【実施例】
【0110】
実施例1−MIHエナメル質のタンパク質組成は表面完全性に依存する
材料および方法
試料
適宜の倫理的認可を得て、ヒトおよびSDラットの試料を得、-80℃で保存した。標準的基準(ウィールハイム(Weerheijm)、2003年)に従って、MIHを診断した。抽出後、MIHの歯を水ですすいで、目に見える血液を除去した後、拭いて乾燥させ、迅速に凍結して保存した。ワックスを咀嚼することによって刺激した全唾液を、遠心分離(20,000 g、5分間)によって清澄化した後、保存した。6日齢のラットの血液から、通常の方法で血清および赤血球を調製した。分泌性エナメル質基質を、5日齢の第一大臼歯を使用することを除いて従来通り(ハバード(Hubbard)、1996年)、成長中のラットの歯から単離した。
【0111】
エナメル質タンパク質のプロファイリング
新たに解凍した試料を、う蝕エナメル質および象牙質を避けることに注意しながら、外科用メスで解体して、明らかなMIH病変を回収した。低速回転の歯科用バー(No.6)を用いて、正常のエナメル質をサンプル採取した。直後に、エナメル質のサンプル(2〜5μl充填容積)を10%トリフルオロ酢酸中に懸濁し(10容量、室温で10分間、ボルテックスおよび浴中超音波処理による)、その後、遠心分離(20,000 g、4℃、5分間)して、酸不溶性タンパク質を沈殿させた。ペレットを、2%SDSおよび100 mmol/Lのジチオスレイトールを含有するゲル負荷緩衝液(ハバード(Hubbard)、1996年)中に溶解し、示した場合には、さらにプロテアーゼインヒビター(1 mmol/Lフッ化フェニルメチルスルホニル、1 mmol/Lベンズアミジン、5μg/mLペプスタチン、5μg/mLロイペプチン)を使用した。SDS抽出物を、アミドブラックを用いたドットブロッティングによって定量し、クマシーブルー染色または免疫ブロットを用いた小型SDS-PAGEに付した(ハバード、1995年)。免疫原として組み換えマウスアメロゲニン(配列番号19)を用いて、ウサギにおいて従来の方法でアメロゲニン抗血清を惹起した。
【0112】
プロテオミクス分析
ゲルのバンドを、マイクロチップを用いたナノスプレーを有するイオントラップ装置(Chip-LC/MSD XCT、アジレント・テクノロジーズ(Agilent Technologies)、米国カリフォルニア州サンタクララ)を使用することを除いて、以前の通り(マンガム(Mangum)ら、2006年)、トリプシン分解およびタンデム質量分析に付した。MASCOTサーチエンジンおよび判定基準の厳しいスイスプロット・ヒトデータベース(最低2つの配列タグ(マンガムら、2006年))を用いて、タンパク質を同定した。
【0113】
ミネラル結合アッセイ
血清および赤血球溶解物で唾液を実験的にスパイクすることにより、擬似口腔液を調製し、その結果、3つの要素すべてからの主要なタンパク質は同様に多量であった(
図4B)。タンパク質結合を分析するため、口腔液を、0.1倍容量のハイドロキシアパタイト(シグマ、米国ミズーリ州セントルイス)またはMIHエナメル質と共に20℃で60分間インキュベートし、その後、遠心分離(2,000 g、2分間)した。3倍容量の20 mM Tris-HCl(pH 8.0)で洗浄した後、エナメル質について上述した通り、ペレットをトリフルオロ酢酸およびSDSで抽出した。
【0114】
結果
MIHエナメル質は非アメロゲニンタンパク質で強化される
エナメル質タンパク質のプロファイリングは、特にアメロゲニンレベルを臨床的特性とリンクさせることにより、フッ素症およびエナメル質形成不全症の発症機序に対する有用な見識を提供している。従って、固定化されないMIHエナメル質試料は、SDS-PAGEアプローチを用いて検討した。正常のエナメル質と異なり、MIHエナメル質は、酸に溶解した場合に、目に見える沈殿を生じ、このことから相対的にタンパク質含量が多いことが示唆された。
図1に示す通り、5例の重篤病変由来の酸不溶性タンパク質の定量により、正常(0.3〜1.5%タンパク質w/w)より3〜15倍高い値が得られた。同様に、クマシー染色を用いたSDS-PAGEにより、正常のエナメル質では検出可能なバンドがほとんどない(
図2A)のとは対照的に、MIHエナメル質において大多数のタンパク質のバンドが明らかになった。アメロゲニンが検出されなかったことから(
図2A、20-25 kDa領域)、感度をより高くするため、免疫ブロット法を用いた。抗アメロゲニンも、MIHエナメル質中の無傷のアメロゲニンを検出できなかったが、いくつかの試料中で分解的断片が観察された(
図2B、試料11)。これらの条件下で、正常のエナメル質中にアメロゲニンは検出できなかった(示さず)。分泌相のエナメル質基質との定量的比較により、MIHエナメル質には、全ての検出可能なアメロゲニン量の0.12%
±0.06%(
±SE、n = 6)しか含有されないことが示された(
