(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記縦型フレームは、4本の支持柱と、2本の案内柱と、前記支持柱の頂端に設けられた固定横梁と、前記支持柱の底端に設けられた作業台と、前記固定横梁の頂端に囲いで囲まれた頂端平台とを備え、
前記落錘装置において、前記中央貫通孔の両側には、前記案内柱を通り抜けるのための1対の案内スライドスリーブが、前記中央貫通孔と平行に設けられることを特徴とする請求項2に記載の動力学的性能試験システム。
前記縦型フレームの周辺に防護壁を備え、前記縦型フレームの底部に、落錘装置の着地に緩衝作用を果たす液圧緩衝器を備えることを特徴とする請求項2に記載の動力学的性能試験システム。
前記挟持装置は、楔形の挟持形式を採用し、前記挟持装置のチャックブロック内に、前記試料の螺旋紋と合致している螺旋線が加工されることを特徴とする請求項2に記載の動力学的性能試験システム。
前記測定制御システムは、前記落錘装置が既に所定の高さに達したことが検出された場合、制御状態を落錘準備状態に切換え、且つ、警報を出すことを特徴とする請求項1に記載の動力学的性能試験システム。
前記引き上げ装置は、引き上げ電機により前記落錘装置を引き上げ、前記引き上げ電機は、周波数変換制動サイクロイド針輪減速電機であることを特徴とする、請求項7に記載の動力学的性能試験システム。
前記吊り手アセンブリは、対向に設けられた2セットの吊り手を備え、前記吊り手の各セットは共通の回転軸を有して、2セットの前記吊り手を互いに反対方向に回転させ、
前記吊り手の内側の上縁に段差部を備えて、2つの前記段差部の間に前記錠芯を収納し、2つの前記吊り手の間に、前記錠芯が前記吊り手アセンブリから外した後、前記2セットの吊り手を互いに反対に回転させて前記落錘装置を弛緩するための戻しバネが設けられ、前記吊り手の内側の下縁に半円形状の案内部を備え、前記下吊り環の作用力の下で前記吊り手を互いに反対方向に回転させて、前記吊り手により前記落錘装置をロッキングする、ことを特徴とする請求項11に記載の動力学的性能試験システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の特徴および利点を具現化した好適な実施例について、本発明を詳しく説明する。本発明は、異なる実施例において様々な変化を有することができ、これらの変化は、本発明の範囲から逸脱することでなく、且つ、その説明および添付した図面は、本質的には例示として用いられ、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【0014】
本発明の実施例に係る動力学的性能試験システムは、主体、および測定制御システムの2つ部分に分けることができる。前記主体は、縦型フレーム1、落錘装置2、挟持装置3、引き上げ装置、および防護装置の5つの部分に分ける。前記測定制御システムは、機能に応じて、検知モジュール、制御モジュール、解析モジュール、出力モジュール、および防護モジュールの5つのモジュールに分けることができる。以下、上記の各部分についてそれぞれ説明する。
【0015】
1.縦型フレーム
図1および
図2に示すように、縦型フレーム1は、垂直に配置したフレーム構造であり、主に4本の支持柱11、2本の案内柱12、作業台13、固定横梁14を備える。作業台13は、縦型フレーム1の最底端に位置し、支持柱11および案内柱12は、いずれも作業台13上に配置され、支持柱11および案内柱12の頂端に、固定横梁14が設けられ、固定横梁14の位置に、1つのフレーム構造の、囲い(fence)51を有する頂端平台が形成されて、引き上げ装置の複滑車43および固定挟持装置3を配置するために用いられる。
【0016】
図1および
図2に示すように、各側面における2本の支持柱11は、水平引き板15により互いに接続され、4本の支持柱11の上下の両面は、いずれも、高強度の六角ボルトと蝶形止め座金により、固定横梁14および作業台13上に締付けられて固定され、これで縦型フレーム1が十分な剛性を有することを確保する。案内柱12は、自由落下する落錘装置2に対して案内の役割を果たすものであり、それは、各側面の2本の支持柱11の間の中間位置に、対称的に配置されることが好ましい。
