特許第5926838号(P5926838)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5926838ホイールの製造方法及び補強構造を有するホイール構成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5926838
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】ホイールの製造方法及び補強構造を有するホイール構成
(51)【国際特許分類】
   B21K 25/00 20060101AFI20160516BHJP
   B21K 1/28 20060101ALI20160516BHJP
   B60B 3/12 20060101ALI20160516BHJP
   B60B 3/04 20060101ALN20160516BHJP
【FI】
   B21K25/00 Z
   B21K1/28
   B60B3/12
   !B60B3/04 A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-94792(P2015-94792)
(22)【出願日】2015年5月7日
【審査請求日】2015年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】515121379
【氏名又は名称】巧新科技工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】王寶惠
(72)【発明者】
【氏名】張慶瑞
(72)【発明者】
【氏名】廖學誠
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平3−139401(JP,A)
【文献】 実開昭52−76001(JP,U)
【文献】 特開2002−178711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 1/00−13/14
B21J 17/00−19/04
B21K 1/00−31/00
B60B 3/12
B60B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前成形方式によりホイール本体が成形され、前記ホイール本体には、凹部開口部と、凹部底面と、前記凹部開口部及び前記凹部底面の間に連接される凹部周囲部とを有する少なくとも1つの収納凹部が成形され、前記ホイール本体はアルミ材で成形され、その工程の後には後成形工程が更に行われるホイール本体の前成形工程と、
前記収納凹部の数量に対応する補強構造を提供し、且つ前記補強構造の材質及び機械性能は前記ホイール本体とは異なり、前記補強構造は表面と、対応面と、前記表面及び前記対応面の間に連接される補強構造周面とを有し、前記表面に対向して正投影されて前記表面に対応して表面の正投影面積を形成させ、前記対応面に対向して正投影されて前記対応に対応して対応面の正投影面積を形成させ、前記対応面の正投影面積は前記表面の正投影面積より大きく、前記補強構造は前記収納凹部内に収納され、且つ前記補強構造の対応面は前記凹部底面に貼着され、前記補強構造周面は前記凹部周囲部に対応し、前記補強構造の補強構造周面及び前記凹部周囲部には隙間を有する補強構造を提供する工程と、
鍛造方式により凹部周囲部から補強構造周面に向けて鍛造され、前記ホイール本体の収納凹部の凹部周囲部が前記補強構造周面に密接される補強構造の鍛造結合工程とを含み、前記各工程が順に実行されることを特徴とする、
ホイールの製造方法。
【請求項2】
前記ホイール本体の前成形工程の方式は鍛造及び鋳造であることを特徴とする、請求項1記載のホイールの製造方法。
【請求項3】
前記補強構造の材質は非アルミ材質であり、前記補強構造の強度および剛性は前記ホイール本体の強度および剛性より高いことを特徴とする、請求項1記載のホイールの製造方法。
【請求項4】
前記補強構造の鍛造結合工程は冷間補強構造の鍛造結合工程であり、且つ前記冷間補強構造の鍛造結合工程は常温状態で直接鍛造を行って前記補強構造の補強構造周面を常温状態でホイール本体の凹部周囲部に密接させることを特徴とする、請求項1記載のホイールの製造方法。
【請求項5】
