(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5926464
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】液化ガスで燃料タンクを充填する方法及び液化ガス燃料システム
(51)【国際特許分類】
F17C 13/00 20060101AFI20160516BHJP
F17C 6/00 20060101ALI20160516BHJP
B63H 21/38 20060101ALI20160516BHJP
B63B 25/16 20060101ALI20160516BHJP
【FI】
F17C13/00 302D
F17C6/00
B63H21/38 B
B63B25/16 Z
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-547097(P2015-547097)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2016-505780(P2016-505780A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】FI2012051244
(87)【国際公開番号】WO2014091060
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】503129903
【氏名又は名称】ワルトシラ フィンランド オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ソーレン
【審査官】
西 秀隆
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−503463(JP,A)
【文献】
特開平06−034099(JP,A)
【文献】
特開昭56−120485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 6/00
F17C 13/00
B63B 25/16
B63H 21/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスの燃料タンクを充填する方法であって、前記液化ガスは、前記タンク内の前記液化ガスの表面より下の前記タンクの下方セクションに前記ガスが導入されるように前記液化ガスが前記タンクにもたらされ、充填手順の第1段階の間、前記ガスが前記タンクの前記下方セクションに導入される一方、前記タンクの圧力は所定の設定圧力より下に維持され、
前記タンクの前記圧力は、前記タンク内の前記液化ガスの前記表面より上の前記タンクの上方セクションのガススペースへの前記液化ガスの噴霧によって所定の設定圧力より下に維持され、前記充填手順の所定の状態において、前記充填手順の第2段階が開始され、前記充填手順の前記第2段階の間、前記タンクの前記上方セクションの前記ガススペースへの前記液化ガスの噴霧は、減少され且つ前記タンクの前記圧力は上昇するようにされ、前記充填手順の前記第2段階は、前記タンクの所定の充填段階に達するまで実行される、ことを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記第2段階の最後に、ガス圧力は前記タンクに接続されるガス利用エンジンによって必要とされるレベルにある、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充填手順の所定の段階の後、前記タンクの前記上方セクションの前記ガススペースへの前記液化ガスの前記噴霧の制御は、第2の所定の設定圧力が、船舶のエンジンの必要とされるガス供給圧力に対応する前記制御に設定されるように、実行される。
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記充填手順の前記第1段階の間に前記タンクにもたらされる前記ガスの一部は、前記タンクの前記液化ガスの前記表面より上の前記タンクの前記上方セクションの前記ガススペースに噴霧される、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1段階の間、前記タンクの前記上方セクションの前記ガススペースに噴霧される前記ガスの一部は、前記タンクに導入される前記ガスの一定部分であるように設定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1段階の間、前記タンクの前記上方セクションの前記ガススペースへの前記液化ガスの噴霧速度は、前記タンクの実際のガス圧力が前記充填手順の前記所定の状態まで減少傾向を有するように、制御される、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