図2B、8-25 kDa領域)。結論として、MIHエナメル質はタンパク質が強化されており、これはアメロゲニン保持以外の病原性の理由による。
【0115】
体液タンパク質は、MIHエナメル質において優勢である
MIHエナメル質の主要なタンパク質の構成成分を同定するため、SDS-PAGEのバンドをプロテオーム解析に付した。
図3および表1に示す通り、様々なタンパク質が同定され(16の特徴のある遺伝子産物)、そのうちの13は唾液および歯肉溝滲出液中に見られる。他の3つ(ヘモグロビン、アルブミン、補体C3)は、血液の主要成分である。結果として、MIHエナメル質において同定される主要なタンパク質は全て、通常は、口腔内で見られる体液と関連する。
【0116】
【表1】
【0117】
無傷および破壊されたMIH病変は、特徴的なタンパク質プロファイルを有する
MIH病変の臨床的多様性(色調、堅さ、サイズ、表面完全性)が得られたことから、提示の違いによりタンパク質組成物を区別できるかどうかを調べた。タンパク質プロファイル(
図2A)の評価により、エナメル質表面の完全性が主要な影響力を有するという仮説が得られた。特に、病変が「無傷」および「破壊された」として分類された場合、タンパク質のバンドパターンは、各群の中では定量的に類似するように見えるが、群間では2つの著しい差異が明らかであった(
図2A、12 kDaおよび66 kDa領域)。12 kDaのバンドは、破壊病変で明らかであり、無傷病変では明らかでないが、常に主要成分としてヘモグロビンを含有していた(
図3)。逆に無傷病変では、66 kDaのバンドは常にアルブミンのみを含有し、アルブミンが稀により低いレベルで見られた破壊病変とは異なっていた。
【0118】
タンパク質プロファイルの安定性も疑われ、タンパク質分解の証拠(
図3:アルブミン、補体C3)およびエナメル質の成熟においてタンパク質分解が主要な役割であることが指摘された。実際に、
図2AのSDSで溶解したサンプルを冷凍保存の後、再度分析した場合、アルブミンのバンドは、無傷の試料からは完全に消失していた(
図2C)。しかし、破壊された試料は大きくは影響されなかった(示さず)。プロテアーゼインヒビターは、最初のSDS溶解化工程の間に添加された場合、新鮮なMIHサンプルのプロファイルに殆ど影響しなかった(示さず)。これらの結果から、人為的なタンパク質分解のリスクが強調されたため、初回のサンプルのみを報告する(
図1〜3)。無傷および破壊された病変は一貫して他と区別できるタンパク質プロファイルを有すると結論されたが、このことは、表面完全性がMIHエナメル質のタンパク質組成に影響するという仮説を支持する。
【0119】
MIHエナメル質のタンパク質組成は表面完全性と共に変化する
MIH病変は表面下の多孔性を呈し、アルブミンおよびヘモグロビンがハイドロキシアパタイトに好んで結合することが知られている。従って、口腔液のタンパク質がMIHのエナメル質に浸透し、無傷の表面層が欠如したハイドロキシアパタイトの結晶に選択的に結合すると推測された。破壊された病変を唾液、血清および赤血球と比較した場合、タンパク質結合パターンにおいて集合的類似性が見られた(
図4A)。対照的に、無傷の病変は、血清単独に対して興味深い類似性を有した。これらの結果は、無傷の病変から排除される口腔液タンパク質と一致し、破壊された病変からのものとは一致しなかった。次に、破壊された病変は、ハイドロキシアパタイト粉を擬似口腔液(唾液、血清および赤血球抽出物の混合物)にさらすことによってモデル化した。ハイドロキシアパタイト結合画分のプロファイリング(
図4B)により、破壊病変する顕著な類似性が明らかになった(
図2A、4A)。ハイドロキシアパタイトを、無傷の病変から調製した粉末エナメル質で置換した(即ち、表面層の破壊をモデル化した)場合、プロファイルは再度破壊された病変と類似した(
図4C)。これらの結果から、MIHのエナメル質のタンパク質組成は、エナメル質表面の完全性に大きく影響されることが示唆された。
【0120】
アルブミンおよびヘモグロビンを含む擬似口腔液をハイドロキシアパタイトに適用した場合、アルブミンおよびヘモグロビンはハイドロキシアパタイトに結合した(
図5)。5 mMのMgCl
2、1 MのMgCl
2および0.4 MのNaH
2PO
4のそれぞれで、各5分間、順に洗浄することによって、ハイドロキシアパタイトから>90%のタンパク質が除去された(
図5)。
【0121】
考察
MIHは世界的に関心が高まっており、低石灰化エナメル質のタンパク質組成を早急に解明する必要がある。本書において、MIHのエナメル質は、正常よりタンパク質含有量が実質的に高いが、残存アメロゲニンは正常に近いレベルであることが開示される。この特徴により、MIHは、多量の残存アメロゲニンを含有する低成熟の異常(エナメル質形成不全症、フッ素症)と識別され、また、この特徴は低石灰化の異常としてMIHを象徴する。第二に、MIHエナメル質は、口腔液および血液由来の様々なタンパク質が蓄積していることが分かっており、エナメル質表面の完全性によって取り込みが異なる。病因論的に、これらの結果から、アルブミンが関係する石灰化の萌出前の混乱が提示され、萌出後の崩壊の場合は、さらされたハイドロキシアパタイト基質へのその後のタンパク質の吸着が提示される。MIHエナメル質の発症機序および特性についてのこれらの見識は、MIHの予防、診断および治療に意味を持つ。
