(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、運搬等に際して、所定の卵収容部に収容された卵が割れてしまった場合、その周辺部に割れた卵の黄身や白身が流出することとなる。しかしながら、当該流出した液状の黄身や白身は、隣接する卵収容部に収容された卵によって堰き止められ、該卵の周りに停留してしまうことが懸念される。さらに、割れた卵の黄身や白身が、割れていない卵の周りで固化すると、割れていない卵とエッグトレーとが固着して卵を取出し難くなってしまい、場合によっては無理な取外しに起因して卵が割れてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は上記問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、割卵が発生した場合でもその他の割れていない卵の取出し作業性の低下を抑制することのできるエッグトレーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.卵を起立姿勢で保持可能に構成されるとともに、起立姿勢で保持された卵の下部を収容する収容凹部を具備する複数の卵収容部と、
互いに隣接する前記収容凹部の上辺部間を連結する連結部とを備え
るエッグトレーであって、
前記連結部及び前記収容凹部の双方に、前記連結部の上面から、前記収容凹部の内周面にかけて連続する溝部が形成されて
おり、
前記連結部は格子状のラインに沿って延設されるとともに、前記収容凹部は前記連結部の交差位置に設けられ、
前記連結部には、当該連結部の下面から下方に突出し、当該連結部の延在方向に沿って直線状に延び、互いに隣接する前記収容部間を連結する補強リブが設けられ、
前記溝部には溝開口部が形成されているとともに、前記補強リブの一部が上方に露出しており、
前記補強リブのうち、上方に露出する部位の上辺部は、前記連結部の上面よりも下方に位置しており、
前記溝開口部は、前記溝部の底面と側面とにかけて形成されていることを特徴とするエッグトレー。
【0008】
手段1によれば、卵が割れた場合において、連結部を伝って隣接する卵収容部の近傍まで流れた割れた卵の白身や黄身(以下、「卵液」と言う)を、連結部の上面から収容凹部の内周面にかけて形成された溝部に流入させることができる。このため、割れた卵の卵液が、隣接する卵収容部に収容された卵の側面に沿って広範囲に行き渡り、かつ、そこで停留し、固化してしまうといった事態を抑制することができる。従って、割卵が発生して卵液が周囲に流出し、割れていない卵とエッグトレーとの間を固着するようにして卵液が固化してしまうことに起因して、割れていない卵がエッグトレーに固着してしまい、卵をエッグトレーから取出し難くなってしまう、場合によっては新たに割卵してしまうといった事態を抑止することができる。
また、割れた卵の卵液を、溝開口部を介して、より積極的に外部に排出することができる。従って、卵液が割れていない卵の周りにおいて停留・固化してしまうといった事態を回避することができ、割れていない卵とエッグトレーとが固着してしまうといった事態をより確実に防止することができる。さらに、卵液をエッグトレー外部にまで排出可能であることから、連結部に流出した卵液が大量の場合でも確実に対処することができる。
尚、エッグトレーのスペース効率を鑑みると、連結部の幅は極力狭く構成されることとなる。また、卵の黄身や白身は比較的粘度が高いため、小さな開口(隙間)を設けるだけでは、該開口を介して卵液を排出させることが困難な場合がある。かといって、例えば、連結部において極力大きな開口を形成するべく連結部の幅一杯に開口を形成しようとすると、強度の低下を招くおそれがある。これに対し、本手段では、溝部に溝開口部を形成している。すなわち、平板状の連結部にのみ開口部を形成する場合に比べ、溝部の底面と側面とにかけて溝開口部を形成することで、溝開口部の開口面積を大きく取ることも可能となる。換言すれば、溝開口部の開口面積を十分に確保しつつ、溝開口部の周りの壁部を増やすことができる。従って、強度低下を防止しつつ、卵液の停留をより確実に防止することができる。
また、エッグトレーの撓み強度を向上させることができる。
さらに、補強リブのうち溝開口部から上方に露出する部位に関しては、上辺部が連結部の上面よりも下方に位置している。このため、溝開口部を横切るようにして補強リブが設けられる場合であっても、卵液が溝開口部に案内され易くなり、溝開口部を介して、卵液を排出するといった上記作用効果が一層確実に奏される。