充填プロセスの間、前記タンクの前記液化ガスの前記表面より上の前記タンクの前記上方セクションの前記ガススペースに噴霧される前記液化ガスは、前記タンクの前記下方セクションから再循環される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記タンクの前記上方セクションの前記ガススペースへの前記液化ガスの噴霧速度は、前記タンクの実際のガス圧力と前記所定の設定圧力との間の差に基づいて制御される、
請求項1又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2段階の間、前記タンクの前記上方セクションの前記ガススペースへの前記液化ガスの噴霧の速度は、完全に停止される、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記方法において、前記所定の状態は、前記第2段階の継続時間が最小化されるように、定められる。
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ガス動作式エンジンのための液化ガス燃料システムであって:
− 少なくとも1つのガス動作式エンジンと接続している燃料タンクと、
− そこに液化ガスの外部ソースが一時的に接続され得る入口コネクタを有する燃料ラインであって、
− 前記燃料ラインは少なくとも2つの分岐を有し、その第1の一方は前記タンクに延びるとともに前記タンクの底部の近傍にその出口を有し、第2の分岐は複数の噴霧ノズルを備えるその出口を有して前記タンクに延びる、燃料ラインと、
− 制御ユニット、を有し、
前記制御ユニットは、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、ことを特徴とする、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前段部による液化ガスで燃料タンクを充填することに関する。
【0002】
本発明はまた、液化ガス燃料システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ガスは、船及び他の船舶の原動機及び補機用機関用にますます魅力的な燃料になっている。特に、限定されるものではないが、天然ガス(NG)は、その有用性のために適している。天然ガスは、大気環境において、主にメタンの並びに少量のエタン、プロパン、ブタン及び窒素からなる混合気体である。それは、石炭と比較して高い水素含有量を有するので、燃やされるとき、特に、低い量のエミッション、非常にきれいな燃焼過程を提供し、基本的に汚染物質を含まない。特に、乗客が乗船する、クルーズ船、フェリー及びいわゆるローパックス船では、船のエンジンの排気ガスにおけるすす排出及び目に見える煙の無いことは、エンジン用の、しかしまた貨物及びバルク材料を運ぶための船舶用の燃料としてNGを使用することによって促進される非常に重要な特徴である。通常、天然ガスは、約−162℃の温度で液化天然ガス(LNG)として貯蔵され、したがって、特にLNGが、典型的にはガス動作式ピストンエンジンが必要とするレベルである高圧、約5barで、貯蔵されるとき、貯蔵が問題を引き起こす。
【0004】
燃料を積みこむとき、すなわち、LNG燃料船舶の燃料庫を充填するとき、船舶のLNGタンク内部の圧力は通常、貯蔵タンク、すなわち、LNG貯蔵タンクの圧力に比べて船舶のタンクが最少の/十分低い逆圧を有するように、貯蔵タンクから船舶のLNGタンクへの液化ガスの流れを促進するために低くされる必要がある。圧力の低下は、タンクの上部から冷たいLNGをスプレーすることによって達成されることができ、これは気相のガスを冷却させ、圧力を減少させる。
【0005】
しかし、燃料を積み込んだ後、圧力は、ガスを船舶のエンジンに適切な圧力で供給するために十分なガス圧力を有するように再び回復されなければならない。従来技術のシステムでは、圧力は、いわゆる圧力増大回路を用いてLNGを加熱しタンクの上部でガスを返すことによって回復される。
【0006】
船舶のエンジンが動作していない又は単にアイドリングしている場合、燃料積み込み後には限られた利用可能な熱しかない。これは、圧力の増大に長い時間がかかることを意味する。
【0007】