【0122】
本実験の結果は、MIHエナメル質の臨床的および生物物理学的特性の説明に役立つ。タンパク質含量の3倍〜15倍の上昇が観察されたが、これはエナメル質形成不全症およびフッ素症についての報告(2.5倍〜30倍)に類似し、MIHのエナメル質の特徴的な機械的脆弱性を説明するのに充分であると思われる。残余のアメロゲニン含量が少ないことから、MIHのエナメル質は低石灰化型のエナメル質形成不全症の例とされる。後者の疾患に罹患するエナメル質は、臨床的に正常より著しく柔らかくて脆く、またはチーズ様であると記載されており、これは、MIHのエナメル質の記載と一致する。タンパク質レベルにおいて、MIHのエナメル質は、特にアルブミン含量が比類なく高いことから、低石灰化型のエナメル質形成不全症およびフッ素症と区別可能であると思われる。しかし、全ての症状は多孔質ハイドロキシアパタイトによって特徴付けられる。
【0123】
これらの結果により、MIHの発症機序も解明され、機械的に他のものと区別できる萌出前後の工程が提示される。萌出前には、MIHのエナメル質の厚さは正常であり、アメロゲニン含量は低い(<0.2%の分泌相レベル)ことから、アメロゲニンが分泌され、その後効率的に除去されることが示唆される。その結果として、MIHは、主として成熟の異常ではない。従って、低石灰化エナメル質形成不全症との類似性によって、石灰化の不完全な開始に注目が向けられる。タンパク質のプロファイリングによって、アメロゲニンがほぼ完全に除去されても、アルブミンがMIHエナメル質に蓄積することが示唆された。
【0124】
換言すれば、低石灰化は、低石灰化(低鉱化)のサブタイプであり、他のサブタイプは低成熟化である。本書で示した通り、MIHおよびある型のエナメル質形成不全症、およびおそらくある型のフッ素症も、アメロゲニン量が少ない、低石灰化の異常として識別される。つまり、アメロゲニン除去(エナメル質成熟)の通常の過程が起こったが、石灰化は起こらなかった。しかし、低成熟の異常において(未成熟型のエナメル質形成不全症およびフッ素症)、アメロゲニン除去(エナメル質成熟)が深刻な程度まで起こらず、石灰化を妨げるアメロゲニンが継続して存在する。
【0125】
アメロゲニンレベルは、低石灰化型のDDD/低石灰化(低鉱化)において相対的に低いが、低成熟型のDDD/低石灰化(低鉱化)(ある型のエナメル質形成不全症および歯科フッ素症等)においては正常レベルにより近い。従って、アメロゲニンおよび、多孔質歯科ハイドロキシアパタイトに結合した本書において開示された残余のタンパク質の、両レベルの変化は、個々に、または例えばある比率での組み合わせにおいて、有益(例えば診断的)であるかもしれない。
【0126】
これらの結果から、奇形のヒトエナメル質に蓄積されている浸出アルブミンが初めて実証される。特に、無傷病変はアルブミンを含有するが、ハイドロキシアパタイトへの結合可能性が実証された多数の口腔液タンパク質は含有しないことが分かった。ヘモグロビンではなくアルブミンが顕著であったことは、全血よりも血清の少量の血管漏出に起因するか、またはエナメル質成熟の間、ヘモグロビンおよび他の血液タンパク質に比べてアルブミンのタンパク質溶解安定性が高いことに起因するかもしれない。実際、アルブミンは、アメロゲニン除去に関与する主要なプロテアーゼである、カリクレイン系ペプチダーゼ4に抵抗性がある。
【0127】
これらの結果は、別の発症機序工程が萌出後のエナメル質表面の崩壊に続くことも暗示する。この第二の工程は、口腔液タンパク質がさらされたハイドロキシアパタイト基質に相対的に無差別に結合することを含む。
【0128】
本書で同定されたタンパク質は、MIH病変を臨床的に特徴付けするためのバイオマーカーとして利用される可能性がある。
【0129】
実施例2−多孔質ハイドロキシアパタイトのためのプローブの製造および試験
材料および方法
SMCC(スクシンイミジル4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサンカルボン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;CAS#:64987-85-5)は、8.3Aのスペーサーアームによって分離されたアミンおよびスルフヒドリル反応性を有する、開裂不可能なヘテロ二官能性架橋剤である。アミドブラック(CAS#:1064-48-8)は、第一級アミン基を含有し、本書では着色レポーターとして使用される、一般的な青/黒染料である。ウシ由来のヘモグロビン(CAS#:9008-02-0)は、2対のポリペプチド鎖(αおよびβ;それぞれ配列番号20および21)よりなる、ヘテロテトラマーである。β鎖は単一溶媒にさらされたスルフヒドリル含有システイン残基を有するが、α鎖はシステインを有しない。
