(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、シーツをセットする労力がより軽減されることが好ましい。
本発明は、シーツをセットする労力が軽減されるシーツ留め具、シーツ保持装置、マットレス、及びベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う第1の発明に係るシーツ留め具は、一方向に延びる第1の回転軸と、
前記第1の回転軸と間隔をあけて延びる第2の回転軸と、
前記第1の回転軸回りに回転できる第1の挟み込み部材と、
前記第2の回転軸回りに回転できる第2の挟み込み部材と、
前記第1の挟み込み部材及び前記第2の挟み込み部材が外部から押し込まれたシーツを挟み込むように、該第1の挟み込み部材及び該第2の挟み込み部材をそれぞれ前記第1の回転軸回り及び前記第2の回転軸回りに回転させる力を発生する力発生部と、を備える。
【0006】
第1の発明に係るシーツ留め具において、
前記第1の挟み込み部材の正面側が、前記第2の挟み込み部材の背面側に接触することが好ましい。
【0007】
第1の発明に係るシーツ留め具において、
前記第2の回転軸が前記第1の回転軸よりも上側に配置されていてもよい。
【0008】
第1の発明に係るシーツ留め具において、
前記シーツが押し込まれる方向及び該方向とは反対の方向に前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材を案内する案内装置を更に備えることができる。
【0009】
前記目的に沿う第2の発明に係るシーツ保持装置は、マットレス及び該マットレスを支持する支持体の間に配置される第1の部材と、
前記第1の部材から上方へと延びる第2の部材と、
前記第2の部材に固定された第1の発明に係るシーツ留め具と、を備える。
【0010】
前記目的に沿う第3の発明に係るマットレスは、第1の発明に係るシーツ留め具を備える。
【0011】
前記目的に沿う第4の発明に係るベッドは、第1の発明に係るシーツ留め具を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シーツをセットする労力が軽減されるシーツ留め具、シーツ保持装置、マットレス、及びベッドを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0015】
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態に係るシーツ留め具10は、
図1に示すように、例えばホテルに設置されたベッド12が備えるマットレス122の側部に内蔵されている。シーツ留め具10は、シーツST(
図5参照)を交換する作業効率の観点から、ベッド12の上で眠る使用者の左右側又は上下側に2箇所ずつ配置されていることが好ましい。
シーツ留め具10は、シーツSTの縁よりも内側の部分(例えば、縁から100〜500mm内側の部分)を挟み込み、シーツSTを留めることができる。
【0016】
シーツ留め具10は、
図2及び
図3に示すように、下側挟み込み部材(第1の挟み込み部材の一例)22、第1のシャフト26a、及び第1のねじりバネ28aを備えている。また、シーツ留め具10は、上側挟み込み部材(第2の挟み込み部材の一例)24、第2のシャフト26b、及び第2のねじりバネ28bを備えている。
【0017】
下側挟み込み部材22は、正面(方向A)から見て左右方向に延びる矩形状の板状の部材である。下側挟み込み部材22は、水平方向(一方向)に延びる第1の回転軸AXa回りに回転でき、
図5に示すように、上側挟み込み部材24とともに外側(正面側)から押し込まれたシーツSTを挟み込むことができる。なお、ここに言う「水平」とは、厳密な意味での水平ではない。即ち、「水平」とは、設計上、製造上の誤差が許容され、「実質的に水平」という意味である(以下、同様)。具体的には、例えば、―10度〜+10度の範囲内で第1の回転軸AXaが水平線から傾いていてもよい。
【0018】
詳細には、下側挟み込み部材22は、
図4に示すように、固定部222及び接触部224を有している。
固定部222は、背面側の下部が、第1のシャフト26aに固定される。
接触部224は、正面側の下部が固定部222に固定されている。接触部224の正面側の上部には、正面側(方向A)から押し込まれたシーツSTに接触する摩擦部材226が設けられている。
【0019】
第1のシャフト26aは、下側挟み込み部材22の第1の回転軸AXaとなる丸棒状の部材である。第1のシャフト26aの両端は、それぞれ、フレーム30(
図3参照)に回転可能に支持されている。前述の通り、第1のシャフト26aは、下側挟み込み部材22が有する固定部222の背面側の下部に、固定部222の長手方向に沿って固定されている。
第1のシャフト26aには、
図2及び
図3に示すように、下側挟み込み部材22が正面側に飛び出さないよう、フレーム30に接触して第1のシャフト26aの方向Ra1(
図4参照)の回転量を制限する第1のストッパ32aが設けられている。
【0020】
