(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5927620
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月1日
(54)【発明の名称】取り外し可能且つ再使用可能な電気回路基板を用いた使い捨て可能な内容物使用観察包装
(51)【国際特許分類】
B65D 75/34 20060101AFI20160519BHJP
A61J 1/03 20060101ALI20160519BHJP
【FI】
B65D75/34
A61J1/03
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-535217(P2013-535217)
(86)(22)【出願日】2011年10月26日
(65)【公表番号】特表2013-542143(P2013-542143A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】CA2011001189
(87)【国際公開番号】WO2012055021
(87)【国際公開日】20120503
【審査請求日】2014年7月4日
(31)【優先権主張番号】2,719,054
(32)【優先日】2010年10月27日
(33)【優先権主張国】CA
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516095992
【氏名又は名称】インテリジェント デバイセズ セズク アイエヌシー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン アラン
(72)【発明者】
【氏名】ピーターセン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブロッツェル ディーン
【審査官】
白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/100139(WO,A1)
【文献】
国際公開第2006/076806(WO,A1)
【文献】
米国特許第06244462(US,B1)
【文献】
特開2009−259075(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3128634(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/32−75/36
B65D 83/04
A61J 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリスターカードのブリスターがカバーの開口部のそれぞれに位置合わせされるように、一番上の側に前記ブリスターを有する前記ブリスターカードを、前記開口部を有する前記カバーに位置合わせするステップと、
電子センサー監視タグと導電性グリッドが監視装置を形成するための電気的連続性になるように、再使用可能な電子回路と電源を有する前記電子センサー監視タグを、薄い可撓性の基板上に印刷された前記導電性グリッドに接続するステップと、
前記導電性グリッドを、前記ブリスターカードの底面において前記ブリスターの位置に位置合わせするステップと、
前記ブリスターカードにおける前記ブリスターの位置に対応した開口予定部を有し、且つ、前記監視装置上の前記電子センサー監視タグの位置に相当して打ち抜かれたプルアウト部を有する裏材を取得するステップと、
前記ブリスターカードと前記監視装置とが間に挟まれるように、前記裏材を前記カバーに対してシールするステップと、
を含み、
前記電子センサー監視タグが、前記プルアウト部を開けて当該電子センサー監視タグを前記導電性グリッドから引き抜くことにより取り外し可能とされている内容物使用観察包装の製造方法。
【請求項2】
前記電子センサー監視タグを前記導電性グリッドに接続する前記ステップは、コネクタを用いて為される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コネクタが、LIF(Low Insertion Force)コネクタ又はZIF(Zero Insertion Force)コネクタである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電子センサー監視タグが当該電子センサー監視タグを前記コネクタから引き抜くことにより取り外し可能である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ブリスターが錠剤を収納している請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カバーの開口部を通して前記錠剤を押すことによる、前記裏材の開口予定部を開口させる錠剤の取り出し、及びそれにより前記ブリスターの一つに位置合わせされている前記導電性グリッドの部分の破砕が行われるステップを更に含む請求項5の方法。