【0130】
SMCC(ジメチルスルホキシド中、75mM)を9容量倍のアミドブラック(リン酸緩衝生理食塩水(PBS、137mM NaCl、2.7mM KCl、10mMリン酸水素二ナトリウム、pH 7.4)中、37.5mM)に加え、21℃で30分間インキュベートした。5倍モル過剰のアミドブラックで、SMCCを確実に最大限に標識化(マレイミド活性化着色レポーターを創出、
図27)した。結合後、溶液を真空遠心分離で乾燥し、-80℃で保管した。
【0131】
10mM TCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、シスチン−スルフヒドリル状態を維持するために使用される非チオール還元剤)および5mM EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸、酸化/ラジカル触媒の可能性およびその後のチオール酸化を低減するために使用される、金属キレート剤)を含有するPBS中に溶解することによって、ヘモグロビン(20mg/ml;0.65μmoleシステイン−チオール/ml)を調製した。21℃で30分間インキュベートした後、還元されたヘモグロビンを1000容量倍のPBSに対して2時間透析して、TCEPおよびEDTAを枯渇させた(この工程は任意でもよい)。ヘモグロビンを迅速に次の工程に移し、システイン−チオール酸化を最小限にした。
【0132】
乾燥したマレイミド活性化アミドブラックを、アミドブラック:チオールのモル比を10:1としてヘモグロビン中に溶解し、ヘモグロビンを確実に最大限に標識化した。21℃で2時間インキュベートした後、アミドブラックに結合したヘモグロビンを、PBSに対して充分に透析して(透析液が着色しないようになるまで、1ml当り24〜28時間)、非共有結合したアミドブラックを除去した。透析後、プローブはすぐに使える状態であった。
【0133】
結果
プローブを適用して5分以内に、ハイドロキシアパタイトは色が白色から暗青色に変色した(
図29)。プローブは水洗に耐えたが、一方アミドブラック単独では(即ちHbに連結していない)水洗により除去された。プローブはハイドロキシアパタイトから、5 mMのMgCl
2、1 MのMgCl
2および0.4 MのNaH
2PO
4の順でそれぞれ5分間洗浄することを含む、3工程の洗浄方法で除去された(
図29)。
【0134】
考察
鍵となる設計の必要条件は、着色したレポーターに結合した後、ヘモグロビンのハイドロキシアパタイト結合機能が保持されることである。ヘモグロビンのシステイン−チオールが標的とされるが、これは、4つのタンパク質サブユニットのうちの2つが、一つのシステインを持っており(結合接触面においてではない);その他の2つのサブユニットではシステインが欠如しているためである。従って、得られたテトラマープローブは、2つの修飾されないタンパク質サブユニットを含有し、それにより、機能ユニット当り、少なくとも半分の自然のハイドロキシアパタイト結合部位を維持する。2工程法を例示した:第一に、着色レポーター−SMCC複合体を製造する(
図27);第二に、着色レポーター−SMCC複合体を使用して、ヘモグロビンを標識する(
図28)。本書では、多孔質ハイドロキシアパタイトを検出する新規なプローブの、設計、製造および試験について、原理証明が確立された。
【0135】
実施例3−プローブは多孔質歯科エナメル質に特異的に結合する(
図30)
方法
実施例2のプローブが多孔質エナメル質に特異的に結合するかどうかを試験するため、複合う蝕病変をプローブでコートし、その後充分に洗浄した。
【0136】
大きなう蝕領域(多孔質エナメル質、白色不透明領域)を有する、ヒト第一大臼歯を、プローブの適用前後に撮影した(
図30)。プローブを、ブラシを用いて1分間、クラウン領域全体に適用した。プローブの適用後、歯を流水で10秒間すすぎ、撮影し、その後、歯を再度さらに2分間洗浄して撮影した。
【0137】
結果
正常なエナメル質は標識されなかった。
【0138】
顕性う蝕領域は強く特異的に標識されたが、標識はいくつかの場所では斑点状であった。非標識う蝕領域は引っかき傷に抵抗性のある光沢表面を呈した一方、標識化領域は、簡単に引っかき傷ができるような艶消し面であった。このことから、斑点状で標識されないう蝕領域は、表面層の再石灰化による可能性が示唆される。従って、プローブは、活性および不活性う蝕を判別し得る。
【0139】
歯の抽出中に破壊されたエナメル質領域(鉗子跡)も標識化され、このことは、プローブが、破壊された表面を有するエナメル質領域を検出し得ることを示唆する。