第1のねじりバネ28aは、第1のシャフト26aの一端部に配置され、下側挟み込み部材22を上側挟み込み部材24に接触する方向に回転させる力を発生できる。第1のねじりバネ28aの一端側は第1のシャフト26aに固定され、他端側は、フレーム30に固定されている。
【0021】
上側挟み込み部材24は、正面から見て左右方向に延びる矩形状の板状の部材である。上側挟み込み部材24は、第1の回転軸AXaよりも上側に配置され第1の回転軸AXaと間隔をあけて延びる第2の回転軸AXb回りに回転できる。
上側挟み込み部材24の上下方向の寸法Lbは、
図4に示すように、下側挟み込み部材22の上下方向の寸法Laよりも短くなっており、上側挟み込み部材24の背面側には、下側挟み込み部材22の正面側が接触する。すなわち、上側挟み込み部材24は、正面から見ると、下部が下側挟み込み部材22の上部と重なるように配置されている(
図3参照)。
上側挟み込み部材24の背面側の下部には、摩擦部材242(
図4参照)が設けられている。摩擦部材242には、シーツST(
図5)がない状態においては、下側挟み込み部材22の摩擦部材226が接触する。
【0022】
第2のシャフト26bは、上側挟み込み部材24の第2の回転軸AXb(
図2参照)となる丸棒状の部材である。第2のシャフト26bの両端は、それぞれ、フレーム30(
図3参照)に回転可能に支持されている。第2のシャフト26bは、上側挟み込み部材24の背面側の上部に、長手方向に沿って固定されている。
第2のシャフト26bには、
図2及び
図3に示すように、上側挟み込み部材24が正面側に開いて飛び出さないよう、フレーム30に接触して第2のシャフトの方向Rb1(
図4参照)の回転量を制限する第2のストッパ32bが設けられている。
なお、第2のストッパ32bが設けられていれば、第1のストッパ32aは必須ではない。
【0023】
第2のねじりバネ28bは、
図2に示すように、第2のシャフト26bの一端部に配置され、上側挟み込み部材24の下端部を正面側に飛び出す方向(
図4に示す方向Rb1)に回転させる力を発生できる。第2のねじりバネ28bの一端側は第2のシャフト26bに固定され、他端側は、フレーム30に固定されている。
第2のねじりバネ28bは、
図3に示すように、シーツ留め具10を正面側から見て、第1のねじりバネ28aとは左右反対側に配置されていることが好ましい。
なお、第1のねじりバネ28a及び第2のねじりバネ28bは、下側挟み込み部材22及び上側挟み込み部材24をそれぞれ第1の回転軸AXa回り及び第2の回転軸AXb回りに回転させる力を発生する力発生部を構成する。力発生部は、第1のねじりバネ28a及び第2のねじりバネ28bに限定されるものではなく、下側挟み込み部材22及び上側挟み込み部材24が閉じるような力を発生できれば任意の構成でよい。
【0024】
次に、シーツ留め具10の動作について説明する。
下側挟み込み部材22が上側挟み込み部材24に接触した状態(
図4参照)において、シーツSTが外部から(方向Aから)押し込まれる。
【0025】
シーツSTが押し込まれると、下側挟み込み部材22及び上側挟み込み部材24が、それぞれ第1のねじりバネ28a及び第2のねじりバネ28b(
図2参照)が発生する力に抗して押され、
図4に示す方向Ra2及び方向Rb2に回転する。下側挟み込み部材22及び上側挟み込み部材24が回転すると、下側挟み込み部材22と上側挟み込み部材24との間に隙間が形成され、シーツSTはこの隙間に挿入される。
【0026】
シーツSTが挿入された後、
図2に示す第1のねじりバネ28a及び第2のねじりバネ28bが発生する力によって、下側挟み込み部材22及び上側挟み込み部材24がそれぞれ閉じる方向Ra1(方向Ra2と反対方向)及び方向Rb1(方向Rb2と反対方向)に回転し(
図5参照)、シーツSTは、下側挟み込み部材22の摩擦部材226及び上側挟み込み部材24の摩擦部材242によって、シーツ留め具10の内部にて折り返された状態で挟み込まれる。
その結果、シーツSTは、シーツ留め具10に保持され、マットレス122(
図1参照)の上に人が載ってもずれることが抑制される。
ちなみに、シーツSTを交換する作業者が、シーツSTの縁を掴んで床面の方向に引っ張るとシーツSTはシーツ留め具10から外れる。
【0027】
このように、シーツ留め具10は、マットレス122の側方からシーツSTを押し込むだけでシーツSTを留められるので、シーツSTをセットする労力が軽減される。
また、シーツ留め具10によれば、従来のように端部をマットレス122の下に入れ込んでシーツをセットする場合と比較して、シーツSTがより小さいサイズとなる。
なお、シーツ留め具10と、下側挟み込み部材又は上側挟み込み部材のいずれか一方が固定されて可動しないシーツ留め具と、を比較すると、シーツ留め具10の方が、操作感が良好であり、作業者が無意識的にシーツSTを押し込むことにより、簡単にそのシーツSTを保持できる。従って、特に多数のシーツSTを交換する必要があるホテルや病院等においては、シーツ留め具10の方が、交換に要する作業時間が短縮される。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
