(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5926481
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】モジュール通信
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20160516BHJP
H04L 12/733 20130101ALI20160516BHJP
【FI】
H04L12/28 200A
H04L12/733
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-212959(P2010-212959)
(22)【出願日】2010年9月24日
(65)【公開番号】特開2011-71992(P2011-71992A)
(43)【公開日】2011年4月7日
【審査請求日】2013年9月20日
(31)【優先権主張番号】0916869.1
(32)【優先日】2009年9月25日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506388923
【氏名又は名称】ジーイー・アビエイション・システムズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・マーク・デュンスドン
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・ジェームス・サイクス
【審査官】
大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−071688(JP,A)
【文献】
特表2004−507162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04L 12/733
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機に関連する複数のモジュール間で通信するための通信ネットワークであって、
複数の通信ゲートウェイを備え、
前記通信ゲートウェイの各々は、少なくとも1つの他の通信ゲートウェイに接続可能であり、
前記複数のモジュールの各々は、前記航空機のコンポーネントからのデータを収集する監視ユニットであり、各モジュールは、前記複数の通信ゲートウェイの1つに接続され又は関連付けられ、
各通信ゲートウェイは動的モジュール命名リストを含み、該動的モジュール命名リストは、前記通信ゲートウェイから前記通信ネットワーク内の登録されたモジュールへのルートを決定するルートテーブルを含み、メッセージを、受信側モジュールのローカル通信ゲートウェイへの最短ルートを用いることにより、適切な受信側モジュールに向けて方向付けることを該通信ゲートウェイに可能ならしめ、
前記通信ゲートウェイの各々の動的モジュール命名リストは、前記通信ネットワーク内で使用可能なモジュールについて更新される
ことを特徴とする通信ネットワーク。
【請求項2】
前記動的モジュール命名リストは、モジュールが、前記通信ネットワークへ追加され、或いは、除去されたことが、前記通信ネットワーク内の各通信ゲートウェイの前記動的モジュール命名リストに通信されることによって、自動的に更新されることを特徴とする請求項1記載の通信ネットワーク。
【請求項3】
1つのモジュールが前記通信ネットワークに追加されると、そのモジュールは、通信ゲートウェイに登録されて、そのゲートウェイのための前記動的モジュール命名リストが更新されるようになされており、また、前記追加されたモジュールのこのゲートウェイへの前記登録は、すべての直接接続されたゲートウェイに送信され、前記通信ネットワーク内のすべてのゲートウェイに段階的に転送され、それらの動的モジュール命名リストが更新されるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信ネットワーク。
【請求項4】
モジュールがシャットダウンすると、当該モジュールは、登録解除メッセージを送信して、そのモジュールが接続されている前記通信ゲートウェイに対し、そのモジュールがもはや使用可能でなくなることを警告し、その結果、このゲートウェイのための前記動的モジュール命名リストが更新され、また、前記登録解除メッセージの情報がすべての直接接続されたゲートウェイに送信され、前記通信ネットワーク内のすべてのゲートウェイに段階的に転送され、その結果、各ゲートウェイの前記動的モジュール命名リストが更新されるように構成されることを特徴とする請求項3に記載の通信ネットワーク。
【請求項5】
前記動的モジュール命名リストは、前記通信ゲートウェイがメッセージを適切な受信側モジュールに向けて、前記通信ネットワーク内で直接接続されたゲートウェイを介して送ることができるようにするよう構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の通信ネットワークのための通信ゲートウェイ。
