【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 上記目的を達成する本発明の条体束保持体は、
多数の条体からなる束と、
前記多数の条体からなる束を緊締する緊締部とその緊締部から延びる延設部を有する緊締体と、
挿入孔を有する条体保持器を備え、
前記多数の条体からなる束が中間部において前記緊締体の緊締部により緊締され、
その緊締体の延設部が前記条体保持器の挿入孔に挿入された状態で、緊締体の延設部と条体保持器が固定されていることを特徴とする。
【0008】
前記の多数の条体からなる束が中間部において緊締体の緊締部により緊締され、その緊締体のうち緊締部から延びる延設部が条体保持器の挿入孔に挿入され、緊締体の延設部と条体保持器が固定されることにより、多数の条体からなる束が条体保持器に対し固定保持された条体束保持体が効率的に得られる。
【0009】
(1-1) 上記条体束保持体は、上記緊締体の延設部が条体保持器の挿入孔に挿入された状態において前記延設部が前記挿入孔に対し挿入の向きと逆向きに移動することを防ぎ得る固定用係合部を備え、
その固定用係合部により前記延設部が前記挿入孔に対し挿入の向きと逆向きに移動することが防がれることにより、緊締体の延設部と条体保持器が固定されているものとすることができる。
【0010】
固定用係合部により緊締体の延設部が条体保持器の挿入孔に対し挿入の向きと逆向きに移動することが防がれることによって、緊締体の延設部と条体保持器が固定される。
【0011】
(1-1-1) この条体束保持体は、上記挿入孔が条体保持器の外部へ貫通しており、上記延設部が前記挿入孔を通じて条体保持器の外部に達し得、
条体保持器の外部において前記延設部が挿入され得る挿入部を備えた固定部材を有し、
前記延設部と前記固定部材の挿入部に上記固定用係合部が設けられ、
前記挿入孔を挿通した前記延設部が条体保持器の外部において前記固定部材の挿入部に挿入され、その固定部材における挿入部の挿入口側が条体保持器により支持された状態で、前記固定用係合部により前記延設部が前記挿入孔に対し挿入の向きと逆向きに移動することが防がれることにより、緊締体の延設部と条体保持器が固定されているものとすることができる。
【0012】
この場合、条体保持器の挿入孔を挿通した延設部が条体保持器の外部において固定部材の挿入部に挿入され、その固定部材における挿入部の挿入口側が条体保持器により支持された状態で、固定用係合部により前記延設部が前記挿入孔に対し挿入の向きと逆向きに移動することが防がれることにより、緊締体の延設部と条体保持器が固定される。
【0013】
(1-1-2) 上記条体束保持体は、上記延設部と上記条体保持器の挿入孔に上記固定用係合部が設けられ、上記延設部が挿入孔に挿入されて前記固定用係合部により延設部が挿入孔に対し挿入の向きと逆向きに移動することが防がれることにより、緊締体の延設部と条体保持器が固定されているものとすることができる。
【0014】
この場合、緊締体の延設部が条体保持器の挿入孔に挿入されて固定用係合部により延設部が挿入孔に対し挿入の向きと逆向きに移動することが防がれることによって、緊締体の延設部と条体保持器が固定される。
【0015】
(1-2) 上記条体束保持体は、
上記緊締体が、帯状部とその帯状部を挿通する挿通部(挿通するための孔部を有する部分)とを一体状に有してなるものであり、
前記帯状部が前記挿通部に挿通された状態において、それらの帯状部と挿通部が環状をなして上記緊締部を構成すると共に、帯状部のうち緊締部を構成しない部分が上記延設部を構成し、前記帯状部と前記挿通部には、帯状部が挿通部に対し前記緊締部を締める向きと逆向きに移動することを防ぐ緊締用係合部が設けられているものとすることができる。
【0016】
この場合、帯状部が挿通部に挿通されてそれらの帯状部と挿通部が環状の緊締部を構成し、多数の条体からなる束がその緊締部に挿通した状態で、前記緊締部を締める向きに帯状部を挿通部に対し移動させることにより、その緊締部により前記束を緊締することができる。
【0017】
緊締した状態で帯状部が挿通部に対し前記緊締部を締める向きと逆向きに(従って緊締部を緩める向きに)移動することは、帯状部と挿通部に設けられた緊締用係合部により防がれる。
【0018】
(1-3) 上記条体束保持体は、上記多数の条体からなる束が、中間部が緊締されることにより、被緊締箇所から両側に離れるに従い、被緊締箇所の両側の条体群がそれぞれ全体として側方に広がるものとすることができる。
【0019】
また、上記束を構成する条体は、スプリットヤーン糸であるものとすることができる。
【0020】
(2) 本発明の条体束保持体は、上記条体保持器が、外部に開口する椀形内面部を有し、上記挿入孔は、前記椀形内面部の一部から外方へ向かうものであり、上記束のうち緊締部により緊締された箇所を含む部分が、その束の側方において前記条体保持器の椀形内面部の開口からその椀形内面部内に挿入された状態で、緊締体の延設部と条体保持器が固定され、前記束における緊締部により緊締された条体群の端部側は、椀形内面部の開口の外部に位置するものとすることが望ましい。
【0021】