特許文献1には、船舶推進用に使用される少なくとも1つのガスエンジンのためのLNG燃料タンクシステムが示され、少なくとも1つのLNG燃料タンク及びガス容器を有し、LNG充填ラインを用いて陸上のLNG圧力タンク充填施設から積み込まれることになり、LNG燃料タンクは、船舶低圧制御式大気圧LNGタンクであり、ガス容器は、LNG積み込み及びLNG燃料タンクを圧力開放する間のそれぞれで、瞬間的に蒸発した及びボイルオフガスを蓄積するように構成される、シングルシェル非断熱圧力容器である。ガスエンジンは、予め定められたガス容器圧力に応じて、ガス容器又はLNG燃料タンクのいずれかから燃料を供給される。したがって、この刊行物は、LNG燃料タンクとガス容器との間に接続されたコンプレッサを用いてLNG燃料タンクの圧力を維持しながら、LNG積み込みの間に瞬間的に蒸発した及びボイルオフガスを蓄積することを示唆している。船舶のガスエンジンに燃料を供給することは、圧力が約5−6bar基準に近づくまでガス容器からのガスが使用されるように行われ、その後燃料供給はLNG燃料タンクからもたらされる。
【0008】
特許文献1に示された燃料システムはそのようなものとして有利であり得るが、最近、特に船舶のLNGタンクが圧力容器である状況において、船舶のLNG燃料タンクに燃料を積み込む他の解決方法を提供する要求が現れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2011053164A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、よりシンプルな動作及び船舶のガス動作式ピストンエンジンのための燃料としてガスの即座の利用を提供する、液化ガスで燃料タンクを充填するための方法及び液化ガスシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、独立請求項に開示されるように実質的に満たされる。他の請求項は、本発明の異なる実施形態のより多くの詳細を提供する。
【0012】
本発明によれば、燃料タンクは、ガスがタンク内の液化ガスの表面より下のタンクの下方セクションに導入されるよう液化ガスがタンクにもたらされるように液化ガスを伴う充填手順によって充填され、充填手順の第1段階の間、ガスがタンクの下方セクションに導入される一方、タンクの圧力は、タンク内の液化ガスの表面より上のタンクの上方セクションのガススペースへの液化ガスの噴霧によって所定の設定圧力より下に維持される。方法では、充填手順の所定の状態において、手順の第2段階が開始され、この間、タンクの上方セクションのガススペースへの液化ガスの噴霧は減少し、第2段階は、タンクの所定の充填段階に達するまで実行される。
【0013】
本発明の実施形態によれば、第2段階の最後に、ガス圧力はタンクに接続されるガス利用エンジンによって必要とされるレベルにある。
【0014】
本発明の実施形態によれば、充填手順の所定の段階の後、タンクの上方セクションのガススペースへの液化ガスの噴霧の制御は、制御のための第2の所定の設定圧力が設定されるように、実行され、これは、船舶のエンジンの必要とされるガス供給圧力に対応する。
【0015】
本発明の実施形態によれば、充填手順の第1段階の間にタンクにもたらされるガスの一部は、タンクの液化ガスの表面より上のタンクの上方セクションのガススペースに噴霧される。
【0016】
本発明の実施形態によれば、第1段階の間、タンクの上方セクションのガススペースに噴霧されるガスの一部は、タンクに導入されるガスの一定部分であるように設定される。
【0017】
本発明の実施形態によれば、第1段階の間、タンクの上方セクションのガススペースへの液化ガスの噴霧速度は、タンク内の実際のガス圧力が充填手順の所定の状態まで減少傾向を有するように、制御される。
【0018】
本発明の実施形態によれば、充填プロセスの間、タンクの液化ガスの表面より上のタンクの上方セクションのガススペースに噴霧される液化ガスは、タンクの下方セクションから再循環される。
【0019】
本発明の実施形態によれば、上述のタンクの上方セクションのガススペースへの液化ガスの噴霧速度は、タンクの実際のガス圧力と所定の設定圧力との間の差に基づいて制御される。
【0020】
本発明の実施形態によれば、第2の段階の間、タンクの上方セクションのガススペースへの液化ガスの噴霧の速度は、完全に停止される。
【0021】
本発明の実施形態によれば、方法において、所定の状態は、第2の段階の継続時間が最小化されるように、定められる。
【0022】
タンクの低い逆圧は、より迅速な燃料積み込みを可能にし、タンクの動作圧力は、燃料積み込み直後に圧力増大システムの最小の必要を伴って維持される。