前記補強構造の鍛造結合工程は熱間補強構造の鍛造結合工程であり、且つ前記補強構造が前記収納凹部内に収納される前には加温工程を更に含み、前記加温工程では前記ホイール本体に対して加温を行い、前記補強構造は常温で前記ホイール本体に納置され、前記補強構造が加温された前記ホイール本体に納置された後、前記ホイール本体が常温を回復していない状態で前記熱間補強構造の鍛造結合工程を執行し、前記熱間補強構造の鍛造結合工程が完了した後に冷却収縮の工程を行い、前記熱間補強構造の鍛造結合工程の後に静置して冷却し、冷却過程中に前記ホイール本体が熱膨張及び冷却収縮現象により収縮し、前記ホイール本体の収納凹部が収縮して前記補強構造を挟持させ、収納凹部と補強構造との接触面がより緊密に干渉し合うことを特徴とする、請求項1記載のホイールの製造方法。
【請求項6】
補強構造の鍛造結合工程の後に、完成したホイールに微細加工を行う工程を更に含み、且つ補強構造の鍛造結合工程の後に研磨及び艶出しの加工作業により表面に微細加工を施してホイールを形成させることを特徴とする、請求項1記載のホイールの製造方法。
【請求項7】
ホイール本体と、前記収納凹部の数量に対応する補強構造を含み、
前記ホイール本体は凹部開口部と、凹部底面と、前記凹部開口部及び前記凹部底面の間に連接される凹部周囲部とを有する少なくとも1つの収納凹部が成形され、アルミ材で成形され、
前記収納凹部の数量に対応する補強構造は、その材質は非アルミ材質であり、且つその強度及び剛性はアルミ材の強度及び剛性より高く、また、表面と、対応面と、前記表面及び前記対応面の間に連接される補強構造周面とを有し、前記表面に対向して正投影されて前記表面に対応して表面の正投影面積を形成させ、前記対応面に対向して正投影されて前記対応面に対応して対応面の正投影面積を形成させ、前記対応面の正投影面積は前記表面の正投影面積より大きく、前記補強構造は前記収納凹部内に収納され、且つ前記補強構造の対応面は前記凹部底面に貼着され、前記補強構造周面は前記凹部周囲部に貼着されて干渉結合状態を呈することを特徴とする、
補強構造設計を有するホイール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールの製造方法及び補強構造を有するホイール構成に関する。
【背景技術】
【0002】
リムは初期は鉄フレームであったが、今ではアルミフレームが主流になっている。アルミフレームは軽量で成形しやすいという特性があるため、製造が便利で軽量化に優れるという優位性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来のリム技術では、即ち、アルミ材が成形しやすいという材料的特性は、アルミ材が剛性に優れないという欠点を示すものでもある。加工技術の進歩により、加工法を改変することでアルミフレームの機械性能を若干向上させることはできるものの、構成全体のアルミ材の材質特性を大きく改善することはできない。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に到った。
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ホイールの製造方法及び補強構造を有するホイール構成を提供し、即ち、一般的なアルミ製ホイールが材料特性のために機械性能が不足するという欠点を改善させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るホイールの製造方法は、前成形方式によりホイール本体が成形され、前記ホイール本体には、凹部開口部と、凹部底面と、前記凹部開口部及び前記凹部底面の間に連接される凹部周囲部とを有する少なくとも1つの収納凹部が成形され、前記ホイール本体はアルミ材で成形され、その工程の後には後成形工程が更に行われるホイール本体の前成形工程と、前記収納凹部の数量に対応する補強構造を提供し、且つ前記補強構造の材質及び機械性能は前記ホイール本体とは異なり、前記補強構造は表面と、対応面と、前記表面及び前記対応面の間に連接される補強構造周面とを有し、前記表面に対向して正投影されて前記表面に対応して表面の正投影面積を形成させ、前記対応面に対向して正投影されて前記対応に対応して対応面の正投影面積を形成させ、前記対応面の正投影面積は前記表面の正投影面積より大きく、前記補強構造は前記収納凹部内に収納され、且つ前記補強構造の対応面は前記凹部底面に貼着され、前記補強構造周面は前記凹部周囲部に対応し、前記補強構造の補強構造周面及び前記凹部周囲部には隙間を有する補強構造を提供する工程と、