた場合、図1(g)に示すように、第2表示制御部132bは、操作領域R10cを非表示に切り替え、入力制御部133は、選択が確定された第2入力候補「に」を入力文字として決定する。また、表示制御部132は、第2領域R12内の文字を「な」から初期状態の「あ」に戻す。
【0045】
なお、ここまで説明してきた処理は、ユーザによって子音文字が入力される場合の処理である。具体的には、ユーザは、子音文字を入力したい場合、まず、第1領域R11を選択することで、「あ段」に対応する子音文字を表示させ(操作領域R10bにおける第1入力候補)、表示された子音文字から、入力したい文字を含む「行」(例えば、な行)を選択する。そして、ユーザは、第2領域R12を選択することで、入力したい文字を含む「行」に対応する文字(例えば、「な」、「に」、「ぬ」、「ね」、「の」)を表示させ、表示された中から、入力したい文字を選択する。以下では、ユーザによって母音文字が入力される場合の処理について説明する。
【0046】
〔3.母音入力〕
図3は、ユーザによる母音入力を説明する図である。図3(a)は、図1(g)に対応し、「に」が入力されている状態を示す。そして、ユーザは、続けて、母音「う」を入力したいとする。上記のように、本実施形態では、ユーザは、子音入力したい場合、初期状態で、第1領域R11を用いる。一方、母音入力したい場合、初期状態で、第2領域R12を用いる。つまり、ユーザは、母音文字を入力したい場合、第1領域R11を指定することなく、第2領域R12指定する。
【0047】
このように、初期状態において、第1領域R11を指定することなく、第2領域R12指定する操作が受付部131により受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、第2領域R12を中心とする領域に第2入力候補を表示する。
【0048】
例えば、図3(a)に示すように、初期状態において、受付部131により第2領域R12を選択する操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、図3(b)に示すように、第2領域R12の表示位置を中心とする操作領域R10cに、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」といった「あ行」の文字(母音文字)を第2入力候補として表示する。また、入力制御部133は、表示欄V1に表示している「に」の次に「あ」を表示する。
【0049】
このような状態において、図3(c)に示すように、受付部131により「あ」に対応する領域から「う」に対応する領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、9個の領域のうち、中央の領域に「う」を表示するとともに、元々「う」を対応付けていた領域を除いて、他の領域に表示していた第1入力候補を非表示とする。また、入力制御部133は、表示欄V1に表示している「あ」の代わりに「う」を表示する。
【0050】
このような状態において、受付部131により「う」に対応する領域を指定する操作が受け付けられなくなった場合、すなわちユーザにより第2入力候補「う」の選択を確定する操作が行われた場合、図3(d)に示すように、第2表示制御部132bは、操作領域R10cを非表示に切り替え、入力制御部133は、選択が確定された第2入力候補「う」を入力文字として決定する。
【0051】
〔4.文字入力処理手順〕
次に、図4を用いて、実施形態にかかる端末装置100による文字入力処理について説明する。図4は、実施形態にかかる端末装置100による文字入力処理を示すフローチャートである。
【0052】
まず、端末装置100が文字入力モードに切り替えられたことにより、表示制御部132が、図1(a)に示す操作領域R10aを表示しているものとする。ここで、第1表示制御部132aは、受付部131により第1領域R11を指定する操作が受け付けられたか否かを、また、第2表示制御部132bは、受付部131により第2領域R12を指定する操作が受け付けられたか否かを判定する(ステップS101)。
【0053】
第1表示制御部132aは、受付部131により第1領域R11を選択する操作が受け付けられた場合、すなわちユーザが子音入力しようとしている場合、第1領域R11の表示位置を中心とする操作領域R10bに第1入力候補として、「あ段」における子音文字を表示し、入力制御部133は、第1領域R11に表示される文字を入力欄V1に表示する(ステップS102)。
【0054】
このような状態において、第1表示制御部132aは、受付部131により第1入力候補の選択を確定する確定操作が受け付けられたか否かを判定する(ステップS103)。第1表示制御部132aは、確定操作が受け付けられていない場合(ステップS103;No)、受付部131により、これまで指定されていた領域とは異なる領域を指定するスライド操作が受け付けられたか否かを判定する(ステップS104)。
【0055】
第1表示制御部132aは、これまで指定されていた領域とは異なる領域を指定するスライド操作が受け付けられていない場合(ステップS104;No)、受け付けられるまで待機する。一方、第1表示制御部132aは、これまで指定されていた領域とは異なる領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合(ステップS104;Yes)、スライド操作により指定された領域に対応付けている第1入力候補を、9個の領域のいずれかに表示するとともに、他の領域に表示していた第1入力候補を非表示とする。また、入力制御部133は、これまで入力欄V1に表示していた文字の代わりに、スライド操作により選択された文字を表示する(ステップS105)。
【0056】
ステップS103に戻り、第1表示制御部132aは、受付部131により確定操作が受け付けられた場合(ステップS103;Yes)、操作領域R10bを非表示とし、表示制御部132は、第2領域R12に選択が確定された第1入力候補を表示する(ステップS106)。
