特許第5928032号(P5928032)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5928032キャリブレーション用マスクおよびキャリブレーション方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5928032
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月1日
(54)【発明の名称】キャリブレーション用マスクおよびキャリブレーション方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20160519BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20160519BHJP
【FI】
   G03F9/00 A
   G03F9/00 Z
   G03F7/20 501
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-59481(P2012-59481)
(22)【出願日】2012年3月15日
(65)【公開番号】特開2013-195467(P2013-195467A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】500171707
【氏名又は名称】株式会社ブイ・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(72)【発明者】
【氏名】野村 義昭
(72)【発明者】
【氏名】松本 隆徳
(72)【発明者】
【氏名】竹下 琢郎
【審査官】 赤尾 隼人
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−022435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30
G03F 1/00−1/86、7/20−7/24
9/00−9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光装置の分解能を測定するキャリブレーション方法において、
画像取得するための画像取得窓を備えたマスク部と、前記マスク部の下方側であって、前記画像取得窓付近に接着層を用いて接着されたガラス材から構成されるガラス面部と、前記画像取得窓および前記ガラス面部に、遮蔽材から構成される遮蔽線をそれぞれ設けた遮蔽線群と、前記遮蔽線と中心部を結ぶ仮想線が垂直となるように前記マスク部の面上に設けた2以上のアライメントマークとを備えるキャリブレーション用マスクに光を透過し、
前記遮蔽線群を除いて透過された光を受光し画像情報に変換し、
前記画像情報に基づいて、前記仮想線とイメージセンサの成す角度を算出し、
前記角度が最小になるように前記マスクを回転させて、前記マスクと前記イメージセンサを平行にし、
さらに、前記遮蔽線群を除いて透過された光を受光して画像情報に変換し、
前記画像情報および前記イメージセンサに設けられた遮蔽線間隔の距離に基づいて、分解能情報を測定することを特徴とするキャリブレーション方法
【請求項2】
前記画像情報の変換は、前記マスク部に設けた遮蔽線群を撮像する領域と、前記ガラス面部に設けた遮蔽線群を撮像する領域とのそれぞれに対してフォーカス領域が異なるように画像情報に変換することを特徴とする請求項1に記載のキャリブレーション方法。
【請求項3】
前記遮蔽線群は、前記画像取得窓を横断するように、前記ガラス面部のマスク部側の面上に配置される遮蔽材から構成される少なくとも二以上の遮蔽線と、前記画像取得窓を横断するように、前記マスク部の下方側の面に配置される遮蔽材から構成される少なくとも二以上の遮蔽線とをそれぞれ平行に設けたものであることを特徴とする請求項1または2記載のキャリブレーション方法
【請求項4】
前記ガラス面部のマスク部側の面上に配置された遮蔽線の数が、三以上の際には、該遮蔽線は均等間隔で配置されることを特徴とする請求項記載のキャリブレーション方法
【請求項5】