【0140】
プローブにより、水洗時間に依存せず、安定したレベルの標識化が提供された。
【0141】
実施例4−プローブは、エナメル質表面の早期の脱灰(初期う蝕のモデル)を特異的に検出し得る(
図31)
方法
実施例2のプローブが早期のう蝕を特異的に検出し得るかどうかを試験するため、正常な表面のエナメル質上に強酸をスポットして(プローブの適用前)、人工的なう蝕領域を作った。
【0142】
酸処理の前に、ヒト第一大臼歯について、う蝕が無いことを、プローブの適用前後に写真で示した(
図31)。次に、エナメル質の3領域を酸(0.5μlの85%H
3PO
4)に1、3または10分間さらして、人工的なう蝕病変を導入し、その後100 mlのTBS(25mM Tris pH 7.2、160mM NaCl)で2分間洗浄し、次に流水でさらに2分間洗浄した。歯を空気乾燥し、プローブを、ブラシを使用して領域全体に3分間適用した。適用後、結合していないプローブを、先ず吸い取り紙で拭き、次に流水で10秒間すすぐことによって除去した。結合したプローブを除去するため、10%の漂白剤(0.4% NaClO)をブラシで10秒間適用した。
【0143】
結果
プローブは、う蝕のないエナメル質にはいずれの領域にも結合しなかった。
【0144】
酸によるエッチング処理により、エナメル質の3領域がわずかに不透明/艶消しになったが、これらは用量依存性の重篤度プロファイルであった(10>3>1分)。3つのエッチング領域は全てプローブによって重篤度に依存して検出され、エッチングされないエナメル質は標識されなかった。
【0145】
プローブの結合は水洗に耐えたが、シグナル強度はわずかに減少した。プローブは、10%の漂白剤を10秒間適用することによって、定量的に除去することができた。
【0146】
実施例5−プローブの作用機序はハイドロキシアパタイト親和性である(
図32)
実施例4によるエナメル質(
図31)を、実施例2のプローブで再処理して、ハイドロキシアパタイトの結合機序を検証した。
【0147】
方法(A)
タンパク質染色メカニズムを排除するために、プローブを、漂白剤処理し(即ち、タンパク質を剥ぎ取り)、エッチングしたエナメル質に適用した。
【0148】
結果(A)
漂白したエナメル質は、プローブによって、非漂白のものと同等に標識された(
図32、パネルA2とA4を比較)。この発見は、エッチングしたエナメル質のプローブ標識について、タンパク質染色メカニズムを排除する。
【0149】
方法(B)
プローブの作用機序がハイドロキシアパタイト結合である場合、BSAでの前処理はプローブ結合を遮断する(競合的阻害)ことが提案された。
【0150】
パネルAのエナメル質は、知られているハイドロキシアパタイト結合タンパク質(10%ウシ血清アルブミン、BSA)に、ブラシで1分間適用することによってさらし、その後、水で1分間すすいだ。BSA処理の後、プローブを前記の通り適応した。BSAは漂白剤処理によって剥ぎ取られ、プローブを再度適用した。
【0151】
結果(B)
BSAの適用は、エナメル質の外観を変化させなかった(
図32、パネルB2)。BSAはプローブの結合を遮断した(
図32、パネルB3)。プローブの結合は、BSAを剥ぎ取った後に回復した(
図32、パネルB6)。併せて、これらの結果は、プローブの作用機序がハイドロキシアパタイトへの結合であり、タンパク質結合ではないことを実証する。他のハイドロキシアパタイト結合タンパク質による競合阻害の可能性があるため、タンパク質を剥ぎ取る前処理によりプローブの感度が向上し、偽陰性の結果を最小限にすることができた。
【0152】
実施例6−プローブは、低石灰化エナメル質および異常な象牙質を特異的に標識する(
図33)
方法
実施例2のプローブが異常な歯科組織の線引きに使用し得るかどうかを試験するため、正常および異常なエナメル質および象牙質を含有する歯の一部をプローブで処理した。
【0153】
表面下の低石灰化領域を呈する破折歯を選択し、病変の境界線が不明瞭かつ複雑である、臨床的に難しいケースを再現した。プローブに短時間、予めさらすことにより、エナメル質−象牙質の境界線が得られた。次に、試料にプローブをブラシで30秒間適用する前(左)と後(右)に、試料を撮影した(
図33)。適用後、結合していないプローブを、30秒間水洗して除去した。
【0154】
結果
プローブの適用前に、いくつかの構造を同定することができた:(1)重ねられた正常なエナメル質、(2)低石灰化エナメル質(ある領域では赤色の境界線を有するピンク色)、(3)明らかに正常な象牙質(堅い)および(4)異常な象牙質(柔らかい/皮革様)。プローブの適用後、4タイプの組織は全て容易に識別することができた。
【0155】