【0057】
このように、第1入力候補の選択が確定された状態において、第2表示制御部132bは、受付部131により第2領域R12を選択する操作が受け付けられたか否かを判定する(ステップS107)。
【0058】
第2表示制御部132bは、受付部131により第2領域R12を選択する操作が受け付けられた場合(ステップS107;Yes)、第2領域R12の表示位置を中心とする操作領域R10cに第2入力候補として、確定された第1入力候補に対応する文字(例えば、確定された第1入力候補を含む「行」の文字)を表示する(ステップS108)。
【0059】
このような状態において、第2表示制御部132bは、受付部131により第2入力候補の選択を確定する確定操作が受け付けられたか否かを判定する(ステップS109)。第2表示制御部132bは、確定操作が受け付けられていない場合(ステップS109;No)、受付部131により、これまで指定されていた領域とは異なる領域を指定するスライド操作が受け付けられたか否かを判定する(ステップS110)。
【0060】
第2表示制御部132bは、これまで指定されていた領域とは異なる領域を指定するスライド操作が受け付けられていない場合(ステップS110;No)、受け付けられるまで待機する。一方、第2表示制御部132bは、これまで指定されていた領域とは異なる領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合(ステップS110;Yes)、スライド操作により指定された領域に対応付けている第2入力候補を、9個の領域のいずれかに表示するとともに、他の領域に表示していた第2入力候補を非表示とする。また、入力制御部133は、これまで入力欄V1に表示していた文字の代わりに、スライド操作により選択された文字を表示する(ステップS111)。
【0061】
ステップS109に戻り、第2表示制御部132bは、受付部131により確定操作が受け付けられた場合(ステップS109;Yes)、操作領域R10cを非表示とし、入力制御部133は、選択が確定された第2入力候補を入力文字として決定する。また、表示制御部132は、第2領域R12内の文字を初期状態の文字に戻す。
【0062】
さて、ここまで子音入力時の処理手順について説明してきた。次に、母音入力について説明する。ステップS101において、第2表示制御部132bは、受付部131により第2領域R12を選択する操作が受け付けられた場合、第2領域R12の表示位置を中心とする操作領域R10cに第2入力候補として母音文字を表示し、入力制御部133は、第2領域R12に表示される文字を入力欄V1に表示する(ステップS108)。なお、以降の処理は、ステップS108〜ステップS112に対応するため説明を省略する。
【0063】
〔5.変形例〕
上記実施形態にかかる端末装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、端末装置100の他の実施形態について説明する。
【0064】
〔5−1.入力文字決定処理〕
上記実施形態では、操作領域R10bを用いて、「あ段」における子音文字を選択させ、操作領域R10bにおいて選択された文字に対応する「行」を操作領域R10cに表示することで、入力したい文字を選択させ、選択された文字を入力文字として決定する例を示した。しかし、端末装置100は、操作領域R10bだけで入力文字を決定してもよい。この点について、図5を用いて説明する。図5は、変形例にかかる入力文字決定処理の一例を示す図である。なお、図5(a)〜図5(d)は、図1(a)〜図1(d)と同様であるので、ここまでの処理については説明を省略する。
【0065】
図5(a)〜図5(d)に示した処理は、「あ段」における子音文字を選択させる処理に該当する。このため、図5(d)において、さらに、第2領域R12を選択させることで、選択された「段」に対応する「行」を表示し、実際に入力したい文字を選択させるという流れが上記実施形態で示したものである。
【0066】
しかし、「あ段」における子音文字である「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の中に入力したい文字が存在する場合がある。例えば、ユーザは、「なさ」を入力したいとする。そして、このために、図5(a)〜図5(d)に示したように、「な」を入力するための処理が行われたとする。ここで、ユーザは、第2領域R12ではなく、再び、第1領域R11を選択したとする。このように、受付部131により第1入力候補の選択を確定させる確定操作が受け付けられた後に、第2領域R12ではなく、再び、第1領域R11を選択する操作が受け付けられた場合には、入力制御部133は、選択が確定された第1入力候補を入力文字として決定する。
【0067】
例えば、図5(d)は、「な」の選択が確定されている状態を示すが、このような状態で、受付部131により、再び、第1領域R11の選択が受け付けられた場合、図5(e)に示すように、入力制御部133は、入力欄V1に既に表示済みの「な」を入力文字として決定するとともに、「な」の次に「か」を表示する。
【0068】
例えば、ユーザは、図5(a)〜図5(d)に示す操作を行うことにより、入力欄V1に「な」を表示させることができる。そして、この時点で既に、入力欄V1に「な」が表示されているにも関わらず、「な」を入力文字として決定させるために、さらに第2領域R12を選択することで、操作領域R10cに表示された第2入力候補から再度「な」を選択するといった操作が必要となると、このような操作はユーザにとって面倒な場合がある。
【0069】
しかし、端末装置100は、操作領域R10bに表示される第1入力候補の選択が確定された後、再び、第1領域R11が選択された場合には、かかる選択が確定された文字を、入力文字として決定するとともに、決定した入力文字の次に、新たな文字入力のきっかけとなる文字(図5(e)の例では、「か」)を表示することで、操作領域R10cを用いた、入力文字として決定させるための2段階目の操作を省略させることができるため、ユーザビリティを高めることができる。