【0017】
案内柱12は、潤滑性を有するの必要があり、潤滑する場合には、案内柱12上に定期的に適量の潤滑油を加えればよい。
【0018】
以上から分かるように、本発明の縦型フレーム1のフレーム構造は、その構成が合理的であり、剛性が高く、外観的に美しいなどの利点を有している。
【0019】
2.落錘装置
図1、
図2、
図4および
図7に示すように、落錘装置2は、縦型フレーム1の所定の高さから垂直に落下して試料6のトレー61を衝撃するためのものである。
【0020】
落錘装置2は、上ハンマー体201、接続ハンマー体202、下ハンマー体203、カウンターウェイト(錘)23、および下吊り環21などの主要な部品と、位置決めロッド(位置決め棒)25、位置決め柱281、282、位置決めブロック24、締め付けナット242などの部品とを備える。
【0021】
上ハンマー体201および下ハンマー体203の間は、左右の2つの接続ハンマー体202により接続され、接続形態は、例えば、スピロ栓291により接続する。2つの接続ハンマー体202の間の空間は、カウンターウェイト23を配置するために用いられる。位置決めロッド25および位置決め柱281、282により複数のカウンターウェイト23の間の水平位置決めを行う。
【0022】
図8および
図9に示すように、位置決めロッド25の底部は、下ハンマー体203の上表面に、回転可能に設けられる。位置決めロッド25の頂端は、正四角柱形状であってもよく、位置決めロッド25頂端は、上ハンマー体201を通り抜けて、互いに垂直している位置決めブロック24の凹面と当接して、位置決めロッド25の回転を制限する。位置決めブロック24は、下吊り環21の端面210に接触し、位置決めブロック24上に長穴241が設けられ、位置決めブロック242を上ハンマー体201の上表面に固定するように、長穴241に締め付けナット242が穿設され、さらに、位置決めロッド25の回転を制限し、従って、カウンターウェイトの水平位置決めを達成する。
【0023】
図9および
図10に示すように、上ハンマー体201および下ハンマー体203との間の位置決めロッド25は、2つの平行側面252と、2つの円弧端面251を備え、円弧端面251と配合するように、カウンターウェイト23上に円弧凹部が設けられ、円弧端面251の円弧の弧度と、円弧凹部の円弧の弧度とは、等しくてもよく、等しくなくてもよい。円弧端面251とカウンターウェイト23の円弧凹部とが互いに配合して、カウンターウェイト23の水平位置決めを行う。位置決めロッド25を回転して、2つの円弧端面251を、円弧凹部から離れさせて、位置決めロッド25のカウンターウェイト23に対する横方向への係止を解除し、これにより、カウンターウェイト23の増減を行って、前記落錘装置2の自重の増減を行うことができる。
【0024】
カウンターウェイト23を取り外す前に、スパナを用いてカウンターウェイト23の頂部の締め付けナット242を弛緩し、その後、ハンマー体20の上面の位置決めブロック24を移動させ、位置決めロッド25を回転し、その後にカウンターウェイト23を移出することができる。
【0025】
図9に示すように、カウンターウェイト23の位置決め柱281と接触する位置にも、位置決め柱281、282とマッチングする円弧凹部が設けられている。中央の2セットのカウンターウェイト23は取り出すことができ、これで落錘装置2の自重を増減する。しかしながら、位置決め柱281、282を取り出さなかった場合、両側の2セットのカウンターウェイト230は、増減することができない。そのため、位置決めロッド25のやり方に従って、位置決め柱281、281を、選択可能な形態にすることができ、これで落錘装置2の自重の増減を行うカウンターウェイトの数量を増加することが可能になる。
【0026】
