(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般的にガスセンサは、ガス漏れ警報器などの用途に用いられ、ある特定ガス、例えば、CO、メタン、C
3H
8、CH
3OH等に選択的に感応するデバイスであり、その性格上、高感度、高選択性、高応答性、高信頼性、低消費電力が必要不可欠である。
【0003】
ところで、家庭用として普及しているガス漏れ警報器には、都市ガス用やプロパンガス用の可燃性ガス検知を目的としたものと燃焼機器の不完全燃焼ガス検知を目的としたもの、または、両方の機能を合わせ持ったものなどがあるが、いずれもコストや設置性の問題から普及率はそれほど高くない。このため普及率の向上をはかるべく、設置性の改善、具体的には、電池駆動としてコードレス化する事が望まれている。
【0004】
電池駆動を実現するためには低消費電力化が最も重要であるが、接触燃焼式や半導体式のガスセンサでは、400〜500℃の高温に加熱して検知する必要がある。低消費電力化には、微細加工プロセスを用いたダイヤフラム構造などの高断熱・低熱容量の構造とした薄膜ガスセンサを、検知周期に合わせて間欠運転する必要があり、特許文献1に開示されるような薄膜ガスセンサが知られている。
【0005】
このような薄膜式ガスセンサによりメタン、C
3H
8等の可燃性ガスを検出する場合、ヒータ層の温度を50〜500ミリ秒(ms)の一定時間、高温(High:400〜500℃)に保持し、感知層電極によりガス検知層の抵抗値を測定し、その変化からメタン、プロパン(C
3H
8)等の可燃性ガス濃度を検出する(High−Off方式)。
【0006】
これは、高温時に選択触媒層において、CO、H
2等の還元性ガスその他の雑ガスを燃焼させ、不活性なメタン、C
3H
8等の可燃性ガスが選択触媒層を透過して拡散し、ガス検知層に到達してガス検知層のSnO
2と反応し、SnO
2の抵抗値が変化することを利用してガス機器などのガス漏れ時に発生するメタン、C
3H
8等の可燃性ガスの濃度を検出するものである。
【0007】
また、不完全燃焼(CO)を検知する場合、一旦、ヒータ層の温度を50〜500msの一定期間高温(High:400〜500℃)に保持し、センサのクリーニングを行ってから、低温(Low:約100℃)に降温し検知を行う、いわゆるHigh−Low−Off駆動することで、CO感度および選択性が高くなることが知られている。
【0008】
また、High状態で、クリーニングのみならずメタン検知も行い、Low状態でのCO検知と合わせ、単一のセンサでメタンとCOの両方を検知できるセンサも存在する。
ところが、これらのヒータ駆動方式は、(1)薄膜ガスセンサのヒータの温度をHigh−Offに所定の周期(例えば60秒周期)で繰り返す、または、(2)薄膜ガスセンサのヒータの温度をHigh−Low−Offに所定の周期(例えば150秒周期)で繰り返す、というように低消費電力化を実現するためにヒータの駆動を間欠運転する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
メタンセンサのようなガスセンサの設置環境の雰囲気においては、検知対象ガスおよび酸素、窒素、炭酸ガス、水蒸気などのガス種が共存する。更に微量ではあるが前記以外のガスセンサにとって悪影響を及ぼす干渉ガス(ガス検知層の電気抵抗値が変化し、あたかも検出対象ガスが存在するかのように振舞う誤検出を誘発するガス)など、種々のガス成分が一時的に共存する場合がある。
【0011】
そのためガスセンサにおいては干渉ガスの影響を防止するため、例えば、ガスセンサをフィルタパッケージ内に収容し、このフィルタパッケージのガス導入口にフィルタとして活性炭吸着層を設けて、ガスセンサの雰囲気の干渉ガスを吸着除去している。
【0012】
上記のような対策で干渉ガスの影響を防止しているが、それらのガスが高濃度で長期共存するような環境でガスセンサを使用すると、徐々に特性が変化する可能性がある。