前記マスク部の下方側の面上に配置された遮蔽線の数が、三以上の際には、該遮蔽線は均等間隔で配置されることを特徴とする請求項3または4記載のキャリブレーション方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリブレーション用マスクおよびキャリブレーション方法に関するものであって、特に、露光装置の露光位置制御に用いるイメージセンサの分解能を測定するためのキャリブレーション用マスクおよびキャリブレーション方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置のカラーフィルタ等の基板の露光装置においては、この基板に露光されるべき露光パターンを有する露光用マスクを前記基板に近接させた状態で、この基板とマスクを相対的に一定方向に連続移動させながら、露光位置調整手段によって、移動方向に直角な方向おける基板と露光マスクとの露光位置調整を行ないながら、露光光を前記露光マスクに照射して、露光パターンを基板に転写露光するものが知られている。
【0003】
そして、前記露光位置調整手段は、複数の受光素子によって構成されるイメージセンサ(例えば、ラインCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)カメラ)によって、基板に予め形成されたブラックマトリックスなどの基準となる既存パターンとマスク上の基準パターンとを同時に画像認識して、この既存パターンに対するマスク上の基準パターンの距離を検出しズレを補正するように制御する露光装置に関する技術が、特許文献1に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再公表WO2007/113933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような露光装置は、ラインCCDカメラの分解能によって、前記補正の精度が影響される。このラインCCDカメラの分解能はCCDカメラの受光素子に取り付けられた集光レンズの倍率の他、前記マスク及び前記基板とラインCCDカメラとの成す角度によっても以下(図6(B)参照)のように誤差が生じる。
【0006】
図6は、キャリブレーション用マスク部35を上方から見たイメージセンサ部25の位置と、キャリブレーション用マスク部35の特定部分の位置関係を説明するための概略図であり、例えば、キャリブレーション用マスク部35は、図6(A)に示すように、イメージセンサ部25を基準に、平行に遮蔽線が設置された場合、分解能は正確に測定できる。図6(A)を参照して説明すると、式(1)により分解能情報を算出できる。
分解能=d/(P2−P1) ・・・式(1)
【0007】
しかしながら、キャリブレーション用マスク部35が、図6(B)に示すように、イメージセンサ部25を基準に、所定の角度θ傾いて設置された場合、式(2)のように分解能情報を算出するが、角度θを測定できないため、正確な分解能情報を算出できない。例えば、分解能誤差は、式(3)で求められるような誤差が生じる。
分解能=d/(P4−P3) ・・・式(2)
分解能誤差=(d−1)×cosθ/(P4−P3) ・・・式(3)
【0008】
一方、ラインCCDカメラの前記集光レンズの倍率は事前に確認することができるが、前記マスク及び前記基板とラインCCDカメラとの成す角度は実測が難しくラインCCDカメラの分解能を事前に確認する作業が必要であり、露光用マスクと基板を実際の露光装置にセッティングしてから行なう予備作業の必要がある。しかし、基板が大型であること、露光マスクが複数配列されており、各露光マスクごとに独立してラインCCDが対応しているため、前記作業が煩雑であるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、前記露光装置の露光位置調整のイメージセンサの分解能を容易に測定できるキャリブレーション用マスクおよびこれを用いた露光装置の前記イメージセンサの分解能の測定によるキャリブレーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のキャリブレーション用マスクは、画像取得するための画像取得窓を備えたマスク部と、マスク部の下方側であって、画像取得窓付近に接着層を用いて接着されたガラス材から構成されるガラス面部と、画像取得窓およびガラス面部に、遮蔽材から構成される遮蔽線をそれぞれ設けた遮蔽線群とを備える。
【0011】