【0070】
〔5−2.文字入力処理〕
かかる変形例では、上記実施例において、図1および図3を用いて説明した操作領域とは、異なる操作領域の表示による文字入力処理について説明する。図6は、変形例にかかる文字入力処理の一例を示す図である。
【0071】
かかる変形例では、表示制御部132は、第1領域R11と第2領域R12とを、操作領域R10aの同一位置に同一形状で表示する。例えば、図6(a)に示すように、表示制御部132は、文字入力モードの初期状態として、第1領域R11Aと第1領域R11Bとを合わせた第1領域R11を含む操作領域R10aを表示する。また、このとき、表示制御部132は、第1領域R11Aと第1領域R11Bそれぞれに「あ」、「は」を表示する。
【0072】
このような状態において、図6(a)に示すように、受付部131により第1領域11Aが選択される選択が受け付けられた場合に、第1表示制御部132aは、図6(b)に示すように、第1領域11Aの表示位置を中心とする操作領域R10bに、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」を第1入力候補として表示する。また、入力制御部133は、入力欄V1に「あ」を表示する。
【0073】
このような状態において、図6(c)に示すように、受付部131により「あ」に対応する領域から「さ」に対応する領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合に、第1表示制御部132aは、9個の領域のうち、中央の領域に「さ」を表示するとともに、元々「さ」を対応付けていた領域を除いて、他の領域に表示していた第1入力候補を非表示とする。また、入力制御部133は、入力欄V1に表示している「あ」の代わりに「さ」を表示する。
【0074】
ここで、受付部131により「さ」に対応する領域を指定する操作が受け付けられなくなった場合、すなわちユーザにより第1入力候補「さ」の選択を確定する操作が行われた場合、図6(d)に示すように、第1表示制御部132aは、操作領域R10bを非表示に切り替える。また、表示制御部132は、選択が確定された第1入力候補「さ」を第1領域R11Aに表示する。
【0075】
また、かかる変形例では、このように第1領域R11Aを用いて、第1入力候補の選択が確定された後の第1領域R11Aを、第2領域R12Aとする。
【0076】
このような状態において、受付部131により第2領域R12Aを選択する操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、図6(e)に示すように、第2領域R12Aの表示位置を中心とする操作領域R10cに「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」を第2入力候補として表示する。
【0077】
そして、図6(f)に示すように、受付部131により「さ」に対応する領域から「し」に対応する領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、9個の領域のうち、中央の領域に「し」を表示するとともに、元々「し」を対応付けていた領域を除いて、他の領域に表示していた第2入力候補を非表示とする。また、入力制御部132は、入力欄V1に表示している「さ」の代わりに「し」を表示する。
【0078】
ここで、受付部131により「し」に対応する領域を指定する操作が受け付けられなくなった場合、すなわちユーザにより第2入力候補「し」の選択を確定する操作が行われた場合、図6(g)に示すように、第2表示制御部132bは、操作領域R10cを非表示に切り替え、入力制御部133は、選択が確定された第2入力候補「し」を入力文字として決定する。また、表示制御部132は、第1領域R11A内の文字を「さ」から初期状態の「あ」に戻す。
【0079】
続いて、第1領域R11のうち第1領域R11Bを用いて、文字入力される場合の処理について説明する。
【0080】
図6(g)に示すように、受付部131により第1領域R11Bが選択される選択が受け付けられた場合に、第1表示制御部132aは、図6(h)に示すように、第1領域R11Bの表示位置を中心とする操作領域R10bに、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」を第1入力候補として表示する。また、入力制御部133は、入力欄V1において「し」の次に「は」を表示する。
【0081】
このような状態において、図6(i)に示すように、受付部131により「は」に対応する領域から「ら」に対応する領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合に、第1表示制御部132aは、9個の領域のうち、中央の領域に「ら」を表示する。また、入力制御部132は、入力欄V1に表示している「は」の代わりに「ら」を表示する。
【0082】
ここで、受付部131により第1入力候補「ら」の選択を確定する操作が受け付けられた場合、図6(j)に示すように、第1表示制御部132aは、操作領域R10bを非表示に切り替える。また、表示制御部132は、選択が確定された第1入力候補「ら」を第1領域R11Bに表示する。
【0083】
また、かかる変形例では、このように第1領域R11B用いて、第1入力候補の選択が確定された後の第1領域R11Bを、第2領域R12Bとする。
【0084】
このような状態において、受付部131により第2領域R12Bを選択する操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、図6(k)に示すように、第2領域R12Bの表示位置を中心とする操作領域R10cに「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」を第2入力候補として表示する。
【0085】