続いて、本発明の第2の実施の形態に係るシーツ留め具10aについて説明する。第1の実施の形態に係るシーツ留め具10と同一の構成要素については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0029】
シーツ留め具10aは、
図6に示すように、シーツ留め具10とは下側挟み込み部材22a及び上側挟み込み部材24aの形状が相違する。
下側挟み込み部材22aは、第1のシャフト26aに固定され、第1の回転軸AXa回りに回転できる。下側挟み込み部材22aは、上端部から背面側(厚み方向)へと延びる第1の接触部33aを有している。第1の接触部33aの上側の面には、シーツSTに接触する摩擦部材34aが設けられている。
上側挟み込み部材24aは、第2のシャフト26bに固定され、回転軸AXb回りに回転できる。上側挟み込み部材24aは、下端部から背面側(厚み方向)へと延びる第2の接触部33bを有している。第2の接触部33bの下側の面には、シーツSTに接触する摩擦部材34bが設けられている。
下側挟み込み部材22a及び上側挟み込み部材24aは、それぞれ実質的に同一形状となっている。
外側から押し込まれたシーツSTは、下側挟み込み部材22aの摩擦部材34aと上側挟み込み部材24aの摩擦部材34bとによって挟まれて保持される。
【0030】
〔第3の実施の形態〕
続いて、本発明の第3の実施の形態に係るシーツ保持装置40について説明する。
前述のシーツ留め具10はマットレス122に内蔵されていたが、
図7(A)及び
図7(B)に示すようなシーツ保持装置40を構成してもよい。
このシーツ保持装置40は、シーツ留め具10、第1の板状部材41、及び第2の板状部材42を備えている。
【0031】
第1の板状部材(第1の部材の一例)41は、マットレス122及びこのマットレス122を支持する支持体124の間に配置される板状の部材である。第1の板状部材41は、方向Bから挿入される。
第2の板状部材(第2の部材の一例)42は、マットレス122の側方部にて、第1の板状部材41の端部から上方へと延びる板状の部材である。
シーツ留め具10は、第2の板状部材42に固定される。
【0032】
シーツ保持装置40は、第1の板状部材41をマットレス122及びこのマットレス122を支持する支持体124の間に挿入することによって設置される。
従って、既存のベッドにおいて、マットレス122にシーツ留め具10が内蔵されていなくても、シーツSTをセットする労力が軽減される。
なお、シーツ保持装置は、シーツ留め具10に代えてシーツ留め具10aにより構成されてもよい。
【0033】
〔第4の実施の形態〕
続いて、本発明の第4の実施の形態に係るシーツ留め具50について説明する。第1の実施の形態に係るシーツ留め具10と同一の構成要素については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0034】
シーツ留め具50は、シーツ留め具10と同様、マットレス122の側部に内蔵される。
シーツ留め具50は、
図8に示すように、両端部にそれぞれ、シーツSTが押し込まれる方向A(挿入方向A)及び挿入方向Aとは反対の方向に下側挟み込み部材22及び上側挟み込み部材24を案内する案内装置52を備えている。
各案内装置52は、支持部522、案内シャフト524、並びに第1のコイルバネ526a及び第2のコイルバネ526bを有している。
支持部522は、フレーム30に固定され、案内シャフト524によって案内される。
案内シャフト524は、支持部522を挿入方向A及び挿入方向Aの反対方向に案内できる。
【0035】
第1のコイルバネ526aは、内部に案内シャフト524が挿入され、支持部522よりも外側(シーツSTを挿入する側)に配置される。第1のコイルバネ526aの一端部は、支持部522に固定され、他端部は、フレームに固定される。
第2のコイルバネ526bは、内部に案内シャフト524が挿入され、支持部522よりも内側に配置される。第2のコイルバネ526bの一端部は、支持部522に固定され、他端部は、フレームに固定される。
【0036】
シーツ留め具50においては、シーツSTが挟み込まれると、シーツSTに加わる引張力に応じて支持部522が挿入方向A又はその反対方向に移動できる。例えば、マットレス122の上に人が載ると、シーツSTに引張力が加わり、支持部522が挿入方向Aとは反対の方向に移動する。
従って、シーツSTに加わる引張力の変化が緩和されるので、シーツSTが傷むことが抑制される。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
前述の各実施の形態に示したシーツ留め具は、ベッドに内蔵されていてもよい。
【解決手段】シーツ留め具10は、一方向に延びる第1の回転軸AXaと、第1の回転軸AXaと間隔をあけて延びる第2の回転軸AXbと、第1の回転軸AXa回りに回転できる第1の挟み込み部材22と、第2の回転軸AXb回りに回転できる第2の挟み込み部材24と、第1の挟み込み部材22及び第2の挟み込み部材24が外部から押し込まれたシーツSTを挟み込むように、第1の挟み込み部材22及び第2の挟み込み部材24をそれぞれ第1の回転軸AXa回り及び第2の回転軸AXb回りに回転させる力を発生する力発生部と、を備える。