【0009】
手段2.前記収容凹部の底部には排出開口部が形成されていることを特徴とする手段1に記載のエッグトレー。
【0010】
上記手段1のように溝部を設けることによって、卵収容部に卵を収容した状態でも、連結部の上面側と、収容凹部のうち卵の下方の空間との間を、溝部を介して連通させることができる。この場合、割れた卵から連結部の上面に流出した卵液は、隣接する卵収容部の収容凹部の近傍にまで達すると、溝部によって収容凹部の下部空間に案内されることとなる。さらに、本手段2によれば、収容凹部の底部に排出開口部が形成されているため、収容凹部の下部空間にまで案内された卵液は、排出開口部を介して、外部に排出されることとなる。従って、卵液が収容凹部において堆積・固化してしまうといった事態を回避することができ、割れていない卵とエッグトレーとが固着してしまうといった事態をより確実に防止することができる。さらに、卵液をエッグトレーの外部にまで排出可能であることから、連結部に流出した卵液が大量の場合でも確実に対処することができる。
【0011】
また、収容凹部の底部に排出開口部が形成されていることで、収容凹部の内側を比較的簡単かつきれいに洗浄することができ、衛生面においても有利である。加えて、エッグトレーの軽量化、省資源化等を図ることができる。
【0012】
手段3.
前記補強リブのうち上方に露出する部位の上辺部から前記連結部の前記溝部周縁部までの間全体が開口していることで前記溝開口部が形成されていることを特徴とする手段1又は2に記載のエッグトレー。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下に、第1実施形態について図面を参照して説明する
(但し、参考例)。
図1〜
図7に示すように、エッグトレー1は、鶏卵(以下、単に「卵EG」と言う)をその鋭端が下方を向いた姿勢(以下、「起立姿勢」と言う)で保持可能に構成されるとともに、起立姿勢で保持された卵EGの下部を収容する収容凹部3を具備する複数の卵収容部2と、互いに隣接する収容凹部3の上辺部間を連結する連結部4とを備えている。
【0021】
図5等に示すように、連結部4は格子状のラインに沿って延設されるとともに、収容凹部3は連結部4の各交差位置に設けられている。このため、エッグトレー1には、複数の収容凹部3が碁盤目状に配置されていることとなり、特に、本実施形態では、
図5の紙面左右方向に6列、紙面上下方向に5列並ぶようにして合計30個の収容凹部3が設けられている。
【0022】
図2、
図7等に示すように、収容凹部3は、上方に開口するとともに、下方に向けて次第に縮径する、いわば略すり鉢状をなしている。さらに、本実施形態の収容凹部3には、底部全体に排出開口部としての下開口部5が形成されており、下方にも開口している。
【0023】
また、エッグトレー1は、各収容凹部3間を連結する連結部4によって囲まれた領域において、上方に突出する支持凸部6を備えている。これにより、1つの収容凹部3が4つの支持凸部6によって囲まれるような格好となっている。支持凸部6は、下方に開口する中空形状をなしているとともに、上方に向けて次第に縮径している。さらに、支持凸部6の周壁部には、隣接する複数の収容凹部3側に向いてそれぞれ開口し、上下に長い楕円状をなす保持開口部7が形成されている。
【0024】
そして、収容凹部3に対して卵EGの鋭端を進入させるようにして、卵EGをエッグトレー1に載せることで、収容凹部3の内周面、又は/及び、該収容凹部3を囲う4つの支持凸部6の保持開口部7周縁部に対して卵EGが当接し、起立姿勢で保持されるようになっている(
図8参照)。従って、本実施形態の各卵収容部2は、収容凹部3と、当該収容凹部3を囲うようにして配置される4つの支持凸部6のうち、当該収容凹部3側を向いて開口する合計4つの保持開口部7の周縁部とによって構成されている。尚、卵EGが大きいサイズの場合には、4つの支持凸部6の保持開口部7周縁部で卵EGが保持される場合が多く、卵EGが小さいサイズの場合には、収容凹部3の内周面で卵EGが保持される場合が多く、また、卵EGが傾けば、収容凹部3及び支持凸部6の両方で卵EGが支持される場合が多い。
【0025】
加えて、
