(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態の組み立てられた構成部材の正面斜視図である。
【
図2】
図2は、上記第1実施形態に用いた肺機能蘇生板を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明による回転
プランジャポンプの第1実施形態の断面図である。
【
図4】
図4は、患者の身体を模式的に示した第2実施形態の図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態で用いた多部材から構成される肺機能蘇生板を示す図である。
【
図7】
図7は、他の板部材の連結部分を示す図である。
【
図8】
図8は、部分的にずらしたベースプレートを持つ心肺機能蘇生板を示す図である。
【
図9】
図9は、関節付きで構成された第2実施形態の横梁の柱を示す
【
図10】
図10は、横梁の2つの関節アームの間の関節および駆動装置を持つ2つの関節アームを示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に用いられた駆動装置の構成部材を示す図である。
【
図12】
図12は、駆動装置の上部に配置されている構成部材を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態における駆動能力制御を解説するための概略ブロック回路図である。
【
図14】
図14は、実施形態で用いることができる制御装置のブロック回路図である。
【
図15】開位置にある中央ロック機構の実施形態を示す平面図である。
【
図20】
図20は、
縮径プランジャを装着した実施形態を示す図である。
【
図21】
図21は、支持装置の更なる実施形態を示す図である。
【
図22】
図22は、心肺機能蘇生板の更なる実施形態を示す図である。
【
図23】
図23は、加圧
プランジャの下端に設けられた加圧板の実施形態を示す図である。
【0016】
図示の実施形態は、循環器系が停止した患者を蘇生するための電気機械的装置として構成されている。この装置によって、心臓加圧マッサージを長時間に亘って自立的に行うことができる。そのため、図示の装置は、加圧マッサージのため患者を
図3に模式的に示すように横たえて載せる蘇生板9を備えている。
【0017】
図1〜3の実施形態では、ポータル(正面入口)として構成された支持装置4が備えられる。この支持装置4は、治療の際,患者をその間に置く側柱7,8を持ち、両側柱7,8は、加圧マッサージの間,患者を側方に固定する役目を果たす。両側柱7,8は、蘇生板9の様々な固定位置10にインターロックすることができる。これによって、両側柱7,8の間隔は、患者を側方に固定すべく患者の身体の幅に応じて調整することができる。固定位置10は、蘇生板9の長手方向縁に沿って隣接して並ぶ多くの列に配置されている。
【0018】
加圧マッサージの際の患者のずり上がりを防止するために、患者の両肩の部位が当接するストッパ15が更なる固定位置16にインターロックされる。蘇生板9の頭部端には、凹部をなす頭収容部17が設けられている。
【0019】
支持装置4のポータルは、横梁11を更に有する。横梁11は、高さ調整可能に両側柱7,8に支えられている。そのため、横梁11は、両側柱7,8内で滑動可能な鉛直スライダ18の上端に連結されている。スライダ18は、患者の胸部域の大きさに適合した高さ位置で側柱7,8にインターロックされる。横梁11は、長さを調整できるように作られている。このため、横梁11の中央部には、伸縮式の横梁要素19が設けられている。伸縮式の横梁要素19は、関節を介してスライダ18の上端に連結されるのが好ましい。関節は、不使用時にスライダ18が側柱7,8と一緒に横梁11に、省スペースな配置で折り畳むことができるように構成することができる。
【0020】
横梁11の中央には、アクティブヘッド20を装着できるホルダが設けられる。このアクティブヘッドは、加圧
プランジャ3と加圧
