【課題を解決するための手段】
【0015】
それ故に、第1の好ましい態様では、本発明は、
第1の電極と、
第1の電極の前に位置付けされた第2の電極構造と、
第1の電極と第2の電極構造の間にはさまれた絶縁層と
を備えるプラズマ発生装置を提供し、第2の電極構造は、ギャップ部分をその間に画定する複数の第2の電極部分を有し、ギャップ部分の幅はwであり、第2の電極部分各々は前表面を有し、さらにギャップ部分各々は前表面を有し、各第2の電極部分の前表面と隣接するギャップ部分の前表面との間の高差はhであり、さらに、hは最大でも1mmで、比w/hは少なくとも1である。
【0016】
第2の好ましい態様では、本発明は、プラズマ発生装置の使用を提供し、プラズマ発生装置は、
第1の電極と、
第1の電極の前に位置付けされた第2の電極構造と、
第1の電極と第2の電極構造の間にはさまれた絶縁層と
を備え、
第2の電極構造は、ギャップ部分をその間に画定する複数の第2の電極部分を有し、ギャップ部分の幅はwであり、第2の電極部分各々は前表面を有し、さらにギャップ部分各々は前表面を有し、第2の電極部分の前表面とギャップ部分の前表面は一緒に包装容器処理表面を形成し、各第2の電極部分の前表面と隣接するギャップ部分の前表面との間の高差はhであり、さらに、hは最大でも1mmで、比w/hは少なくとも1であり、
本使用は、処理されるべき包装容器を包装容器処理表面に当てるステップと、本装置を動作させてプラズマを発生させるステップを含み、発生したプラズマは、実質的に全て、処理される包装容器の中に位置付けされている。
【0017】
第3の好ましい態様では、本発明は、第1の態様に従ったプラズマ発生装置と少なくとも1つの処理されるべき包装容器(および、好ましくは、一連の包装容器)の殺菌装置を提供する。
【0018】
好ましいおよび/または選択的な特徴が、これから示される。これらの特徴は、状況が特に別の要求をしなければ、単独でまたは本発明の任意の態様との任意の組合せで組み合わされることがある。
【0019】
好ましくは、第2の電極部分の前表面とギャップ部分の前表面は一緒に滑らかなトポグラフィを形成する。このことは、デバイスの前表面全体にわたって実質的に均等にプラズマを発生させるために好ましい。このことによって、全てのプラズマを利用することができるようになる。さらに、このことによって、本装置の表面をいっそう容易に保守(例えば、洗浄)することができるようになる。本装置が、滅菌または消毒雰囲気(例えば、バクテリア、真菌、ウイルスなどによって劣化を起こしやすい物体を保管または操作するためのチャンバ中のような)を実現または維持するのに使用される場合に、このことは特に重要である。
【0020】
好ましくは、hの値は十分に小さく、および/または比w/hの値は十分に大きいので、使用中に、プラズマは、実質的に全て、第2の電極部分の前表面とギャップ部分の前表面の最前部の直前に(または、最も好ましい場合には、そこだけに)発生する。
【0021】
第2の電極構造が実質的に平面的形状を持つことがある。しかし、これは、不可欠なことではない。第2の電極は、第2の電極を必要に応じてプラズマを発生させるという仕事に適したものにする任意の形状を持つことができる。例えば、第2の電極は、少なくとも1次元または2次元で凸または凹形状を持つことができる。さらに「鞍状」(1つの次元では凸状、直交する次元では凹状)も考えられる。したがって、「前」という用語は、第2の電極よりも第1の電極の遠く離れた前の(すなわち、第1の電極からより遠く離れた)局部的な場所を指す意図である。前方向は、第1の電極と第2の電極の両方から離れるように向けられた線に沿っていると考えることができ、この線は、第2の電極の全体的な形の接線に垂直である。
【0022】
好ましくは、hは、最大でも0.9mm、最大でも0.8mm、最大でも0.7mm、最大でも0.6mm、最大でも0.5mm、最大でも0.4mm、最大でも0.3mm、最大でも0.2mm、または最大でも0.1mmである。特に、本発明者は、0〜0.3mmの範囲のhが優れた性能を実現することを発見した。
【0023】
好ましくは、比w/hは、少なくとも1である。より好ましくは、この比は、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、または少なくとも100である。
【0024】