図1等に示すように、支持凸部6には、基本的に天井部全体に上開口部8が形成されている。また、本実施形態では、少なくとも2つ(本例では6つ)の支持凸部6に対して、上開口部8の周縁部から内周側に延びる円環状の受部9と、受部9の内周縁から上方に延びる円筒状のボス部10とが設けられている。そして、
図8に示すように、エッグトレー1同士を交互に90度回転させた向きで上下に積み重ねる場合には、下側のエッグトレー1の支持凸部6の上縁と、上側のエッグトレー1の収容凹部3の下縁とがほぼ合致するような格好で上下に当接することとなる。特に、下側のエッグトレー1のボス部10は、上側のエッグトレー1の収容凹部3の下開口部5に挿入されて、収容凹部3の内周面に略嵌合されることから、上下のエッグトレー1の水平方向における相対移動が防止されることとなる。これにより、卵収容部2に卵EGを収容した状態のエッグトレー1同士を上下に積み重ねる(スタッキングする)ことができる。
【0026】
その一方で、
図9に示すように、卵EGを載置していない状態のエッグトレー1同士を同じ向きで上下に積み重ねる(ネスティングする)ことで、エッグトレー1をスタッキングした場合に比べ、積み重ねられた複数のエッグトレー1の高さを抑制することができる。
【0027】
さて、本実施形態では、
図2、
図7等に示すように、収容凹部3と各連結部4との境界部において、連結部4の上面から収容凹部3の内周面にかけて連続する溝部11が形成されている。溝部11の底面は、対応する収容凹部3の中央側に向けて下方傾斜している。尚、本実施形態の溝部11は、連結部4と収容凹部3との境界部にのみ形成されており、連結部4の長手方向中間位置や、収容凹部3の下部には形成されていない。これにより、連結部4や収容凹部3の強度低下を防止することができる。
【0028】
また、
図4、
図7等に示すように、連結部4の下面から下方に突出し、当該連結部4の延在方向に沿って直線状に延びる補強リブ12が設けられている。補強リブ12は、連結部4とともに、互いに隣接する収容凹部3間を連結するものであるが、本実施形態では、互いに隣接する収容凹部3の相対する溝部11の裏面間を連結するようにして延びている。
【0029】
以上詳述したように、第1実施形態によれば、収容凹部3と、各連結部4との境界部において、連結部4の上面から収容凹部3の内周面にかけて連続して延びる溝部11が形成されている。このため、卵EGの運搬中等に所定の卵収容部2において収容されていた卵EGが割れ、割れた卵EGの白身や黄身(以下、「卵液」と言う)が、連結部4を伝って、隣接する卵収容部2の近傍にまで流出した場合に、該卵液を溝部11に流入させることができる。これにより、割れた卵EGの卵液が、隣接する卵収容部2に収容された卵EGの側面に沿って広範囲に行き渡り、かつ、そこで停留し、固化してしまうといった事態を抑制することができる。従って、割卵が発生して卵液が周囲に流出し、割れていない卵EGとエッグトレー1との間を固着するようにして卵液が固化してしまうことに起因して、卵EGをエッグトレー1から取出し難くなってしまう、場合によっては新たに割卵してしまうといった事態を抑止することができる。
【0030】
さらに、連結部4の上面側から溝部11に流入した卵液は、収容凹部3のうち当該収容凹部3に収容されている卵EGよりも下方の空間にまで案内されるとともに、収容凹部3の底部に形成された下開口部5からエッグトレー1の外部に排出されることとなる。従って、卵液が収容凹部3において堆積・固化してしまうといった事態を回避することができ、割れていない卵EGとエッグトレー1とが固着してしまうといった事態をより確実に防止することができる。加えて、卵液をエッグトレー1の外部にまで排出可能であることから、連結部4に流出した卵液が大量の場合でも確実に対処することができる。
【0031】
また、収容凹部3の底部に下開口部5が形成されていることで、収容凹部3の内側を比較的簡単かつきれいに洗浄することができ、衛生面においても有利である。加えて、エッグトレー1の軽量化、省資源化等を図ることができる。尚、エッグトレー1をスタッキングした状態で、上段のエッグトレー1に載置された卵EGが割れた場合において、該割れた卵の卵液が、下段のエッグトレー1に落下したとしても、かかる卵液は卵EGの周りには滞留せず、溝部11及び下開口部5を介してさらに下方に排出されることとなる。
【0032】