下吊り環21は、上ハンマー体201の上表面に設けられる。下吊り環21は、2つの端面210と、2つの側面212とを有する。吊り手凹部(凹溝)213は、2つの側面212上に設けられて、引き上げ装置の吊り手423とと係合するために用いられる。下吊り環21の中央位置には、試料6が通り抜けるための中央貫通孔211を有し、中央貫通孔211の両側には、対称的に、案内柱12が通り抜けるための1対の案内スライドスリーブ22が設けられる。
【0027】
落錘装置2は、本発明の動力学的性能試験システムにおける最も主要な作動部品であり、試料6を衝撃する過程において、巨大な衝撃力、曲げ力、および振動に耐える必要がある。落錘装置2の重さは、カウンターウェイト23の数量を変更することにより調整される。
【0028】
3.引き上げ装置
引き上げ装置は、縦型フレーム1の底部に位置した落錘装置2を、試験を行う所定の高さまでに引き上げるために用いられ、安全性を考慮して、落錘装置2は使用しない場合には、縦型フレーム1の底部に配置される。
【0029】
図1〜
図4に示すように、引き上げ装置は、主に引き上げ枠体41、吊り手アセンブリ42、複滑車43、スチール・ケーブルおよび引き上げ電機40などから構成される。
【0030】
引き上げ電機40は、周波数変換制動サイクロイド針輪減速電機を用い、当該電機は、制御システムの制御下で無段階変速機能を達成することができて、落錘装置の引き上げ速度を、無段階に調整すうことが可能になり、試験の効率を向上させる。当該電機のタイプは、電機と減速機とが一体に形成された減速電機であり、ここで、減速機はサイクロイド式針輪減速機を用い、体積が小さく、作業効率が高く、出力トルクが大きいなどの利点を持っている。
【0031】
引き上げ装置の吊り手423は、引き上げ枠体41内に配置され、引き上げ枠体41は、縦型フレーム1内を上下方向に移動する必要があるため、移動可能な横梁と呼んでもよい。
図3に示すように、引き上げ枠体41は、横向き枠体410、および横向き枠体410の後端に設けられた縦向き枠体413を備える。
【0032】
図3に示すように、横向き枠体410は、鋼板により溶接してなり、横向き枠体410内に、吊り手アセンブリ42が設けられ、吊り手アセンブリ42は、吊り手423を備える。クランプハブ412は、横向き枠体410の両端に設けられ、これにより、スチールケーブルクランプ(steel cable clamp)でスチールケーブルの下端が固定され、スチールケーブルの上端は、頂端平台上に配置した複滑車43を経て、さらに引き上げ電機40に接続されて、引き上げ枠体41の昇降を達成する。クランプハブ412の内側には、案内柱12を通り抜けるための貫通孔414が設けられる。
【0033】
縦向き枠体413内には、電磁石415が設けられる。電磁石415は、吊り手アセンブリ42が落錘装置2をロッキングする、または、落錘装置2を弛緩することを制御するために用いられる。吊り手アセンブリ42の両側には、回転アーム416がヒンジ結合され、回転アーム416の形状は、例えば、Y字形であり、回転アーム416上に錠芯425が接続され、通電した時に電磁石415が回転アーム416を回転させて、錠芯425を吊り手アセンブリ42から外させ、停電した時に電磁石415は回転アーム416を落下させて、錠芯425を吊り手アセンブリ42に戻させ、これにより落錘装置2をロッキングすることができる。
【0034】
図4に示すように、吊り手アセンブリ42は主要な部品(critical component)であって、錠芯425、吊り手423、転軸421、戻しバネ428、および案内部429などを備える。その中で、吊り手423は、2セットであり、セットごとに2つがあり、2セットの吊り手423は対向して設けられ、各セットの吊り手423は、共通の回転軸421を有し、その他の1セットの吊り手423と反対方向に回転する。
【0035】
吊り手423の内側上縁に、段差部が設けられて、2つの前記段差部の間に錠芯425を収納する。
図4から分かるように、