好ましくは、wは、第1の電極と第2の電極の間の間隔距離の0.1から2倍、より好ましくは0.2から2倍(例えば、約0.4、0.6、または0.8倍)である。この間隔距離によって、制御された方法で第1の電極からの電界がこのギャップを通って外に漏れるようになり、その結果、プラズマが許容可能な電圧でより制御可能に形成されるようになる。しかし、wの好ましい範囲は、第2の電極の形に或る程度依存している。第2の電極の渦巻き(またはほぼ渦巻き)形の場合のwの最適値は約0.4であると現在考えられるが、六角形の第2の電極の場合には、最適性能を実現するwは0.6から0.8である可能性がある。第1の電極と第2の電極構造の間の距離は、好ましくは0.1から10mmの範囲、より好ましくは0.1〜5mmまたは0.1〜2mmの範囲、または1〜10、1〜5mmまたは1〜2mmの範囲である可能性がある。
【0025】
ここでは、hの測定およびw/hの測定は、ランダムな表面粗さを実質的に無視して行われる意図である。第2の電極部分は、好ましくは、規則正しく配列され、この規則正しい配列は非ランダムである。例えば、好ましくは、第2の電極部分は、一緒に、実質的に放射状のおよび/または実質的に渦巻き形のパターンを形成する。代替えの配列が可能であり、例えば、格子パターンまたはハチの巣状(例えば、六角形)のパターンが可能である。
【0026】
好ましくは、ギャップ部分は誘電体材料を含む。このようにして、ギャップ部分の前表面は、誘電体材料表面である。
【0027】
各第2の電極部分は上を覆う絶縁層の付いた導電性要素を含むことができるので、第2の電極部分の前表面は絶縁表面である。これは、例えば第2の電極を環境劣化から守るために、使用中に第2の電極に覆いつけることが望ましい場合に好ましい。適切な上を覆う絶縁層は、また、第2の電極自体よりも容易に洗浄可能であることがある。したがって、「第2の電極部分」という用語は、必ずしも導電部分だけを必要とするものと解釈されるべきでない。第2の電極部分は、もし存在すれば、上を覆う絶縁層も含むと考えられる。
【0028】
導電性要素の上を覆う絶縁層がある場合には、好ましくは、この絶縁層は、第2の電極部分に隣接するギャップ部分に延びて入っている。このようにして、第2の電極部分の前表面とギャップ部分の前表面が互いに連続的で、かつ同じ材料で形成されることが可能である。一実施形態では、これによって、ランダムな粗さ(好ましくは、最小限に抑えられる)は別にして、本装置の前表面は滑らか(例えば、平ら)になる。そのような装置は、容易に洗浄可能な表面を備えている。絶縁層は、ガラス、マイカ、プラスチックまたはセラミックのような材料であることがある。
【0029】
代替実施形態では、各第2の電極部分は、第2の電極部分の前表面に露出された導電性要素を含むことがある。このようにして、第2の電極は、一般に、使用者の目に見える(また、使用者が触ることができる)。しかし、一般に、第2の電極構造は接地に接続されている。このようにして、第2の電極は、使用者にどんな電気的危険ももたらさない。さらに、好ましくは、第2の電極部分の導電性要素は、少なくとも部分的に、デバイスの表面に埋め込まれている。例えば、ギャップ部分の前表面は、隣接する第2の電極部分の後表面の前方に位置付けされることがある。このようにして、hを減少させることができる。そのような実施形態では、hが実質的にゼロであることがあり、その場合には、導電性要素の前表面がギャップ部分の前表面と水平である。
【0030】
第1の電極は、一般に、第1の電極に交流電圧信号を加えるための信号発生源に接続されているか、接続可能である。第1の電極は、一般に、本装置の内部に位置付けされており、使用者と接触するように露出されていない。例えば、第1の電極は、絶縁ケーシングの中に保持されていることがある。このケーシングの外面は、接地に接続される(または、接続可能である)ことがある。
【0031】
第1の電極に加えられる信号の大きさは、好ましくは少なくとも0.5kVrms、より好ましくは少なくとも1kVrmsである。第1の電極に加えられる信号の大きさは、好ましくは最大でも30kVrms、より好ましくは最大でも15kVrms、または最大でも8kVrmsである。第1の電極に加えられる信号の周波数は、好ましくはkHzの範囲であるが、本装置は、50〜60Hzで動作させても満足に動作するだろう(kHz範囲に比べると良くないが)。より好ましくは、第1の電極に加えられる信号の周波数は、少なくとも1kHzである。さらにより好ましくは、第1の電極に加えられる信号の周波数は、少なくとも5kHzまたは少なくとも10kHzである。好ましくは、第1の電極に加えられる信号の周波数は、最大でも200kHz、より好ましくは最大でも100kHz、さらにより好ましくは最大でも50kHzである。第1の電極に加えられる信号の大きさおよび周波数の範囲のこれらの好ましい限界は、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0032】