プランジャ3のための駆動装置を搭載する構造ユニットを構成する。このアクティブヘッドは、横梁11の対称的な長さ調整によって、両側柱7,8の中央に正確に配置することができる。しかし、横梁11の伸縮性によって、アクティブヘッド20を両側柱7,8間の任意の所望位置に配置することもできる。アクティブヘッド20には、横梁11に固定できるハウジング内に加圧
プランジャ3と駆動装置が収容されている。上記ハウジングは、横梁11に設けられたホルダにインターロック接続を介して高さ調整可能に差し込むことができる。そのため、ハウジングには、鉛直方向の配置でインターロック突出部が設けられ、この突出部は、その直線構造により同時に回り止め12として働く。高さ調整可能なアクティブヘッド20のインターロック接続によって、アクティブヘッド20は、加圧
プランジャ3の下端に設けられた加圧プレート14が患者の胸骨に載る中立位置に配置することができる。この位置でアクティブヘッド20は、横梁11とインターロックされる。
【0021】
図4〜
図12に示した実施形態は、概ね鉛直に延びる柱32を有する支持装置5を備える。この柱32には、それに概ね直角に延びる横梁31が、片持ち腕の形態で固定されている。横梁31は、伸縮式であるのが好ましい柱32の上端に固定される。横梁は、鉛直軸57をなす柱軸の周りに旋回できる。この旋回は、後述するように、柱下部に対する柱上端の旋回可能性によって達成される。
【0022】
心肺機能蘇生術に際して、伸縮式の柱32は、その柱脚48の歯止め機構板58をベースプレート39の凹部に嵌め込む。この凹部の領域には、ベースプレート39にプラグ・スナップ接続33がある。歯止め機構板58は、2つの凹部のいずれかのプラグ・スナップ接続と形状嵌合して固定される。これによって、支持装置5は、ベースプレート39と強固に連結される。柱脚48とこれに連結された柱32の伸縮式部材は、鉛直軸(柱軸)57の周りに回転不能にベースプレートに連結される。解除装置49によって、柱48をベースプレート
39から開放することができる。心肺機能蘇生術のためには、患者をベースプレート
39に固定し、既述の支持装置5をベースプレートに固定するだけで十分である。そうすれば、ベースプレートは、心肺蘇生板として働く。
【0023】
ベースプレート39は、この実施形態では複数,特に2つの部材からなる蘇生板9の凹部37(
図5)に側方から差し込むことができる。ベースプレートのための案内装置38として作られた横溝が、ベースプレート39の案内に役立つ。この場合、ベースプレート39の横縁は、案内装置38の溝に形状嵌合で保持されて案内される。
図8では、ベースプレート39は、大部分が凹部37に差し込まれている。ベースプレート39を完全に差し込んだ後、心肺蘇生板9とのインターロックが、ベースプレートの一端の側部に設けられたロックレバー46を用いて行われる。蘇生板9は、板上部40と板下部41を含む。凹部37は、板上部40に設けられ、側部のロックレバー46を用いたベースプレート39のキャッチは、板上部40で行われる。蘇生板の長手方向に見て、ロックレバー46は、ベースプレート39の一端にあり、柱32のプラグ・スナップ接続33は、ベースプレート39の他端にある。
【0024】
板上部40と板下部41は、プラグ・イン機構によって互いに確実に固定することができる。この目的のため、ロック・ピン43とプラグ・イン突起45が板下部41に設けられる。プラグ・イン突起45は、組み立ての際、板上部のプラグ・イン開口59に挿入される。同時に、ロック・ピン43は、板上部40の嵌合穴44に挿入される。嵌合穴44の背後の板上部に、嵌合穴44内でロック・ピンを回転不能に確実に保持するスナップ・ロック手段42が設けられる。この結果、板上部40と板下部41の剛な連結が得られる。心肺機能蘇生術の際、患者は、組み立てられた蘇生板に載せられ、加圧プレート14をもつ
プランジャ3によって加圧マッサージが施される患者の胸部は、ベースプレート39上に配置される。
【0025】