そして、図6(l)に示すように、受付部131により「ら」に対応する領域から「り」に対応する領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、9個の領域のうち、中央の領域に「り」を表示する。また、入力制御部133は、入力欄V1に表示している「ら」の代わりに「り」を表示する。
【0086】
ここで、受付部131により第2入力候補「り」の選択を確定する操作が受け付けられた場合、図6(m)に示すように、第2表示制御部132bは、操作領域R10cを非表示に切り替え、入力制御部133は、選択が確定された第2入力候補「り」を入力文字として決定する。また、表示制御部132は、選択が確定された第2入力候補「り」を操作領域R11Bに表示する。また、表示制御部132は、第2領域R12B内の文字を「ら」から初期状態の「は」に戻す。
【0087】
このように、かかる変形例では、端末装置100は、第1領域R11Aが選択された場合に、「あ段」のうち「あ」〜「な」を第1入力候補として操作領域R10bに表示し、第1領域R11Bが選択された場合に、「あ段」のうち「は」〜「わ」を第1入力候補として操作領域R10bに表示する。そして、第1入力候補の選択が確定された後、第2領域12Aが選択されると、端末装置100は、「あ」〜「な」のうち、選択が確定された第1入力候補に対応する「行」の文字を第2入力候補として操作領域R10cに表示する。また、第1入力候補の選択が確定された後、第2領域R12Bが選択されると、端末装置100は、「は」〜「わ」のうち、選択が確定された第1入力候補に対応する「行」の文字を第1入力候補として操作領域R10cに表示する。
【0088】
端末装置100は、こうした操作領域R10bと操作領域R10cとを、ユーザ操作に応じて別々に表示して、文字の選択を受け付けることで、より少ないスペースでも容易な文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0089】
〔5−3.アルファベット入力処理〕
上記実施形態では、日本語の文字入力処理について説明してきた。しかし、上記文字入力処理は、アルファベット入力に適用されてもよい。そこで、以下の変形例では、アルファベットの文字入力処理について説明する。具体的には、上記実施例では、端末装置100が、「あ段」に対応する操作領域と、「行」に対応する操作領域を、ユーザ操作に応じて段階的に表示することで、文字入力させる例について説明した。しかし、かかる変形例では、端末装置100は、一般的にパソコン等のキーボードに採用されているクワーティー配列に基づいて、アルファベットの入力候補を表示する。この点について、図7に示すクワーティー配列の一例を参照しつつ、図8を用いて説明する。なお、以下に示す処理は、表示対象とする文字がアルファベットであるだけであり、各部位の処理は、上記各実施形態で説明してきたものと同様である。このため、各部位の詳細な説明は省略する。
【0090】
図8は、アルファベット入力に対応した文字入力処理の一例を示す図である。図8(a)は、端末装置100が文字入力モードに切り替えられたことにより、表示制御部132が、操作領域R10aを表示している状態を示す。図8(a)に示すように、表示制御部132は、互いに隣接する第1領域R11と第2領域R12を含む操作領域R10aを表示する。また、表示制御部132は、第1領域R11と第2領域R12それぞれに、「w」と「q」を表示する。かかる「w」と「q」は、図7に示すクワーティー配列に基づくものである。
【0091】
このような状態において、図8(a)に示すように、受付部131により第1領域11が選択される選択が受け付けられた場合に、第1表示制御部132aは、図8(b)に示すように、第1領域R11の表示位置を中心とする操作領域R10bに、「w」、「e」、「r」、「t」、「y」、「u」、「i」、「o」、「p」を第1入力候補として、それぞれ対応する各構成領域に表示する。また、入力制御部133は、入力欄V1に「w」を表示する。
【0092】
このような状態において、図8(c)に示すように、受付部131により「w」に対応する領域から「t」に対応する領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合に、第1表示制御部123aは、操作領域R11b内の所定の領域に「g」、「t」、「b」、「5」を表示する。また、入力制御部133は、入力欄V1に表示している「w」の代わりに「t」を表示する。
【0093】
ここで、受付部131により第1入力候補「t」を選択する選択操作が受け付けられた場合、図8(d)に示すように、第1表示制御部132aは、操作領域R10bを非表示に切り替える。また、表示制御部132は、選択が確定された第1入力候補「t」を第2領域R12に表示する。
【0094】
このような状態において、受付部131により第2領域R12を選択する操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、図8(e)に示すように、第2領域R12の表示位置を中心とする操作領域R10cに「g」、「t」、「b」、「5」を第2入力候補として表示する。この4個の第2入力候補は、図7に示すように、クワーティー配列において、選択が確定された第1入力候補「t」に対応する「行」に含まれるアルファベットである。
【0095】
そして、図8(f)に示すように、受付部131により「t」に対応する領域から「g」に対応する領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、9個の領域のうち、中央の領域に「g」を表示するとともに、元々「g」を対応付けていた領域を除いて、他の領域に表示していた第1入力候補を非表示とする。また、入力制御部133は、入力欄V1に表示している「t」の代わりに「g」を表示する。
【0096】
ここで、受付部131により第2入力候補「g」を選択する選択操作が受け付けられた場合、図8(g)に示すように、第2表示制御部132bは、操作領域R10cを非表示に切り替え、入力制御部133は、選択が確定された第2入力候補「g」を入力文字として決定する。また、表示制御部132は、第2領域R12内の文字を「t」から初期状態の「q」に戻す。
