特許第5927136号(P5927136)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5927136
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】定量分注装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 4/02 20060101AFI20160516BHJP
   G01N 1/00 20060101ALN20160516BHJP
【FI】
   B01J4/02 B
   !G01N1/00 101K
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-80141(P2013-80141)
(22)【出願日】2013年4月8日
(65)【公開番号】特開2014-564(P2014-564A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2014年12月12日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0066351
(32)【優先日】2012年6月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513086957
【氏名又は名称】コリア ファーマ シーオー.,エルティーディ.
【氏名又は名称原語表記】KOREA PHARMA Co.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】513086968
【氏名又は名称】ソヤグリーンテック シーオー.,エルティーディ.
【氏名又は名称原語表記】SOYAGREENTEC Co.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】パク、ゼドン
【審査官】 松本 瞳
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−118940(JP,U)
【文献】 特表平11−514741(JP,A)
【文献】 特表平05−504829(JP,A)
【文献】 特開2008−058103(JP,A)
【文献】 特開2002−037217(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 4/00− 4/04
G01N 1/00− 1/38
35/00−37/00
B67C 3/00− 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状体を分流して注入する分注装置において、
分注対象の液状体を圧送するシリンダ(30)の先端には、底面に上広下狭の円錐状突
出部(12)が形成され、中心部を貫通する流入孔(13)が形成された上盤(11)が
連結され、シリンダ(30)から圧送された液状体が流入孔(13)に流入され、
前記上盤(11)の下端には、上面に上広下狭の円錐状凹部(22)が形成され、凹部
(22)の上端内径は、前記上盤(11)の突出部(12)の上端外径以上に形成されて
いる下盤(21)が結合され、
突出部(12)と凹部(22)との間の空間と外部を連通する多数の通孔(23)が上盤(11)の外郭部又は下盤(21)の外郭部に沿って等間隔で形成され、前記通孔(23)と同じ数のノズル(24)が形成され、上盤(11)の流入孔(13)に圧送された液体状が、上盤(11)の突出部(12)の外周面と下盤(21)の凹部(22)の内周面との間の空間に拡散された後、通孔(23)を通ってノズル(24)から噴出されることを特徴とする定量分注装置。
【請求項2】
シリンダ(30)と上盤(11)との間には三方弁(40)が結合され、三方弁(40
)には、液状体を供給する供給管(45)が連結され、シリンダ(30)と供給管(45
)を連結する三方弁(40)内の流路が開放された状態で、シリンダ(30)内のピスト
ン(31)が上昇することにより、液状体が供給管(45)からシリンダ(30)に流入
され、シリンダ(30)と上盤(11)を連結する三方弁(40)内の流路が開放された
状態で、シリンダ(30)内のピストン(31)が下降することにより、上盤(11)の
流入孔(13)に液状体が注入されることを特徴とする請求項1に記載の定量分注装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状体を等量に分流して注入する分注装置に関し、より詳しくは、底面に上広下狭の円錐状突出部12が形成された上盤11及び上面に上広下狭の円錐状凹部22が形成された下盤21が、液状体を圧送するシリンダ30に連結され、突出部12と凹部22との間の空間と外部を連通する多数の通孔23が形成され、シリンダ30から圧送された液状体が多数の通孔23に定量分流されるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
各種の試薬及び薬剤の多点等量点滴、常用薬剤の包装、真空採血管内への試薬注入、及びその他の液状体の混合及び配分等に用いられる分注装置とは、辞書による意味と同じように、液体または半固状の液状体を多数の箇所に同一の量に分割して注入する装置を意味する。