図22は、蘇生板の他の実施形態を示す。外側へ旋回できる支持プレート101が、蘇生板の板上部40の両側の長手方向辺に枢着されている。支持プレートは、適切なスナップ・ロック手段によって複数の外側へ旋回した位置に固定できる。図示の実施形態では、右側の長手方向辺に枢着された支持プレート101が、外側へ旋回している。図示の実施形態では、支持プレートは、両側の長手方向辺に枢着されている。しかし、長手方向辺の片側だけに支持プレートを設けることもできる。2つの支持プレートの夫々は、例えば支柱などの支持装置を上述の固定手段によって固定するアタッチメント点102を有する。
図1〜3に示されたポータルとして構成された支持装置4も、支持プレート101のアタッチメント点102に固定できる。アタッチメント点102は、後述するように、
図21に示す支持装置の取り付けにも適している。
【0026】
柱32の上に設けられた横梁31は、鉛直軸57(柱軸)の周りの旋回可能性と組み合わされて
プランジャ3の下端に枢着された加圧プレート14が、患者の胸骨上に載るように調整できるように設計されている。横梁31は、この目的のため図示の実施形態では軸68をもつ関節34を介して互いに連結された2つの関節腕35,36をもつ構造になっている。図示の実施形態では、関節腕35は、柱32の頂部に枢着され、柱32の底部は、既述の如く、柱脚48を適切に設計してベースプレート39に強固に連結できる。横梁31の関節構造と鉛直軸57(柱軸)周りの旋回性のお陰で、
プランジャ3の下端に設けた加圧プレート14は、加圧マッサージを施すべき胸部上に載ることができる。このために、支持装置5は、柱32の伸縮構造により所望の高さに調整できる。
【0027】
関節34は、この位置でロックされ、2つの関節腕35,36は、互いに剛に連結される。同時に、鉛直軸(柱軸)57周りの旋回も、
図15,16を参照して後述する柱32内に設けられた例えばロック機構などの助けでロックされる。このロックは、好ましくは、
図15,16を参照して後述する柱32の上端に設けられた中央ロック機構47の助けで行うことができる。
【0028】
このロック状態において、2つの関節腕35,36と柱32とベースプレート39は、患者に加圧マッサージが施されるとき生じる力を、積極的嵌合によって吸収する剛な構造を形成する。板上部40および板下部41の長手方向側縁には、例えば穴の形態などのアタッチメント部分59,60が設けられ、このアタッチメント点に、患者を板上に固定するための革紐および患者の肩部のためのストッパ部材15が取り外し可能に固定できる。
【0029】
中央ロック機構47は、2つの関節腕35,36の相対位置をロックし、横梁31および柱32に連結された関節腕35の鉛直軸(柱軸)周りのいかなる回転もブロックするために設けられる。この中央ロック機構は、
図15〜18により詳細に示されている。中央ロック機構は、連結点78で互いにピン連結された2つの操作レバー79,80を有する。連結点78は、2つの操作レバー79,80の間でトグル継手のように動作する。操作レバー79は、詳しくは後述するように、2つの関節腕35,36の間の関節継手34をブロックし、或いは旋回に対してロックする。操作レバー80は、プッシュロッド76を介してロック機構61に接続され、このロック機構は、ロック機構のように動作し、関節腕35をブロックし、従って鉛直軸57の周りの全横梁31の旋回をブロックする。
【0030】
2つの操作レバー79,80の連結点78は、関節腕35に回転可能に搭載された制御カム77に能動的に噛合する。制御カム77は、連結点78と相互作用する2つの固定位置を有する。
図15,16に示す固定位置では、ロック機構61と継手ロック機構62は、互いに外れている。この位置で、関節腕15,16を相対回転させることができ、関節腕35,従って横梁31全体は、柱軸57の周りに旋回可能になる。
【0031】
図17,18に示す第2位置において、ロック手段61と継手ロック機構62は、ブロック位置にあって、2つの関節腕35,36は、関節34の周りに相対回転不可に連結される。関節腕35,従って横梁31も、柱軸57の周りに回転不可にブロックされる。
【0032】
制御カム77を操作するために、