具体的には、想定以上の高濃度の干渉ガスにさらされることにより、活性炭吸着層での干渉ガスの吸着量が飽和し、干渉ガスが活性炭吸着層を透過してフィルタパッケージ内に徐々に侵入し、空気中におけるガス検知層の電気抵抗値の低下を引き起こし、ひいては、ガス漏れしていないにも関わらず誤検出を誘発する可能性がある。このような状況では、ガス検知装置の機能を損なうこととなり、保安機器として信頼性が低下するという技術的課題がある。
【0013】
本発明の目的は、予防保全により、信頼性を維持することが可能なガス検知技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、検出対象ガスとの接触により電気的特性が変化するガス検知層および該ガス検知層を加熱するヒータ層を形成したセンサ素子と、
前記ヒータ層へ所定の周期で通電を行って、前記ガス検知層の温度を変化させる通電駆動手段と、
前記ヒータ層への通電時の前記ガス検知層の前記電気的特性に基づいて、前記検出対象ガスを検出するガス検出手段と、
収容される前記センサ素子を検出対象外ガスから保護するフィルタパッケージと、
を備え、前記検出対象ガスの検出を行うガス検知装置において、
前記ヒータ層への通電時の前記ガス検知層の前記電気的特性に基づいて、前記フィルタパッケージ内の前記ガス検知層の雰囲気中に存在するガス種を判定するガス種判定手段を備え、
前記ガス検出手段は通電時の前記電気的特
性が第1閾値を下回ったことを検出したらガス漏れ警報を出力し、
前記ガス種判定手段は、前記検出対象外ガスと判定した場合に、通電時の前記電気的特性が、前記第1閾値より大きな第2閾値を下回ったら前記フィルタパッケージの劣化と判断し、警報を出力するガス検知装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、予防保全により、信頼性を維持することが可能なガス検知技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施の形態では、一態様として、ガス種判定手段により、検知対象外のガスであるにもかかわらず、センサ出力が所定の値を割った場合にフィルタパッケージが劣化したと判断し、ガス検知装置としての機能を失う前に、フィルタパッケージの劣化を報知し、ガス検知装置の予防保全を行うことを可能とする。
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図2に例示されるように、本実施の形態のガス検知装置100は、センサ素子10がフィルタパッケージ110に収容された構成となっている。
【0019】
フィルタパッケージ110は、筒状のキャップ120の一端にセンサ素子10を搭載したセンサベース140が固定され、他端側に開口するガス導入口にはフィルタ130が装着された構成となっている。
【0020】
フィルタ130は、ステンレスネット131とステンレスネット132の間に活性炭を充填して活性炭吸着層133が構成されている。
そして、フィルタパッケージ110に侵入する大気ガスGから、検知対象ガス(本実施の形態の場合には、メタンガス)以外の干渉ガスをフィルタ130にて吸着除去することでセンサ素子10における誤検出等を防止する構造となっている。
【0021】
センサベース140には、端子としてのステム150が突設され、このステム150の内端は、ボンディングワイヤ151を介してセンサ素子10に接続され、外端部には、センサ制御部20が接続されている。
【0022】
さらに、
図1に例示されるように、本実施の形態のガス検知装置100のセンサ制御部20は、後述のヒータ層3への通電駆動を行って、後述の感知層7を加熱させる通電駆動手段21と、感知層7の電気抵抗値に基づいて検出対象ガスの有無および濃度の少なくとも一方を検出するガス検出手段22と、フィルタパッケージ110の内部雰囲気のガス種を判定するガス種判定手段23と、異常状態を音や光等で外部に報知する警報手段24と、これらに電力供給する電池25、を備えている。