【請求項7】
前記基板が、プラスチック又はその他の薄く且つ可撓性の材料でできている請求項1の方法。
【請求項8】
プルタブを引っ張ることによって前記プルアウト部を取り去るための当該プルアウト部上のプルタブを提供するステップを更に含んでいる請求項1の方法。
【請求項9】
一番上の側にブリスターを有し且つ底面を有するブリスターカードと、
前記ブリスターカードの前記ブリスターの位置に対応した開口部を有するカバーと、
再使用可能な電子回路と電源を有する電子センサー監視タグと、
薄い可撓性の基板上の印刷部からなる導電性グリッドであって、前記電子センサー監視タグに接続されて当該電子センサー監視タグと電気的連続性を有し、監視装置を形成している導電性グリッドと、
前記ブリスターカードにおける前記ブリスターの位置に対応した開口予定部と、前記監視装置上の前記電子センサー監視タグの位置に対応したプルアウト部と、を有する裏材と、
を備え、
前記裏材が前記ブリスターカード及び前記監視装置を間に挟んだ状態で前記カバー材にシールされており、前記導電性グリッドが前記ブリスターカードの底面において前記ブリスターの位置に対応しており、
前記電子センサー監視タグが、前記プルアウト部を開けて前記導電性グリッドから当該電子センサー監視タグを引き抜くことにより取り外し可能とされている内容物使用観察包装。
【請求項10】
前記電子センサー監視タグを前記導電性グリッドに接続するためのコネクタを更に含んでいる請求項9の内容物使用観察包装。
【請求項11】
前記コネクタが、LIFコネクタ又はZIFコネクタである請求項10の内容物使用観察包装。
【請求項12】
前記電子センサー監視タグが、前記コネクタからの引き抜きにより取り外し可能である請求項11の内容物使用観察包装。
【請求項13】
前記ブリスターが錠剤を収納している請求項9の内容物使用観察包装。
【請求項14】
前記カバーの前記開口部を通した前記錠剤の押し出しにより、前記裏材の前記開口予定部が開口されて前記錠剤が前記ブリスターから取り出される請求項13の内容物使用観察包装。
【請求項15】
前記開口予定部を通した前記錠剤の排出により破砕される位置に前記導電性グリッドの部分がある請求項13の内容物使用観察包装。
【請求項16】
前記開口予定部を通した前記錠剤の排出により破砕される位置に前記導電性グリッドの部分がある請求項14の内容物使用観察包装。
【請求項17】
前記基板が、プラスチック又はその他の薄く且つ可撓性の材料でできている請求項9の内容物使用観察包装。
【請求項18】
プルタブを引っ張ることによって前記プルアウト部を取り去るための当該プルタブを当該プルアウト部上に更に含む請求項9の内容物使用観察包装。
【請求項19】
自己接着手段を用いて前記ブリスターカードに前記導電性グリッドを付着させる工程を更に含む請求項1の方法。
【請求項20】
自己接着性層を含む前記導電性グリッドが前記ブリスターカードに付着されている請求項9の内容物使用観察包装。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物使用観察包装を製作する方法、及びその包装自体に関する。その包装は、取り外し可能且つ再使用可能な電子回路基板を有している。
【背景技術】
【0002】
例えば、国際公開第WO/2009/135283号のPCT出願と共に、米国特許第7,113,101号、同7,178,417号、同6,628,199号、同6,244,462号、同7,170,409号、同6,616,035号、同7,616,116号及び同7,772,974号を参照すると、アラン・ウイルソン、マイケル・ペーターゼン、アーレンスヴァード・ヤコブ及びグリップ・スティーナ他は、ブリスター包装された薬剤のための薬剤の調剤履歴を監視し、記録し、ダウンロードするための装置について記述してきた。なお、カナダ出願第2353350と、米国特許出願公開第2007027828号、同20080191174号及び同20080053222も参照されたい。