正常なエナメル質および象牙質は標識されなかった。低石灰化エナメル質は、均一かつ特異的に、濃い紫色に標識されたが、これは非常に複雑な境界線を、表面下の領域全体にわたって解明したと考えられた。異常な象牙質(おそらくう蝕および/または発育障害のため)は、特異的かつ均一に深緑色に標識されたが、これは正常な象牙質に対する複雑な境界線を解明したと考えられた。併せて、これらのデータから、プローブが低石灰化エナメル質および異常な象牙質を特異的に標識し得ることが確認される。
【0156】
実施例7−プローブは低石灰化エナメル質の除去を誘導するために使用し得る(
図34)
方法
実施例6からの低石灰化エナメル質(
図33)を、外科用メスの刃を用いて除去し、実施例2のプローブを繰り返し適用して、進行をモニターした。エナメル質の物理的特徴を各工程で記録した(
図34、パネル下の記述を参照)。
【0157】
結果
図34の上側のパネルは、低石灰化エナメル質を除去した後の試料を示し、下側のパネルは、プローブを適用した後の同一の試料を示す。パネル1〜3は、低石灰化エナメル質の小さな領域を徐々に除去したことを示す。パネル4〜6は、領域全体、および不完全な除去領域の計画的除去を示す(上下のパネルを比較のこと)。低石灰化エナメル質が除去されるのに伴い、物理的特徴が標識化の程度と並行して著しく変化し、終点では、残存するエナメル質が物理的に均一であり、プローブによって染色されなかった(パネル6)ことに注目。
【0158】
異常な象牙質は、この実施例では扱わなかった。
【0159】
実施例8−プローブは異常な象牙質の除去を誘導するために使用し得る(
図35)
方法
実施例6からの異常な象牙質(
図33)を、外科用メスの刃を用いて除去し、実施例2のプローブを繰り返し適用して、除去の進行をモニターした。象牙質の物理的特徴を各工程で記録した(
図35、パネル下の記述を参照)。
【0160】
結果
図35の上側のパネルは、異常な象牙質を除去した後の試料を示し、下側のパネルは、プローブを適用した後の同一の試料を示す。パネル1は、異常な象牙質が濃く染色されたことを示し、これは除去およびプローブの再適用で急減する(例えば、下側のパネル1および2を比較のこと)。プローブによる標識化レベルの低下は、象牙質の物理的特徴の改善と相関する(例えば、パネル4において、象牙質の硬度は、物理的評価によって均一に正常であり、プローブの適用後、ほぼ染色されない)。異常な象牙質を完全に除去した後であっても、低レベルの背景染色が現れることに注意(おそらく象牙質の多孔性がエナメル質に比べて高いため)。
【0161】
実施例9−プローブによる異常な象牙質の検出は、漂白剤洗浄により向上し得る(
図36)
方法
図8に示す通り、プローブの象牙質に対する特異性が改善され得るかどうかを試験するため、漂白剤洗浄を用いて正常な象牙質の染色を低下させた。
【0162】
さらされた正常および異常な象牙質を有するヒト臼歯を実施例2のプローブにさらし(1分間のブラシ適用の後、1分間水ですすぐ)、その後漂白剤洗浄した(ブラシで10秒間適用した後、1分間水ですすぐ)。プローブ/漂白剤を適用した後、標識された領域を外科用メスの刃で除去し、その後、再度プローブ適用/漂白して、進行をモニターした(
図36)。
【0163】
結果
プローブによって異常な象牙質が優先的に検出されたが、正常な象牙質の背景染色により、境界設定の信頼性が低下した。10%の漂白剤(0.4% NaOCl)を10秒間適用し、正常の象牙質の標識化を低下させ、異常な象牙質では低下しないことで、分解能が向上した。希釈しない漂白剤(4% NaOCl)を10秒間適用することにより、異常な象牙質の標識化に影響を与えずに、正常な象牙質から標識を完全に除去し、これにより異常な象牙質の線引きがより明確になった。
【0164】
希釈しない漂白剤を適用した後、異常な象牙質を除去し(パネル4)、その後再度プローブ適用/漂白したところ(パネル5)、全てではないが殆どの異常な象牙質が除去されたことが示された。さらなる除去/再プローブ適用/漂白工程により、異常な象牙質が完全に除去されたことが示された。残存する象牙質は、正常な象牙質と物理的に区別できなかった。
【0165】
併せて、これらの結果から、プローブ適用後のタンパク質を剥ぎ取る工程は、正常の象牙質の背景標識の低減に役立ち、潜在的な偽陽性の表示を減じることが提案される。
【0166】
実施例10−プローブはX線不透過性であり得る(
図37)
方法
実施例2の青色発色団(アミドブラック)を、医療用放射線撮影(例えば脳血管造影)に使用される前駆体化合物である5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(
3I)で置換することにより、放射線を通さないプローブを製造した。この化合物は単一の第一級アミンの可用性により選択され、青色のプローブに使用される同一の架橋剤と結合させるために使用し得た。
【0167】
3Iをヘモグロビンと結合させるため、以下の方法を用いた:
1. 1.25 mgのSMCC(架橋剤)を50μlのDMSOに溶解した(75mM SMCC)。
2.