本装置は、連続モード動作が可能であるが、パルスモードで動作させることが好ましい。パルスモードが好ましい主な理由は、特に包装容器がプラスチック材料から形成されている場合に、包装容器の熱負荷を制御するためである。一般に、5〜100%の範囲のデューティサイクルが使用されることがある。好ましくは、30〜50%の範囲のデューティサイクルが使用される。一般的なサイクル時間は0.05〜2秒に及ぶ。好ましくは、0.2〜0.4秒の範囲のサイクル時間が使用される。例えば、サイクル時間0.2秒でデューティサイクル50%の場合には、プラズマは、0.1秒間オン、0.1秒間オフの繰り返しで繰り返されるだろう。
【0033】
第2の電極が接地に接続されないで代わりに信号を加えられることがあり得る。この場合、この信号は、第1の電極に加えられる信号と予め決められた位相関係を持っていることが好ましい。例えば、第2の電極に加えられる信号は、第1の電極に加えられる信号と全く位相がずれていることがある。好ましくは、第2の電極に加えられる信号の大きさは、第1の電極に加えられる信号の大きさよりも小さい(また、最も好ましくは、かなり小さい)。このことによって、デバイスからの漏れ電気干渉のさらなる減少(すなわち、デバイスから離れたところでの漏れ電界の減少)が可能になる。
【0034】
好ましくは、第1の電極と第2の電極構造の間にはさまれた絶縁層は、第1の電極と第2の電極構造の間のスペースを完全に満たしている。このことが有利である理由は、そうではなくて第1の電極と第2の電極構造の間に気体で満たされたスペースがあれば、そのようなスペースにプラズマが発生することがあり、これは、装置の効率および寿命を減少させるからである。
【0035】
1つの特に好ましい構成では、本装置は、包装容器を処理するのに適している。この場合、好ましくは、第2の電極部分の前表面とギャップ部分の前表面は一緒に包装容器処理表面を形成している。使用中に、処理されるべき包装容器は、包装容器処理表面に当てられる。そのとき、本装置は、プラズマを発生させるように動作可能である。好ましくは、発生したプラズマは、そのとき実質的に全て、処理されるべき包装容器の内部に位置付けされている。このことの重要な利点は、プラズマの生成物(例えば、オゾン)を包装容器の内部だけに形成することができるので使用者がプラズマの生成物の有意の量にさらされないということである。
【0036】
好ましくは、包装容器処理表面と包装容器の間のギャップの大きさを限定するために、使用中に包装容器処理表面と包装容器は、互いに合っている。そのようなギャップの制限(または、さらに除去も)は、プラズマが生じ得る、包装容器の外部の体積を減少させる。
【0037】
好ましくは、使用中に、包装容器の少なくとも一部が、第2の電極構造全体の上に重ねられている。このようにして、包装容器処理表面と合わされた包装容器のその一部の領域の大きさは、第2の電極構造よりも大きいことがある。このことは、プラズマが包装容器の内部だけに発生し包装容器の外に発生しないことを保証するのに役立つ。
【0038】
本装置は、さらに、包装容器と包装容器処理表面を互いに押し合わせるように動作することができる駆立て手段をさらに有することがある。例えば、駆立て手段は、圧力差によって実現されることがある。そのようなものは、包装容器処理表面と流体連通した吸込み手段で実現することができる。好ましくは、包装容器処理表面は、包装容器と包装容器処理表面の間のギャップから空気を引き抜くためのチャネルを含み、前記チャネルは、任意に、第2の電極部分間のギャップ部分で形成される。チャネルは、実質的に放射状のおよび/または実質的に渦巻き形のパターンをなして包装容器処理表面に形成されることがある。
【0039】
本装置は、さらに、使用中に包装容器で実質的に封止するために設けられた、任意に包装容器処理表面の周囲に延びる少なくとも1つの封止材を含むことがある。
【0040】