図16,18に示す2つの位置間を手動で旋回できるレバー64が設けられる。こうして、制御カム77は、中央ロック機構が開いた位置(
図15,16)と閉じた位置(
図17,18)に位置させられる。
【0033】
継手ロック機構62は、関節34に面する側にロック歯67をもつスライダ66を有する。このスライダは、関節腕35に固定されたスライダガイド70内で軸方向に移動できる。スライド運動は、関節64の関節軸63に直交する。圧縮ばね69は、板状で適合した断面の支持点81に支持されて、スライダ66を付勢する。支持点81は、関節腕35に固定される。スライダ66は、関節82を介して操作レバー79に連結される。
図15,16に示された位置において、継手ロック機構62は、開いた位置にある。これは、
スライダ66を関節34から離れるように動かして、ロック歯67と関節腕36に固定された回転継手部材68(
図9,10)のロック歯との噛合を外すことによって達成される。この位置は、
図15,16に示される。この位置で、2つの関節腕35,36は、関節63に周りに相対回転できる。
【0034】
レバー64を
図15,16の位置から
図17,18の位置へ動かすと、制御カム77,従って連結点78は、圧縮ばね69がスライダ66を関節軸63の方へ動かすような位置に位置させられ、この位置でロック歯67は、関節腕36に固定連結された回転継手部材68のロック歯と噛合する。この位置で、2つの関節腕35,36は、更に相対回転しないようにロックされる。今や、2つの関節腕は、予め選ばれた相対旋回角度を成す。
【0035】
レバー64は、同時に、操作レバー80を
図15,16と
図16,17に示された位置間で移動させる。操作レバー80は、回転部分84に旋回可能に支持される。回転部分84は、関節腕35に固定連結され、中央ロック機構47が
図15,16に示す位置にあるとき、鉛直軸57の周りに回転可能に枢支される。操作レバー80は、回転部分84上のサポート86のレバー軸85に枢着される。レバー80の一端は、ヒンジ点87においてプッシュロッド76の上端に回転可能に連結される。プッシュロッド76の下端は、リング支持部75に固定連結される。プッシュロッド76は、他のリング支持部74によって案内され、2つのリング支持部74,75の間に弾性変形可能なロックリング73が保持される。下部リング支持部75は、プッシュロッド76によって、柱の鉛直軸57の方向に上部リング支持部74に押し付くように動かされる。
図15,16に示す位置では、下部リング支持部75は、回転部分84,つまり2つの関節腕35,36をもつ関節34が鉛直軸57の周りに夫々回転または旋回できる下端位置にある。レバー64が
図17,18に示した位置に設定されると、プッシュロッド76は、操作レバー80の動きによって上方へ移動し、その結果、2つのリング支持部74,75の間隔は減少して、変形可能なロックリング73が圧縮され、鉛直軸57の周りのどのような回転も防止される。この過程において、変形したロックリング73は、増大する力で柱脚48の内壁および2つのリング支持部74,75との接触面を押圧するので、これらの部材間のどのような相対回転も防止される。図から分かるように、上部リング支持部74は、伸縮部分72によって回転部分84,従って関節腕35に固定連結される。このことが、柱脚48に対する,従って鉛直軸57の周りの関節腕35の回転をブロックする。
【0036】
伸縮部分72は、柱32,従って横梁31を鉛直方向に調整すべく、柱脚48に移動可能に搭載される。中央ロック機構47が開かれると(
図15,16)、鉛直方向の調整と回転が可能になる。また、プッシュロッド76によってロック機構61の構成部材が動かされると、ロック機構61は、横梁31の回転を阻止するだけでなく、中央ロック機構47が閉じられると(
図17,18)、調整された高さを保証する。
【0037】
図示の実施形態では、伸縮部分72と柱脚48は、管状で、中央ロック機構47が開かれたとき相対移動可能に配置されている。これは、柱およびプランジャ3の鉛直方向調整を可能にする。鉛直方向の調整は、手動、空気圧または油圧によって行うことができる。
【0038】