「キャリブレーション」とは、露光装置の露光位置調整に用いるイメージセンサの分解能に関する情報を校正することをいう。
【0012】
本発明のキャリブレーション用マスクは、遮蔽線群が、画像取得窓を横断するように、ガラス面部の上に配置される遮蔽材から構成される少なくとも二以上の遮蔽線と、画像取得窓を横断するように、マスク部の下方側の面上に配置される遮蔽材から構成される少なくとも二以上の遮蔽線とをそれぞれ平行に設けたものであってもよい。
本発明のキャリブレーション用マスクは、マスク部の面上に複数のアライメントマークを備えたものであってもよい。
【0013】
本発明のキャリブレーション用マスクは、ガラス面部の上に配置された遮蔽線の数が、三以上の際には、該遮蔽線は均等間隔で配置されたものであってもよい。
本発明のキャリブレーション用マスクは、マスクの下方側の面に配置された遮蔽線の数が、三以上の際には、該遮蔽線は均等間隔で配置されるものであってもよい。
【0014】
本発明のキャリブレーション方法は、露光装置の分解能を測定するものであって、画像取得するための画像取得窓を備えたマスク部と、マスク部の下方側であって、画像取得窓付近に接着層を用いて接着されたガラス材から構成されるガラス面部と、画像取得窓およびガラス面部に、遮蔽材から構成される遮蔽線をそれぞれ設けた遮蔽線群とを備えるキャリブレーション用マスクに光を透過し、遮蔽線群を除いて透過された光を受光し、該受光された光の上方から画像情報に変換し、画像情報に基づいて、分解能情報を測定する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のキャリブレーション用マスクおよびキャリブレーション方法によれば、被露光対象である基板を用いることなく、複数の露光用マスクに対応する独立したイメージセンサの分解能を容易に測定できる。本発明のキャリブレーション用マスクおよびキャリブレーション方法によれば、画像取得するための画像取得窓を備えたマスク部と、マスク部の下方側であって、画像取得窓付近に接着層を用いて接着されたガラス材から構成されるガラス面部と、画像取得窓およびガラス面部に、遮蔽材から構成される遮蔽線をそれぞれ設けた遮蔽線群を、画像取得窓を通して、後述する多焦点機能を備えたイメージセンサによって撮像することによって、それぞれの遮蔽線群がイメージセンサの複数の受光素子上に結像されるため、この画像から後述のようにイメージセンサの分解能を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態におけるキャリブレーション用マスク部の構成を説明するための図
図2】本発明の実施形態におけるキャリブレーション用マスク部の使用方法を説明するための露光装置100の構成を説明するための図
図3】本発明の実施形態におけるマスク部35の画像取得窓を拡大した図
図4】本発明の実施形態におけるマスク部35とガラス面部40との関係を示した図
図5】本発明の実施形態におけるマスク部35とガラス面部40との構成の詳細を示した図
図6】本発明の実施形態におけるマスク部35を上方から見たイメージセンサ部25の位置と、マスク部35の特定部分の位置関係を示した図
図7】本発明の実施形態におけるマスク部35を上方から見たアライメントマーク75およびマスク部35の特定部分の位置関係を示した図
図8】本発明の実施形態におけるマスク部35を上方から見たイメージセンサ部25とマスク部35の特定部分の位置関係を示した図
図9】本発明の実施形態におけるイメージセンサ部25により取得された画像情報の例を示した図
図10】本発明の実施形態におけるイメージセンサ部25の分解能計測後にキャリブレーション用マスク部を露光用マスクに交換して露光する露光装置200の構成を説明するための図
図11】本発明の実施形態における露光用マスク部37と基板5の構成を模式的に示した図
図12】本発明の実施形態におけるイメージセンサ部25の2焦点機能を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態となるキャリブレーション用マスク及びこのキャリブレーション用マスクを用いた露光装置のイメージセンサの分解能測定におけるキャリブレーション方法について、図1を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る一つの実施の形態であるキャリブレーション用マスク部35の構成を示した図である。マスク部35は、アライメントマーク75a〜d、画像取得窓(ラインCCD観察窓)80a〜d、マスクID85、露光窓87aおよびbを有しており、