好ましくは、本装置は、駆立て手段が包装容器と包装容器処理表面を互いに押し合わせたときだけ第1の電極に電圧を加えるように動作することができるスイッチング手段を含む。例えば、駆立て手段が吸込みによって実現される場合に、包装容器と包装容器処理表面の適切な相互押し合いを示すために、吸込みラインの圧力の予め決められた低下値が利用されることがある。このようにして、スイッチング手段は、安全デバイスとして作用することができ、包装容器が包装容器処理表面に押し付けられていないとき本装置がプラズマを発生させることがないようにする。
【0041】
代替実施形態では、包装容器処理表面は、処理されるべき包装容器に合うことができるようにフレキシブルであることがある。その上、包装容器処理表面は、弾性を持っていることがある。例えば、包装容器処理表面を包装容器に合わせる前に、包装容器処理表面は凸形状であることがある。このことは、包装容器が剛性材料、例えばガラスまたは剛性プラスチックから形成される場合に、特に有用である。
【0042】
好ましくは、包装容器は、植物材料、食品、動物材料、医療用物体、眼科用物体、および薬学用または化粧用製品から選ばれた、処理されるべき少なくとも1つの物体を含む。ここで特に関心のあるのは、ベーカリー製品(新鮮なパンのような)、新鮮な果物、新鮮な野菜、新鮮な食肉、新鮮な魚などのような腐りやすい食品である。しかし、包装容器は空気などの気体だけを含むことができる。その場合に、処理された空気をどこか他の場所で使用するために、上で示されたように包装容器中の空気を処理することは関心のあることがあり、包装容器は、処理された空気を含みかつ運ぶために使用される。
【0043】
一般に、本装置を用いた処理中、包装容器は実質的に気密である。包装容器が使用者によって開けられるまで実質的な気密完全性を維持するために、包装容器は、少なくとも1つの封止を含むことがある。この封止は、開けることによって不可逆的に壊されることがある。代わりに、封止は、使用者による開封の後で再び封止可能であることがある。しかし、プラズマの生成物が、安全性の点で包装容器から漏れ出ることを許される状況では、このことは、不可欠ではない。
【0044】
代替実施形態では、1つまたは複数の物体を操作するためのエンクロージャとして包装容器を使用することができる。そのような物体は、封止可能な開口を通してエンクロージャに入れることができる。本装置を使用するエンクロージャの処理の前に、間にまたは後で、例えば物体を開けるか物体に対して何か他の工程を行うために、エンクロージャの内部で物体を操作することができる。エンクロージャが1つまたは複数のフレキシブルな操作領域(一般に、2つ)を含むとき、この操作は支援されることがある。例えば、フレキシブルな操作領域は、手袋の形をしたエンクロージャの部分によって実現されることがあり、使用者が手をその手袋の中に入れることができ、それによって、使用者が、手袋の厚さでエンクロージャの内部スペースから隔てられながら、エンクロージャの内部スペースに手を「入れて」物体の操作を行うことができるようになる。この工程中に、フレキシブルな操作領域を含めて全エンクロージャは、好ましくは、実質的に封止されたままである。実際には、この実施形態の好ましい形態は、使い捨てのグローブボックスである。この実施形態は、操作物体が1つまたは複数の生物学的有害物質を含む場合に、例えば現場での操作に、または、単に、使い捨てまたは組み立て式のエンクロージャが正当化される場合(例えば、エンクロージャの使用が滅多にない場合)に、および従来のグローブボックスのコストおよび/またはスペースが正当化されない場合に、特に、好ましい。
【0045】
包装容器は、大気圧または大気圧に近い包装雰囲気を含むことがある。包装雰囲気は、好ましくは、酸素(例えば、少なくとも1%の酸素、また好ましくは少なくとも5%の酸素または少なくとも10%の酸素)を含む。例えば、包装材料は空気であることがある。代替えの雰囲気も考えられる。例えば、容器の処理は、包装容器内部の雰囲気から反応性ガスまたは汚染物を除去するためであることがある。一実施形態では、有毒な揮発性有機化合物が、物体の製造で使用された材料(例えば、接着剤)によって放出されることがある。プラズマは、この有毒な揮発性有機化合物を酸化して、比較的に安全にすることができる。他の実施形態では、純粋窒素中でプラズマによって生成された活性種が、特定の望ましくない化合物を破壊するのに有用であることがある。
【0046】
ある気体混合物が、調整雰囲気食品包装(MAP)で使用され、この工程のために、本発明の好ましい実施形態は特に有用である。したがって、例えば、その雰囲気は、調整雰囲気食品包装(MAP)で普通に使用されるような酸素または二酸化炭素のような気体の高いレベルを含むことができる。