図4に示す状態は、吊り手423をロッキングした状態であり、錠芯425が2つの前記段差部の間に位置する時に、吊り手423の回転を制限することができ、これにより吊り手423が意外に弛緩してハンマー装置2が脱落されることを防止する。当該状態下で、2つの吊り手423の対向面の間の隙間が比較的小さく、2つの吊り手の対向面の間に運動干渉が生ずることを防止するために、上記隙間を大きくさせるか、または転軸421を上記対向面の上端以上の位置に設ける。
【0036】
吊り手423の間に、戻しバネ428が結合されており、戻しバネ428の両端部は、それぞれ、2つの吊り手423の上部に配置された接続柱427に結合されている。戻しバネ428は、錠芯425が吊り手アセンブリ42から外した後、2セットの吊り手423を逆方向へ回転させて落錘装置2を弛緩するために用いられる。
【0037】
吊り手423の内側下縁に、半円形状の案内部429を備え、前記引き上げ枠体41が下方向へ移動して落錘装置42に接近する過程において、2つの吊り手423の間は開かれており、戻しバネ428は収縮状態になっており、下吊り環21は両吊り手423の底端を通り抜けて、案内部429に接触するまで案内部429に向かって接近し、下吊り環21の作用力により、吊り手423は戻しバネ428の反作用力を克服して反対方向に回転し、これにより前記吊り手と下吊り環21の側面211の吊り手凹部213とを係合させ、同時に錠芯425が2つの段差部の間に挟まれて、ロッキングされることを達成する。
【0038】
引き上げ電機40は、縦型フレーム1の底部に位置し、引き上げ電機40は、縦型フレーム1(主にその作業台13)とは別当に単独に装着され、これにより、縦型フレーム1の振動による引き上げ電機40への影響を大幅に減少することができ、且つ装着および補修に便利である。
【0039】
4.挟持装置
挟持装置3は、縦型フレーム1の頂部に設けられ、試料6の頂端を垂直方向に挟持するために用いられる。
【0040】
図5に示すように、本発明は、液圧・楔形の挟持形式により試料を挟持する。挟持装置3は、チャック油シリンダ33、ピストン32、チャック体31、2つのチャックブロック36、斜め下向きに傾斜して設けられた顎板34、および押板35を備える。
図5および
図6に示すように、
図6における上方が前方であり、下方が後方である。また、挟持装置の前面には、等脚台形の開口を有し、チャックブロック36は直角台形の形状となっており、前後方向においては、顎板34と背板39との間に固定されている。
【0041】
押板35は、ピストン32の下端部に接続し、ピストン32の作用により上下に移動する。2つのチャックブロック36の上端に、押板35とを配合するスライディング・シュートが設けられ、水平方向へ摺動可能に押板35に接続されている。2つのチャックブロック36の側辺は、傾斜に設けられた顎板34に沿って摺動する。
【0042】
図6に示すように、試料6を、2つのチャックブロック6の底部に形成された丸穴360に装着し、2つのチャックブロック6の頂端部に凸縁361が設けられて、顎板34の凹溝340と互いに配合して、2つのチャックブロック36の側辺と顎板34との摺接を達成する。
【0043】
ピストン33の作用力により押板35が上方へ運動する時に、これに連れて2つのチャックブロック36は上方向へ且つ外方向へ対向して開かれ、これにより試料を挟持する。試料を入れた後、ピストン33の作用力により、押板35が下方へ運動し、これに連れて2つのチャックブロック36が下方向へ且つ内方向へ対向して閉じられ、これにより試料を丸穴360中に挟持する。
【0044】
チャックブロック36は、高強度、高硬度の材料を用い、且つ、チャックブロック36内には、試料6の螺旋紋と合致している螺旋線が加工されてあって、試験において試料6を挟持する信頼性を確保する。
【0045】
挟持装置3には、独立した液圧源が配置されて、挟持装置3の手動的制御を実現することができる。油路の概略構成図は、