鍛造方式により凹部周囲部から補強構造周面に向けて鍛造され、前記ホイール本体の収納凹部の凹部周囲部が前記補強構造周面に密接される補強構造の鍛造結合工程とを含み、順に実行されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る補強構造を有するホイール構成は、ホイール本体と、前記収納凹部の数量に対応する補強構造を含み、前記ホイール本体は凹部開口部と、凹部底面と、前記凹部開口部及び前記凹部底面の間に連接される凹部周囲部とを有する少なくとも1つの収納凹部が成形され、アルミ材で成形され、前記収納凹部の数量に対応する補強構造は、その材質は非アルミ材質であり、且つその強度及び剛性はアルミ材の強度及び剛性より高く、また、表面と、対応面と、前記表面及び前記対応面の間に連接される補強構造周面とを有し、また、前記表面に対向して正投影されて前記表面に対応して表面の正投影面積を形成させ、前記対応面に対向して正投影されて前記対応面に対応して対応面の正投影面積を形成させ、前記対応面の正投影面積は前記表面の正投影面積より大きく、前記補強構造は前記収納凹部内に収納され、且つ前記補強構造の対応面は前記凹部底面に貼着され、前記補強構造周面は前記凹部周囲部に貼着されて干渉結合状態を呈することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るホイールの製造方法により、前成形過程で同時に収納凹部が成形され、補強構造が収納凹部内に収納されて補強構造の鍛造結合工程の同一の鍛造工程において補強構造を挟着させて安定的な構造体とする。同一の成形工程において補強構造を結合させ、補強構造の対応する位置の機械性能を高める。機械性能とは剛性或いは弾性等であり、これにより経済的な付加価値が高い製造方法及び性能の優れたホイールを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のホイールの製造方法のフローチャート。
図2】本発明のホイールの製造方法において、ホイール本体及び補強構造を示す展開図である。
図3】本発明のホイールの製造方法により補強構造を有するホイール構成を完成する外観斜視図である。
図4】本発明のホイールの製造方法において、補強構造がホイール本体に組み入れ、鍛造されない状態の概念図である。
図5】本発明のホイールの製造方法において、補強構造がホイール本体に組み入れ、鍛造された後の状態の概念図である。
図6】本発明のホイールの製造方法により補強構造を有するホイール構成を完成する断面の概念図である。
図7】補強構造を、本発明の補強構造を有するホイール構成の異なる位置に組み入れる概念図である。
図8】補強構造を、本発明の補強構造を有するホイール構成の他の異なる位置に組み入れる概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0011】
<第1実施形態>
以下、実施形態1を図1〜8に基づいて説明する。本発明に係るホイールの製造方法は、以下の工程を含み、順に実行される。
ホイール本体の前成形工程(A)では、前成形方式によりホイール本体10が成形される。ホイール本体の前成形工程(A)の方式は鍛造及び鋳造を含み、前成形されるホイール本体10はリム11の内周縁に連接されて成形される複数の幅部12の一端を備え、各幅部12の他端は中心部13に集中して連接される。また、本工程では前記ホイール本体10に少なくとも1つの収納凹部14が成形され、収納凹部14の位置及び数量は制限されない。収納凹部14は凹部開口部141と、凹部底面142と、凹部開口部141及び凹部底面142の間に連接される凹部周囲部143とを有する。ホイール本体10はアルミ材で成形され、前成形後には連続して後成形工程が行われ、ホイールの細部の構造及びサイズの精度の調整が行われる。
【0012】
補強構造を提供する工程(B)では、収納凹部14の数量に対応する補強構造20を提供する。補強構造20の材質及び機械性能は前記ホイール本体10とは異なり、補強構造20の材質は非アルミ材質であり、本実施形態に係る補強構造20の機械性能は、強度や剛性がホイール本体10の強度や剛性より高い。このほか、補強構造20は表面21と、対応面22と、表面21及び対応面22の間に連接される補強構造周面23とを有する。表面21に対向して正投影されて表面21に対応して表面の正投影面積を形成させ、対応面22に対向して正投影されて対応面22に対応して対応面の正投影面積を形成させ、対応面の正投影面積が表面の正投影面積より大きい。なお、補強構造20は収納凹部14内に収納され、且つ補強構造20の対応面22が凹部底面142に貼着され、補強構造周面23が凹部周囲部143に対応する。本工程では、補強構造20の補強構造周面23及び凹部周囲部143には隙間を有する(図4参照)。