【0047】
プラズマがオゾン発生プラズマであることが好ましい。このプラズマは殺菌用途にとって特に関心があるが、本発明は、必ずしも殺菌用途に限定されない。一般に、オゾンは、酸素分子から酸素ラジカルおよびイオンを形成しその結果これらの3つの種の間の反応がオゾンの形成につながることによって、プラズマで生成される。
【0048】
オゾンは、優れた殺菌/消毒剤であり、包装された食品および包装された医療用品などの包装された消費者用物品を処理するのに特に有用であると考えられる。オゾンは、バクテリア、真菌、ウイルス、胞子などを攻撃して実質的に無害にすることができる。大気圧および周囲温度で、オゾンは、有益なことに半減期が短い。プラズマを使用して包装容器中にオゾンを形成した後で、オゾンの量は時間とともに減少して、(処理後ある時間して)消費者が包装容器を開けるようになるとき、包装容器は、残留オゾンをほとんどまたは全く含んでいない。
【0049】
包装容器は、剛体であることがあるが、少なくとも装置の発生表面に押し付けられるように意図された領域では、最も好ましくはフレキシブルである。例えば、包装容器は、フレキシブルな重合体層を含むことがある。既知の包装用プラスチックが特に適しており、例えば、ポリプロピレン(PP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、これらの材料の組合せなどが適している。剛性包装容器(例えば、PETのような剛性プラスチックまたはガラス包装容器の場合)の場合には、本装置が剛性包装容器の外形に合うことが可能である。
【0050】
包装自体には、金属層などの導電層が実質的に無いことが好ましい。このことは、包装が、金属を含む留め具(例えば、ステープル、ワイヤ留め具、その他)などの個別金属部品を含む可能性を排除しない。しかし、包装容器中のプラズマの発生を促進するために、包装が、パターン化された導電層などの導電層を含まないことが特に好ましい。この理由の1つは、そのような層を含むと、包装および/または包装工程の修正が必要になることである。対照的に、本発明の好ましい実施形態の使用は、さらに他の部品を包装の中に追加する必要なしに、予め封止された包装容器を殺菌することを可能にする。このことは、例えば、一か所で包装容器を製造し封止して、後で殺菌するために本装置に移すことができることを意味いている。包装の中に導電層を含むことのさらに他の不利点は、包装された製品の品質に干渉する可能性がある。例えば、包装された食品に接触する金属ラベルは、食品の味の変化、変色、その他を引き起こすことがある。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の電極および第2の電極用の比較的大きな全「フットプリント」領域をプラズマ発生装置に設けることが好ましい。これによって、対応する大きな領域にわたってプラズマを発生させることが可能になる。必要な電極領域は、適当に大きな単一の第1および第2の電極を使用して実現される。しかし、本発明者が実感したことであるが、発明者のシステムは、モジュール配列を使用して大きさの拡大縮小が可能である。
【0052】
したがって、本発明のさらに他の態様では、複数のモジュールを含むプラズマ発生システムが提供され、各モジュールは少なくともモジュール第2の電極を備え、それぞれのモジュール第2の電極は、第2の電極がモジュール第2の電極の組立によって実現される第1の態様に従って、プラズマ発生装置に組み込むことができる。
【0053】
このプラズマ発生システムでは、第1の電極はモジュール第2の電極と協働する単一(すなわち、非モジュール)ユニットとして形成されることがある。しかし、このシステムは、プラズマ発生表面の組立を可能にするように、対応する第2のモジュール電極に対して配列されたモジュール第1の電極を備えることが好ましい。
【0054】
好ましくは、モジュール第2の電極および/またはモジュール第1の電極が互いにぴったりついて電極の必要なアレイを形成する。このモザイク状配列は、好ましくは、プラズマ発生表面全体にわたって比較的一様なプラズマ分布を実現する。
【0055】
本発明のさらに他の任意の特徴は、以下で述べられる。
【0056】
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面に関連して以下で説明される。