画像取得窓80の下に、図4に示すようにガラス面部40を貼り付けるように配置している。マスク部35は、図5に示すように、接着層49によりガラス面部40を接着している。ガラス面部40は、マスク部35の基板側であって、画像取得窓80付近の下側に接着層を用いて接着されたガラス材から構成されるものである。この接着層49とガラス面40の高さを、図10に示す露光装置200のマスク部35の下面と基板5の上面の間の長さと略同一となるように設定されている。
【0019】
ガラス面部40の上面(マスク部35側)には図3及び図5に示すように、画像取得窓80を横断するように、遮蔽材から構成される少なくとも二以上の遮蔽線45a〜gが均等間隔に平行に設けられており、マスク部35の下方側の面上には、画像取得窓80を横断するように、遮蔽材から構成される少なくとも二以上の遮蔽線47a〜cが平行に設けられている。アライメントマーク75a〜dは、マスク部35の露光部50側の面上に複数備えられ、基板との位置関係を保つことを目的とするものである。また、遮蔽線45a〜gおよび遮蔽線47a〜cに用いられる遮蔽材は、クロム(Cr)等を利用する。
【0020】
次に、本発明の実施形態であるキャリブレーション用マスク部35を用いて露光装置のイメージセンサの分解能の測定方法について、図1〜10を参照しつつ、説明する。
図1はキャリブレーション用マスク部35を用いて、露光位置調整に用いるイメージセンサ部25の分解能を計測する露光装置100の構成を示すものである。露光装置100は、露光装置200(図10参照)の露光用マスク部37(図11参照)をキャリブレーション用マスク部35に付け替えた状態で、露光対象である基板が配置されていない状態のものであり、キャリブレーション用マスク部35を用いて露光装置のイメージセンサ25の分解能の測定を行なうときは、図1の状態で行なうものである。
【0021】
露光装置100は、基板を搬送可能な基板搬送部10と、キャリブレーション用マスク部35と、該マスク部35の窓から透過される光の情報から画像情報に変換するイメージセンサ(ラインCCDカメラ)25とを備えるものであって、イメージセンサ部25から取得された画像情報に基づいてイメージセンサ(ラインCCDカメラ)25の分解能を測定する画像処理部55を備えるものである。
【0022】
具体的には、露光装置100は、基板を搬送する基板搬送部10と、マスク部35の上方から露光光を照射可能とする露光部50と、マスク部35の画像情報を取得させるために、マスク部35の下方から光を照射する画像検出光源部20と、マスク部35の上方にあって、画像検出光源部20の光を受光し、画像情報を取得するイメージセンサ部(ラインCCDカメラ)25と、イメージセンサ部25で取得された画像情報に基づいてイメージセンサ(ラインCCDカメラ)25の分解能を測定する画像処理部55と、マスク部位置調整ユニット70と、を備えたものである。
【0023】
尚、画像処理部55は、前記イメージセンサ(ラインCCDカメラ)25の分解能を測定した後は、露光工程において、イメージセンサ(ラインCCDカメラ)25からの露光用マスク部37の基準マークと基板上の基準マークの画像から、露光用マスク部37と基板5との位置ズレ量を算出し、その結果にもとづいて、マスク部位置調整ユニット70に信号を送り、マスク部位置調整ユニット70によって露光用マスク部37の位置調整を行なうものである。また、露光装置100は、測定された前記分解能情報に基づいて、露光部50の露光位置を制御可能とする露光制御部60を備えていてもよい。
【0024】
さらに、キャリブレーション用マスク部35は、分解能の測定するために利用されるものであるから、露光部50から照射される必要ない。そのため、キャリブレーション用マスク部35は、露光窓を備えていなくてもよいが、以下に説明するキャリブレーション用マスク部35は、露光窓を備えたものを一例として説明する。
【0025】