【0013】
補強構造の鍛造結合工程(C)では、鍛造方式により凹部周囲部143から補強構造周面23に向けて鍛造され、ホイール本体10の収納凹部14の凹部周囲部143が補強構造周面23に密接される(図5参照)。また、補強構造の鍛造結合工程(C)は、冷間補強構造の鍛造結合工程(C1)及び熱間補強構造の鍛造結合工程(C2)に更に分けられる。冷間補強構造の鍛造結合工程(C1)では、常温状態で直接鍛造を行い、補強構造20の補強構造周面23を常温状態でホイール本体10の凹部周囲部143に密接させる。熱間補強構造の鍛造結合工程(C2)では、補強構造20が収納凹部14に収納される前に加温工程(D)が行われる。
【0014】
加温工程(D)では、前記ホイール本体10に対して加温を行い、ホイール本体10を加温膨脹させる。補強構造20は常温状態で前記ホイール本体10に納置され、補強構造20が加温後のホイール本体10に納置された後、ホイール本体10が常温まで回復していない状態で熱間補強構造の鍛造結合工程(C2)を行う。
熱間補強構造の鍛造結合工程(C2)が完了した後に冷却収縮の工程(E)を行い、熱間補強構造の鍛造結合工程(C2)の後に静置して冷却させる。冷却過程では、ホイール本体10は熱膨張及び冷却収縮現象により収縮し、同時にホイール本体10の収納凹部14が収縮されることで補強構造20が挟持され、収納凹部14及び補強構造20の接触面がより緊密に干渉し合う。
【0015】
完成したホイールに微細加工を行う工程(F)では、補強構造の鍛造結合工程(C)の後に研磨及び艶出しの加工作業により表面に微細加工を施してホイール100を形成させる。
【0016】
上述の方法で製造される補強構造を有するホイールは、ホイール本体10がリム11の内周縁に連接して成形される複数の幅部12の一端を有し、各幅部12の他端は中心部13に集中して連接される。また、ホイール本体10には少なくとも1つの収納凹部14が成形される。収納凹部14は凹部開口部141と、凹部底面142と、凹部開口部141及び凹部底面142の間に連接される凹部周囲部143とを有する。
【0017】
収納凹部14の数量に対応する補強構造20の材質及び機械性能はホイール本体10とは異なり、補強構造材質は非アルミ材質であり、補強構造20の機械性能、例えば強度や剛性は前記ホイール本体10の強度や剛性より高い。
また、補強構造20は表面21と、対応面22と、表面21及び対応面22の間に連接される補強構造周面23とを有する。表面21に対向して正投影されて表面21に対応して表面の正投影面積を形成させ、対応面22に対向して正投影されて対応面22に対応して対応面の正投影面積を形成させ、対応面の正投影面積は表面の正投影面積より大きい。補強構造20が収納凹部14内に収納され、且つ補強構造20の対応面22が凹部底面142に貼着され、補強構造周面23が凹部周囲部143に貼着されて干渉結合状態を呈する。
【0018】
以上が本発明に係る補強構造を有するホイールの構造の形態及び特徴、並びにホイールの製造方法である。製造方法の特徴としては、本発明に係るホイール本体10は主に、先に前成形が行われ、モジュール設計により収納凹部14を有するホイール本体10が成形されるため、成形の自由度の高さという長所を有する。
【0019】
続いて、ホイール本体の前成形工程(A)及び補強構造を提供する工程(B)の後に、補強構造の鍛造結合工程(C)が行われて、ホイール本体10と補強構造20とが緊密に結合される。鍛造方式によりホイール本体10の収納凹部14の凹部周囲部143が圧力を受けて塑性変形して補強構造20の外に貼り合わされるほか、ホイール本体10全体の剛性を高める。補強構造20がホイール本体10の材質とは異なる弾性、強度、或いは靭性等の機械性能を有するため、剛性以外の機械性能を高める目的を達成させる。
【0020】