前記の多数の条体からなる束が中間部において緊締体の緊締部により緊締され、その緊締体のうち緊締部から延びる延設部が前記条体保持器の椀形内面部の一部から外方へ向かう挿入孔に挿入すると共に、前記束のうち前記緊締部により緊締された箇所を含む部分が、その束の側方において前記条体保持器の椀形内面部の開口からその椀形内面部内に挿入された状態で、緊締体の延設部と条体保持器が固定されることにより、束における緊締部により緊締された条体群の端部側は、椀形内面部の開口の外部に位置するものとなる。そのため、条体束保持体を効率的に得ることができる。
【0022】
緊締体の延設部と条体保持器は、例えば、上記固定用係合部により前記延設部が前記挿入孔に対し挿入の向きと逆向きに移動することが防がれることにより固定されているものとすることができる。
【0023】
(2-1) 上記条体束保持体は、束における緊締部により緊締された箇所の両側の条体群の端部側が、椀形内面部の開口の外部に位置するものであることが望ましい。
【0024】
(2-1-1) 上記条体束保持体は、上記多数の条体からなる束が、中間部が緊締されることにより、被緊締箇所から両側に離れるに従い、被緊締箇所の両側の条体群がそれぞれ全体として側方に広がるものとすることができる。
すなわち、この条体束保持体は、
多数の条体からなる束であって、中間部が緊締されることにより、被緊締箇所から両側に離れるに従い、被緊締箇所の両側の条体群がそれぞれ全体として側方に広がるものと、
前記多数の条体からなる束を緊締する緊締部とその緊締部から延びる延設部を有する緊締体と、
外部に開口する椀形内面部を有すると共に椀形内面部の一部から外方へ向かう挿入孔を有する条体保持器を備え、
前記多数の条体からなる束が中間部において前記緊締体の緊締部により緊締され、
その緊締体の延設部が前記条体保持器の挿入孔に挿入すると共に、前記束のうち前記緊締部により緊締された箇所を含む部分が、その束の側方において前記条体保持器の椀形内面部の開口からその椀形内面部内に挿入された状態で、緊締体の延設部と条体保持器が固定され、
前記束における緊締部により緊締された箇所の両側の条体群の端部側は、椀形内面部の開口の外部に位置するものである。
【0025】
この場合、前記束は、多数の条体からなり、中間部が緊締されることにより、被緊締箇所から両側に離れるに従い、被緊締箇所の両側の条体群がそれぞれ全体として側方に広がるものである。
【0026】
そのため、前記の多数の条体からなる束が中間部において緊締体の緊締部により緊締され、その緊締体のうち緊締部から延びる延設部が前記条体保持器の椀形内面部の一部から外方へ向かう挿入孔に挿入すると共に、前記束のうち前記緊締部により緊締された箇所を含む部分が、その束の側方において前記条体保持器の椀形内面部の開口からその椀形内面部内に挿入された状態で、緊締体の延設部と条体保持器が固定されることにより、束における緊締部により緊締された箇所の両側の条体群の端部側は、分散した状態で椀形内面部の開口の外部に位置するものとなる。そのため、椀形内面部の開口の外部に位置する条体群の端部側により、各種清掃又は洗浄等に効果的に用いることができる。
【0027】
また、上記束を構成する条体は、スプリットヤーン糸であるものとすることができる。
【0028】
(2-1-2) 本発明の条体束保持体は、上記束における緊締部により緊締された箇所の両側の条体群同士が、椀形内面部の開口の外部において混合しているものとすることができる。
【0029】
(2-1-3) 本発明の条体束保持体は、上記束における緊締部により緊締された箇所の両側の条体群の条体の端部が、椀形内面部の開口の外部において椀形内面部よりも径方向外方まで広がっているものとすることができる。
【0030】
(2-2) 上記条体束保持体は、上記束の中間部のうち緊締部により緊締された箇所の両側の部分が、椀形内面部内に圧接した状態をなすものとすることができる。
【0031】
この場合、上記束のうち前記緊締部により緊締された箇所を含む部分が、その束の側方において前記条体保持器の椀形内面部の開口からその椀形内面部内に挿入され、その束のうち緊締部により緊締された箇所の両側の部分が、椀形内面部内に圧接した状態で、緊締体の延設部と条体保持器が固定されるので、前記束が条体保持器に安定的に保持される。なお、前記のように椀形内面部内に圧接するのは、束の中間部のうち緊締部により緊締された箇所の両側の相当部分であればよい。
【0032】
(2-3) 本発明の条体束保持体は、
上記条体保持器が、椀形内面部を複数有し、
それらの椀形内面部毎に、椀形内面部の一部から外方へ向かう挿入孔と、中間部において緊締体の緊締部により緊締された束を有し、
前記椀形内面部毎に、緊締体の延設部が前記挿入孔に挿入すると共に、前記束のうち前記緊締部により緊締された箇所を含む部分が、その束の側方において前記条体保持器の椀形内面部の開口からその椀形内面部内に挿入された状態で、緊締体の延設部と条体保持器が固定され、前記束における緊締部により緊締された箇所の両側の条体群の端部側は、椀形内面部の開口の外部に位置するものとすることができる。
【0033】
この場合、複数の椀形内面部毎に多数の条体からなる束が保持される。
【0034】
(2-3-1) 前記条体束保持体は、複数の椀形内面部が並列状に隣接しているものとすることができる。
【0035】
この場合、並列状に隣接した複数の椀形内面部にそれぞれ多数の条体からなる束が保持されたものとなる。