【0097】
次に、クワーティー配列における「q」、「a」、「z」の入力について説明する。図8(a)〜図8(f)では、「g」が入力される例について説明したが、続けて、「a」が入力される場合を例に挙げて説明する。
【0098】
図8(g)は、表示制御部132が、初期状態として、操作領域R10aを表示している状態を示す。そして、「q」、「a」、「z」の入力には、まず、第1領域R12が用いられる。上記例では、領域R12を第2領域R12として説明したが、「q」、「a」、「z」の入力では、領域R12を、第1領域R12とする。
【0099】
そして、図8(h)に示すように、受付部131により第1領域12が選択される選択が受け付けられた場合に、第1表示制御部132aは、図8(h)に示すように、第1領域11の表示位置を中心とする操作領域R10bに、「q」、「a」、「z」を第1入力候補として表示する。また、入力制御部133は、入力欄V1における「g」の次に「q」を表示する。この3個の第1入力候補は、図7に示すように、クワーティー配列において、「q」に対応する「行」に含まれるアルファベットである。
【0100】
このような状態において、図8(i)に示すように、受付部131により「q」に対応する領域から「a」に対応する領域を指定するスライド操作が受け付けられた場合に、第1表示制御部132aは、9個の領域のうち、中央の領域に「a」を表示するとともに、元々「a」を対応付けていた領域を除いて、他の領域に表示していた第1入力候補を非表示とする。また、入力制御部133は、入力欄V1に表示している「q」の代わりに「a」を表示する。
【0101】
ここで、受付部131により第1入力候補「a」を選択する選択操作が受け付けられた場合、図8(j)に示すように、第1表示制御部132aは、操作領域R10bを非表示に切り替え、入力制御部133は、選択が確定された第1入力候補「a」を入力文字として決定する。
【0102】
このように、アルファベット入力の場合、端末装置100は、クワーティー配列に基づく横一列のアルファベットを第1入力候補として表示する。そして、端末装置100は、表示した第1入力候補において、所定の文字の選択が確定された後、選択が確定された文字を含む「行」に対応するアルファベットを表示することで、入力文字を選択させる。これにより、端末装置100は、より少ないスペースでも容易なアルファベット入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0103】
なお、アルファベット入力においても、図6で説明した態様の処理が適用されてもよい。具体的には、表示制御部132は、初期状態において、第1領域R11Aに「q」、第1領域R11Bに「y」を表示する。
【0104】
ここで、受付部131により第1領域R11Aを選択する操作が受け付けられた場合に、第1表示制御部132aは、操作領域R10bに「q」、「w」、「e」、「r」、「t」を第1入力候補として表示する。ここで、例えば、「q」から「t」へスライド操作されたことにより、「t」を選択する操作が受け付けられ、その選択が確定されたとする。この場合、第1表示制御部132aは、操作領域R10bを非表示にし、表示制御部132は、第1領域R11Aに「t」を表示する。
【0105】
また、このように第1入力候補「t」の選択が確定された後、第2領域R12A(第1領域R11Aに対応)を選択する操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、選択が確定された第1入力候補(ここでは、「t」)に対応する「行」に含まれるアルファベット(ここでは、「t」、「g」、「b」、「5」)を第2入力候補として表示する。
【0106】
また、受付部131により第1領域R11Bを選択する操作が受け付けられた場合に、第1表示制御部132aは、操作領域R10bに「y」、「u」、「i」、「o」、「p」を第1入力候補として表示する。ここで、例えば、「y」から「u」へスライド操作されたことにより、「u」を選択する操作が受け付けられ、その選択が確定されたとする。この場合、第1表示制御部132aは、操作領域R10bを非表示にし、表示制御部132は、第1領域R11Aに「u」を表示する。
【0107】
また、このように第1入力候補「u」の選択が確定された後、第2領域R12B(第1領域R11Bに対応)を選択する操作が受け付けられた場合に、第2表示制御部132bは、選択が確定された第1入力候補(ここでは、「t」)に対応する「行」に含まれるアルファベット(ここでは、「u」、「j」、「m」、「7」)を第2入力候補として表示する。
【0108】
〔5−4.参照表示〕
変形例「5−3」において、クワーティー配列に基づくアルファベット入力について説明した。しかし、キーボードのように、クワーティー配列が一目で認識できない場合では、ユーザによっては、入力に困難を要する場合がある。例えば、図8(b)に示すように、クワーティー配列における「w」に対応する横一列を第1入力候補として表示した場合、かかる横一列に含まれる各文字に対応する「行」に含まれる文字が何であるかを、ユーザは、すぐに認識できない場合がある。
【0109】
例えば、「g」を入力したい場合、図8(b)において、まず「t」を選択すればよいことになるが、クワーティー配列に慣れていないようなユーザは、このようなことをすぐに認識することができず、結果として入力したい文字を見つけるまでに時間を要することになる。
【0110】
このようなユーザの特性を踏まえて、第1表示制御部132aは、第1入力候補のいずれかが選択された場合に、選択された入力候補に対応する第2入力候補を、操作領域R10bに参照表示する。この点について、図8(b)および図8(c)を用いて、説明する。
【0111】