【0023】
本発明のさらなる実施形態によれば、ガス動作式エンジンのための液化ガス燃料システムは、少なくとも1つのガス動作式エンジンと接続している燃料タンク、そこに液化ガスの外部ソースが一時的に接続され得る入口コネクタを有する燃料ラインであって、供給ラインは少なくとも2つの分岐を有し、その第1の一方はタンクに延びるとともにタンクの底部の近傍にその出口を有し、第2の分岐は複数の噴霧ノズルを備えるその出口を有してタンクに延びる、燃料ライン、及び制御ユニットを有し、制御ユニットは、請求項1−11のいずれか1つによる方法を実行するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下では、本発明が添付の概略図を参照して記載される。
【
図1】本発明による燃料供給システムの実施形態を示す。
【
図2】本発明による充填手順の間の圧力のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明による燃料システム10の実施形態を示す。燃料システムは、船舶16の少なくとも1つのガス動作式エンジン14と接続する燃料タンク12を有するので、エンジンは、燃料タンクに貯蔵されたガスを使用して運転され得る。ガス、特に液化天然ガスは、タンク12に、相当低い温度、典型的には、極低温状態として記載される約−162℃の温度で貯蔵される。典型的には、ガスは、ガスの一部がタンクの底部12.1において液化ガスであるとともに一部が上方部分12.2、すなわちガスの液体部分より上のタンクのガススペースで気体のガスであるように、タンクを満たす。タンク12は、タンク装置のLNGが過度に温まることを防ぐために断熱材(図示せず)を有する。
【0026】
この例示的な実施形態では、タンクは、燃料導管18を介してエンジン14に接続される。燃料導管は、それによって液化ガスが要求に応じてエンジンに供給する前に蒸発させられ得る、エバポレータ20を備える。このエバポレータは、エンジンの運転中エンジンで燃焼されるガスがタンク12の液化ガスから連続的に蒸発させられるので、主エバポレータと呼ばれるタンク12はまた圧力増大システム22を備え、それによってタンク12の圧力が、燃料をエンジンに機械的なポンピングが無くても必要な供給圧力で供給することを可能にするレベルに維持され得る。圧力増大システム22は、タンクの底部セクションからタンク12の上部セクションに通じる導管22.1及び導管に配置されたエバポレータ22.2を有する。圧力増大システムの動作の間、液化ガスは、エバポレータで気体の形態に変わり、タンクの上方部分に導かれる。蒸発過程は、タンクの圧力を上昇させる。圧力はセンサ56によって検出され、このセンサは制御ユニット54と接続している。バルブ50が導管22.1に配置され、それによって、導管のガスの流量が制御され得る。バルブの動作は、燃料システム10を制御するように構成される制御ユニット54によって制御される。
【0027】
エンジンはタンクのガスを消費するので、タンクは液化ガスで時折充填されなければならない。タンクを充填する(燃料積み込みとも呼ばれる)ために、タンク12は、充填システム24を備える。充填システムは、入口コネクタ28を持つ供給ライン26を有し、この入口コネクタの中に、液化ガスの外部ソース30が燃料積み込みのために一時的に接続され得る。供給ラインは少なくとも2つの分岐を有し、この分岐の第1のものは、タンク12に延びるとともにタンクの底部の近くにその出口34を有する。したがって、供給ラインの第1の分岐32は、タンク12の液化ガスの表面より下に開いている。第2の分岐36もまたタンク12に延びるが、気体状ガスのスペースに開いているタンクの上部の近傍にその出口38を有する。出口38は、液化ガスがノズルを通じてタンクに導入されるとき液化ガスを小さく微粒化する、複数の噴霧ノズル40を有する。
【0028】
タンクが充填されるとき、液化ガスの外部ソース30は、コネクタ28に接続され、任意の準備的動作が実行される。タンク12の圧力は、液化ガスがタンク12に流れ込み得るように、ソース30の圧力より低いレベルに下げられる。外部ソースの圧力は、センサ58によって測定され得る。タンクの充填の間、タンク12からエンジン14への燃料の供給は停止されるとともに、エンジンは、停止され得る又は他の可能な燃料ソースを使用して運転され得る。
【0029】