図6に示す通りである。油路におけるアセンブリは、油タンク331、油粗濾過器332、プランジャーポンプ333、電機334、オーバーフロー弁335、圧力計337、電磁逆転弁338を備える。手持型制御カートリッジ上の油ポンプの起動プッシュボタンを押すと、油ポンプに電力が供給され、その後油シリンダ33の挟持プッシュボタンを押すと、電磁弁338の左の位置に電力が供給されて締め付け機能を実現し、試料6を締め付けるようになり、締め付けプッシュボタンは、寸動ボタンである。1回の試験が終了した後、油シリンダ33の弛緩プッシュボタンを押すると、電磁弁337の右の位置に電力が供給されて、弛緩機能を実現し、試料6を弛緩する。試験が全部終了すると、油ポンプの停止プッシュボタンを押して、機器を停止させる。
【0046】
5.防護装置および防護モジュール
本発明の動力学的性能試験システムにおいて、落下した落錘装置2により比較的大きな衝撃力が生成されて、雑音を生成し、且つ試験に参与する人員に潜在的な危害を与えるため、特に防護を行う必要がある。本発明の動力学的性能試験システムにおける防護は、主に、次の2つの面を含み、即ち、物理的な防護に焦点を当てて、主に隔離などの手段により潜在的な危害を低減させる主体における防護装置と、安全制御に焦点を当てて、試験の進行過程の面から試験システムの潜在的な危害の生成を防止する測定制御システムにおける防護モジュールとを含む。
【0047】
まず、本発明の動力学的性能試験システムにおいて、その縦型フレーム1は、雑音の危害を低減するために、4側面に防護壁を有し、または3側面に防護壁を有し、且つ沈み込め環境に配置されることが好ましい。また、測定制御システムにおける制御台は、相対的に高い位置、例えば、防護壁の頂部に配置されることが好ましい。操作者が容易に操作するために、互いに対向している2つの防護壁の間に橋を構築することができる。
【0048】
前に提出された、補修員の縦型フレーム1の頂部における作業に対して安全的保障を与えるための防護柵51の他に、防護装置は、さらに、飛行物体による負傷を防止するために、縦型フレーム1の左、前、右の3つの方向に設けられた、高さが2mの鋼板防護ネット53を備える。また、作業台13上に設けられた4つのエネルギー緩衝器52も備え、緩衝器52は、落下した落錘装置2に対し緩衝および弾性支持の役割を果たすものであり、雑音を効果的に低減することができる。また、緩衝器52は、落錘装置2の直下方向に配置されて、試料6が破裂した後の落錘装置2の余剰衝撃エネルギーを吸収する。その作動方式は、液圧減衰方式であり、総エネルギー吸収能力は、10000J(ジュール)であってもよい。
【0049】
本発明の測定制御システムにおける防護モジュールによれば、次の保護を与えることができる。
1)ドアオープン時の停電による保護:主体のある部分に障害が現れた場合、または、カウンターウェイト23を取り外す必要がある場合、操作者は、防護ドアを開けてから、主体に入ることができる。防護ドアが開かれた状態になれば、本発明の動力学的性能試験システムの電気制御システムは、停機状態になり、いかなる指令も受け入れられない。
2)上極限の制限による保護:引き上げ電機40の操作ミスにより引き上げ行程を越えて「衝突(クラッシュ)」することを避けるために、最大行程の箇所に、行程スイッチを設けて、限界位置に達すると自動的に停機されるようになる。
3)音響光学警報:支持柱11中の一つの頂端に1つの音響光学器が設けられ、主体が落錘の準備状態に入ると、音響光学警報装置は、点滅して警報音を発生する。落錘装置2が放出された後、警報装置は自動的にオフされる。
4)また、引き上げ装置の吊り手アセンブリ42について、その錠芯424の傍に検出装置が設けられて、吊り手423が所定の位置に達しているか否かを判断するために用いられる。吊り手423が所定の位置に達していなかった場合、引き上げ電機40は、落錘装置2を引き上げる方向へ回転しない。
【0050】
6.制御装置
本発明の動力学的性能試験システムにおいて、制御装置は、ヒューマン・コンピュータ・インタフェース(HCI:Human−Computer Interface)、プログラム可能な制御器(PLCと略称)、引き上げ電機40の周波数変換器、信号入力端子および信号出力端子などの部分を備え、落錘試験プロセスが正常に行われることを制御する。