【0003】
そのような装置は、概略としては、センサー検出/監視電子タグと、導電性インクで印刷されたセンサーグリッドと、これら二つを接続する手段と、その装置を薬剤用のブリスター包装に挿入する手段と、から成る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
10年の間売り出され、またテストされてきたにも拘わらず、ブリスター包装の薬剤観察についての現在の如何なる技術の成功も、ひどく制限されてきている。このような現在の技術における問題を解決するためには、これらの装置の更なる改良が必要とされていることが認識されている。これらは、以下のものを含んでいる。
・柔軟な基板グリッドと固いタグとを物理的且つ電気的に接続することの困難性
・信頼性の低い電気特性の影響を受け易いボール紙製基板上に印刷された導電性インクにおける不安定性
・繰り返される変形(曲げ)により、印刷された導電性インクに亀裂が生じる傾向
・導電性インクのコスト
・通常の錠剤を排出する際に、基板を裂いたり、壊したりすることの困難性
・センサー監視タグのコスト
一方、薬剤業界では、以下のような特徴を備える薬剤観察装置が要望されている。即ち、
・安価である。
・100パーセント信頼できる。
・包装工程に対して継ぎ目なくに適用できる。
・消費者用として簡単である。
・再使用できる電子部品を有する。
・壊れやすい基板の使用を消費者が容易に行えるようにする。
・薄い基板の使用により包装の大きさを最小化できるようにする。
・リマインダ、データ入力ボタン、LED及びLCDディスプレイ等を含む任意の機能に対応できる。
・任意の、湿度及び温度のセンサーを含む印刷された装置、容量性結合、RFID、HF、UHF、ブルートゥース及びNFCを含む印刷された無線通信、OELDディスプレイ及び印刷された電池等に対応できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記先行技術について言及しており、ここで述べられた上記基準を満たしている。その発明は、一つの側面において、導電性グリッドが印刷された柔軟な誘電体基板とセンサー監視電子タグとの間で正確で信頼性の高い電気的連続性を確実にすべく、当該誘電体基板に当該センサーを取り付けることについて検討している。そのように接続されたタグは、デジタル的(開包ごとに一回のトレース)又はアナログ的(例えば抵抗梯子アレイ)に印刷されたグリッドを監視するために用いられることができる。
【0006】
そのような手段はまた、コストを下げる目的で新しい包装における新しく印刷されたグリッドと共にタグが再使用されることを可能とするために、裏返し使用可能とされる。
【0007】
この手段は、関連するブリスターからの錠剤の排出による簡単で予想可能な基板と導電性グリッドの破砕により、消費者の使用を容易にするための極薄(例えば、マイラー(商標)や食用プラスチック等)の印刷されたグリッド基板の使用を可能とする。そのような非ボール紙製の基板は、湿気に対して安定であり、印刷されたグリッドにより信頼できる電気特性を与え、排出動作における間違い又は排出漏れを最小にする。
【0008】
薄い基板は、(通常は自己接着性の裏材の使用により)ブリスターカードに簡単に付けることができ、また包装の厚さを最小にすることによって、消費者の使用の容易化に寄与する。
【0009】
薄いマイラー、食用プラスチック又はこれらに類似した基板に印刷された導電性グリッドの出力トレースに電子センサー監視タグの入力パッドを接続するためには、望ましくは
、可撓性の回路コネクタ
(LIF(Low Insertion Force)コネクタ又はZIF(Zero Insertion Force)コネクタ)が用いられる。組立の際には、可撓性の回路コネクタの二つの構成要素が一緒に留められる。
【発明の効果】
【0010】
これは、先行技術に対して大きな利点をもたらす。
1)ユーザーによる包装の物理的な変形又はグリッド基板に影響を及ぼす湿気の変化、に起因した間違った事象の発生をより少なくするようなグリッドとタグの間の強固な電気的連続性
2)デジタル的又はアナログ的なグリッドデザインの使用を順に可能とする、複数の導電性トレースの使用を可能とする正確な電気的接触の位置合わせ
3)より複雑なブリスター包装のデザインのためのより薄い導電性トレースを容易にする正確な位置合わせ
4)導電性インクのコストを節約し、包装コストを下げ、環境コストを下げる、より薄い導電性トレース