【請求項6】
通信ネットワーク内の複数のモジュール間で通信する方法であって、
前記通信ネットワークは、複数の通信ゲートウェイと、航空機に関連する前記複数のモジュールとを含み、
各モジュールは、前記航空機のコンポーネントからのデータを収集する監視ユニットであり、
各モジュールは、前記複数の通信ゲートウェイの1つに接続または関連付けられ、各通信ゲートウェイは、少なくとも1つの他の通信ゲートウェイに接続可能であり、
各通信ゲートウェイは動的モジュール命名リストを含み、該動的モジュール命名リストは、前記通信ゲートウェイから前記通信ネットワーク内の登録されたモジュールへのルートを決定するルートテーブルを含み、メッセージを、受信側モジュールのローカル通信ゲートウェイへの最短ルートを用いることにより、適切な受信側モジュールに向けて方向付けることを該通信ゲートウェイに可能ならしめ、
前記方法は、
メッセージをモジュールから該モジュールのローカル通信ゲートウェイへ方向づける工程と、
宛先モジュールへの最短ルートを、前記ローカル通信ゲートウェイの前記動的モジュール命名リストから決定する工程と、
前記動的モジュール命名リストから決定された前記最短ルートに示された次の通信ゲートウェイまたはモジュールに、前記メッセージを転送する工程と、
前記通信ゲートウェイの各々の動的モジュール命名リストを、前記通信ネットワーク内で使用可能なモジュールについて更新する工程と
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク内のモジュール間の通信など、モジュール通信に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のシステムは、システム内のモジュールが互いに通信することができるネットワークを有する。例えば、航空機、船舶、タービンなどの機械、工場および病院は、互いに通信する必要のあるモジュールを有する。航空機には、例えば、エンジン制御装置、エンジン監視ユニット、航空機監視ユニット、および地上局など、互いに通信する必要のある様々なモジュールがある。
【0003】
従来、各モジュールに接続されてモジュール間の通信を処理する、セントラルロケータが使用される場合がある。しかし、モジュールのすべてがセントラルロケータを介して接続されるので、これが単一障害点となり、重要または重大なシステムには適していない。あるいは、モジュールを分散ネットワーク内で共に接続し、各モジュールが、別の特定のモジュールと通信するためにネットワーク内で取るべきルートを示す、リストまたはテーブルを有する場合がある。しかし、あるモジュールが除去されるか、または、新しいモジュールが追加されるとき、ネットワーク内のあらゆるモジュールのためのリストまたはテーブルを手動で更新する必要がある。これは時間のかかる行為であり、結果として、システムのダウンタイムが長く、頻繁になり、一般に不都合である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のモジュール間の通信に関する問題の少なくともいくつかを、克服または緩和することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、モジュール間で通信するための通信ネットワークが提供され、
各モジュールは、通信ゲートウェイに接続または関連付けられるように構成され、各通信ゲートウェイは、ネットワークを形成する少なくとも1つの他の通信ゲートウェイに接続可能であり、
各通信ゲートウェイは、動的モジュール命名リストを有して、メッセージを適切な受信側モジュールに向けて、ネットワーク内で直接接続された通信ゲートウェイを介して送ることができるようにする。
【0006】
各通信ゲートウェイの動的モジュール命名リストは、モジュールの追加または除去になどによって、ネットワーク内のモジュールの状況について自動的に更新されるので、時間をかけて手動で更新する必要はない。
【0007】
モジュールがネットワークに追加されるとき、モジュールは、通信ゲートウェイに登録され、その結果、そのゲートウェイのための動的モジュール命名リストが次いで更新されるように構成される。追加されたモジュールのこのゲートウェイへの登録は、すべての直接接続されたゲートウェイに送信され、ネットワーク内のすべての他のゲートウェイにカスケードされ、その結果、ネットワーク内の各通信ゲートウェイの動的モジュール命名リストが追加されたモジュールを含むようになる。ネットワーク内の各ゲートウェイのための動的モジュール命名リストは、ネットワーク内のあらゆるモジュールへの少なくとも1つのルートを保持することが好ましい。
【0008】