図8(b)は、ユーザによって、第1領域R11が指定されたことにより、第1表示制御部132aが、クワーティー配列における「w」に対応する横一列の文字を第1入力候補として表示している例を示す。このような状態において、スライド操作等により「e」、「r」、「t」、「y」、「u」、「i」、「o」、「p」のいずれかが選択された場合に、第1表示制御部132aは、選択された第1入力候補に対応する「行」に含まれる文字、すなわち第2入力候補を操作領域R10bに参照表示する。
【0112】
例えば、図8(b)において、ユーザが、「w」に対応する領域から「t」に対応する領域へのスライド操作を行ったとする。かかる場合、第1表示制御部132aは、選択された第1入力候補「t」に対応する「行」に含まれる文字である「g」、「t」、「b」、「5」を、操作領域R10b内の所定の領域に参照表示する。
【0113】
また、図8(c)において、ユーザが、右に隣接する領域へとスライド操作したとする。かかる領域は空白であるが、図8(b)に示すように、第1表示制御部132aは、かかる領域に「y」を対応付けている。このため、第1表示制御部132aは、「y」に対応する「行」に含まれる文字である「y」、「h」、「n」、「6」を、操作領域R10b内の所定の領域に参照表示する。
【0114】
また、かかる空白の領域から下に隣接する領域へとさらにスライド操作されたとする。図8(c)の例では、この領域には「b」が参照表示されているが、一方で、図8(b)に示すように、第1表示制御部132aは、かかる領域に「u」を対応付けている。このため、第1表示制御部132aは、「u」に対応する「行」に含まれる文字である「u」、「j」、「m」、「7」を、操作領域R10b内の所定の領域に参照表示する。
【0115】
なお、このような参照表示は、アルファベット入力だけでなく、日本語入力に適用することもできる。例えば、図1(b)において、ユーザが、「か」に対応する領域から「な」に対応する構成領域へのスライド操作を行ったとする。この場合、第1表示制御部132aは、例えば、図1(c)において、「な」に対応する第2入力候補である「な」、「に」、「ぬ」、「ね」、「の」を操作領域R10b内の所定の領域に参照表示する。
【0116】
このように、端末装置100は、第1入力候補のいずれかが選択された場合に、選択された入力候補に対応する第2入力候補を参照表示する。これにより、端末装置100は、入力したい文字がいずれの行に属するかを容易に認識させることができるため、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0117】
〔5−5.視認性を考慮した表示〕
上述してきた実施形態では、第1表示制御部132aによって表示される第1領域および第2表示制御部132bによって表示される第2領域は、それぞれ9個の領域を含むが、必ずしも9個の領域全てに文字が表示されるとは限らない。例えば、50音における「行」を表示する場合、クワーティー配列に基づく「行」を表示する場合には、4〜5個の領域が使用される場合が多い(例えば、「あいうえお」に対応する5領域)。この場合、9個の領域のうち、いずれの領域を使用するかといったことに、ユーザの視認性を考慮してもよい。
【0118】
具体的には、第1表示制御部132aおよび第2表示制御部132bは、ユーザ操作によって視認性が低下すると予測される領域以外の領域に入力候補を表示する。この点について、図9を用いて説明する。図9は、視認性を考慮した文字表示を説明する図である。なお、ここでは、各表示制御部が、操作領域R10bおよび10c内の領域のうち4個の領域に文字を表示する場合、および、ユーザが右利きである場合について説明する。また、ここでは、第1表示制御部132aと第2表示制御部132bとをまとめて、表示制御部132abと表記することにする。
【0119】
図9に示す操作領域は、第1表示制御部132aおよび第2表示制御部132bによって表示される操作領域R10a、操作領域R10bに対応する。また、説明を簡単にするために、操作領域に含まれる各領域にR1〜R9を付している。
【0120】
ここで、例えば、領域R1が選択された場合、指や拳等によって領域R1、R4、R7、R8が隠れることにより、これらの領域に対する視認性が低下する。このため、表示制御部132abは、領域R1が選択された場合に、視認性が低下する領域以外の領域(注視領域とする)R2、R3、R5、R6に入力候補を表示する。
【0121】
また、例えば、領域R2が選択された場合、領域R2、R3、R6、R9に対する視認性が低下する。このため、表示制御部132abは、領域R2が選択されると、注視領域R1、R4、R5、R7、R8のいずれかに入力候補を表示する。
【0122】
また、例えば、領域R4が選択された場合、領域R4、R7、R8に対する視認性が低下する。このため、表示制御部132abは、領域R4が選択されると、注視領域R1、R2、R3、R5、R6、R9のいずれかに入力候補を表示する。
【0123】
また、例えば、領域R5が選択された場合、領域R6、R8、R9に対する視認性が低下する。このため、表示制御部132abは、領域R5が選択されると、注視領域R1、R2、R3、R4、R7のいずれかに入力候補を表示する。
【0124】
また、領域R3、R6、R9が選択された場合、表示制御部132abは、注視領域R1、R2、R4、R5、R7、R8のいずれかに入力候補を表示する。
【0125】
また、領域R7、R8が選択された場合、表示制御部132abは、注視領域R1、R2、R3、R4、R5、R6のいずれかに入力候補を表示する。
【0126】
なお、選択された領域に対して、どの領域を注視領域とするかは、図9で示した例に限るものではない。
【0127】
そして、このように、端末装置100は、選択されたことにより視認性の低下する領域には入力候補を表示せず、より視認しやすい領域に入力候補を表示することで、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0128】
