特許第5928005号(P5928005)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5928005-スイッチング電源 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5928005
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月1日
(54)【発明の名称】スイッチング電源
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20160519BHJP
【FI】
   H02M3/28 V
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-49800(P2012-49800)
(22)【出願日】2012年3月6日
(65)【公開番号】特開2013-187965(P2013-187965A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2014年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】710014351
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡村 俊史
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−311650(JP,A)
【文献】 実開平01−101176(JP,U)
【文献】 特開平9−134096(JP,A)
【文献】 特開平07−170735(JP,A)
【文献】 実開平2−30292(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタンバイ電源部と、メイン電源部とを備えるスイッチング電源であって、
前記メイン電源部が、前記スイッチング電源の一次側に設けられたメインスイッチング回路を有し、
前記スタンバイ電源部からの電源電圧が供給されるとき動作を実行し、前記メインスイッチング回路に制御信号を供給して、前記メインスイッチング回路をオンオフ動作させるメインスイッチング制御部と、
制御部からの制御信号に基づいてオン状態またはオフ状態に制御され、オン状態のときに前記スタンバイ電源部からの電源電圧を前記メインスイッチング制御部に供給し、オフ状態のときに前記スタンバイ電源部からの電源電圧を前記メインスイッチング制御部に供給しないスイッチ素子とをさらに備え、
前記制御部と、前記メインスイッチング制御部と、前記スイッチ素子とが前記スイッチング電源の二次側に設けられており、前記メインスイッチング制御部からの制御信号がトランスを介して、前記メインスイッチング回路に供給される、スイッチング電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源に関する。
【背景技術】
【0002】
図2は、従来のスイッチング電源500を示す回路図である。スイッチング電源500は、スタンバイ電源部500aと、メイン電源部500bとを備える。スタンバイ電源部500aは、スタンバイ状態および電源オン状態の両状態において、電源電圧を生成する回路である。スタンバイ状態においては、スタンバイ電源部500aが生成する電源電圧がマイコン等の制御部に供給される。メイン電源部500bは、スタンバイ状態においては電源電圧を生成せず、電源オン状態において電源電圧を生成する回路である。
【0003】
メイン電源部500bは、スイッチング回路であるMOSFET Q2、Q3を有する。MOSFET Q2、Q3は、スイッチング制御部509からの制御信号が供給されることにより、オンオフ動作する。MOSFET Q2、Q3は、一方がオン状態に制御されるとき、他方がオフ状態に制御される。スタンバイ状態から電源オン状態に移行する際に、マイコン200は、フォトカプラのLED D505に電流を流す。LED D505は電気信号を光信号に変換し、フォトトランジスタQ505に送信する。フォトトランジスタQ505は、受信した光信号に基づいてオン状態に制御され、スタンバイ電源部500aからの電源電圧をスイッチング制御部509に供給する。スイッチング制御部509は、スタンバイ電源部500aから電源電圧が供給され、当該電源電圧に基づいて動作を実行し、MOSFET Q2、Q3をオンオフ動作させる。
【0004】