モジュールがシャットダウンするとき、モジュールは、登録解除メッセージを送信して、ネットワーク内のゲートウェイに対し、そのモジュールがもはや使用可能でないことを警告するように構成される。複数のゲートウェイの間のリンクが失われるか、または閉じられる場合、そのリンクを含む動的モジュール命名リストにおけるいかなるルートも除去される。逆に、複数のゲートウェイの間のリンクが追加される場合、ルート更新が告知される。
【0009】
各通信ゲートウェイは、モジュールの追加または除去によって自動的に更新される、動的モジュール命名リストを有し、また、この更新は、すべての直接接続されたゲートウェイに送信され、ネットワーク内のすべての他のゲートウェイにカスケードされるので、包括的な現行の動的モジュール命名リストがすべてのモジュールにとって使用可能である。よって、更新されたデータをネットワーク内の各通信ゲートウェイに手動で入力する必要なしに、また、単一障害点になる単一のセントラルロケータに依拠する必要なしに、信頼性のある通信が達成される。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、ネットワークのための通信ゲートウェイが提供される。通信ゲートウェイは、通信ゲートウェイがメッセージを適切な受信側モジュールに向けて、ネットワーク内で直接接続されたゲートウェイを介して送ることができるようにするための、動的モジュール命名リストを含む。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、ネットワーク内のモジュール間で通信する方法であって、
各モジュールは、通信ゲートウェイに接続または関連付けられるように構成され、各通信ゲートウェイは、ネットワークを形成する少なくとも1つの他の通信ゲートウェイに接続可能であり、
各通信ゲートウェイは、メッセージを適切な受信側モジュールに向けて、ネットワーク内で少なくとも1つの直接接続されたゲートウェイを介して送るためのルートを決定できるように、動的モジュール命名リストを有する、方法において、
メッセージをモジュールからそのローカル通信ゲートウェイへ渡すこと、
宛先モジュールへのルートを、ローカルゲートウェイの動的モジュール命名リストから決定すること、および
動的モジュール命名リストから決定されたルートに示された次の通信ゲートウェイまたはモジュールに、メッセージを転送することを備える方法が提供される。
【0012】
本発明の実施例を、以下に添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】モジュール間で通信するための通信ネットワークの第1の実施例を例示する図である。
【
図2】モジュール間で通信するための通信ネットワークの第2の実施例を例示する図である。
【
図3】モジュールがネットワークに追加されるとき、動的モジュール命名リストがどのように更新されるかを例示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、モジュールX、YおよびZの間で通信するためのネットワーク10を例示する。これらのモジュールは、別のデバイスと通信する必要のある、いかなるデバイスの形態を取ってもよい。例えば、航空機では、エンジン制御装置、エンジン監視ユニット、航空機監視ユニットおよび地上局が互いに通信する必要のある場合があり、タービンでは、タービン制御装置が、例えば、電力制御装置および安全制御装置と通信する必要のある場合がある。
図1の実施例では、各モジュールX、YおよびZは、対応する通信ゲートウェイ20、30、40に接続される。これらのモジュールX、Y、Z、および、その対応する各ゲートウェイ20、30、40は、
図1の破線で示すユニット21、31、41を形成する。各通信ゲートウェイ20、30、40は、少なくとも1つの他の通信ゲートウェイにするための接続22、32、42を有する。この接続は、いかなる形式を取ってもよく、また、例えば、電線もしくは光ファイバなど、物理リンクによるもの、または、無線信号を介したものであってもよい。各ゲートウェイ20、30、40は、動的モジュール命名リスト23、33、43を有して、メッセージを適切な受信側モジュールX、Y、Zに向けて、ネットワーク内で直接接続された通信ゲートウェイを介して送ることができる。例えば、通信ゲートウェイ20のための動的モジュール命名リスト23は、ネットワーク内で登録されたモジュールを示す左列を含み、右列は、受信側モジュールに達するために通過する必要のある他の通信ゲートウェイのコストまたは数を示す。各通信ゲートウェイ20、30、40は、ネットワーク内で現在動作可能またはアクティブなモジュールについて自動的に更新される、適切な動的モジュール命名リストを有する。各動的モジュール命名リストは、ネットワーク10へのモジュールの追加またはネットワーク10からのモジュールの除去によって更新かつ維持され、ネットワーク10へのモジュールの追加またはネットワーク10からのモジュールの除去は、その対応する通信ゲートウェイに対する自動登録または登録解除を必要とし、ネットワーク10内の他のすべての通信ゲートウェイへとカスケードされることが好ましい。