〔5−6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態にかかる端末装置100は、例えば、図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図10は、端末装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0129】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0130】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0131】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0132】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0133】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる端末装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0134】
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0135】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0136】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0137】
〔7.効果〕
実施形態にかかる端末装置100は、受付部131と、第1表示制御部132aと、第2表示制御部132bとを有する。受付部131は、第1の領域を指定する操作を受け付ける。第1表示制御部132aは、受付部131によって第1の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、第1の入力候補を表示する。第2表示制御部132bは、第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、第1の入力候補のうち選択が確定された第1の入力候補に対応する第2の入力候補を表示する。
【0138】
このように、実施形態にかかる端末装置100は、第1入力候補と第2入力候補とを、ユーザ操作に応じて別々に表示して文字の選択を受け付けるため、例えば、日本語における「段」から「行」といったユーザに馴染みの深い入力手順を実現することができ、高精度な文字入力を可能とする入力インタフェースを提供することができる。
【0139】
また、第2表示制御部132bは、第1表示制御部132aによって表示された第1入力候補のいずれかの選択を確定する操作が行われた後に第2領域R12を指定する操作が受け付けられた場合に、選択が確定された第1の入力候補に対応する第2の入力候補を表示する。
【0140】
このように、実施形態にかかる端末装置100は、第1入力候補と第2入力候補とを、ユーザ操作に応じて別々に表示して文字の選択を受け付けるため、高精度な文字入力を可能とする入力インタフェースを提供することができる。
【0141】
第1表示制御部132aは、第1領域R11を中心とする領域に第1入力候補を表示し、第2表示制御部132bは、第2領域R12を中心とする領域に、選択が確定された第1入力候補に対応する第2入力候補を表示する。
【0142】
このように、実施形態にかかる端末装置100は、第1領域R11を中心とする操作領域R10bに第1入力候補を表示し、第2領域R12を中心とする操作領域R10cに第2入力候補を表示することで、より少ないスペースでの文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0143】
また、第2表示制御部132bは、第1の領域に隣接する位置に表示される第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、当該第2の領域を中心とする領域に第2の入力候補を表示する。
【0144】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、より少ないスペースでの容易な文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0145】
また、第2表示制御部132bは、第1の領域と同一の位置に表示される第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、当該第2の領域を中心とする領域に第2の入力候補を表示する。
【0146】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、より少ないスペースでの容易な文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0147】
また、第2表示制御部132bは、第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、当該第2の領域を中心とする領域であって、第1の入力候補が表示される領域と少なくとも一部が重なる領域に、第2の入力候補を表示する。
【0148】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、より少ないスペースでの容易な文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0149】
また、第1表示制御部132aは、第1の領域を中心とする領域のうち、ユーザ操作に基づいて視認性が低下すると予測される領域以外の領域に前記第1の入力候補を表示する。
【0150】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、ユーザにとって視認し易い領域に入力候補を表示することができるため、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0151】