5)ユーザデータを記録するための押しボタン、リマインダ、LCD、LED及びOLEDディスプレイ等を追加するためのグリッド上の未使用のスペースをより残すための、より薄い導電性トレース
6)使用後にはブリスター包装を分解することができること、及び、グリッドから分離され、且つかなりのコスト(100回再使用されることで最高99%)を節約する新しい包装において新しいグリッドに再使用されるタグ
7)導電性トレースの信頼性の低い破砕に起因する間違いを最小化し、且つユーザーの親しみやすさに関与するブリスターからの錠剤の排出の間における、予想できる方法でのグリッドの破砕を容易にする、薄くて破砕可能なグリッド基板の使用
8)組立の際のブリスター包装への継ぎ目のない挿入に寄与する、薄く強く取付けられたグリッドの使用
9)周囲のブリスターカードボール紙を製造するプロセスから複雑なプロセスを削除する、導電性トレースの別々のはめ込み細工(自己接着性その他)への印刷。そのようなはめ込み細工における別々のQAを可能とすること、及び、完全なはめ込み細工組立(はめ込み細工に接続されるタグ)の事前の製造。
【0011】
また、
可撓性のZI
Fコネクタを使うことは、既存の先行技術に対して、以下を含むいくつかの利点をもたらす。
・可撓性のグリッドと固いタグとの間の電気的な連続性が保たれることによる信頼性の増加、またこれによる現在の技術におけるエラーの主要因、特に包装上の歪力に起因して使用される偽のデータ及び結果として生じる電気的な連続性の変動の除去。
・そのような連続性の異常を最小化するための、厚く広く印刷されたトレースの必要性の低減。
・更にまた、グリッド表面の他の未使用領域上に印刷されたバッテリーの使用は、包装製造プロセスの効率化に寄与する、より小さな装置の使用を可能とするためのタグ上の領域を使用できるようにする。
【0012】
本発明の一側面である内容物使用観察包装の製造方法は、ブリスターカードのブリスターがカバーの開口部のそれぞれに位置合わせされるように、一番上の側に前記ブリスターを有するブリスターカードを、前記開口部を有する前記カバーに位置合わせするステップと、電子センサー監視タグと導電性グリッドが監視装置を形成するための電気的連続性になるように、再使用可能な電子回路と電源を有する前記電子センサー監視タグを、薄い可撓性の基板上に印刷された前記導電性グリッドに接続するステップと、前記導電性グリッドを、前記ブリスターカードの底面において前記ブリスターの位置に位置合わ
せするステップと、前記ブリスターカードにおける前記ブリスターの位置に対応した開口
予定部を有し、且つ、前記監視装置上の前記
電子センサー監視タグの位置に相当して打ち抜かれたプルアウト部を有する裏材を取得するステップと、前記ブリスターカードと前記監視装置とが間に挟まれるように、前記裏材を前記カバーにシールするステップと、を含み、前記
電子センサー監視タグが、前記プルアウト部を開けて当該
電子センサー監視タグを前記グリッドから引き抜くことにより取り外し可能とされている。
【0013】
本発明の他の側面である内容物使用観察包装は、一番上の側にブリスターを有し且つ底面を有するブリスターカードと、前記ブリスターカードの前記ブリスター
の位置
に対応した開口部を有するカバーと、再使用可能な電子回路と電源を有する電子センサー監視タグと、薄い可撓性の基板上
の印刷
部からなる導電性グリッドであって、前記電子センサー監視タグに接続されて当該電子センサー監視タグと電気的連続性を有し、監視装置を形成
している導電性グリッドと、前記ブリスターカードにおける前記ブリスターの位置に対応した開口
予定部と
、前記監視装置上の前記電子センサー監視タグの位置に対応し
たプルアウト部と
、を有する裏材と、を備え、前記裏材が前記ブリスターカード及び前記監視装置を間に挟
んだ状態で前記カバー材にシールされており、前記導電性グリッドが前記ブリスターカードの底面において前記ブリスターの位置に
対応しており、前記電子センサー監視タグが、前記プルアウト部を開けて前記導電性グリッドから当該電子センサー監視タグを引き抜くことにより取り外し可能とされている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
発明は、添付された図面をその中で参照することにより、以下の説明から更に理解されるであろう。
【
図1】分解された状態の内容物使用観察包装を示し、その中の各々の層を示す図である。
【