図21に示す支持装置95の実施形態は、円弧状の支持体96を有する。この支持体は、蘇生板9上に支持できる関節継手部材98から実質上90°の円弧に沿って延びている。円弧状の支持体96は、水平な関節軸97をもつ関節によって互いに連結された複数の関節腕35,36,100を有する。関節継手部材98によって蘇生板に固定できる円弧状の支持体96は、ロック機構47が開かれたとき、鉛直軸57の周りに回転できる。関節継手99周りの旋回性と組み合わさって、患者の身体寸法への適合が達成される。中央ロック機構47の助けによって、2つの関節腕35,100は、
図15〜18に示す実施形態のように、所望の角度位置にロックすることができ、関節継手部材98は、歯止め機構板58に対する鉛直軸57周りの回転が阻止される。2つの関節腕35,36の間の関節継手99は、摩擦または積極的噛合によって回転が阻止され、プランジャ3および加圧プレート14は、鉛直方向に延びることになる。
【0039】
図19は、縮径プランジャ89を示している。この縮径プランジャ89は、
図20に示すように、モータ1で駆動されるプランジャの下端に取り外し可能に固定できるスナップ・ロック手段91を上端に有する。加圧プレート90は、縮径プランジャ89の下端に設けられる。縮径
プランジャ89は、子供を処置するために用いられ、加圧プレート14に代えてプランジャ
3の下端に取り外し可能に固定される付加的加圧部材を構成する。
【0040】
図23は、プランジャ3の下端に配置される加圧プレート14を示している。この加圧プレートは、周方向の気密シール103を有する。加圧プレート14が、患者の胸部に載せられると、患者の身体と加圧プレート14の間の気密シール103によって閉ざされた空間に負圧が生じる。この負圧は、気密シールで閉ざされた空間に適切な管を介して連通する(図示しない)ポンプの助けで生成される。
【0041】
プランジャ3の駆動手段は、モータ1を備え、モータのトルクが、伝動ギヤ2を介してプランジャ3による加圧マッサージの前後運動に変換される。モータ電機子の回転運動は、モータ軸に連結されたギヤ21から駆動ベルト6を介して伝動ギヤ2上に設けられたギヤ22に伝えられる。正逆転運動であるのが好ましいモータの回転は、上述のように形成された歯付ベルトドライブを介して伝動ギヤ2に伝えられる。伝動ギヤ2は、歯付ベルトドライブによって伝えられた回転運動がプランジャ3の前後運動に変換されるように具体化されている。これに関して、伝動ギヤは、ボールねじスピンドル23によって延長できるプランジャ3を有することができ、ゴムを装着したボールねじナットが、プランジャの上端に設けられた上記ボールねじスピンドルに嵌合している。プランジャ3は、下端を滑り軸受24内に案内され、滑り軸受は、支持装置5を構成するハウジングの下端に固定される(
図11)。截頭円錐形のねじを用いることもできる。ベルト張り機52は、駆動ベルトが接線方向を成すように駆動ベルト6に当接する。回転トランスデューサ51は、伝動ギヤとして具体化され、駆動ベルト8によって伝えられる回転運動を検出する。こうして、プランジャ3の夫々の位置を絶対値で検出できるようになる。プランジャ3の各ストローク長は、プランジャ3のモータ,とりわけモータ電機子において直接検出できる。歯付ベルトとギヤからなる伝動装置の代わりに、ギヤのみからなる伝動装置を用いることもできる。
【0042】
ボールねじとモータ1をもつ伝動ギヤ2は、関節腕36の自由端に取り付けられるフランジ板27に固定できる。
図1〜3に示す実施形態では、フランジ板27は、横梁要素19の中央に取り付けられる。
【0043】
フランジ板27には、周方向のシールカバー28を設けることができる。このシールカバー28は、加圧マッサージ治療を開始および停止するための発/停ボタンをもつプリント配線基板を内側に有することができる。加えて、透明なカバー25の内側で表示装置13を構成する発光ダイオードを、光バー26の形態で配置することができる。この表示装置は、発光ダイオードの異なった色で、心肺蘇生段階または人工呼吸段階が行われているかを表示できる。カバーは、表示装置13の少なくとも光バーの領域で透明である。表示装置13は、施術者が患者への施術中にどこからでも見ることができるので、へ術の過程を容易にモニターすることができる。