【0015】
通信ゲートウェイ20、30、40は、ソフトウェアアプリケーションによって実装されることが好ましいが、ハードワイヤード論理回路など、いかなる形態を取ってもよい。通信ゲートウェイ20、30、40は、他の通信ゲートウェイに接続し、メッセージハンドラとしての機能を果たす。モジュールX、Y、Zは、それらのローカルゲートウェイにのみ接続する。次の実施例で例示するように、2つ以上のモジュールを単一の通信ゲートウェイに接続してもよい。通信ゲートウェイにより、モジュールは、他のモジュールの正確な位置またはネットワーキングトポロジを知る必要なしに、異なる物理デバイス上に存在することができる。動的登録を使用することによって、システムの実行中に、いかなるモジュールを再構成する必要もなく、モジュールをいかなるデバイス上でも開始し、あるデバイスから別のデバイスへ移動させることができる。
【0016】
図2は、本発明の一実施例の通信ネットワークのより詳細な実施例を示す。この実施例では、5つのモジュールA、B、C、DおよびEがある。これらのモジュールは、例えば、航空機のシステムの一部であってもよく、モジュールAは、シャフトの速度、様々なポイントでのエンジンの温度、および、様々なポイントでの、または、様々なコンポーネントの振動など、エンジンについてのデータを取得することができるエンジン制御装置であってもよい。モジュールBは、例えば、生データを平均に処理する場合のある、エンジン監視ユニットであってもよい。モジュールCは、例えば、離陸、巡航および着陸状況についてなど、様々な状況についての平均値をチェックすることができる航空機監視ユニットであってもよい。モジュールDおよびEは地上局に基づいてもよく、また、データを解析かつ格納して、例えば、保守計画の決定のためなど、航空機における長期傾向を決定するように構成されてもよい。
【0017】
図2を見ると分かるように、各モジュールA、B、C、D、Eは、関連付けられた通信ゲートウェイ200、300、400、500、600に接続される。この実施例では、通信ゲートウェイ500は、関連付けられたモジュールを有しておらず、地上局601において隣接した通信ゲートウェイ600への2つの接続を有する。第1の接続501は、例えば、航空機が飛行中である間の無線通信用であってもよく、第2の接続502は、航空機が着陸したときのための物理接続であってもよい。
【0018】
各通信ゲートウェイ200、300、400、500、600は、それ自体の動的モジュール命名リストを有するが、通信ゲートウェイ200のための動的モジュール命名リスト240のみを、この実施例で示す。見ると分かるように、リストの左列は、通信が可能な、ネットワーク100内で現在登録された現行モジュールA、B、C、D、Eの各々を示す。次の列は、通信がその宛先に達するために通過しなければならない通信ゲートウェイのコストまたは数を示し、3列目は、所望のモジュールのためのその特定の選択されたルートに接続する通信ゲートウェイ上のインタフェースまたはソケットを示す。各インタフェースは、モジュールまたは通信ゲートウェイに接続する。
図2の実施例では、通信ゲートウェイ200は3つのインタフェースを有する。インタフェース1はモジュールAに接続し、インタフェース2は通信ゲートウェイ300と接続し、インタフェース3は通信ゲートウェイ500と接続する。前述のように、各通信ゲートウェイのための動的モジュール命名リストは、ネットワーク内で現在登録されているあらゆる他のモジュールにメッセージを転送するための進路のルートテーブルを提供する。他の通信ゲートウェイ300、400、500、600の各々は、それ自体の対応する動的モジュール命名リスト(図示せず)を有する。
【0019】
図3の流れ図に例示するように、ステップ701で、モジュールがネットワークに追加されるとき、ステップ702で、モジュールはローカルゲートウェイに登録する。通信ゲートウェイは次いで、ステップ703で、新しいモジュールの登録を、すべての直接接続された通信ゲートウェイへ送信し、ステップ704で、すべての他のゲートウェイに対してそれらの動的モジュール命名リストを更新するようにアドバイスするメッセージのカスケードが、ネットワーク内のすべての通信ゲートウェイが動的モジュール命名リストを更新するまで行われる。逆に、モジュールがシャットダウンするとき、登録解除メッセージがそのローカルゲートウェイに渡され、直接接続されたゲートウェイへと転送され、ネットワーク内のすべてのゲートウェイへとカスケードされて、ネットワークの通信ゲートウェイ内のすべての動的モジュール命名リストに対し、そのモジュールがもはや使用可能でないことが警告される。リンクが失われるか、もしくは閉じられるか、または、新しいリンクが追加される場合、そのリンクを使用するいかなるルートも除去されるか、または、適切に追加され、ルート更新は、すべての接続されたゲートウェイの動的モジュール命名リストへカスケードされる。ネットワーク100内の各通信ゲートウェイの動的モジュール命名リストは、ネットワーク内のあらゆるモジュールへの少なくとも1つのルートを保持する。