このスイッチング電源500には次のような問題がある。スタンバイ電源部500aのスイッチング制御部502、および、メイン電源部500bのスイッチング制御部509が共にスイッチング電源(すなわちトランス)の一次側に設けられている。スイッチング電源の一次側は、二次側に比べ生成される電源電圧が高い。例えば二次側が15V程度であるのに対して、一次側は140V(100Vを整流した場合)や、320V(200Vを整流した場合)等である。ここで、オーディオ機器にスイッチング電源を使用する場合、製品の安全規格において、スイッチング制御部502、509や、MOSFET等の素子についてショート(短絡)試験を行うが、一次側の電源電圧が高いので、これらの素子の破損等によって火災が発生しないように保護素子を多数設ける必要があり、コストや部品点数が増大する。
【0005】
また、マイコン200はスイッチング電源の二次側に設けられているので、マイコン200からスイッチング制御部509を動作開始させるための制御信号を伝送するために、フォトカプラ等の絶縁機能を有する素子を使用する必要がある。しかし、フォトカプラは高価であるので、製品のコストが増大するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−4596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、フォトカプラを使用せずに制御部からスイッチング制御部を制御できるスイッチング電源を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい実施形態によるスイッチング電源は、スタンバイ電源部と、メイン電源部とを備えるスイッチング電源であって、前記メイン電源部が、前記スイッチング電源の一次側に設けられたメインスイッチング回路を有し、前記スタンバイ電源部からの電源電圧が供給されるとき動作を実行し、前記メインスイッチング回路に制御信号を供給して、前記メインスイッチング回路をオンオフ動作させるメインスイッチング制御部と、制御部からの制御信号に基づいてオン状態またはオフ状態に制御され、オン状態のときに前記スタンバイ電源部からの電源電圧を前記メインスイッチング制御部に供給し、オフ状態のときに前記スタンバイ電源部からの電源電圧を前記メインスイッチング制御部に供給しないスイッチ素子とをさらに備え、前記制御部と、前記メインスイッチング制御部と、前記スイッチ素子とが前記スイッチング電源の二次側に設けられており、前記メインスイッチング制御部からの制御信号がトランスを介して、前記メインスイッチング回路に供給される。
【0009】
メイン電源部のメインスイッチング回路をオンオフ制御するメインスイッチング制御部がスイッチング電源の一次側ではなく、二次側に設けられている。従って、安全規格におけるショート試験においてメインスイッチング制御部に対してショート試験を行う際に、スイッチング電源の二次側の電圧は、一次側の電圧と比較して十分に小さな電圧が生成されるので、保護素子等を多数設ける必要が無く、コストを安価にすることができる。また、制御部、メインスイッチング制御部およびスイッチ素子が共にスイッチング電源の二次側に設けられているので、制御部からスイッチ素子をオンオフ制御する際に、絶縁対策をする必要がない。従って、従来のスイッチング電源のように、フォトカプラを使用して絶縁する必要が無く、コストを削減することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上記構成を有することによって、フォトカプラを使用せずに制御部からスイッチング制御部を制御できるスイッチング電源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の好ましい実施形態によるスイッチング電源を示す回路図である。
図2】従来のスイッチング電源を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態によるスイッチング電源100を示す概略回路図である。スイッチング電源100は、スタンバイ電源部100aと、メイン電源部100bとを備える。
【0013】
スタンバイ電源部100aは、スタンバイ状態および電源オン状態の両状態において、電源電圧を生成する回路である。スタンバイ状態においては、スタンバイ電源部100aが生成する電源電圧がマイコン等のシステム制御部に供給される。メイン電源部100bは、スタンバイ状態においては電源電圧を生成せず、電源オン状態において電源電圧を生成する回路である。言い換えると、スタンバイ状態のとき、スタンバイ電源部100aはオン状態、メイン電源部100bはオフ状態である。電源オン状態のとき、スタンバイ電源部100a、メイン電源部100b共にオン状態である。