【0051】
信号入力端子に入力された信号は、落錘高さの選択、2回衝撃の選択、防護ネットの状態、落錘の状態、吊り手の状態、落錘スイッチの状態、エンコーダにより得られた変位カウントなどを含む。信号出力端子から出力された信号は、落錘準備信号ランプ、落錘イネーブル信号、光学警報、音響警報、2回衝撃防止信号、周波数変換器回転信号、周波数変換器停止信号などを含む。
【0052】
ヒューマン・コンピュータ・インタフェースは、タッチスクリーンであってもよい。
タッチスクリーンは言語の選択画面を表示し、ユーザは、簡体中国語または英語(ENGLISH)の画面を選択することができ、一度画面を選択したら、再度通電しない限り、ユーザは切換えることができず、中国語のインターフェイスから英語(CHINESE TO ENGLIS)のインターフェイスへ、または英語のインターフェイスから中国語のインターフェイス(ENGLISH TO CHINESE)へ切換える場合、電源を遮断して再度通電してから、選択しなければいけない。ヒューマン・コンピュータ・インタフェースには、さらに、「テスト(Test)」というオプションがあり、それは、2回衝撃防止、およびド落錘の3つの電磁石の動作が正常であるか否かを検査するために設けられた機能オプションであり、試験が正常に行われる場合、ユーザはテスト画面に入る必要がなく、一度入れたらテスト画面からログアウトすることができる。
【0053】
例えば、中国語を選択して入った後、次のオプションがある。
移動速度(Speed):落錘装置2の引き上げ速度を選択する。ユーザは、速度設定エンコーダにより所望の速度を入力して引き上げることができる。
引き上げ高さ(Hight):ユーザがゼロ点を正確に確定した条件の下で、増分ロータリエンコーダにより測定し、落錘装置2が置かれている高さを表示する。
エネルギー(Energy):その時点の高さおよび落錘装置2の質量に基づき、落錘装置2が有する衝撃エネルギーを計算する。
高さ設定(Pre−hight):タッチスクリーンにより所望の引き上げ高さを入力したら、システムは自動的に当該高さまで移動することができ、同時にユーザは寸動により位置を微調整することができる。
ハンマーの質量(Weight):基本ハンマーの質量に基づき、ユーザが選択したカウンターウェイトの質量により、カウンターウェイトの増加または低減を選択することができる。
【0054】
7.検知装置
検知装置は、少なくとも、前記トレーに設けられて、前記落錘装置が垂直に落下した時に前記トレーに対するリアルタイム衝撃データを検知するための力測定センサを備える。
【0055】
本実施例に係る動力学的性能試験システムにおいて、力測定センサはYFF−2衝撃力センサであってもよい。さらに、検知装置は、KS60変位センサ、変形測定センサとしての変形片、DLF−4型多機能電荷増幅器、データ収集モジュールとしてのINV3018Aデータ収集器などを備えてもよい。各のセンサにより収集された信号は、いずれも、INV3018Aデータ収集器に送信され、その後、さらに制御モジュール、および解析モジュールに送信される。
【0056】
YFF力センサは圧電水晶センサであり、2セットの水晶板、圧電気板、力板、シェルおよびソケットから構成され、円環状である。YFF力センサは、非常に高い解像度を有し、比較的大きい初期荷重の下で、0.025Nと小さい力までの変化を測定することができる。
【0057】
測定しようとする外力がセンサの受力面に均一に作用する場合、水晶板の表面には外力に正比例した電荷が生成され、導電性シートによって受け入れ、接続リード線を介して電荷増幅器に接続されて、比例した電圧信号を出力する。
【0058】
YFFシリーズのセンサは、水晶の縦方向圧電理論(原理)を利用して、「力」を「電荷」に転換する変換装置である。センサにより生成された電荷は、測定しようとする外力に正比例し、電荷増幅器により電荷を比例的に電圧へ転換させ、さらに、ディスプレイまたは記録器を用いて直接に被測定力の大きさとその変化を読み出す。