さらに、連結部4の下面側には、連結部4とともに、互いに隣接する収容凹部3間を連結する補強リブ12が設けられている。このため、エッグトレー1の撓み強度を向上させることができる。
【0033】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について特徴部分を中心に
図10〜
図18を参照して説明する。
図11、
図16等に示すように、第2実施形態のエッグトレー1にも、収容凹部3と各連結部4との境界部において溝部11が形成されているが、その溝部11には溝開口部21が形成されている。また、第2実施形態でも、溝部11の底面に相当する部位が存在するが、当該底面は、互いに隣接する収容凹部3の外周面間を直線状に連結する補強リブ12の上辺部が溝開口部21を介して上方に露出することによって構成されている。
【0034】
さらに、補強リブ12のうち、溝開口部21を介して上方に露出する部位(以下、「露出部22」とも称する)の上辺部は、連結部4の下面と連接している部位の上辺部よりも一段低く、かつ、略水平方向に延びている。このため、溝部11の底面全体が連結部4の下面よりも下方に位置しているような格好となっている。また、露出部22の上辺部から連結部4の溝部11周縁部までの間全体が開口されることによって溝開口部21が形成されている。
【0035】
以上詳述したように、第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、割れた卵EGの卵液が、連結部4を伝って、隣接する卵収容部2の近傍にまで流出した場合に、該卵液を溝部11に流入させることができる。このため、割れた卵EGの卵液が、隣接する卵収容部2に収容された卵EGの側面に沿って広範囲に行き渡り、かつ、そこで停留し、固化してしまうといった事態を抑制することができる。さらに、第2実施形態では、溝部11に溝開口部21が形成されていることから、連結部4に流出した卵液をより積極的に下方に排出することができる。従って、割卵が発生した場合でもその他の割れていない卵EGの取出し作業性の低下を抑制することができるといった作用効果が一層確実に奏される。
【0036】
尚、エッグトレー1のスペース効率を鑑みると、連結部4の幅は極力狭く構成されることとなる。また、卵EGの黄身や白身は比較的粘度が高いため、小さな開口(隙間)を設けるだけでは、該開口を介して卵液を排出させることが困難な場合がある。かといって、例えば、連結部4において極力大きな開口を形成するべく連結部4の幅一杯に開口を形成しようとすると、強度の低下を招くおそれがある。これに対し、本実施形態では、溝部11に溝開口部21を形成している。すなわち、平板状の連結部4にのみ開口部を形成する場合に比べ、溝部11の底面と側面とにかけて溝開口部21を形成することで、溝開口部21の開口面積を大きく取ることも可能となる。換言すれば、溝開口部21の開口面積を十分に確保しつつ、溝開口部21の周りの壁部を増やすことができる。
【0037】
より具体的に、本実施形態では、溝部11に溝開口部21を形成したが、その下方に位置する補強リブ12については省略することなく残存させるとともに、あたかも溝部11の底面の一部が線状に存在しているかのように、溝開口部21を介して補強リブ12を上方に露出させている。さらに、補強リブ12のうち露出部22の上辺部は連結部4の下面よりも下方に位置するとともに、露出部22の上辺部から連結部4の溝部11周縁部までの間全体が開口されることで溝開口部21が形成されている。従って、補強リブ12によって溝開口部21周りの強度を確保することができるとともに、補強リブ12によって、溝開口部21が実質的に2つに分断されるような格好となっても、各溝開口部21は水平方向にだけでなく上下方向にも開口面積を拡張することができるため、卵液を排出するのに十分な開口面積を確保することができる。結果として、強度低下を防止しつつ、卵液の停留をより確実に防止することができる。
【0038】
また、溝部11の底面を構成することとなる補強リブ12の露出部22の上辺部は、連結部4の下面よりもさらに下方に位置している。このため、溝開口部21を横切るようにして補強リブ12が設けられる場合であっても、卵液が溝開口部21に案内され易くなり、溝開口部21を介して、卵液を排出するといった上記作用効果が一層確実に奏される。
【0039】