基板搬送部10は、基板を搬送するものである。例えば、基板搬送部10は、図10に示すように、基板5を載置して所定の搬送方向に搬送するものであり、上面に気体を噴出する多数の噴出孔と気体を吸引する多数の吸引孔とを有した複数の単位ステージを基板5の搬送方向に並設し、気体の噴出と吸引とのバランスにより基板5を複数の単位ステージ上に所定量だけ浮かせた状態で、搬送ローラにより基板5の両端縁部を支持して搬送するようにする。図10に示す露光装置200は、キャリブレーション用マスク部35を用いて位置きめ用イメージセンサ25の分解能測定後に、キャリブレーション用マスク部35を露光用マスク部37に付け替えて、基板5に対して露光を行うものである。
【0026】
露光部50は、紫外線を照射するものであって、例えば露光波長域は280〜400nmである。また、露光部50は、紫外線を照射するものであって、具体的には、レーザ発振器やキセノンフラッシュランプ等である。また、露光部50には、フォトインテグレータ(不図示)を搭載してもよく、露光部50から照射された露光光の横断面内の輝度分布を均一にする。このフォトインテグレータは、フライアイレンズやロッドレンズ又はライトパイプ等であってもよい。
【0027】
また、露光部50に搭載されたコンデンサーレンズ(不図示)は、露光光を平行光にして、後述する露光装置200の露光用マスク部37に照射させるものである。露光部50は、露光制御部60の制御指令に応じて、露光を行うものである。
キャリブレーション用マスク部35のアライメントマーク75a〜dは、キャリブレーション用マスク部35の設定位置が基板5または位置きめ用センサ部25との位置関係が平行であるか否かを確認するためのものである。
【0028】
イメージセンサ部25によって、キャリブレーション用マスク部35のアライメントマーク75a〜dを撮像し、その画像を画像処理部55で処理し、キャリブレーション用マスク部35の設定位置とイメージセンサ部25との位置関係が平行であるか否かを確認するためのものである。
【0029】
マスク部位置調整ユニット70は、画像処理部55からのキャリブレーション用マスク部35の設定位置とイメージセンサ部25との位置関係の情報に応じて、キャリブレーション用マスク部35の位置を調整し、キャリブレーション用マスク部35の設定位置とイメージセンサ部25とを平行にするものである。
【0030】
画像取得窓(イメージセンサ用観察窓)80a〜dは、画像検出光源部20から照射される光を透過されるものである。マスクID85は、キャリブレーション用マスク部35の識別番号を記述されたものである。露光窓87aおよびbは、露光部50から照射される露光光を透過させるものである。図3は、マスク部35の画像取得窓80を拡大した図である。また、図4は、キャリブレーション用マスク部35のマスク部35aとガラス面部40との関係を示した図である。
【0031】
また、図5は、マスク部35aとガラス面部40との構成の詳細を示した図である。
画像処理部55は、遮蔽線群45a〜gおよび47a〜cを除いて透過された光を受光したイメージセンサ部25から取得された画像情報に基づいてイメージセンサ部25の分解能情報を測定するものである。露光制御部60は、画像処理部55により測定された分解能情報に基づいて、露光部50の露光開始及び停止位置を制御するものである。
【0032】
ここで、本発明の実施形態であるキャリブレーション用マスク部35を用いて露光装置100のイメージセンサ部25の分解能を測定するキャリブレーション方法について詳細に説明する。このキャリブ―レーション方法は、露光装置100の分解能を測定する方法であり、画像取得するための画像取得窓23を備えたマスク部35と、マスク部35の下方側であって、画像取得窓23付近に接着層を用いて接着されたガラス材から構成されるガラス面部40と、画像取得窓23およびガラス面部40に、遮蔽材から構成される遮蔽線をそれぞれ設けた遮蔽線群とを備える、上述したキャリブレーション用マスクに光を透過し、遮蔽線群を除いて透過された光を受光し、該受光された光の上方から画像情報に変換し、画像情報に基づいて、分解能情報を測定する。まず、画像検出光源部20を点灯させ、キャリブレーション用マスク部35を下側から照明光を照射し、先ず、イメージセンサ部25によってアライメントマーク75aおよび75bを撮像し、その画像を画像処理部55で処理し、アライメントマーク75aおよび75bの中心を結ぶ仮想線とイメージセンサ部25の成す角度を算出する。