図2A】付加的な印刷プロセス又は真空金属蒸着技術を用いる応用による導電性グリッドの印刷を示す図である。
【
図2B】減算印刷プロセスによる導電性グリッドの印刷を示す図である。
【
図3】平坦屈曲コネクタの一部とのインターフェースを作成するための、印刷されたグリッドの型抜きを表す図である。
【
図4】導電性グリッドの正確な印刷による省スペース化により可能となった、付加的に印刷された機能を示す図である。
【
図5】平坦屈曲コネクタによるタグとグリッドの接続を示す図である。
【
図6A】加熱又は冷却封印後の完成された包装を、開いた状態で示す図である。
【
図6B】完成された包装を、独特に型抜きされた背部で閉じた状態で示す図である。
【
図7】コンピュータ、PDA及びデータ記録装置への包装からのデータの有線及び無線通信を示す図である。
【
図8】包装が使用された後のタグの再生利用の手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一つの実施形態は、ブリスターに包装された薬剤の服用をすることを観察するために使われるような内容物使用観察包装を含む。その包装は、取り外し可能且つ再使用可能な電子回路基板(タグ)を備えており、また、柔軟性印刷、インクジェット、オフセット、金属蒸着、グラビア又はスクリーン印刷法等の付加的且つ導電性の方法、減算法又は他の適切な方法によってその上に印刷される伝導性及び/又は感知回路が刻印された破砕可能な層を含んでいる。例えば、その回路は、2ミクロンより厚くなく、典型的には0.5ミクロン未満であり、例えば、導電性インクジェット技術から可能となる。その回路は、望ましくは、堅くて強いマイラーを主成分とする材料に印刷されている。マイラー基板の厚さは、印刷されたトレースの予想可能な破砕の最適化のために変化され得る。マイラーは、これらの厚さとして優れた誘電体である。
【0016】
再使用可能なセンサー監視タグは、電源、通信インターフェース及び/又はRFID無線インターフェースアンテナ、中央プロセッサ及び、印刷された柔軟且つ導電性の監視グリッドのための平らで且つ柔軟なコネクタを含む。なお理想的には、完全且つ継ぎ目のない消費者用包装への装置の統合を可能とするために、いずれの関連部品を含むその装置(グリッドに貼り付けられたタグ)の高さも、2.5mmを超えるべきではない。
【0017】
その包装はまた、包装の内容が消費された後のタグへの簡単なアクセスとその除去のための付加的な手段、例えば、その包装を破って開けて、タグの再使用のための除去を可能にするためのプルタブ又は他の機構を含んでいる。その電源は、必要に応じて交換されることができ、このことはタグの再使用数を増やす。電源の使用状態を追跡して、使用している間の電源の交換を推奨するタグ用のファームウェアに含まれるアルゴリズムがあり得る。
【0018】
本発明の
図1は、その包装の種々の層を示す。カバー10又は表層は、望ましくは、食物及び薬剤包装業界で一般に使われるEasy Seal(登録商標)ボール紙又は類似した材料でできている。これには、カバー10内の開口部20に各ブリスターが位置合わせされるように、薬剤ブリスターカード12が下側から置かれる。第3の層は、引き抜くことにより接続が裏返し使用可能な平坦可撓性コネクタ26により、薄いマイラー、プラスチック又は類似する基板に印刷された導電性グリッド16に接続された、再使用できる電子センサー監視タグ14を備えている。そのグリッド16は破砕可能であり、関連したブリスターに位置合わせがされており、取り外し可能な裏材のある自己接着性層を含む場合と含まない場合とがある。第4且つ底層は、使用済みの包装を破って開けて、且つコネクタ26を引き抜くことによりタグ14が包装から取り外されるようにするためのプルアウトタブ18を形成するために打ち抜かれたEasy Seal(登録商標)又は他のボール紙で形成されている。それからタグ14は、新しく印刷されたグリッド、及び必要に応じて交換されたその電源と合わせて再使用されることができる。裏材はカバー10内の開口部20に位置合わせされた開口
予定部21を有している。導電性グリッドは、いずれの適切な自己接着性手段の形を用いても、ブリスターカードに任意に接着されることができる。
【0019】
図2Aは、亜鉛、銀、アルミニウム、炭素又は他の導電性材料を含む導電性インクを用いた付加的な印刷プロセスによる導電性グリッドの印刷方法の一つを示している。これは、標準的な柔軟性印刷、スクリーン印刷、インクジェット、オフセットその他の印刷方法を用いて実現されることができる。また、グリッドの導電性トレースを残すための型抜き又は化学エッチングにより後から除去される導電性の物質で、誘電体マイラー又は類似する基板が被覆される減算法印刷プロセスが