【0023】
センサ制御部20は、例えば、小形のマイクロコンピュータのソフトウェアやファームウェア、あるいはハードウェア論理回路で構成することができる。
図2では、センサ制御部20をフィルタパッケージ110の外部に配置した例が示されているが、フィルタパッケージ110の内部にセンサ素子10と一体に配置してもよい。
【0024】
図1に断面構造を例示した本実施の形態のセンサ素子10の製造方法の一例を以下に説明する。
両面に熱酸化膜が付いたシリコンウェハ1上に、ダイヤフラム構造の支持層/熱絶縁層2として、熱酸化膜2a(SiO
2)の上に、CVD−Si
3N
4膜2b(Si
3N
4)と、CVD−SiO
2膜2c(SiO
2)を順次プラズマCVD法にて形成する。
【0025】
次に、支持層/熱絶縁層2の上に、ヒータ層3、SiO
2絶縁層4を、順にスパッタ法で形成する。その上に接合層5、感知層電極6、感知層7を形成する。
これらの成膜はRFマグネトロンスパッタリング装置を用い、通常のスパッタリング法によって行う。成膜条件は、TaあるいはTiからなる接合層5、PtあるいはAuからなる感知層電極6とも同じで、Arガス圧力:1Pa、基板温度:300℃、RFパワー:2W/cm
2、膜厚は接合層5の膜厚:500Å、感知層電極6の膜厚:2000Åである。
【0026】
次に、ガス感知層8を成膜する。
本実施の形態では、一例として、ガス感知層8を、SbをドープしたSnO
2の感知層7と、Al
2O
3にPdを触媒として担持した焼結材で構成された選択燃焼層9で構成する。
【0027】
選択燃焼層9を、SiO
2絶縁層4の上にスクリーン印刷法により塗布した後、500℃で1時間以上焼成する。選択燃焼層9の大きさは感知層7を十分に覆えるサイズにする。
【0028】
最後に、ガス感知層8の反対側のシリコンウェハ1の裏面からエッチングによりシリコンを除去し、ダイヤフラム構造とした。
このような、薄膜ガスセンサ(センサ素子10)のヒータ層3およびセンサ層(感知層7)へ、所定の周期(ここでは30秒(s))に一回パルス状(ここでは200ms)に通電し、センサ層が高温となる通電時の各雰囲気ガス中でのセンサの電気抵抗値の変化を
図3に示す。
【0029】
図3は、本実施の形態のセンサ素子10における低濃度の干渉ガス雰囲気下における通電時の電気抵抗値変化と通電時間の関係の一例を示す線図である。
図3において、Raは大気ガスの抵抗変化、Rbはエタノール(1000ppm)の抵抗変化、RcはIPA(1000ppm)の抵抗変化、Rdはメタンガス(2000ppm)の抵抗変化、Reはメタンガス(4000ppm)の抵抗変化、である。
【0030】
これによると、通電時間tと電気抵抗値Rとの関係は、検知対象のメタンガスの場合(Rd,Re)、時間が経過するに従い、電気抵抗値が減少し、所定の値に安定する軌跡を描くものであり、一方、メタンガス以外の干渉ガスの場合(Rb,Rc)、時間が経過するに従い電気抵抗値が一旦低下し、所定の極小値を経て増加に転じる軌跡を描くものである。
【0031】
したがって、センサ素子10に対する通電時間とセンサ素子10の電気抵抗値との軌跡がどのような軌跡を描くかを調べることにより、正確かつ簡便にガス種の判定をすることができる。
【0032】
具体的には、
図3において、メタン以外の干渉ガス(エタノールやイソプロピルアルコール)である場合(Rb,Rc)は、通電時間tが40ms程度まで、電気抵抗値が低下し、その後、増加に転じ200msまで増加していることから、この通電時間tが40ms〜200ms間の任意の2点の電気抵抗値を比較し、通電時間tの長い方から短いほうの電気抵抗値を引いた値(差分)が正であるときはメタンガス以外の干渉ガスが存在すると判定することができる。
【0033】