【0003】
図1は、従来の分注装置の作動方式を示した模式図であり、同図の左側図面は、多数のピペット等の注入手段を単純に組み合わせた形態の分注装置であり、右側図面は、単一の積載容器に多数の噴出口が形成された形態の分注装置を示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1において、左側の分注装置は、組み合わせられたそれぞれの注入手段が独立して駆動されるため、全体の構成が複雑であるだけでなく、効率性及び便宜性が低く、右側の分注装置は、全体構成が簡素であり、作動上、効率性を確保することはできるものの、容器に積載された液状体の表面を均一に加圧しても、多数の噴出口から同じ量の液状体が噴出されないという問題点があった。
【0005】
図1の右側図面の分注装置において、噴出口を等間隔で配置するとしても、周辺の噴出口間の干渉現象及び容器壁体による影響等により、噴出口別の噴出量に差が生じ、特に、容器中心部の噴出口と外郭部の噴出口との間の噴出量の差が大きくなる問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、液状体を分流して注入する分注装置において、分注対象の液状体を圧送するシリンダ30の先端には、底面に上広下狭の円錐状突出部12が形成され、中心部を貫通する流入孔13が形成された上盤11が連結され、シリンダ30から圧送された液状体が流入孔13に流入され、前記上盤11の下端には、上面に上広下狭の円錐状凹部22が形成される、凹部22の上端内径は、前記上盤11の突出部12の上端外径以上に形成された下盤21が結合され、突出部12と凹部22との間の空間と外部を連通する多数の通孔23が放射状に形成され、前記通孔23と同数のノズル24が形成され、上盤11の流入孔13に圧送された液体状が、上盤11の突出部12の外周面と下盤21の凹部22の内周面との間の空間に拡散された後、通孔23を通ってノズル24から噴出されることを特徴とする定量分注装置である。
【0007】
また、前記シリンダ30と上盤11との間には三方弁40が結合され、三方弁40には、液状体を供給する供給管45が連結され、シリンダ30と供給管45を連結する三方弁40内の流路が開放された状態で、シリンダ30内のピストン31が上昇することにより、液状体が供給管45からシリンダ30に流入され、シリンダ30と上盤11を連結する三方弁40内の流路が開放された状態で、シリンダ30内のピストン31が下降することにより、上盤11の流入孔13に液状体が注入されることを特徴とする定量分注装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、液状体の分注装置の精密度を画期的に向上させることができる上、特に、高粘性液体または半固状の液状体に対する分注精密度を高めることができる。
【0009】
また、上盤11及び下盤12の多段組合せによって、最終の分注ノズル24の数を自由に増減し、これにより、分注作業の効率性及び関連工程の単位時間当たりの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来の分注装置の作動方式を示す模式図である。
図2】本発明の斜視図である。
図3】本発明の分解斜視図である。
図4】本発明の要部を示す部分抜粋切断分解斜視図である。
図5】本発明の要部を示す部分抜粋底面斜視図である。
図6】本発明のシリンダを示す部分抜粋切断斜視図である。
図7】本発明の作動状態を示す代表断面図である。
図8】本発明の要部を示す部分抜粋代表断面図である。
図9】上盤にノズルが形成された本発明の一実施例の要部を示す部分抜粋斜視図である。
図10】本発明の多段型の実施例を示す斜視図である。
図11図10に示した実施例の2次分注用の上盤及び下盤を示す部分切断分解斜視図である。
図12図10に示した実施例の2次分注部を示す部分抜粋切断分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の詳細な構成及び作動方式について添付した図面に基づき詳細に説明する。
【0012】
先ず、図2は、本発明の外観を示す斜視図であり、図示のように、本発明は、分注対象の液状体を圧送するシリンダ30と、シリンダ30と連結され、実質的な分注を行う上盤11及び下盤21とを、主な構成要素として構成される。
【0013】
図3乃至図5に示すように、上盤11の底面には、上広下狭の円錐状突出部12が形成され、中心部を貫通する流入孔13が形成され、下盤21の上面には、上広下狭の円錐状凹部22が形成されるが、凹部22の上端内径は、前記上盤11の突出部12の上端外径以上に形成される。
【0014】
また、図4及び図5に示すように、凹部22の上端の外郭部には、下盤21を上下に貫通する多数の通孔23が放射状、等間隔で形成され、下盤21の底面には、前記通孔23と同数のノズル24が形成され、上盤11の流入孔13に圧送された液状体が、上盤11の突出部12の外周面と下盤21の凹部22の内周面との間の空間に拡散された後、通孔23を通ってノズル24から噴出される構造を有する。
【0015】