尚、割れた卵から連結部4に大量の卵液が流出した場合、溝開口部21から一度に排出しきれない卵液については、上記第1実施形態と同様に、溝部11を介して、収容凹部3の下部空間に案内されるとともに、下開口部5からエッグトレー1の外部に排出されることとなる。
【0040】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0041】
(a)上記実施形態では、鶏卵を運搬するエッグトレー1に具体化されているが、その他の種類の卵(例えば、ウズラやアヒル等の卵)を運搬するエッグトレーに適用することも可能である。また、上記実施形態では、エッグトレー1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料によって構成されることとしてもよい。
【0042】
(b)上記実施形態では、収容凹部3と各連結部4との境界部においてのみ溝部11が形成されているが、例えば、溝部11を収容凹部3の下端部にまで延設したり、連結部4の長手方向全域に形成したりすることも可能である。但し、エッグトレー1の強度低下を抑制するといった観点からすると、溝部11を連結部4の長手方向全域に延ばしたり、溝部11を収容凹部3の上端から下端にまで延ばしたりすることは避ける方が望ましい。
【0043】
(c)上記第1実施形態において、流通が想定される範囲で最も小さなサイズ(例えば、SSサイズの中でも最も小さなサイズ)の卵EGを卵収容部2に収容した場合であっても、収容凹部3のうち卵EGとの当接部位(支持する部位)よりも、溝部11の下端部が下方に位置するように構成されていることとしてもよい。すなわち、高さ方向において、卵収容部2のうち卵EGを支持するポイントよりも、溝部11の下端部が下方に位置することで、卵液を比較的スムースに卵収容部2の下部、ひいては、下開口部5に排出することができる。
【0044】
また、上記第1実施形態では、補強リブ12が互いに隣接する収容凹部3の溝部11裏面間を連結するように構成されているが、溝部11以外の部位の間も連結するように構成してもよい。
【0045】
(d)上記第2実施形態では、補強リブ12の露出部22の上辺部が水平に延びているが、対応する収容凹部3側に向けて下方傾斜させてもよい。また、露出部22の上部を上方に向けて先細る断面略テーパ状に構成してもよい。この場合、溝開口部21の実質的な開口面積を広げることができるとともに、卵液が露出部22の上辺部に載ったときの卵白の切れを良くすることができる。さらに、当該構成を採用する場合、溝開口部21に卵EGの鋭端を押し当てたとしても、卵EGが露出部22の上辺部に当接しないように構成されていることとしてもよい。
【0046】
(e)上記実施形態では、収容凹部3の底部に下開口部5が形成されているが、下開口部5が形成されずに、閉塞されていてもよい。例えば、収容凹部3のうち当該収容凹部3に収容された卵EGの下方において比較的大きな空間を確保できるようであれば、溝部11を介して卵EGの下方に流入する卵液を、卵EGに触れないように、かつ、収容凹部3の外部に流出しないように溜めておくことも可能となる。
【0047】
加えて、上記第1実施形態において、エッグトレー1を設置面に設置した場合に、下開口部5と設置面との間に隙間が形成されるように、例えば、収容凹部3の下部から下方に突出する凸部を設ける等してもよい。この場合、設置面に直接設置されるエッグトレー1の下開口部5から確実にエッグトレー1外部に卵液を排出することができる。さらに、エッグトレー1自体を加工するのではなく、エッグトレー1を載せて運搬可能なパレット等の載置面を格子状にしたり、エッグトレー1の収容凹部3の下端部を載置面から浮かした状態で支持可能な支持部を設けたりすることで、下開口部5の下方に隙間が形成されるように構成してもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、エッグトレー1がネスティング及びスタッキングの両方ができるように構成されているが、どちらか一方だけできる構成、又は、両方できない構成であってもよい。さらに、上記実施形態では、エッグトレー1に設けられる収容凹部3等の数は特に限定されるものではない。加えて、上記実施形態では、縦横にそれぞれ真っ直ぐに延びる直線を直交させた碁盤格子状のラインに沿って連結部4が延在しているが、例えば、縦列又は横列の一方において隣接する列の連結部4の位置がずれるように、レンガ積みの目地状に連結部4が延在するように構成してもよい。