また、第2表示制御部132bは、第2の領域を中心とする領域のうち、ユーザ操作に基づいて視認性が低下すると予測される領域以外の領域に前記第2の入力候補を表示する。
【0152】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、ユーザにとって視認し易い領域に入力候補を表示することができるため、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0153】
また、第1表示制御部132aは、第1の入力候補のいずれかが選択された場合に、選択された第1の入力候補に対応する第2の入力候補を選択不可能となった状態で、第1の領域を中心とする領域に表示する。
【0154】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、第1入力候補選択時に、選択された第1入力候補に対応する第2入力候補も表示することができるため、正確かつスムーズな文字入力を行わせることができる。
【0155】
入力決定部133は、第2表示制御部132bによって表示された第2の入力候補のいずれかが選択された場合に、選択された第2の入力候補を入力欄に表示するとともに、当該入力欄に表示した第2の入力候補を入力文字として決定する。
【0156】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、段階的な選択操作により文字入力を行わせることができるため、正確な文字入力を可能とすることができるとともに、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0157】
入力決定部133は、第1の入力候補のいずれかが選択された場合に、選択された第1の入力候補を入力欄に表示し、当該第1の入力候補に対応する第2の入力候補のいずれかが選択された場合に、当該入力欄に表示されている第1の入力候補の代わりに選択された第2の入力候補を当該入力欄に表示する。
【0158】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、段階的な選択操作により文字入力を行わせることができるため、正確な文字入力を可能とすることができるとともに、ユーザビリティの高い入力インタフェースを提供することができる。
【0159】
入力決定部133は、第1の入力候補のいずれかが選択された場合に、選択された第1の入力候補を入力欄に表示し、第1の入力候補のいずれかが選択された後に、第1の入力候補のいずれかが再度選択された場合に、入力欄に表示済みの第1の入力候補を入力文字として決定する。
【0160】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、2段階目の操作を省略させることができるため、スムーズな文字入力を行わすことができる。
【0161】
また、第1表示制御部132aは、第1の入力候補として、五十音におけるあ段に対応する文字を表示し、第2表示制御部132bは、第2の入力候補として、第1表示制御部によって表示されたあ段の文字から選択された文字に対応する五十音における行の文字を表示する。
【0162】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、「段」と「行」に対応する2段階の選択操作を行わすことで、容易かつ正確な文字入力を行わすことができる。
【0163】
また、第1表示制御部132aは、第1の入力候補として、クワ―ティー配列に基づく所定の文字を表示し、第2表示制御部132bは、第2の入力候補として、第1表示制御部によって表示された文字から選択された文字に対応し、クワ―ティー配列に基づく文字を表示する。
【0164】
また、第2表示制御部132bは、第1領域R11を指定することなく、第2領域R12を指定する操作が受け付けられた場合に、第2領域R12を中心とする領域に第2入力候補を表示する。
【0165】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、第1領域R11を指定させることで、第1入力候補を選択させた後、第2領域R12を指定させることで、第2入力候補を選択させるといった2段階の操作を行わす必要がないため、迅速な文字入力を行わすことができる。
【0166】
また、第2表示制御部132bは、第2入力候補として、五十音におけるあ段に対応する文字を表示する。
【0167】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、五十音におけるあ段を入力させる際には、1段階の操作で迅速な文字入力を行わすことができる。
【0168】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、容易かつ正確な文字入力を行わすことができる。
【0169】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0170】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0171】
100 端末装置
130 制御部
131 受付部
132 表示制御部
132a 第1表示制御部
132b 第2表示制御部
133 入力制御部
【要約】      (修正有)
【課題】ユーザビリティが向上する入力インタフェースを提供する。
【解決手段】端末装置100は、受付部131と、第1表示制御部132aと、第2表示制御部132bとを有する。受付部131は、第1の領域を指定する操作を受け付ける。第1表示制御部132aは、受付部131によって第1の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、第1の入力候補を表示する。第2表示制御部132bは、第2の領域を指定する操作が受け付けられた場合に、第1の入力候補のうち選択が確定された第1の入力候補に対応する第2の入力候補を表示する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10