ここで、液体状態の燃料は、タンクの液化ガスの表面より下で、第1の分岐32を通じてタンクの下方セクション21.1に導入される。これは液化ガスの表面を上昇させ、タンクの上方セクション12.2のガス圧力はそれにしたがって上昇する傾向がある。したがって、充填手順の第1段階の間、液化ガスがタンクの下方セクション12.1に導入されながら、タンクの圧力は、燃料供給ライン26の第2の分岐36を用いて、タンクの液化ガスの表面より上のタンクの上方セクションのガススペース12.2に液化ガスを噴霧することによって、所定の設定圧力より下に維持される。液化ガスの噴霧は、ガスの急速な蒸発をもたらすとともに熱を必要とし、蒸発は温度を、したがってそれに応じてガスの圧力も低下させる。噴霧動作は、燃料システム10を制御するように構成される制御ユニット54によって制御される。
【0030】
本発明によれば、充填手順の所定の状態において、手順の第2の段階が開始され、この第2の段階の間、タンクの上方セクションのガススペース12.2への液化ガスの噴霧が、減少又は停止される。これは、タンクの圧力上昇をもたらす効果を有する。
【0031】
充填手順の第2の段階は、満杯に充填されているような、タンクの所定の充填状態に応じて終了する。有利には、第2の段階は、全充填手順の最後に応じて終了わる。また、第2の段階の最後において、ガス圧力は、タンクに接続されたエンジンを使用するガスによって必要とされるレベルである。
【0032】
充填手順の所定の状態は、タンクの所定の充填レベル、充填の所定の経過時間又はさらにタンクを満杯に充填するための残りの時間若しくは残りの燃料量の推定であり得る。
【0033】
本発明の実施形態によれば、充填手順の所定の段階の後、タンクの上方セクションのガススペース12.2への液化ガスの噴霧は、船舶のエンジン14の必要なガス供給圧力に対応する第2の所定の設定圧力が設定されるとともにガスの噴霧速度が制御ユニットによって制御されるように、実行される。ガススペース12.2への噴霧は、タンクへの全燃料流量の所望の部分を含む。有利には、噴霧は、第2の分岐36のバルブをオン/オフの方法で操作することによって制御される。また、全燃料を、ノズル40を通じて導入することも可能である。
【0034】
充填手順の第1の段階の間、タンクの圧力が所定の設定圧力より低く維持されるように、タンクにもたらされるガスの一部がタンクの液化ガスの表面より上のタンクの上方セクションのガススペースに噴霧されるよう、タンクの圧力は制御される。
【0035】
図に示されていないとしても、タンクの液化ガスの表面より上のタンクの上方セクションのガススペースに噴霧される液化ガスが、タンクの下方セクションから再循環されることがある場合に考えられる。
【0036】
実施形態によれば、充填手順の第2の段階の間、タンクの上方セクションのガススペースに噴霧されるガスの一部は、タンクに導入されるガスの一定部分であるように設定され、第2の分岐36のバルブは一定位置に設定される。このように、制御はシンプルであり、位置を設定することは、液化ガスをタンク12の下方セクション12.1に導入しながら圧力を維持又はさらに減少させるために十分高い噴霧される液化ガスの流速を提供する。
【0037】
充填の能動制御を実行するとき、上述のタンクの上方セクションのガススペースへの液化ガスの噴霧の速度は、タンクの実際のガス圧力が充填手順の所定の状態まで減少傾向を有するように、制御される。
【0038】
本発明の実施形態によれば、上述のタンクの上方セクションのガススペースへの液化ガスの噴霧の速度は、タンクの実際のガス圧力と所定の設定圧力との間の差に基づいて制御される。
【0039】
図2には、時間又はタンクの充填状態(水平軸)に応じたタンクの圧力(垂直軸)のグラフが示される。充填手順の第1の段階Aの間、タンクの圧力は、充填が進む間に、減少傾向を有する。充填手順の所定の状態Cから始まって、圧力は、タンクの上方セクションのガススペースへの液化ガスを噴霧することを減少させること又は停止することによって、かなり急速に上昇するようにされる。所定の状態Cの後、充填手順の第2の段階Bが実行され、この間、圧力は、タンクの所定の充填段階に達するまで、かなり増加する。
【0040】
ほんのわずかの本発明の最も有利な実施形態しか上に記載されていないことが留意されるべきである。したがって、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、添付の請求項の範囲内で多くの方法で応用され得ることが明らかである。望まれるならばそして技術的に実行可能であれば、様々な実施形態に関連して開示された特徴はまた、本発明の範囲内で他の実施形態と関連して使用されることができる及び/又は異なる組立体が、開示された特徴から組み合わされることができる。