【0014】
スタンバイ電源部100aは、整流回路1と、スイッチング制御部2と、スイッチング回路3と、トランスT1と、整流回路4と、整流回路5とを概略有する。
【0015】
整流回路1は、入力される交流電圧を整流および平滑して、トランスT1に供給する。整流回路1は、全波整流回路D1と、平滑用ダイオードC1とを含む。
【0016】
スイッチング制御部2は、トランスT1の三次巻線T1cから供給される電圧に基づいて動作し、スイッチング回路3のMOSFET Q1をオンオフ制御する。つまり、スイッチング制御部2は、MSOFET Q1のゲートにハイレベル又はローレベルの制御信号を供給する。
【0017】
スイッチング回路3は、スイッチング制御回路2から供給される制御信号に応じてオンオフ動作するスイッチ素子(本例では、MOSFET Q1)を含む。MOSFET Q1は、ゲートに抵抗R1を介してスイッチング制御部2から制御信号が供給され、ソースが接地電位に接続され、ドレインがトランスT1の一次巻線T1aに接続されている。MOSFET Q1がオン状態とされるとき整流回路2からの電源電圧がトランスT1に供給され、MOSFET Q1がオフ状態とされるとき整流回路2からの電源電圧がトランスT1に供給されない。
【0018】
トランスT1は、整流回路1から供給される電源電圧を一次巻線T1aと二次巻線T1bとの巻数比に応じて変圧し、出力する。トランスT1は、一次巻線T1aと、二次巻線T1bと、三次巻線T1cとを含む。一次巻線T1aは、一端が整流回路1の出力に接続され、他端がMOSFET Q1のドレインに接続されている。二次巻線T1bは、整流回路4に接続されている。三次巻線T1cは、整流回路5に接続されている。
【0019】
整流回路4は、トランスT1の二次巻線T1bに接続されており、トランスT1から供給される電源電圧を整流および平滑して、マイコン200およびその周辺回路にスタンバイ状態において使用される電源電圧を供給する。整流回路4は、ダイオードD2、D3と、コイルL1と、コンデンサC2とを含む。ダイオードD2は、アノードがトランスT1の二次巻線T1bの一端に接続され、カソードがコイルL1の一端とダイオードD3のカソードとに接続されている。ダイオードD3のアノードは接地電位に接続されている。コイルL1の他端は、コンデンサC2の一端と、マイコン200の電源入力端子に接続されている。コンデンサC2の他端は接地電位に接続されている。
【0020】
整流回路5は、トランスT1の三次巻線T1cに接続されており、トランスT1から供給される電源電圧を整流および平滑して、スイッチング制御部2に供給する。整流回路5は、ダイオードD4と、コンデンサC3とを含む。ダイオードD4は、アノードがトランスT1の三次巻線Tc1の一端に接続され、カソードがコンデンサC3の一端とスイッチング制御部2の電源入力端子とに接続されている。コンデンサC3の他端は接地電位に接続されている。
【0021】
メイン電源部100bは、整流回路6と、スイッチング回路7と、トランスT2と、トランスT3と、メイン電源制御スイッチ素子8(トランジスタQ4)と、スイッチング制御部9と、整流回路10とを有する。トランジスタQ4と、スイッチング制御部9とが、マイコン200と共に、スイッチング電源100の二次側に設けられていることが本発明の特徴である。
【0022】
整流回路6は、入力される交流電源電圧を整流および平滑して、スイッチング回路7に供給する。整流回路6は、全波整流回路D5と、コンデンサC4とを含む。
【0023】
スイッチング回路7は、スイッチング制御部9からトランスT2を介して供給される制御信号に応じてオンオフ動作するスイッチ素子(MOSFET Q2、Q3)を含む。MOSFET Q2は、ゲートが抵抗R2を介してトランスT2の巻線T2bに接続され、スイッチング制御部9からの制御信号が供給され、ドレインが整流回路6の出力に接続され、ソースがコンデンサC6の一端とMOSFET Q3のドレインとに接続されている。MOSFET Q3は、ゲートが抵抗R3を介してトランスT2の巻線T2cに接続され、スイッチング制御部9からの制御信号を反転した信号が供給され、ドレインがMOSFET Q2のソースに接続され、ソースが接地電位に接続されている。