本発明の動力学的性能試験システムにおいて、YFF力センサはトレー61の下表面に設けられている。その検知点は、同一円周上に90度の間隔を置いて分配されることができる。
【0059】
8.解析モジュール
通常、コンピュータによりデータ解析プログラム(DASP V10工程版)を実行することで完成し、試験の要求に応じて収集されたデータについて、当該分野の通用の解析方法で解析を行い、且つ、毎回衝撃後のロッド体自身の伸長量および径方向変形量を測定して、それぞれ、「衝撃高さ−衝撃変形量」試験曲線、「衝撃高さ−積算変形量」試験曲線、「積算衝撃エネルギー−積算衝撃変形量」試験曲線、「衝撃エネルギー−衝撃抵抗」試験曲線を描画し、出力モジューにより出力する。
【0060】
9.出力モジュール
出力モジュールによる出力は、主に2つを含み、1つは試験結果の出力であり、もう1つは試験中間データの出力である。試験結果は、表示デバイスにより出力し、且つ、試験データをコンピュータのハードディスクに記憶させてもよく、外付けの表示スクリーンにより出力してもい。試験中間データについても、コンピュータの表示デバイスおよび外付けの表示スクリーンによりリアルタイム出力することができる。
【0061】
本発明の動力学的性能試験システムにおいて、主要な技術バロメータは、次の通りである。
試料寸法:2.5m×φ32;標本空間:500mm;最大衝撃エネルギー:15000J;ハンマー体総質量:1000kg;基本ハンマー体質量:840kg;カウンターウェイト数量:4個、1個ごとに40kg;使用高さの有効範囲:0〜1.5m;引き上げ高さの直線性:0.5%(巻き線式エンコーダを用いる);引き上げ速度:0〜3m/min(無段階調整可能);主体の高さ:約4.5m;主体高さの空間:約5.5m;主体の敷地面積:約3m×3.5m。
【0062】
以下、本発明の動力学的性能試験システムの操作ステップを説明する。
【0063】
準備作業は、次のステップを含む。
(1)試料を装着し、挟持部位とアンカー・ロッド杆体とが係合しているか否かを検査する。
(2)トレーの底部に力センサ、変位センサ(変形片を接続する必要がある場合、実験前に変形片をアンカー・ロッドに貼り付けるべきである)を装着する。
(3)総電源スイッチをオンにして通電し、電気回路が正常に作動できるか否かを検査する。
(4)力センサ、変位センサおよび変形片が正常に読み取れるか否かを検査する。
(5)全てのコントロール・キーが正常に作動できるか否かを検査する。
【0064】
試験過程における操作は、以下のステップを含む。
(1)電源を入れる。
(2)起動スイッチをオンにし、数秒を待ってタッチスクリーンに言語の選択画面が表示されたら、ユーザは、簡体中国語または英語(ENGLISH)が選択可能な画面から、例えば、中国語のインターフェイスを選択する。
(3)中国語のインターフェイスに入る。
(4)落錘装置の引き上げ速度を設定し、最初の速度はあまりにも速く設定せず、100mm/s程度が好ましい。
(5)機器上の変位巻き線が弾性を維持できる極限を標準として、ハンマー体がマットブロックの上に軽く落下するように手動で制御し、その後、位置をゼロ点に調整する。
(6)ユーザが正確にゼロ点を確定した後、タッチスクリーンにより所望の引き上げ高さを入力し、システムは自動的に当該高さに運行することができ、同時にユーザは寸動により位置を微調整することができる。
(7)ハンマー体が所定の高さに移動した後、落錘準備ボタンをクリックし、この時に警報が鳴り、さらに、制御台上の赤色プッシュボタンをクリックすると、落錘装置2が自由に落下する。
(8)衝撃が終了した後、ハンマー体を自動に取り入れるためのボタンをクリックする。
【0065】
以上、好適な実施例により、本発明の技術案を掲示した。当業者にとって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内においてさまざまな変更及び改善を行い得る。かかる変更及び改善はすべて本発明の保護範囲に属することは、自明なことである。