【0020】
図2に戻って参照すると、モジュールAなど、モジュールがメッセージを別のモジュールに送信するとき、送信側モジュールは、メッセージをそのローカル通信ゲートウェイ、この場合は200に、メッセージのための宛先モジュールを示すゲートウェイヘッダをメッセージの前に付けて渡す。すべての通信ゲートウェイは、システム内のすべてのモジュールをリストする動的モジュール命名リストを有するので、宛先モジュールがその動的モジュール命名リスト内で調べられ、メッセージを宛先モジュールへ転送するための最も適切な進路が発見される。動的モジュール命名リストは、宛先モジュールに達するために最小数のゲートウェイを通過するルートを示す。通信ゲートウェイは、宛先に定められたモジュールがメッセージを受信するまで、メッセージを宛先に向けて転送する。
【0021】
図2の実施例を参照すると、エンジン制御装置Aは、シャフトの速度、および、様々なポイントでの温度および振動など、測定されたエンジンパラメータを、エンジン監視ユニットモジュールBへ定期的に送信してもよい。このメッセージは通信ゲートウェイ200によって受信され、その動的モジュール命名リスト240は、モジュールBへの最短ルートがインタフェース2を介したものであると示すので、メッセージはこのインタフェースから通信モジュール300へ転送され、通信モジュール300はメッセージを受信し、宛先がモジュールBであると決定し、それ自体の動的モジュール命名リスト(図示せず)を参照した後、メッセージをリンク302に沿って転送する。エンジン監視ユニットBは、エンジン制御装置Aから受信された生データを、平均、標準偏差などを出すことなどによって、適切な方法で処理してもよい。エンジン監視ユニットBから、処理されたデータを、通信ゲートウェイ300、400の動的モジュール命名リストを使用して、類似の方法で、定期的に航空機監視ユニットCに渡してもよい。情報を定期的に地上局601に渡してもよく、または、地上局601から要求されて、エンジン制御装置Aおよび航空機監視ユニットCから渡してもよい。これらの状況では、適切なモジュールのための通信ゲートウェイは、その動的モジュール命名リストにアクセスし、メッセージの転送を、最も適切なルートで、それに応じてメッセージを転送するルートに沿って通過するあらゆる通信ゲートウェイにより、メッセージがその宛先モジュールに達するまで行う。
【0022】
動的モジュール命名リストを使用することにより、モジュールを、識別コードではなく、いかなる好都合な名前によっても識別できるようになり、モジュールの移動を、正確な位置を知る必要なく行うことが可能となり、移動されたモジュールは、それらの名前を使用して登録解除および登録を行うことができる。
【0023】
各通信ゲートウェイの動的モジュール命名リストの自動更新により、ネットワーク内のモジュール間の信頼性のある通信がもたらされ、ネットワーク内の各モジュールに関連付けられたルートリストを、時間をかけて手動で更新する必要はない。
【0024】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施例に多数の修正を行ってもよい。例えば、本発明を、内部にモジュールが設けられるいかなる通信ネットワークに適用してもよく、このネットワークは、オフィス内、または、工場もしくは病院など、施設でのネットワーク、または、航空機、船舶、もしくは、タービンなどの機械など、特定のアイテムのためのネットワークなどである。動的モジュール命名リストは、ネットワークに登録された各モジュールのためのルートを含んでおり、宛先モジュールに達するためのステップの数、特定のルートに接続された通信ゲートウェイの特定のインタフェースまたはソケット、および、より費用のかかる無線リンクの使用に伴うコストを減らすために、物理接続による代替リンクが使用可能でないときにのみ使用されるべき無線リンクを有するルートなど、特定のルートについてのさらなる情報など、情報を含んでもよい。
【符号の説明】
【0025】
A、B、C、D、E、X、Y、Z: モジュール
10、100: ネットワーク
22、32、42: 接続
20、30、40、200、300、400、500、600: 通信ゲートウェイ
21、31、41、201、301、401、601: ユニット
202、203、204、302、303、402、403、501、502、602、602、603: 接続
23、33、43、240: 動的モジュール命名リスト
302: リンク
601: 地上局