【0033】
算出された角度が最小になるようにマスク位置調整ユニット70でキャリブレーション用マスク部35を回転(キャリブレーション用マスク部35の面に垂直な軸周りに回転)させ、キャリブレーション用マスク部35とイメージセンサ25を平行にセットさせる。
【0034】
次に、イメージセンサ部25によって、遮蔽線45a〜gと、その遮蔽線45a〜gとは高さの異なる遮蔽線47a〜cとを除いて透過された光を受光することにより画像情報を取得する。この際、イメージセンサ部25は、遮蔽線45a〜gを撮像する領域と、遮蔽線47a〜cとを撮像する領域とのそれぞれに対してフォーカス領域が異なるように画像情報を取得する。イメージセンサ部25は、多重焦点カメラであって、例えば、図12に示すような焦点が2つとなる2重焦点カメラである。具体的には、ガラス面部40上の遮蔽線45a〜gとマスク部35に面する遮蔽線47a〜cのそれぞれに焦点を合わせることが可能になっており、双方を鮮明に撮影することができるようになっている。図12に示されるようにイメージセンサ部25の視野半分に光調整板25aを介在させ、焦点深度が異なるガラス面部40上の遮蔽線45a〜g及びマスク部35の遮蔽線47に対して同時に焦点が合うようになっている。そして、画像処理部55は、その画像情報とイメージセンサ部25上の遮蔽線間隔の距離を利用して分解能を測定する。
【0035】
また、遮蔽線45a〜gと、遮蔽線47a〜cとの高さ位置の距離は、露光装置の露光ギャップと同等の距離にする。具体的には、露光装置200は、プロキシミティ露光方式を採用している際には、マスク部35と基板5の隙間(例えば、約100μm)を露光ギャップとする。
【0036】
イメージセンサ部25は、このように、高さが異なる遮蔽線45a〜gおよび遮蔽線47a〜cを用いることにより、フォーカス領域毎に分解能情報を測定することができる。
図8は、キャリブレーション用マスク部35を上方から見たイメージセンサ部25とマスク部35の特定部分の位置関係を説明するための概念図である。イメージセンサ部25は、図8に示すように、遮蔽線45a〜gを撮像する領域と、この遮蔽線45a〜gと高さの異なる遮蔽線47a〜cとを撮像する領域とのそれぞれに対してフォーカス領域が異なるように画像情報を取得する。
【0037】
そして、画像処理部55は、その画像情報とイメージセンサ部25上の遮蔽線間隔の距離を用いて分解能を測定する。イメージセンサ部25は、焦点距離を異なるよう複数の領域を設定し、画像処理部55は、設定された領域毎に分解能情報を測定できる。
画像処理部55は、図8に示すように、異なるフォーカス領域であるプレートフォーカスエリア(Plate Focus Area)とマスクフォーカスエリア(Mask Focus Area)を、式(4)、式(5)を用いて算出する。
分解能(Plate Focus Area)=d1/(p2−p1) ・・・式(4)
分解能 (Mask Focus Area)=d2/(p4−p3) ・・・式(5)
このように、画像処理部55は、異なるフォーカス領域毎に分解能を算出することができる。
【0038】
また、図9は、イメージセンサ部25により取得された画像情報の例を示した図である。図9に示すように、フォーカス領域は、露光ギャップ(Gap)100〜180μm、プレートフォーカスエリア、露光ギャップ(Gap)200〜300μmと分けられている。例えば、露光ギャップ(Gap)100〜180μmは、遮蔽線により遮光された線L1〜L3が表されている。また、同様に、プレートフォーカスエリアは、L4〜L9で表されている。このプレートフォーカスエリアの場合、L5,L8はL4,6,9とは異なる遮蔽線により遮光された線である。また、露光ギャップ(Gap)200〜300μmは、遮蔽線により遮光された線L10〜L12が表されている。このように、分解能測定部が、異なるフォーカス領域毎に分解能を算出することができる。
【0039】
図10に示す露光装置200は、キャリブレーション用マスク部35を備えた露光用マスク部37に取り換えたものであって、上述した分解能情報に基づいて、露光部50の露光位置を制御する露光制御部60を備え、露光制御部60は、上述した高さが異なる遮蔽線の間の距離を露光のギャップ距離として設定する。