【0044】
図13に示すアクティブヘッド20内の駆動手段と、
図14にブロック図を示した制御装置30との接続は、概略的に示した接続ケーブル29によって行われる。キーボード54の助けでプランジャの起動, 停止, ストローク回数, ストローク深さなどの制御装置における総ての基本的制御を行うことができ、予め定められたログを起動することができる。制御装置30は、横梁31の例えば関節34内に設けることができる。しかし、制御装置は、必要なら取り外し可能に横梁31に搭載できる分離した装置として具体化できる。接続ケーブル29は、アクティブヘッド(
図13)の電気システムのためのデータインターフェイス88と制御装置30内のマイクロプロセッサ56との間のデータラインおよびデータインターフェイスのための電圧供給ラインを含むことができる。しかし、データは、ワイヤレスで伝送することもできる。モータ1のための電流およびインクリメンタル位置エンコーダからのモータ1の回転角を表す信号は、接続ケーブル29を介して供給することもできる。電力は、バッテリー55または再充電可能なアキュムレータから接続ケーブル29を経てモータ1に供給される。施術の進展は、表示装置53に表示することができる。接続ケーブル29は、プラグによって制御装置30に接続される。
【0045】
モータの電流は、バッテリー55または再充電可能なアキュムレータからモータ制御回路92を介してモータ1に供給される。バッテリーは、制御装置30内または好ましくは制御装置外の横梁31内,とりわけロック機構47の下方の関節腕35内に配置される。バッテリー55またはアキュムレータは、制御装置30内に収容された充電回路93を介して充電される。充電電流は、例えば自動車の交流発電機や送電網からの外部電流源から供給される。バッテリーまたはアキュムレータの充電状態は、マイクロプロセッサ56を介して表示装置53に表示することができる。
【0046】
アクティブヘッドの極近傍に配置されたプッシュボタン式であるのが好ましいスイッチ94は、患者に対する施術を開始および停止させるのに用いられる。モータ1に供給される電流は、プッシュボタンスイッチ94によって切り換えられる。このプッシュボタンスイッチ94は、ロック機構47が阻止位置(
図17,18)にあるときにだけ、プッシュボタンスイッチ94によって患者の施術が開始できるようにロック機構47と相互作用するようになっている。より詳しくは、モータ電流は、ロック機構47が阻止位置(
図17,18)にあるときにだけ、オンに切り換えることができる。ロック機構47は、例えば適切に解除できるロックなどの機械的手段によって、或いは、マイクロプロセッサ56がロック機構47の各位置を検出し,ロック機構が阻止位置にあるときのみにモータへの電流供給をモータ制御回路92を介して開始することによってプッシュボタンスイッチ94と相互作用させることができる。患者に対する施術が始まると、施術を停止すべくプッシュボタンスイッチ94が押され、モータ1は、プランジャ3が患者によって解放された開始位置へ戻るように制御される。これは、適切にプログラムされたマイクロプロセッサ56とモータ制御回路92の助けによって行われる。心肺蘇生装置を操作するために在って好ましいには、オンおよびオフのための動作方向が1つであるプッシュボタン式のスイッチ94だけである。
【0047】
プランジャ3のストローク長は、位置測定器25によってモニターでき、マイクロプロセッサ56とモータ制御回路92を介してインクリメンタル位置エンコーダからの信号と関連づけられ、インクリメンタル位置エンコーダからの信号は、モータ制御回路によって所望のストローク長に適合させることができる。患者の施術のための特定の加圧プロファイルも、マイクロプロセッサ56内に予め定義できる。この加圧プロファイルは、モータに供給される電流に関連づけられ、この電流は、モータによって生成されるトルクに比例し、モータに供給される電流は、モータ制御回路92によって制御できる。