3Iを以下の通り調製した:30 mgを、1 mlの0.1M NaOHに溶解し(50mM
3I)、250μlの0.1M HEPES pH7.0を加えた後、1μlの5M NaOHを加えてpHを7に調節したが、最終的な溶液は、40mM
3I、20mM HEPE pH7であった。
3. 400μlの
3I溶液を、50μlの75mM SMCCのDMSO溶液に加え、室温で30分インキュベートして、
3I活性化SMCCを製造した。
4. 次に、
3I-SMCCを真空遠心分離によって凍結乾燥した。
5. 得られたペレットを、20μlのDMSO中に取り、100μlの20 mg/mlのヘモグロビンを加えた後、溶液を室温で60分インキュベートして、
3Iをヘモグロビン中のシステインチオールに結合させた。
6. 次に、得られた
3I-Hbを遠心分離し(20,000 x g、5分間)、その後、25mM Tris pH 7.2、160mM NaClに対して一晩透析した(10-kDa MWCO)。
7. 得られた透析液を回収し、-20℃で保管した。
【0168】
プローブ上にできた、放射線不透過性の程度を評価するため、放射線不透過性標準物質(1および10mM
3I)と同時に、X線撮影した(65 kV、8 mA、0.5秒の暴露)。
【0169】
結果
X線プローブの放射線不透過性は、1mM
3Iと10mM
3Iの間の程度であった(
図37)。濃度分析により、X線不透過性は、1.5〜2.5 mMの
3I溶液と同等であることが提示された。これらの結果は、プローブがX線に不透過に製造され得ることを確認する。
【0170】
実施例11−純粋なハイドロキシアパタイトを用いた洗浄液の分析(
図38)
方法
各洗浄液の相対的有効性を調べるため、インビトロのモデルシステムを用いて個々に試験した(
図38)。
【0171】
純粋なハイドロキシアパタイト(5 mg)に、ラット血液由来のタンパク質(10μlのHb抽出物および2μlの希釈しない血清を含有する、100μlの10mM Tris pH7.2)を、常に振とうしながら室温で10分間負荷した。タンパク質を負荷したハイドロキシアパタイトは、2,000 x gで30秒間遠心分離することにより沈渣し、上澄を捨てた後、ペレットを300μlの10mM Tris pH 7.2で30秒間洗浄して、結合していない間質性成分を除去した。
【0172】
その後、タンパク質−ハイドロキシアパタイトは、100μlの様々な洗浄成分(水、5mMのMgCl
2、1MのMgCl
2または0.4MのNaH
2PO
4)に室温で2分間、混合しながらさらした後、遠心分離した。洗浄液を回収し、タンパク質−ハイドロキシアパタイトを、同じ洗浄液でさらに2回洗浄した。3回の洗浄工程の後、タンパク質−ハイドロキシアパタイトを100μlの10%トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解し、沈殿したタンパク質を遠心分離(2,000 x g、2分間)で回収し、ペレットを100μlの2X SoB(0.125M Tris-HCl pH 6.8、4% SDS、20%グリセロール)に溶解した。全ての分画のタンパク質含量を、アミドブラックで染色したドットブロットの濃度測定によって評価した。
【0173】
結果
ハイドロキシアパタイトからタンパク質を除去する、洗浄液の相対的能力は、以下の通りであった:
0.4M PO
4>1M Mg
2+>5mM Mg
2+(水と同程度の効果)
【0174】
PO
4によるタンパク質除去が最良と思われたが、ハイドロキシアパタイトは、3回の洗浄の後もピンク色が残り、一方1M Mg
2+で処理したハイドロキシアパタイトは、一回の洗浄後に白くなった。この状況では、1MのMgCl
2および0.4MのNaH
2PO
4がタンパク質の除去に最も有効であり、相補的活性を有する(おそらく異なる分類のタンパク質を除去する)と考えられる。
【0175】
実施例12−純粋なハイドロキシアパタイトを用いた、Mg
2+およびPO
4の単独または連続での分析(
図39)
方法
純粋なハイドロキシアパタイトにタンパク質を負荷した後、実施例11と同様に100μlの様々な洗浄成分(水、1MのMgCl
2または0.4MのNaH
2PO
4)にさらしたが、2回の洗浄(3回の代わりに)とし、5mMのMgCl
2を省略した。管に1M Mg
2+を入れ、その後0.4 MのPO