【0040】
キャリブレーション用マスク部35を備えた露光装置100は、上述したような構成を備えるものである。なお、キャリブレーション用マスク部35のアライメントマーク75a〜dについては、イメージセンサ部25とは、異なるイメージセンサ(不図示)により読み取り、キャリブレーション用マスク部35の設定位置が基板5またはイメージセンサ部25との位置関係が平行であるか否かを確認してもよい。
【0041】
次に、露光装置100のキャリブレーション用マスク部35を露光用マスク部37に取り換えた露光装置200について説明する。
露光装置200は、露光装置100により算出されたイメージセンサ部25の分解能情報を用いることにより、露光制御し、実際に基板5に対して露光するものである。
【0042】
具体的には、露光装置200は、基板5を搬送する基板搬送部10と、基板5の上方から露光光を照射する露光部50と、基板5の画像情報を取得させるために、基板5の下方から光を照射する画像検出光源部20と、基板5の上方にあって、画像検出光源部20の光を受光し、画像情報を取得するイメージセンサ部25と、基板搬送部10と、露光部50の間に配置された、露光部50から照射される露光光の一部を透過させる露光窓22および、画像検出光源部20から照射される光の一部を透過させる画像取得窓23を備えた露光用マスク部37と、露光装置100により算出された分解能情報に基づいて、露光部50の露光位置を制御する露光制御部60と、マスク部位置調整ユニット70とを備えたものである。基板5は、ガラス基板である。また、基板5は、配線パターンを形成したTFT基板、カラーフィルタ基板であってもよい。
【0043】
図11は、露光用マスク部37と、基板5との構成を模式的に示した図である。露光用マスク部37は石英ガラスなどからなる透明基板の表面に、所定のパターンに形成された遮光部と露光窓を有する。図中の矢印aは基板5の搬送方向を示す。この露光用マスク部37は、たとえば縦長スリット形状の露光窓22が、基板の搬送方向aの直角方向に沿って所定のピッチで並列して形成される構成を備える。図11においては、遮光処理を施した領域が遮光部21を示し、施していない領域が露光窓22を示す。露光用マスク部37の基板5に対する搬送開始側には、横長スリット形状の画像取得窓23が形成されている。そして、画像取得窓23には、露光用マスク部37に遮蔽線45a〜gが形成されている。遮光部21は、例えば、クロムなどにより遮光されている。また、遮蔽線45a〜gもクロムなどの遮蔽材から構成される。
【0044】
イメージセンサ部25は、露光用マスク部37の画像取得窓23を介して、基板5に予め形成された既存パターン、例えば、ゲートバスライン、ソースバスラインやブラックマトリクスを撮影する。この際、イメージセンサ部25は、基板5の搬送方向aに平行に形成された図中縦に延びる既存パターン4の開始端から他方の終了端までを画像検出するための撮影を行う。イメージセンサ部25は、画像取得窓23下を帯状に流れるように移動する既存パターン4を、イメージセンサ部25の撮影により画像検出する。
【0045】
イメージセンサ部25は、撮影している間、画像取得窓23下を移動している既存パターン4が、基板5の移動方向aに対して直角となる方向へずれていってしまう場合は、その画像データから画像処理部55によってズレ量を算出し、マスク部位置調整ユニット70によってそのズレ量に応じた露光用マスク部37の位置合わせのための移動が行われる。このように、既存パターン4に追従した露光用マスク部37の移動制御によってアライメント調整が行われる。これにより、露光部50は、既存パターン4に沿った位置に対して、正確な露光がなされる。
【符号の説明】
【0046】
5 基板
10 基板搬送部
20 画像検出光源部
21 遮光部
22 露光窓
23 画像取得窓
25 イメージセンサ部
25a 光調整板
35 マスク部
37 マスク部
40 ガラス面部
45a〜g 遮蔽線
47a〜c 遮蔽線
50 露光部
55 画像処理部
60 露光制御部
70 マスク部位置調整ユニット
75 アライメントマーク
80 画像取得窓
87 露光窓
100 露光装置
200 露光装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12