【0024】
MOSFET Q2と、MOSFET Q3とは、一方がオン状態に制御されるときに他方がオフ状態に制御される。MOSFET Q2がオン状態に制御され、MOSFETQ3がオフ状態に制御されるとき、整流回路6からの電源電圧がトランスT3に供給され、MOSFET Q2がオフ状態に制御され、MOSFET Q3がオン状態に制御されるとき、接地電位(ローレベルの電位)がトランスT3に供給される。
【0025】
メイン電源制御スイッチ素子8は、トランジスタQ4を有する。トランジスタQ4は、マイコン200によってオン状態又はオフ状態に制御される。トランジスタQ4は、ベースがマイコン200の制御端子に接続され、エミッタがスタンバイ電源部100aの出力に接続され、スタンバイ電源部100aから電源電圧が供給され、コレクタがスイッチング制御部9の電源入力端子に接続されている。
【0026】
スタンバイ状態においては、マイコン200からトランジスタQ4のベースにハイレベルの制御信号が供給される。これにより、トランジスタQ4はオフ状態になっており、スタンバイ電源部100aからの電源電圧がスイッチング制御部9の電源入力端子に入力されない。従って、スイッチング制御部9は、電源電圧が入力されないので動作を実行することができず、MOSFET Q2、Q3に対して制御信号を供給しない。スタンバイ状態から電源オン状態に移行する場合、マイコン200からトランジスタQ4のベースにローレベルの制御信号が供給される。これにより、トランジスタQ4はオン状態になり、スタンバイ電源部100aからの電源電圧がスイッチング制御部9の電源入力端子に入力される。従って、スイッチング制御部9は、入力された電源電圧に応じて動作を実行することができ、MOSFET Q2、Q3に対して制御信号を供給する。
【0027】
トランスT2は、スイッチング制御部9から巻線T2aに供給される制御信号を巻線T2bから抵抗R2を介してMOSFET Q2のゲートに供給する。トランスT2は、スイッチング制御部9から巻線T2aに供給される制御信号を反転して巻線T2cから抵抗R3を介してMOSFET Q3のゲートに供給する。巻線T2aは、スイッチング電源100の二次側に形成された巻線であり、一端が抵抗R4を介してスイッチング制御部9の制御端子に接続され、他端が接地電位に接続されている。巻線T2bは、スイッチング電源100の一次側に形成された巻線であり、一端が抵抗R2を介してMOSFET Q2のゲートに接続され、他端がMOSFET Q2のソースに接続されている。巻線T2cは、スイッチング電源100の一次側に形成され、かつ、巻線T2bとは極性が逆向きに形成された巻線であり、一端が抵抗R3を介してMOSFET Q3のゲートに接続され、他端が接地電位に接続されている。
【0028】
トランスT3は、スイッチング回路7から供給される電源電圧を、一次巻線と二次巻線との巻数比に応じて変圧して出力する。トランスT3は、一次巻線T3aと、二次巻線T3bと、二次巻線T3cとを含む。一次巻線T3aは、一端がコンデンサC6に接続され、他端が接地電位に接続されている。二次巻線T3bは、一端がコンデンサC7の一端と整流回路10とに接続され、他端が接地電位に接続されている。二次巻線T3は、一端が接地電位に接続され、他端がコンデンサC7の他端と整流回路10とに接続されている。
【0029】
整流回路10は、トランスT3からの電源電圧を整流および平滑して、マイコン200や、図示しないメイン回路(例えばアンプ回路等)に供給する。整流回路10は、全波整流回路D6と、コイルL2、L3と、コンデンサC8、C9とを有する。
【0030】
以上の構成を有するスイッチング電源についてその動作を説明する。
[スタンバイ電源部100aの動作]
整流回路1は、入力される交流電源電圧を整流および平滑する。スイッチング制御部2は、トランスTの三次巻線T1cから供給される電源電圧によって動作し、MOSFET Q1のゲートにハイレベルとローレベルとを交互に繰り返す制御信号を供給する。MOSFET Q1は、スイッチング制御部2からハイレベルの制御信号が供給されると、オン状態になり、整流回路1からの電源電圧をトランスT1に供給する。一方、MOSFET Q1は、スイッチング制御部2からローレベルの制御信号が供給されると、オフ状態になり、整流回路1からの電源電圧をトランスT1に供給しない。トランスT1は、整流回路1からの電源電圧を変圧して、整流回路4に供給する。整流回路4は、トランスT1からの電源電圧を整流および平滑して、マイコン200およびトランジスタQ4のエミッタに供給する。この動作は、スタンバイ状態および電源オン状態の双方に共通である。