本発明において、分注対象の液状体は、シリンダ30を介して圧送され、シリンダ30は、図6に示すように、内蔵されたピストン31が乗降することにより、先端の流出口から液状体を吸入または圧送するようになる。
【0016】
図示の実施例において、ピストン31の駆動は、螺旋軸が結合されるアクチュエータ93によって行われ、アクチュエータ93は、本体フレーム91の上端に設置された駆動モータ92によって伸縮し、このような電動アクチュエータ93以外に、空圧または油圧で作動する伸縮手段等の多様な形態の駆動手段を採用することができる。これは、当業者が選択適用可能な事項であり、保護範囲を限定するものではない。
【0017】
一方、図示の実施例では、下盤21と駆動モータ92のみが本体フレーム91に固定されているものの、上盤11またはシリンダ30等のその他の構成要素も、本体フレーム91に固定されてもよく、このような固定方式も、当業者が選択適用可能な事項であり、保護範囲を限定するものではない。
【0018】
図2及び図3に示すように、本発明では、シリンダ30と上盤11との間に三方弁40が結合され、三方弁40には、液状体を供給する供給管45が連結され、供給管45には、ホッパー95等を連結し、液状体を多量積載した状態で、持続的な供給が可能にする。
【0019】
図7は、本発明の作動方式を説明する代表断面図であり、図示のように、シリンダ30と供給管45を連結する三方弁40内の流路が開放された状態で、シリンダ30内のピストン31が上昇することにより、液状体が供給管45からシリンダ30に流入され、シリンダ30と上盤11を連結する三方弁40内の流路が開放された状態で、シリンダ30内のピストン31が下降することにより、上盤11の流入孔13に液状体が注入するようになる。
【0020】
流入孔13から上盤11及び下盤21に圧送された分注対象の液状体は、図8に示すように、上盤11の突出部12の外周面と下盤21の凹部22の内周面との間の空間に拡散された後、通孔23を通ってノズル24から噴出され、上盤11の突出部12及び下盤21の凹部22間の円錐状空間の下端の中心に集中して圧送、流入された液状体は、圧送状態が継続されていることにより、圧力の偏差無しに、均一な液位を維持しながら上昇、拡散され、結果として、凹部22の外郭の通孔23に同一の時点に到達することは勿論、通孔23内に同一の流量が流入されるので、ノズル24から分注される液状体は、ノズル24別に同量となる。
【0021】
一方、図9は、上盤に通孔23及びノズル24が形成された実施例を示すものであり、この場合、同図下端の断面図に示したように、上盤11の上面に形成されたノズル24から分注対象の液状体が噴出し、ノズル24にゴム管または合成樹脂管等の可撓性の噴出管19を連結することにより、噴出方向を調節することができる。
【0022】
図10乃至図12は、本発明において、上盤11及び下盤21等の分注手段を多段に構成することにより、分注効率を向上させることは勿論、最終の噴出ノズル24の配置も自由に変形することができるようにしたものである。
【0023】
すなわち、図10に示すように、1次分注を実施する下盤21の下部に、多数の2次分注用の上・下盤組合体を配置し、1次分注用の下盤21のノズル24と2次分注用の上・下盤組合体を連結管97で連結して、2次にわたった段階的な分注が行われるようにしたものである。
【0024】
ここで、連結管97は、ゴム管または合成樹脂管等の可撓性の管体で構成することにより、2次分注用の上・下盤組合体を自由に配置することができる。
【0025】
図5及び図10に示した実施例では、1次分注用の下盤21のノズル24を25箇所に形成し、4箇所のノズル24aが形成された2次分注用の上・下盤組合体を25個構成して、計100個の最終の分注ノズル24aを構築している。
【0026】
2次分注用の上・下盤組合体は、図11に示すように、1次分注用の上盤11及び下盤21と同様に、上盤11a及び下盤21aに突出部12a及び凹部22aがそれぞれ形成され、突出部12a及び凹部22aにそれぞれ流入孔13a及び4箇所の通孔23aがそれぞれ形成され、1次分注された液状体が流入孔13aに圧送された後、突出部12a及び凹部22a間の離隔空間と通孔23aを経由して、ノズル24aから噴出される構造を有する。
【0027】
図12は、図10に示した実施例の2次分注部の設置構造を例示したものであり、図示の実施例では、多数の2次分注用の上・下盤組合体を格子状に密着配置し、本体フレーム91に固定された多孔状トレー98に積載しているものの、このような2次分注部の設置方式は、当業者の適宜選択による多様な変形が可能である。
【0028】
以上に説明したように、本発明によれば、単一のシリンダ30を1回だけ作動させることで、多数の容器に同一の定量の液状体を同時に注入することができる。
【符号の説明】
【0029】
11 上盤
12 突出部
13 流入孔
19 噴出管
21 下盤
22 凹部
23 通孔
24 ノズル
30 シリンダ
31 ピストン
40 三方弁
45 供給管
91 本体フレーム
92 駆動モータ
93 アクチュエータ
95 ホッパー
97 連結管
98 トレー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12