一方、メタンガスの場合は、上記40ms〜200msの間では、電気抵抗値(Rd,Re)は低下から安定していることから、上記差分が負である場合には、メタンガスが存在すると判定することができる。
【0034】
なお、上述の判定方法では、一例として通電時間tの2点の電気抵抗値を用いているが、3点以上の差分をとってもよく、また微分値から傾きを検出しても良い。
また、通電開始から20〜60ms程度に出現する極小値を検出しても良い。例えば、20ms、40ms、60ms時の電気抵抗値を比較し、40ms時の電気抵抗値が一番小さい値になっているなど、極小値が存在する場合は、メタンガス以外の干渉ガスが存在し、極小値を有さないときはメタンガスが存在すると判定することができる。
【0035】
なお、上述の極小値を用いる判定方法では、一例として通電時間tの3点間を比較しているが、4点以上の電気抵抗値をとってもよく、また、微分値から傾きを検出してもよい。また、極小値近傍の一点の前後であれば、通電時間内の任意の点で比較しても良い(例えば0ms、50ms、200ms等)。
【0036】
一方、メタン以外の干渉ガス(エタノールやイソプロピルアルコール)の濃度が高濃度で存在する場合には、警報を発する所定の値(例えばメタン:2000ppm:中抵抗値(Rd))以下に、センサ素子10の電気抵抗値Rが低下し、ガス検知装置100の雰囲気中にメタンが漏れていないにもかかわらずメタン漏れの検出警報を発するといった、ガス検知装置としての機能を損なってしまうことが懸念される。
【0037】
図4は、本実施の形態のセンサ素子10における高濃度の干渉ガス雰囲気下における通電時の電気抵抗値変化と通電時間の関係の一例を示す線図である。
なお、この
図4において、Rfはメタンガス(1000ppm)の抵抗変化であり、他は上述の
図3と同様である。
【0038】
具体的には、
図4に示すようにエタール:6000ppm(Rb)やイソプロピルアルコール:6000ppm(Rc)中の雰囲気にセンサ素子10が曝された場合には、検出されるセンサ素子10の電気抵抗値Rは、メタン:2000ppmの抵抗値(Rd)より低下してしまう。
【0039】
このような状況にならないよう、本実施の形態のガス検知装置100の場合には、干渉ガスの影響を防止するため、例えば
図2に示されるようにセンサ素子10が収容されるフィルタパッケージ110のガス導入口にフィルタ130として、活性炭吸着層133を設け吸着除去している。
【0040】
しかし、この活性炭吸着層133の吸着能力を超えるような、想定外の干渉ガス濃度にガス検知装置100が長時間さらされた場合、干渉ガスがフィルタパッケージ110の内部のセンサ素子10に到達する可能性があり、ひいては、上述の
図4のような状況になる可能性がある。
【0041】
そこで、本実施の形態のガス検知装置100では、以下のような制御によってガス検知装置100の信頼性を維持する。
(第1の制御例)
すなわち、本実施の形態では、フィルタパッケージ110の劣化を診断する方法としては、検知対象のメタンガスを検出して警報を発するための判断に用いられる所定の閾値R2(例えばメタン:2000ppm(中抵抗値:Rd))の他に、
図4に例示されるように、より抵抗値の高い故障診断用の所定の値(例えばメタン:1000ppm(Rf))を設定し、前記ガス種判定手段によりメタン以外の干渉ガスであるにもかかわらず、センサ素子10の電気抵抗値Rが、故障診断用の所定の閾値R1(=Rf)以下である場合に、センサ素子10が、高濃度の干渉ガスにさらされていると判断し、フィルタパッケージ110が劣化したことを診断して、警報を発する。
【0042】
図5は、この第1の制御例におけるセンサ制御部20の動作を例示したフローチャートである。
まず、ガス種判定手段23において、例えば、上述のセンサ素子10に対する通電時間とセンサ素子10の電気抵抗値との軌跡がどのような軌跡を描くかを調べることにより、ガス種の判定をする(ステップ301)。
【0043】
次に、フィルタパッケージ110の内部におけるセンサ素子10の雰囲気で干渉ガスが検出されたか否かを判別する(ステップ302)。