4を入れた。洗浄後、ハイドロキシアパタイトのペレットを撮影し、色を記録し(挿入図参照)、その後タンパク質含量を実施例11と同様に評価した。
【0176】
結果
3つの洗浄液は全て同様に機能し、水とは異なり、2回の洗浄後、タンパク質の大部分は除去された(
図39)。
【0177】
Mg
2+とその後のPO
4を用いた連続洗浄により、タンパク質除去および色の除去で評価した場合、最良の結果が得られた(挿入図:矢印は洗浄後のハイドロキシアパタイトのペレットを指す)。Mg
2+とPO
4による連続洗浄は、このヒドロキシアパタイトモデルにおいて、最適のタンパク質除去を提供すると結論してもよい。
【0178】
実施例13−純粋なハイドロキシアパタイトを用いたMg
2+およびPO
4の組み合わせ洗浄の分析(
図40)
方法
純粋なハイドロキシアパタイトにタンパク質に負荷した後、実施例11と同様に3回の、100μlの組み合わせ洗浄(1MのMgCl
2、0.4MのNaH
2PO
4)を行った。タンパク質含量を実施例11と同様に評価した。実施例13の結果(
図40)は、比較のため、実施例12のデータと一緒に表していることに注意。
【0179】
結果
組み合わせ洗浄は、PO
4単独と同様に機能したが、ハイドロキシアパタイトは最初の洗浄後に白くなり(1M MgCl
2単独と同様)、このことは、各洗浄成分の活性が維持されたことを示唆する。組み合わせ洗浄は、タンパク質除去を達成するのに必要な時間に関して、より効果的であると結論してもよい。
【0180】
実施例14−洗浄液は低石灰化エナメル質に作用するが、ハイドロキシアパタイトモデルと比較して効果は低下する(
図41)
方法
無傷および破壊された病変由来の低石灰化エナメル質を別々に回収し、病変の各タイプについて、5 mgの粉末を3本の管に準備した。エナメル質を、100μlの、5mM Mg
2+、1M Mg
2+、その後0.4M PO
4にそれぞれ5分間さらした。次に、試料を、実施例11〜13の純粋なハイドロキシアパタイトと同様に処理した。
【0181】
結果
低石灰化エナメル質を洗浄液で処理することにより、相当量のタンパク質(〜1/4-1/3)が除去され、一方、水は殆ど効果がなかった(
図41)。タンパク質の除去量は、おそらく解離速度がより遅いため、ハイドロキシアパタイトモデルで観察された量よりも少なかった。
【0182】
実施例15−洗浄液は低石灰化エナメル質からタンパク質を定量的に除去し得る(
図42)
方法
無傷の病変から低石灰化エナメル質を回収し、5 mgを3本の管に準備した。エナメル質を1 mlの1M Mg
2+に7時間さらし、その後1 mlの0.4M PO
4にさらに16時間さらした。次に、試料を、実施例11〜13の純粋なハイドロキシアパタイトと同様に処理した。
【0183】
結果
タンパク質は、洗浄液での2回の長時間の洗浄後、低石灰化エナメル質から定量的に除去された(
図42B)が、同一時間の水処理では殆ど効果がなかった。PO
4による洗浄は効果が非常に大きく、これはこの特別な病変のタンパク質プロファイルのためと思われる(主にアルブミン、
図42A)。時間が所望より長いかもしれないが、洗浄液は臨床試料から全てのタンパク質を除去する能力がある。
【0184】
引用文献
ハバード(Hubbard) MJ (1995年). カルビンジン 28kDaおよびカルモジュリンはラット歯科エナメル細胞において過剰である。主要なカルモジュリン標的としてのタンパク質ホスファターゼ・カルシニューリンおよびカルビンジン28kDaの分泌関連に果たす役割の同定. Eur J Biochem 230巻:68-79頁.
ハバード(Hubbard) MJ (1996年). ラット歯科エナメル細胞における豊富なカルシウムの恒常性機構。エナメル質石灰化の間のカルシウム貯蔵タンパク質のアップレギュレーションは、カルシウムトランスサイトーシスにおける小胞体と関連する。 Eur J Biochem 239巻:611-623頁.
マンガム(Mangum) JE、ヴェイス(Veith) PD、レイノルズ(Reynolds) EC、ハバード(Hubbard) MJ (2006年). マウスエナメル形成細胞の第二世代プロテオーム解析に向けて。Eur J Oral Sci 114巻 補遺1:259-265頁.
ウィールハイム(Weerheijm) KL (2003年). 臼歯/切歯の低石灰化(MIH). Eur J Paediatr Dent 4巻:114-120頁.