図2Bに示されている。また、薄い柔軟な箔を型抜きして、誘電表面の上へそれらを当てることによって減算法印刷プロセスを構成することも可能である。
【0020】
図3は、平坦屈曲コネクタの接触部への正確な位置合わせのために、印刷された格子から切り抜かれた平坦屈曲コネクタに対してグリッドがどのように接触するかを示している。多くの独立した回路を有するデジタルグリッドデザインとして、多数の導電性トレースがタグに対して接続されるならば、正確な位置合わせは重要である。平坦屈曲コネクタのための平坦ケーブルワイヤー30は、拡大図で示されるように、格子はめ込み細工から型抜きされる。その格子はめ込み細工は、ブリスターの開梱パターンと共に平らな接続ワイヤーを形成するため、及びボール紙へのはめ込みを確実にするための型抜きでもある。
【0021】
図4では、より正確な印刷で打ち抜かれた導電性トレースのために要求される縮小された領域に起因したグリッド基板上の空きスペースの増加により可能とされる、付加的に印刷された多くの機能が示されている。例えば領域は、有機LED(OLED)ディスプレイ40、タグにデータを入力するためのユーザー用の印刷された入力ボタン42(例えば自己接着性金属ドームボタン43のような)、印刷された電池44、印刷された湿気センサー46、印刷されたか又は塗布された温度センサー48、及び、容量性結合、RFID、HF、UHF、ブルートゥース
(登録商標)、GSM(登録商標)及びNFCを含む様々な通信方式50に割り当てられる。そのグリッド上に印刷された電源の使用は、より小さなタグを可能とし、コスト削減及び監視装置の既存の組立プロセスへの挿入の容易化に更に寄与する。いくつかの印刷された電源は、特定の幾何学的な領域を必要とするよりむしろ、それらを可能な開放スペースに適合させる有機形状を呈する。もしOLEDディスプレイ40が提供されるならば、カバー10は、そのディスプレイを視認するための窓24(
図1)を有するだろう。
【0022】
図5は、二分割で裏返し使用可能な平坦屈曲コネクタ26を用いて、印刷されたグリッド16にセンサー監視タグ14を接続する手段を示している。そのタグ14は、マイクロチップ52と保護用フォーム54を有している。他の付加的な構成要素は、基板搭載型温度センサー56、基板搭載型湿度センサー58又は指標用LED60を含む。そのタグ14はまた、マイクロB型USBプラグのような有線通信62を付加的に含むことができる。
【0023】
図6Aにおいては、二つのボール紙の層の間に加熱
シール64又は冷却
シール66された監視装置(グリッドに接続されたタグ)及び薬剤ブリスターにより、完全な薬剤追従包装68が、開いた状態で示されている。
図6Bは、閉じた状態の薬剤包装68、及びタグの取り外しのためのプルアウト部70の位置の、二つの例を示している。背部72は、印刷された導電性トレース74が背部72を横切って滑らかに曲がり、周期的な開閉により損傷を受ける可能性が低くなるように、
打ち抜
かれることにより円形とされている。
【0024】
図7は、装置の使用に多大な柔軟性を与えるコンピュータ、PDA、データサーバ又はクラウドにタグ14からデータが送信されるようになる有線手段及び無線手段の双方を示している。その有線通信ポート62は、コンピュータに例えばUSB76により接続するために用いられ得る。その無線通信手段は、容量性結合、RFID、HF、UHF、ブルートゥース及びNFCを含む。
【0025】
図8は、プルアウト部を開けて平坦屈曲コネクタを引き抜くことによる、タグ14の使用済み包装からの取り外しを示す。タグはその後再生利用され、新しい電源を加えることにより必要ならば改修され、必要ならば再プログラムされ、新しい包装内に挿入されるように新しい導電性グリッドに付される。そのグリッドとボール紙は使い捨てである。
図8はまた、導電性トレースが壊されて薬剤がブリスターを通って押されるときにどのように事象が引き起こされるかを、拡大図内に示す。
【0026】
当業者によって、上述した材料及び包装の配置には変形が存在できることが認められる。特許請求の範囲は、上で与えられた例において明らかにされた好ましい実施形態によっては、制限されるべきではなく、明細書全体と矛盾しない最も広い解釈を与えられなければならない。