そして、干渉ガスが検出されない場合には、ガス検出手段22で、センサ素子10で検出された電気抵抗値Rと通常の閾値R2(=Rd)を用いて、R<R2が成立するか否かで検出対象のメタンガスの検出の有無を判定し(ステップ303)、検出された場合には、警報手段24を起動してメタンガスの検出(ガス漏れ)警報を発し(ステップ304)、ステップ301に戻る。
【0044】
この例の場合、閾値R2(=Rd)は2000ppmの濃度のメタンガスの場合の電気抵抗値なので、ステップ304の警報は、2000ppmを超える濃度のメタンガスが検出された場合に出力されることになる。
【0045】
また、ステップ303で検出されない場合は、ステップ301に戻る。
一方、ステップ302で干渉ガスが検出されたと判定された場合には、センサ素子10の電気抵抗値Rと、閾値R1(=Rf>Rd(
図4))>閾値R2を用いて、R<R1が成立する場合に、すなわち、センサ素子10の電気抵抗値RがR1を下回った場合に(ステップ305)、フィルタパッケージ110(フィルタ130)が劣化したと判定し、警報手段24を用いて警報を出力し(ステップ306)、ステップ301に戻る。
【0046】
一方、ステップ305でフィルタパッケージ110の劣化が検出されない場合には、上述のステップ303と同様の条件で、メタンガスの検出の有無を判別し(ステップ307)、R<R2が成立する場合にメタンガスの検出と判定して警報手段24を用いてメタンガス検出の警報を出力し(ステップ308)、ステップ301に戻る。
【0047】
ステップ307でR<R2が不成立の場合には、ステップ301に戻る。
(第2の制御例)
さらに高濃度の干渉ガスにさらされた場合でも(例えば
図4)、ヒータ層3および感知層7へ通電する時間を延ばすことにより、さらに精度良く判定することが可能である。
【0048】
図6は、この第2の制御例の動作の一例を示すフローチャートである。この
図6では、ステップ310およびステップ311が追加されている点が、上述の第1の制御例の
図5と異なる。
【0049】
すなわち、
図4に例示されるように、干渉ガスが高濃度で存在した場合においても、ヒータ層3および感知層7へ通電する時間が経過するにしたがい、干渉ガスが燃焼・除去され、センサ抵抗値(センサ素子10の電気抵抗値R)が増加する。
【0050】
この特性を用い、センサ抵抗値が警報を発する所定の閾値R2(例えばメタン:2000ppmの中抵抗値:Rd)以下に低下した場合に(ステップ307の判定条件が成立)、ヒータ層およびセンサ層へ通電する通電時間t(検知パルス幅)を例えば1000msに伸ばし(ステップ310)、
センサ抵抗値が警報を発する所定の閾値R2(例えばメタン:2000ppmの中抵抗値:Rd)以上に増加した場合(ステップ311が不成立)は、センサ素子10が、さらに高濃度の干渉ガスにさらされていると判断し、フィルタパッケージ110が劣化したことを診断することができる。そして、ステップ306に分岐して、フィルタパッケージ110の劣化の警報を出力する。
【0051】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、ガス種判定手段23により、検知対象外の干渉ガスであるにもかかわらず、センサ出力(電気抵抗値R)が所定の値(閾値R1)を割った場合にフィルタパッケージ110が劣化したと判断し、ガス検知装置100としての正常な機能を失う前に、フィルタパッケージ110の劣化を外部に報知し、ガス検知装置100の予防保全を行うことが可能となる。
【0052】
この結果、予防保全により、ガス検知装置100の信頼性を維持することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0053】
例えば、センサ素子10を構成する薄膜の材料は一例であり、必要に応じて他の任意の材料を用いることができる。