【0031】
[スタンバイ状態のとき]
スタンバイ状態のとき、マイコン200は、スタンバイ電源部100aからの電源電圧を受けて動作しており、トランジスタQ4のベースにハイレベルの制御信号を供給している。従って、トランジスタQ4はオフ状態になっており、スイッチング制御部9にはスタンバイ電源部100aからの電源電圧が供給されない。スイッチング制御部9は、スタンバイ電源部100bからの電源電圧が入力されないので、動作を実行せず、制御信号を出力しない。従って、MOSFET Q2、Q3にはスイッチング制御部9からの制御信号が供給されず、両方ともオフ状態になっている。従って、メイン電源部100bは、電源電圧を生成しない。
【0032】
[電源オン状態のとき]
電源オン状態のとき、マイコン200は、トランジスタQ4のベースにローレベルの制御信号を供給する。従って、トランジスタQ4はオン状態になり、スタンバイ電源部100aからの電源電圧がトランジスタQ4を介してスイッチング制御部9に供給される。スイッチング制御部9は、ハイレベルおよびローレベルを交互に繰り返す制御信号をトランスT2の巻線T2aに供給する。トランスT2の巻線T2bから抵抗R2を介してMOSFET Q2のゲートに、スイッチング制御部9からの制御信号が供給され、巻線T2cから抵抗R3を介してMOSFET Q3のゲートにスイッチング制御部9からの制御信号を反転した信号が供給される。
【0033】
従って、MOSFET Q2、Q3は、ハイレベルの制御信号がゲートに供給されるとき、オン状態になり、ローレベルの制御信号がゲートに供給されるとき、オフ状態になる。ここで、MOSFET Q3のゲートに供給される制御信号はMOSFET Q2のゲートに供給される制御信号に対して反転されているので、MOSFET Q2、Q3は一方がオン状態になるときに他方がオフ状態になるように交互にオンオフ動作する。
【0034】
MOSFET Q2がオン状態、MOSFET Q3がオフ状態のとき、整流回路6からの電源電圧がトランスT3の一次巻線T3aに供給される。一方、MOSFET Q2がオフ状態、MOSFET Q3がオン状態のとき、接地電位(ローレベルの信号)がトランスT3の一次巻線T3aに供給される。トランスT3は、供給された電源電圧を変圧して、整流回路10に供給する。整流回路10は、トランスT3から供給された電源電圧を整流および平滑して、メイン回路やマイコン200に供給する。
【0035】
次に、本実施形態のスイッチング電源回路100の効果について説明する。
スイッチング電源100では、メイン電源部100bのMOSFET Q2、Q3をオンオフ制御するスイッチング制御部9、及び、スイッチング制御部9に電源電圧を供給するか否かを切換えるスイッチ素子8が、マイコン200と共に、スイッチング電源100の一次側ではなく、二次側に設けられている。従って、安全規格におけるショート試験においてスイッチング制御部9に対してショート試験を行う際に、スイッチング電源100の二次側の電圧は、一次側の電圧と比較して十分に小さな電圧が生成されるので、保護素子等を多数設ける必要が無く、安価にすることができる。
【0036】
また、マイコン200、トランジスタQ4およびスイッチング制御部9が共にスイッチング電源100の二次側に設けられているので、マイコン200からトランジスタQ4をオンオフ制御する際に、絶縁対策をする必要がない。従って、図2の従来のスイッチング電源のように、フォトカプラ等を使用して絶縁する必要が無く、コストを削減することができる。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。上記各トランジスタの極性は、上記の実施形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、例えばオーディオアンプに好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0039】
100 スイッチング電源
100a スタンバイ電源部
100b メイン電源部
1 整流回路
2 スイッチング制御部
3 スイッチング回路
4 整流回路
5 整流回路
6 整流回路
7 スイッチング回路
8 スイッチ素子
9 スイッチング制御部
10 整流回路
T1 トランス
T2 トランス
T3 トランス
図1
図2