補強構造の鍛造結合工程(C)の後に、ホイール本体10の収納凹部14の凹部周囲部143は塑性変形により補強構造20に貼り合わされ、本発明に係る補強構造20の構造体の配置と合わせて対応面の正投影面積が表面の正投影面積より大きい態様になる。収納凹部14の凹部周囲部143が塑性変形により補強構造20の補強構造周面23に緊密に貼り合わされると、ホイール本体10の収納凹部14の凹部開口部141が補強構造20の表面21に対応して収縮し、且つホイール本体10が補強構造20に緊結されて安定的な結合態様になる。
本工程を経た後、補強構造20の対応面の正投影面積が表面の正投影面積より大きくなり、且つホイール本体10の凹部開口部141の箇所が表面21に対応して密接されるため、補強構造20の対応面の正投影面積も凹部開口部141の正投影面積より大きくなり、補強構造20が凹部開口部141に向けて脱出する移動能力も限定され、補強構造20が収納凹部14から脱出しないように確保される。
【0021】
上述から分かるように、本発明は補強構造の鍛造結合工程(C)中で同時に前記ホイール本体10の機械性能を改善させ、且つ補強構造20を緊密に結合させ、補強構造20の構造配置により最も安定的な組み合わせの態様になる。
また、他の結合媒体が全く不要であり、製造効率が高いほか、結合媒体の劣化による構造の不安定化も回避でき、構造全体の安定性を高める。さらに重要な点は、本発明に係る補強構造20の剛性がホイール本体10自体の材質より高く製造されるため、ホイール本体10の補強構造20が設置される箇所の構造的剛性が顕著に高まり、当然、ホイール100全体の剛性も高まる。
【0022】
異なる位置に配置される補強構造20により特定の「位置」の機械性能を改変させるほか(図7及び図8参照)、当然ながら補強構造20の材質を改変させて、ホイール本体10全体の「機械性能」を補強し、同じホイール本体10の異なる位置に配置される異なる材質の補強構造により、前記ホイール本体10の異なる部位に異なる機械性能を与えて各種の車両の設計時に求められる値を達成させる。
【0023】
このほか、本発明に係る収納凹部14はホイール本体の前成形工程(A)で成形され、これにより収納凹部14の成形位置はホイールの需要に応じて設置され、配置の自由度が高く、結合時に同様に補強構造の鍛造結合工程(C)で一回で結合される。よって、極めて高い製造の自由度を有し、製品の需要に応じてモジュールの設計を変更して最適な製品を提供することで、極めて高い付加価値を獲得する。
【0024】
また、表(1)は補強構造20のホイール本体10が未設置の場合、ホイール本体10にチタン材質の補強構造20が設置される場合、及びホイール本体10に鋼鉄材質の補強構造20が設置される場合の模擬分析数値である。
表(1)から分かるように、ホイール本体10に補強構造20が設置された後には、表の各測定物の機械性能が明確に変化しており、変形量は曲げ荷重3473.6Nmが掛けられた際の変形量である。
【0025】
【表1】
【0026】
本明細書に開示された実施形態は、本発明を限定するものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の思想と範囲が限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲により解釈すべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0027】
100 ホイール
10 ホイール本体
11 リム
12 幅部
13 中心部
14 収納凹部
141 凹部開口部
142 凹部底面
143 凹部周囲部
20 補強構造
21 表面
22 対応面
23 補強構造周面
(A) ホイール本体の前成形工程
(B) 補強構造を提供する工程
(C) 補強構造の鍛造結合工程
(C1)冷間補強構造の鍛造結合工程
(C2)熱間補強構造の鍛造結合工程
(D) 加温工程
(E) 冷却収縮の工程
(F) 完成したホイールに微細加工を行う工程
【要約】
【課題】ホイールの製造方法及び補強構造を有するホイール構成を提供する。
【解決手段】本発明によれば、ホイール本体の前成形工程で成形される収納凹部により、補強構造が収納凹部に収納された後にホイールを成形する同一の鍛造工程において、前記補強構造を挟着結合させて安定的な構造体にする。また、ホイールに微細加工を行う同一の工程において、補強構造を結合させることで他の複雑な施工が不要になり、補強構造は対応する位置の機械性能が改善される。これにより、経済的な付加価値が高い製造方法及び性能が優れたホイールを提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8